JP3900820B2 - ガス透過調整可能な包装容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内に収容した内容物から発生するガスを外部に放出し、容器の膨張や破損を防止することができるガス透過調整可能な包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
味噌、納豆、キムチ等の発酵食品や、焙煎コーヒー豆、焙煎コーヒー粉末等は、保存中に炭酸ガスを発生することが知られている。そして、この炭酸ガスがこれらの内容物を収容したパウチや缶等の包装容器を膨張させて、容器の変形や破損を招くとともに、容器内に収容した内容物を劣化させ味覚変化や変色等を生じることが知られている。
このような炭酸ガス等の内部発生ガスによる容器の膨張や変形を防止する方法としては、(1)パウチ本体や容器の蓋材に特殊な弁を設け、内部発生ガスを放出するとともに酸素や水分の侵入を防止する、(2)容器内に炭酸ガス等を吸収するガス吸収剤を収納する、(3)金属缶にコーヒー豆等を充填後、高真空下で巻締め密封する、等が提案されている。
【0003】
しかしながら、(1)の方法では高価で特殊な弁を容器に取り付けるために大規模な包装設備を必要とし、コストが大幅に上昇する。また、(2)の方法では、内容物である食品と同封するために、ガス吸収剤の誤食を招くおそれがあり、コストも上昇する。そして、(3)の方法では、高真空とするために強度の高い容器を使用する必要があり、コストが上昇するとともに、高真空とする際にフレーバーが除去されコーヒー等の香りが弱くなる等の問題があった。
【0004】
【発明が解消しようとする課題】
本発明は、これら従来技術の問題点を解消し、特殊な弁やガス吸収剤を使用せずに、安価な包材の組み合わせで、容器内に収容した内容物から発生するガスを容器外に排出するとともに、内容物の変質を防止することのできるガス透過調整可能な包装容器を低コストで提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の包装容器では、上記課題を解決するために、つぎのような構成を採用する。
1.包装容器の少なくとも一部を、ガスバリヤー層からなる外層、ガス透過層からなる中間層、酸素吸収層及びヒートシール性樹脂層からなる内層を順次積層した積層フイルムにより構成し、該積層フイルムの端縁部をヒートシールしたことを特徴とするガス透過調整可能な包装容器。
2.酸素吸収層が酸素吸収剤を含有する熱可塑性樹脂により構成したものであることを特徴とする1に記載のガス透過調整可能な包装容器。
3.酸素吸収層が酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂により構成したものであることを特徴とするに記載のガス透過調整可能な包装容器。
4.包装容器がパウチであり、パウチを構成する表面材及び裏面材を積層フイルムにより構成したことを特徴とする1〜3のいずれかに記載のガス透過調整可能な包装容器。
5.包装容器が容器本体と蓋材からなるものであり、蓋材を積層フイルムにより構成し蓋材の端縁部を容器本体にヒートシールしたことを特徴とする1〜3のいずれかに記載のガス透過調整可能な包装容器。
6.貯蔵中に炭酸ガスを発生する内容物を収容したことを特徴とする1〜5のいずれかに記載のガス透過調整可能な包装容器。
7.さらに酸素吸収剤を収容したことを特徴とするに記載のガス透過調整可能な包装容器。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明をパウチに適用した1例を示す図であり、図1はパウチの平面図、また図2は図1のA−A線における断面の模式拡大図である。
このパウチ1は、パウチの表面材及び裏面材をガスバリヤー層からなる外層2とヒートシール性を有するガス透過層からなる内層3を積層した積層フイルムにより構成し、パウチの端縁部4をヒートシールしたものである。このパウチでは、パウチ内に収容した内容物から発生したガスは、図2に矢印で示したように、ヒートシール部4の両側のガス透過層3を透過して外部に排出される。
【0007】
積層フイルムの外層となるガスバリヤー層を構成する材料としては、ガスを完全に遮断するか、又はガス透過度のきわめて小さい材料が使用される。このような材料としては、例えばアルミニウム箔、スチール箔等の金属箔や、各種のガスバリヤー性プラスチック、蒸着フイルムもしくはこれらの複合材料等が挙げられる。
ガスバリヤー性プラスチックとしては、公知のものは全て使用することができ、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂等が挙げられるが、焼却処分時に有害ガスを発生するおそれのない塩素を含まない樹脂を使用することが好ましい。
【0008】
特に好ましいガスバリヤー性樹脂としては、エチレン含有量が20〜60モル%、特に25〜50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が挙げられる。
他の好ましいガスバリヤー性樹脂としては、炭素数100個当たりのアミド基の数が5〜50個、特に6〜20個の範囲にあるポリアミド類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド(MXD6)、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13等が挙げられる。
【0009】
積層フイルムの内層となるヒートシール性を有するガス透過層を構成する材料としては、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂から構成された不織布や、通気性を有する発泡体シート等が挙げられる。
このような不織布や、発泡体シートを構成するヒートシール性を有する樹脂としては特に制限はなく、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ナイロン6、ナイロン66、パラまたはメタキシリレンアジパミドの如きポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0010】
特に好ましい材料としては、例えば低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂、比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂、ポリエステル乃至コポリエステル樹脂等が使用される。
不織布や発泡体シートは、これらの材料を使用して、常法によって製造することができる。
【0011】
この例では、パウチ1の表面材及び裏面材を共にガスバリヤー層2とヒートシール性を有するガス透過層3を積層した積層フイルムにより構成したが、パウチの片面のみをこのような積層フイルムで構成し、パウチの他面をガス透過層を有さないフイルムによって構成するようにしてもよい。
また、パウチの形状は任意に選択することができ、平パウチのほかに、スタンディングパウチ、ガゼットパウチ、ピローパウチ等とすることができる。
【0012】
図3及び図4は、本発明をカップ又はトレー状の容器に適用した1例を示す図であり、図3は容器の平面図、また図4は容器の側面図である。
この容器11は、ガスバリヤー層からなる外層12とヒートシール性を有するガス透過層からなる内層13を積層した積層フイルムにより構成された蓋材15と、ガスバリヤー性を有する材料により構成された容器本体16を、容器本体のフランジ部17でヒートシールしたものである。この容器では、容器内に収容した内容物から発生したガスは、図4に矢印で示したように、ヒートシール部14の蓋材のガス透過層13を透過して外部に排出される。
容器本体16を構成する材料としては、蓋材15の内層13とヒートシール可能であり、ガスバリヤー性を有する材料であれば特に制限はなく、蓋材の外層を構成する材料として例示したガスバリヤー性プラスチックや金属、あるいはこれらの複合体等が使用される。
【0013】
図5は本発明をパウチに適用した他の例を示す図であり、パウチのヒートシール部の断面模式拡大図である。
このパウチ1では、パウチの表面材及び裏面材を構成する包材として、ガスバリヤー層からなる外層2、ガス透過層からなる中間層5及びヒートシール性樹脂層からなる内層6を積層した積層フイルムを使用し、包材の端縁部をヒートシールしたものである。このパウチでは、パウチ内に収容した内容物から発生したガスは、図5に矢印で示したように、ヒートシール部4の両側の内層6及びガス透過層からなる中間層5を透過して外部に排出される。
【0014】
この例では、積層フイルムを3層構成とし、中間層5としてガス透過層、内層6としてヒートシール性樹脂層を設けたので、中間層5を構成する材料としては、図1及び図2のパウチで例示したヒートシール性を有する熱可塑性樹脂により構成された不織布や発泡体シート等に加えて、ヒートシール性を有さない熱可塑性樹脂により構成された不織布や発泡体シート、和紙、洋紙、合成紙等を使用することができる。また、内層6を構成するヒートシール性樹脂としては、先に例示したヒートシール性を有する熱可塑性樹脂を使用することができる。
この積層フイルムとしては、中間層5としてガスバリヤー性が全くないか、又はガス透過性のきわめて大きいフイルムを使用し、内層6としては、ガスバリヤー性の低いヒートシール性樹脂を使用することが好ましい。積層フイルムを構成する各層間には、必要に応じてエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂等からなるアンカー剤層を介在させることができる。この積層フイルムでは、内層6を構成するヒートシール性樹脂の種類や厚さを選択することによって、ガス透過量を所望の範囲に調整することが可能となる。
【0015】
図6は本発明をパウチに適用した他の例を示す図であり、パウチのヒートシール部の断面模式拡大図である。
このパウチ1では、パウチの表面剤及び裏面材を構成する包材として、図5のパウチで使用した積層フイルムの、ガス透過層からなる中間層5とヒートシール性樹脂層からなる内層6の間に、酸素吸収層7を設けた積層フイルムを使用し、包材の端縁部をヒートシールしたものである。このパウチでは、パウチ内に収容した内容物から発生したガスは、図6に矢印で示したように、ヒートシール部4の両側の内層6、酸素吸収層7及びガス透過層からなる中間層5を透過して外部に排出される。
【0016】
このパウチではガス透過層からなる中間層5の内側に酸素吸収層7を設けることによって、パウチ外から中間層5を透過してパウチ内に侵入する酸素を吸収し、パウチ内に収容した内容物が酸素により変質するのを防止して、内容物の保存性を大幅に向上させることが可能となる。
この酸素吸収層7は、(1)酸素吸収性を有する又は有しない熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤を配合した樹脂組成物、もしくは(2)樹脂自体が酸素吸収性を有する樹脂を使用することによって構成することができる。
酸素吸収性樹脂組成物(1)を構成する熱可塑性樹脂として、樹脂自体が酸素吸収性又はガスバリヤー性を有するものを使用した場合は、酸素吸収剤による酸素吸収効果との組合せにより、容器内部への酸素の侵入を効果的に防止することができるので好ましい。
【0017】
樹脂自体が酸素吸収性を有するものとしては、例えば、樹脂の酸化反応を利用したものが挙げられる。酸化性の有機材料、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリプロピレン、エチレン一酸化炭素共重合体、6−ナイロン、12−ナイロン、メタキシリレンジアミン(MX)ナイロンのようなポリアミド類、に酸化触媒としてコバルト、ロジウム、銅等の遷移金属を含む有機酸塩類や、ベンゾフェノン、アセトフェノン、クロロケトン類のような光増感剤を加えたものが使用できる。これらの酸素吸収材料を使用した場合は、紫外線、電子線のような高エネルギー線を照射することによって、一層の効果を発現させることも出来る。
【0018】
酸素吸収性樹脂組成物(1)を構成する熱可塑性樹脂としては、内容物から発生したガスをパウチ外に排出するために、ガスバリヤー性の低い熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
好ましい熱可塑性樹脂としては、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)或いはこれらのブレンド物等のオレフィン系樹脂を挙げることができ、更にポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ABS樹脂等のポリスチレン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステルやポリカーボネート等が挙げられる。これらはいずれも単独で、又は他の樹脂とのブレンド物として使用することができる。
【0019】
これらの熱可塑性樹脂中に配合する酸素吸収剤としては、従来この種の用途に使用されている酸素吸収剤は全て使用できるが、一般には還元性でしかも実質上水に不溶なものが好ましく、その適当な例としては、還元性を有する金属粉、例えば還元性鉄、還元性亜鉛、還元性錫粉;金属低位酸化物、例えばFeO、Fe;還元性金属化合物、例えば炭化鉄、ケイ素鉄、鉄カルボニル、水酸化第一鉄等の一種又は二種以上を組み合わせたものを主成分としたものが挙げられ、これらは必要に応じて、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第三リン酸塩、第二リン酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物、更に活性炭、活性アルミナ、活性白土のような助剤とも組み合わせて使用することができる。或いは多価フェノールを骨格内に有する高分子化合物、例えば多価フェノール含有フェノール・アルデヒド樹脂、α−トコフェロール、或いはアスコルビン酸及びその塩等が挙げられる。これらの酸素吸収剤は、透明あるいは半透明性を確保するために、一般に平均粒径10μm以下、特に5μm以下の粒径を有することが好ましい。また、上記の樹脂自体が酸素吸収性を有する樹脂を酸素吸収剤として熱可塑性樹脂中に配合してもよい。
このパウチを構成する積層フイルムでは、内層6を構成するヒートシール性樹脂、及び/又は酸素吸収層7を構成する樹脂の種類や厚さを選択することによって、ガス透過量を所望の範囲に調整することが可能となる。
【0020】
図5及び図6に示した例では、3層又は4層構成を有する積層フイルムにより、パウチの表面材及び裏面材を構成した例について説明したが、パウチの片面のみをこのような積層フイルムで構成し、パウチの他面をガス透過性を有さないフイルムによって構成してもよい。使用する積層フイルムとして、印刷適性を改善するための表面層等、上記で説明した層以外の層を有する積層フイルムを使用できることは言うまでもない。
また、これらの積層フイルムを使用して蓋材を構成し、図3及び図4に示した例と同様にして、容器本体と蓋材からなる包装容器を製造することもできる。このような容器の寸法や形状は、例えば、缶、トレー、カップ等任意に選択することができる。
【0021】
本発明では、上記のような構成をとることによって、容器内に収容した内容物から発生するガスを、容器のヒートシール部に設けたガス透過層から容器外に排出し、ガス透過調整可能な包装容器を構成したものである。
容器内で発生するガスが炭酸ガスである場合には、大気中に含まれる炭酸ガスの量(分圧)はきわめて微量であるために、容器内に発生した炭酸ガスは容器外の大気中の炭酸ガスの分圧と平衡状態になろうとして、容器外に排出される。これに対して、容器外からヒートシール部のガス透過層を通過して酸素が侵入しようとするが、その量は相対的に微量であるため、侵入した酸素による内容物の変質は低く抑えることができる。
【0022】
特に、図6で示した例にみられるように、ガス透過層の内側に酸素吸収層を設けた場合には、容器のヒートシール部におけるガス透過層から容器内に侵入しようとする酸素をこの酸素吸収層で吸収し、内容物が酸素により変質するのを防止して、内容物の保存性を大幅に向上させることが可能となる。
また、容器内に侵入した酸素による内容物の変質を防止するために、酸素吸収剤を容器内に収容してもよいことは、言うまでもない。
【0023】
【実施例】
つぎに、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
外層から順に、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)/厚さ7μmのアルミニウム箔/厚さ40μmの紙(目付36g/m)/厚さ70μmのポリエチレン(PE)を積層した積層フイルムを表面材及び裏面材として使用し、周縁部のシール幅が5mmで内容量が1kgの三方シール平パウチを製造した。
このパウチ内に、焙煎レギュラーコーヒー豆1kgを大気圧下で充填、密封後保存した。
【0024】
(実施例2)
実施例1のパウチ内部に、さらに鉄系脱酸素剤1袋(酸素吸収量30ml/袋)を収容したほかは、実施例1と同様にしてコーヒー豆を充填し、大気圧下で密封後保存した。
【0025】
(比較例1)
外層から順に、厚さ12μmのPET/厚さ15μmのポリアミド(PA)/厚さ7μmのアルミニウム箔/厚さ70μmのPEを積層した積層フイルムを表面材及び裏面材として使用し、周縁部のシール幅が5mmで内容量が1kgの三方シール平パウチを製造した。
このパウチ内に、焙煎レギュラーコーヒー豆1kgを高真空下で充填、密封後保存した。
【0026】
(比較例2)
比較例1で得られたパウチ内に、焙煎レギュラーコーヒー豆1kgを大気圧下で充填、密封後保存した。
【0027】
上記実施例1、2及び比較例1、2において、22℃、60%RHで保存中のコーヒーの品質変化と容器の外観の変化を次のようにして評価し、その結果を表1に示した。
(コーヒーの香りの評価)
保存中のコーヒーの香りについてパネラーによる官能評価により、フレーバーを10点(非常に良好)〜0点(非常に不良)まで段階評価した。
【0028】
(容器外観の評価)
容器の外観の変化を観察し、次の5段階で評価した。
◎ :容器膨張無し
○ :容器膨張わずかに有り
△ :容器膨張有り
× :容器膨張大
××:容器膨張著しく一部破損
【0029】
【表1】
Figure 0003900820
【0030】
実施例1では、密封直後におけるフレーバーの変化は全くなかったが、パウチ内に残存する酸素及びシール部から透過する酸素によってコーヒー豆が酸化し、保存中に徐々にフレーバーが低下したが、容器の膨張は全く生じなかった。パウチ内に脱酸素剤を収容した実施例2では、密封直後におけるフレーバーの変化は全くなく、パウチ内の酸素は脱酸素剤が吸収するため保存中のフレーバーの低下は殆どみられず、12ヶ月保存後においても比較例1(従来品)の密封直後よりも良好なフレーバーを保持していた。また、容器の膨張も全く生じなかった。
これに対して、比較例1では高真空下で密封する際にフレーバーが逃げて密封直後でも品質が低下した。また、比較例2では、パウチ内に残存する酸素によってコーヒー豆が酸化し、保存中にフレーバーが低下するとともに、コーヒー豆から発生する炭酸ガスにより容器が膨張し、実用に適さないものであった。
【0031】
(実施例3)
無添加味噌(残存酵母数10 /g)1Kgを、図4の形状を有するガスバリヤー性のカップに充填し、蓋材として、外層から順に、厚さ12μmのPET/厚さ7μmのアルミニウム箔/厚さ40μmの紙(目付36g/m)/厚さ70μmのPEを積層した積層フイルムを使用して、密封後、22℃、60%RHで保存した。
【0032】
(実施例4)
蓋材として、外層から順に、厚さ12μmのPET/厚さ7μmのアルミニウム箔/厚さ40μmの紙(目付36g/m)/厚さ70μmで30重量%の鉄系脱酸素剤を含有するPP/厚さ70μmのPEを積層した積層フイルムを使用したほかは、実施例3と同様にして無添加味噌1kgをカップに充填し、同様に保存した。
【0033】
(比較例3)
蓋材として、外層から順に、厚さ12μmのPET/厚さ15μmのポリアミド(PA)/厚さ7μmのアルミニウム箔/厚さ70μmのPEを積層した積層フイルムを使用したほかは、実施例3と同様にして無添加味噌1kgをカップに充填し、同様に保存した。
実施例3及び4、ならびに比較例3で得られたカップの保存中の外観の変化を、表1と同様にして評価した結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
Figure 0003900820
【0035】
実施例3及び4のカップでは、12ヶ月保存後にも容器の外観に変化はなく、良好な密封状態を維持していた。また、実施例4のカップでは、12ヶ月保存後にも味噌の色調の変化は少なかった。
これに対して、従来の蓋材を使用した比較例3のカップでは、容器の膨張が著しく、保存2ヶ月後に蓋材とカップ本体が一部分離し、シール不良となり、著しく褐変する結果を示した。。
【0036】
【発明の効果】
上記の構成をとることによって、本発明では、特殊な弁やガス吸収剤を使用せずに、安価な包材の組み合わせで、容器内に収容した内容物から発生するガスを容器外に排出するとともに、内容物の変質を防止することのできるガス透過調整可能な包装容器を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をパウチに適用した1例を示す図である。
【図2】図1の断面の模式拡大図である。
【図3】本発明をカップ又はトレー状の容器に適用した1例を示す図である。
【図4】図3の容器の側面図である。
【図5】本発明をパウチに適用した他の例を示す図である。
【図6】本発明をパウチに適用した他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 パウチ
2、12 ガスバリヤー層からなる外層
3、13 ヒートシール性を有するガス透過層(内層)
4、14 ヒートシール部
5 ガス透過層からなる中間層
6 ヒートシール性樹脂からなる内層
7 酸素吸収層
11 容器
15 蓋材
16 容器本体
17 フランジ部

Claims (7)

  1. 包装容器の少なくとも一部を、ガスバリヤー層からなる外層、ガス透過層からなる中間層、酸素吸収層及びヒートシール性樹脂層からなる内層を順次積層した積層フイルムにより構成し、該積層フイルムの端縁部をヒートシールしたことを特徴とするガス透過調整可能な包装容器。
  2. 酸素吸収層が酸素吸収剤を含有する熱可塑性樹脂により構成したものであることを特徴とする請求項1に記載のガス透過調整可能な包装容器。
  3. 酸素吸収層が酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂により構成したものであることを特徴とする請求項に記載のガス透過調整可能な包装容器。
  4. 包装容器がパウチであり、パウチを構成する表面材及び裏面材を積層フイルムにより構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス透過調整可能な包装容器。
  5. 包装容器が容器本体と蓋材からなるものであり、蓋材を積層フイルムにより構成し蓋材の端縁部を容器本体にヒートシールしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス透過調整可能な包装容器。
  6. 貯蔵中に炭酸ガスを発生する内容物を収容したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガス透過調整可能な包装容器。
  7. さらに酸素吸収剤を収容したことを特徴とする請求項に記載のガス透過調整可能な包装容器。
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