JP5924107B2 - ロボットハンド、およびロボット - Google Patents

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本発明は、複数の指部を用いて対象物を把持するロボットハンド、あるいはロボットに関する。
近年のロボット技術の進歩により、工業製品の製造現場では多くのロボットが使用されている。また、複数の指部を用いて対象物を把持することが可能なロボットハンドが開発されており、ロボットハンドを備えたロボットが製品および各種部品の組み立てや搬送などに活用されている。このようなロボットハンドは、対象物を確実に把持し、且つ、対象物を破損しないように適切な力で対象物を把持する必要がある。ただし、対象物を把持する力(把持力)をリアルタイムに検出するために、感圧素子などの力センサーを指部に取り付けたのでは、ロボットハンドの小型化や軽量化が困難となる。
そこで、力センサーを有しないロボットハンドでは、次のような技術が提案されている(特許文献1)。先ず、指部を移動させる駆動モーターの回転速度が増減するように駆動モーターの電流値(移動電流値)を制御して、指部を対象物に向けて移動させる。そして、指部が対象物に接触し、駆動モーターの回転速度の低下を検出したら、所定の把持力に応じて予め定められた電流値(把持電流値≧移動電流値)に制御して対象物の把持を保持する。この提案の技術では、把持電流値を予め適切に定めておくことで、力センサーを用いなくても、所定の把持力で対象物を把持することが可能である。
特開2002−178281号公報
しかし、提案の技術では、ロボットハンドの使用による経時変化で摺動抵抗(静止摩擦)が増加し、把持力が初期設定より低下しても(想定した把持力が発生していなくても)、力センサーを有していないので、把持力の不足分を正確に検出して把持力(把持電流値)の補正を行うことが困難であるという問題があった。また、低下した把持力を力センサーで検出したのでは、上述のように力センサーを用いずに対象物を把持する制御を行う意味がなくなってしまう。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、力センサーを用いることなく、ロボットハンドの把持力の経時変化を補正することで、適切な把持力を保持することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明のロボットハンドは次の構成を採用した。すなわち、
複数の指部を用いて対象物を把持するロボットハンドであって、
前記指部を駆動する駆動モーターと、
前記駆動モーターの回転速度が増減するように前記駆動モーターの電流値を制御して、前記指部を前記対象物に対して移動させる移動制御部と、
前記指部が移動中に前記駆動モーターの回転速度および電流値の組を移動情報として少なくとも2組計測し、該計測した移動情報に基づいて上限電流値を補正する上限電流値補正部と、
前記指部が前記対象物に接触し、前記駆動モーターの回転速度の低下を検出した場合、前記駆動モーターの電流値を前記上限電流値とすることにより、前記対象物に対する前記指部の把持力を保持する把持制御部と、
を備えることを特徴とする。
このような構成を有する本発明のロボットハンドにおいては、駆動モーターの回転速度が増減するように駆動モーターの電流値を制御することにより、対象物に向けて指部を近づけることができる。指部が対象物に接触すると、駆動モーターの回転速度が低下するので、指部が対象物に接触したことを検知することが可能である。こうして指部が対象物に接触した後は、目標把持力に応じた上限電流値に駆動モーターの電流値を制御することにより、力センサーを用いなくても、目標把持力で対象物を把持することが可能である。ただし、上限電流値は、初期設定時の摺動抵抗(静止摩擦)を前提として設定されるものであり、使用による経時変化で摺動抵抗が増加すると、その増加分だけ電流が消費される(電流値が不足する)ことで、把持力が低下する。また、経時変化による摺動抵抗の増加の影響は、指部の移動中における駆動モーターの電流値の制御にも表れ、駆動モーターの回転速度を所定速度とするのに、摺動抵抗の増加分の電流値を上乗せする必要がある。そこで、指部の移動中に駆動モーターの回転速度と電流値との組を移動情報として少なくとも2組計測しておき、計測した移動情報に基づいて摺動抵抗の増加分を推定して、その摺動抵抗の増加分を加味した上限電流値の補正を行うことにより、力センサーを用いることなく、目標把持力を保持することが可能となる。
また、上述した本発明のロボットハンドにおいては、指部の移動中に計測した移動情報(駆動モーターの回転速度および電流値を2組以上)から駆動モーターの回転速度がゼロの時点での電流値(停止電流値)を推定することとして、その推定した停止電流値に基づいて上限電流値の補正量を決定してもよい。
例えば、指部の移動中の駆動モーターの回転速度と電流値との組を2組計測すれば、駆動モーターの回転速度と電流値との関係を示すグラフにおいて、2組の計測値を結ぶ直線と電流値軸との交点(切片)から、駆動モーターの回転速度がゼロの時点おける電流値(停止電流値)を求めることができる。この停止電流値は、摺動抵抗による負荷の大きさを表している。従って、使用による経時変化で停止電流値が増加した場合には、摺動抵抗が増加したものと判断することができ、停止電流値の増加量から上限電流値の補正量を決定することにより、目標把持力を保持することが可能となる。尚、駆動モーターの回転速度および電流値の計測値を3組以上に増やして、それらの計測値に基づく近似直線から停止電流値を求めることにより、補正の精度を高めることができる。
また、こうした本発明のロボットハンドでは、次のようにしてもよい。先ず、ロボットハンドに電源が投入されると、指部を基準位置に移動させて原点合わせを行う。そして、指部を基準位置まで移動する間に移動情報(駆動モーターの回転速度および電流値を2組以上)を計測して、上限電流値の補正を行う。
指部の原点合わせは、ロボットハンドを所定の姿勢に固定して行うのが通常である。そこで、原点合わせ中(指部を基準位置まで移動する間)に移動情報を計測すれば、一般動作(指部で対象物を把持する動作)中に比べて、ロボットハンドの姿勢などの影響による摺動抵抗の変動が少なく、補正の精度を高めることができる。
また、本発明は、以下のような態様で把握することもできる。すなわち、
複数の指部を用いて対象物を把持するロボットハンドを有するロボットであって、
前記指部を駆動する駆動モーターの回転速度が増減するように前記駆動モーターの電流値を制御して、前記指部を前記対象物に対して移動させる移動制御部と、
前記指部が移動中に前記駆動モーターの回転速度および電流値の組を移動情報として少なくとも2組計測し、該計測した移動情報に基づいて上限電流値を補正する上限電流値補正部と、
前記指部が前記対象物に接触し、前記駆動モーターの回転速度の低下を検出した場合、前記駆動モーターの電流値を前記上限電流値とすることにより、前記対象物に対する前記指部の把持力を保持する把持制御部と、
をロボットのハンド・アーム制御部に備えたことを特徴とするロボットとして把握することもできる。
このような本発明のロボットでは、ロボットハンドの把持力の経時変化を補正して、適切な把持力を保持することが可能である。しかも力センサーを必要としないので、ロボットの小型化および軽量化を図ることができる。
また、上述した本発明のロボットにおいては、指部の移動中に計測した移動情報(駆動モーターの回転速度および電流値を2組以上)から駆動モーターの回転速度がゼロの時点での電流値(停止電流値)を推定することとして、その推定した停止電流値に基づいて上限電流値の補正量を決定してもよい。
停止電流値が増加した場合には、使用による経時変化で摺動抵抗が増加したものと判断することができ、停止電流値の増加量から上限電流値の補正量を決定することにより、ロボットハンドの目標把持力を保持することが可能となる。
また、こうした本発明のロボットでは、次のようにしてもよい。先ず、ロボットハンドに電源が投入されると、指部を基準位置に移動させて原点合わせを行う。そして、指部を基準位置まで移動する間に移動情報(駆動モーターの回転速度および電流値を2組以上)を計測して、上限電流値の補正を行う。
指部の原点合わせは、ロボットハンドを所定の姿勢に固定して行うのが通常であり、原点合わせ中(指部を基準位置まで移動する間)に移動情報を計測すれば、一般動作(指部で対象物を把持する動作)中に比べて、ロボットハンドの姿勢などの影響による摺動抵抗の変動が少ないので、補正の精度を高めることができる。
本実施例のロボットハンドの大まかな構造を示した説明図である。 本実施例のロボットハンドが対象物を把持する動作を示した説明図である。 指駆動モーターの電流値を設定して指部で対象物を把持するまでの流れを示したタイムチャートである。 ロボットハンドで行われる原点合わせ処理の前半部分を示したフローチャートである。 ロボットハンドで行われる原点合わせ処理の後半部分を示したフローチャートである。 指駆動モーターの回転数と電流値との関係を示したグラフである。 指部による把持力と指駆動モーターの電流値との関係を示したグラフである。 本実施例のロボットハンドを搭載したロボットを示す説明図である。 ロボットの主な構成であるアームと掌部と指部とを制御する回路構成を示したブロック図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.本実施例のロボットハンドの構造:
B.対象物の把持動作:
C.把持力の補正:
D.適用例:
A.本実施例のロボットハンドの構造 :
図1は、本実施例のロボットハンド100の大まかな構造を示す説明図である。先ず、図1(a)には、ロボットハンドの外観が示されている。図1(a)に示されているように、本実施例のロボットハンド100は、対象物を把持するための四本の指部10や、4本の指部10の間に設けられた掌部14を備えた基台12と、基台12を支えるアーム16などから構成されている。四本の指部10は、掌部14を囲んで二本ずつ向かい合わせに設けられている。基台12の内部には、これら4本の指部10および掌部14を駆動する機構が設けられている。
図1(b)には、四本の指部10の駆動機構が示されている。図1(b)に示されているように、ロボットハンド100の基台12には、二つの移動部材20が内蔵されており、四本の指部10の中で同じ向きに設けられた二本の指部10は、同じ移動部材20から立設されている。それぞれの移動部材20には、互いに向かい合う側にラックギア22が延設されており、これらのラックギア22は、二つの移動部材20の間に設けられたピニオンギア24と噛み合っている。また、基台12には指駆動モーター28が内蔵されており、この指駆動モーター28の動力は、ギアボックス26を介してピニオンギア24に伝達される。このため、指駆動モーター28を駆動すると、ピニオンギア24が回転して、ラックピニオン機構により二つの移動部材20が互いに逆方向に同じ距離だけ移動する。その結果、向かい合う指部10同士が近づいたり遠ざかったりする。尚、本実施例の指駆動モーター28は、本発明の「駆動モーター」に相当している。
図1(c)には、掌部14の駆動機構が示されている。図1(c)に示されているように、掌部14は板状部材で形成されており、掌部14の下面側(基台12に向いた側)に垂設されたラックギア32が、基台12の内部に設けられたピニオンギア34と噛み合っている。また、基台12には掌駆動モーター38が内蔵されており、掌駆動モーター38の動力は、ギアボックス36を介してピニオンギア34に伝達される。このため、掌駆動モーター38を駆動すると、ピニオンギア34が回転して、ラックピニオン機構により掌部14が基台12から突き出たり引っ込んだりする。
B.対象物の把持動作 :
図2は、本実施例のロボットハンド100が対象物Wを把持する動作を示した説明図である。上述したように、本実施例のロボットハンド100は、指駆動モーター28を駆動することによって、四本の指部10の中で向かい合う指部10同士の間隔を近づけたり遠ざけたりすることができ、また、掌駆動モーター38を駆動することによって、掌部14を基台12から突き出したり引っ込めたりすることが可能である。これら指駆動モーター28および掌駆動モーター38の駆動は、制御部50によって制御されている。
対象物Wを把持する際には、先ず、図2(a)に示すように、向かい合う指部10の中間に対象物Wが位置するように、対象物Wに対するロボットハンド100の位置合わせを行う。次に、制御部50が指駆動モーター28および掌駆動モーター38の駆動を制御することによって、向かい合う指部10同士の間隔を近づけるのに加えて、掌部14を対象物Wに向けて突出させる。その結果、ロボットハンド100は、図2(b)に示すように、向かい合う指部10が対象物Wを両側から挟み、更に、指部10による挟持方向と交差する方向から掌部14が対象物Wに当接することによって、対象物Wを把持することができる。このように対象物Wに掌部14を当接させることで、対象物Wの両側を指部10で挟むだけに比べて、対象物Wとの接触箇所が増えるので、把持の安定性を高めることができる。
また、ロボットハンド100は、対象物Wを破損しないように適切な力で対象物Wを把持する必要があり、本実施例のロボットハンド100に搭載された制御部50は、指駆動モーター28の電流値を適切に設定することによって、指部10が対象物Wを把持する力(把持力)を制御している。
図3は、指駆動モーター28の電流値を設定して指部10で対象物Wを把持するまでの流れを示したタイムチャートである。図3(a)には、電流値の時間変化が示されており、図3(b)には、指駆動モーター28の回転速度の時間変化が示されている。先ず、指部10を対象物Wに向かって移動させるために、電流値を上昇させて指駆動モーター28の回転を加速させる。そして、指駆動モーター28の回転速度が所定速度に達したら、その所定速度を維持するように電流値を制御する。これにより、指部10は一定の速度で対象物Wに近づく。尚、指駆動モーター28の回転速度を増減するように電流値の制御を行う本実施例の制御部50は、本発明の「移動制御部」に相当している。
こうして一定速度で移動する指部10が対象物Wに接触すると、指部10は動かなくなり、それに伴って指駆動モーター28の回転速度は急激に低下することになる。ただし、指部10が対象物Wに接触した後も、指駆動モーター28の回転速度を維持するように電流値を制御するので、電流値が急増して把持力が発生する。制御部50は、このような指駆動モーター28の電流値の急増(回転速度の低下)から、指部10が対象物Wに接触したことを検知することができる。
そして、指部10が対象物Wに接触したことを検知した後、指駆動モーター28の電流値が上限値に達したら、上限値を維持する制御を行う。この上限値は、対象物Wに適した目標把持力(対象物Wを破損しない把持力)に応じて予め設定されている。そのため、本実施例のロボットハンド100では、感圧素子などの力センサーを有していなくても、指駆動モーター28の電流値を上限値に制御することにより、目標把持力で対象物Wを把持することが可能である。尚、指駆動モーター28の電流値の上限値を維持する制御を行う本実施例の制御部50は、本発明の「把持制御部」に相当している。
以上のように、力センサーを用いることなく、指駆動モーター28の電流値の上限値を設定することにより把持力を制御するロボットハンド100では、経時変化によって把持力が低下することがある。これは、ロボットハンド100の使用による経時変化で初期設定時よりも摺動抵抗(静止摩擦)が増加し、その増加分だけ電流値が不足することにより、想定した把持力(目標把持力)が発生しないためである。そこで、本実施例のロボットハンド100では、電源投入時に指部10および掌部14の原点(基準となる位置)を合わせるのに伴って、把持力の経時変化の補正を行うようになっている。
C.把持力の補正 :
図4および図5は、ロボットハンド100で行われる原点合わせ処理を示したフローチャートである。この処理は、ロボットハンド100に電源が投入された際に制御部50によって実行される。図示されているように原点合わせ処理では、先ず初めに、向かい合う指部10同士の間隔を限界まで開く(ステップS100)。このとき、指駆動モーター28の回転速度は所定速度となるように制御され、指部10は一定の速度で移動する。本実施例のロボットハンド100では、指駆動モーター28の回転速度に代えて、指駆動モーター28の回転数が予め設定されており、ステップS100で指部10を開く際には、指駆動モーター28の回転数が2000rpmとなるように制御される。そして、指部10が、基台12の外枠を構成するケース(図1(a)参照)に接触すると、指部10が限界まで開いたものとして、指駆動モーター28を停止する。こうして指部10を限界まで開いたら、指部10の原点を一旦リセットする(ステップS102)。
続いて、掌部14を限界まで縮める(ステップS104)。このとき、掌駆動モーター38の回転数は300rpmとなるように制御され、掌部14は一定の速度で基台12に向かって移動する。また、掌駆動モーター38の定速時における電流値Aを計測し(ステップS106)、その計測値が故障閾値以下であるか否かを判断する(ステップS108)。そして、計測値が故障閾値よりも大きい場合は(ステップS108:no)、掌部14の駆動機構に何らかの不具合が生じたものと判断されるので、警告を発して(ステップS110)、原点合わせを終了する。
一方、計測値が故障閾値以下である場合は(ステップS108:yes)、掌部14が基台12のケースに接触したら、限界まで縮まったものとして、掌駆動モーター38を停止し、掌部14の原点をリセットする(ステップS112)。これにより、掌部14を限界まで縮めた状態が掌部14の原点となる。こうして掌部14の原点を合わせたら、次に、掌部14を待機位置に移動する(ステップS114)。本実施例のロボットハンド100では、掌部14を原点から5mm突き出した位置が掌部14の待機位置に設定されており、掌部14を待機位置に移動する際には、掌駆動モーター38の回転数が2000rpmに制御される。
掌部14を待機位置で停止すると、今度は、向かい合う指部10の指先間隔が10mmになるまで指部10を閉じる(ステップS116)。尚、このときの指部10の基準位置(原点)は、ステップS102でリセットを行った位置(指部10を限界まで開いた状態)である。また、ステップS116で指部10を閉じる際には、指駆動モーター28の回転数は2000rpmとなるように制御され、指駆動モーター28の定速時における電流値B1を計測して(ステップS118)、計測値が故障閾値以下であるか否かを判断する(ステップS120)。そして、計測値が故障閾値よりも大きい場合は(ステップS120:no)、指部10の駆動機構に何らかの不具合が生じたものと判断されるので、警告を発して(ステップS110)、原点合わせを終了する。
これに対して、計測値が故障閾値以下である場合は(ステップS120:yes)、指部10を限界までさらに閉じる(ステップS122)。このとき、指駆動モーター28の回転数を下げて300rpmとなるように制御する。また、指駆動モーター28の定速時における電流値B2を計測し(ステップS124)、計測値が故障閾値以下であるか否かを判断する(ステップS126)。そして、計測値が故障閾値よりも大きい場合は(ステップS126:no)、指部10の駆動機構に何らかの不具合が生じたものと判断されるので、警告を発して(ステップS110)、原点合わせを終了する。
一方、計測値が故障閾値以下である場合は(ステップS126:yes)、向かい合う指部10同士の指先が接触したら、指部10が限界まで閉じたものとして、指駆動モーター28を停止し、指部10の原点をリセットする(ステップS128)。これにより、指部10を限界まで閉じた状態が指部10の原点となる。こうして指部10の原点を合わせたら、指部10を待機位置に移動する(ステップS130)。本実施例のロボットハンド100では、向かい合う指部10の指先間隔が10mmの位置が指部10の待機位置に設定されており、指部10を待機位置に移動する際には、指駆動モーター28の回転数が2000rpmに制御される。
こうして指部10を待機位置で停止すると、把持力を補正する処理(把持力補正処理)を行って(ステップS132)、原点合わせを終了する。把持力の補正は、ステップS118で計測した電流値B1、およびステップS124で計測した電流値B2に基づいて、以下のように指駆動モーター28の停止時(回転速度がゼロ)における電流値を推定して行う。
図6は、指駆動モーター28の回転数と電流値との関係を示したグラフである。先ず、本実施例のロボットハンド100では、製造時に指駆動モーター28の回転数を変えながら電流値を計測(または電流値を変えながら回転数を計測)し、計測した複数組の回転数および電流値を初期値として記憶している。図6では、初期値に基づいて描いた近似直線が実線で示されている。ここで、指駆動モーター28の回転数と電流値との関係を示す図6において、初期値の近似直線が電流値軸(横軸)と交わる点(指駆動モーター28の回転数がゼロのとき)の電流値は、初期(使用開始時)の摺動抵抗(静止摩擦)による負荷の大きさを表している。尚、以下では、指駆動モーター28の回転数がゼロにおける電流値を「停止電流値」と呼ぶ。
また、前述したように本実施例のロボットハンド100では、原点合わせ処理において、指駆動モーター28の回転数が2000rpmのときの電流値B1(図4のステップS118)、および指駆動モーター28の回転数が300rpmのときの電流値B2(図5のステップS124)を計測しており、図6では、計測値に基づいて描いた近似直線が一点鎖線で示されている。この計測値の近似直線が電流値軸(横軸)と交わる点の電流値(停止電流値)は、初期値の近似直線での停止電流値よりも増加しており、計測値と初期値との停止電流値の差分は、摺動抵抗(静止摩擦)による負荷の経時変化(増加)を表している。そこで、この計測値と初期値との停止電流値の差分を、補正値に設定する。尚、このように補正値を設定する処理は制御部50によって行われることから、本実施例の制御部50は、本発明の「上流電流値補正部」に相当している。
図7は、指部10による把持力と指駆動モーター28の電流値との関係を示したグラフである。前述したように本実施例のロボットハンド100は力センサーを有しておらず、図7中の実線は、製造時に外部の力センサーを用いて指駆動モーター28の電流値を変えながら実験的に計測した把持力(初期値)に基づいて描いた近似直線である。また、図7中の一点鎖線は、把持力の経時変化の推定値を示している。ロボットハンド100の使用による経時変化で初期設定時よりも摺動抵抗(静止摩擦)が増加すると、その増加分だけ電流が消費される(電流値が不足する)ことになり、把持力が低下する。このため、指駆動モーター28の電流値を、目標把持力に応じて予め設定された初期の上限電流値に維持したのでは、実際には目標把持力が発生しておらず、対象物Wの把持が不安定になってしまう。そこで、本実施例のロボットハンド100では、初期の上限電流値に、上述の計測値と初期値との停止電流値の差分(図6)として求めた補正値を加算することにより、上限電流値の補正を行う。そして、指駆動モーター28の電流値を、補正後の上限電流値に制御することより、力センサーを用いることなく、目標把持力を保持することが可能となる。
尚、本実施例のロボットハンド100では、指部10による把持力の補正を電源投入時の原点合わせ処理において行っているが、指部10の移動中に指駆動モーター28の回転数と電流値とを計測すれば、その計測値に基づいて把持力の補正を行うことができ、必ずしも原点合わせ処理において行う場合に限られるわけではない。例えば、対象物Wを把持する一般動作における指部10の移動中に指駆動モーター28の回転数と電流値とを計測して、その計測値に基づいて把持力の補正を行ってもよい。ただし、原点合わせ処理は、ロボットハンド100を所定の姿勢を固定して行うのが通常であり、原点合わせ処理において把持力の補正を行えば、一般動作中に行う場合に比べて、ロボットハンド100の姿勢などの影響による摺動抵抗(静止摩擦)の変動が少なく、補正の精度を高めることができる。
また、図6を用いた説明では、指駆動モーター28の回転数が2000rpmのときの電流値B1、および指駆動モーター28の回転数が300rpmのときの電流値B2に基づいて、停止電流値(指駆動モーター28の回転数がゼロにおける電流値)を算出していたが、停止電流値は必ずしも明示的に算出しなくてもよい。例えば、電流値B1と電流値B2とを様々に変えた組み合わせで、予め補正値を設定したルックアップテーブルを用意しておき、計測した電流値B1と電流値B2との組に対応する補正値をルックアップテーブルから読み出してもよい。
D.適用例 :
上述したように、本実施例のロボットハンド100は、把持力の経時変化を補正して、適切な把持力を保持することが可能であり、しかも力センサーを必要としないので小型化および軽量化を図ることができる。このため、図8に示すように、本実施例のロボットハンド100を搭載すれば、適切な把持力を保持することが可能であり、しかも小型で軽量なロボット200を実現することが可能となる。
また、図9は、ロボット200の主な構成であるアーム16と掌部14と指部10とを制御する回路構成を示したブロック図である。図9では、一例として、アーム16を駆動するアーム駆動回路301と、掌部14を駆動する掌部駆動回路302と、指部10を駆動する指部駆動回路303とをハンド・アーム制御部310が制御している。尚、本発明の「移動制御部」、「上限電流補正部」、および「把持制御部」は、ハンド・アーム制御部310に含まれていてもよい。
以上、本実施例のロボットハンドおよびロボットについて説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
例えば、前述した実施例では、指駆動モーター28の回転数が2000rpmのときの電流値B1、および指駆動モーター28の回転数が300rpmのときの電流値B2の2点を計測していたが、3点以上の計測を行うようにしてもよい。このように計測点数を増やして、それらに基づく近似直線から補正値を算出することによって、補正の精度を高めることができる。
また、前述した実施例では、ロボットハンド100の製造時に計測した指駆動モーター28の回転数および電流値を初期値として記憶していたが、電源投入時の原点合わせ処理で指駆動モーター28の回転数および電流値を計測する度に初期値を上書き(更新)することとし、今回の計測値と初期値(前回の計測値)との停止電流値の差分を補正値として前回の上限電流値に加算することで上限電流値の補正を行ってもよい。
10…指部、 12…基台、 14…掌部、
16…アーム、 28…指駆動モーター、 38…掌駆動モーター、
50…制御部、 100…ロボットハンド、 200…ロボット、
310…ハンド・アーム制御部、 W…対象物

Claims (6)

  1. 複数の指部を用いて対象物を把持するロボットハンドであって、
    前記指部を駆動する駆動モーターと、
    前記駆動モーターの回転速度が増減するように前記駆動モーターの電流値を制御して、前記指部を前記対象物に対して移動させる移動制御部と、
    前記指部が移動中に前記駆動モーターの回転速度および電流値の組を移動情報として少なくとも2組計測し、該計測した移動情報に基づいて上限電流値を補正する上限電流値補正部と、
    前記指部が前記対象物に接触し、前記駆動モーターの回転速度の低下を検出した場合、前記駆動モーターの電流値を前記上限電流値とすることにより、前記対象物に対する前記指部の把持力を保持する把持制御部と、
    を備えることを特徴とするロボットハンド。
  2. 請求項1に記載のロボットハンドであって、
    前記上限電流値補正部は、前記指部の移動中に計測した前記移動情報から前記駆動モーターの回転速度がゼロの時点での電流値である停止電流値を推定し、該推定した停止電流値に基づいて前記上限電流値の補正量を決定する
    ことを特徴とするロボットハンド。
  3. 請求項1または請求項2に記載のロボットハンドであって、
    前記移動制御部は、前記ロボットハンドに電源が投入されると、前記指部を基準位置に移動させて原点合わせを行い、
    前記上限電流値補正部は、前記指部が前記基準位置まで移動する間に前記移動情報を計測し、前記上限電流値の補正を行う
    ことを特徴とするロボットハンド。
  4. 複数の指部を用いて対象物を把持するロボットハンドを有するロボットであって、
    前記指部を駆動する駆動モーターの回転速度が増減するように前記駆動モーターの電流値を制御して、前記指部を前記対象物に対して移動させる移動制御部と、
    前記指部が移動中に前記駆動モーターの回転速度および電流値の組を移動情報として少なくとも2組計測し、該計測した移動情報に基づいて上限電流値を補正する上限電流値補正部と、
    前記指部が前記対象物に接触し、前記駆動モーターの回転速度の低下を検出した場合、前記駆動モーターの電流値を前記上限電流値とすることにより、前記対象物に対する前記指部の把持力を保持する把持制御部と、
    をロボットのハンド・アーム制御部に備えたことを特徴とするロボット。
  5. 請求項4に記載のロボットであって、
    前記上限電流値補正部は、前記指部の移動中に計測した前記移動情報から前記駆動モーターの回転速度がゼロの時点での電流値である停止電流値を推定し、該推定した停止電流値に基づいて前記上限電流値の補正量を決定する
    ことを特徴とするロボット。
  6. 請求項4または請求項5に記載のロボットであって、
    前記移動制御部は、前記ロボットハンドに電源が投入されると、前記指部を基準位置に移動させて原点合わせを行い、
    前記上限電流値補正部は、前記指部が前記基準位置まで移動する間に前記移動情報を計測し、前記上限電流値の補正を行う
    ことを特徴とするロボット。
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