JP3897543B2 - 樹脂用表面処理無機フィラー及びこれを配合した樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種樹脂、特に合成樹脂に配合して、極めて分散性に優れた表面処理無機フィラーに関するもので、例えばプラスチックに配合して強度劣化を起こすような凝集物を生じにくく、また例えばフィルム用樹脂に配合して成形後のフィルムに視認できるほど大きな凝集物の発生が少なく、さらに例えばシーラントに配合してその引張強度のバラツキが少ないなどの、優れた分散性に起因する特徴を備えた樹脂組成物を提供できる樹脂用表面処理無機フィラー、及び該フィラーを配合してなる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ゴムや合成樹脂には熱安定性、耐摩耗性、剛性、耐衝撃性やチクソ性付与など様々な目的で無機フィラーが配合されている。無機フィラーが配合された樹脂製品が所期の性能を発揮するためには、樹脂中で無機フィラーを十分に分散せしめる必要がある。このために混練機械や混練条件に様々な改善、改良が加えられる一方、無機フィラー側でも樹脂への分散性を改善するために様々な表面処理剤並びに表面処理方法が検討されてきた。
【0003】
例えば、合成樹脂をフィルム化して、さらに延伸し樹脂と無機フィラーとの力学的性質の違いを利用して樹脂とフィラーとの界面に空隙を形成させる手法で製造される多孔質フィルムは、合成紙、衛生材料、医療用材料、建築用材料、農業用透気性シート、電池セパレーター等の多種多様な用途に向けて研究開発がなされ、一部実用化されている。しかし、さらなる高機能を発揮するフィルムを得るには、フィルム中に形成される空隙の大きさのバラツキが少なく、かつ、空隙のフィルム面内における分布が一様な多孔質フィルムとする必要がある。このためには、フィルム用樹脂組成物中での微細な無機フィラーの均一な分散が必須である。
【0004】
また、塩化ビニルやポリオレフィン系、あるいはポリエステル系のフィルムからなるPOPポスターや電飾フィルムには、寸法安定性、印刷適性、スリップ性の付与を目的として炭酸カルシウムやシリカ等の無機フィラーが配合されるが、これらがフィルム中で十分に分散されず凝集物で残っていると、フィルムの美観を損ない、また凝集物の部分はフィルム強度が低くなるので、たとえフィルム化できても破損しやすくなる。
また、例えばシーラントでは、構造物への接着性と構造物の変形に対して適度に追随できる柔軟性と強度のバランスが重要であるが、配合される無機フィラーが十分に分散されないと期待される柔軟性と強度のバランスがとれないばかりか、シーラント表面に現れた凝集物のため外観も不良となる。接着剤でも同様に、無機フィラーが凝集状態で配合されていると接着強度にバラツキが生じ問題となる。
さらに塗料やインクでは、配合される無機物が十分に分散されないと、凝集物として貯蔵中や使用前に沈降して貯蔵安定性不良となり、作業性への支障となったり、塗装面の平滑性の欠如による艶むらや透明感不足等の外観不良や発色性阻害の原因となる。
【0005】
以上のように、樹脂中に無機フィラーを均一に分散させることは極めて重要であるが、分散を機械力のみに頼ると、たとえある程度は分散できても生産コストが増大したり樹脂の劣化を引き起こしたり、さらには樹脂分解によるガスや粉塵の発生により作業環境が劣悪になる危険性がある。また、プレブレンダーにヘンシェルタイプのミキサーを使用して樹脂と無機フィラーを長時間攪拌混合すると、ジャケット冷却していても、ミキサー内部の壁面や攪拌羽根に樹脂あるいはフィラーに添加された表面処理剤とフィラーとが焦げつき、これが剥がれて凝集物となって混練押出工程に紛れ込み押出機のダイの内部に取り付けたストレーナーを目詰まりさせる原因となる。フィルム用途では、メッシュの細かいストレーナーが用いられるので、特に目詰まりを起こしやすい。ストレーナーの交換は人手を必要とするばかりでなく、樹脂のロス、時間のロスなど多大なコストアップの原因となる。
【0006】
無機フィラーには、特にその分散性を改善させるために、いわゆるシランカップリング剤等のカップリング剤、高級脂肪酸や樹脂酸、及びその塩、またはエステル等の表面処理剤が検討され、それなりの成果が得られている。しかしながら、上記の合成樹脂フィルムをはじめとするプラスチック、シーラント、接着剤、塗料、インク等の用途に、特に平均粒径が数μm 以下、あるいは比表面積で言えば比表面積が数m2/gを上回るような微細な無機フィラーを配合するには、これまで提案されてきた表面処理フィラーでは十分満足できる分散性を示すとはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、優れた分散性を保持する樹脂用表面処理無機フィラーを提供するとともに、該表面処理無機フィラーを用いることにより上記した問題点を解消し、例えば、目視できる寸法の欠陥が極めて少ないフィルムとなる合成樹脂組成物を提供したり、柔軟性と強度とのバランスの良いシーラントとなる樹脂組成物、あるいは接着強度の安定した接着剤となる樹脂組成物、あるいはまた貯蔵安定性に優れ塗装や印刷後の外観に優れた塗料用やインキ用樹脂組成物を提供し、更に、無機物が極めて良く分散した機械的強度や外観の良好な成形品を与える無機物配合樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決のため鋭意検討した結果、無機粒子に表面処理するに際し、特定の界面活性剤と、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する特定の化合物とを表面処理剤として併用することにより、樹脂に対して極めて分散性の優れた樹脂用表面処理無機フィラーが得られること、及び該フィラーは樹脂への分散操作が容易であること、さらに、該フィラーを配合した樹脂組成物が、例えば樹脂がフィルム用途である場合は無機微粒子が良く分散しフィルム中に凝集物の発生しにくいフィルムが得られる等、上記課題が解決されることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の請求項1は、無機粒子が、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、脂環族カルボン酸塩、樹脂酸塩から選ばれる少なくとも1種からなる界面活性剤(A)と、アミノカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤、アルミニウム化合物、多価カルボン酸、その塩、リン酸類、その塩から選ばれる少なくとも1種からなる、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とで表面処理されたことを特徴とする樹脂用表面処理無機フィラーを内容とする。
【0011】
本発明の請求項2は、縮合リン酸が、環状縮合リン酸又はメタリン酸である請求項1記載の樹脂用表面処理無機フィラーを内容とする。
【0013】
本発明の請求項3は、界面活性剤(A)が、C数16以上の直鎖脂肪酸を50重量%以上90重量%以下含む脂肪酸組成からなるアルカリ金属塩である請求項1記載の樹脂用表面処理無機フィラーを内容とする。
【0014】
本発明の請求項4は、界面活性剤(A)が、C数18の直鎖脂肪酸を50重量%以上90重量%以下含む脂肪酸組成からなるアルカリ金属塩である請求項1記載の樹脂用表面処理無機フィラーを内容とする。
【0015】
本発明の請求項5は、脂肪酸組成中にC数10〜14の直鎖脂肪酸を1重量%以上50重量%以下含む請求項4記載の樹脂用表面処理無機フィラーを内容とする。
【0016】
本発明の請求項6は、不飽和脂肪酸を20重量%以下含む請求項3〜5のいずれか1項に記載の樹脂用表面処理無機フィラーを内容とする。
【0018】
本発明の請求項7は、樹脂中に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面処理無機フィラーを配合してなることを特徴とする樹脂組成物を内容とする。
【0019】
本発明の請求項8は、樹脂が成形用樹脂である請求項7記載の樹脂組成物を内容とする。
【0020】
本発明の請求項9は、樹脂がフィルム用樹脂である請求項7又は8記載の樹脂組成物を内容とする。
【0021】
本発明の請求項10は、フィルム用樹脂がオレフィン系樹脂である請求項9記載の樹脂用組成物を内容とする。
【0022】
本発明の請求項11は、樹脂がシーラント用樹脂である請求項7記載の樹脂組成物を内容とする。
【0023】
本発明の請求項12は、樹脂が接着剤用樹脂である請求項7記載の樹脂組成物を内容とする。
【0024】
本発明の請求項13は、樹脂が塗料用樹脂である請求項7に記載の樹脂組成物を内容とする。
【0025】
本発明の請求項14は、樹脂がインキ用樹脂である請求項7記載の樹脂組成物を内容とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
無機粒子に有機物を添加して表面処理する方法としては、溶媒を介さず直接両者を接触させる方法もあるが、特殊な例を除いて十分に表面処理することは困難である。そこで、該無機粒子を適当な溶媒中に分散し、これに有機物を必要量添加混合して表面処理後、必要に応じて溶媒と無機粒子とを分離する方法が一般的である。さらに、扱い易さやコストの面で溶媒は水または温水を使用し、有機物には界面活性剤そのもの、あるいは界面活性剤で乳化されうる形態のも、及びこれらの混合物を選定することが多い。
【0027】
フィラーとして広く使われる無機物には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、ヒドロキシタルサイト、タルク等、その組成中に主成分としてアルカリ土類金属を含むものや、あるいはマイカ、クレー等の天然鉱物は副成分や不純物としてアルカリ土類金属を含むものが多く存在する。以上の無機物は一般には水不溶性として扱われているが、微量に溶解するものもある。フィラーとして特に比表面積が高い微粒子ほど、水中に投入して攪拌すると水との接触面積が大きいので溶解も速い。このような微粒子を含む水スラリーには、攪拌時間が短時間であっても、溶出したアルカリ土類金属イオンが微量含まれているものと考えられる。
【0028】
アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物として、例えばエチレンジアミン四酢酸やニトリロ三酢酸等に代表されるキレート剤や、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物からなる水処理剤、ポリアクリル酸、クエン酸等の多価カルボン酸やその塩、ポリアクリル酸のマレイン酸やイタコン酸の共重合物の塩、あるいは縮合リン酸に代表されるリン酸類やその塩類があげられるが、これらはその性質から上記無機物の水スラリーに少量添加されるとアルカリ土類金属イオンと結合して錯体あるいは錯体様となり、粘度調整剤や凝集剤として機能することは公知である。一方、これらは親水性であること及び水への溶解性が高いため脱水乾燥した後に粉体粒子上に残されていると経時吸湿して粒子間の水架橋の原因となって無機粒子同士を凝集させ易いこと、及び樹脂の多くが疎水性であることから、無機粒子の樹脂への分散改善には適さないものである。さらには、ポリアクリル酸、クエン酸等の多価カルボン酸やその塩が添加された上記無機物の水スラリーは、脱水乾燥された後には添加された多価カルボン酸が無機粒子同士の結合材となって、以後の工程での十分な解砕を困難とするものである。
【0029】
ところが、本発明者らは、種々の検討を重ねていく過程で、無機粒子の表面処理時に、界面活性剤と、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物とを表面処理剤として併用すると、表面処理無機微粒子の樹脂への分散操作が容易となるだけではなく、同時に樹脂中、例えばフィルム中での無機微粒子の分散性が改善されることを見いだしたのである。
【0030】
この分散性改善の機構については、必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
即ち、無機粒子の水スラリー中に表面処理剤として、例えば高級脂肪酸のアルカリ金属塩を適当量溶解すると、その一部は既に無機粒子から水スラリー中に溶出していたアルカリ土類金属イオンと反応し高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩となって遊離する。この遊離したアルカリ土類金属塩は無機粒子の表面処理に寄与しないばかりか、脱水時には無機粒子側に居残って無機粒子同士を凝集させるなどにより、少なくとも樹脂中に配合した場合、樹脂中での分散には予期した効果を発揮しない。ところが、前述の水スラリーに、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物が添加されていると、これがアルカリ土類金属イオンを捕捉するので、上記した遊離した高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩の発生を阻止でき、その結果、高級脂肪酸の大部分が無機粒子の表面処理に寄与でき、結果として、無機粒子を樹脂中に配合した際には、予想どうりの優れた分散効果を発揮することができるのである。
【0031】
以下、本発明を詳記する。
本発明の樹脂用表面処理無機フィラーは、界面活性剤(A)と、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とで表面処理された無機粒子からなることを特徴とする。
本発明に用いられる界面活性剤(A)としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸の各塩が単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。その他、芳香族スルフォン酸や、アルコール系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系やアミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルフォン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩等をこれらとともに併用することができる。
【0032】
飽和脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられ、不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられ、脂環族カルボン酸としては、シクロペンタン環やシクロヘキサン環の末端にカルボキシル基を持つナフテン酸等が挙げられ、樹脂酸としては、アビエチン酸、ピマル酸、ネオアビエチン酸等が挙げられる。
これらの塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられ、具体的には、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム・ナトリウム、ステアリン酸カリウム・ナトリウム等の飽和脂肪酸塩、オレイン酸カリウム・ナトリウム等の不飽和脂肪酸塩、ナフテン酸鉛、シクロヘキシル酪酸鉛等の脂環族カルボン酸塩、アビエチン酸カリウム・ナトリウム等の樹脂酸塩が挙げられる。
これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
これらと併用される芳香族スルフォン酸としては、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸、分岐アルキルベンゼンスルフォン酸、ドデシルベンゼンスルフォン酸等が挙げられ、アルコール系界面活性剤としては、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム等が挙げられ、ソルビタン脂肪酸エステル類としては、ソルビタンモノラウレートやポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等が挙げられ、アミド系やアミン系界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等が挙げられ、長鎖アルキルアミノ酸としてはラウリルベタイン、ステアリルベタイン等が挙げられ、アミンオキサイドとしてはポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアミンオキサイド等が挙げられ、アルキルアミンとしてはステアリルアミンアセテート等が挙げられ、第四級アンモニウム塩としてはステアリルトリメチルアンモニウムクロライドや第四級アンモニウムサルフェート等が挙げられる。
これらの塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられ、芳香族スルフォン酸塩としては、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0033】
これらの界面活性剤の中でも、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸の各塩は、樹脂組成物の絶縁性や耐熱性などを阻害することなく無機微粒子の分散性がさらに改善される点で好ましい。さらには、上記界面活性剤の中でも、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等の直鎖脂肪酸のアルカリ金属塩が分散性がより改善される点で好ましい。また、湿式処理の観点からは、水又は40〜90℃程度の温水に可溶性のものが好ましい。
【0034】
また、脂肪酸のアルキル金属塩については、界面活性剤がC数16以上の直鎖脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等を50%以上90%以下含む脂肪酸組成からなるアルカリ金属塩が分散性が良く、さらには、ステアリン酸、オレイン酸等のC18の直鎖脂肪酸を上記範囲で含む脂肪酸組成によるものが一層分散性に優れる。
【0035】
さらには、樹脂用表面処理無機フィラーと樹脂との混合時の作業性からは、脂肪酸組成中にC数10〜C14の直鎖脂肪酸、即ち、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸が1重量%以上50重量%以下含まれているものが分散性に優れ、中でもC数12のラウリン酸が上記の量含まれていると分散性がさらに良くなり、より低温、より短時間で混合でき樹脂への作業性が改善されるので好ましい。1重量%未満では添加効果が不十分で、50重量%を越えると一般に過剰となり、樹脂との親和性が損なわれて白化現象の原因となったり、成形後の樹脂表面へのブリード等の問題を起こしやすい。さらには、脂肪酸組成中に不飽和脂肪酸が20重量%以下存在すると、樹脂への分散性が一層良好となり好ましい。20重量%を越えると耐熱性等に問題が発生しやすい。より好ましくは3〜15重量%、更に好ましくは5〜10重量%である。
【0036】
脂肪酸組成により好ましい結果が得られる機構については必ずしも明らかではないが、少なくとも以下のような機構が関与しているものと推測される。
即ち、高級脂肪酸の内でも、分子量の低めのものを混入させておくと、分子量の低めの脂肪酸が比較的低温で融解して、他の分子量の高めの脂肪酸の融解を助ける作用がおこり、その結果、脂肪酸の移動度が高まり無機粒子への表面と結合し易くなったり、樹脂に配合したときにも脂肪酸の炭素鎖の部分が動きやすいので樹脂の分子と混合しやすく、比較的短時間で樹脂用表面処理無機フィラーとして分散し、樹脂との均一な混合がなされるものと推測される。
高級脂肪酸の組成に不飽和脂肪酸が含まれている場合も同様で、不飽和脂肪酸は同じC数の飽和脂肪酸より低融点で常温で既に液状であるか、あるいは比較的低温で融解するので、他の分子量の高めの脂肪酸の融解を助ける作用がおこるので、上記と同じく、無機粒子への表面処理が改善されると同時に、樹脂への配合時には短時間で分散し樹脂との均一な混合が達成される。即ち、無機粒子への馴染みや樹脂への馴染みを改善する、いわゆるフラックス剤的な作用があるものと推測される。
【0037】
界面活性剤(A)の添加量は無機粒子の比表面積に応じて変わり、一般的に比表面積が大なものほど添加量は大きくなるので一概には規定しにくいが、通常、無機粒子に対して0.1〜6重量%である。添加量が0.1重量%未満で充分な分散効果が得られず、一方、6重量%を越えると、樹脂組成物表面へのブリード、樹脂組成物の強度の低下等が問題となってくる。好ましくは0.5〜4重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。
【0038】
本発明に用いられる、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)としては、例えばエチレンジアミン四酢酸やニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸等に代表されるアミノカルボン酸系キレート剤、ヒドロキシエチリデン二亜リン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸等のホスホン酸系キレート剤や、ポリ塩化アルミ等のアルミニウム化合物からなる水処理剤、ポリアクリル酸、クエン酸等の多価カルボン酸やその塩、ポリアクリル酸のマレイン酸やイタコン酸の共重合物の塩、あるいは、ポリリン酸、縮合リン酸に代表されるリン酸類やその塩類が例示される。多価カルボン酸の塩としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム等、共重合物の塩としてはアクリル酸・マレイン酸の共重合物(重合比100:80等)のアンモニウム塩、アクリル酸・メタクリル酸の共重合物(重合比100:80等)のアンモニウム塩等、リン酸類の塩としてはヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
【0039】
これらアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)の一部は脱水・乾燥後も無機粒子の表面に留まるので、エチレンジアミン四酢酸やニトリロ三酢酸及びそのソーダ塩等の金属イオン封鎖剤やアルミニウム化合物からなる水処理剤の類は、高度な絶縁性が要求される樹脂や成形温度の高い樹脂には好ましくない場合がある。したがって、このような場合には、ポリリン酸、縮合リン酸、及び多価カルボン酸、またはこれらの塩が好ましい。縮合リン酸の中では、環状縮合リン酸又はメタリン酸が好ましい。
【0040】
アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)添加量は、無機粒子の比表面積に応じて変わるので一概には規定しにくいが、通常、無機粒子に対して0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜2重量%、さらに好ましくは0.4〜1.5重量%である。添加量が0.05重量%未満では充分な分散効果が得られず、一方、3重量%を越えて添加しても効果の更なる向上が認められず、脱水時の排水にリンが多量に含まれることになり、却って、排水処理設備の負荷となる。
【0041】
本発明に用いられる無機粒子は一般に水不溶性のものなら特に制限はないが、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ヒドロキシタルサイト、ヒドロキシアパタイト、タルク、クレー等のように主成分、副成分あるいは不純物としてアルカリ土類金属を含有するものに好適で、特に、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ヒドロキシタルサイト、ヒドロキシアパタイトに適用した場合に効果が大きい。さらには、合成炭酸カルシウムが、不活性で、フィラーとして各種グレードが豊富にあり、比較的低コストであるので望ましい。
また、本発明における無機粒子は、BET比表面積が3m2/g以上の微粒子が好ましい。しかし、例えば比表面積が70m2を上回るような合成炭酸カルシウムの超微粒子では分散性の改善はあまり期待できない。また3m2/g未満では、分散性改善のために表面処理される粒子としては適当ではない。好ましくは4〜30m2/g、より好ましくは7〜15m2/gである。
【0042】
表面処理方法は上記無機粒子を水中に分散した水スラリーに界面活性剤(A)とアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とを添加し、無機粒子を分散する方法と同じ通常の分散方法を用いて無機粒子と界面活性剤(A)とアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とを混合する。
【0043】
無機粒子の水中への分散には、超音波による方法、攪拌翼による方法、媒体ミルによる方法など公知の分散方法が使用可能であるが、例えば沈降製炭酸カルシウムのように、無機粒子製造工程で既に分散しているものであれば、さらなる分散操作は必要ない。
【0044】
スラリー中での無機粒子の濃度については、水中で無機粒子と、界面活性剤(A)と、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とが接触・反応できる濃度であれば特に制限はないが、工業的にはハンドリングが容易な数重量%〜数10重量%の固形分濃度を選ぶのが好ましい。例えば1重量%未満というような極端に希薄状態では、表面処理の効率が悪く生産性が低くなるばかりでなく、脱水・乾燥にコストがかかり、また、例えば70重量%を超えるような高濃度スラリーでは高粘度となりハンドリングが困難となるので好ましくない。
【0045】
界面活性剤(A)で水への溶解度が小さいもの使用する場合は、予め温水に溶解して水溶液として添加するのが望ましい。また、界面活性剤(A)が十分に分散するように、無機粒子の水スラリーを加熱・保温しておくのが望ましい。
【0046】
以上のように表面処理された無機粒子は、通常、脱水・乾燥して粉末の無機フィラーとするが、乾燥まではおこなわず脱水・濃縮した状態で、例えばエマルジョン塗料用の樹脂など、水分を問題としない樹脂に配合しても問題はない。
脱水・乾燥は公知の方法、例えばフィルタープレス、デカンタ、スプレードライヤー、流動層乾燥機等を組み合わせておこなえばよい。さらには、乾燥後に解砕機、例えばハンマーミル、ジェットミル等で解砕するのが望ましい。
【0047】
以上の如くして得られた樹脂用表面処理無機フィラーは、各種樹脂、例えば、成形用樹脂、フィルム用樹脂、シーラント用樹脂、接着剤用樹脂、塗料用樹脂、インキ用樹脂に配合され、表面処理無機フィラーが均一に分散された樹脂組成物とされる。
【0048】
成形用樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えばABS樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン又はプロピレンと他のモノマーの共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等に代表される熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等に代表される熱硬化性樹脂を例示することができ、またこれらの樹脂成分を2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
樹脂用表面処理無機フィラーとこれらの樹脂との配合割合は特に限定されず、所望の物性に応じて適宜決定すればよく、安定剤等の各種添加剤を添加してもよいことは勿論である。
【0049】
フィルム用樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン又はプロピレンと他のモノマーの共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を例示することができ、またこれらの樹脂成分を2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
樹脂用表面処理無機フィラーとこれらの樹脂との配合割合は特に限定されず、所望の物性に応じて適宜決定すればよく、安定剤等の各種添加剤を添加してもよいことは勿論である。
【0050】
シーラント用樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリウレタン樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、変性アクリル樹脂、変性ウレタン樹脂等を例示することができ、またこれらの樹脂成分を2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
樹脂用表面処理無機フィラーとこれらの樹脂との配合割合は特に限定されず、所望の物性に応じて適宜決定すればよく、着色剤、安定剤等の各種添加剤を添加してもよいことは勿論である。
【0051】
接着剤用樹脂としては特に限定されるものではないが、ユリア樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルファイド樹脂、変性シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、変性アクリル樹脂、変性ウレタン樹脂等を例示することができ、またこれらの樹脂成分を2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
樹脂用表面処理無機フィラーとこれらの樹脂との配合割合は特に限定されず、所望の物性に応じて適宜決定すればよく、安定剤、可塑剤等の各種添加剤を添加してもよいことは勿論である。
【0052】
塗料用樹脂としては特に限定されるものではないが、アルキド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等に代表される溶剤系塗料用樹脂、水系塗料においては、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ラッテクス樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等に代表される一般塗料用エマルジョン樹脂、アルキド樹脂、アミン樹脂、スチレン−アリルアルコール樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリブタジエン樹脂等に代表される一般塗料用水溶性樹脂、エマルジョン樹脂と水溶性樹脂とをブレンドした塗料用ディスパージョン樹脂、架橋型水可溶性樹脂を乳化剤としたディスパージョン樹脂、アクリルハイドロゾル等を例示することができ、またこれらの樹脂成分を2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
樹脂用表面処理無機フィラーとこれらの樹脂との配合割合は特に限定されず、所望の物性に応じて適宜決定すればよく、可塑剤、分散剤等の各種添加剤を添加してもよいことは勿論である。
【0053】
インキ用樹脂としては特に限定されるものではないが、ロジン変成フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、塩素化ポリプロピレン、アクリル樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、環化ゴム、塩化ゴム等を例示することができ、またこれらの樹脂成分を2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
樹脂用表面処理剤無機フィラーとこれらの樹脂との配合割合は特に限定されず、所望の物性に応じて適宜決定すればよく、安定剤、ドライヤ等の各種添加剤を添加してもよいことは勿論である。
【0054】
上記のように、樹脂用表面処理無機フィラーの配合割合は特に制限されるものではなく、樹脂の種類や用途によって大きく異なるが、例えば変成シリコーンの場合は樹脂100重量部に対して好ましくは1〜200重量部、より好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜100重量部程度である。
【0055】
ポリエチレンフィルムを例に挙げて具体的に述べると、本発明の樹脂用表面処理無機フィラーをポリエチレン樹脂100重量部に対して10〜15重量部程度配合してフィルム用樹脂組成物とする。必要に応じて、フィルム特性を向上させるため、脂肪酸、脂肪酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ソルビタン脂肪酸エステル等の滑剤、可塑剤及び安定剤、酸化防止剤等を添加してもよいのはもちろんである。さらには、一般にフィルム用樹脂組成物に用いられる添加物、例えば滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤等を配合してもよい。
【0056】
上記のフィルム用樹脂組成物は、ヘンシェルミキサー、タンブラー型ミキサー、リボンブレンダー等の公知の混合機を用いて混合される。本発明の樹脂用表面処理無機フィラーは混合が容易で、例えばヘンシェルミキサーで混合した場合、混合が速やかにおこなえるというメリットの他に、ミキサーの内壁面や攪拌・混合用の羽根部への付着が少ないので、ミキサー内部での居付きが原因となる変質樹脂や凝集物の発生も少なくなり、混合の作業性及び後工程での混練押出機でのストレーナーの目詰まり等の発生も少ない。
【0057】
上記樹脂組成物は混合機で混合した後、一軸あるいは二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で加熱混練し、Tダイ押出、あるいはインフレーション成形等の公知の成形機を用いて、溶融、製膜する。その後、必要に応じて一軸または二軸で延伸してフィルム製品とされる。
【0058】
さらに、必要に応じて、上記工程中のTダイ押出までの工程を複数組み、押出時にフィルムを多層構造にしたり、あるいは、延伸時に張り合わせて再度延伸するような工程を導入して多層フィルムにしたり、常温より高温でかつ樹脂の溶融温度より低い温度条件でフィルムを養生することにも何ら支障はない。また、例えば3層以上のフィルムで中の層にリサイクル樹脂を使用し、表層に本発明の樹脂組成物からなるフィルムを使用すれば、樹脂用表面処理無機フィラーが均一に分散した欠陥の少ないフィルムで表層をラミネートされたようなフィルムとなり、強度特性や外観的に優れたフィルムが得られる。
【0059】
また、上記フィルムに印刷適性を付与するために、フィルム表面をプラズマ放電等の表面処理を施したり、フィルム表面にインク受理層をコートすることも可能で、また延伸時に延伸倍率を適当な値に選定して、多孔質フィルム化することも可能である。多孔質フィルムとした場合には、樹脂用表面処理無機フィラーが良く分散しているので、空隙の均一なフィルムが得られる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を更に実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により何ら制限されるものではない。
尚、以下の記載において、特に断らないかぎり、%は重量%を意味する。
【0061】
実施例1
無機粒子(C)としてBET比表面積14m2/gの沈降製炭酸カルシウムを10%含有する水スラリーを用意し、このスラリーの温度を80℃に調整しながら10分間攪拌して、沈降製炭酸カルシウムの水スラリーを作成した。これに界面活性剤(A)として下記に示すような組成で別途作成した混合処理剤A1を炭酸カルシウム固形分に対して2.9%と、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(以下、キレート化合物と記す)(B)としてヘキサメタリン酸ソーダ(試薬1級)を炭酸カルシウム固形分に対して0.6%を添加し30分間攪拌した後、脱水・乾燥・解砕して樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0062】
混合処理剤A1
ステアリン酸カリウム 60%
オレイン酸ナトリウム 8%
パルミチン酸ナトリウム 20%
ミリスチン酸ナトリウム 2%
ラウリン酸ナトリウム 10%
【0063】
実施例2〜3
実施例1で、キレート化合物(B)としてヘキサメタリン酸ソーダに替えてポリアクリル酸ソーダ(実施例2)とポリ塩化アルミニウム(市販品)(実施例3)とを、それぞれ炭酸カルシウム固形分に対して0.6%添加した以外は実施例1と同様に操作して、それぞれ樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0064】
実施例4〜5
実施例1で、キレート化合物(B)としてヘキサメタリン酸ソーダを19g(実施例4)と0.8g(実施例5)を添加した以外は実施例1と同様に操作して、それぞれ樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0065】
実施例6〜8
実施例1で使用した混合処理剤A1に替えて、下表に示すような組成の混合処理剤A2、混合処理剤A3、混合処理剤A4を、それぞれ炭酸カルシウム固形分に対して2.9%添加した以外は実施例1と同様に操作して、それぞれ樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0066】
【0067】
実施例9〜10
実施例1で、界面活性剤(A)として混合処理剤A1の添加量を炭酸カルシウム固形分に対して0.6%(実施例9)及び5.7%(実施例10)とした以外は実施例1と同様に操作して、それぞれ樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0068】
実施例11〜12
実施例1で混合処理剤A1に替えて、下記に示す混合処理剤A5(実施例11)と混合処理剤A6(実施例12)を炭酸カルシウム固形分に対して2.9%添加した以外は実施例1と同様に操作して、それぞれ樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0069】
【0070】
実施例13〜16
実施例1で、無機粒子(C)としてBET比表面積14m2/gの沈降製炭酸カルシウムに替えて、BET比表面積50m2/gの沈降製炭酸カルシウム(実施例13)、BET比表面積2.5m2/gの重質炭酸カルシウム(実施例14)、BET比面5m2/gの微粉末タルク(実施例15)、BET比面5.8m2/gのシリカ微粒子(実施例16)を使用した以外は実施例1と同様に操作して、それぞれ樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0071】
実施例17
無機粒子(C)としてBET比面5m2/gの微粉末タルクを使用し、界面活性剤(A)として下表に示す混合処理剤A7を別途作成しておき、微粉末タルク固形分に対して2.9%と、キレート化合物(B)としてポリ塩化アルミニウムをタルク固形分に対して0.08%添加した以外は実施例1と同様の操作をして樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0072】
混合処理剤A7
ステアリン酸カリウム 10%
パルミチン酸ナトリウム 30%
ロジン酸ナトリウム 60%
【0073】
比較例1
無機粒子(C)としてBET比表面積14m2/gの沈降製炭酸カルシウムを10%含有する水スラリーを用意し、脱水・乾燥・解砕して樹脂用無機粒子フィラーを得た。
【0074】
比較例2
無機粒子(C)としてBET比表面積14m2/gの沈降製炭酸カルシウムを10%含有する水スラリーを用意し、このスラリーの温度を80℃に調整しながら10分間攪拌して、沈降製炭酸カルシウムの水スラリーを作成した。これに界面活性剤(A)として実施例1と同様に混合処理剤A1を炭酸カルシウム固形分に対して2.9%添加し、30分間攪拌した後、脱水・乾燥・解砕して樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0075】
比較例3
無機粒子(C)としてBET比表面積14m2/gの沈降製炭酸カルシウムを10%含有する水スラリーを用意し、このスラリーの温度を80℃に調整しながら10分間攪拌して、無機微粒子沈降製炭酸カルシウムの水スラリーを作成した。これにキレート化合物(B)としてヘキサメタリン酸ソーダ(試薬1級)を炭酸カルシウム固形分に対して0.6%添加し、30分間攪拌した後、脱水・乾燥・解砕して樹脂用表面処理無機フィラーを得た。
【0076】
上記実施例1〜17及び比較例1〜3で得られた樹脂用無機粒子フィラーの組成を表1にまとめて示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【表1】
つづき1
【0079】
実施例18〜34、比較例4〜6
実施例1〜17、比較例1〜3で作成した無機フィラーを用いて、塩化ビニル樹脂、可塑剤、滑剤、安定剤とを下記組成で混合し、ミキサーでの混合性(内壁への付着の程度)を下記の方法で評価した。また、得られた樹脂組成物を使って塩化ビニル樹脂シートを作成し、無機フィラーの分散性(シート表面の凝集物の有無)を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。
なお、ミキサーは内容積20リットルのヘンシェルタイプのミキサーを使用し、周速は10m/s、混合時間は5分間とした。また、塩化ビニルシート作成のためのロールは2本ロールを使用し、ロール温度は165℃とし、6分間練り合わせ、約2mm厚のシートとして取り出し、170℃のハンドプレスで0.2mm厚に成形した。
【0080】
(配合処方)
塩化ビニル樹脂(日本ビニルS−1001) 100重量部
試料(無機フィラー) 50重量部
可塑剤DOP 50重量部
滑剤(菊池色素ステアリン酸鉛NS−100) 1重量部
安定剤(菊池色素トリベースTS−100) 3重量部
【0081】
ミキサー混合性(樹脂組成物の内壁面への付着程度):
樹脂組成物のミキサー内壁面への付着物を目視により観察し、下記の基準により評価した。
◎ 付着物が殆ど認められない。
○ 付着物が軽いハンマリングで殆ど全量落下する。
△ 手ハケで軽く掃くことにより落下する。
× 手はけで擦ることにより落下する。
×× かき落とし作業が必要である。
【0082】
無機フィラーの分散性(シート表面の凝集物の有無):
作成した厚み0.2mmの塩ビシートから5cm×10cmの長方形にシートを2枚切り出し、2枚のシートの表裏両面を目視で観察し、下記の基準により評価した。
◎ 2枚のシートの表裏両面とも凝集物が認められない。
○ 2枚のシートの表裏のいずれかの面に、微細な凝集物(0.1mm未満)が1〜5個認められる。
△ 2枚のシートの表裏いずれの面にも微細な凝集物(0.1mm未満)が1〜4個認められる。
× 2枚のシートの表裏いずれの面にも微細な凝集物(0.1mm未満)が5個以上認められる。
×× 大きな凝集物(0.1mm以上)が含まれている。
【0083】
実施例35〜51、比較例7〜9
実施例1〜17、比較例1〜3で作成した無機フィラーを用いて、ポリプロピレン樹脂、滑剤ステアリン酸亜鉛とを下記組成で混合し、得られた樹脂組成物40kgを200℃で40kg/時のフィード量で押出して混練押出機のストレーナー(目開き250μm 、目開き100μm 、目開き400μm の3枚構成)の目詰まりを、得られたポリプロピレンフィルム表面の凝集物とストレーナーの目詰まりを目視観察し、下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0084】
(配合処方)
ポリプロピレン樹脂(三菱ポリプロ MA−3) 100重量部
ステアリン酸亜鉛 1重量部
試料(無機フィラー) 100重量部
【0085】
ストレーナー目詰まり:
◎ フィルムの凝集物が5個以下。
○ フィルムの凝集物が6個〜20個。
△ フィルムの凝集物が21個〜100個以下。
× ストレーナーの全面積の1/2未満が目詰まり。
×× ストレーナーの全面積の1/2以上が目詰まり。
【0086】
実施例52〜68、比較例10〜12
実施例1〜17、比較例1〜3で作成した無機フィラーを用いて、ポリウレタンシーリング材の原料樹脂のポリプロピレングリコール(三菱化学製 数平均分子量3000)への混練り試験をおこなった結果を示す。配合は樹脂70gと試料(無機フィラー)30gを200cm3 のポリプロピレン製ビーカーに投入し、45mmのタービン羽根で750rpmの回転数で1分間攪拌し、ヘラを使ってビーカーの内壁上部に付着した混合物をビーカー内部に落とした後、引き続いて45mmのタービン羽根で750rpmで2分間攪拌して、グランインドメーターで粗粒子の大きさを調べ、下記の基準で評価した。細かく分散する程分散性が良いことを意味する。結果をポリプロピレングリコール(PPG)中での低シェア分散として表2に示す。
【0087】
PPG中での低シェア分散:
◎ 20μm以下
○ 20μm超え40μm以下
△ 40μm超え80μm以下
× 80μm超え200μm以下
×× 200μm超え
【0088】
実施例69〜85、比較例13〜15
実施例1〜17、比較例1〜3で作成した無機フィラーを用いて、下記配合によりディスパーで分散し、サンプルを適量採取し、金網でガラスビーズを除去してグラインドメーターで粗粒子の大きさを調べ、粗粒子が25μm 以下になるまでの時間を比較した。この時間が短い程分散性が良いことを意味する。結果を表2に示す。
◎ 60秒未満で分散
○ 60秒〜90秒未満で分散
△ 90秒〜120秒未満で分散
× 120秒〜180秒未満で分散
×× 180秒以上で分散
【0089】
【0090】
【表2】
【0091】
【発明の効果】
以上のように、本発明の樹脂用表面処理無機フィラーは短時間で作業性良く樹脂と混合でき、樹脂中での分散性が良好である。また、本発明の樹脂用表面処理無機フィラーを配合した樹脂組成物は、該無機フィラーが樹脂中に十分且つ均一に分散しているので、混練押出機のストレーナーの目詰まりも少なく、また凝集物が少ないので、外観が良好で、且つ物性の良好な成形体、フィルム、シーラント、接着剤、インキ等の製品を提供することができる。
Claims (14)
- 無機粒子が、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、脂環族カルボン酸塩、樹脂酸塩から選ばれる少なくとも1種からなる界面活性剤(A)と、アミノカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤、アルミニウム化合物、多価カルボン酸、その塩、リン酸類、その塩から選ばれる少なくとも1種からなる、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とで表面処理されたことを特徴とする樹脂用表面処理無機フィラー。
- 縮合リン酸が、環状縮合リン酸又はメタリン酸である請求項1記載の樹脂用表面処理無機フィラー。
- 界面活性剤(A)が、C数16以上の直鎖脂肪酸を50重量%以上90重量%以下含む脂肪酸組成からなるアルカリ金属塩である請求項1記載の樹脂用表面処理無機フィラー。
- 界面活性剤(A)が、C数18の直鎖脂肪酸を50重量%以上90重量%以下含む脂肪酸組成からなるアルカリ金属塩である請求項1記載の樹脂用表面処理無機フィラー。
- 脂肪酸組成中にC数10〜14の直鎖脂肪酸を1重量%以上50重量%以下含む請求項4記載の樹脂用表面処理無機フィラー。
- 不飽和脂肪酸を20重量%以下含む請求項3〜5のいずれか1項に記載の樹脂用表面処理無機フィラー。
- 樹脂中に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面処理無機フィラーを配合してなることを特徴とする樹脂組成物。
- 樹脂が成形用樹脂である請求項7記載の樹脂組成物。
- 樹脂がフィルム用樹脂である請求項7又は8記載の樹脂組成物。
- フィルム用樹脂がオレフィン系樹脂である請求項9記載の樹脂用組成物。
- 樹脂がシーラント用樹脂である請求項7記載の樹脂組成物。
- 樹脂が接着剤用樹脂である請求項7記載の樹脂組成物。
- 樹脂が塗料用樹脂である請求項7に記載の樹脂組成物。
- 樹脂がインキ用樹脂である請求項7記載の樹脂組成物。
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