JP3909796B2 - サーボ制御装置、該サーボ制御装置を有するスキャナ及び該スキャナを備えた画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DCサーボモータにより速度制御、位置制御、等を行うサーボ制御技術に関し、より詳細には、フィードバック制御系における、検出器のオフセット、AD変換器やDA変換器のリファレンス電圧の定常偏差、等の要因により生じる誤動作を防止する手段を備え、原稿画像データを処理する装置(例えば、画像読み取り装置、ファクス、或いは複写機等の画像形成装置)に装備されるスキャナの移動制御にも適用し得るサーボ制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機などの画像形成装置では、コンタクトガラス上におかれた原稿に対し、光源及び伝達光学系を有するスキャナを走査させながら、光源光によって照射される原稿画像面からの反射光を伝達光学系を介して画像データとして取り込み、感光体上に結像させて露光処理が行われる。
かかるスキャナの走査は、DCサーボモータを使用してスキャナを駆動することによって行われる。DCサーボモータのドライバは、4個のMOS・FETで構成するHブリッジ回路を持ち、パルス変調(PWM)信号及び回転方向のH/L信号により4個のMOS・FETを選択動作させて、モータを正逆回転させる。 DCサーボモータの駆動をサーボコントロールするフィードバック系は、モータの回転軸に取り付けられたエンコーダと、エンコーダの検出信号によりモータの回転速度検出、速度演算及び速度制御信号を処理するマイコンと、モータに流れる電流値及びその電流方向を検出する電流検出部と、モータ速度を決めるパルス変調信号及び回転方向を決める信号(即ち、電流検出部からの検出電流値とマイコンから指示される目標速度に応じた制御目標電流値の比較値に基づいて発生されるPWM信号及びH/L信号)によりモータドライバのHブリッジ回路の4個のMOS・FETを選択動作させる選択回路と、を備えている。
【0003】
このフィードバック系においては、モータ軸に取り付けられたエンコーダからの回転同期パルス信号によりマイコン内で回転速度を検出し、検出された回転速度と予め設定した目標回転速度との偏差によりPI制御動作に従う目標指示電流値を演算、設定し、変化するこの目標指示電流値にモータの動作電流を追従させ、モータの回転速度が目標速度になるように、サーボ制御動作を行っている。この制御方式は、一般的にソフトウェアサーボと呼ばれている。制御は、エンコーダ信号による割り込み処理、または数msec程度のタイムインターバル割り込み処理で高速処理されている。
また、モータの駆動電流を目標指示電流値に追従させ、サーボ動作を行うために、実際にモータを流れる電流値と電流方向を検出する電流検出部としてホール電流検出器が用いられ、検出値が目標指示電流値と比較される。ホール電流検出器は、電流に比例して発生する磁束を磁気鉄心とホール素子の組み合わせにより非接触で検出し、上記電流値を電圧に変換するものであり、バイポーラ出力とユニポーラ出力のタイプがある。ユニポーラ出力タイプの場合、モータに電流が流れていない時、即ち、モータ停止状態で、ある+の電圧値(例えば+2.5V、以下この例で説明)を出力し、プラスの電流(仮にモータ正転方向とする)の時は+2.5V以上の電圧を,マイナスの電流(仮にモータ逆転方向)の時は+2.5V以下の電圧を発生し、電流値がマイナス側から0を挟んでプラス側にわたり電流対出力電圧がリニアな関係となる検出特性を持つ。また、バイポーラ出力タイプは、電流対出力電圧がリニアな関係となる検出特性は同じで、電流値と出力電圧値の関係が同一極性で、マイナス側から0を挟んでプラス側にわたるものである。
【0004】
以下、ユニポーラ出力タイプを例にとり説明すると、停止時の目標指示電流値は、電流検出部(ホール電流検出器)の電流値0の時の出力電圧に相当する電圧値で設定され、正転方向に駆動させるには電流検出器の電流値0の時の出力電圧以上の電圧、逆転方向に駆動させるには電流検出器の電流値0の時の出力電圧以下の電圧を設定するようになされる。
マイコンから指示される目標指示電流値と電流検出部からのモータ電流値との差分を演算し、その差分の+/−の結果によってモータに流す電流の向きを決定し、更に、上記差分から制御量として絶対値回路で絶対値に変換して、三角波と比較をとりPWM信号を生成して、Hブリッジ回路を介してモータをドライブする。
実際に速度制御を行う際には、予め決められたモータの回転速度のタイムチャートに従って、その時の目標指示電流値を参照値として設定することにより、その値を追従する制御動作がなされる。ただし、モータの駆動の開始時には、或る一定時間、予定した回転方向(正転、逆転)に見合った一定の目標指示電流を出力し、実際にモータが動き始めてからそれ以降は、上記タイムチャートによって、PI制御により適切な目標指示電流値が決定される。
【0005】
ところで、モータの電流検出器の出力値にはオフセットが生じる。電流検出器の出力値にオフセットが生じる場合、目標指示電流値へモータ電流値を追従させるサーボ制御系にもオフセットが影響してしまい、例えば停止時からモータが動き始める時に、最悪の場合、正転方向の目標指示電流を設定し出力した(オフセットのない状態で設定される目標値による)にも関わらず、モータは逆回転してしまうという現象が起きてしまう。この不具合を改善するために、オフセットの補正を行うサーボ制御装置が提案されている。
提案された装置におけるオフセット補正の手段としては、モータ電流が流れていない時の電流検出器の検出値からオフセット量を検出し、検出したオフセット量により一律に目標指示電流値を補正し、補正後の値に基づいて制御動作を行うようにしている。その方法として、1つは、検出したオフセット値で目標指示電流値をデジタル補正処理した後にアナログ変換して出力するマイコンによる方式で、もう1つは、検出オフセット量をアナログ動作のピークホールド回路に保持し、マイコンから出力される目標指示電流値をアナログ変換した後にピークホールド回路に保持した検出オフセット値でアナログ補正処理を行う方式である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピークホールド回路によるオフセット補正方式によると、安価な部品を使用して実現出来るが、部品点数の増加、回路の複雑さが懸念され、装置全体としては、コストアップにつながる。また、例示したこれらの方式では、一律にオフセット量を補正値として目標指示電流値に反映させており、実質的に電流検出器に生じるオフセット量に対応するものでしかない。
他方、目標指示電圧(モータの目標指示電流値に対応する電流検出器出力電圧)の誤差要因としては、電流検出器に生じるオフセット以外に、AD変換器,DA変換器において用いるリファレンス電圧の定常偏差(AD、並びにDA変換器に用いるリファレンス電圧を専用のICを使わずに、他のロジック回路等を駆動する電源と共通使用する場合などは、電源電圧の許容スペックで誤差が生じ、更に機械毎に電源がばらつくなど、による)による影響がある。具体的には、マイコンがモータ電流値(オフセット値)を検出するAD変換器のダイナミックレンジのバラツキや、目標指示電流値をアナログ出力するDA変換器のダイナミックレンジのバラツキ等となって、その影響が現れる。このリファレンス電圧の定常偏差による誤差は、結果として、上述の電流検出器のオフセットによると同様に適切な動作をせず、最悪の場合、モータ駆動始動時の誤動作(逆回転)を起こすことになる。
このようなリファレンス電圧の定常偏差により起きる不具合を改善するために、本出願人による先の出願(特願平11−218965号)では、モータに電流が流れていない時の電流検出器の値を読むことでAD及びDA変換器のダイナミックレンジのバラツキを、目標指示電流値に対する電流検出器の出力を導き出すことにより補正するという提案をしている。
しかしながら、この提案は電流検出器のオフセット量に対してAD及びDA変換器のダイナミックレンジのバラツキが大きいという前提で補正をしており、オフセット量の補正は含まれていない。最適な制御を行うためには、オフセット量を含むダイナミックレンジのバラツキを考慮した補正が必要である。
【0007】
本発明は、DCサーボモータにより速度制御を行うサーボ制御装置における上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、不適正な制御動作の原因となる電流検出器のオフセットの補正とともに、マイコンにより設定される目標指示値に生じる誤差の原因となるAD変換及びDA変換におけるダイナミックレンジのバラツキを考慮した補正をして、目標指示値を設定し得るようにし、正しい制御動作を行うサーボ制御装置、該サーボ制御装置を有するスキャナ及び該スキャナを備えた画像処理装置(例えば、画像読み取り装置、ファクシミリ、或いは複写機等の画像形成装置)を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、モータの回転速度・方向を検出する回転速度検出手段、該検出手段により検出した回転速度と予め設定した目標回転速度との偏差値から目標指示電流値を演算する手段、及び前記モータの駆動電流を検出する電流検出器を備え、該電流検出器により検出したモータの駆動電流を前記目標指示電流値に追従させてサーボ動作を行うサーボ制御装置において、前記電流検出器の電流対出力電圧特性である検出器出力をAD変換器を通すことによってデジタル値で求め、求めた電流対出力電圧特性に従って導かれる前記目標指示電流値に対応するデジタル値を前記AD変換器と共通のリファレンス電圧で動作するDA変換器を通すことにより、電流検出器に生じるオフセット及びリファレンス電圧における誤差等を補正した前記目標指示電流値に対応するアナログ設定値を出力するようにしたことを特徴とするサーボ制御装置である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたサーボ制御装置において、モータの回転信号より回転速度・方向を検出する回転速度検出手段、回転速度検出手段により検出した回転速度と予め設定した回転目標速度との偏差値から目標指示電流値を演算する手段、AD変換器及びDA変換器はいずれもマイクロコンピュータに内蔵された機能によるものであることを特徴とするサーボ制御装置である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載されたサーボ制御装置において、前記電流検出器の電流対出力電圧特性として、少なくとも2つの目標指示電流値の設定時に前記電流検出器により検出され、前記DA変換器を通して得られるデジタル値に基づいて求めたリニア特性を用いることを特徴とするサーボ制御装置である。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載されたサーボ制御装置において、前記少なくとも2つの目標指示電流値の1つをモータ停止時の電流値としたことを特徴とするサーボ制御装置である。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載されたサーボ制御装置において、前記少なくとも2つの目標指示電流値の一部又は全部を、電源ON時に初期動作として制御対象の基準停止位置合わせを行うために往復動作させる過程において設定した一定指示電流値とすることを特徴とするサーボ制御装置である。
【0013】
請求項6の発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載されたサーボ制御装置において、モータ停止時の前記電流検出器の検出デジタル値が所定の値以上である場合に、再度、目標指示電流値を対応する設定電圧値に変換するDA変換器の前記電流対出力電圧特性を求め直すようにしたことを特徴とするサーボ制御装置である。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載されたサーボ制御装置において、モータ停止時の前記電流検出器の検出デジタル値が所定の異常値を越えた場合に、装置の動作を禁止させることを特徴とするサーボ制御装置である。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載されたサーボ制御装置によりDCサーボモータを正逆転させ、その回転駆動力により原稿の読み取り走査手段の移動制御を行うことを特徴とするスキャナである。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8に記載されたスキャナを備えた画像処理装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明によるサーボ制御装置及びサーボ制御装置を装備したスキャナを添付する図面とともに示す以下の実施例に基づき説明する。
先ず、サーボ制御装置が装備されるスキャナについて、構成とその動作の概略を説明する。
図1は、複写機等の画像処理装置に用いるスキャナの概略図を示す。
図1において、スキャナは、原稿2を載置するコンタクトガラス1の下方において、光源3と第1ミラー4とを一体に取り付けた第1スキャナと、第2ミラー5と第3ミラー6とを一体に取り付けた第2スキャナからなる。また、第3ミラー6により折り返される反射光路上には、結像レンズ7、固定の第4ミラー8、第5ミラー9、第6ミラー10がこの順に設けられ、第6ミラー10により折り返される反射光路上には、保護ガラス11、感光体ドラム12がこの順に設けられる。
【0018】
第1スキャナは、一定速度Vでコンタクトガラス1上の原稿2に沿い、図示の方向に移動しながら光源3が原稿2をスリット状に照明し、原稿2からの反射光を第1ミラー4が水平方向に反射する。第2スキャナは、一定速度V/2で第1スキャナと平行に、図示の方向に移動しながら、第1ミラー4からの反射光を第2ミラー5、第3ミラー6が水平方向に折り返す。その後、反射光は、結像レンズ7を通り、固定の第4ミラー8、第5ミラー9、第6ミラー10で折り返された後、感光体12上に収束し原稿2の像が感光体ドラム12上に結ばれる。
第1スキャナは、一定速度Vで原稿2に沿い移動し、これに同期して、第2スキャナは、一定速度V/2で第1スキャナと平行に移動し、原稿2の面から感光体ドラム12の面までの光路長が常に一定に保たれる。第1スキャナ、第2スキャナの移動に同期させて、感光体ドラム12を回転させることにより、原稿面から画像を読み取って感光体ドラム12上に原稿画像と同じ画像を形成する。
このように、第1スキャナ及び第2スキャナは読み取り走査時に動作され、1回の読み取り走査が終了すると元のホームポジションに戻される。
【0019】
ホームポジションから移動を開始し、画像の読み取り走査を行い、ホームポジションへ復帰するまでのスキャナの移動は、正逆方向の回転とその速度制御が可能なDCサーボモータの駆動によってなされる。
図2は、かかる走査を行うスキャナの駆動に必要なDCサーボモータの回転速度の時間的な変化(タイムチャート)の1例を示す線図である。
図2を参照して、読み取り時のモータの一連の動作を説明する。先ず、読み取りのために、モータを正転させて、スキャナの移動をスタートさせると、直ちに原稿読み取り速度まで立ち上がり、一定速度で移動しながら原稿を読み取っていく。原稿読み取りが終了するとモータは、逆転方向に駆動されスキャナをホームポジションに戻す。この戻り動作では、スキャナを出来るだけ速やかに戻すために、原稿読み取り終了後、直ちに逆転方向に原稿読み取り時の速度の数倍まで加速され、加速後、高速を維持したまま等速で戻され、ホームポジション近くの所定の位置からモータに正転方向の電流が流されて減速され、ホームポジションでモータへの通電を停止してスキャナを停止させるようにする。
【0020】
次に、スキャナの駆動のために、図2に例示されるような回転方向と速度の制御が必要なDCサーボモータの制御装置について説明する。
図3は、本発明に係わるサーボ制御装置の1実施例の回路構成を示す図である。
図3を参照して、この実施例の装置全体の構成と装置の動作の概要を、以下に説明する。
このサーボ制御装置は、図3に示されるように、DCサーボモータM31の駆動を制御する装置で、DCサーボモータM31のドライバは、4個のMOS・FETQ31〜34で構成するHブリッジ回路を持ち、パルス幅変調(PWM)信号及び回転方向を決めるH/L信号により4個のMOS・FETQ31〜34を選択動作させて、モータM31へ供給する駆動電流を変化させて正逆回転の駆動を行う。
DCサーボモータM31をサーボ コントロールするフィードバック系には、モータ軸に取り付けられたエンコーダEC31と、エンコーダEC31の検出信号によりモータM31の回転速度検出速度演算及び速度制御信号を処理するマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記す)30と、モータM31に流れる電流値及びその電流方向を検出する電流検出器40と、モータ速度を決めるPWM信号及び回転方向を決める信号(即ち、電流検出器40からの検出電流値とマイコン30から指示される目標速度に応じた制御目標電流値の比較値に基づいて発生されるPWM信号及びH/L信号)によりHブリッジ回路の4個のMOS・FET Q31〜34を選択動作させる選択回路34、35と、を備えている。
【0021】
フィードバック系の動作をより詳細に説明すると、ここでは、モータM31の回転軸に取り付けられたエンコーダEC31からの回転同期パルス信号と、さらに複数相の回転同期パルス信号の位相ずれの向きによって反転するフリップフロップ32によって検出される回転方向信号と、によりマイコン30内でモータM31の回転方向を含む回転速度を検出し、検出された回転速度と予め設定した目標回転速度(例えば、モータM31が停止した状態から始動し動作を終了するまでの回転速度の変化を与えるタイムチャートに従って目標値が設定される)との偏差によりPI制御を行う。
マイコン30は、上記で得た回転速度の偏差値からPI制御による目標値として、モータM31に供給すべきモータ(駆動)電流に応じた値を演算により求める。また、求めた目標値はデジタル値であるから、これをさらにリファレンス電圧Vref(+5V)とするアナログ値へとDA変換し、0〜Vref(+5V)のアナログの制御目標指示電流値Irefを差動増幅器IC33のプラス端子に入力する。
一方、差動増幅器IC33のマイナス端子にはモータM31のモータ駆動電流Imot(実際には、電流検出器40により検出された電圧値)を入力するので、目標値Irefとの差値(Iref−Imot)が差動増幅器IC33から出力される。
【0022】
差値(Iref−Imot)は、差動増幅器IC35でモータ停止時のモータ電流(0V)との差がとられ、この差出力は、モータ速度を決めるパルス幅変調(PWM)信号及び回転方向を決める信号の生成に用いられる。
モータ速度を決めるPWM信号は、差動増幅器IC35の出力を絶対値回路38を通して得られる絶対値信号が三角波発生回路33から出力される三角波と比較器IC34で比較され、その出力として得られる。なお、絶対値回路38はオペアンプ36、37を有する全波整流回路により構成される。
モータの回転方向を決める信号は、差動増幅器IC35の出力を比較器IC36に入力し、信号の正、負が判断され、その2値化信号出力として得られる。
【0023】
Hブリッジ回路の4個のMOS・FET Q31〜34を選択動作させる選択回路としてNAND回路34、35を備え、その一方のNAND回路35の入力側には、比較器IC34出力のPWM信号と比較器IC36出力の回転方向信号を、もう一方のNAND回路34出力の入力側には、比較器IC34出力のPWM信号と比較器IC36出力をインバータIC37によって反転した回転方向信号を入力し、Hブリッジ回路の4個のMOS・FETQ31〜34を選択し、モータM31の正逆の回転方向と回転速度を決めて動作させる。この動作時のモータM31のモータ電流は、電流検出器40で検出され、差動増幅器IC35の入力側にフィードバックされるので差値(Iref−Imot)を0に、即ち、Iref=Imotとするようにモータ電流が制御される。
【0024】
上記で図2に関し説明したように、モータM31の回転速度のサーボ制御動作は、時間に対する速度変化を示すタイムチャートに基づいて与えられる目標指示電流値Irefの変化にモータM31の駆動電流Imotを追従させ、モータの回転速度が目標速度になるように、その動作が実行される。
その制御動作をこの実施例の回路におけるように、マイコン30によってモータM31の回転速度の目標速度に対する偏差値を求め、さらに制御目標値としてモータM31に供給すべき駆動電流に応じた値を演算により求め、アナログの制御目標指示電流値Irefとして出力させる方式をソフトウェアサーボと呼んでいる。この制御方式によると、エンコーダ信号による割り込み処理、または数msec程度のタイムインターバル割り込み処理で高速処理がなされる。
また、この実施例では、コストダウンと回路の簡略化からAD変換器及びDA変換器はマイコン30に内蔵されている機能を使用し、リファレンス電圧Vrefは、他の回路で使用している電源電圧VCC(+5V)を用いることにしている。
【0025】
モータM31の駆動電流を目標指示電流値に追従させ、サーボ動作を行うために、実際にモータを流れる電流値と電流方向を検出する電流検出器40としてホール電流検出器が用いられ、検出値が目標指示電流値と比較される。ホール電流検出器は、電流に比例して発生する磁束を磁気鉄心とホール素子の組み合わせにより非接触で検出し、上記電流値を電圧に変換する物であり、バイポーラ出力とユニポーラ出力のタイプがある。
この実施例では、ユニポーラタイプのホール電流検出器40が採用される。なお、バイポーラ出力をするタイプの検出器を用いることもできる。
図4は、本実施例に用いるユニポーラタイプのホール電流検出器の電流対出力電圧の検出特性を示す図である。同図に示すように、ユニポーラ出力タイプの場合、検出部分に電流が流れていない0アンペア時、即ち、モータ停止状態では+2.5Vの電圧を出力し、プラスの電流(仮にモータ正転方向とする)の時は+2.5V以上の電圧を、マイナスの電流(仮にモータ逆転方向)の時は+2.5V以下の電圧を発生し、電流値がマイナス側から0を挟んでプラス側にわたり電流対出力電圧がリニアな関係となる検出特性を持つ。
【0026】
上記ユニポーラタイプのホール電流検出器40を用いる場合に、停止時の目標指示電流値は、ホール電流検出器40の電流値0アンペア時の出力電圧と同じにするような電圧値で設定され、正転方向に駆動させるには電流検出器40の電流値0アンペア時の出力電圧+2.5V以上の電圧に、逆転方向に駆動させるには電流検出器40の電流値0アンペア時の出力電圧+2.5V以下の電圧を設定すればよい。
マイコン30が持っているデジタル値は、DA、AD変換器のリファレンス電圧が+5Vで8ビット分解能であれば、127digitがモータ停止時の+2.5Vの値で、正転方向に駆動させるには127digit以上の値、逆転方向に駆動させるには127digit以下の値を、DA変換器に設定すればよいことになる。
【0027】
モータを駆動する際には、時間に対するモータM31の回転速度の変化を示す予め決められたタイムチャート(図2の例示、参照)に従って、その時の目標指示電流値Irefが参照値として与えられ、PI制御により、その値を追従する制御動作がなされる。
しかしながら、モータM31の駆動の開始時には、すぐにPI制御動作には入らず、或る一定時間、正転方向、逆転方向に見合った一定の目標指示電流を設定し、その値により制御動作を行い、実際にモータが動き始めてからそれ以降は、タイムチャートに沿って、PI制御により適切な目標指示電流値Irefが決定される。
【0028】
ところで、モータM31の電流検出器40の出力値にはオフセットが生じる。電流値がマイナス側から0を挟んでプラス側にわたり電流対出力電圧がリニアな関係となる検出特性を持つ電流検出器40の出力値にオフセットが生じると、目標からオフセット分だけずれた値に制御され、不適正な制御動作が行われることになる。例えば、停止しているモータM31に、一定の目標指示電流を設定して始動させる時、オフセットがあると最悪の場合(目標値に比べてオフセット値が大きい場合)、正転方向の目標指示電流を出力したにも関わらず、モータM31は逆回転してしまうという現象が起きてしまう。
また、上記と同様に不適正な動作の原因となる要素としては、マイコン30におけるDA変換及びAD変換において参照するリファレンス電圧Vrefの定常偏差により生じる誤差がある。リファレンス電圧Vrefによる誤差は、マイコン30に内蔵されているDA、AD変換器機能が、他の回路で使用している電源電圧VCC(+5V)をリファレンス電圧Vrefに用いたためである。電源電圧VCC(5V)にはばらつきや変動があり、一般的に±5%の誤差(定常偏差)が許されている。図4の例を参照すると、リファレンス電圧が5Vの時は、モータ電流0アンペア時の電流検出器の出力は2.5Vのため、AD変換後は、127digitであるが、+5%の誤差時は121digit、−5%の誤差時は134digitになり約±6digitの誤差が生じる。この値を電流値に変換すると、約1.18Aに相当する。また、リファレンス電圧を共通にするDA変換においても同様の誤差を生じる。
【0029】
図5にDA、AD変換器におけるリファレンス電圧の変動による電流対出力電圧特性への影響の様子が示されている。
図5において、直線▲1▼は、リファレンス電圧VCCが5V(255Digit)で誤差がなく、電流検出器40にもオフセット誤差がないときの状態を示し、AD変換では、電流0(A)時の読み値は電流検出器40の出力が2.5Vであるので、127Digitになる(DA変換では、逆に127Digitの時、電流0(A)に相当する2.5Vを出力する)。図中、リファレンス電圧VCCが±α変動したときのAD変換後の電流対出力電圧特性が、直線▲1▼を中心にして、直線▲2▼及び直線▲3▼として示されており、VCCが(5+α)Vと高くなる場合、直線▲2▼の様になり、AD変換では、電流検出器40の読み値は小さなデジタル値として出力される(DA変換では、逆に大きい電流に相当するアナログ値を出力する)。他方、VCCが(5−α)Vと低くなる場合、直線▲3▼の様になり、AD変換では、電流検出器40の読み値は大きな値として出力される(DA変換では、逆に小さい電流に相当するアナログ値を出力する)。
このように、リファレンス電圧Vrefの誤差は、DA変換処理し出力される目標指示電流値Irefに影響する。つまり、マイコン30は、検出したモータ回転速度と予め設定した目標回転速度との偏差によりPI制御の設定値として目標指示電流値Irefを演算し指示値に対応するデジタル値としてその値を求める、得た目標指示電流値に対応するデジタル値をリファレンス電圧Vrefに基づきDA変換し、アナログ出力(0〜Vref)するが、その時、リファレンス電圧Vrefの誤差が変換後の値に含まれることになる。
【0030】
ここで、正常な制御動作を妨げる上記したオフセットとリファレンス電圧Vrefの誤差による影響を除く本発明の方法について説明する。この方法は、目標指示電流値を対応するデジタル値で表す(このデジタル値をDA変換器へ入力し、変換後のアナログ量が目標設定値として電流検出器40のアナログ出力と比較され、サーボ動作が行われる)時に、この目標指示電流値に対応するデジタル値をDA変換器と共通のリファレンス電圧で動作するAD変換器を通してデジタルで表された電流検出器40の電流対出力電圧特性に従って導く(つまり、オフセット無し、リファレンス電圧正常という条件で設定される目標指示電流値を、オフセットとリファレンス電圧の変動を含んだ特性に従って補正する)ことにより、DA変換器を通して目標指示電流値Irefを出力させる際に、オフセットとリファレンス電圧Vref変動による誤差分の補正を行うという原理による。
具体的に説明すると、オフセット無し、リファレンス電圧正常という理想の条件で設定される停止時の目標指示電流値は0(A)であるから、先の例に従った場合、目標指示電流値0(A)に対応する2.5VをDA変換器から目標値として出力させるために127digitを対応するデジタル値として指示することになる。他方、オフセットとリファレンス電圧の変動を含んだ現実の動作条件下では、127digitを対応するデジタル値として指示すると、DA変換の過程で誤差が生じ、さらにオフセット誤差も考慮されていないために、誤動作を起こすので、電流検出器40を実際に動作させて得た電流対出力電圧特性に従って導かれる目標指示電流値0(A)に対応するデジタル値を指示するようになされる。例えば、−のオフセット(停止時の出力が2.5Vより低い)と高いリファレンス電圧(5Vより高い)の場合、127digitより小さな値が指示され、この値によりDA変換器から出力される目標値は電流検出器40の特性に従った停止時の出力に等しくなる(図5参照)。
【0031】
次に、上記の補正原理に従って目標指示電流値Irefの補正を行うための具体化手段について以下に説明する。
本発明では、制御動作時に目標指示電流値の補正に用いる電流検出器40の電流対出力電圧の特性直線をデジタルで表現する必要がある。そのために、指定した目標指示電流値Irefで動作させたときの電流検出器40の検出出力電圧をマイコン30が内蔵するAD変換機能によりデジタル値に変換し、図5に示すような電流対出力電圧の特性直線(なお、図5ではオフセットが考慮されていない)を求める。
特性直線を求めるためには、目標指示電流値に対する電流検出器40の出力値を少なくとも2点検出する必要があり、この検出値によりリニアな特性を求めることが出来る。検出する2点は、安定した検出が可能な目標指示電流値を与える点を選ぶ必要がある。例えば、モータが停止してる時の電流検出器の値と、スキャナが駆動中で速度制御をかけずに、一定の目標指示電流値でスキャナを動かした時に与えられる点である。この時の電流検出器の検出電圧はアナログであり、マイコン30で検出電圧を基準電圧±αの値をとるリファレンス電圧Vrefを基にデジタル変換する。検出された2点の座標(目標指示電流値:検出電圧digit)から特性直線を求めることができる。
また、モータ停止時の電流検出器40の検出デジタル値から算出したオフセット値(検出Vzeroの理想値2.5V(127digit)に対する差値)と2点検出による直線の傾きをそれぞれ算出することにより特性直線を求める方法によっても良い。
【0032】
上記したように、2点の目標指示電流値に対する電流検出器の出力(電圧)の検出は、安定した動作状態において検出された値を用いることが必要であり、その1点は、モータの停止時とする。マイコン30は、この時の電流検出器の出力電圧をマイコン内蔵のAD変換機能の特性に従いAD変換し、得られるデジタル値を補正用のデータとして取得する。この出力電圧値は、電流検出器にオフセットがなければ2.5Vであり、また、AD変換に用いるリファレンス電圧にも誤差がなければ127digitのデジタル値を電流検出器の読み値として得る。
特性直線を求めるために検出されるもう1つの点は、電源ON時にスキャナを基準停止位置に位置合わせするために、スキャナを往復動作させるホーミング動作の最中に行う。図6は、この2点目の補正用のデータを取得する動作状態を説明するための図であり、図中に示す線図はホーミング動作時のスキャナを駆動するDCサーボモータの回転速度の時間的な変化(タイムチャート)の1例を示している。
図6に示すように、ホーミング動作時の設定は、まずフォーワード側のスキャン操作として、通常のPI制御によるスキャナ立ち上げ制御を行い、等速制御に移す。ホームポジションを通過し、ある位置までスキャナを等速移動させた後、本発明に係わる補正データを検出する期間を設定する。この期間では、設定速度制御を外す(速度フィードバックをしない)ことにより、目標指示電流値は一定値に固定したままにし、ある一定の距離の間スキャナを移動させる。なお、図6に示すように、この期間のスキャナの走行は、本来ならば、等速移動を行うが、速度フィードバックをしないため、等速運動にならない。この期間に、マイコン30は設定されている目標指示電流値に対応する電流検出器による検出値のデジタル値を特性直線を求めるためのデータとして取得する。
このようにしてマイコン30は、特性直線を求めるためのデータを取得し、取得した少なくとも2点の座標からリニアな特性直線を算出する。
【0033】
さらに、2点の目標指示電流値に対する電流検出器の出力(電圧)の検出を行う他の方式を説明する。この方式は、上記発明において1点の検出をスキャナのホーミング動作時におけるフォーワード側のスキャン操作中に補正データを検出する期間を設定し、その期間に+側の目標指示電流値の検出を行ったが、本発明においては、この他に、ホーミングの往復運動におけるリターン側スキャン操作中に補正データを検出する期間を設定し、その期間に、−側の目標指示電流値の設定をすることにより、2点の座標を取得し、取得した2点の座標から同様に特性直線を算出する方式である。この方式では、スキャナにおいて通常ホーミング動作として行われる基準停止位置合わせのための往復動作中において、特別な動作を新たに行わせることなく、特性直線を得ることができるので、有効な実施化手段を提供し得るものである。
【0034】
また、本発明において、目標指示電流値の設定時、その指示値を上記の電流対出力電圧の特性直線により補正することにより正常な制御動作を確保しているが、補正に用いる特性直線はそれを求めた時点では装置の特性を反映しているが、装置の特性は経時的に変化をするので、装置の状態をチェックし、変化があった場合にその変化に対応することにより制御動作を正常に維持することが必要である。
そのために、モータM31が停止している間、電流検出器40によりモータ駆動電流の検出を逐次行い、検出値をAD変換し、得られるデジタル値(読み値の)変動をチェックする。この場合、理想値は、127digitのデジタル値が得られ127digitからのずれは電流検出器40のオフセット或いはAD変換に用いるリファレンス電圧における誤差等によるものであると判断される。
従って、読み値に所定のずれ又は変化が発生したときは、再度ホーミング動作を実行して、先に述べた手順で新たなリニアな特性直線を導くことにより、適正な制御動作が可能となるようにする。
また、読み値に発生した所定のずれ又は変化の程度により、電流検出器40の故障やフィードバッグ系の異常が発生した可能性があると判断して、モータM31の駆動を禁止する手段をとるようにする。
【0035】
【発明の効果】
請求項1、2の発明に対応する効果: 電流検出器により検出したモータの駆動電流を目標指示電流値に追従させてサーボ動作を行うサーボ制御装置において、電流検出器出力をAD変換器を通すことによってデジタルで表された電流対出力電圧特性を求めておき、モータの検出回転速度と予め設定した目標回転速度との偏差値から演算され、指示される前記目標指示電流値を、求めた電流対出力電圧特性に従って対応するデジタル値を導き、このデジタル値を前記AD変換器と共通のリファレンス電圧で動作するDA変換器を通し設定値として出力することにより、電流検出器に生じるオフセット及び前記リファレンス電圧における誤差等を補正した目標指示電流値が設定できるので、一定電流を設定して行うモータ始動時に、電流検出器のオフセット、により起きていた誤動作(設定回転方向の反転)を防止し、適正な制御動作を行い、しかも、回転速度の検出、目標指示電流値の演算、AD変換及びDA変換処理はいずれもマイクロコンピュータに内蔵された機能によるので、高速、確実な動作を行うサーボ制御装置を提供できる。
【0036】
請求項3〜5の発明に対応する効果: 請求項1、2の発明に対応する効果に加えて、電流対出力電圧特性として、少なくとも2つの目標指示電流値を設定した時に電流検出器により検出されDA変換器により変換したデジタル出力値に基づいて求めたリニアな特性を用いることにより、特別な回路を用意することなくソフトウェア対応で特性直線を求め補正を行うことができ、コストアップにならず性能を向上させることができ、しかも、少なくとも2つの目標指示電流値の1つをモータ停止時の電流値とし、又、少なくとも2つの目標指示電流値の一部又は全部を、電源ON時に初期動作として通常行う制御対象の基準停止位置合わせを行うために往復動作させる過程(ホーミング動作中)において、設定する一定指示電流値としたことにより、特別な動作を新たに行わせることなく、補正に用いる特性直線を得ることができ、有効な実施化手段を提供し得る。
【0037】
請求項6の発明に対応する効果: 請求項1〜5の発明に対応する効果に加えて、モータ停止時の電流検出器の検出デジタル値が所定の値以上である場合に、再度、補正に用いる特性直線を求め直すようにしたことにより、環境(温度)等による経時変化にも対応しサーボ制御の精度を維持することができる。
請求項7の発明に対応する効果: 請求項1〜6の発明に対応する効果に加えて、モータ停止時の前記電流検出器の検出デジタル値が所定の異常値を越えた場合に、装置の動作を禁止させることにより、回路誤動作による暴走を事前に防ぎ、機械の破損を防止できる。
請求項8、9の発明に対応する効果: 請求項1〜7のいずれかに記載されたサーボ制御装置によりDCサーボモータを正逆転させ、その回転駆動力により原稿の読み取り走査手段の移動制御を行うスキャナ、及び前記スキャナを備えた画像処理装置において、上記請求項1〜7の発明に対応する効果を実現することにより、スキャナ及び画像処理装置の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される複写機等の画像処理装置に用いるスキャナの概略図を示す。
【図2】 スキャナの駆動に必要なDCサーボモータの回転速度の時間的な変化を示す。
【図3】 本発明に係わるサーボ制御装置の1実施例の回路構成を示す図である。
【図4】 ユニポーラタイプのホール電流検出器の電流対出力電圧の検出特性を示す。
【図5】 AD変換器におけるリファレンス電圧の変動による電流対出力電圧特性への影響を示す。
【図6】 スキャナのホーミング動作時に設定された補正用データの検出期間を説明するための図を示す。
【符号の説明】
30…マイコン、 M31…DCサーボモータ、
EC31…エンコーダ、 40…電流検出器、
IC33,IC35…差動増幅器、 IC34,IC36…比較器、
38…絶対値回路、 33…三角波発生回路、
Q31〜34…H型ブリッジ回路を構成するMOS・FET。
Claims (9)
- モータの回転速度・方向を検出する回転速度検出手段、該検出手段により検出した回転速度と予め設定した目標回転速度との偏差値から目標指示電流値を演算する手段、及び前記モータの駆動電流を検出する電流検出器を備え、該電流検出器により検出したモータの駆動電流を前記目標指示電流値に追従させてサーボ動作を行うサーボ制御装置において、前記電流検出器の電流対出力電圧特性である検出器出力をAD変換器を通すことによってデジタル値で求め、求めた電流対出力電圧特性に従って導かれる前記目標指示電流値に対応するデジタル値を前記AD変換器と共通のリファレンス電圧で動作するDA変換器を通すことにより、電流検出器に生じるオフセット及びリファレンス電圧における誤差等を補正した前記目標指示電流値に対応するアナログ設定値を出力するようにしたことを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項1に記載されたサーボ制御装置において、モータの回転信号より回転速度・方向を検出する回転速度検出手段、回転速度検出手段により検出した回転速度と予め設定した回転目標速度との偏差値から目標指示電流値を演算する手段、AD変換器及びDA変換器はいずれもマイクロコンピュータに内蔵された機能によるものであることを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項1又は2に記載されたサーボ制御装置において、前記電流検出器の電流対出力電圧特性として、少なくとも2つの目標指示電流値の設定時に前記電流検出器により検出され、前記DA変換器を通して得られるデジタル値に基づいて求めたリニア特性を用いることを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項3に記載されたサーボ制御装置において、前記少なくとも2つの目標指示電流値の1つをモータ停止時の電流値としたことを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項3又は4に記載されたサーボ制御装置において、前記少なくとも2つの目標指示電流値の一部又は全部を、電源ON時に初期動作として制御対象の基準停止位置合わせを行うために往復動作させる過程において設定した一定指示電流値とすることを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項3乃至5のいずれかに記載されたサーボ制御装置において、モータ停止時の前記電流検出器の検出デジタル値が所定の値以上である場合に、再度、目標指示電流値を対応する設定電圧値に変換するDA変換器の前記電流対出力電圧特性を求め直すようにしたことを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載されたサーボ制御装置において、モータ停止時の前記電流検出器の検出デジタル値が所定の異常値を越えた場合に、装置の動作を禁止させることを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載されたサーボ制御装置によりDCサーボモータを正逆転させ、その回転駆動力により原稿の読み取り走査手段の移動制御を行うことを特徴とするスキャナ。
- 請求項8に記載されたスキャナを備えた画像処理装置。
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