JP4843968B2 - 歯車群を備えた装置、歯車装置、及び歯車装置の設計方法 - Google Patents

歯車群を備えた装置、歯車装置、及び歯車装置の設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4843968B2
JP4843968B2 JP2005075488A JP2005075488A JP4843968B2 JP 4843968 B2 JP4843968 B2 JP 4843968B2 JP 2005075488 A JP2005075488 A JP 2005075488A JP 2005075488 A JP2005075488 A JP 2005075488A JP 4843968 B2 JP4843968 B2 JP 4843968B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
natural frequency
gear group
frequency
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005075488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006258175A (ja
Inventor
隆吉 大城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2005075488A priority Critical patent/JP4843968B2/ja
Publication of JP2006258175A publication Critical patent/JP2006258175A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4843968B2 publication Critical patent/JP4843968B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両のフロントワイパを駆動する駆動装置や歯車ポンプなどに使用される歯車装置、及びその歯車装置を含む駆動装置などの装置に係り、歯車の噛合部で発生する振動・騒音を低減可能な装置及びその設計方法に関する。
少なくとも2つの歯車が噛合してなる歯車群を備えた装置としては、例えば特許文献1に記載した歯車ポンプがある。この歯車ポンプでは、互いに噛み合う一対の歯車の共振により発生する騒音・振動を低減するために、当該噛合する一対の歯車の固有振動数を互いに異なる値となるように、一対の歯車の仕様を決定することが開示されている。
ここで、一般には、上記固有振動数は停止状態における固有振動数である。また、上記一対の歯車からなる歯車対(歯車群)は、モータによって駆動されて回転する。
特開2001−182670号公報
発明者らが歯車装置について検討した結果、噛合部を構成する歯車群の固有振動数と、歯車を駆動するモータの振動周波数とが一致したときに、歯車が共振して大振幅で振動する現象を確認し、その現象が、歯車の噛合部で発生する騒音・振動に大きな影響を与えることを見出した。
すなわち、歯車群を構成する各歯車の固有振動数を互いに異なる値となるように設計しても、噛合部を構成する歯車群の固有振動数とモータの振動周波数とが一致すると、歯車の噛合部で発生する振動・騒音に悪影響が発生するという課題がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、歯車の噛合部における振動・騒音をより低減可能にすることを課題としている。
上述のように、発明者らは、歯車装置について検討した結果、噛合部を構成する歯車群の固有振動数と、歯車を駆動する原動機の振動周波数とが一致したときに、歯車が共振して大振幅で振動する現象を確認した。
さらに、噛合部を構成する歯車群の固有振動数は、歯車作動状態において、(1)歯車の回転に伴い変動すること、(2)歯車に加わる駆動トルクの大きさにより変動すること、を確認し、歯車と原動機の相互の固有振動数を所定の離間周波数幅だけずらして歯車と原動機の相互の固有振動数が一致しないように設定する際に、この2つの変動を考慮しなければならないことを見出した。
そして、本発明は、少なくとも2つの歯車が噛合してなる歯車群と、その歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品とを備え、上記歯車群の固有振動数と、前記第一の連結部品及び前記第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数とを異なる値とする歯車群を備えた装置であって、
上記歯車群の固有振動数として、想定される使用条件での歯車作動状態によって変動する歯車群の固有振動数と、前記第一の連結部品及び前記第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数とを一致させないようにしたものである。
なお、上記歯車群の噛合部は、一対の歯車で構成される場合もあるし、3個以上の歯車が噛合することで構成される場合もある。
また、一つの歯車装置内に複数の歯車群が有る場合もある。
本発明によれば、歯車群の固有振動数と、歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数とを異ならせ、その際に、作動による歯車群の固有振動数の変動を考慮することで、歯車の噛合部からの振動・騒音をより有効に低減することが可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、少なくとも2つの歯車が噛合してなる歯車群を備えた装置として、車両のフロントガラス用のワイパを駆動する駆動装置を例示する。
この駆動装置を備えたワイパシステム例は、図1に示すように、駆動装置であるモータユニット3がワイパフレーム4に搭載され、該ワイパフレーム4が複数個のゴムマウントを介して車体に支持される。そして、モータユニット3からのトルクがワイパアーム5に伝達されることで当該ワイパアーム5が往復運動をしてフロントガラスを拭く。
上記モータユニット3は、図2に示すように、モータ1と、減速機を構成する歯車列2とから構成される。本実施形態の歯車列2は、2段減速の歯車列であって、モータ1の駆動軸に同軸に連結してトルクが伝達されるウォーム歯車6と、ウォーム歯車6を挟んで配置され大径側の歯車7bをウォーム歯車6に噛合する2つの段つき歯車7(以下カウンタ歯車)と、該2つのカウンタ歯車7の小径側の歯車7aに噛合する出力歯車8とを備えて構成され、モータ1が駆動することで、上記2つのカウンタ歯車7を並列回転させ、これ2つのカウンタ歯車7が1つの出力歯車8を同期して回転させ、その出力歯車8の回転を上記ワイパアーム5に伝達してワイパアーム5が作動する。図3に、2つの歯車の噛合部の拡大図を示す。
ここで、上記歯車列2は歯車群を構成する。なお、本実施形態では、歯車列2全体を歯車群とした場合を例示して説明する。ただし、ウォーム歯車6とカウンタ歯車7とで一つの歯車群とし、カウンタ歯車7と出力歯車8とで1つの歯車群として、それぞれの歯車群毎に固有振動数を別々に調整しても良い。
また、上記歯車は、ウォーム歯車6を除いて樹脂製として、金属製歯車を採用した場合に比べて噛み合い時の衝撃荷重を低減して低騒音化を図っている。なお、この2段減速の歯車列2は、モータユニット3の小型化を主目的とする一方、音振的観点からは、異音の発生要因となるウォーム歯車6のスラスト方向変位を相殺する効果もある。
上記構成では、歯車群である歯車列2に連結する連結部品としては、モータ1及びワイパアーム5(歯車列2とワイパアーム5とを連結するリンク部材を含む)があるが、本実施形態では、連結部品として振動・騒音への影響が大きなモータ1に着目して歯車列2の諸元を設定する場合を例示する。ここで、モータ1が第一の連結部品に対応し、ワイパアーム5(歯車列2とワイパアーム5とを連結するリンク部材を含む)が第二の連結部品に対応する。
ここで、一般的に歯の撓みによって歯の剛性は変化し、特に変形量が大きい樹脂製歯車では剛性変化が顕著である。その結果、歯車列2で構成される歯車群の固有振動数(以下、単に、歯車列2の固有振動と呼ぶ場合もある。)は、歯の撓み量、すなわち歯車に負荷するトルクに応じて変化し易い。すなわち、停止時における歯車列2の固有振動数と、作動状態での歯車列2の固有振動数が異なり、上述のように変形量が大きな樹脂製歯車を一部若しくは全部に使用した歯車列2の固有振動数の歯車作動による変動幅が大きくなる。
図4に、歯車列2に負荷されるトルク(N・m)と、歯車列2の固有振動数との関係を示す。歯車列2に負荷されるトルクやそのときの固有振動数は、使用条件や歯車の諸元によって変わるものであるが、図4から分かるように、歯車列2に負荷されるトルクによって歯車群の固有振動数は変化し、歯車に負荷するトルクが大きくなる程、歯車列2の固有振動数は高くなる。
また、ワイパシステムでは、ワイパアーム5が1往復する間に、歯車列2に負荷されるトルクは変動する。したがって、ワイパアーム5が1往復する際の歯車列2に負荷されるトルクの最大値及び最小値の範囲で上記歯車列2の固有振動数は変化し、その歯車列2の固有振動数の最大値及び最小値の間、つまり使用条件に応じて歯車列2の取り得る固有振動数が、モータ1の振動周波数と一致しないように、当該歯車列2の固有振動数の最大値及び最小値の少なくとも一方を選定する。つまり、使用条件において確実に歯車列2の固有振動数が、その選定した最大値が前記モータ1の振動周波数よりも小さく、若しくは選定した最小値が前記モータ1の振動周波数よりも大きくなるように、各歯車の歯車諸元を設定する。上記固有振動数の調整は、各歯車の歯数、歯幅、材質を変更することで調整可能である。すなわち、歯の剛性が高くなるほど固有振動数が高くなり、剛性が低くなるほど固有振動数は低くなる。
具体的には、停止時における歯車列2の固有振動数が、モータ1の振動周波数よりも大きいかどうかを検討する。
停止時における歯車列2の固有振動数が、モータ1の振動周波数よりも大きいと判定した場合には、モータ1の振動周波数よりも所定の離間周波数幅だけ大きな値を歯車列2の固有振動数の最小値とする。そして、例えば、歯車列2に負荷されるトルクが通常使用状態における最小値のときの作動状態における歯車列2の固有振動数が、上記最小値若しくはそれ以上となるように、各歯車の諸元を設計する。
一方、停止時における歯車列2の固有振動数が、モータ1の振動周波数よりも小さいと判定した場合には、モータ1の振動周波数よりも所定の離間周波数幅だけ小さな値を歯車列2の固有振動数の最大値とする。そして、例えば、歯車列2に負荷されるトルクが通常使用状態における最大値のときの作動状態における歯車列2の固有振動数が、上記最大値若しくはそれ以下となるように、各歯車の諸元を設計する。
また、上記減速機のカウンタ歯車7、すなわち図5に示すような、段つき歯車(上段下段で歯数と径が異なる)では歯車列2の固有振動数を上げるには、小径側7aの径dを大きくすれば見かけ上の剛性が大きくなり、結果的に固有振動数も大きくする事が出来る。この場合には、小径側7aを大きくするので、歯車の固有振動数を大きくしても減速機全体の大きさはそのままの大きさに維持できる。
また、歯車列2では歯の剛性が直列結合となることから、歯車の数によっても固有振動数は変化する。固有振動数に応じた数の増減でチューニングする事も可能である。
また、複数の歯車で構成される歯車列2の場合、対となるどちらかの歯車を金属製とすることで、固有振動数を大きくする事が出来る。この場合、どちらかは必ず樹脂製とすることで、金属製の弊害である歯打ち音などの懸念は発生しない。
また、各歯車間の固有振動数も異なるように設定する。
上記構成の作用・効果等について説明する。
作動による歯車列2の固有振動数の変動幅を考慮しないで、他の連結部品との離間周波数幅を決めた場合、例えば、停止時における歯車列2の固有振動数とモータ1の振動周波数とが所定の離間周波数幅だけ異なるように歯車の諸元を設定した場合には、その離間周波数幅よりも歯車固有振動数の変動幅が大きい場合に、共振現象が発生して騒音・振動が大きくなる作動領域が存在するおそれがある。しかしながら、本実施形態では、作動時における歯車列2の固有振動数の変動を考慮しているため、確実に騒音・振動を低減することができて、共振による騒音・振動が発生する作動領域を低減若しくは無くすことが可能となる。
また、上記のように停止時における歯車列2の固有振動数だけに基づいて共振を回避しようとすると上記離間周波数幅を大きく取る必要が生じるが、本実施形態では、そのようなことが回避され、その分、設計自由度が向上する。
なお、上記実施形態では、歯車列2に連結する連結部品として原動機であるモータ1のみを考慮しているが、ワイパアーム5(歯車列2とワイパアーム5とを連結するリンク部材を含む)の固有振動数も考慮して、上記作動時における歯車列2の固有振動数の最大値や最小値を決めても良い。ただし、歯車列2と直結するモータ1は、起振源であって、かつ、直接に歯車列2と連結するため、歯車列2の固有振動数に及ぼす影響が大きい。したがって、主として原動機であるモータ1と歯車列2との固有振動数を異なる値とすると、振動低減効果が大きい。
ここで、歯車列2の固有振動数の最大値及び最小値は、歯車群を含む装置の1動作、本実施形態では、ワイパアーム5が1往復する間における、歯車に負荷されるトルクの最大値若しくは最小値となるときの状態における当該歯車列2の固有振動数を使用すればよい。
歯車列2の固有振動数が変動する主要因は、歯車に加わる回転トルクの大きさによる変動である。従って、上記のようにして決定すれば、歯車列2の固有振動数が変動することを考慮した最大値あるいは最小値を正確に決めることができる。
また、離間周波数幅は、モータ1の回転周波数が大きくなるにつれて大きくなることが好ましい。モータ1の回転が増加するにともない、歯車列2で振動・騒音は、周波数ととともに、その大きさも増加する。従って、振動・騒音低減のために必要な離間周波数幅を、モータ1の回転が増加するほど大きくすることで、より共振をし難くすることにより、振動・騒音の増大による悪化分を打ち消すことができる。
ここで、歯車列2の固有振動数が、原動機の回転周波数より大きい値である場合には、モータ1の回転が増加するにともない、歯車が発生する振動・騒音は、周波数ととともに、その大きさも増加する。従って、振動・騒音低減のために必要な離間周波数幅は、モータ1の回転が増加するほど大きくなる。ところで、歯車列2の固有振動数は、歯車に加わる回転トルク=モータ1の回転トルクが大きくなるにつれて、高くなる。またモータ1の回転周波数と回転トルクとは正の関係にある。従って、モータ1の回転周波数が大きくなるにつれて、歯車列2の固有振動数も高くなる。以上より、歯車列2の固有振動数をモータ1の回転周波数より大きい値に設定しておくと、回転数が大きくなるにつれて歯車列2の固有振動数が高くなって、離間周波数幅も自然に大きくなるため、振動・騒音が大きい回転周波数が大きい領域でも、振動・騒音を適切に低減できるという効果を得ることができる。 そして、この場合には、離間周波数幅を調節する装置を新規に設ける必要がない。
次に、積極的に作動時における歯車列2の固有振動数を調整、つまり離間周波数幅を調整する離間周波数調整手段の一例について説明する。
図6に示すように、カウンタ歯車7をテーパ付歯車とする。そして、図7に示すように、トルクセンサにてカウンタ歯車7に負荷されるトルクを検出し、そのトルクに応じてアクチュエータを作動してカウンタ歯車7を軸方向に変位させることで、ウォーム歯車6との噛み合いを変化、具体的には図7では前進させることで、噛み合いを強くする。噛み合いを強くするほど、図8のように、噛合部における接触力が大きくなり、その結果、歯車同士の接触状態が点接触から面接触状態に移行して接触剛性が大きくなり、もって固有振動数が上昇する。これによって、離間周波数幅を調整可能となる。上記離間周波数の調整に、ウォーム歯車6に負荷されるトルクを使用しているが、これに限定されない。例えば、モータ1のトルクや回転数に基づき調整してもよい。
ここで、本実施形態ではワイパの駆動装置に適用した例を示しているが、これに限定されない。ギアポンプなど、少なくとも2つの歯車が噛合する歯車群を備え、その歯車群に入力されるトルクが(周期的に)変動するものであれば、本発明は好適に適用可能である。
また、上記実施形態では、歯車列2の諸元を調整して、歯車列2の固有振動数と連結部品の固有振動数若しくは振動周波数とが一致しないようにする場合を例示しているが、連結部品側の仕様を調整して、歯車列2の固有振動数と連結部品の固有振動数若しくは振動周波数とが一致しないようにしても良い。
図9のように、歯車列2の固有振動数が変化していって起振源周波数と一致すると歯車の噛合部での騒音振動が大きくなる。
モータ1の回転に伴う振動は、各歯車に伝達する過程で、歯車の歯数、伝達した歯車の数によって変化する。従って、減速機(歯車列2)における起振源周波数(モータ1の振動周波数)は、歯車例の位置によって異なり、複数個存在する。例えば、ウォーム歯車6、及び出力歯車8の位置で発生する起振源周波数は、それぞれ下記(1)(2)で求まる。
Figure 0004843968
よって、起振源周波数と歯車列2の固有振動数との差である離間周波数幅を決める際には、例えば、複数個ある起振源周波数のうち、停止状態での歯車列2の固有振動数と最も近いものを選択して、上記離間周波数幅を求める。勿論、全ての起振源周波数を考慮しても良い。
そして、固有振動数の歯車列2の作動時における変動分を考慮して、起振源周波数と歯車列2の固有振動数との差である「離間周波数幅」を決定することで、歯車列2の歯車が変形して上記固有振動数が変動しても、起振源周波数と固有振動数の一致を回避出来る。
図10のように、歯車列2の諸元やワイパアーム5に伝達されるトルクなどの設計が決まれば、歯車列2に負荷されるトルクの最大値や最小値から、歯車列2の固有振動数の最大値や最小値が決定できるわけであるが、例えば、停止時における歯車列2の固有振動数が上記起振源周波数よりも下側にあると判定した場合には、作動による歯車列2の固有振動数の最大値と起振源周波数との差が所定の離間周波数幅となるように、歯車列2の諸元を調整する。
このようにすると、図10に示すタイムチャートのように、ワイパアーム5の往復運動に伴いワイパアーム5が1往復する際に、歯車列2に負荷されるトルクが変動しても、起振源周波数と歯車列2の固有振動数とが一致することが回避される。なお、図4では、モータ1の回転数が一定と仮定したものである。起振源周波数は、モータ1の回転数によって変化する値である。したがって、上記負荷されるトルクが最大となるときの起振源周波数と歯車列2の固有振動数の最大値との差が所定の離間周波数幅となるように設定する。
この図10のような場合には、従来のように停止時における歯車列2の固有振動数よりも上記と同じ幅で離間周波数幅を設定したとすると、ワイパアーム5が往復する際に歯車列2の固有周波数と起振源周波数とが一致して音振が悪化する作動領域が存在することになる。
次に、停止時における歯車列2の固有振動数が起振源周波数よりも大きい場合について説明する。
図4から分かるように、回転数が上がり負荷されるトルクが上昇する領域では、歯車列2の固有振動数も追従して上がっていく。このとき、停止時における歯車列2の固有振動数が起振源周波数よりも大きい場合には、歯車列2の固有振動数の最小値が、起振源周波数よりも所定の離間周波数だけ大きくなるように設定される。
したがって、図11に示すように、回転数の変動に伴い、起振源周波数及び歯車列2の固有振動数が追従して同じように変動することで、歯車列2の固有振動数と起振源周波数との一致を回避することができる。そして、あるモータ1の回転数において、歯車列2の固有振動数をモータ1の回転周波数よりも大きい値に設定しておけば、モータ1の回転数が変化しても、すべてのモータ1の回転数において歯車列2の固有振動数と起振源周波数との一致を回避することが可能となる。
ここで、停止時におけ固有振動数が起振源振動数よりも上にあると判定したときに、上記実施形態の構成の減速機において、図12に示すように、カウンタ歯車7の歯数を減らして、1枚辺りの歯幅w、tを大きくして剛性を向上させることで、歯車列2の固有振動数の最小値を起振源周波数よりも大きくした。その結果、図13のように、発生する振動レベル(ギアノイズ)を低減することが出来た。
なお、歯幅を大きくすることは、その他性能(耐久性)に対しても効果的であるので、本来性能とのトレードオフは無い。
本発明に基づく実施形態に係るワイパシステムを示す模式図である。 本発明に基づく実施形態に係るモータユニットを示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る歯車の噛合を示す図である。 負荷されるトルクと固有振動数との関係を示す図である。 段付き歯車を示す模式図である。 テーパ付歯車を示す模式図である。 固有振動数を調整する構成を示す図である。 噛み合いの変化を示す図である。 周波数と振幅との関係を示す図である。 歯車列の固有振動数よりも起振源周波数が大きい場合を説明する図である。 歯車列の固有振動数よりも起振源周波数が小さい場合を説明する図である。 歯幅(w、t)を変化する場合の例を示す図である。 歯幅を変更した効果を示す図である。
符号の説明
1 モータユニット
2 モータ
3 歯車列(歯車群)
6 ウォーム歯車
7 カウンタ歯車
8 出力歯車

Claims (11)

  1. 少なくとも2つの歯車が噛合してなる歯車群と、その歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品とを備え、上記歯車群の固有振動数と、前記第一の連結部品及び前記第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数とを異なる値とする歯車群を備えた装置であって、
    歯車の剛性及び歯車同士の接触力の少なくとも一方を調整することにより、
    上記歯車群の固有振動数として、想定される使用条件での歯車作動状態によって変動する歯車群の固有振動数と、前記第一の連結部品及び前記第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数とを一致させないことを特徴とする歯車群を備えた装置。
  2. 少なくとも2つの歯車が噛合する歯車群からなる歯車装置において、
    想定される使用条件での歯車作動により変動する当該歯車群の固有振動数の変動の範囲内の振動数に、上記歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数が、一致しないように歯車群の仕様を設定し、
    歯車の剛性及び歯車同士の接触力の少なくとも一方を調整することで、歯車群の固有振動数を調整することを特徴とする歯車装置。
  3. 上記歯車の少なくとも一つは樹脂製であることを特徴とする請求項に記載した歯車装置。
  4. 歯車群の固有振動数と、当該歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数とを所定離間周波数幅だけ異なる値として、歯車群の固有振動数と、上記歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数との一致を回避する歯車装置において、
    上記歯車群の固有振動数として、想定される使用条件での歯車作動状態における上記歯車群の固有振動数の最大値及び最小値の少なくとも一方を、前記第一の連結部品及び前記第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数よりも小さく若しくは大きくすることを特徴とする請求項2又は3に記載した歯車装置。
  5. 上記歯車群の固有振動数の最大値及び最小値は、当該歯車群に伝達されるトルクが最大若しくは最小となるときの値であることを特徴とする請求項に記載の歯車装置。
  6. 上記第一の連結部品は、歯車群にトルクを伝達する原動機であることを特徴とする請求項2〜請求項のいずれか1項に記載した歯車装置。
  7. 上記歯車群の固有振動数を、原動機の回転数が大きくなるほど大きくする離間周波数調整手段を備えることを特徴とする請求項に記載した歯車装置。
  8. 上記離間周波数調整手段は、上記歯車群の固有振動数を、原動機の固有振動数若しくは振動周波数より大きい値に設定することでなることを特徴とする請求項に記載した歯車装置。
  9. 上記離間周波数調整手段は、2つの歯車のうち、一方の歯車をテーパ付歯車で構成し、当該一方の歯車を軸方向に変位させて、他方の歯車との接触力を大きくすることで、前記歯車群の固有振動数を大きくすることを特徴とする請求項7又は8に記載の歯車装置。
  10. 上記歯車群を構成する各歯車の固有振動数を互いに異なる値にすることを特徴とする請求項2〜のいずれか1項に記載した歯車装置。
  11. 少なくとも2つの歯車が噛合する歯車群からなる歯車装置の設計方法であって、歯車群の固有振動数と、当該歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数とを所定離間周波数幅だけ異なる値として、歯車群の固有振動数と当該歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数との一致を回避する歯車装置の設計方法において、
    想定される使用条件での歯車作動による当該歯車群の固有振動数の変動量を考慮して、作動停止状態における歯車群の固有振動数と上記歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数とを比較して、
    作動停止状態における歯車群の固有振動数の方が大きい場合には、想定される使用条件での歯車作動による当該歯車群の固有振動数の最小値を、当該歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数よりも所定離間周波数幅だけ大きな値に設定し、
    作動停止状態における歯車群の固有振動数の方が小さい場合には、想定される使用条件での歯車作動による当該歯車群の固有振動数の最大値を、当該歯車群の駆動側に連結する第一の連結部品、及び前記歯車群の被駆動側に連結する第二の連結部品の少なくとも一方の固有振動数若しくは振動周波数よりも所定離間周波数幅だけ小さな値に設定する、
    ことを特徴とする歯車装置の設計方法。
JP2005075488A 2005-03-16 2005-03-16 歯車群を備えた装置、歯車装置、及び歯車装置の設計方法 Expired - Fee Related JP4843968B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005075488A JP4843968B2 (ja) 2005-03-16 2005-03-16 歯車群を備えた装置、歯車装置、及び歯車装置の設計方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005075488A JP4843968B2 (ja) 2005-03-16 2005-03-16 歯車群を備えた装置、歯車装置、及び歯車装置の設計方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006258175A JP2006258175A (ja) 2006-09-28
JP4843968B2 true JP4843968B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=37097664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005075488A Expired - Fee Related JP4843968B2 (ja) 2005-03-16 2005-03-16 歯車群を備えた装置、歯車装置、及び歯車装置の設計方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4843968B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4882453B2 (ja) * 2006-03-30 2012-02-22 住友金属工業株式会社 鉄道車両用歯車装置及び鉄道車両用台車
JP5971470B2 (ja) 2012-08-08 2016-08-17 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06133122A (ja) * 1992-10-21 1994-05-13 Konica Corp 画像形成出力装置
JP3904786B2 (ja) * 1999-12-24 2007-04-11 株式会社ジェイテクト ギヤポンプ
JP4194207B2 (ja) * 2000-03-16 2008-12-10 株式会社リコー 画像形成装置及び画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006258175A (ja) 2006-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7721625B2 (en) Harmonic gear drive
US9927018B2 (en) Gear assembly
JP4843968B2 (ja) 歯車群を備えた装置、歯車装置、及び歯車装置の設計方法
EP1715190A1 (de) Schwingungsreduzierendes Bauteil und damit ausgerüstetes Vakuumpumpsystem
JP4645086B2 (ja) 波動歯車装置、伝達比可変装置、及び波動歯車装置の製造方法
CN101678745B (zh) 防振装置
JP2009264109A (ja) 作業車両
US1591826A (en) Transmission gearing
CN102158124A (zh) 振动波马达、透镜镜筒及相机
JP4589147B2 (ja) 電動舵取装置
US8418610B2 (en) Printing unit
KR102340757B1 (ko) 스크류 압축기
JP6655669B2 (ja) 動力伝達装置の制御装置
JP2007247749A (ja) ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置
CN102904376B (zh) 传动缓冲式刮水器电机及其传动缓冲件的设置安装方法
JP4722761B2 (ja) 伝動装置
CN102762896A (zh) 齿轮以及具有这种齿轮的泵机组
JP2007050752A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2016035298A (ja) 駆動装置
JP2018035914A (ja) 撓み軸継手
JP4016769B2 (ja) ギヤの構造
US10837517B2 (en) Toothed belt drive
JP4993091B2 (ja) 防振マウント
KR0153361B1 (ko) 기계 및 이와 연결된 구동장치요소를 가지는 장치
JP6301153B2 (ja) 振動体の支持構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100827

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110913

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees