JP2004345914A - 誘電体ガラスセラミック組成物および多層回路基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼結体での比誘電率が比較的高くかつ熱膨張係数を7〜8ppmK−1に調節することができる、多層回路基板において用いるのに適した誘電体ガラスセラミック組成物を提供する。
【解決手段】主成分として、TiO2 と、Nd2 Ti2 O7 と、SiO−B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスとを含み、ガラス中において、SiO2 が5〜50モル%、B2 O3 が5〜50モル%、ZnOが5〜65モル%、およびアルカリ土類金属酸化物が5〜50モル%それぞれ含まれていて、TiO2 は15〜65重量%含み、かつNd2 Ti2 O7 は1〜65重量%含まれている、誘電体ガラスセラミック組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】主成分として、TiO2 と、Nd2 Ti2 O7 と、SiO−B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスとを含み、ガラス中において、SiO2 が5〜50モル%、B2 O3 が5〜50モル%、ZnOが5〜65モル%、およびアルカリ土類金属酸化物が5〜50モル%それぞれ含まれていて、TiO2 は15〜65重量%含み、かつNd2 Ti2 O7 は1〜65重量%含まれている、誘電体ガラスセラミック組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、誘電体ガラスセラミック組成物および多層回路基板に関するもので、特に、低誘電率のガラスセラミック層と複合されかつ同時焼成される高誘電率のガラスセラミック層を構成するのに適した誘電体ガラスセラミック組成物およびそれを用いて構成される多層回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化時代を迎え、情報伝達のより高速化かつ高周波化が進み、各種の情報機器において用いられる半導体素子やその他の電子部品についても、高速化、高集積化および高密度実装化に対する要望が高まっている。このような要望を満たすため、積層された複数の電気絶縁層からなる積層体を備え、この積層体に関連して配線導体が設けられた、多層回路基板を用いることが有効である。
【0003】
従来より多用されている多層回路基板においては、電気絶縁層を構成する材料として、たとえばアルミナが用いられている。他方、前述した配線導体は、その多くのものが、積層された複数の電気絶縁層からなる積層体の内部に内蔵されている。したがって、アルミナからなる電気絶縁層を備える積層体を得るための焼成工程では、アルミナを焼結させ得る1500〜1600℃といった高い温度が必要であり、そのため、配線導体を構成する導電材料としては、たとえば、Mo、Mo−Mn、Wといった高融点金属を用いなければならない。
【0004】
しかしながら、上述した高融点金属は、電気抵抗が高いという欠点を有している。この欠点を解消し得る導電材料として、金、銀または銅等が注目されるが、これらの金属を用いる場合、電気絶縁層を構成する材料は、1000℃以下の低温で焼結し得るものでなければならない。そこで、このような1000℃以下の低温で焼結可能な材料として、ガラスセラミック組成物があり、これらを材料として構成された電気絶縁層を備える多層回路基板も提案されかつ実用に供されている。
【0005】
実用に供されている多層回路基板において、電気絶縁層を構成するガラスセラミック組成物として、たとえば、アルミナとホウケイ酸ガラスとの混合物からなるものがある。しかしながら、このようなガラスセラミック組成物によって電気絶縁層を形成した場合、電気絶縁層では10以下の比誘電率しか与えることができない。
【0006】
他方、多層回路基板によって構成される回路が容量を必要とする場合がある。この場合、容量を与えるコンデンサを、多層回路基板に備える電気絶縁層を利用して構成することが困難であり、そのため、コンデンサを多層回路基板の内部に内蔵することが困難である。したがって、別のチップ状のコンデンサが用意され、このコンデンサが多層回路基板の表面上に実装されなければならない。
【0007】
しかしながら、多層回路基板の表面には、コンデンサ以外に、たとえばICチップや抵抗器等のチップ部品を実装する必要があるため、コンデンサの上述のような実装は、多層回路基板を備える電子部品の小型化の障害となっている。
【0008】
上述の問題を解決するため、低誘電率の電気絶縁層と高誘電率の電気絶縁層とを複合した積層体を有する多層回路基板も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。このような多層回路基板によれば、高誘電率の電気絶縁層を利用して容量を形成することができるので、コンデンサを多層回路基板の内部に内蔵することができ、結果として、多層回路基板を備える電子部品の小型化を図ることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−185147号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような複合構造を有する積層体は、これを得るための焼成工程の結果、クラックが発生したり、反りが発生したりすることがある。その原因は、主として、高誘電率の電気絶縁層を構成する材料と低誘電率の電気絶縁層を構成する材料との間での熱膨張係数の差が比較的大きいことにある。たとえば、低誘電率の電気絶縁層を構成する材料として一般に用いられる前述したアルミナとガラスとの混合物の場合、アルミナが30〜70重量%含有するとすると、その熱膨張係数は7〜8ppmK−1の範囲にあるのに対し、高誘電率の電気絶縁層を構成する公知の材料は、その熱膨張係数が約10ppmK−1またはそれ以上と大きい。
【0011】
上述の問題は、高誘電率でありながら、7〜8ppmK−1付近の熱膨張係数を示す、電気絶縁層の形成に適した材料が実現されれば、解決される。
【0012】
そこで、この発明の目的は、金、銀または銅の融点以下で焼結させることができ、比誘電率が比較的高く、低誘電率のガラスセラミック層との同時焼成が可能な誘電体ガラスセラミック組成物を提供しようとすることである。
【0013】
この発明の他の目的は、上述のような誘電体ガラスセラミック組成物を用いて構成される、多層回路基板を提供しようとすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、上述した技術的課題を解決するため、主成分として、TiO2 と、Nd2 Ti2 O7 と、SiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスとを含み、このガラス中において、SiO2 が5〜50モル%、B2 O3 が5〜50モル%、ZnOが5〜65モル%、およびアルカリ土類金属酸化物が5〜50モル%それぞれ含まれていて、TiO2 は15〜65重量%含み、かつNd2 Ti2 O7 は1〜65重量%含まれていることを特徴としている。
【0015】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、好ましくは、1000℃以下の温度での焼成により焼結させることが可能である。
【0016】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 (ただし、Reは希土類元素である。)系セラミック材料を60重量%以下含んでいてもよい。
【0017】
また、この誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、(Zr,Sn)TiO4 系セラミック材料を60重量%以下含んでいてもよい。
【0018】
また、この誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、Zn、Ni、TaおよびCuの少なくとも1種を含む酸化物を15重量%以下含んでいてもよい。
【0019】
また、この誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、Li2 O−Al2 O3 −SiO2 系酸化物、Al2 O3 −TiO2 系酸化物、2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 系酸化物、Li2 O−Al2 O3 −4SiO2 系酸化物、およびBaO−Al2 O3 −2SiO2 系酸化物の少なくとも1種を65重量%以下含んでいてもよい。
【0020】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体と、積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板における上述したガラスセラミック層を構成する材料として好適に用いられる。
【0021】
この発明は、また、積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体と、積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板にも向けられる。この多層回路基板において、ガラスセラミック層がこの発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物の焼結体から構成される。
【0022】
また、この発明は、比誘電率が10以下で熱膨張係数が7〜8ppmK−1の複数の第1のガラスセラミック層および少なくとも1つの第2のガラスセラミック層が積層された複合構造の積層体と、積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板にも向けられる。この多層回路基板において、第2のガラスセラミック層がこの発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物の焼結体から構成される。
【0023】
上述したような多層回路基板において、配線導体は、導電成分として、金、銀または銅を含むことが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、主成分として、TiO2 と、Nd2 Ti2 O7 と、SiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスとを含み、好ましくは、1000℃以下の温度で焼成されることにより、これを焼結させることができる。
【0025】
上述のように、TiO2 を含むことにより、焼結体において、高い比誘電率およびQを与えることができる。また、SiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスの含有は、1000℃以下の温度での焼結を可能とし、したがって、多層回路基板に備える配線導体が金、銀、銅等の高い電気伝導率を持つ導電材料を含んでいても、これらと同時に焼成することができる。
【0026】
しかし、TiO2 は、比誘電率の温度変化率が負側に大きいため、多層回路基板が与える回路中に容量を形成した場合、回路特性の温度変化による影響が問題となる。これを解決するため、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、Nd2 Ti2 O7 を含んでいる。Nd2 Ti2 O7 は、比誘電率の温度変化率が正側に大きいため、これを含有させておくことによって、比誘電率の温度変化率の絶対値を0付近に制御することができる。
【0027】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物に含まれるSiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスは、SiO2 が5〜50モル%、B2 O3 が5〜50モル%、ZnOが5〜65モル%、およびアルカリ土類金属酸化物が5〜50モル%それぞれ含むようにされる。これらの含有率に限定されるのは次の理由による。
【0028】
SiO2 が5モル%より少ないと、得られた焼結体の耐湿性に問題が生じ、他方、50モル%を超えると、ガラスの作製温度が1600℃を超えるため、ガラスの作製が困難になるとともに、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなる。
【0029】
B2 O3 が5モル%より少ないと、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなり、他方、50モル%を超えると、焼結体の耐湿性に問題が生じる。
【0030】
ZnOが5モル%より少ないと、セラミックとガラスとの濡れ性が低下して、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなり、他方、65モル%を超えると、ガラスが結晶化しやすくなり、ガラスとして不安定なものとなる結果、ガラスが得られなくなる。
【0031】
アルカリ土類金属酸化物が5モル%より少ないと、焼成時のガラスの粘度低下が不十分となって、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなり、他方、50モル%を超えると、焼結体の耐湿性に問題が生じる。
【0032】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、TiO2 を15〜65重量%含むようにされる。TiO2 が15重量%より少ないと、焼結体の比誘電率が10以下になり、他方、65重量%を超えると、焼結体についての比誘電率の温度変化率が負側に大きくなりすぎるためである。
【0033】
また、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、Nd2 Ti2 O7 を1〜65重量%含むようにされる。Nd2 Ti2 O7 が1重量%より少ないと、焼結体の比誘電率の温度変化率を正側にシフトさせる効果が実質的に得られず、他方、65重量%を超えると、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなるためである。
【0034】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 (ただし、Reは希土類元素)系セラミック材料を60重量%以下含んでいてもよい。このBaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 系セラミックは、比誘電率が60〜120と高く、Qも高く、また、比誘電率の温度変化率が負側に小さい。そのため、このBaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 系セラミック材料を60重量%以下含有させることにより、焼結体の特性を良好なものとすることができる。なお、BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 系セラミック材料が60重量%を超えて含有すると、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下で焼結しなくなる。
【0035】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、(Zr,Sn)TiO4 系セラミック材料を60重量%以下含んでいてもよい。この(Zr,Sn)TiO4 系セラミックは、比誘電率が20以上であり、Qも高く、また、比誘電率の温度変化率は0に近く、熱膨張係数が6ppmK−1と小さいため、これを60重量%以下含有させることにより、焼結体の電気的特性を良好なものとし、かつ熱膨張係数の調節が可能となる。なお、(Zr,Sn)TiO4 系セラミック材料が60重量%を超えて含有すると、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下で焼結しなくなる。
【0036】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、たとえば、ZnO、NiO、Ta2 O5 およびCuOのように、Zn、Ni、TaおよびCuの少なくとも1種を含む酸化物を15重量%以下さらに含んでいてもよい。これらの酸化物を15重量%以下含有させることにより、焼結体の比誘電率の温度変化率を正側にシフトさせる効果がある。なお、これら酸化物の含有率が15重量%を超えると、焼結体の誘電抵抗が低下する場合がある。
【0037】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、Li2 O−Al2 O3 −SiO2 系酸化物、Al2 O3 −TiO2 系酸化物、2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 系酸化物、Li2 O−Al2 O3 −4SiO2 系酸化物、およびBaO−Al2 O3 −2SiO2 系酸化物の少なくとも1種を65重量%以下含んでいてもよい。これら酸化物の結晶は、熱膨張係数が非常に小さいため、これらを含有させることにより、含有させない場合に比べて、焼結体の熱膨張係数を小さく調節することが可能となる。なお、これらの酸化物の含有率が65重量%を超えると、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下で焼結しなくなる。
【0038】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体と、積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板におけるガラスセラミック層を構成する材料として有利に用いられる。特に、多層回路基板に備える積層体が、比誘電率が10以下で熱膨張係数が7〜8ppmK−1の複数の第1のガラスセラミック層および少なくとも1つの第2のガラスセラミック層が積層された複合構造を有しているとき、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、第2のガラスセラミック層を構成するために有利に用いることができる。
【0039】
上述した複合構造の積層体を備える多層回路基板のより具体的な実施形態について、以下に、図1および図2を参照して説明する。
【0040】
図1は、この発明の一実施形態による多層回路基板1を含む電子部品モジュール2を示す断面図であり、図2は、図1に示した多層回路基板1を製造する途中の状態を示す断面図である。
【0041】
多層回路基板1は、積層された複数の第1のガラスセラミック層3および積層された複数の第2のガラスセラミック層4からなる複合構造の積層体5を備えている。積層体5において、複数の第1のガラスセラミック層3は、複数の第2のガラスセラミック層4を挟むように位置していて、第1のガラスセラミック層3の特定のものは第2のガラスセラミック層4の特定のものに接している。
【0042】
第1のガラスセラミック層3は、たとえば、アルミナを30〜70重量%含有するガラスセラミック組成物の焼結体から構成され、比誘電率が10以下というように比較的低く、また、前述したように、7〜8ppmK−1の熱膨張係数を有している。
【0043】
第2のガラスセラミック層4は、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物の焼結体から構成される。したがって、後述する実験例から明らかになるように、第2のガラスセラミック層4は、10以上の比誘電率を与えることができ、また、必要に応じて、熱膨張係数を7〜8ppmK−1付近に調節することができる。
【0044】
多層回路基板1は、上述の積層体5に関連して設けられる種々の配線導体を備えている。
【0045】
配線導体としては、典型的には、ガラスセラミック層3および4の各々の間の特定の界面に沿って形成される内部導体膜6、ガラスセラミック層3および4の特定のものを貫通するように延びるビアホール導体7、および積層体5の外表面上に形成される外部導体膜8がある。
【0046】
上述の内部導体膜6のうち、第2のガラスセラミック層4に関連して設けられるもののいくつかは、静電容量を与えるように配置され、それによってコンデンサを構成している。
【0047】
多層回路基板1の上面には、半導体素子、インダクタまたは抵抗器等の複数のチップ部品9〜11が、積層体5の上面に形成された外部導体膜8の特定のものに電気的に接続された状態で実装されている。チップ部品9〜11のいずれかは、第2のガラスセラミック層4において構成されたコンデンサ以外のコンデンサであってもよい。
【0048】
多層回路基板1の上面には、導電性キャップ12が取り付けられている。導電性キャップ12は、前述したビアホール導体7の特定のものに電気的に接続されている。
【0049】
このような電子部品モジュール2は、積層体5の下面上に形成された外部導体膜8の特定のものを接続用端子として、図示しないマザーボード上に実装される。
【0050】
以上のような電子部品モジュール2に備える多層回路基板1は、次のようにして製造される。
【0051】
図2を参照して、まず、第1のガラスセラミック層3となるべき第1のグリーンシート13が用意される。第1のグリーンシート13は、低誘電率のガラスセラミック組成物とバインダおよび溶剤とを含むスラリーをシート状に成形することによって作製される。他方、第2のガラスセラミック層4となるべき第2のグリーンシート14が用意される。第2のグリーンシート14は、この発明に係る高誘電率の誘電体ガラスセラミック組成物とバインダおよび溶剤とを含むスラリーをシート状に成形することによって作製される。
【0052】
なお、図2では、図1に示した1つの多層回路基板1を得るための構造物が図示されているが、実際には、図2に示した工程は、複数の多層回路基板1を取り出すことができる集合状態で実施され、後で分割されることによって、複数の多層回路基板1が得られるように実施される。
【0053】
次に、第1および第2のグリーンシート13および14の各々に対して、必要に応じて、ビアホール導体7のための貫通孔15が設けられ、そこに導電性ペースト16が充填され、また、内部導体膜6または外部導体膜8のための導電性ペースト膜17が導電性ペーストの印刷等により形成される。
【0054】
次に、複数の第1のグリーンシート13と複数の第2のグリーンシート14とが積層され、圧着される。この段階で、図1に示した積層体5となるべき生の積層体18が得られる。
【0055】
次に、好ましくは、生の積層体18の上下面に、収縮抑制シート19が積層され、生の積層体18に対して圧着される。収縮抑制シート19は、第1および第2のグリーンシート13および14の各々に含まれるガラスセラミック組成物が焼結する温度、たとえば1000℃以下の温度では焼結しない無機材料を含み、この無機材料とバインダおよび溶剤とを含むスラリーをシート状に成形することによって作製される。収縮抑制シート19は、焼成工程において、生の積層体18において生じる主面方向での収縮を抑制するように作用する。収縮抑制シート19に含まれる無機材料としては、たとえばアルミナが好適に用いられる。
【0056】
次に、生の積層体18が、収縮抑制シート19によって挟まれた状態で焼成工程に付される。この焼成工程は、1000℃以下の温度で実施される。このことから、前述した導電性ペースト16および導電性ペースト膜17を構成する導電性ペーストに含まれる導電材料として、電気伝導率の高い金、銀または銅等を問題なく用いることができる。
【0057】
上述の焼成工程の結果、生の積層体18は焼結され、それによって、図1に示した積層体5が得られる。
【0058】
この焼成工程において、収縮抑制シート19は、焼結しないため、実質的に収縮しない。そのため、焼成工程において、収縮抑制シート19による収縮抑制作用が生の積層体18に及ぼされ、積層体18は、その厚み方向へは収縮するが、主面方向へは実質的に収縮しない。その結果、焼結後の積層体5において、優れた寸法精度が得られる。このことは、積層体5に設けられる内部導体膜6、ビアホール導体7および外部導体膜8のような配線導体の配置密度を高めることを可能にし、その結果、多層回路基板1の小型化を可能にする。なお、収縮抑制シート19は、焼成工程の後、除去される。
【0059】
また、第1および第2のグリーンシート13および14は、両者とも、ガラスセラミック組成物を含んでいるので、その焼成時の収縮挙動を実質的に一致させることができるとともに、第2のグリーンシート14に含まれる、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物についての熱膨張係数は、第1のグリーンシート13に含まれるガラスセラミック組成物についての熱膨張係数である7〜8ppmK−1付近に調節することができる。したがって、第1および第2のグリーンシート13および14を複合した生の積層体18を一体的に焼成しても、焼成途中において第1および第2のグリーンシート13および14間で剥がれが生じたり、焼成後において、クラックや反りが発生したりすることを防止することができる。
【0060】
なお、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、図1に示すような第1および第2のガラスセラミック層3および4からなる複合構造の積層体5を備える多層回路基板1に限らず、たとえば、図1における第2のガラスセラミック層4のみに相当する積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体を備える多層回路基板においても適用することができる。
【0061】
次に、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物等を評価するために実施した実験例について説明する。
【0062】
【実験例】
1.誘電体ガラスセラミック組成物についての評価
(1)誘電体ガラスセラミック組成物の作製
まず、誘電体ガラスセラミック組成物に含まれるガラスとして、表1に示すような種々の組成を有するものを作製した。
【0063】
【表1】
【0064】
表1において、「ガラス種類」の欄に*を付したガラスは、この発明の範囲外のものである。
【0065】
なお、ガラスG18については、ZnOの含有率が65モル%を超えているため、ガラス作製中において結晶化し、ガラスの作製が不可能であった。
【0066】
他方、Nd2 Ti2 O7 を得るため、出発原料としてTiO2 およびNdO3 の各粉末を用意し、これらを化学量論比組成でNd2 Ti2 O7 となるように秤量し、16時間湿式混合した後、乾燥し、得られた混合物を1350℃の温度で2時間仮焼し、次いで粉砕した。
【0067】
次に、表2ないし表7に示した各試料が得られるように、上述したNd2 Ti2 O7 粉末とTiO2 粉末と表1に示したガラス粉末の特定のものとを混合するとともに、試料によっては、「セラミック」の「その他」の欄に示したセラミック粉末を加え、誘電体ガラスセラミック組成物となる混合粉末を作製した。
【0068】
なお、表4ないし表7において、「セラミック」の「その他」の欄に記載される、略号「ZT」は「(Zr,Sn)TiO4 」を示し、「BTR」は「BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 」を示し、「LAS」は「Li2 O−Al2 O3 −SiO2 」を示し、「MAS」は「2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 」を示し、「AT」は「Al2 O3 −TiO2 」を示し、「LA4S」は「Li2 O−Al2 O3 −4SiO2 」を示し、「BAS」は「BaO−Al2 O3 −2SiO2 」を示している。
【0069】
(2)評価用試料の作製
次に、上記(1)において得られた誘電体ガラスセラミック組成物としての混合粉末に、溶剤、バインダおよび可塑剤を加えてスラリーを作製し、このスラリーに対して、ドクターブレード法を適用して、厚み50μmのグリーンシートを成形した。
【0070】
次に、グリーンシートに、静電容量形成のための導電性ペースト膜を印刷により形成した後、複数のグリーンシートを積層し、圧着した後、表2ないし表4における「焼成温度」の欄に示した温度にて焼成し、評価用試料を作製した。
【0071】
なお、上記焼成工程において、焼結しなかった試料については、表2ないし表7の「備考」欄において、「焼結不可」と表示されている。これら「焼結不可」の試料については、以下の評価を行なわなかった。
【0072】
(3)評価方法
次に、上記(2)において得られた評価用試料について、10GHzにおける比誘電率(εr )およびQ値を測定するとともに、熱膨張係数および誘電率の温度変化率(TCC)を測定した。これらの測定結果が、表2ないし表4の「εr 」、「Q」、「熱膨張係数」および「TCC」の各欄に示されている。
【0073】
また、評価用試料に、50Vの電圧を印加しながら、温度120℃、相対湿度95%および気圧0.2MPaの条件下で200時間放置した後、これを取り出し、絶縁抵抗の変化を評価し、それによって、耐湿性を判断した。この耐湿性に関して、耐湿不良と判断されたものについては、表2ないし表7の「備考」欄において、「耐湿不良」と表示されている。
【0074】
2.複合構造の積層体についての評価
(1)評価用試料の作製
低誘電率のガラスセラミック組成物として、アルミナ粉末とホウケイ酸ガラス粉末とを用意し、これらを重量比率で50:50となるように混合し、この混合粉末に、溶剤、バインダおよび可塑剤を加えてスラリーを作製し、このスラリーに対して、ドクターブレード法を適用して、厚み50μmの低誘電率のグリーンシートを成形した。
【0075】
次に、上記1において作製された高誘電率を目的とするグリーンシートを5枚積層し、さらに、その上下に上記低誘電率のグリーンシートを5枚ずつ積層し、これらを圧着して、生の状態にある複合構造の積層体を得た。この生の積層体は、その平面寸法を100mm×100mmとした。
【0076】
次に、上述の生の積層体を、表2ないし表4の「焼成温度」の欄に示した温度にて焼成し、焼結体としての複合構造の積層体を得た。
【0077】
(2)評価方法
次に、上述のようにして得られた複合構造の積層体について、その断面を観察し、クラックの有無を評価した。その結果が、表2ないし表7の「クラック有無」の欄に示されている。
【0078】
3.評価結果
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
【表7】
【0085】
表2ないし表7において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の試料、または、この発明の範囲内に入るが、好ましい範囲から外れた試料である。
【0086】
表2ないし表7を参照して、この発明の範囲内かつ好ましい範囲内にある試料によれば、900〜1000℃の温度で焼結が可能であり、比誘電率が10以上あり、誘電率の温度変化率を±200ppmK−1以内とすることができ、測定周波数10GHzでのQを200以上とすることができ、また、耐湿性についても問題がなかった。
【0087】
次に、クラックの有無について評価する。この実験例において用いられた低誘電率のガラスセラミック組成物の焼結体の熱膨張係数は7.8ppmK−1であった。他方、この発明の範囲内にある試料によれば、表2ないし表7に示すように、用いられるガラスの種類もしくは含有率、または添加されるセラミックの種類もしくは添加量等を調整すれば、熱膨張係数を7〜8ppmK−1付近に調節することができ、その結果、クラックを発生させないようにすることができた。また、これらの試料について、焼結後の複合構造の積層体の反りを測定したところ、100μm以内とすることができた。特に、試料53、57、61、65および69では、7.8ppmK−1の熱膨張係数が実現され、低誘電率のガラスセラミック組成物の焼結体の熱膨張係数7.8ppmK−1と一致する熱膨張係数を与えることができた。
【0088】
これらに対して、試料14では、ガラスとしてG14が用いられ、このガラスG14中のSiO2 含有量が50モル%を超えているので、焼結不可となった。
【0089】
試料15では、ガラスとしてG15が用いられ、このガラスG15中のSiO2 含有量が5モル%未満であるので、耐湿不良となった。
【0090】
試料16では、ガラスとしてG16が用いられ、このガラスG16中のB2 O3 が50モル%を超えているので、耐湿不良となった。
【0091】
試料17では、ガラスとしてG17が用いられ、このガラスG17中のB2 O3 が5モル%未満であるので、焼結不可となった。
【0092】
試料18では、ガラスとしてG19が用いられ、このガラスG19中のZnOが5モル%未満であるので、焼結不可となった。
【0093】
試料19、21、23および25では、それぞれ、ガラスとしてG20、G22、G24およびG26が用いられ、これらガラスG20、G22、G24およびG26中のアルカリ土類金属酸化物が65モル%を超えているので、耐湿不良となった。
【0094】
試料20、22、24および26では、それぞれ、ガラスとしてG21、G23、G25およびG27が用いられ、これらガラスG21、G23、G25およびG27中のアルカリ土類金属酸化物が5モル%未満であるので、焼結不可となった。
【0095】
試料27では、TiO2 の含有量が15重量%未満であるため、比誘電率が10未満となった。
【0096】
試料28では、TiO2 の含有量が65重量%を超えているため、誘電率の温度変化率が負側に大きくなった。
【0097】
試料30では、Nd2 Ti2 O7 の含有量が1重量%未満であるため、誘電率の温度変化率がNd2 Ti2 O7 の含有量が0である試料31と同等であり、誘電率の温度変化率を正側にシフトさせる効果が実質的に現れなかった。
【0098】
試料32では、Nd2 Ti2 O7 の含有量が65重量%を超えているため、焼結不可となった。
【0099】
試料36では、BTRすなわちBaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 の含有量が60重量%を超えているため、焼結不可となった。
【0100】
試料40では、ZTすなわち(Zr,Sn)TiO4 の含有量が60重量%を超えているため、焼結不可となった。
【0101】
試料43、46、49および52では、それぞれ、ZnO、NiO、Ta2 O5 およびCuOの含有量が15重量%を超えているため、耐湿不良となった。
【0102】
試料56、60、64、68および72では、それぞれ、LASすなわちLi2 O−Al2 O3 −SiO2 、MASすなわち2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 、ATすなわちAl2 O3 −TiO2 、LA4SすなわちLi2 O−Al2 O3 −4SiO2 およびBASすなわちBaO−Al2 O3 −2SiO2 の含有量が60重量%を超えているため、焼結不可となった。
【0103】
4.収縮抑制シートについての評価
厚み50μmのアルミナを含むグリーンシートを成形し、これを収縮抑制シートとして用い、上記1において作製された生の積層体および上記2において作製された複合構造の生の積層体のそれぞれの上下に1枚ずつ積層し、圧着した後、焼成し、焼成後における寸法ばらつきを評価した。
【0104】
その結果、収縮抑制シートを積層しない場合には、寸法ばらつきが0.3%以上であったのに対し、収縮抑制シートを積層したものについては、寸法ばらつきが0.1%以下になった。
【0105】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物によれば、900〜1000℃の温度で焼結させることができ、得られた焼結体において、10以上の比誘電率、±200ppmK−1以内の誘電率の温度変化率、測定周波数10GHzにおいて200以上のQを与えることができ、また、優れた耐湿性を示し、熱膨張係数についても、必要に応じて、7〜8ppmK−1付近に調節することができる。
【0106】
したがって、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、比誘電率が10以下で熱膨張係数が7〜8ppmK−1の第1のガラスセラミック層とともに積層されて複合構造の積層体を得るための第2のガラスセラミック層において用いられると、クラックや反りを生じさせることなく、多層回路基板を一体的な焼成によって得ることができる。そして、この多層回路基板において、第2のガラスセラミック層に関連して容量を形成すれば、多層回路基板の外表面上に実装されるコンデンサの数を減らしたり、コンデンサをなくしたりすることができるので、多層回路基板の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による多層回路基板1を備える電子部品モジュール2を示す断面図である。
【図2】図1に示した多層回路基板1を製造する途中の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 多層回路基板
3 第1のガラスセラミック層
4 第2のガラスセラミック層
5 積層体
6 内部導体膜
7 ビアホール導体
8 外部導体膜
13 第1のグリーンシート
14 第2のグリーンシート
16 導電性ペースト
17 導電性ペースト膜
18 生の積層体
【発明の属する技術分野】
この発明は、誘電体ガラスセラミック組成物および多層回路基板に関するもので、特に、低誘電率のガラスセラミック層と複合されかつ同時焼成される高誘電率のガラスセラミック層を構成するのに適した誘電体ガラスセラミック組成物およびそれを用いて構成される多層回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化時代を迎え、情報伝達のより高速化かつ高周波化が進み、各種の情報機器において用いられる半導体素子やその他の電子部品についても、高速化、高集積化および高密度実装化に対する要望が高まっている。このような要望を満たすため、積層された複数の電気絶縁層からなる積層体を備え、この積層体に関連して配線導体が設けられた、多層回路基板を用いることが有効である。
【0003】
従来より多用されている多層回路基板においては、電気絶縁層を構成する材料として、たとえばアルミナが用いられている。他方、前述した配線導体は、その多くのものが、積層された複数の電気絶縁層からなる積層体の内部に内蔵されている。したがって、アルミナからなる電気絶縁層を備える積層体を得るための焼成工程では、アルミナを焼結させ得る1500〜1600℃といった高い温度が必要であり、そのため、配線導体を構成する導電材料としては、たとえば、Mo、Mo−Mn、Wといった高融点金属を用いなければならない。
【0004】
しかしながら、上述した高融点金属は、電気抵抗が高いという欠点を有している。この欠点を解消し得る導電材料として、金、銀または銅等が注目されるが、これらの金属を用いる場合、電気絶縁層を構成する材料は、1000℃以下の低温で焼結し得るものでなければならない。そこで、このような1000℃以下の低温で焼結可能な材料として、ガラスセラミック組成物があり、これらを材料として構成された電気絶縁層を備える多層回路基板も提案されかつ実用に供されている。
【0005】
実用に供されている多層回路基板において、電気絶縁層を構成するガラスセラミック組成物として、たとえば、アルミナとホウケイ酸ガラスとの混合物からなるものがある。しかしながら、このようなガラスセラミック組成物によって電気絶縁層を形成した場合、電気絶縁層では10以下の比誘電率しか与えることができない。
【0006】
他方、多層回路基板によって構成される回路が容量を必要とする場合がある。この場合、容量を与えるコンデンサを、多層回路基板に備える電気絶縁層を利用して構成することが困難であり、そのため、コンデンサを多層回路基板の内部に内蔵することが困難である。したがって、別のチップ状のコンデンサが用意され、このコンデンサが多層回路基板の表面上に実装されなければならない。
【0007】
しかしながら、多層回路基板の表面には、コンデンサ以外に、たとえばICチップや抵抗器等のチップ部品を実装する必要があるため、コンデンサの上述のような実装は、多層回路基板を備える電子部品の小型化の障害となっている。
【0008】
上述の問題を解決するため、低誘電率の電気絶縁層と高誘電率の電気絶縁層とを複合した積層体を有する多層回路基板も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。このような多層回路基板によれば、高誘電率の電気絶縁層を利用して容量を形成することができるので、コンデンサを多層回路基板の内部に内蔵することができ、結果として、多層回路基板を備える電子部品の小型化を図ることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−185147号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような複合構造を有する積層体は、これを得るための焼成工程の結果、クラックが発生したり、反りが発生したりすることがある。その原因は、主として、高誘電率の電気絶縁層を構成する材料と低誘電率の電気絶縁層を構成する材料との間での熱膨張係数の差が比較的大きいことにある。たとえば、低誘電率の電気絶縁層を構成する材料として一般に用いられる前述したアルミナとガラスとの混合物の場合、アルミナが30〜70重量%含有するとすると、その熱膨張係数は7〜8ppmK−1の範囲にあるのに対し、高誘電率の電気絶縁層を構成する公知の材料は、その熱膨張係数が約10ppmK−1またはそれ以上と大きい。
【0011】
上述の問題は、高誘電率でありながら、7〜8ppmK−1付近の熱膨張係数を示す、電気絶縁層の形成に適した材料が実現されれば、解決される。
【0012】
そこで、この発明の目的は、金、銀または銅の融点以下で焼結させることができ、比誘電率が比較的高く、低誘電率のガラスセラミック層との同時焼成が可能な誘電体ガラスセラミック組成物を提供しようとすることである。
【0013】
この発明の他の目的は、上述のような誘電体ガラスセラミック組成物を用いて構成される、多層回路基板を提供しようとすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、上述した技術的課題を解決するため、主成分として、TiO2 と、Nd2 Ti2 O7 と、SiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスとを含み、このガラス中において、SiO2 が5〜50モル%、B2 O3 が5〜50モル%、ZnOが5〜65モル%、およびアルカリ土類金属酸化物が5〜50モル%それぞれ含まれていて、TiO2 は15〜65重量%含み、かつNd2 Ti2 O7 は1〜65重量%含まれていることを特徴としている。
【0015】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、好ましくは、1000℃以下の温度での焼成により焼結させることが可能である。
【0016】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 (ただし、Reは希土類元素である。)系セラミック材料を60重量%以下含んでいてもよい。
【0017】
また、この誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、(Zr,Sn)TiO4 系セラミック材料を60重量%以下含んでいてもよい。
【0018】
また、この誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、Zn、Ni、TaおよびCuの少なくとも1種を含む酸化物を15重量%以下含んでいてもよい。
【0019】
また、この誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、Li2 O−Al2 O3 −SiO2 系酸化物、Al2 O3 −TiO2 系酸化物、2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 系酸化物、Li2 O−Al2 O3 −4SiO2 系酸化物、およびBaO−Al2 O3 −2SiO2 系酸化物の少なくとも1種を65重量%以下含んでいてもよい。
【0020】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体と、積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板における上述したガラスセラミック層を構成する材料として好適に用いられる。
【0021】
この発明は、また、積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体と、積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板にも向けられる。この多層回路基板において、ガラスセラミック層がこの発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物の焼結体から構成される。
【0022】
また、この発明は、比誘電率が10以下で熱膨張係数が7〜8ppmK−1の複数の第1のガラスセラミック層および少なくとも1つの第2のガラスセラミック層が積層された複合構造の積層体と、積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板にも向けられる。この多層回路基板において、第2のガラスセラミック層がこの発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物の焼結体から構成される。
【0023】
上述したような多層回路基板において、配線導体は、導電成分として、金、銀または銅を含むことが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、主成分として、TiO2 と、Nd2 Ti2 O7 と、SiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスとを含み、好ましくは、1000℃以下の温度で焼成されることにより、これを焼結させることができる。
【0025】
上述のように、TiO2 を含むことにより、焼結体において、高い比誘電率およびQを与えることができる。また、SiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスの含有は、1000℃以下の温度での焼結を可能とし、したがって、多層回路基板に備える配線導体が金、銀、銅等の高い電気伝導率を持つ導電材料を含んでいても、これらと同時に焼成することができる。
【0026】
しかし、TiO2 は、比誘電率の温度変化率が負側に大きいため、多層回路基板が与える回路中に容量を形成した場合、回路特性の温度変化による影響が問題となる。これを解決するため、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、Nd2 Ti2 O7 を含んでいる。Nd2 Ti2 O7 は、比誘電率の温度変化率が正側に大きいため、これを含有させておくことによって、比誘電率の温度変化率の絶対値を0付近に制御することができる。
【0027】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物に含まれるSiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスは、SiO2 が5〜50モル%、B2 O3 が5〜50モル%、ZnOが5〜65モル%、およびアルカリ土類金属酸化物が5〜50モル%それぞれ含むようにされる。これらの含有率に限定されるのは次の理由による。
【0028】
SiO2 が5モル%より少ないと、得られた焼結体の耐湿性に問題が生じ、他方、50モル%を超えると、ガラスの作製温度が1600℃を超えるため、ガラスの作製が困難になるとともに、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなる。
【0029】
B2 O3 が5モル%より少ないと、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなり、他方、50モル%を超えると、焼結体の耐湿性に問題が生じる。
【0030】
ZnOが5モル%より少ないと、セラミックとガラスとの濡れ性が低下して、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなり、他方、65モル%を超えると、ガラスが結晶化しやすくなり、ガラスとして不安定なものとなる結果、ガラスが得られなくなる。
【0031】
アルカリ土類金属酸化物が5モル%より少ないと、焼成時のガラスの粘度低下が不十分となって、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなり、他方、50モル%を超えると、焼結体の耐湿性に問題が生じる。
【0032】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、TiO2 を15〜65重量%含むようにされる。TiO2 が15重量%より少ないと、焼結体の比誘電率が10以下になり、他方、65重量%を超えると、焼結体についての比誘電率の温度変化率が負側に大きくなりすぎるためである。
【0033】
また、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、Nd2 Ti2 O7 を1〜65重量%含むようにされる。Nd2 Ti2 O7 が1重量%より少ないと、焼結体の比誘電率の温度変化率を正側にシフトさせる効果が実質的に得られず、他方、65重量%を超えると、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下では焼結しなくなるためである。
【0034】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 (ただし、Reは希土類元素)系セラミック材料を60重量%以下含んでいてもよい。このBaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 系セラミックは、比誘電率が60〜120と高く、Qも高く、また、比誘電率の温度変化率が負側に小さい。そのため、このBaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 系セラミック材料を60重量%以下含有させることにより、焼結体の特性を良好なものとすることができる。なお、BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 系セラミック材料が60重量%を超えて含有すると、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下で焼結しなくなる。
【0035】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、(Zr,Sn)TiO4 系セラミック材料を60重量%以下含んでいてもよい。この(Zr,Sn)TiO4 系セラミックは、比誘電率が20以上であり、Qも高く、また、比誘電率の温度変化率は0に近く、熱膨張係数が6ppmK−1と小さいため、これを60重量%以下含有させることにより、焼結体の電気的特性を良好なものとし、かつ熱膨張係数の調節が可能となる。なお、(Zr,Sn)TiO4 系セラミック材料が60重量%を超えて含有すると、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下で焼結しなくなる。
【0036】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、たとえば、ZnO、NiO、Ta2 O5 およびCuOのように、Zn、Ni、TaおよびCuの少なくとも1種を含む酸化物を15重量%以下さらに含んでいてもよい。これらの酸化物を15重量%以下含有させることにより、焼結体の比誘電率の温度変化率を正側にシフトさせる効果がある。なお、これら酸化物の含有率が15重量%を超えると、焼結体の誘電抵抗が低下する場合がある。
【0037】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、さらに、Li2 O−Al2 O3 −SiO2 系酸化物、Al2 O3 −TiO2 系酸化物、2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 系酸化物、Li2 O−Al2 O3 −4SiO2 系酸化物、およびBaO−Al2 O3 −2SiO2 系酸化物の少なくとも1種を65重量%以下含んでいてもよい。これら酸化物の結晶は、熱膨張係数が非常に小さいため、これらを含有させることにより、含有させない場合に比べて、焼結体の熱膨張係数を小さく調節することが可能となる。なお、これらの酸化物の含有率が65重量%を超えると、この誘電体ガラスセラミック組成物が1000℃以下で焼結しなくなる。
【0038】
この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体と、積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板におけるガラスセラミック層を構成する材料として有利に用いられる。特に、多層回路基板に備える積層体が、比誘電率が10以下で熱膨張係数が7〜8ppmK−1の複数の第1のガラスセラミック層および少なくとも1つの第2のガラスセラミック層が積層された複合構造を有しているとき、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、第2のガラスセラミック層を構成するために有利に用いることができる。
【0039】
上述した複合構造の積層体を備える多層回路基板のより具体的な実施形態について、以下に、図1および図2を参照して説明する。
【0040】
図1は、この発明の一実施形態による多層回路基板1を含む電子部品モジュール2を示す断面図であり、図2は、図1に示した多層回路基板1を製造する途中の状態を示す断面図である。
【0041】
多層回路基板1は、積層された複数の第1のガラスセラミック層3および積層された複数の第2のガラスセラミック層4からなる複合構造の積層体5を備えている。積層体5において、複数の第1のガラスセラミック層3は、複数の第2のガラスセラミック層4を挟むように位置していて、第1のガラスセラミック層3の特定のものは第2のガラスセラミック層4の特定のものに接している。
【0042】
第1のガラスセラミック層3は、たとえば、アルミナを30〜70重量%含有するガラスセラミック組成物の焼結体から構成され、比誘電率が10以下というように比較的低く、また、前述したように、7〜8ppmK−1の熱膨張係数を有している。
【0043】
第2のガラスセラミック層4は、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物の焼結体から構成される。したがって、後述する実験例から明らかになるように、第2のガラスセラミック層4は、10以上の比誘電率を与えることができ、また、必要に応じて、熱膨張係数を7〜8ppmK−1付近に調節することができる。
【0044】
多層回路基板1は、上述の積層体5に関連して設けられる種々の配線導体を備えている。
【0045】
配線導体としては、典型的には、ガラスセラミック層3および4の各々の間の特定の界面に沿って形成される内部導体膜6、ガラスセラミック層3および4の特定のものを貫通するように延びるビアホール導体7、および積層体5の外表面上に形成される外部導体膜8がある。
【0046】
上述の内部導体膜6のうち、第2のガラスセラミック層4に関連して設けられるもののいくつかは、静電容量を与えるように配置され、それによってコンデンサを構成している。
【0047】
多層回路基板1の上面には、半導体素子、インダクタまたは抵抗器等の複数のチップ部品9〜11が、積層体5の上面に形成された外部導体膜8の特定のものに電気的に接続された状態で実装されている。チップ部品9〜11のいずれかは、第2のガラスセラミック層4において構成されたコンデンサ以外のコンデンサであってもよい。
【0048】
多層回路基板1の上面には、導電性キャップ12が取り付けられている。導電性キャップ12は、前述したビアホール導体7の特定のものに電気的に接続されている。
【0049】
このような電子部品モジュール2は、積層体5の下面上に形成された外部導体膜8の特定のものを接続用端子として、図示しないマザーボード上に実装される。
【0050】
以上のような電子部品モジュール2に備える多層回路基板1は、次のようにして製造される。
【0051】
図2を参照して、まず、第1のガラスセラミック層3となるべき第1のグリーンシート13が用意される。第1のグリーンシート13は、低誘電率のガラスセラミック組成物とバインダおよび溶剤とを含むスラリーをシート状に成形することによって作製される。他方、第2のガラスセラミック層4となるべき第2のグリーンシート14が用意される。第2のグリーンシート14は、この発明に係る高誘電率の誘電体ガラスセラミック組成物とバインダおよび溶剤とを含むスラリーをシート状に成形することによって作製される。
【0052】
なお、図2では、図1に示した1つの多層回路基板1を得るための構造物が図示されているが、実際には、図2に示した工程は、複数の多層回路基板1を取り出すことができる集合状態で実施され、後で分割されることによって、複数の多層回路基板1が得られるように実施される。
【0053】
次に、第1および第2のグリーンシート13および14の各々に対して、必要に応じて、ビアホール導体7のための貫通孔15が設けられ、そこに導電性ペースト16が充填され、また、内部導体膜6または外部導体膜8のための導電性ペースト膜17が導電性ペーストの印刷等により形成される。
【0054】
次に、複数の第1のグリーンシート13と複数の第2のグリーンシート14とが積層され、圧着される。この段階で、図1に示した積層体5となるべき生の積層体18が得られる。
【0055】
次に、好ましくは、生の積層体18の上下面に、収縮抑制シート19が積層され、生の積層体18に対して圧着される。収縮抑制シート19は、第1および第2のグリーンシート13および14の各々に含まれるガラスセラミック組成物が焼結する温度、たとえば1000℃以下の温度では焼結しない無機材料を含み、この無機材料とバインダおよび溶剤とを含むスラリーをシート状に成形することによって作製される。収縮抑制シート19は、焼成工程において、生の積層体18において生じる主面方向での収縮を抑制するように作用する。収縮抑制シート19に含まれる無機材料としては、たとえばアルミナが好適に用いられる。
【0056】
次に、生の積層体18が、収縮抑制シート19によって挟まれた状態で焼成工程に付される。この焼成工程は、1000℃以下の温度で実施される。このことから、前述した導電性ペースト16および導電性ペースト膜17を構成する導電性ペーストに含まれる導電材料として、電気伝導率の高い金、銀または銅等を問題なく用いることができる。
【0057】
上述の焼成工程の結果、生の積層体18は焼結され、それによって、図1に示した積層体5が得られる。
【0058】
この焼成工程において、収縮抑制シート19は、焼結しないため、実質的に収縮しない。そのため、焼成工程において、収縮抑制シート19による収縮抑制作用が生の積層体18に及ぼされ、積層体18は、その厚み方向へは収縮するが、主面方向へは実質的に収縮しない。その結果、焼結後の積層体5において、優れた寸法精度が得られる。このことは、積層体5に設けられる内部導体膜6、ビアホール導体7および外部導体膜8のような配線導体の配置密度を高めることを可能にし、その結果、多層回路基板1の小型化を可能にする。なお、収縮抑制シート19は、焼成工程の後、除去される。
【0059】
また、第1および第2のグリーンシート13および14は、両者とも、ガラスセラミック組成物を含んでいるので、その焼成時の収縮挙動を実質的に一致させることができるとともに、第2のグリーンシート14に含まれる、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物についての熱膨張係数は、第1のグリーンシート13に含まれるガラスセラミック組成物についての熱膨張係数である7〜8ppmK−1付近に調節することができる。したがって、第1および第2のグリーンシート13および14を複合した生の積層体18を一体的に焼成しても、焼成途中において第1および第2のグリーンシート13および14間で剥がれが生じたり、焼成後において、クラックや反りが発生したりすることを防止することができる。
【0060】
なお、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、図1に示すような第1および第2のガラスセラミック層3および4からなる複合構造の積層体5を備える多層回路基板1に限らず、たとえば、図1における第2のガラスセラミック層4のみに相当する積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体を備える多層回路基板においても適用することができる。
【0061】
次に、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物等を評価するために実施した実験例について説明する。
【0062】
【実験例】
1.誘電体ガラスセラミック組成物についての評価
(1)誘電体ガラスセラミック組成物の作製
まず、誘電体ガラスセラミック組成物に含まれるガラスとして、表1に示すような種々の組成を有するものを作製した。
【0063】
【表1】
【0064】
表1において、「ガラス種類」の欄に*を付したガラスは、この発明の範囲外のものである。
【0065】
なお、ガラスG18については、ZnOの含有率が65モル%を超えているため、ガラス作製中において結晶化し、ガラスの作製が不可能であった。
【0066】
他方、Nd2 Ti2 O7 を得るため、出発原料としてTiO2 およびNdO3 の各粉末を用意し、これらを化学量論比組成でNd2 Ti2 O7 となるように秤量し、16時間湿式混合した後、乾燥し、得られた混合物を1350℃の温度で2時間仮焼し、次いで粉砕した。
【0067】
次に、表2ないし表7に示した各試料が得られるように、上述したNd2 Ti2 O7 粉末とTiO2 粉末と表1に示したガラス粉末の特定のものとを混合するとともに、試料によっては、「セラミック」の「その他」の欄に示したセラミック粉末を加え、誘電体ガラスセラミック組成物となる混合粉末を作製した。
【0068】
なお、表4ないし表7において、「セラミック」の「その他」の欄に記載される、略号「ZT」は「(Zr,Sn)TiO4 」を示し、「BTR」は「BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 」を示し、「LAS」は「Li2 O−Al2 O3 −SiO2 」を示し、「MAS」は「2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 」を示し、「AT」は「Al2 O3 −TiO2 」を示し、「LA4S」は「Li2 O−Al2 O3 −4SiO2 」を示し、「BAS」は「BaO−Al2 O3 −2SiO2 」を示している。
【0069】
(2)評価用試料の作製
次に、上記(1)において得られた誘電体ガラスセラミック組成物としての混合粉末に、溶剤、バインダおよび可塑剤を加えてスラリーを作製し、このスラリーに対して、ドクターブレード法を適用して、厚み50μmのグリーンシートを成形した。
【0070】
次に、グリーンシートに、静電容量形成のための導電性ペースト膜を印刷により形成した後、複数のグリーンシートを積層し、圧着した後、表2ないし表4における「焼成温度」の欄に示した温度にて焼成し、評価用試料を作製した。
【0071】
なお、上記焼成工程において、焼結しなかった試料については、表2ないし表7の「備考」欄において、「焼結不可」と表示されている。これら「焼結不可」の試料については、以下の評価を行なわなかった。
【0072】
(3)評価方法
次に、上記(2)において得られた評価用試料について、10GHzにおける比誘電率(εr )およびQ値を測定するとともに、熱膨張係数および誘電率の温度変化率(TCC)を測定した。これらの測定結果が、表2ないし表4の「εr 」、「Q」、「熱膨張係数」および「TCC」の各欄に示されている。
【0073】
また、評価用試料に、50Vの電圧を印加しながら、温度120℃、相対湿度95%および気圧0.2MPaの条件下で200時間放置した後、これを取り出し、絶縁抵抗の変化を評価し、それによって、耐湿性を判断した。この耐湿性に関して、耐湿不良と判断されたものについては、表2ないし表7の「備考」欄において、「耐湿不良」と表示されている。
【0074】
2.複合構造の積層体についての評価
(1)評価用試料の作製
低誘電率のガラスセラミック組成物として、アルミナ粉末とホウケイ酸ガラス粉末とを用意し、これらを重量比率で50:50となるように混合し、この混合粉末に、溶剤、バインダおよび可塑剤を加えてスラリーを作製し、このスラリーに対して、ドクターブレード法を適用して、厚み50μmの低誘電率のグリーンシートを成形した。
【0075】
次に、上記1において作製された高誘電率を目的とするグリーンシートを5枚積層し、さらに、その上下に上記低誘電率のグリーンシートを5枚ずつ積層し、これらを圧着して、生の状態にある複合構造の積層体を得た。この生の積層体は、その平面寸法を100mm×100mmとした。
【0076】
次に、上述の生の積層体を、表2ないし表4の「焼成温度」の欄に示した温度にて焼成し、焼結体としての複合構造の積層体を得た。
【0077】
(2)評価方法
次に、上述のようにして得られた複合構造の積層体について、その断面を観察し、クラックの有無を評価した。その結果が、表2ないし表7の「クラック有無」の欄に示されている。
【0078】
3.評価結果
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
【表7】
【0085】
表2ないし表7において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の試料、または、この発明の範囲内に入るが、好ましい範囲から外れた試料である。
【0086】
表2ないし表7を参照して、この発明の範囲内かつ好ましい範囲内にある試料によれば、900〜1000℃の温度で焼結が可能であり、比誘電率が10以上あり、誘電率の温度変化率を±200ppmK−1以内とすることができ、測定周波数10GHzでのQを200以上とすることができ、また、耐湿性についても問題がなかった。
【0087】
次に、クラックの有無について評価する。この実験例において用いられた低誘電率のガラスセラミック組成物の焼結体の熱膨張係数は7.8ppmK−1であった。他方、この発明の範囲内にある試料によれば、表2ないし表7に示すように、用いられるガラスの種類もしくは含有率、または添加されるセラミックの種類もしくは添加量等を調整すれば、熱膨張係数を7〜8ppmK−1付近に調節することができ、その結果、クラックを発生させないようにすることができた。また、これらの試料について、焼結後の複合構造の積層体の反りを測定したところ、100μm以内とすることができた。特に、試料53、57、61、65および69では、7.8ppmK−1の熱膨張係数が実現され、低誘電率のガラスセラミック組成物の焼結体の熱膨張係数7.8ppmK−1と一致する熱膨張係数を与えることができた。
【0088】
これらに対して、試料14では、ガラスとしてG14が用いられ、このガラスG14中のSiO2 含有量が50モル%を超えているので、焼結不可となった。
【0089】
試料15では、ガラスとしてG15が用いられ、このガラスG15中のSiO2 含有量が5モル%未満であるので、耐湿不良となった。
【0090】
試料16では、ガラスとしてG16が用いられ、このガラスG16中のB2 O3 が50モル%を超えているので、耐湿不良となった。
【0091】
試料17では、ガラスとしてG17が用いられ、このガラスG17中のB2 O3 が5モル%未満であるので、焼結不可となった。
【0092】
試料18では、ガラスとしてG19が用いられ、このガラスG19中のZnOが5モル%未満であるので、焼結不可となった。
【0093】
試料19、21、23および25では、それぞれ、ガラスとしてG20、G22、G24およびG26が用いられ、これらガラスG20、G22、G24およびG26中のアルカリ土類金属酸化物が65モル%を超えているので、耐湿不良となった。
【0094】
試料20、22、24および26では、それぞれ、ガラスとしてG21、G23、G25およびG27が用いられ、これらガラスG21、G23、G25およびG27中のアルカリ土類金属酸化物が5モル%未満であるので、焼結不可となった。
【0095】
試料27では、TiO2 の含有量が15重量%未満であるため、比誘電率が10未満となった。
【0096】
試料28では、TiO2 の含有量が65重量%を超えているため、誘電率の温度変化率が負側に大きくなった。
【0097】
試料30では、Nd2 Ti2 O7 の含有量が1重量%未満であるため、誘電率の温度変化率がNd2 Ti2 O7 の含有量が0である試料31と同等であり、誘電率の温度変化率を正側にシフトさせる効果が実質的に現れなかった。
【0098】
試料32では、Nd2 Ti2 O7 の含有量が65重量%を超えているため、焼結不可となった。
【0099】
試料36では、BTRすなわちBaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 の含有量が60重量%を超えているため、焼結不可となった。
【0100】
試料40では、ZTすなわち(Zr,Sn)TiO4 の含有量が60重量%を超えているため、焼結不可となった。
【0101】
試料43、46、49および52では、それぞれ、ZnO、NiO、Ta2 O5 およびCuOの含有量が15重量%を超えているため、耐湿不良となった。
【0102】
試料56、60、64、68および72では、それぞれ、LASすなわちLi2 O−Al2 O3 −SiO2 、MASすなわち2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 、ATすなわちAl2 O3 −TiO2 、LA4SすなわちLi2 O−Al2 O3 −4SiO2 およびBASすなわちBaO−Al2 O3 −2SiO2 の含有量が60重量%を超えているため、焼結不可となった。
【0103】
4.収縮抑制シートについての評価
厚み50μmのアルミナを含むグリーンシートを成形し、これを収縮抑制シートとして用い、上記1において作製された生の積層体および上記2において作製された複合構造の生の積層体のそれぞれの上下に1枚ずつ積層し、圧着した後、焼成し、焼成後における寸法ばらつきを評価した。
【0104】
その結果、収縮抑制シートを積層しない場合には、寸法ばらつきが0.3%以上であったのに対し、収縮抑制シートを積層したものについては、寸法ばらつきが0.1%以下になった。
【0105】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物によれば、900〜1000℃の温度で焼結させることができ、得られた焼結体において、10以上の比誘電率、±200ppmK−1以内の誘電率の温度変化率、測定周波数10GHzにおいて200以上のQを与えることができ、また、優れた耐湿性を示し、熱膨張係数についても、必要に応じて、7〜8ppmK−1付近に調節することができる。
【0106】
したがって、この発明に係る誘電体ガラスセラミック組成物は、比誘電率が10以下で熱膨張係数が7〜8ppmK−1の第1のガラスセラミック層とともに積層されて複合構造の積層体を得るための第2のガラスセラミック層において用いられると、クラックや反りを生じさせることなく、多層回路基板を一体的な焼成によって得ることができる。そして、この多層回路基板において、第2のガラスセラミック層に関連して容量を形成すれば、多層回路基板の外表面上に実装されるコンデンサの数を減らしたり、コンデンサをなくしたりすることができるので、多層回路基板の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による多層回路基板1を備える電子部品モジュール2を示す断面図である。
【図2】図1に示した多層回路基板1を製造する途中の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 多層回路基板
3 第1のガラスセラミック層
4 第2のガラスセラミック層
5 積層体
6 内部導体膜
7 ビアホール導体
8 外部導体膜
13 第1のグリーンシート
14 第2のグリーンシート
16 導電性ペースト
17 導電性ペースト膜
18 生の積層体
Claims (10)
- 主成分として、TiO2 と、Nd2 Ti2 O7 と、SiO2 −B2 O3 −ZnO−アルカリ土類金属酸化物系ガラスとを含み、
前記ガラス中において、前記SiO2 が5〜50モル%、前記B2 O3 が5〜50モル%、前記ZnOが5〜65モル%、および前記アルカリ土類金属酸化物が5〜50モル%それぞれ含まれていて、
前記TiO2 は15〜65重量%含み、かつ前記Nd2 Ti2 O7 は1〜65重量%含まれている、誘電体ガラスセラミック組成物。 - 1000℃以下の温度での焼成により焼結させることが可能である、請求項1に記載の誘電体ガラスセラミック組成物。
- さらに、BaO−TiO2 −ReO3/2 −BiO3 (ただし、Reは希土類元素である。)系セラミック材料を60重量%以下含む、請求項1または2に記載の誘電体ガラスセラミック組成物。
- さらに、(Zr,Sn)TiO4 系セラミック材料を60重量%以下含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の誘電体ガラスセラミック組成物。
- さらに、Zn、Ni、TaおよびCuの少なくとも1種を含む酸化物を15重量%以下含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の誘電体ガラスセラミック組成物。
- さらに、Li2 O−Al2 O3 −SiO2 系酸化物、Al2 O3 −TiO2 系酸化物、2MgO−2Al2 O3 −5SiO2 系酸化物、Li2 O−Al2 O3 −4SiO2 系酸化物、およびBaO−Al2 O3 −2SiO2 系酸化物の少なくとも1種を65重量%以下含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の誘電体ガラスセラミック組成物。
- 積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体と、前記積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板における前記ガラスセラミック層を構成する材料として用いられる、請求項1ないし6のいずれかに記載の誘電体ガラスセラミック組成物。
- 積層された複数のガラスセラミック層からなる積層体と、前記積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板であって、前記ガラスセラミック層が請求項1ないし6のいずれかに記載の誘電体ガラスセラミック組成物の焼結体から構成されている、多層回路基板。
- 比誘電率が10以下で熱膨張係数が7〜8ppmK−1の複数の第1のガラスセラミック層および少なくとも1つの第2のガラスセラミック層が積層された複合構造の積層体と、前記積層体に関連して設けられる配線導体とを備える、多層回路基板であって、前記第2のガラスセラミック層が請求項1ないし6のいずれかに記載の誘電体ガラスセラミック組成物の焼結体から構成されている、多層回路基板。
- 前記配線導体は、導電成分として、金、銀または銅を含む、請求項8または9に記載の多層回路基板。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102659406A (zh) * | 2012-05-23 | 2012-09-12 | 南京工业大学 | 一种Nd2O3-TiO2系微波介质陶瓷及其制备方法 |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003145767A patent/JP2004345914A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102659406A (zh) * | 2012-05-23 | 2012-09-12 | 南京工业大学 | 一种Nd2O3-TiO2系微波介质陶瓷及其制备方法 |
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