JP3907258B2 - 両面接着シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被着体に貼着後、それを剥離したことを視認し得る両面接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、食品や医薬品においては、包装された内容物を第三者が自由に開封、復元することを防止するために、包装フィルムの開封口付近に、開封したこと、すなわち剥離したことを視認し得る粘着ラベルを貼着することが行われている。このラベルは、一旦剥離され、そのことが表示されると、再度復元することができないため、第三者が包装を開封し、内容物の交換、添加、抜き取り、改竄等を行うことを防止することができる。
【0003】
また、このような粘着ラベルは、食品等の包装に限らず、例えば秘密書類を収納した封筒の封印に使用した場合においても、開封の事実がわかるため、その書類を第三者に見られることを防止することができる。
【0004】
ところで、このような粘着ラベルは、透明なプラスチックフィルムよりなる基材の片面に、透明インキを介して接着剤層が積層された構成であるが、このような片面粘着ラベルであるが故に、次のような欠点がある。
【0005】
1) 粘着ラベルの基材が予め定められているため、ラベルの基材を自由に選択することができない。例えば、ラベルの基材に所定の情報を印刷等で表示する場合、それに適した基材または基材表面を確保する必要があるが、そのためには、ラベル自体をそのような基材で構成されたものに代えなければならない。特に、小単位で、個別に基材を選択、交換することができない。
【0006】
2) ラベルの基材の露出表面に印刷等の表示を施す場合、その表示が離脱しないようにするためには、該表示部分を覆う保護層を別途設けなければならない。
【0007】
3) 粘着ラベルによる封止、封印の形態に制約を受ける。例えば、封筒を封印する場合、封筒の開口部に形成された蓋片を折り曲げ、その蓋片と封筒本体との境界線部分にまたがるようにラベルを貼着する必要があり、通常の糊付けのように、折り曲げられた蓋片の内側面と封筒本体上部とを直接接着することができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面材質の選択の自由度や、貼着形態の自由度等が広く、汎用性に富んだ剥離履歴表示機能を有する両面接着シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の(1)〜(9)の本発明により達成される。
【0010】
(1) 透光性を有する基材層の一方の面側に第1の接着剤層、他方の面側に第2の接着剤層を有する両面接着シートであって、
前記第1の接着剤層側および前記第2の接着剤層側の双方に、それを被着体より剥離したことを視認し得る剥離履歴表示手段を有していることを特徴とする両面接着シート。
【0011】
(2) 前記剥離履歴表示手段は、基材層の表面に所定のパターンで形成され、剥離時に基材層から離脱し得る表示体で構成される上記(1)に記載の両面接着シート。
【0012】
(3) 前記剥離履歴表示手段は、基材層の表面に所定のパターンで形成され、剥離時に基材層から離脱し得る表示体と、該表示体を覆うように前記基材層と前記第1または第2の接着剤層との間に形成された中間層とで構成される上記(1)に記載の両面接着シート。
【0013】
(4) 前記中間層は、遮光機能を有する層である上記(3)に記載の両面接着シート。
【0014】
(5) 前記中間層は、透明な層である上記(3)に記載の両面接着シート。
【0015】
(6) 前記第1の接着剤層側の前記表示体と、前記第2の接着剤層側の前記表示体とは、そのパターンが互いに異なっているものである上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の両面接着シート。
【0016】
(7) 前記表示体は、文字、記号、図形または模様を表示するインキ層である上記(2)ないし(6)のいずれかに記載の両面接着シート。
【0017】
(8) 前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が着色されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の両面接着シート。
(9) 前記第1の接着剤層および前記第2の接着剤層の少なくとも一方に離型シートが貼着されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の両面接着シート。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の両面接着シートを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1、図2および図3は、それぞれ、本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。これらの図に示すように、本発明の両面接着シート100は、所定の被着体に貼着して使用される両面接着シートである。
【0020】
両面接着シート100が貼着される被着体としては、特に限定されず、例えば包装用のシート、フィルム、封筒、ファイル等の書類入れ、その他、任意の目的で使用される樹脂や紙材よりなるシート、テープ、小片等、いかなるものでもよい。
【0021】
図1に示すように、両面接着シート100は、基材層1と、基材層1の一方の面1a側に形成された第1の接着剤層2と、基材層1の他方の面1b側に形成された第2の接着剤層3とを有し、これらを積層してなる積層体で構成されている。
【0022】
そして、この両面接着シート100は、第2の接着剤層3側に、第2の接着剤層3を被着体より剥離したこと(剥離履歴)を視認し得る剥離履歴表示手段を有している。この剥離履歴表示手段は、基材層1の面1b上に所定のパターンで形成され、第2の接着剤層3で覆われた表示体4で構成されている。以下、各層について順次説明する。
【0023】
基材層1は、透光性を有するものであり、その構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、フッ素系樹脂、またはこれらのいずれかを含む共重合体、ポリマーブレンド、ポリマーアロイ等の各種合成樹脂が挙げられ、特に、高強度であり、安価であることから、ポリプロピレン(2軸延伸ポリプロピレン)やポリエチレンテレフタレートよりなるフィルム、シートが好ましい。また、これらの材料は、透明(無色透明)または半透明(有色透明)であるのが好ましい。
【0024】
また、基材層1は、2層以上の積層体であってもよい。
基材層1の厚さは、特に限定されないが、通常は、12〜250μm 程度が好ましく、20〜100μm 程度がより好ましい。
【0025】
基材層1の面1aには、例えば、文字、記号、図形、バーコード等の表示が例えば印刷により付されてもよい。
【0026】
また、本実施例では、基材層1の面1a、1bは、それぞれ、平滑面とされているが、これに限らず、例えば、面1a、1bのうちの少なくとも一方は、微小な凹凸が形成された面(粗面、梨地面)であってもよい。
【0027】
第1の接着剤層2は、感圧接着剤、感熱接着剤、その他接着剤で構成されており、特に感圧接着剤が使用上好ましい。この感圧接着剤としては、ゴム系感圧接着剤、アクリル系感圧接着剤、シリコーン系感圧接着剤等いずれのものでもよいが、そのなかでも特に、アクリル系感圧接着剤を主とするのが好ましい。
【0028】
アクリル系感圧接着剤としては、粘着性を与える低Tgの主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体よりなる。
【0029】
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0030】
コモノマー成分としてはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0031】
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
【0032】
このような材料が好ましい理由は、粘着力、凝集力に優れるとともに、ポリマー中に不飽和結合がないため光や酸素に対する安定性が高く、また、モノマーの種類や分子量の選択により用途に応じた任意の品質、特性を得ることができるからである。
【0033】
ゴム系感圧接着剤としては、例えば、天然ゴム系、イソプレンゴム系、スチレン−ブタジエン系、再生ゴム系、ポリイソブチレン系のものや、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン等のゴムを含むブロック共重合体を主とするものが挙げられる。
【0034】
シリコーン系感圧接着剤としては、例えば、ジメチルシロキサン系、ジフェニルシロキサン系のものが挙げられる。
【0035】
以上のような感圧接着剤は、非架橋型、架橋型のいずれのものも使用可能である。後者の場合、必要に応じ、架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等が挙げられる。
【0036】
このような感圧接着剤は、有機溶剤系、ホットメルト系、エマルション系、水溶系のいずれでもよい。
【0037】
以上感圧接着剤について述べたが、感熱接着剤、その他接着剤も前記第1の接着剤層2に適宜使用できることは言うまでもない。
【0038】
また、第1の接着剤層2には、例えば、可塑剤、粘着付与剤、増粘剤、充填剤、老化防止剤、防腐剤、防カビ剤、染料、顔料等の各種添加剤が必要に応じ添加されていてもよい。
【0039】
第2の接着剤層3の組成についても、前記第1の接着剤層2と同様である。
なお、第2の接着剤層3が染料、顔料を含み、所定の色に着色されている場合、後述する剥離履歴の表示がより鮮明となり、判別がよりし易くなるので好ましい。
【0040】
このような第1の接着剤層2と第2の接着剤層3とは、その組成、接着強度等の特性、色、層の厚さ等の条件は、それぞれ、同一でも、異なっていてもよい。
【0041】
また、第1の接着剤層2、第2の接着剤層3の厚さは、特に限定されないが、それぞれ、5〜200μm 程度が好ましく、10〜50μm 程度がより好ましい。
【0042】
基材層1の面1bに付された表示体4は、両面接着シート100の第2の接着剤層3を被着体11から剥離したこと、すなわち両面接着シート100を包装物や封筒等の開封口の封止(封印)に用いた場合にそれを開封したことを知らせるための表示であり、本実施例では、所定の文字(例:「開封済」)、記号、図形、模様等、またはこれらの組み合わせを表示するインキ層で構成されている。
【0043】
この表示体4は、図3に示すように、第2の接着剤層3を剥離した際、表示体4が基材層1から離脱して被着体11側に残るようにするために、基材層1の面1bに対する接着力(密着力)が比較的弱いものを用いる。
【0044】
また、表示体4は、図1および図2に示す状態において、第1の接着剤層3側から見て、その表示パターンが容易に認識できないこと、すなわち、その背景と異なる色とならないのが好ましい。この場合、表示体4は、透明でも着色されているものでもよい。
【0045】
表示体4が透明の場合、第2の接着剤層3が着色されているか、面1bが粗面(梨地面)であるか、またはその双方であるのが好ましい。これにより、剥離履歴の表示がより鮮明となり、判別がよりし易くなる。
【0046】
また、表示体4が着色されたものである場合、図1および図2に示す状態においてその表示パターンを容易に認識できないようにするために、表示体4の色は、第1の接着剤層2、第2の接着剤層3または基材層1のいずれかと同色であるのが好ましい。
【0047】
図1に示すように、第2の接着剤層3には、離型シート9が貼着されている。この離型シート9としては、いずれのものを使用してもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート等の各種樹脂よりなるフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の各種紙材を基材とし、この基材の両面にそれぞれ離型処理が施されたもの(両面剥離シート)を用いることができる。
【0048】
この場合、離型処理の代表例としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の離型剤の塗布、形成が挙げられる。
【0049】
未使用の両面接着シート100をロール状に巻いて保持した際、第1の接着剤層2は、離型シート9の第2の接着剤層3と反対側の面に貼着される。
【0050】
なお、離型シート9は、第1の接着剤層2側に貼着されていてもよい。また、図7および図10に示すように、第1の接着剤層2、第2の接着剤層3のそれぞれに離型シートが貼着されていてもよい。
【0051】
なお、本発明の両面接着シート100は、基材層1、第1の接着剤層2、第2の接着剤層3、表示体(インキ層)4以外の層を有していてもよい。例えば、基材層1と第1の接着剤層2や、基材層1と第2の接着剤層3の間に、任意の目的で、中間層、下地層(図示せず)等を設けることができる。この中間層、下地層としては、例えば、接着剤層2、3との接着強度の向上を図るための接着補助層が挙げられる。
【0052】
以上のような両面接着シート100は、例えば次のようにして製造される。
[1] まず、基材層1の面1bに、所定の印刷法、転写法等により表示体4を形成する。
【0053】
[2] 次に、基材層1の面1b側に、表示体4を覆うように第2の接着剤層3を塗布、形成する。
【0054】
[3] 次に、形成された第2の接着剤層3に、離型シート9を貼着する。
【0055】
[4] 次に、基材層1の面1aに、第1の接着剤層2を塗布、形成する。
【0056】
[5] ロール状に巻き取り、第1の接着剤層2を離型シート9の第2の接着剤層3と反対側の面に貼着する。
【0057】
次に、両面接着シート100の作用を図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示す状態の未使用の両面接着シート100の第1の接着剤層2に、所望の被着体10を貼着する。両面接着シート100を例えば包装等の封止用ラベルとして用いる場合には、被着体10は、ラベルの表面基材を構成する。この場合、製造者、使用者は、被着体10として、透光性を有するフィルム、シート、紙材等のうちの任意の種類、特性のものを選択することができる。
【0058】
次に、離型シート9を第2の接着剤層3より剥し、第2の接着剤層3にて両面接着シート100を被着体11に貼着する。この状態を図2に示す。被着体11としては、例えば、包装紙、包装フィルムのような包装物が挙げられ、該包装物の開封口を封止するよう両面接着シート100を貼着する。また、封筒等を図13または図14に示すような箇所で封止することもできる。
【0059】
両面接着シート100を被着体11に貼着した状態では、両面接着シート(ラベル)100を被着体(ラベルの表面基材)10側から見ても、表示体4の表示パターンが容易に認識できないので、被着体11に貼着されている両面接着シート(ラベル)100が剥離履歴表示機能(開封表示機能)を有しているものであることを第三者に知られない。
【0060】
両面接着シート100を被着体11から剥そうとすると、図3に示す状態となる。すなわち、第2の接着剤層3は、基材層1に強固に接着されているため、基本的には被着体11から剥離することとなるが、前述したように表示体4は、基材層1との接着力が弱いため、基材層1の面1bから離脱し、その下部の第2の接着剤層3とともに被着体11側に残る。
【0061】
この場合、被着体11の表面を見ると、表示体4およびその下部の第2の接着剤層3が、表示体4の形成パターンと同パターンで残っており、これを視認することにより、被着体11から両面接着シート100を剥離したこと(剥離履歴があること)が判明する。
【0062】
また、両面接着シート100を被着体10側から見ると、面1bには、第2の接着剤層3の表示体4を除く部分のみが残っているため、透光性の差により、表示体4の形成パターンが反転して見え、これにより、被着体11から両面接着シート100を剥離したこと(剥離履歴があること)が判明する。
【0063】
一旦剥離した両面接着シート100を再度被着体11に貼着し、復元しようとした場合、表示体4の有無で被着体11側と基材層1側とに分離した第2の接着剤層3のそれぞれは、パターンが微細、複雑であるため、それらの凹凸が完全に一致するように再度貼り合せることは、事実上不可能である。
【0064】
また、偶然、このような凹凸が嵌合、一致するように貼り合わせることができたとしても、一旦基材層1の面1bから剥れた表示体4は、面1bとの間に隙間が生じ、光の透過率が低下する。特に、面1bを粗面(梨地面)とした場合には、光の乱反射により白色化して見える。従って、両面接着シート100の剥離事実(剥離履歴)を隠滅することはできない。
【0065】
図4、図5および図6は、それぞれ、本発明の両面接着シートの他の実施例を示す断面図である。これらの図に示す両面接着シート110は、剥離履歴表示手段の構成が異なる以外は、前記両面接着シート100と同様である。以下、前記両面接着シート100と異なる事項についてを中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0066】
両面接着シート110における剥離履歴表示手段は、基材層1の面1b上に所定のパターンで形成された表示体4と、該表示体4を覆うように基材層1と第2の接着剤層3との間に形成された中間層5とで構成されている。
【0067】
中間層5の形成目的は特に限定されないが、本実施例では、剥離履歴の表示をより鮮明に、見やすくするためのものとする。
【0068】
このような中間層5としては、遮光機能を有する層または透明な層が挙げられる。
【0069】
遮光機能を有する中間層5としては、光反射層または光吸収層が挙げられる。光反射層としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、銅合金、鉄、鉄合金、ニッケル等の各種金属の薄層が挙げられる。これらは、例えば、メッキ、蒸着、スパッタリング、CVD等により形成することができる。また、光吸収層としては、例えば、黒色、褐色等の暗色層が挙げられる。なお、このときの表示体4は、透明か、または基材層1、第1の接着剤層2のいずれかと同色であるのが好ましい。
【0070】
透明な中間層5としては、例えば無色透明な樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂等)よりなる層が挙げられる。なお、このときの表示体4は、透明か、または基材層1、第1の接着剤層2、中間層5のいずれかと同色であるのが好ましい。
【0071】
このような中間層5は、基材層1および第2の接着剤層3と、それぞれ、強固に接着されている。
【0072】
次に、両面接着シート110の作用を図4〜図6に基づいて説明する。
図4に示す状態の未使用の両面接着シート110の第1の接着剤層2に、所望の被着体(ラベルの表面基材)10を貼着する。
【0073】
次に、離型シート9を第2の接着剤層3より剥し、第2の接着剤層3にて両面接着シート110を被着体11に貼着する。この状態を図5に示す。
【0074】
両面接着シート110を被着体11に貼着した状態では、両面接着シート(ラベル)110を被着体(ラベルの表面基材)10側から見ても、表示体4の表示パターンが容易に認識できない。すなわち、被着体10側から見たとき、その全体が金属色(中間層5=光反射層)または暗色(中間層5=光吸収層)として見える。また、中間層5が透明な層である場合には、両面接着シート100と同様である。よって、被着体11に貼着されている両面接着シート(ラベル)110が剥離履歴表示機能(開封表示機能)を有しているものであることを第三者に知られない。
【0075】
両面接着シート110を被着体11から剥そうとすると、図6に示す状態となる。すなわち、第2の接着剤層3は、中間層5を介して基材層1に強固に接着されているため、基本的には被着体11から剥離することとなるが、表示体4は、基材層1との接着力が弱いため、基材層1の面1bから離脱し、その下部の中間層5および第2の接着剤層3とともに被着体11側に残る。
【0076】
この場合、被着体11の表面を見ると、表示体4およびその下部の中間層5、第2の接着剤層3が、表示体4の形成パターンと同パターンで残っており、これを視認することにより、剥離履歴があることが判明する。
【0077】
また、両面接着シート100を被着体10側から見ると、面1bには、中間層5および第2の接着剤層3の表示体4を除く部分のみが残っているため、透光性の差により、表示体4の形成パターンが反転して見え、これにより、剥離履歴があることが判明する。
【0078】
特に、中間層5が光反射層である場合には、金属色の反射光に対し、表示体4のあった部分が透過して見え、中間層5が光吸収層である場合には、黒色、褐色等の暗色部分に対し、表示体4のあった部分が透過して見え、その区別が鮮明となる。また、中間層5が透明層である場合には、第2の接着剤層3が面1b上に残っている部分と残っていない部分(表示体4があった部分)との透光性の差がより顕著となり、より鮮明に視認、判別することができる。
【0079】
一旦剥離した両面接着シート110を再度被着体11に貼着し、復元しようとした場合も、前記両面接着シート100と同様に、剥離履歴を隠滅することは不可能である。
【0080】
図7、図8および図9は、それぞれ、本発明の両面接着シートの他の実施例を示す断面図である。これらの図に示す両面接着シート120は、第1の接着剤層2側にも剥離履歴表示手段を有していること以外は、前記両面接着シート100と同様である。以下、前記両面接着シート100と異なる事項についてを中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0081】
両面接着シート120は、第2の接着剤層3側に前記表示体4で構成された剥離履歴表示手段を有するとともに、第1の接着剤層2側にも、該第2の接着剤層3を被着体より剥離したこと(剥離履歴)を視認し得る剥離履歴表示手段を有している。
【0082】
この剥離履歴表示手段は、基材層1の面1a上に所定のパターンで形成され、第1の接着剤層2で覆われた表示体6で構成されている。表示体6は、前記表示体4と同様のものである。
【0083】
この場合、表示体4と表示体6とは、そのパターンが同一でも、異なっていてもよいが、異なっているの(例:一方が文字、他方が図形)が好ましい。
【0084】
表示体4、6の異なるパターンの例としては、例えば、一方が文字で他方が図形、一方が文字で他方が文字+模様、それぞれ内容が異なる文字、それぞれ大きさが異なる文字、それぞれずれた位置に付された文字、それぞれ異なる記号や図形が挙げられる。このように、表示体4、6のパターンが異なる場合には、両面接着シート120を剥そうとした際、基材層1と第1の接着剤層2、基材層1と第2の接着剤層3のいずれが剥離したかを、表示体4、6の違いにより容易に把握することができる。
【0085】
また、図7に示すように、両面接着シート120の第1の接着剤層2および第2の接着剤層3には、それぞれ、剥離シート91、92が貼着されている。
【0086】
この離型シート91、92としては、それぞれ、前述した離型シート用の基材の接着剤層と接合される側の面に離型処理が施されたもの(片面剥離シート)が用いられる。なお、図示の構成と異なり、前述した両面剥離シートを第1の接着剤層2、第2の接着剤層3のいずれか一方に貼着してもよい。
【0087】
両面接着シート120においては、第1の接着剤層2と第2の接着剤層3のいずれか一方または双方が着色されており、第1の接着剤層2と第2の接着剤層3の色、特に色相(色調)が異なっているのが好ましい。これにより、両面接着シート120を剥そうとした際、基材層1と第1の接着剤層2、基材層1と第2の接着剤層3のいずれが剥離したかを、色相の違いにより容易に把握することができる。
【0088】
次に、両面接着シート120の作用を図7〜図9に基づいて説明する。
図7に示す状態の未使用の両面接着シート120に対し、離型シート91を剥し、露出した第1の接着剤層2に所望の被着体(ラベルの表面基材)10を貼着する。
【0089】
次に、離型シート92を第2の接着剤層3より剥し、第2の接着剤層3にて両面接着シート120を被着体11に貼着する。この状態を図8に示す。
【0090】
両面接着シート120を被着体11に貼着した状態では、両面接着シート(ラベル)120を被着体(ラベルの表面基材)10側から見ても、表示体4および6の表示パターンが容易に認識できないので、被着体11に貼着されている両面接着シート(ラベル)120が剥離履歴表示機能(開封表示機能)を有しているものであることを第三者に知られない。
【0091】
両面接着シート120を被着体11から剥そうとすると、▲1▼基材層1と第1の接着剤層2とが剥離するか、または、▲2▼基材層1と第2の接着剤層3とが剥離する。以下、それぞれの場合について説明する。なお、図9は、便宜上、それらの双方が剥離した状態を示す。
【0092】
[▲1▼の場合]
第1の接着剤層2は、基材層1に強固に接着されているため、基本的には被着体10から剥離することとなるが、表示体6は、基材層1との接着力が弱いため、基材層1の面1aから離脱し、その下部の第1の接着剤層2とともに被着体10側に残る。
【0093】
この場合、被着体10の表面を見ると、表示体6およびその下部の第1の接着剤層2が、表示体6の形成パターンと同パターンで残っており、これを視認することにより、被着体10が剥されたこと、すなわち、両面接着シート(ラベル)120による封止、封印は解除されていないが、両面接着シート120を剥そうとしたことの事実が判明する。
【0094】
また、被着体11の表面を見ると、基材層1上に、第1の接着剤層2の表示体6を除く部分のみが残っているため、透光性の差により、表示体6の形成パターンが反転して見え、これにより、両面接着シート(ラベル)120による封止、封印は解除されていないが、被着体11から両面接着シート120を剥そうとしたことの事実が判明する。
【0095】
[▲2▼の場合]
第2の接着剤層3は、基材層1に強固に接着されているため、基本的には被着体11から剥離することとなるが、表示体4は、基材層1との接着力が弱いため、基材層1の面1bから離脱し、その下部の第2の接着剤層3とともに被着体11側に残る。
【0096】
この場合、被着体11の表面を見ると、表示体4およびその下部の第2の接着剤層3が、表示体4の形成パターンと同パターンで残っており、これを視認することにより、被着体11から両面接着シート120を剥離したこと(剥離履歴があること)が判明する。
【0097】
また、両面接着シート120を被着体10側から見ると、面1bには、第2の接着剤層3の表示体4を除く部分のみが残っているため、透光性の差により、表示体4の形成パターンが反転して見え、これにより、被着体11から両面接着シート100を剥離したこと(剥離履歴があること)が判明する。
【0098】
これらの場合、表示体4、6のパターンの相違や第1の接着剤層2、第2の接着剤層3の色相の相違により、前記▲1▼の場合(開封はされていないが、開封しようとした事実があること)かまたは前記▲2▼の場合(開封済)かを容易に判別することができる。
【0099】
一旦剥離した被着体10または両面接着シート110を再度貼着し、復元しようとした場合も、前記両面接着シート100で述べたのと同様に、剥離履歴(剥離しようとしたことも含む)を隠滅することは不可能である。
【0100】
図10、図11および図12は、それぞれ、本発明の両面接着シートの他の実施例を示す断面図である。これらの図に示す両面接着シート130は、第1の接着剤層2側にも剥離履歴表示手段を有していること以外は、前記両面接着シート110と同様である。以下、前記両面接着シート110と異なる事項についてを中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0101】
両面接着シート130は、第2の接着剤層3側に前記表示体4および前記中間層5で構成された剥離履歴表示手段を有するとともに、第1の接着剤層2側にも、該第2の接着剤層3を被着体より剥離したこと(剥離履歴)を視認し得る剥離履歴表示手段を有している。
【0102】
この剥離履歴表示手段は、基材層1の面1a上に所定のパターンで形成された前記と同様の表示体6と、該表示体6を覆うように基材層1と第1の接着剤層2との間に形成された中間層7とで構成されている。
【0103】
中間層7の形成目的も、前記中間層5のそれと同様である。また、中間層7は、前記中間層5と同様のものであり、特に、透明な層であるのが好ましい。
【0104】
また、両面接着シート130には、前記両面接着シート120と同様に、離型シート91、92が貼着されている。
【0105】
次に、両面接着シート130の作用を図10〜図12に基づいて説明する。
図10に示す状態の未使用の両面接着シート130に対し、離型シート91を剥し、露出した第1の接着剤層2に所望の被着体(ラベルの表面基材)10を貼着する。
【0106】
次に、離型シート92を第2の接着剤層3より剥し、第2の接着剤層3にて両面接着シート130を被着体11に貼着する。この状態を図11に示す。
【0107】
両面接着シート130を被着体11に貼着した状態では、両面接着シート(ラベル)130を被着体(ラベルの表面基材)10側から見ても、表示体4および6の表示パターンが容易に認識できないので、被着体11に貼着されている両面接着シート(ラベル)130が剥離履歴表示機能(開封表示機能)を有しているものであることを第三者に知られない。
【0108】
両面接着シート130を被着体11から剥そうとすると、▲1▼基材層1と第1の接着剤層2とが剥離するか、または、▲2▼基材層1と第2の接着剤層3とが剥離する。図12は、便宜上、基材層1に対し第1の接着剤層2および第2の接着剤層3の双方が剥離した状態を示す。
【0109】
前記両面接着シート120と同様の原理により、前記▲1▼および▲2▼の場合のそれぞれについて、それを視認することができる。この場合、中間層5、7の機能により、表示体4、6のパターンがより一層鮮明に視認され、確実な判別が行える。
【0110】
また、これらの場合、表示体4、6のパターンの相違、第1の接着剤層2、第2の接着剤層3の色相の相違、中間層5、7の色相、濃度、光沢等の相違により、前記▲1▼の場合(開封はされていないが、開封しようとした事実があること)かまたは前記▲2▼の場合(開封済)かを容易に判別することができる。
【0111】
一旦剥離した被着体10または両面接着シート110を再度貼着し、復元しようとした場合も、前記両面接着シート120と同様に、剥離履歴(剥離しようとしたことも含む)を隠滅することは不可能である。
【0112】
なお、両面接着シート130において、中間層5、7のうちのいずれか一方のみが形成されていてもよい。
【0113】
以上、本発明の両面接着シートを図示の各実施例に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0114】
本発明の両面接着シートの用途は、特に限定されず、例えば、食品、医薬品等の包装物の開封口の封止、封筒、その他書類入れの封止、封印、各種ラベルやテープの作製、フロッピーディスク、CD、MD等のケースのふたの封止等、いかなるものでもよい。
【0115】
【実施例】
以下、本発明を具体的実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0116】
(参考例1)
基材層として、厚さ25μm の透明なポリエステルフィルム(東レ社製、商品名:ルミラー)の一方の面に、メチルセルロース水溶液の透明インキをグラビア印刷し、「開封済」の文字よりなる表示体(表示体4)を印刷形成した。
【0117】
次に、前記印刷面に、白色顔料(大日精化工業社製、商品名:ダイナミックSZカラー7030)で白色に着色されたアクリル系感圧接着剤(サイデン化学社製、商品名:T−207、接着強度=1200g/25mm、対SUS)を塗布、乾燥し、乾燥膜厚25μm の第2の接着剤層を形成した。
【0118】
次に、前記第2の接着剤層にリンテック社製の両面剥離紙の一方の面を貼着した。
【0119】
次に、基材層の他方の面に、ほぼ透明なアクリル系感圧接着剤(リンテック社製、商品名:PA−T1、接着強度=1000g/25mm、対SUS)を塗布、乾燥し、乾燥膜厚25μm の第1の接着剤層を形成した。
【0120】
次に、ロール状に丸めて第1の接着剤層を前記両面剥離紙の他方の面に貼着し、図1に示す構成の本発明の両面接着シート(テープ状)を得た。
【0121】
(参考例2)
表示体を印刷形成した後、その印刷面に、中間層として、アルミニウムによる蒸着層を形成し、次いで、その上に第2の接着剤層を形成した以外は、参考例1と同様にして、図4に示す構成の本発明の両面接着シート(テープ状)を得た。
【0122】
(実施例3)
参考例1と同様の基材層の一方の面に同様の表示体を印刷形成し、その上に同様の第2の接着剤層を形成した。
【0123】
次に、前記第2の接着剤層にリンテック社製の片面剥離紙を貼着した。
次に、基材層の他方の面に、黄色染料(日本チバガイギー社製、商品名:オラゾールイエロー)を添加したメチルセルロース水溶液の淡黄色インキをグラビア印刷し、所定の文字「開封注意」、記号および図形の組み合わせよりなる表示体(表示体6)を印刷形成した。
【0124】
次に、前記印刷面に、前記黄色染料で淡黄色に着色されたアクリル系感圧接着剤(リンテック社製、商品名:PA−T1)を塗布、乾燥し、乾燥膜厚25μm の第1の接着剤層を形成した。
【0125】
次に、前記第1の接着剤層に前記と同様の片面剥離紙を貼着し、図7に示す構成の本発明の両面接着シート(テープ状)を得た。
【0126】
(実施例4)
参考例1と同様の基材層の一方の面に同様の表示体(表示体4)を印刷形成し、その上に参考例2と同様の中間層を形成し、その上にほぼ透明なアクリル系感圧接着剤(リンテック社製、商品名:PA−T1)を塗布、乾燥し、乾燥膜厚25μm の第2の接着剤層を形成した。
【0127】
次に、前記第2の接着剤層にリンテック社製の片面剥離紙を貼着した。
次に、基材層の他方の面に、実施例3と同様の淡黄色インキをグラビア印刷し、所定の文字「開封注意」、記号および図形の組み合わせよりなる表示体(表示体6)を印刷形成した。
【0128】
次に、この印刷面上に、ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、商品名:バイロン#300)を塗布、乾燥し、厚さ1μm の透明な中間層を形成した。
【0129】
次に、この中間層の上に、実施例3と同様の淡黄色に着色されたアクリル系感圧接着剤を塗布、乾燥し、乾燥膜厚25μm の第1の接着剤層を形成した。
【0130】
次に、前記第1の接着剤層に前記と同様の片面剥離紙を貼着し、図10に示す構成の本発明の両面接着シート(テープ状)を得た。
【0131】
[実験1]
実施例3および4で得られた各両面接着シートについて、貼り合わせ機により、第1の接着剤層に厚さ25μm の透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(被着体10)を貼着し、さらに、これをシール抜き機により半抜きラベルにした。次に、該ラベルの剥離紙を除去し、第2の接着剤層にて、菓子の箱の包装材であるセロファンフィルム(被着体11)に貼着した。
【0132】
各ラベルを手でセロファンフィルムから剥離、除去したところ、いずれも、ラベル側には、表示体4に対応する「開封済」の文字が現れ、また、セロファンフィルム側には、同様の文字が転写され、ラベルを剥離したことを容易に視認、判別することができた。特に、中間層を設けた実施例4によるラベルでは、より鮮明に視認することができた。
【0133】
一旦剥離された各ラベルをセロファンフィルムの同じ貼着部位に重ね合わせ、修復を試みたが、現れた文字は消滅せず、復元は不可能であった。
【0134】
[実験2]
実施例3および4で得られた各両面接着シート(幅25mmのテープ)について、第1の接着剤層に厚さ40μm の透明なポリプロピレンフィルム(被着体10)を貼着し、さらに、これを所望の長さに切断して両面接着テープ8aにした。次に、該両面接着テープ8aの剥離紙を除去し、第2の接着剤層にて、図13に示すように、紙製の封筒12の本体13と折り曲げられた蓋片14との境界部に貼着し、封印した。
【0135】
各両面接着テープを手で封筒12から剥離、除去したところ、いずれも、テープ側には、表示体4に対応する「開封済」の文字が現れ、また、封筒12側には、同様の文字が転写され、テープを剥離したこと、すなわち封印を解除したことを容易に視認、判別することができた。特に、中間層を設けた実施例2、4によるテープでは、より鮮明に視認することができた。
【0136】
一旦剥離された各テープを封筒12の同じ貼着部位に重ね合わせ、修復を試みたが、現れた文字は消滅せず、復元は不可能であった。
【0137】
[実験3]
実施例3および4で得られた各両面接着シート(幅25mmのテープ)について、第1の接着剤層に厚さ25μm の透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(被着体10)を貼着し、さらに、これを所望の長さに切断して両面接着テープ8aにした。次に、該両面接着テープ8aの剥離紙を除去し、第2の接着剤層にて、図13に示すように、紙製の封筒12の本体13と折り曲げられた蓋片14との境界部に貼着し、封印した。
【0138】
各両面接着テープ8aを、第1の接着剤層と基材層との界面が剥離するように剥した(封筒12の封印は維持されたまま)ところ、いずれも、剥れたポリエチレンテレフタレートフィルム(被着体10)側には、表示体6に対応する「開封注意」の文字等が現れ、また、封筒12側にも同様の文字が反転して現れ、テープの剥離を試みようとしたことを容易に視認、判別することができた。特に、中間層を設けた実施例4による両面テープでは、より鮮明に視認することができた。
【0139】
一旦剥離されたポリエチレンテレフタレートフィルムをテープに重ね合わせ、修復を試みたが、現れた文字は消滅せず、復元は不可能であった。
【0140】
[実験4]
実施例3および4で得られた各両面接着シート(幅25mmのテープ)を所望の長さに切断して両面接着テープ8bにした。次に、該両面接着テープ8bを、第1の接着剤層にて、図14に示すように、透明な樹脂フィルム製の封筒15の本体16の口部近傍に沿って貼着した。その後、第2の接着剤層から剥離紙を除去するとともに、図14中の一点鎖線で示すように蓋片17を折り曲げ、その蓋片17の内側面を第2の接着剤層に貼着し、封筒15の口部を封止した。この試料を、実施例3、4について、各10個作製した。
【0141】
蓋片17を本体16から剥すようにして封筒15を開封したところ、第2の接着剤層側で剥離が生じたものは、実施例3が10個中7個、実施例4が10個中8個であり、その他は、第1の接着剤層側で剥離が生じた。
【0142】
蓋片17の剥れた部分を確認したところ、第2の接着剤層側で剥離が生じたものは、表示体4に対応する「開封済」の文字が現れ、第1の接着剤層側で剥離が生じたものは、表示体6に対応する「開封注意」の文字等が現れ、よって、封筒15を開封したこと、および第1の接着剤層側と第2の接着剤層側のいずれで剥離が生じたかを容易に視認、判別することができた。特に、中間層を設けた実施例4による両面テープでは、より鮮明に視認することができた。
【0143】
一旦剥された蓋片17を封筒15の本体に再度貼着し、修復(封筒口部の再封止)を試みたが、現れた文字は消滅せず、復元は不可能であった。
【0144】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の両面接着シートによれば、剥離したことや剥離を試みようとしたことを容易かつ確実に視認、判別することができ、また、貼着して使用される表面基材(被着体)の選択の自由度や、貼着の位置、貼着の形態等の自由度が広く、汎用性に富む。
【0145】
特に、表面基材(被着体)に印刷等の表示がなされている場合、その表示面を内側にして本発明の両面接着シートに貼着することにより、表示面を保護するための保護層を形成する必要がなく、ラベル等の製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図9】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図10】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図11】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図12】本発明の両面接着シートの実施例を示す断面図である。
【図13】本発明の両面接着シートを封筒に貼着した状態を示す平面図である。
【図14】本発明の両面接着シートを封筒に貼着した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 基材層
1a、1b 面
2 第1の接着剤層
3 第2の接着剤層
4 表示体
5 中間層
6 表示体
7 中間層
8a、8b 両面接着テープ
9 離型シート
91、92 離型シート
10 被着体
11 被着体
12 封筒
13 本体
14 蓋片
15 封筒
16 本体
17 蓋片
100 両面接着シート
110 両面接着シート
120 両面接着シート
130 両面接着シート

Claims (9)

  1. 透光性を有する基材層の一方の面側に第1の接着剤層、他方の面側に第2の接着剤層を有する両面接着シートであって、
    前記第1の接着剤層側および前記第2の接着剤層側の双方に、それを被着体より剥離したことを視認し得る剥離履歴表示手段を有していることを特徴とする両面接着シート。
  2. 前記剥離履歴表示手段は、基材層の表面に所定のパターンで形成され、剥離時に基材層から離脱し得る表示体で構成される請求項1に記載の両面接着シート。
  3. 前記剥離履歴表示手段は、基材層の表面に所定のパターンで形成され、剥離時に基材層から離脱し得る表示体と、該表示体を覆うように前記基材層と前記第1または第2の接着剤層との間に形成された中間層とで構成される請求項1に記載の両面接着シート。
  4. 前記中間層は、遮光機能を有する層である請求項3に記載の両面接着シート。
  5. 前記中間層は、透明な層である請求項3に記載の両面接着シート。
  6. 前記第1の接着剤層側の前記表示体と、前記第2の接着剤層側の前記表示体とは、そのパターンが互いに異なっているものである請求項2ないし5のいずれかに記載の両面接着シート。
  7. 前記表示体は、文字、記号、図形または模様を表示するインキ層である請求項2ないしのいずれかに記載の両面接着シート。
  8. 前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が着色されている請求項1ないしのいずれかに記載の両面接着シート。
  9. 前記第1の接着剤層および前記第2の接着剤層の少なくとも一方に離型シートが貼着されている請求項1ないしのいずれかに記載の両面接着シート。
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