JP3903781B2 - 複合積層セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents

複合積層セラミック電子部品及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばマイクロ波用共振器、フィルタまたは積層コンデンサなどを内部に含む多層回路基板に適した複合積層セラミック電子部品及びその製造方法に関し、より詳細には、高誘電率材料からなる高誘電率層と、低誘電率材料からなる低誘電率層とが積層された構造を有する複合積層セラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、軽量化及び薄型化に伴って、電子機器に用いられる電子部品の小型化が求められている。しかしながら、従来、共振器などの電子部品は、それぞれ個別に構成されており、これらの部品を小型化しただけでは、電子機器の小型化に限界があった。そこで、コンデンサや共振器などの電子部品素子が基板内部に内蔵されているセラミック多層基板が種々提案されている。
【0003】
また、セラミック多層基板のより一層の小型化及び近年の高周波化の流れに対応するために、種々の複合多層基板材料が検討されている。すなわち、配線が形成されたり、半導体などが実装されたりする低誘電率層の内部に、高誘電率でかつ低誘電損失の材料を形成し、高誘電率部分において、コンデンサや共振器などを構成してなる複合積層セラミック電子部品が種々検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような複合積層セラミック電子部品では、低誘電率材料と高誘電率材料とを複合化しているため、低誘電率材料と高誘電率材料の収縮曲線や熱膨張係数の違いにより、両者の界面での剥離や基板自体の変形が生じたりするという問題があった。
【0005】
また、高い周波数領域では、電気抵抗が低いCuやAgなどの低融点の導体を用いる必要がある。従って、これらの低融点の導体をセラミックスと一体焼成しなければならないため、セラミック材料の焼成温度は1000℃以下でなければならない。
【0006】
他方、マイクロ波やミリ波などの高周波用に用いるには、基板材料に低い誘電損失が要求される。ところが、焼成温度を1000℃以下とするには、セラミックスに対し、ガラスなどの焼結助剤を添加することが必要である。一般に、ガラスなどの焼結助剤は、基板材料の誘電損失を高めるように作用する。従って、1000℃以下の低温で焼成することができ、かつ低い誘電損失を実現することが非常に困難であった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、異種材料の界面における剥離や変形が生じ難く、低温で焼成でき、しかも高周波用途に用いるのに適した低い誘電損失を実現し得る、複合積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明に係る複合積層セラミック電子部品は、一般式xBaO−yTiO−zReO3/2(但し、x,y,zはモル%、8≦x≦18、52≦y≦65及び20≦z≦40であり、x+y+z=100、Reは希土類元素)で表されるBaO−TiO−ReO3/2系誘電体及び第1のガラス組成物を主成分として含む高誘電率材料からなり、比誘電率εrが20以上である高誘電率層と、セラミックスと第2のガラス組成物との複合体からなる低誘電率材料からなり、比誘電率εrが10以下である少なくとも1層の低誘電率層とが積層されており、前記高誘電率材料に含有されている第1のガラス組成物が、10〜25重量%のSiO と、10〜40重量%のB と、25〜55重量%のMgOと、0〜20重量%のZnOと、0〜15重量%のAl と、0.5〜10重量%のLi Oと、0〜10重量%のRO(但し、Rは、Ba、Sr、Caの内少なくとも1種)とを含み、前記低誘電率材料に含有されているセラミックスがスピネル(MgAl )であり、前記第2のガラス組成物が、酸化ケイ素をSiO 換算で30〜50モル%、酸化ホウ素をB 換算で0〜20モル%、酸化マグネシウムをMgO換算で20〜55モル%含むことを特徴とする。
【0010】
第1の発明の他の特定の局面では、前記高誘電率材料が、副成分として全体の3重量%以下のCuO及び全体の0.1〜10重量%のTiO2 をさらに含有している。
【0011】
本発明の別の特定の局面では、BaO−TiO−ReO3/265〜85重量%に対して、第1のガラス組成物は、15〜35重量%の割合で配合される
【0012】
第1の発明のさらに他の特定の局面では、前記第2のガラス組成物が、CaO、SrO及びBaOからなる群から選択された少なくとも1種の酸化物を、該ガラス組成物全体の30モル%以下の割合でさらに含む。
【0013】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、前記第2のガラス組成物が、酸化アルミニウムをAl23 換算で0〜15モル%含有する。
第1の発明のさらに他の特定の局面では、前記第2のガラス組成物100重量%に対し、Li2O、K2O及びNa2Oからなる群から選択された少なくとも1種のアルカリ金属酸化物が10重量%以下の割合で第2のガラス組成物に添加されている。
【0014】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、前記低誘電率材料が、酸化銅をCuO換算で低誘電率材料100重量%中、3重量%以下の割合で含む。
の発明に係る複合積層セラミック電子部品は、一般式xBaO−yTiO −zReO 3/2 (但し、x,y,zはモル%、8≦x≦18、52≦y≦65及び20≦z≦40であり、x+y+z=100、Reは希土類元素)で表されるBaO−TiO −ReO 3/2 系誘電体及び第1のガラス組成物を主成分として含む高誘電率材料からなり、比誘電率εrが20以上である高誘電率層と、セラミックスと第2のガラス組成物との複合体からなる低誘電率材料からなり、比誘電率εrが10以下である少なくとも1層の低誘電率層とが積層されており、前記高誘電率材料に含有されている第1のガラス組成物が、10〜25重量%のSiO と、10〜40重量%のB と、25〜55重量%のMgOと、0〜20重量%のZnOと、0〜15重量%のAl と、0.5〜10重量%のLi Oと、0〜10重量%のRO(但し、Rは、Ba、Sr、Caの内少なくとも1種)とを含み、前記低誘電率材料中のセラミックスがMgAlであり、前記第2のガラス組成物が、酸化ホウ素をB 換算で8〜60重量%、酸化ケイ素をSiO 換算で10〜50重量%、酸化マグネシウムをMgO換算で10〜55重量%含む硼珪酸系ガラスであり、前記低誘電率層では、主たる結晶相として、MgAl結晶相と、Mg結晶相及びMg結晶相の少なくとも1種の結晶相とが析出していることを特徴とする
【0015】
の発明に係る複合積層セラミック電子部品は、一般式xBaO−yTiO −zReO 3/2 (但し、x,y,zはモル%、8≦x≦18、52≦y≦65及び20≦z≦40であり、x+y+z=100、Reは希土類元素)で表されるBaO−TiO −ReO 3/2 系誘電体及び第1のガラス組成物を主成分として含む高誘電率材料からなり、比誘電率εrが20以上である高誘電率層と、セラミックスと第2のガラス組成物との複合体からなる低誘電率材料からなり、比誘電率εrが10以下である少なくとも1層の低誘電率層とが積層されており、前記高誘電率材料に含有されている第1のガラス組成物が、10〜25重量%のSiO と、10〜40重量%のB と、25〜55重量%のMgOと、0〜20重量%のZnOと、0〜15重量%のAl と、0.5〜10重量%のLi Oと、0〜10重量%のRO(但し、Rは、Ba、Sr、Caの内少なくとも1種)とを含み、前記低誘電率材料中のセラミックスがMgAlであり、前記第2のガラス組成物が、酸化ホウ素をB 換算で8〜60重量%、酸化ケイ素をSiO 換算で10〜50重量%、酸化マグネシウムをMgO換算で10〜55重量%含む硼珪酸系ガラスであり、前記低誘電率層が、主たる結晶相として、MgAl結晶相と、MgSiO結晶相と、Mg結晶相及びMg結晶相の少なくとも1種の結晶相とが析出されていることを特徴とする
【0017】
2,3の発明のさらに別の特定の局面では、前記硼珪酸系ガラスが、アルカリ金属酸化物を酸化物換算で0〜20重量%含む。
の発明の他の特定の局面では、前記低誘電率層が、5〜80重量%のMgAl結晶相と、5〜70重量%のMg結晶相及びMg結晶相の少なくとも1種とが析出されている。
【0018】
の発明の他の特定の局面では、前記低誘電率層において、5〜80重量%のMgAl結晶相と、析出量の和が5〜70重量%である、MgSiO結晶相と、Mg結晶相及びMg結晶相の少なくとも1種とが析出されている。
【0019】
第1〜第3の発明のさらに別の特定の局面では、前記低誘電率材料において、前記セラミックスと前記第2のガラス組成物とが重量比で20:80〜80:20の割合で含有されている。
【0020】
第1〜第3の発明のさらに他の特定の局面では、前記低誘電率材料と前記高誘電率材料との熱膨張係数の差が0.5ppm/℃以下とされている。
本願の第の発明は、第1〜第3の発明に係る複合積層セラミック電子部品の製造方法であって、少なくとも1層の比誘電率が20以上の高誘電率層と、少なくとも1層の比誘電率が10以下の低誘電率層とが積層されている複合積層セラミック電子部品の製造方法であって、前記高誘電率層を構成するための高誘電率材料用組成物を含む少なくとも1層の第1のセラミックグリーンシートと、前記低誘電率層を構成する低誘電率材料用組成物を含む少なくとも1層の第2のセラミックグリーンシートとが積層されている積層体を用意する工程と、前記積層体の上下面を、前記低誘電率材料及び高誘電率材料のいずれの焼結温度よりも焼結温度が高いセラミックスを含む第3のセラミックグリーンシートで圧着・挟持した状態で前記積層体を焼成する工程とを備える。
【0021】
以下、本発明の詳細を説明する。
第1〜第3の発明に係る複合積層セラミック電子部品では、上記のように特定の高誘電率材料からなる少なくとも1層の高誘電率層と、上記特定の低誘電率材料からなる少なくとも1層の低誘電率層とが積層された構造を有する。ここで、高誘電率材料は、上述した一般式で表されるBaO−TiO−ReO3/2系誘電体を含む磁器組成物により構成されており、高周波誘電特性に優れている。
【0022】
また、上記高誘電率層の比誘電率が20以上であり、従って、高誘電率層部分を用いてコンデンサや共振器等を構成することができる。
高誘電率材料は、上記一般式であらわされるBaO−TiO2−ReO3/2系誘電体と上記特定の組成の第1のガラス組成物とを主成分材料として含み、それによって、後述の実施例から明らかなように、1000℃以下の低温で焼成でき、Ag、AuあるいはCuなどの導電性に優れた金属と共焼結することができる。
【0023】
しかも、高周波領域、特にマイクロ波やミリ波領域において比誘電率が20以上と高く、温度安定性に優れている。また、上記第1のガラス組成物からなるガラス成分が結晶化し、または上記BaO−TiO2−ReO3/2系誘電体と上記第1のガラス組成物とが反応して結晶化し、Mg225、Mg326、BaTi49、Ba2Ti920、Mg2TiO4、Mg2SiO4、ZnAl24、ZnTiO3、Zn2TiO4、Zn2Ti38、LiAlSiO4などのQ値の高い結晶が析出するので、Q値が高くなる。
【0024】
上記BaO−TiO2−ReO3/2系誘電体において用いられる希土類元素Reとしては特に限定されず、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuなどを挙げることができ、これらの一種または二種以上を適宜用いることができる。
【0025】
xBaO−yTiO2−zReO3/2で表される組成を用いるのは、以下の理由による。
図1は、BaO−TiO2−ReO3/2系磁器組成物の三元組成図である。この三元組成図において、実線Pで囲まれている領域が、上記xBaO−yTiO2−zReO3/2で表される組成に相当する。
【0026】
BaO−TiO2−ReO3/2系磁器組成物として、図1にAで示す領域、すなわちxが18以上の場合には、焼結が困難となり、1400℃の温度でも多孔質の磁器しか得られない。B領域、すなわちyが65を超え、zが20未満では、温度特性が劣化する。すなわちコンデンサを内蔵した基板を構成した場合、該コンデンサの静電容量温度変化率がマイナス側に大きくなりすぎる。C領域、すなわちxが8未満の場合には、得られる誘電例えばセラミックの比誘電率が小さくなりすぎ、焼結性も不安定になる。さらに、D領域、すなわちzが40を超え、yが52未満では、静電容量の温度変化率がプラス側に大きくなり、比誘電率も低下する。
【0027】
上記第1のガラス組成物は、SiO2を10〜25重量%、B23を10〜40重量%、MgOを25〜55重量%、ZnOを0〜20重量%、Al23を0〜15重量%、Li2Oを0.5〜10重量%、及びRO(但し、Rは、Ba、Sr、Caの内少なくとも1種)を0〜10重量%の割合でこれらを含む。なお、この場合、ZnO、Al23及びROは含有されていなくともよい。
【0028】
上記B23はガラス粘度を低下させる作用を有し、高誘電率材料用の誘電体磁器組成物の焼結を促す。また、B23は、Mg225またはMg326などの高いQ値を持つ結晶を析出する。しかしながら、B23の含有割合が40重量%を超えると耐湿性が低下し、10重量%未満では1000℃以下で焼結することができなくなる。上記SiO2は、Mg2SiO4、LiAlSiO4などの高いQ値を有する結晶を析出する。SiO2の含有割合が25重量%を超えると、ガラスの軟化温度が高くなりすぎ、誘電体磁器組成物の焼結性が損なわれ、10重量%未満では耐湿性に問題が生じる。
【0029】
MgOはBaO−TiO2−ReO3/2系磁器組成物とガラス組成物との反応を促進させ、ガラス組成物の軟化点を低下する作用を有する。また、MgOは、Mg225、Mg326、Mg2TiO4またはMg2SiO4などの高いQ値を持つ結晶を析出する。
【0030】
MgOの含有割合が25重量%未満では、焼結性が低下し1000℃以下での焼結が困難となり、55重量%を超えると耐湿性に問題が生ずると共にガラス化が困難になる。
【0031】
Li2Oはガラスの軟化点を低下する作用を有する。Li2Oの含有割合が10重量%を超えると耐湿性に問題が生じ、0.5重量%未満では軟化点が高くなりすぎ、焼結しなくなる。
【0032】
ZnOは、Q値を高める効果を有し、ZnOの含有割合が20重量%を超えると焼結性が低下する。また、ZnOは、ZnAl24、ZnTiO3、Zn2TiO4、Zn2Ti38などの高いQ値を持つ結晶を析出する。Al23は耐湿性を高める効果を有するが、含有割合が10重量%を超えると焼結性が低下する。
【0033】
BaO、CaO、SrOは焼結性を高める効果を有するが、含有割合が10重量%を超えるとQ値が低下する。BaOは、BaTi49、Ba2Ti920などの高いQ値を持つ結晶を析出する。
【0034】
上記高誘電率材料では、好ましくは、副成分としてCuOが全体の3重量%以下配合される。この副成分としてのCuOは焼結助材として機能する。もっとも、CuO添加割合が3重量%を超えると、Q値が低下し、静電容量の温度係数がプラス側に大きくなることがある。また、上記主成分に対し副成分としてTiO2が全体の0.1〜10重量%含有されてもよく、TiO2はガラスの結晶化を促進する作用を有する。もっとも、TiO2の添加割合が誘電体磁器組成物全体の10重量%を超えると焼結性が低下することがある。
【0035】
また、上記高誘電率材料では、第1のガラス組成物の量が全体の15重量%未満の場合には、焼結が困難となることがあり、35重量%を超えると、耐湿性が低下したり、比誘電率が低下したりするおそれがある。従って、好ましくは、上記BaO−TiO2−ReO3/2系誘電体65〜85重量%に対し、第1のガラス組成物が15〜35重量%の割合で含有されている。
【0036】
上記低誘電率材料は、セラミックスと第2のガラス組成物とを含むが、このセラミックスとしては、MgAl24 が用いられ得る。
上記第2のガラス組成物としては、比誘電率εrが10以下である低誘電率層を実現し得る限り、種々のものを用いるが、好ましくは以下の第1,第2のタイプのガラス組成物が第2のガラス組成物として用いられる。第1のタイプの第2のガラス組成物は、酸化ケイ素をSiO2換算で30〜50モル%、好ましくは35〜45モル%、酸化ホウ素をB23換算で0〜20モル%、好ましくは5〜15モル%、酸化マグネシウムをMgO換算で20〜55モル%、好ましくは25〜35モル%とを含む。
【0037】
酸化ケイ素の含有量が30モル%未満では、得られる低誘電率材料の結晶化度が低くなり、Q値が低下する。逆に、酸化ケイ素の含有量が50モル%を超えると、ガラスの溶融温度が高くなる。
【0038】
酸化ホウ素は、主に融剤として作用する。酸化ホウ素の含有量が20モル%を超えると、得られる低誘電率材料の耐湿性が低下する。
また、MgOはガラス作製時の熔融温度を下げるとともに、結晶化ガラス中の結晶の構成成分である。特に、MgO−B23化合物はQf値が数万GHz以上を示し、高い高周波特性発現の主要因となっている。MgOはその含有量が20モル%未満ではQ値が低くなり、55モル%を超えると結晶の析出量が多くなり過ぎ、低誘電率材料の強度が低下してしまうことがある。
【0039】
さらに、第1のタイプの第2のガラス組成物には、酸化アルミニウムが、Al23換算で0〜15モル%を占めるように添加されていてもよい。なお、酸化アルミニウム含有量は、Al23換算で0モル%であってもよい。すなわち、酸化アルミニウムは、必ずしも含まれずともよい。
【0040】
なお、上記酸化アルミニウムを含有させる場合、含有量がAl23 換算で15モル%を超えると、緻密な焼結体が得られず、Q値が小さくなる。また、酸化アルミニウムを含有させる場合のその下限値については、Al23換算で0モル%を超える範囲となる。
【0041】
第1のタイプの第2のガラス組成物としては、BaO、SrO及びCaOからなる群から選択した少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物を、上記ガラス組成物全体の30モル%以下を占めるようにさらに含むものが望ましい。
【0042】
上記アルカリ土類金属酸化物は、ガラス作製時の溶融温度を低下させる作用を有し、かつガラスの熱膨張係数を高くするようにも作用する。上記アルカリ土類金属酸化物の含有割合が30モル%を超えると、Q値が低下することがある。
【0043】
また、第1のタイプの第2のガラス組成物は、Li2O、K2O及びNa2Oからなる群から選択した少なくとも1種のアルカリ金属酸化物を全体の10重量%以下の割合で、さらに好ましくは、2〜5重量%の割合で含むことが望ましい。アルカリ金属酸化物は、ガラス作製時の溶融温度を低下させる作用を有する。アルカリ金属酸化物の含有割合が10重量%を超えると、Q値が低下するおそれがある。
【0044】
第1のタイプの第2のガラス組成物は、好ましくは、酸化亜鉛をZnO換算で15重量%以下、より好ましくは10重量%以下の割合で含むことが望ましい。酸化亜鉛は、焼成温度を低下させる作用を有する。もっとも、酸化亜鉛の含有割合がZnO換算で15重量%を超えると、最終的に緻密な焼結体が得られないことがある。
【0045】
なお、上記酸化亜鉛は、ガラス成分として含有されていてもよい。
第1のタイプの第2のガラス組成物には、酸化銅がCuO換算で全体の3重量%以下の割合で、より好ましくは、2重量%以下の割合で添加されていることが望ましい。酸化銅は、焼成温度を下げる作用を有する。もっとも、酸化銅の含有割合が3重量%を超えると、Q値を低下させることがある。
【0046】
低誘電率材料における第2のタイプの第2のガラス組成物は、ホウ珪酸系ガラスを用いて構成されている。この場合、低誘電率層では、主たる結晶相析出状態として以下の第1,第2の結晶相析出状態が存在する。第1の結晶相析出状態では、MgAl24結晶相と、Mg326結晶相及びMg225結晶相の少なくとも1種とが析出している。第2の結晶相析出状態では、主たる結晶相として、MgAl24結晶相と、Mg2SiO4結晶相と、Mg326結晶相及びMg225結晶相の少なくとも1種とが析出されている。
【0047】
第1の結晶相析出状態または第2の結晶相析出状態を示す各低誘電率層は、比誘電率が10以下小さく、高周波特性に優れた絶縁体層を構成し得る。
第1,第2の結晶相析出状態を示す低誘電率材料において、好ましくは、上記硼珪酸系ガラスは、酸化ホウ素をB23換算で8〜60重量%、酸化ケイ素をSiO2換算で10〜50重量%、酸化マグネシウムをMgO換算で10〜55重量%含むことが望ましい。
【0048】
上記ホウ珪酸系ガラスにおいて、酸化ホウ素はB23換算で8〜60重量%を占めることが望ましい。酸化ホウ素は主に融剤として作用する。酸化ホウ素の含有量がB23換算で8重量%未満では、溶融温度が高くなり過ぎることがあり、60重量%を超えると耐湿性が低下することがある。
【0049】
また、上記酸化ケイ素は、SiO2換算で10〜50重量%を占めることが望ましい。さらに好ましくは13〜38重量%を占めることが望ましい。10重量%未満では、ホウ珪酸系ガラスの化学的安定性が低下しがちとなり、50重量%を超えると、ガラスの溶融温度が高くなることがある。
【0050】
上記ホウ珪酸系ガラスにおいて、酸化マグネシウムMgOは、10〜55重量%を占めることが望ましい。さらに好ましくは35〜53重量%を占めることが望ましい。MgOは、ガラス作製時の溶融温度を低下するとともに、結晶化ガラス中の結晶の構成成分ともなる。特に、MgO−B23化合物は、Qf値(Q値と周波数fの積)が数万GHz以上を示し、優れた高周波特性を発現する主な要因となる。MgOの含有量が10重量%未満では、Q値が低くなることがあり、55重量%を超えると、結晶析出量が多くなり過ぎ、強度が低下することがある。
【0051】
上記第2のタイプの第2のガラス組成物を用いた場合、系に含まれる酸化マグネシウムと酸化ホウ素の比を調整することにより、Mg326結晶相またはMg225結晶相を選択的に析出させることができる。すなわち、モル比に換算して、MgO:B23=3:1よりも酸化マグネシウムが過剰である場合には、Mg326結晶相を析出させることができる。他方、MgO:B23=3:1よりもB23が過剰である場合には、Mg225結晶相が選択的に析出され得る。また、MgO:B23=3:1付近では、Mg326結晶相及びMg225結晶相が混在する。
【0052】
また、上記ホウ珪酸系ガラスは、アルカリ金属酸化物を20重量%以下の割合でさらに含有することが望ましい。アルカリ金属酸化物は、ガラス作製時の溶融温度を下げる作用を有するが、含有量が20重量%を超えると、Q値が低下する傾向がある。上記アルカリ金属酸化物としては、Na2O、K2O、Li2Oなどを挙げることができる。また、焼結温度を下げることができる。
【0053】
また、上記ホウ珪酸系ガラス中におけるアルカリ金属酸化物量を調整することにより、熱膨張係数の調整も可能である。
上記ホウ珪酸系ガラスは、酸化亜鉛をZnO換算で30重量%以下の割合でさらに含むことが望ましい。酸化亜鉛は、焼成温度を低下させるように作用する。しかしながら、酸化亜鉛の含有割合が30重量%を超えると、ガラスの化学的安定性が低下することがある。
【0054】
さらに、上記ホウ珪酸系ガラスは、酸化銅をCuO換算で10重量%以下の割合で含有していることが望ましい。酸化銅は焼成温度を下げる働きを有するが、含有量が10重量%を超えると、Q値が低下することがある。
【0055】
また、上記ホウ珪酸系ガラスでは、酸化アルミニウムが、Al23換算で20重量%以下の割合で含有されていることが望ましい。酸化アルミニウムの添加により化学的安定性を高めることができる。しかしながら、酸化アルミニウムの含有量が20重量%を超えると、緻密な焼結体の得られないことがある。
【0056】
また、第1の結晶相析出状態においては、前記焼結体で、全結晶相の割合を100重量%としたときに、5〜80重量%のMgAl24結晶相、5〜70重量%のMg326結晶相及び/またはMg225結晶相がそれぞれ析出していることが望ましい。このような範囲であれば、高い信頼性、良好な焼結性、十分な機械的強度、高いQ値を得ることができる。MgAl24結晶相の割合が5重量%未満の場合には、低誘電率材料の強度が低くなることがあり、80重量%を超えると、1000℃以下の焼成では緻密化しないことがある。
【0057】
MgAl24結晶相が5重量%未満の場合には、フィラー成分を減らすことになり、高価なガラスの添加量を増やすこととなり、コストが高くつくことがあり、80重量%を超えると、1000℃以下での緻密化が困難となることがある。また、Mg326及び/またはMg225結晶相が5重量%未満の場合には、酸化マグネシウム(MgO)と酸化ホウ素(B23)との反応が十分に進まず、焼結性や信頼性が低下し、Q値が低くなることがあり、70重量%よりも多く析出させるには、高価なガラスの添加量を増やす必要があり、コストが高くつくことになる。
【0058】
また、第2の結晶相析出状態では、全結晶相の割合を100重量%としたときに、5〜80重量%のMgAl24結晶相と、析出量の和が5〜70重量%であるように、Mg2SiO4結晶相と、Mg326結晶相及びMg225結晶相の少なくとも1種類とが析出していることが望ましい。このような範囲であれば、良好な焼結性、十分な機械的強度、良好な高周波特性及び高熱膨張係数を有する低誘電率材料を得ることができる。MgAl24結晶相が5重量%未満の場合には、機械的強度が低くなることがあり、80重量%を超えると、1000℃以下で緻密化しないことがある。Mg2SiO4結晶相と、Mg326結晶相及びMg225結晶相の少なくとも1種類との析出量の和が5重量%未満の場合には、酸化マグネシウム(MgO)と酸化ホウ素(B23)との反応が十分に進まず、焼結性や信頼性が低下し、Q値が低くなることがあり、70重量%よりも多い場合には、高価なガラスの添加量を増やすことになり、コストが高くつく。
【0059】
上記のように、MgAl24セラミックスと、上記特定のホウ珪酸系ガラスとを用いることにより、銅や銀などの低融点金属材料と共焼結することにより得ることができ、十分な機械的強度を有し、高周波特性に優れかつ高熱膨張係数を有する低誘電率材料を得ることができる。
【0060】
また、本発明においては、得られる低誘電率材料の測定周波数15GHzにおけるQ値は700以上であることが望ましい。15GHzにおけるQ値が700以上の場合には、高周波帯、例えば1GHz以上の周波数域で用いられる回路基板に好適に用いることができる。
【0061】
なお、本発明においては、上記第2のガラス組成物としては、ガラス組成物を700〜1000℃の温度で仮焼することにより得られた混合物を用いてもよい。
【0062】
また、上記低誘電率材料においては、好ましくは、上記セラミックスと第2ガラス組成物とは、重量比で、セラミックス:ガラス組成物=20:80〜80:20の割合で配合されていることが望ましく、より好ましくは、30:70〜50:50である。上記範囲よりもセラミックスの配合割合が高くなると、焼結体の密度が小さくなることがあり、上記範囲よりガラス組成物の配合割合が高くなると、Q値が小さくなることがある。
【0063】
また、本発明に係る複合積層セラミック電子部品では、好ましくは、低誘電率層と高誘電率層との熱膨張係数の差が0.5ppm/℃以下とされ、それによって焼成時や実施用時の加熱等による基板の剥がれが抑制される。
【0064】
本発明に係る複合積層セラミック電子部品の製造方法では、まず、高誘電率材料用組成物とバインダー及び溶剤とを含むセラミックスラリーをシート成形することにより第1のセラミックグリーンシートが用意され、同様に低誘電率材料用組成物とバインダーと溶剤とを混練することにより得られたスラリーから第2のセラミックグリーンシートが用意される。そして、少なくとも1枚の第1のセラミックグリーンシートと少なくとも1枚の第2のセラミックグリーンシートが積層され、積層体が得られる。このセラミックグリーンシートの製造及び積層体を得る工程は、周知の積層コンデンサや積層セラミック多層基板の製造方法に従って行い得る。
【0065】
次に、上記積層体の上面及び下面に第3のセラミックグリーンシートをそれぞれ積層し、第3のセラミックグリーンシートで積層体を圧着・挟持した状態で焼成が行われる。この場合、第3のセラミックグリーンシートとしては、低誘電率材料及び高誘電率材料のいずれの焼結温度よりも高い焼結温度を有するセラミックスを主体とするものが用いられる。従って、積層体が焼成されて本発明に係る複合積層セラミック電子部品が得られた場合においても、その温度では第3のセラミックグリーンシートが焼成されていないので、積層体の上面及び下面内における焼結収縮が抑制され、厚み方向にのみ焼結収縮されることになる。これによって、高誘電率材料及び低誘電率材料の焼成収縮カーブが異なっている場合でも、平坦性に優れた複合積層セラミック電子部品を得ることができる。
【0066】
なお、上記第3のセラミックグリーンシートを構成するセラミック材料については、低誘電率材料及び高誘電率材料の焼結温度より高ければ特に限定されないが、例えば1000℃以下では焼結しないアルミナなどのグリーンシートが用いられる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複合セラミック電子部品の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0068】
[A]第1の実験例
(1)高誘電率材料の作成
(磁器組成物の調製)
まず、BaO、TiO2及びReO3/2(希土類酸化物)のモル比が下記の表1に示す組成比となるようにBaCO3、TiO2、Nd23、Sm23を秤量し、十分に混合した。次に、混合物を1150℃で1時間仮焼し、得られた仮焼物を粉砕し、下記の表1に示す磁器組成物S1〜S10を調製した。
【0069】
【表1】
Figure 0003903781
【0070】
(第1のガラス組成物の調製)
下記の表2に示す組成比を有するように、B23、SiO2、ZnO、MgO、Li2O、Al23、BaO、CaO及びSrOをそれぞれ秤量し、十分混合した。混合物を1100℃〜1400℃の温度で溶融し、水中に投入して急冷した後、湿式粉砕し、下記の表2に示すガラス組成物G1〜G24をそれぞれ調製した。
【0071】
【表2】
Figure 0003903781
【0072】
(高誘電率相を構成する誘電体磁器の作製)
上記のようにして得られた磁器組成物S1に、下記の表3に示す組成比となるように、それぞれ、G1〜G15の第1のガラス組成物を加え、(磁器組成物)+(ガラス組成物)+(CuO)+(TiO2)=100重量%となるように混合した。また、上記のようにして得られた磁器組成物S1〜S10に、下記の表4に示す組成となるように、それぞれ、G1、及びG16〜G24の第1のガラス組成物を加え、混合した。これらの混合物に、副成分として、下記の表3及び表4に示す割合で、CuO粉末及びTiO2粉末を加え、十分に混合し、高誘電率材料用組成物を得た。しかる後、高誘電率材料用組成物に対し、適当量のバインダ、可塑材及び溶剤を加え、混練し、スラリーを得た。
【0073】
上記のようにして得られたスラリーを、ドクターブレード法により厚さ50μmのシート状に成形した。得られたセラミックグリーンシートを、縦30mm×横10mmの矩形形状のセラミックグリーンシートに切断した。この矩形のセラミックグリーンシートを複数枚積層し、圧着することにより、0.5mmの厚みの積層体を得た。しかる後、得られた積層体を800〜1100℃の温度で1時間焼成し、下記の表3に示す試料番号K1〜K25の板状の各誘電体磁器及び表4に示す試料番号K26〜K43の各誘電体磁器を得た。
【0074】
上記のようにして得られた板状の各誘電体磁器について、比誘電率(εr)、Q値、及び熱膨張係数αまたは静電容量温度変化率β(ppm/℃)を測定した。なお、比誘電率は1MHzで測定した。また、Q値は誘電体共振器法により測定した。結果を下記の表3及び表4に示す。
【0075】
【表3】
Figure 0003903781
【0076】
【表4】
Figure 0003903781
【0077】
表4から明らかなように、試料番号37,40及び43では、Q値が2000以下と低かった。
【0078】
(2)低誘電率材料の作製
原料粉末として、Mg(OH)2とAl23の各粉末を用意し、化学量論比組成でMgAl24となるように秤量し、16時間湿式混合した。得られた混合物を乾燥し、1350℃の温度で2時間仮焼した後、粉砕した。このようにして粉砕された組成物をセラミック粉末として、20〜80重量%となるように秤量し、該セラミック粉末に対し、焼結助剤である下記の表5に示す組成の第2ガラス粉末組成物A〜Qと、必要に応じてCuO粉末とを下記の表6に示す割合で混合し、低誘電率材料用組成物を得た。これにさらに適量のバインダを加え造粒し、得られた粒状体を、2000kg/cm2の圧力の下で成形し、直径12mm及び厚さ7mmの円板状成形体を得た。この成形体を大気中にて900〜1000℃で2時間焼成し、円板状の絶縁体磁器試料を得た。この試料を用いて、両端短絡型誘電体共振器法により15GHzにおける比誘電率及びQ値を測定した。
【0079】
また、別途、上記絶縁体磁器原料を用いてセラミックスラリーを形成し、ドクターブレード法により厚み50μmのシート状に成形し、セラミックグリーンシートを得た。このセラミックグリーンシート上に、Agにより電極パターンを印刷し、積層コンデンサ用積層体を得た。この積層体を900℃で30分間焼成し、直方体状のセラミック焼結体を得た。この焼結体に外部電極を形成して、積層コンデンサを構成し、該積層コンデンサに50Vの電圧を引加し、120℃、相対湿度95%及び2気圧の条件下で200時間放置した後取り出し、絶縁抵抗の変化を測定し、耐湿性を判断した。
【0080】
また上記絶縁体磁器の熱膨張係数を測定した。結果を下記の表6に示す。
【0081】
【表5】
Figure 0003903781
【0082】
【表6】
Figure 0003903781
【0083】
(3)複合積層セラミック電子部品の作製
(1)及び(2)の評価に際して用意された高誘電率材料用組成物及び低誘電率材料用組成物を用いて、それぞれ、第1,第2のセラミックグリーンシートを作製した。なお、高誘電率材料用第1のセラミックグリーンシートについては、焼き上げ後の厚みが250μmとなるようにし、低誘電率材料用の第2のセラミックグリーンシートの厚みは、焼き上げ後に125μmとなるように設定した。第1のセラミックグリーンシート及び第2のセラミックグリーンシートを、5cm×5cmの矩形形状を有するように切断した。しかる後、第1のセラミックグリーンシートの上下に第2のセラミックグリーンシートを積層し、圧着し、積層体を得た。この積層体を焼成し、表7の接合体番号T11の複合積層セラミック焼結体を得た。
【0084】
また、上記とは別に、上記第1のセラミックグリーンシートの上下に第2のセラミックグリーンシートを積層した後、焼成後の厚みが200μmとなる厚みのアルミナグリーンシートを積層し、厚み方向に加圧することにより圧着した。このようにして、アルミナ含有第3のセラミックグリーンシートで上下から圧着直挟持された積層体を第3のセラミックグリーンシートが焼成しない焼成温度で焼成し、しかる後、第3のセラミックグリーンシートを除去することにより、表7の接合体番号T1〜10,12〜15,17〜23の複合積層セラミック焼結体を得た。
【0085】
上記のようにして得た複合積層セラミック焼結体について、高誘電率層と低誘電率層との接合界面を顕微鏡観察し、クラックやハガレ等が生じていないものについて、接合性が良好であるとし、下記の表7において○印を付した。また、上記クラックやハガレが生じているものについては、接合性不良とし、下記の表7において×印を付した。
【0086】
また、上記のようにして得られた複合積層セラミック焼結体において、セラミックグリーンシートの面内方向における収縮率が1%以下であり、複合積層セラミック焼結体にわれ、かけ、ハガレが生じないものについて、無収縮焼成が良好であるとし、下記の表7に○印を付した。
【0087】
結果を下記の表7に示す。
【0088】
【表7】
Figure 0003903781
【0089】
[B]第2の実験例
第2の実験例では、低誘電率材料を以下のようにして調製したことを除いては、第1の実験例と同様とした。
【0090】
低誘電率材料の調製…原料粉末として、Mg(OH)2とAl23の各粉末を用意し、化学量論比組成でMgAl24となるように秤量し、16時間湿式混合した。得られた混合物を乾燥し、1350℃の温度で2時間仮焼した後、粉砕した。このようにして粉砕された組成物をセラミック粉末として、MgAl24が全体の20〜80重量%となるように秤量し、このセラミック粉末に、焼結助剤として下記の表8に示す組成の第2のガラス組成物を混合し、適量のバインダを加え低誘電率材料用組成物を得た。この組成物を造粒し、得られた粒状体を200MPaの圧力のもとで成形し、直径12mm×厚さ7mmの円板状の成形体を得た。
【0091】
この円板状の成形体を大気中にて850〜1000℃で2時間焼成し、絶縁体磁器試料を得た。この絶縁体磁器試料を用い、誘電体共振器法により、15GHzにおける比誘電率ε及びQ値を測定した。結果を下記の表9に示す。
【0092】
また、上記のようにして得られた円板状試料を粉砕し、XRDスペクトルにより分析し、MgAl24、Mg326、Mg225及びMg2SiO4の各結晶相の存在を調べた。結果を下記の表9に示す。なお、表9において、SPはMgAl24、KOはMg326、SUはMg225、FOはMg2SiO4を示す。
【0093】
また、上記のようにして得られた低誘電率材料からなる絶縁体磁器を適当な寸法に切り出し、熱膨張係数を測定した。室温から600℃までにおける結果を下記の表9において熱膨張係数として示す。
【0094】
【表8】
Figure 0003903781
【0095】
【表9】
Figure 0003903781
【0096】
上記のようにして評価された低誘電率材料を得るのに用意された低誘電率材料用組成物を除いては、第1の実験例の場合と同様にして、複合積層セラミック焼結体を作製し、第1の実験例の場合と同様にして評価した。なお、第2の実験例においても、アルミナ含有第3のセラミックグリーンシートを用いずに焼成を行って得られた複合セラミック焼結体(表10のT33,T40,T43,T48)と、アルミナ含有第3のセラミックグリーンシートで積層体を挟持して焼成することにより得られた複合積層セラミック焼結体(表10の接合体番号T31,T32,T34〜T39,T41,T42,T44〜T46,T47,T49〜T59)について評価を行った。結果を下記の表10に示す。
【0097】
なお、表10において、1)は接合界面に大きなポアがみられることを示す。
【0098】
【表10】
Figure 0003903781
【0099】
次に、本発明に係る複合積層セラミック電子部品の構造的な実施例を説明する。
図2は、本発明の一実施例としてのセラミック多層基板を含む複合積層セラミック電子部品としてのセラミック多層モジュールを示す断面図であり、図3はその分解斜視図である。
【0100】
セラミック多層モジュール1は、セラミック多層基板2を用いて構成されている。
セラミック多層基板2では、低誘電率層としての絶縁性セラミック層3a,3b間に高誘電率層としてのセラミック層4が挟まれている。
【0101】
セラミック層4内には、複数の内部電極5がセラミック層4の一部を介して隣り合うように配置されており、それによって積層コンデンサユニットC1,C2が構成されている。
【0102】
また、セラミック層3a,3b及びセラミック層4には、複数のビアホール電極6,6aや内部配線が形成されている。
他方、セラミック多層基板2の上面には、電子部品素子9〜11が実装されている。電子部品素子9〜11としては、半導体デバイス、チップ型積層コンデンサなどの適宜の電子部品素子を用いることができる。上記ビアホール電極6及び内部配線により、これらの電子部品素子9〜11と、コンデンサユニットC1,C2とが電気的に接続されて本実施例に係るセラミック多層モジュール1の回路を構成している。
【0103】
また、上記セラミック多層基板2の上面には、導電性キャップ8が固定されている。導電性キャップ8は、セラミック多層基板2を上面から下面に向かって貫いているビアホール電極6に電気的に接続されている。また、セラミック多層基板2の下面に外部電極7,7が形成されており、外部電極7,7が上記ビアホール電極6,6aに電気的に接続されている。また、他の外部電極については図示を省略しているが、上記外部電極7と同様に、セラミック多層基板2の下面にのみ形成されている。また、他の外部電極は、上述した内部配線を介して、電子部品素子9〜11やコンデンサユニットC1,C2と電気的に接続されている。
【0104】
このように、セラミック多層基板2の下面にのみ外部と接続するための外部電極7を形成することにより、セラミック積層モジュールを、下面側を利用してプリント回路基板などに容易に表面実装することができる。
【0105】
また、本実施例では、キャップ8が導電性材料からなり、外部電極7にビアホール電極6aを介して電気的に接続されているので、電子部品素子9〜11を導電性キャップ8により電磁シールドすることができる。もっとも、キャップ8は、必ずしも導電性材料で構成されている必要はない。
【0106】
本実施例のセラミック多層モジュール1では、上記のようにセラミック多層基板2において、高誘電率層としてのセラミック54を用いて積層コンデンサユニットC1,C2が構成されているので、内部電極5や外部配線構成用電極及びビアホール電極6,6aを、AgやCuなどの低抵抗で安価な金属を用いて構成することができ、かつこれらと共焼結できる。従って、一体焼結型のセラミック多層基板2を用いてコンデンサユニットC1,C2を構成することができるので、小型化を図ることができる。加えて、上記セラミック層4が、誘電率が高く、かつQ値も高いので、高周波用途に適したセラミック多層モジュール1を提供することができる。
【0107】
なお、上記セラミック多層基板2は、周知のセラミック積層一体焼成技術を用いて容易に得ることができる。すなわち、先ず、本発明に係る誘電体磁器組成物材料を主体とするセラミックグリーンシートを用意し、内部電極5、外部配線及びビアホール電極6,6aなどを構成するための電極パターンを印刷し、積層する。さらに、上下に絶縁性セラミック層3a,3bを形成するためのセラミックグリーンシート上に外部配線及びビアホール電極6,6aを構成するための電極パターンを形成したものを適宜の枚数積層し、厚み方向に加圧する。このようにして得られた積層体を焼成することにより、容易にセラミック多層基板2を得ることができる。
【0108】
積層コンデンサユニットC1,C2では、静電容量を取り出すための厚み方向に隣り合う内部電極5,5間に高誘電率層としてのセラミック層が配置されていることになるので、比較的小さな面積の内部電極で大きな静電容量を得ることができ、それによっても小型化を進めることができる。
【0109】
【発明の効果】
以上のように、本願の第1〜第3の発明にかかる複合積層セラミック電子部品では、上記特定の一般式で表される誘電体及び第1のガラス組成物を主成分として含む高誘電率材料からなり、比誘電率εrが20以上である高誘電率層と、セラミックスと第2のガラス組成物との複合体からなる低誘電率材料からなり、比誘電率εrが10以下である少なくとも1層の低誘電率層とが積層されている。従って、上記高誘電率層において該高誘電率を利用して、コンデンサや共振器を構成することができる。さらに、該高誘電率材料は、ガラス成分の結晶化により、高周波域、特にマイクロ波領域やミリ波領域において小さな誘電損失を発現するので、高周波特性に優れたコンデンサや共振器などを構成することができる。また、上記高誘電率材料は、1000℃以下の低温で焼成することができる。従って、導体として、比抵抗の小さな金、銀または銅などを主成分とするものを用いることができる。
【0110】
他方、上記低誘電率層は、比誘電率εrが10以下と小さいため、該低誘電率層において絶縁体を構成することができる。
従って、本発明によれば、上記高誘電率層と低誘電率層とを組み合わせることにより、高周波特性に優れた共振器やコンデンサを内蔵した複合積層セラミック電子部品を構成することが可能となる。
【0111】
また、上記低誘電率材料が、MgAl24と酸化硅素、酸化ホウ素及び酸化マグネシウムを上記特定の割合で含む第2のガラス組成物からなる場合、並びに上記低誘電率材料が、MgAl24とホウ硅酸系ガラスからなり、主たる結晶相として、MgAl24結晶相と、Mg326結晶相及びMg225の結晶相の少なくとも1種の結晶相とが析出している状態、あるいはMgAl24結晶相と、Mg2SiO4結晶相と、Mg326結晶相及びMg225結晶相の少なくとも1種の結晶相とが析出している場合には、低誘電率材料を1000℃以下の低温で焼成することができる。従って、高誘電率層と低誘電率層とを1000℃以下の低温で一体焼成することができ、比抵抗の小さな金、銀又は銅などを主成分とする導体をさらに共焼結することができる。また、この低誘電率材料もまた、上記高誘電率材料と同様に、ガラス成分の結晶化により、マイクロ波領域やミリ波領域などの高周波領域における誘電損失が小さいため、より一層高周波特性に優れた複合積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0112】
本願の第の発明にかかる複合積層セラミック電子部品の製造方法では、高誘電率材料用組成物を含む少なくとも1層の第1のセラミックグリーンシートと、低誘電率用組成物を含む少なくとも1層の第2のセラミックグリーンシートが積層された積層体が、その上下面を低誘電率材料及び高誘電率材料のいずれの焼成温度よりも焼成温度が高いセラミックスを含む第3のセラミックグリーンシートで圧着・挟持された状態で焼成が行われる。従って、上記積層体の上面及び下面の平面方向における収縮を抑制することができ、寸法精度に優れた複合積層セラミック電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘電体磁器組成物に用いられるBaO−TiO2−ReO3/2系の磁器組成物の三元組成図。
【図2】本発明の一実施例としてのセラミック多層基板を用いたセラミック電子部品としてのセラミック積層モジュールを示す縦断面図。
【図3】図2に示したセラミック多層モジュールの分解斜視図。
【符号の説明】
1…セラミック積層モジュール
2…セラミック多層基板
3a,3b…第2のセラミック層としての絶縁性セラミック層
4…誘電体セラミック層
5,5…内部電極
6,6a…ビアホール電極
7…外部電極
8…導電性キャップ
9〜11…電子部品素子

Claims (15)

  1. 一般式xBaO−yTiO−zReO3/2(但し、x,y,zはモル%、8≦x≦18、52≦y≦65及び20≦z≦40であり、x+y+z=100、Reは希土類元素)で表されるBaO−TiO−ReO3/2系誘電体及び第1のガラス組成物を主成分として含む高誘電率材料からなり、比誘電率εrが20以上である高誘電率層と、セラミックスと第2のガラス組成物との複合体からなる低誘電率材料からなり、比誘電率εrが10以下である少なくとも1層の低誘電率層とが積層されており、
    前記高誘電率材料に含有されている第1のガラス組成物が、10〜25重量%のSiO と、10〜40重量%のB と、25〜55重量%のMgOと、0〜20重量%のZnOと、0〜15重量%のAl と、0.5〜10重量%のLi Oと、0〜10重量%のRO(但し、Rは、Ba、Sr、Caの内少なくとも1種)とを含み、
    前記低誘電率材料に含有されているセラミックスがMgAl であり、前記第2のガラス組成物が、酸化ケイ素をSiO 換算で30〜50モル%、酸化ホウ素をB 換算で0〜20モル%、酸化マグネシウムをMgO換算で20〜55モル%含むことを特徴とする、複合積層セラミック電子部品。
  2. 前記高誘電率材料が、副成分として全体の3重量%以下のCuO及び全体の0.1〜10重量%のTiOをさらに含有していることを特徴とする、請求項1に記載の複合積層セラミック電子部品。
  3. 前記高誘電率材料において、BaO−TiO−ReO3/265〜85重量%に対して、第1のガラス組成物が15〜35重量%配合されている、請求項1または2に記載の複合積層セラミック電子部品。
  4. 前記第2のガラス組成物が、CaO、SrO及びBaOからなる群から選択された少なくとも1種の酸化物を、該ガラス組成物全体の30モル%以下の割合でさらに含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の複合積層セラミック電子部品。
  5. 前記第2のガラス組成物が、酸化アルミニウムをAl換算で0〜15モル%含有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の複合積層セラミック電子部品。
  6. 前記第2のガラス組成物100重量%に対し、LiO、KO及びNaOからなる群から選択された少なくとも1種のアルカリ金属酸化物が10重量%以下の割合で第2のガラス組成物に添加されている、請求項1〜のいずれかに記載の複合積層セラミック電子部品。
  7. 前記低誘電率材料が、酸化銅をCuO換算で低誘電率材料100重量%中、3重量%以下の割合で含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の複合積層セラミック電子部品。
  8. 一般式xBaO−yTiO −zReO 3/2 (但し、x,y,zはモル%、8≦x≦18、52≦y≦65及び20≦z≦40であり、x+y+z=100、Reは希土類元素)で表されるBaO−TiO −ReO 3/2 系誘電体及び第1のガラス組成物を主成分として含む高誘電率材料からなり、比誘電率εrが20以上である高誘電率層と、セラミックスと第2のガラス組成物との複合体からなる低誘電率材料からなり、比誘電率εrが10以下である少なくとも1層の低誘電率層とが積層されており、
    前記高誘電率材料に含有されている第1のガラス組成物が、10〜25重量%のSiO と、10〜40重量%のB と、25〜55重量%のMgOと、0〜20重量%のZnOと、0〜15重量%のAl と、0.5〜10重量%のLi Oと、0〜10重量%のRO(但し、Rは、Ba、Sr、Caの内少なくとも1種)とを含み、
    前記低誘電率材料中のセラミックスがMgAlであり、前記第2のガラス組成物が、酸化ホウ素をB 換算で8〜60重量%、酸化ケイ素をSiO 換算で10〜50重量%、酸化マグネシウムをMgO換算で10〜55重量%含む硼珪酸系ガラスであり、前記低誘電率層では、主たる結晶相として、MgAl結晶相と、Mg結晶相及びMg結晶相の少なくとも1種の結晶相とが析出していることを特徴とする、複合積層セラミック電子部品。
  9. 一般式xBaO−yTiO −zReO 3/2 (但し、x,y,zはモル%、8≦x≦18、52≦y≦65及び20≦z≦40であり、x+y+z=100、Reは希土類元素)で表されるBaO−TiO −ReO 3/2 系誘電体及び第1のガラス組成物を主成分として含む高誘電率材料からなり、比誘電率εrが20以上である高誘電率層と、セラミックスと第2のガラス組成物との複合体からなる低誘電率材料からなり、比誘電率εrが10以下である少なくとも1層の低誘電率層とが積層されており、
    前記高誘電率材料に含有されている第1のガラス組成物が、10〜25重量%のSiO と、10〜40重量%のB と、25〜55重量%のMgOと、0〜20重量%のZnOと、0〜15重量%のAl と、0.5〜10重量%のLi Oと、0〜10重量%のRO(但し、Rは、Ba、Sr、Caの内少なくとも1種)とを含み、
    前記低誘電率材料中のセラミックスがMgAlであり、前記第2のガラス組成物が、酸化ホウ素をB 換算で8〜60重量%、酸化ケイ素をSiO 換算で10〜50重量%、酸化マグネシウムをMgO換算で10〜55重量%含む硼珪酸系ガラスであり、前記低誘電率層が、主たる結晶相として、MgAl結晶相と、MgSiO結晶相と、Mg結晶相及びMg結晶相の少なくとも1種の結晶相とが析出されていることを特徴とする、複合積層セラミック電子部品。
  10. 前記硼珪酸系ガラスが、アルカリ金属酸化物を酸化物換算で0〜20重量%含む、請求項8または9に記載の複合積層セラミック電子部品。
  11. 前記低誘電率層が、5〜80重量%のMgAl結晶相と、5〜70重量%のMg結晶相及びMg結晶相の少なくとも1種とが析出されている、請求項8または10に記載の複合積層セラミック電子部品。
  12. 前記低誘電率層において、5〜80重量%のMgAl結晶相と、析出量の和が5〜70重量%である、MgSiO結晶相と、Mg結晶相及びMg結晶相の少なくとも1種とが析出されている、請求項9または10に記載の複合積層セラミック電子部品。
  13. 前記低誘電率材料において、前記セラミックスと前記第2のガラス組成物とが重量比で20:80〜80:20の割合で含有されている、請求項1〜1のいずれかに記載の複合積層セラミック電子部品。
  14. 前記低誘電率材料と前記高誘電率材料との熱膨張係数の差が0.5ppm/℃以下である、請求項1〜1のいずれかに記載の複合積層セラミック電子部品。
  15. 少なくとも1層の比誘電率が20以上の高誘電率層と、少なくとも1層の比誘電率が10以下の低誘電率層とが積層されている複合積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記高誘電率層を構成するための高誘電率材料用組成物を含む少なくとも1層の第1のセラミックグリーンシートと、前記低誘電率層を構成する低誘電率材料用組成物を含む少なくとも1層の第2のセラミックグリーンシートとが積層されている積層体を用意する工程と、
    前記積層体の上下面を、前記低誘電率材料及び高誘電率材料のいずれの焼結温度よりも焼結温度が高いセラミックスを含む第3のセラミックグリーンシートで圧着・挟持した状態で前記積層体を焼成する工程とを備えることを特徴とする、請求項1〜1のいずれかに記載の複合積層セラミック電子部品の製造方法。
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