JP3901273B2 - 酢酸含有液体調味料 - Google Patents
酢酸含有液体調味料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3901273B2 JP3901273B2 JP06963297A JP6963297A JP3901273B2 JP 3901273 B2 JP3901273 B2 JP 3901273B2 JP 06963297 A JP06963297 A JP 06963297A JP 6963297 A JP6963297 A JP 6963297A JP 3901273 B2 JP3901273 B2 JP 3901273B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acetic acid
- miso
- containing liquid
- liquid seasoning
- added
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Seasonings (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酢酸含有液体調味料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生野菜サラダをおいしく喫食するために、様々な嗜好にあわせたドレッシングやソース等の酸性液体調味料が市販されている。このような調味料には、通常、醸造酢等の酢酸が含有されており、また隠し味として味醂が時に使用されている。そしてこの味醂を添加した酢酸含有液体調味料に香辛料や旨味成分を添加することにより、香味のある味付けをすることができる。
そこで、従来から生野菜サラダをおいしく喫食するために、味醂の他に香辛料や香味野菜を添加した酢酸含有液体調味料が市販されている。
しかしながら、このような従来の酢酸含有液体調味料は香味は十分であるがコク味が不足しており、その上、容器詰めして6ヶ月以上保存すると酢酸と味醂の成分であるアルコールが反応して酢酸エチルを生成するため、異臭の発生がみられる。またこのコク味不足と長期間保存による異臭の発生という現象は香味野菜を添加してある酢酸含有液体調味料の場合に顕著となる傾向にあることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況に鑑み、本発明、すなわち請求項1から請求項3までに記載した発明は、いずれも、味醂を添加した酢酸含有液体調味料でありながら、コク味があり、しかも長期間保存しても異臭の発生しない新しい酢酸含有液体調味料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記事情に鑑み、種々検討を重ねた結果、味醂にかえて、もろみ味醂を使用することにより、目的が達成できるとの知見を得、この知見に基づいてさらに研究の結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明の構成は、請求項1記載の発明は「もろみ味醂を添加してあることを特徴とする酢酸含有液体調味料」であり、請求項2記載の発明は「香味野菜を添加してあることを特徴とする請求項1記載の酢酸含有液体調味料」であり、請求項3記載の発明は「香味野菜として茗荷、レモングラス、バジルのうちの1種以上を添加してあることを特徴とする請求項2記載の酢酸含有液体調味料」である。
【0006】
以下本発明を詳細に説明する。尚、本発明において「%」はすべて「重量%」を意味する。
本発明において「酢酸含有液体調味料」とは、原料の一つとして食酢を用いた液体調味料をいい、具体的には、ノンオイルタイプのドレッシング、分離タイプドレッシング及び乳化タイプドレッシング等の酸性調味料をいう。
ここで、「酢酸」としては米酢、りんご酢等の酢酸醗酵して得られた醸造酢の他に、アルコールを酢酸醗酵して得られる食酢等が用いられる。
【0007】
さらに、本発明において「もろみ味醂」とは、醗酵によって得られる粗製の味醂を精製する前段階に於いて、米の残査であるもろみを濾過せずに味醂中にもろみを残したままのアルコール醗酵調味料をいう。また「香味野菜」とは、茗荷、レモングラス、バジル、セロリ、しそ、にんにく、生姜、玉ねぎ、ニラ、大根等の調味料に香味を付与することができる野菜をいう。このうち、茗荷、レモングラス、バジルは香味の劣化がしにくく、本発明の調味料の添加物として特に好ましい。
【0008】
本発明のうち請求項1記載の酢酸含有液体調味料は、この液体調味料の原料の中に「もろみ味醂」を添加してあることを特徴とする。ここで、液体調味料とは必須の食酢の他に、清水、しょうゆ等の好みの液体原料に、砂糖、グルタミン酸ナトリウム等の調味料やこしょう、辛子等の香辛料を添加したものをいう。もろみ味醂の添加量は、好みによって差し支えないが、液体調味料に対してもろみの固形分換算で0.5〜2.5%となるようにするのが好ましい。この添加量が少な過ぎると酢酸含有調味料のコク味の改善にならないばかりでなく、製品を長期保存したとき異臭の発生を抑える効果を十分に奏さない。
一方、多過ぎると調味料の全体の調和がくずれよくないものになってしまうばかりでなく、長期保存におけるもろみ臭が強くなる傾向がある。
【0009】
このように、味醂を使用してある酢酸含有液体調味料にもろみ味醂を添加すると、もろみの呈味成分によりコク味が向上し、またこのもろみにより、味醂に含まれるアルコール醸造酢等に含まれる酢酸が反応して酢酸エチルが発生するのが防止されるので、製品を6ヶ月以上の長期保存しても異臭の発生がないものと推察される。
【0010】
このように、もろみ味醂を添加してある酢酸含有液体調味料の中にさらに香味野菜を添加した場合であっても、得られた調味料を容器詰めして長期間保存した場合、もろみが酢酸エチル臭の発生を防止するためか香味野菜の特有の香味を維持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る味醂を添加した酢酸含有液体調味料の実施の形態として、ノンオイルタイプの香味野菜入り酸性調味料(ノンオイルドレッシング)の製造例について説明する。
まず、ドレッシングの製造の常法にしたがい、醸造酢、しょうゆ等の液状原料に食塩、砂糖等の調味料、キサンタンガム、カラギーナン等の増粘多糖類等の粉体原料を混合し、均一にする。次にこの粉体原料にもろみ味醂を添加する。尚、このもろみ味醂をあらかじめ液体原料に添加しておいてもよいし、また予めこの味醂を濾過して得た味醂を液体原料に、もろみ成分を粉体原料に添加してもよい。次に、常法により、又は好みの製法・配合によって製した香味野菜を用意する。尚、この香味野菜は一般にサイレント式カッターやコミットロール等で数mm以下に破砕する。香味野菜はカットしたサイズの大きさと2種以上の組合せにより、調和のとれた嗜好に合わせた複合的な香味豊かな組合せをつくることができる。得られた香味野菜を上記粉体原料を添加した液体原料に混合し、均一にする。
最後に上記混合物を瓶や合成樹脂容器に充填・密封すれば、目的の製品を仕上げることができる。得られた製品は食酢等の防腐作用により常温で流通させることができる。
【0012】
【試験例】
試験例1
試験方法
下記の表1に示した配合割合の原料から常法によりノンオイルドレッシングを調整した。
尚、この際もろみ味醂から濾別した後、乾燥した粉末もろみの配合割合を0(従来の市販品)、0.1、0.4、0.5、1.0、1.5、2.5、2.6、3.0および5.0(%)と変え、合計10種類のサンプルを製した。
【0013】
【表1】
【0014】
こうして得られたサンプルをそれぞれ容器詰めとし、室温で試作直後1ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月保存した後、異臭の発生とコク味の変化をそれぞれ観察した。
味醂を添加した酢酸含有液体調味料の試験方法は次のとおりである。
異臭とコク味は10人のパネラーによる官能試験を行った。評価は5段階評価とし、10人の平均スコアーを求めた。
試験結果を表2に示した。
【0015】
【表2】
【0016】
上記表の結果より、本発明のもろみ味醂を添加した酢酸含有液体調味料は比較品(従来の市販品)に比べて長期間保存しても異臭の発生がなく、又、コク味が改善されていることが理解できる。
【0017】
試験例2
試験方法
試験例1においてもろみ成分の配合割合が0(従来の市販品)、0.5、2.5(%)としたノンオイルドレッシングにおいて、香味野菜(茗荷とレモングラスの比率を1対1としたもの)の添加の割合を0、5、9、10、15、20、21、25および30(%)と変え、合計9種類のサンプルを製した。
【0018】
そして、このサンプルをそれぞれ容器詰めし、室温で12ヶ月保存した後、異臭の発生とコク味の変化をそれぞれ観察した。
試験結果を表3に示した。
【0019】
【表3】
【0020】
上記表の結果より、本発明の香味野菜入り味醂添加酢酸含有液体調味料はもろみ味醂を添加していないサンプル(従来の市販品)に比べて長期間保存しても異臭の発生がなく、しかもコク味が改善された液体調味料となることが理解できる。また香味野菜の添加量が10%ないし20%である場合には特にコク味がある液体調味料であることが理解できる。
【0021】
【実施例】
実施例1
下記の表4に示した配合割合の原料から常法により分離タイプドレッシングを調整した。尚、香味野菜の生姜は1mm前後のみじん切りにして使用した。
【0022】
【表4】
【0023】
こうして得られたドレッシングを容器詰めし、常温流通とした。
【0024】
実施例2
下記の表5に示した配合割合の原料から常法により乳化タイプドレッシングを調整した。尚、香味野菜のバジルは数mmの大きさにみじん切りしたものを使用した。
【0025】
【表5】
【0026】
こうして得られたドレッシングを容器詰めし、常温流通品とした。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1から請求項3に記載した本発明は、いずれもコク味があるばかりでなく、容器詰めして6ヶ月以上常温流通しても異臭が生じない新しい酢酸含有液体調味料を提供することができる。
Claims (3)
- もろみ味醂を添加してあることを特徴とする酢酸含有液体調味料。
- 香味野菜を添加してあることを特徴とする請求項1記載の酢酸含有液体調味料
- 香味野菜として茗荷、レモングラス、バジルのうちの1種以上を添加してあることを特徴とする請求項2記載の酢酸含有液体調味料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06963297A JP3901273B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 酢酸含有液体調味料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06963297A JP3901273B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 酢酸含有液体調味料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10262604A JPH10262604A (ja) | 1998-10-06 |
JP3901273B2 true JP3901273B2 (ja) | 2007-04-04 |
Family
ID=13408442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06963297A Expired - Fee Related JP3901273B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 酢酸含有液体調味料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3901273B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4614541B2 (ja) | 1999-04-16 | 2011-01-19 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | スクラロース含有組成物及び該組成物を含む可食性製品 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS572655A (en) * | 1980-06-06 | 1982-01-08 | Chiyouzou Odaka | Production of seasoning mainly consisting of vinegar and soysauce |
JPS5955163A (ja) * | 1982-09-21 | 1984-03-30 | Higeta Shoyu Kk | 食酢含有酸性液体調味料 |
JPS62282567A (ja) * | 1986-05-30 | 1987-12-08 | Kikkoman Corp | 味淋類の製造法 |
JP2950745B2 (ja) * | 1995-02-13 | 1999-09-20 | ハウス食品株式会社 | レモン風味を有する液体調味料 |
-
1997
- 1997-03-24 JP JP06963297A patent/JP3901273B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10262604A (ja) | 1998-10-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TW542701B (en) | Process for producing dry instant soups and sauces | |
JPWO2005120253A1 (ja) | 液状調味料及びその製造方法 | |
CN108968002B (zh) | 一种卤肉味膏状香精及其制备方法 | |
JPWO2017065240A1 (ja) | マヨネーズ様調味料 | |
JP3901273B2 (ja) | 酢酸含有液体調味料 | |
JPH0476662B2 (ja) | ||
JP4107867B2 (ja) | 包材入り柑橘調味料 | |
JP6037451B2 (ja) | 味噌調味材、これを使用した調味ソース、及びこれらの製造方法 | |
JP4868634B2 (ja) | 酸性液体調味料 | |
KR100384524B1 (ko) | 햄버거용 소스와 그 제조방법 | |
KR102157292B1 (ko) | 황태구이용 양념장의 제조방법 및 이를 이용한 황태양념구이 | |
JP6895183B2 (ja) | たれの製造方法 | |
JP3443403B2 (ja) | 酸性調味料 | |
JPS6423B2 (ja) | ||
CN101564143A (zh) | 一种调料及其制备方法 | |
KR20170109343A (ko) | 매운 맛 소스 및 이의 제조방법 | |
JP2005102704A (ja) | 液状調味料及びその製造方法 | |
JP2747799B2 (ja) | 液状調味料 | |
JP3671968B2 (ja) | 液状調味料及びその製造方法 | |
JP2015000009A (ja) | 味噌調味材及びその製造方法、並びに調味ソース及びその製造方法 | |
JP3449959B2 (ja) | 調味マスタードの製造方法 | |
JP6975436B2 (ja) | 酢酸含有調味液 | |
JPH05227917A (ja) | ペースト状カレールー | |
KR20190011498A (ko) | 어류 조림용 양념장 제조방법 | |
JPS603459B2 (ja) | 調味料の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050427 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050510 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061226 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061226 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |