JP3901293B2 - 耐食性に優れた焼却炉体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭ごみ,医療廃棄物,食品廃棄物等の塩化物を多量に含有した廃棄物を焼却する焼却炉の焼却炉体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境意識の高揚とともに、都市ごみや産業廃棄物を代表とした焼却処理設備への関心が高まっている。これに伴い焼却処理設備の長寿命化,小型化,多機能化等の要求も高まってきた。
【0003】
焼却処理設備は一般に、焼却炉体,熱交換機,排ガス処理装置を備え、これらは各種ダクトや配管で結ばれている。このうち焼却炉体は、直接燃焼環境に曝され、炉体内部の材料温度は700〜1000℃にもなる。しかも都市ごみや産業廃棄物を燃焼するとNaCl等の塩化物を多量に含んだ高温の焼却灰や排ガスが発生し、それらに接触する炉体材料は特に激しく腐食される。
焼却炉体は主に、炉壁,火格子,およびその付帯部品から構成される。従来、これらの炉体構成部材には炭素鋼にキャスタブルを被覆したものが多く用いられている他、SUS309SやSUS310S等の耐熱ステンレス鋼をそのまま(キャスタブルで被覆せずに)用いている例もある。また、炉壁に水冷帯を設けて炉材温度を下げ、腐食の低減を図る場合も多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、キャスタブルを設けた場合には炉体自体のサイズや重量が大きくなってしまうことが避けられず、また冷却帯を設けた場合には冷却水等のユーティリティーが必要となるので、いずれの場合も焼却炉の設置場所や付帯設備の面で大きな制約を受ける。
【0005】
一方、前述の耐熱ステンレス鋼を炉体材料として使用する場合にも「耐食性」の観点で問題が残る。家庭ごみや産業廃棄物は塩化物を多量に含んでおり、燃焼環境において溶融塩が生成したり、熱分解によって塩化水素ガスが発生したりすることによって焼却炉体は厳しい腐食環境に曝されるからである。つまり、廃棄物の燃焼環境は、高温の塩化物や塩化水素ガスによる激しいアタックを受ける点で、一般的な燃料(重油,軽油,ガソリン,天然ガス等)の燃焼環境や電気ヒーターによる高温環境とは著しく異なるのである。
【0006】
前述の耐熱ステンレス鋼は、一般の高温酸化環境下では表面にCr酸化物を主体とする耐熱性スケールを形成し、これが保護膜となって金属母材がそれ以上高温酸化(腐食)するのを防ぐ。しかし、焼却炉内の燃焼環境下では事情が異なる。高温酸化現象に加え、塩化物溶融塩や塩化水素ガスが腐食を加速させるので、CrやNiを多量に添加した耐熱ステンレス鋼といえども、その表面に生成したCr酸化スケールでは保護作用が不足し、早期に金属材料内部まで腐食が進行してしまうのである。
【0007】
そこで本発明は、キャスタブル被覆や特別な炉体冷却手段に頼ることなく、燃焼雰囲気に直接曝される部位に耐久性の高い金属材料を配設した耐食性に優れた焼却炉体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、質量%で、
C:0.06%以下、
Mn:0.1〜1.5%、
Cr:15〜30%、
Ni:12.5〜30.0%、
Mo:2〜8%、
Si:0.3〜3%、
Al:0.01〜0.3%を含有し、
さらに場合によっては、
Cu:0.2〜1.0%、
N:0〜3%(無添加を含む)、
希土類元素:1種または2種以上合計で0.01〜0.20%を含有し、
S:0.0015%以下であり、
残部がFeおよび不可避的不純物からなるステンレス鋼を用いて炉体内部の燃焼雰囲気に曝される部位を構成し、該ステンレス鋼表面にMoの濃化層を有する酸化スケールを形成した焼却炉体によって達成できる。
【0009】
また、該ステンレス鋼表面に形成した酸化スケール中のMo濃化層は、下記定義に従うMo濃化度が2以上のものである焼却炉体を提供する。
Mo濃化度:ステンレス鋼表面に形成した酸化スケール中のMo濃化層におけるMoの特性X線測定強度と、該ステンレス鋼母材中央部の腐食されていない部分におけるMoの特性X線測定強度の相対比。
Moの特性X線強度は、例えばEPMAによって測定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者らの研究によれば、ステンレス鋼表面にMo濃化層を有する酸化スケールを形成させたとき、そのステンレス鋼は廃棄物処理用の焼却炉における燃焼環境下で非常に優れた耐食性を示すことがわかった。その耐食性向上のメカニズムは必ずしも明らかではないが、本発明者らの調査の結果、Mo濃化層の存在しない酸化スケールを形成した耐熱ステンレス鋼(従来材)では高温塩化物によって金属母材内部まで腐食が進行したのに対し、一定濃度以上のMo濃化層を生成させた特定組成のステンレス鋼においては同一の高温塩化物環境下で腐食の進行が顕著に抑えられたのである。この事実から、Mo濃化層は外部からの塩素の侵入を阻止する作用を呈すると考えることができる。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
【0011】
本発明に係る焼却炉体は、炉体全体をMo濃化層の生成したステンレス鋼で構成したものであっても良いが、各焼却炉の使用状況に応じて、直接燃焼雰囲気に曝される部位であって特に腐食の激しいところに選択的に該ステンレス鋼を適用したものであってもかまわない。選択的に適用した場合であっても、結果的に炉体の寿命を最大限に延ばすことができれば十分だからである。例えば、炉の内壁のうち最も温度の上昇する部分およびその周辺や、火格子に、Mo濃化層を有する酸化スケールを形成させたステンレス鋼を適用すれば、耐久性の高い焼却炉体が構成できる。
【0012】
ステンレス鋼表面にMo濃化層を有する酸化スケールを形成させるためには、母材鋼の合金成分としてMoを含有させる必要がある。また、一般的な耐高温酸化性や、低温(約100℃程度)での基本的な耐食性も十分に確保しなくてはならないので、Cr,Niおよび他の元素の配合バランスも考慮する必要がある。各合金元素の作用について次に説明する。
【0013】
Moはステンレス鋼表面の酸化スケール中にMo濃化層を生成させるために重要な元素である。本発明者らの調査で次のことがわかった。すなわち、鋼中のMo含有量が2質量%未満では酸化スケール中にはMoの濃化がほとんど起こらず、高温塩化物に対する抵抗力は低い。ところがMo含有量が2質量%以上になると酸化スケール中のMo濃化度が急激に高まり、高温塩化物による腐食の加速現象を有効に抑えることができるようになる。Mo含有量が3質量%を超えると非常に高い耐高温塩化物腐食性を示し、Mo含有量が4%以上さらに耐高温塩化物腐食性は向上する。そしてMo含有量が5質量%以上になるとMo濃化度の変化は緩やかになり、それに伴って耐高温塩化物腐食性の向上も緩やかになる。しかし、Mo含有量が8質量%を超えると素材の製造性(熱間加工性等)が劣化し、またMoは高価であるため素材の原料コストも高くなりすぎる。したがって、本発明ではMoを2〜8質量%含有するステンレス鋼を使用する。特に優れた耐高温塩化物腐食性を付与するためには、鋼中のMo含有量は3質量%を超える量、さらに好ましくは4質量%以上の量とするのが良い。
またMoは、燃焼終了後に炉体温度が100℃付近まで低下した際のいわゆる酸露点環境下における鋼の耐食性、特に耐孔食性の向上に非常に有効である。
【0014】
Crは、15質量%以上の含有量を確保しないと焼却炉の燃焼環境で良好な耐高温酸化性を維持できない。しかし、Cr含有量が30質量%を超えると鋼の加工性が劣化するとともに、オーステナイト相を維持するうえで高価なNiを多量に添加する必要が生じる。したがって、Cr含有量は15〜30質量%とした。
【0015】
Niは、上記Crとのバランスにより12.5質量%以上の含有量を確保しないとオーステナイト相を維持することが難しく、焼却炉の燃焼環境で良好な耐高温酸化性が得られない恐れがある。しかし、多量の添加はコスト上昇を招くので上限は30質量%とした。
【0016】
Cは、高温強度の確保およびオーステナイト相の安定化に有効であり、反面、高温で粒界にCr炭化物を生成してその近傍にCr欠乏層を形成し、粒界腐食の原因となる。これらを考慮すると、焼却炉体においてはC含有量は0.06質量%以下とするのが良い。
【0017】
Mnは、脱酸,熱間加工性改善,オーステナイト相安定化のために、0.1質量%以上含有させるが、過剰に添加すると耐高温腐食性が劣化するので上限を1.5質量%とした。
【0018】
Siは、耐応力腐食割れ性,耐高温酸化性の向上に有効であるとともに、塩素による高温腐食を抑制する作用もある。これらの作用を焼却炉体において発揮させるためには0.3質量%以上のSiが必要である。しかし、Siは加工性を劣化させ、過剰に添加すると溶接性をも劣化させる。このため、Si含有量の上限は3質量%とする必要がある。なお、Moを比較的多量に添加する場合には塩素に対する抵抗力が高まるので、その分、Si含有量を減らすことができる。検討の結果、Moを3質量%を超えて添加する場合には、Si含有量が0.6質量%以下でも十分耐久性のある焼却炉体が得られることがわかった。そしてこの場合、Si低減により加工性が改善するので、火格子等、比較的複雑な形状の部材に加工するうえで有利となる。
【0019】
Alは、製鋼での脱酸のために必要であり、また別途希土類元素を添加する場合には希土類元素の酸化を防止してその歩留りを確保するうえでも必要である。そのため、Alは0.01質量%以上含有させるが、多量の添加はAl2O3系介在物を生成して表面疵や加工性劣化の原因となるので、上限を0.3質量%とした。
【0020】
Cuは、焼却炉運転停止後の炉内環境、すなわち塩化物の存在する酸露点環境における耐食性を非常に改善する元素であることがわかった。Cuを0.2質量%以上含有させるとその効果は顕著になり、0.3質量%以上含有させるのがさらに好ましい。したがって、断続的に稼働することが多いような焼却設備に適用する場合には、特にCuの添加は有効である。ただし、過剰のCuは熱間加工性を阻害するので、Cu含有量の上限は1.0質量%とするべきである。
【0021】
Nは、耐高温酸化性や熱間加工性を劣化させることがあるので添加しなくてもよい。しかし、塩化物環境で問題となる孔食を抑制する有利な作用もあるので、添加する場合には、0.3質量%以下の含有量範囲で行う。
【0022】
希土類元素は、熱間加工性,耐高温酸化性の改善に有効である。La,Ce等の希土類元素には、鋼表面に形成される酸化スケールを安定化し、また、金属母材と酸化スケールの密着性を高める作用があると考えられている。このような効果は、希土類元素を合計で0.01質量%以上含有させたときに現れる。しかし、過剰に添加すると加工性や靭性が劣化したり、異常酸化の起点となる介在物が生成しやすくなる。したがって、希土類元素を添加する場合の含有量の上限は0.20質量%に規制した。
【0023】
Sは、耐高温酸化性に有害であり、またオーステナイト粒界に偏析して鋼の熱間加工性を劣化させる。これらを考慮すると、焼却炉体に用いるステンレス鋼ではS含有量を0.0015%以下に抑える必要がある。
【0024】
以上のような成分組成を有するステンレス鋼は、耐食性・加工性・高温強度・耐高温酸化性等において焼却炉体に適した基本的特性を具備するとともに、高温塩化物・塩化水素ガスによる腐食の進行を顕著に抑制する酸化スケール、すなわちMo濃化層を有する酸化スケールを表面に生成する能力を有している点で、焼却炉体に非常に適していると言える。
【0025】
このようなMo濃化層を有する酸化スケールを形成させるには、例えば、本発明で規定する成分組成の鋼を酸素の存在する雰囲気中で約400℃程度に加熱すればよい。したがって、本発明に係る焼却炉体を作るには、炉体組立後に炉の付帯設備であるバーナー等の熱源を利用していわゆる「空だき」を行えばよく、それによって耐高温塩化物腐食性に優れたMo濃化層を有する酸化スケールが形成し、耐食性に優れた焼却炉体ができあがる。ところがさらに良いことに、本発明者らが実際に廃棄物処理用焼却炉の施工に際して試したところ、上記のような空だきを行わずに、炉体組立後直ちに廃棄物を装入して焼却を開始した場合においても、十分に耐久性のあるMo濃化層が生成していたのである。つまり、本発明で規定する成分組成のステンレス鋼を使用する限り、炉体組立後の1回目の焼却処理を実施することにより、耐食性に優れた本発明の焼却炉体を完成させることもできるのである。
【0026】
また、本発明者らが酸化スケール中に濃縮したMoの濃度と高温塩化物・塩化水素ガスに対する抵抗力の関係を調査したところ、先に定義した「Mo濃化度」の値が2以上である酸化スケールを形成することによって廃棄物の燃焼雰囲気に対する抵抗力が有効に得られることがわかった。焼却炉体の曝される高温環境は被処理物の種類や炉の使用状況によってさまざまであるが、Mo濃化度をさらに3.5以上にまで高めた酸化スケールを形成すればプラスチックのように塩素を多く含む廃棄物の処理を主体とする焼却炉体としても非常に効果的な抵抗力を示すようになる。
【0027】
【実施例】
〔実施例1〕
表1に示す化学組成の鋼を溶製し、圧延、焼鈍を繰り返して板厚2mmの試験片を作製した。焼却炉灰を模擬した合成灰(組成:36%NaCl−27%K2SO4−27%CaSO4・2H2O−5%PbCl2−5%ZnCl2(wt%))を調合し、これをアセトン中に分散させたものを試験片表面に均一に塗布した。そして、これら合成灰を塗布した試験片を大気中で400℃×50時間加熱し、加熱後の試験片についてMo濃化度と腐食減量を調べた。
Mo濃化度は、加熱後の試験片の断面をEPMAで分析し、酸化スケール中のMo濃化層におけるMoの特性X線強度と、金属母材中央部の腐食されていない部分におけるMoの特性X線強度の相対比を求め、その値をMo濃化度とした。
腐食減量は、加熱前の試験片重量と、加熱後に酸化スケールを除去した後の試験片重量の差を求め、単位面積当たりの重量減で表した。
【0028】
図1に、その結果を示す。鋼中のMo含有量が2質量%以上になるとMo濃化度は急激に増加し、Mo含有量が3質量%を超えるとMo濃化度は3.5以上の高い値を示すようになる。また、Mo濃化度の増加に伴って腐食減量は低下すること、つまり焼却炉灰に対する抵抗力は強くなることがわかる。
【0029】
〔実施例2〕
表1の鋼A1,A3およびB2を用いて焼却炉体を構成した。これら3種類の鋼を炉体の内壁のうち最も腐食されやすい部位で、ほぼ同一の燃焼環境に曝される箇所に使用した。焼却炉体組立後、直ちに廃棄物を装入して実際の廃棄物焼却処理に利用した。被処理物は食品廃棄物を主体とするものであり、焼却は毎日数時間にわたって実施され、焼却時の炉内温度は800℃を超えることもあった。ただし、夜間、焼却停止後に炉内温度は約100℃まで低下した。焼却灰はNa,K,Ca等の塩化物濃度の高いものであり、その分析値の一例を示すと例えば、質量%で、Cl:6.12%,S:0.38%,Na:6.85%,Ca:4.50%,残部主としてC,N,Oであった。
【0030】
焼却炉体の稼働開始から2ヶ月後に、前記3種類の鋼を使用した炉内壁の部分を切り出し、使用後の鋼板断面をEPMAで分析した。その結果、酸化スケール中のMo濃化度はそれぞれ平均でA1:4.3,A3:6.5,B2:3.1であった。また、表面の酸化スケールを除去した後の板厚を測定して試験前後の重量変化率を計算したところ、図2に示す結果を得た。鋼A1およびA3には酸化スケール中に明らかなMo濃化層が認められ、実機において良好な耐塩化物腐食性を示すことが確かめられた。特にMoを比較的多量に含有し、かつCuを含有する鋼A3は、Si含有量が0.6%未満に抑えられているにもかかわらず非常に良好な耐塩化物腐食性を示していた。
図3には、2ヶ月間焼却炉体に使用した鋼A3における酸化スケールの断面構造をEPMAの分析結果に基づいて模式的に示した。
【0031】
【発明の効果】
本発明の焼却炉体は、燃焼雰囲気に曝される部位に直接、特定組成のステンレス鋼を配設して成るものであり、キャスタブル等の耐火物被覆や水冷帯を設けることなく、塩化物を主体とした溶融塩や塩化水素ガスを発生する廃棄物の焼却燃焼環境において優れた耐食性を示すものである。このため、キャスタブル被覆や水冷帯を設けていた従来の大がかりな焼却炉体に代わる簡便な構造の焼却炉体を提供することができ、廃棄物処理施設の規模の大小や焼却炉体の設置条件(冷却水の供給設備の有無等)による制約も少なくて済む。したがって、本発明の焼却炉体を用いれば、炉体自体のコストおよびその付帯設備のコストを共に低減することができるので、例えば同じ予算で焼却施設を建設するにしても排ガス浄化装置等、環境問題の解決に直結する部分に効率的に投資できるなど、昨今の環境問題の改善にも間接的に寄与することができる。
【0032】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼中のMo含有量と、大気中400℃×50時間の加熱後におけるMo濃化度および腐食減量の関係を表すグラフである。
【図2】焼却炉体の内壁を構成した3種類の鋼について、当該焼却炉体を2ヶ月間毎日稼働した後の重量変化率を比較したグラフである。
【図3】2ヶ月間焼却炉体に使用した鋼A3における酸化スケールの断面構造を模式的に表した図である。
Claims (3)
- 高温塩化物環境となる焼却炉体であって、質量%で、
C:0.06%以下、
Mn:0.1〜1.5%、
Cr:15〜30%、
Ni:12.5〜30.0%、
Mo:2〜8%、
Si:0.3〜3%、
Al:0.01〜0.3%を含有し、
S:0.0015%以下であり、
残部がFeおよび不可避的不純物からなるステンレス鋼を用いて炉体内部の燃焼雰囲気に曝される部位を構成し、該ステンレス鋼表面にMoの濃化層を有する酸化スケールを形成した耐食性に優れた焼却炉体。 - 高温塩化物環境となる焼却炉体であって、質量%で、
C:0.06%以下、
Mn:0.1〜1.5%、
Cr:15〜30%、
Ni:12.5〜30.0%、
Mo:2〜8%、
Si:0.3〜3%、
Al:0.01〜0.3%、
Cu:0.2〜1.0%、
N:0〜0.3%(無添加を含む)、
希土類元素:1種または2種以上合計で0.01〜0.20%を含有し、
S:0.0015%以下であり、
残部がFeおよび不可避的不純物からなるステンレス鋼を用いて炉体内部の燃焼雰囲気に曝される部位を構成し、該ステンレス鋼表面にMoの濃化層を有する酸化スケールを形成した耐食性に優れた焼却炉体。 - 下記定義に従うMo濃化度が2以上である請求項1または2に記載の耐食性に優れた焼却炉体。
Mo濃化度:ステンレス鋼表面に形成した酸化スケール中のMo濃化層におけるMoの特性X線測定強度と、該ステンレス鋼母材中央部の腐食されていない部分におけるMoの特性X線測定強度の相対比。
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