JP3904786B2 - ギヤポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに噛み合う一対のギヤの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ギヤポンプでは、上述の一対のギヤを同一仕様で形成し、互いにかみ合わせて、ハウジングのギヤ室で回転自在に支持している。ギヤ室は、ギヤの外周面に沿うような壁面を有し、ギヤ同士の噛み合い部を挟んだ両側に、吸込空間と吐出空間とが区画されている。ギヤの回転に伴って、作動流体が、ギヤ室の壁面とギヤ歯との間に封止されつつ、吸込空間から吐出空間に送られる。
【0003】
ところで、ギヤポンプでは、一対のギヤが共振するのに伴って、歯打ち音が大きくなり、騒音が生じることがある。また、これとともに、振動が生じることもある。
特に、自動車の舵輪(ステアリングホイール)の操作力を軽減するための電動ポンプ式パワーステアリング装置に利用されているギヤポンプは、静粛性を要望されている。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、騒音や振動を抑制できるギヤポンプを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1に記載の発明は、互いに噛み合う駆動ギヤおよび従動ギヤの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプにおいて、上記駆動ギヤの両側に突出して一体回転するように設けられた駆動側の支軸と、上記従動ギヤの両側に突出して一体回転するように設けられた従動側の支軸とを備え、従動側の支軸の断面形状が、当該支軸の両端にわたって貫通する一つの孔がある中空形状とされるとともに、駆動側の支軸の断面形状が、中実形状とされることにより、上記駆動側の支軸および従動側の支軸の固有振動数相異なるようにされたことを特徴とするギヤポンプを提供する。
この発明によれば、両ギヤが同時に共振現象を生じることを防止できるので、騒音や振動を所定レベル以下に抑制することができる
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態および参考例のギヤポンプを添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、第1参考例を示すギヤポンプを含む電動ポンプユニットの概略構成を示す正面図である。図2は、図1のギヤポンプのII−II線に沿う断面側面図であり、ハッチングを省略してある。
電動ポンプユニット4は、本ギヤポンプ1と、このギヤポンプ1を軸継手3を介して駆動するモータ2とを有している。
【0012】
本ギヤポンプ1は、その中央部を貫通する長円形断面の空洞13を有する本体筒11の両側を、これの全面を覆う態様にねじ止めされた一対の蓋板12により塞いで構成されたハウジング10を備えている。このハウジング10の内部には、空洞13の両側から嵌挿された、例えば、アルミニウム合金製の一対のサイドプレート14同士の間にギヤ室15が区画されている。このギヤ室15内には、互いに対をなす駆動ギヤ31と従動ギヤ32とが配置されている。
【0013】
ハウジング10内には、蓋板12と本体筒11との間にシール17が介在し、サイドプレート14と蓋板12との間にOリング16が設けられている。
駆動ギヤ31および従動ギヤ32の支軸33,34は、長円形断面を有するギヤ室15の両側の半円部の軸心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設されている。すなわち、支軸33,34は各サイドプレート14にそれぞれ一対形成された支持孔35,36により両持ち支持されている。
【0014】
支軸33は、一対の支持孔35により支持され、一方の蓋板12を貫通して外部に延長され、この延長端に伝達されるモータ2からの駆動力により回転駆動される駆動軸を構成している。また、支軸33には、ギヤ室15の内部において駆動ギヤ31が一体回転可能に装着されている。支軸33が蓋板12を貫通する部分にはオイルシール18が配置されている。
また、支軸34は、一対の支持孔36によって支持され、各サイドプレート14の支持孔36内に軸端を有する従動軸を構成している。支軸34には、ギヤ室15の内部において従動ギヤ32が装着されている。従動ギヤ32の支軸34への装着では、軸回りの回転を拘束してもよいし軸回りの回転を許容してもよい。従動ギヤ32は、駆動ギヤ31と噛み合い、駆動ギヤ31の回転に伴って従動回転するようにしてある。
【0015】
図2には、駆動ギヤ31およびこれに連動する従動ギヤ32の回転方向が矢符により示してあり、両ギヤ31,32の噛み合い位置を挟んだ両側には、回転方向側に吸込室21が、反回転方向側に吐出室22が形成されている。これら吸込室21および吐出室22は、本体筒11の対応位置に開口する吸込口23および吐出口24を介して、ハウジング10外の図示しない吸込先および吐出先にそれぞれ接続されるようにしてある。
【0016】
このような構成により、吸込口23を経て吸込室21に導入される作動流体は、吸込室21に臨む駆動ギヤ31および従動ギヤ32の歯間に受け入れられ、両ギヤ31,32の回転により、それぞれの歯間と本体筒11の内周面との間に封止された状態で搬送され、吐出室22に送り出される。吐出室22への送り出しを終えた駆動ギヤ31と従動ギヤ32とは、両ギヤ31,32の噛み合い位置を経て吸込室21側に向き、この吸込室21内の作動流体を再度受け入れて吐出室22側へ送り出す作用をなす。
【0017】
参考例では、一対のギヤ31,32が共振することに伴う騒音や振動を抑制するべく、駆動ギヤ31および従動ギヤ32の固有振動数を相異ならせるように、駆動ギヤ31と従動ギヤ32の仕様、例えば歯諸元を相異ならせている。
駆動ギヤ31と従動ギヤ32とは、歯数が相異なっている。例えば、駆動ギヤ31の歯数は11であり、従動ギヤ32の歯数は12である。
また、図3に示すように、駆動ギヤ31は、正の転位量とされた転位歯車であり、従動ギヤ32は転位量が0の標準歯車とされている。これにより、駆動ギヤ31の外径となる歯先円直径(半径R1)は、従動ギヤ32の外径となる歯先円直径(半径R2)と同じ(R1=R2)に形成されている。また、駆動ギヤ31と従動ギヤ32との軸間距離(支軸33,34の軸心同士の距離)は、駆動ギヤ31を歯数12の標準歯車とした場合の軸間距離と等しくされている。
【0018】
このように、一対のギヤ31,32の少なくとも一方を転位歯車とすることにより、一対のギヤ31,32の歯数が相異なる場合のこれら一対のギヤ31,32の外径や軸間距離を、一対のギヤが同歯数の標準歯車の場合のギヤの外径や軸間距離と等しくすることができる。従って、ギヤ室15の形状を従動ギヤ側部分と駆動ギヤ側部分とで異ならせずに済むので、ギヤ室15の構造を簡素化することができ、例えば、一対のサイドプレート14を両側で共用化することができる。なお、両ギヤ31,32をともに転位歯車としてもよい。
【0019】
また、両ギヤ31,32の材質は、同じとされ、例えば鋼である。
また、一対のギヤ31,32の歯形は相異なる。すなわち、駆動ギヤ31は、正の転位量とされた転位歯車であるのに対して、従動ギヤ32は、標準歯車である。このため、駆動ギヤ31のギヤ歯37の歯元近傍での歯厚(寸法L1)は、従動ギヤ32のギヤ歯38の歯元近傍での歯厚(寸法L2)に比べて、厚くなる。その結果、駆動ギヤ31のギヤ歯37は、従動ギヤ32に比べて、剛性が高くなり、固有振動数が高くなる。従って、一対のギヤ31,32の固有振動数が相異なる。
【0020】
このように第1参考例によれば、一対のギヤ31,32の歯諸元が相異なるので、ギヤ歯の形状や大きさを異ならせて、ひいては、ギヤ歯の剛性や固有振動数を異ならせることができ、その結果、一対のギヤ31,32の固有振動数を相異ならせることができる。従って、一対のギヤ31,32が同時に共振することを防止できる結果、所定レベル以下に騒音や振動を抑制できる。
ここで、一対のギヤ31,32の歯諸元が相異なることとは、歯形が異なるように一対のギヤ31,32の歯数と転位量とを相異ならせることには限定されない。例えば、歯数、転位量の他、後述する歯諸元の1つだけを異ならせること、また、同時に複数の歯諸元を異ならせることとしてもよく、また、歯諸元を異ならせたときに歯形が同じであってもよい。歯諸元としては、ギヤ歯の形状、大きさを決める以下の各値、すなわち、歯数、基礎円直径、歯先円直径、歯底円直径、転位係数等の値を例示でき、要は、これらの歯諸元の値の少なくとも一つを異ならせればよい。
【0021】
特に、一対のギヤ31,32の歯数を相異ならせているので、互いに噛み合うときの一対のギヤ31,32の回転速度も相異なる。その結果、同時に生じる各ギヤ31,32の振れ回り振動の周波数を異ならせることができ、騒音や振動をより一層抑制することができる。特に、歯数を異ならせることは、パワーステアリング装置用の電動ギヤポンプ1の振動防止に好ましい。というのは、この電動ギヤポンプ1では、通常、一対のギヤ31,32の回転速度が高速(例えば、略4000RPM)となって、一対のギヤ31,32の振れ回り振動が大きくなる傾向にあるからである。
【0022】
また、両ギヤ31,32の歯諸元を必要な強度に見合うように異ならせている。例えば、強度を要する駆動ギヤ31が従動ギヤ32に比べて高強度となるように、駆動ギヤ31を正の転位量の転位歯車とし、従動ギヤ32を標準歯車としている。
次に、第2参考例を説明する。なお、第2参考例および以下の各参考例および実施形態では、基となる参考例と異なる部分を中心に説明し、特に説明しない部分については基となる参考例と同様に構成されているものとし、同様の部分については同じ符号を付している。
【0023】
第2参考例のギヤポンプ1では、第1参考例に対して、以下の点が異なる。すなわち、一対のギヤ31,32の材質が相異なる。例えば、駆動ギヤ31の材質は鋼である。一方、従動ギヤ32の材質はアルミニウムである。
また、駆動ギヤ31および従動ギヤ32の歯諸元は同じとされている。例えば、駆動ギヤ31の歯数と、従動ギヤ32の歯数とは、同じとされ、例えば12である。また、駆動ギヤ31と従動ギヤ32とは、ともに標準歯車であり、ギヤの外径、歯形ともに同じ大きさ、同じ形状である。
【0024】
鋼製の駆動ギヤ31では、質量が大きく且つ弾性率(単位歪みを生じるときの応力の大きさ)が大きい。これに対して、アルミニウム製の従動ギヤ32では、質量が小さく且つ弾性率が小さい。固有振動数は、質量および弾性率に応じて異なるので、両ギヤ31,32についても異なる。
このように第2参考例によれば、一対のギヤ31,32の材質が相異なることにより、密度や弾性率等を異ならせることができるので、一対のギヤ31,32の固有振動数を相異ならせることができる。また、一対のギヤの材質が相異なる場合には、一対のギヤの材質が同じ金属である場合に比べて、一対のギヤが噛み合うことによる金属接触音を低減できるので、歯打ち音を抑制できる。
【0025】
ここで、上述の効果を得られる一対のギヤの材質としては、固有振動数に関係する物性である密度および弾性率の少なくとも一方が異なるものであればよい。また、相異なる材質としては、異なる金属同士の組合せ、また、以下の参考例で説明するように、金属と合成樹脂材料との組合せや、異なる合成樹脂材料同士の組合せを例示できる。
また、両ギヤ31,32の材質を必要な強度に見合うように、例えば、強度を要する駆動ギヤ31に高強度の鋼を、また、従動ギヤ32に相対的に低強度のアルミニウムを利用している。
【0026】
また、従動ギヤ32の材質のアルミニウムは、制振材料であるので、金属接触音や歯打ち音をより一層抑制でき、さらに、振動をより一層抑制できる。制振材料としては、アルミニウムの他、マグネシウム等を例示できる。また、制振材料を利用するギヤの部位としては、少なくとも一方のギヤの少なくとも噛み合い部分、例えば、相手方のギヤ歯と接する歯面部分39(この部分の歯面での範囲を、歯面に沿う一点鎖線により図3に図示した。)であればよい。
【0027】
次に、第3参考例を説明する。
参考例のギヤポンプ1では、第2参考例に対して従動ギヤ32の材質が異なる。すなわち、従動ギヤ32の材質はプラスチック等の合成樹脂材料である。一方、駆動ギヤ31の材質は金属材料、例えば鋼である。
このように本参考例では、一対のギヤの材質の物性、例えば密度や弾性率等が異なり、特に、一対のギヤの材質が金属材料と合成樹脂材料とであるので、一対のギヤの材質が金属同士の場合に比べて、物性の異なり具合が大きくなり、上述の第2参考例の作用効果を確実に得ることができる。
【0028】
これに加えて、一方のギヤに合成樹脂材料を利用しているので、一対のギヤ31,32が金属同士の場合に比べて、歯打ち音を大きく低減でき、さらに、一対のギヤ31,32が金属同士の場合に生じる金属接触音を防止できる。
また、合成樹脂材料であれば、金属材料に比べて、一般に材質が軟質であるので、振動減衰能が大きくなる。その結果、振動や騒音を抑制できる。
ここで、上述の合成樹脂材料による作用効果を得るには、合成樹脂材料を、少なくとも一方のギヤの、少なくとも上述の噛み合い部分に利用していればよい。例えば、全体を合成樹脂材料で形成したギヤの他、歯面近傍部分が合成樹脂材料からなるギヤを考えることができる。
【0029】
また、合成樹脂材料を利用するギヤは、通常低強度となるので、従動ギヤ32とするのが好ましい。
また、合成樹脂材料を両方のギヤ31,32に同様に利用してもよい。この場合には、一対のギヤに合成樹脂材料を用いることによる歯打ち音の低減効果等を得ることができる。また、上述の各参考例と異なり、駆動ギヤ31と従動ギヤ32とを同仕様にできるので、一対のギヤ31,32を同仕様のギヤで共用化できて、ギヤポンプ1の構造を簡素化できる。
【0030】
ところで、ギヤポンプ1を直流モータ2で駆動する場合、モータ2のブラシに起因した騒音(モータ騒音)と、ギヤポンプ1のギヤ31,32に起因した上述の騒音(ギヤ騒音)とが共振して、大きな複合騒音が生じる場合がある。複合騒音を防止するには、上述のようにギヤポンプ単体での騒音を抑制するのに加えて、以下のようにするのが好ましい。すなわち、複合騒音の周波数は、ギヤ騒音とモータ騒音との共振周波数であり、この共振周波数は、ギヤ歯数および整流子数の最小公倍数に応じて決まる。そこで、この最小公倍数を、騒音低減に寄与できる所定値以上に設定することにより、共振周波数を、聴感が鈍くなる周波数以上にして、体感上の騒音を低減するようにしている。
【0031】
ギヤポンプ1は、第1参考例で説明したものと同様とする。モータ2は、回転軸41と一体回転して回転トルクを発生するための回転子42と、回転子42の電機子巻線に給電するために回転子42の外周面に沿って複数、例えば、20個(整流子数Nc)が等配に配置された整流子44と、整流子44と接触しつつ外部回路から給電するために固定配置された炭素電極からなる複数のブラシ43とを有している。
【0032】
図4は、電動ポンプユニット4の騒音特性を説明するためのグラフであり、横軸に周波数(Hz)、縦軸に騒音の大きさを示し、(a)はモータ騒音、(b)はギヤ騒音、(c)は複合騒音を示す。
複合騒音を周波数特性で見ると、その複数の騒音ピークの各周波数FC1,FC2,…には、ギヤ騒音の周波数とモータ騒音の周波数との両方に一致しているもの(共振周波数Fr)がある。図4(c)に示す共振周波数FC220は、モータ騒音の周波数FB20 と一致し、且つギヤ騒音の周波数FG11 と一致する。ここで、モータ騒音の周波数FB20 は、整流子数Ncの倍数とモータ2の回転速度(RPS)との積で決まる。また、ギヤ騒音の周波数FG11 は、駆動ギヤ31の歯数Ntの倍数と駆動ギヤ31の回転速度(RPS)との積で決まる。モータ2と駆動ギヤ31との回転速度は等しいことから、共振周波数FC220は、歯数Ntと整流子数Ncとの最小公倍数Mと、回転速度(RPS)との積となる。
【0033】
複合騒音の共振周波数Frの関係式は、回転速度Vm(RPM)、駆動ギヤ31の歯数Ntと整流子数Ncとの最小公倍数Mとしたときに、
共振周波数Fr(Hz)=最小公倍数M×回転速度Vm(RPM)/60
となる。
例えば、駆動ギヤ31の歯数Ntが11、整流子数Ncが20の場合に最小公倍数Mが220となり、回転速度が4000RPMのときに、共振周波数FC220は14.7kHzと高くなる。この共振周波数は、人間にとって聴感が鈍くなる周波数、例えば、10kHz以上であるので、モータ騒音とギヤ騒音の騒音ピーク同士が重なり合って、大きな騒音ピークとなっていても問題ない。
【0034】
また、駆動ギヤ31の歯数Ntと整流子数Ncとの最小公倍数Mは、所定値R以上の値とされている。ここで、騒音低減に寄与できる所定値Rとは、この所定値Rを上述の関係式の最小公倍数Mに代入し、ギヤポンプの運転条件により決まる所定の回転速度Vmを設定したときに、関係式から求まる共振周波数Frが、上述の聴感が鈍くなる周波数を実現できるような値である。具体的には、ポンプの回転速度4000RPM、周波数10kHzとする場合、所定値Rは150となる。
【0035】
なお、最小公倍数は、共振周波数Frが10kHz以上となるような所定値R以上の値にすればよく、より高い周波数となるような値にすれば、体感上の騒音をより確実に低減することができる。
また、歯数Ntと整流子数Ncとを互いに素とすることによって、歯数Ntと整流子数Ncの両者の最小公倍数を所定値R以上にするために、歯数Ntと整流子数Ncを極端に多くする必要がないので、上述のように騒音の低減を図る際に、ギヤポンプ1や電動ポンプユニット4の大型化を回避することができる。従って、従来のギヤポンプや電動ポンプユニットとほぼ同じ大きさ、能力を維持しつつ、騒音の低減を実現することができる。
【0036】
なお、歯数Ntおよび整流子数Ncの組合せは、上述の組合せ(11,20)の他に(13,20)、(17,20)等の組合せを例示することができる。
また、上述の固有振動数を異ならせることによる作用効果を得るには、第1参考例のように一対のギヤの歯諸元を相異ならせてもよく、また、第2参考例のように一対のギヤの材質を相異ならせてもよい。
この他、支軸と一体回転するギヤであれば、支軸の断面形状、大きさ等の諸元を異ならせてもよい。例えば、本発明の一実施形態では、図5に示すように、第1参考例のギヤポンプ1において、一方の支軸である従動側の支軸34の断面形状を孔50がある円形の中空形状とし、他方の駆動側の支軸33の断面形状を中実形状とし、両支軸33,34の外径を同じにする。また、一対のギヤ31,32は、同じ材質、同じ歯諸元とする。この場合には、両支軸33,34の固有振動数が相異なるので、支軸とギヤとで構成される軸付きギヤの固有振動数を、一対のギヤ31,32について相異ならせることができる。要は、形状、構造、寸法、成分、精度、性能等を決める事項であるギヤの仕様、例えば、ギヤの歯諸元、ギヤの材質、軸付きギヤの支軸の断面形状などの支軸の諸元等を、一対のギヤについて相異ならせればよい。
【0037】
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1参考例を示すギヤポンプを含む電動ポンプユニットの概略構成の断面正面図である。
【図2】 図1のギヤポンプの断面側面図であり、図1のII─II線に沿う断面図であってハッチングを省略してある。
【図3】 一対のギヤの噛み合い部分近傍を拡大して示す断面側面図である。
【図4】 図1の電動ポンプユニットの騒音特性を説明するためのグラフであり、横軸に周波数(Hz)、縦軸に騒音の大きさを示し、(a)はモータ騒音、(b)はギヤ騒音、(c)は複合騒音を示す。
【図5】 本発明の実施形態を示すギヤポンプの断面正面図である。
【符号の説明】
1 ギヤポン
1 駆動ギヤ
32 従動ギヤ
33 支軸(駆動側の支軸)
34 支軸(従動側の支軸)
50 孔

Claims (1)

  1. 互いに噛み合う駆動ギヤおよび従動ギヤの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプにおいて、上記駆動ギヤの両側に突出して一体回転するように設けられた駆動側の支軸と、上記従動ギヤの両側に突出して一体回転するように設けられた従動側の支軸とを備え、従動側の支軸の断面形状が、当該支軸の両端にわたって貫通する一つの孔がある中空形状とされるとともに、駆動側の支軸の断面形状が、中実形状とされることにより、上記駆動側の支軸および従動側の支軸の固有振動数相異なるようにされたことを特徴とするギヤポンプ。
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