JP3896631B2 - 黒色感光性樹脂組成物及びこれを用いたカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

黒色感光性樹脂組成物及びこれを用いたカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶ディスプレイ等に用いるカラーフィルタのブラックマトリックスに用いる黒色感光性樹脂組成物とそれを用いたカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルタは液晶ディスプレイ装置の分野にて広く用いられるようになってきている。このカラーフィルタは通常赤、緑、青等の複数色画素を透明基板上に配列し、さらにコントラストの良好な画像を得るために、これらの画素間にブラックマトリックスを形成する。このブラックマトリクスは特にTFT駆動方式の液晶表示の場合、トランジスターの誤動作を防ぐ目的でも使用されている。
【0003】
このブラックマトリクスは微細パターンからなる金属薄膜で形成される場合が多い。その形成方法としては、クロム、ニッケル、アルミニウム等の金属あるいは金属化合物を蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法等で薄膜を形成し、これをフォトリソグラフィ法で微細パターンを形成する方法が一般的である。
【0004】
具体的な工程としては、金属等の薄膜上にフォトレジストを塗布、乾燥し、フォトマスクを介して紫外線を照射し、現像することによりレジストパターンを形成する。その後、エッチング工程、レジスト剥離工程を経て、ブラックマトリクスを形成する。
【0005】
しかし、このようにして製造されたブラックマトリクスはその工程の煩雑さから製造コストが非常に高く、また、これを用いるカラーフィルタのコストも高くなるという問題がある。また、透過型の液晶ディスプレイに、このクロム薄膜などの金属薄膜を用いたカラーフィルタを用いたた場合、金属表面の反射率が高く、強い外光がカラーフィルタに入射した場合、反射光が強く表示品位を著しく低下するという問題もある。
【0006】
この様な金属薄膜を用いたブラックマトリクスの問題点を改善するため、感光性樹脂組成物にカーボンブラックと必要に応じて有機顔料を分散し、これを用いてブラックマトリクスを形成する方法が提案されている。
【0007】
しかし、カーボンブラックで十分な遮光性を得るためには、約1μmの膜厚を必要とするため、位置合わせのマージンである複数色画素との重なりの部分が、つの状の突起となり、表示ムラの原因になっていた。
【0008】
この問題を解決するため、特開平6−59119号公報において、黒色感光性樹脂層を複数色画素上及び間に設けた後、複数色画素をマスクとして、基板側から全面露光することにより複数色画素の隙間にのみ選択的にブラックマトリックスを設ける方法および材料が提案されている。このいわゆる裏露光法を用いると、つの状の突起はなくなる。
【0009】
しかし、ブラックマトリックスの膜厚を十分に取り、かつ複数色画素上には黒色感光性樹脂層が残らないためには、複数色画素の黒色感光性樹脂組成物の感光波長域での遮光性が十分に高くなければいけなかった。そのため、マスクとなる複数色画素中に酸化チタン、酸化亜鉛、ベンゾトリアゾール系化合物、クマリン系化合物等の紫外線吸収剤を添加しなければならなかった。そのため、複数色画素のカラーフィルタとしての光学特性即ち透明性およびコントラスト比を著しく損ねてしまうという問題があった。
【0010】
また一方、光重合系感光性樹脂においては、感光特性曲線が比較的なだらかでγ値が小さいために、十分な膜厚を得るためには、十分に大きな露光量が必要で、そのため複数色画素の遮光性が十分高いことが必要であった。
さらに、カーボンブラックが、紫外線照射により光重合系感光樹脂にて用いる光重合開始剤から発生したラジカルを捕捉してしまう性質を有するため、光重合を阻害し、経済的な露光量においては充分な画素形成が困難であり、現像時にパターンが剥離する等の問題があった。
【0011】
この点については、特開平4−177202号公報において、光酸発生剤と架橋剤、架橋点を持つバインダーポリマーおよび黒色顔料からなるブラックマトリックス用材料が提案されている。
【0012】
しかし、このブラックマトリックス用材料を裏露光法に適用すると、感度と膜厚は十分得られるものの、未反応の極性基が多く残り、現像時に露光部のブラックマトリックスの界面から現像液の浸透および未架橋の樹脂成分の溶出が起こり、現像後形成されたブラックマトリクスは界面付近の樹脂成分の減少により表面荒れ、膜強度の減少、パターンの欠けという問題が起こった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、光を遮断するのに充分な濃度を持ち、反射率が低くブラックマトリックスが形成でき、かつ表面荒れが少なく膜強度が高くパターンの欠けが無いブラックマトリクスを持つカラーフィルタに用いる黒色感光性樹脂組成物、及びこれを用いたカラーフィルタの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を解決するために、樹脂系材料として分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造を有しかつアルカリ性水溶液可溶性である共重合体20〜45重量%、架橋剤5〜20重量%、光酸発生剤2〜15重量%、黒色顔料20〜60重量%からなることを特徴とする黒色感光性樹脂組成物を提供する。
【0015】
また、これを用いたカラーフィルタの製造方法として、基板上に複数色画素を設ける工程、分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造を有しかつアルカリ性水溶液可溶性である樹脂、架橋剤、光酸発生剤、黒色顔料からなる黒色感光性樹脂組成物を複数色画素上及び間に設ける工程、透明基板側から露光する工程、加熱する工程、非露光部の黒色感光性樹脂組成物を溶解させうる液体を、黒色感光性樹脂組成物に接触させることにより複数色画素上の黒色感光性樹脂組成物を溶解除去する工程を少なくとも含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0016】
【発明の実施形態】
以下本発明の実施形態につき説明する。
本発明における黒色感光性樹脂組成物としては、樹脂系材料として分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造を有しかつアルカリ性水溶液可溶性である樹脂、架橋剤、光酸発生剤、黒色顔料とからなる黒色感光性樹脂組成物を用いる。
【0017】
分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造は、樹脂の主鎖と側鎖のどちらに有されてもよく、主鎖に
【0018】
【化1】
Figure 0003896631
【0019】
(R1、R2は水素原子またはメチル基を表しnは主鎖中での繰り返し)の構造を持つか、または側鎖に
【0020】
【化2】
Figure 0003896631
【0021】
(R3〜R7は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基、mは0〜6の整数)の構造を持つもので示される。また、主鎖及び側鎖の両方に含まれても良い。
【0022】
本発明の樹脂系材料はアルカリ性水溶液可溶性の共重合体を用いる。アルカル性水溶液可溶性な官能基を持つモノマーとしては、フェノール性水酸基を持つフェノールノボラック、p−ヒドロキシスチレンに代表されるフェノール化合物モノマー、または、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸等が使用可能である。
【0023】
本発明における樹脂系材料には、前記モノマーの他にさらに、スチレン、フェニルマレイミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルが使用可能である。
【0024】
本発明は、分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造を持つことにより、露光後発生した酸存在下の加熱により隣り合う二つの水酸基同士が脱水反応を起こしケトン構造になり、樹脂の極性は低下し、アルカリ溶解性は大幅に低下する。その結果、露光部のブラックマトリックスの界面からの現像液の浸透がほとんどなくなり、未架橋の樹脂成分の溶出が起こらず、その結果、表面荒れ、膜強度の減少、パターンの欠けが無い樹脂ブラックマトリクスを形成することができる。
【0025】
前記ジヒドロキシ構造をもつモノマーの含有量は、5〜30重量%が好ましい。5重量%より少ないと極性変化によるアルカリ溶解性低下の効果は得られず、30重量%より多いと感光性着色組成物の保存安定性が悪くなる。
【0026】
本発明の上記樹脂系材料は20〜45重量%、好ましくは25〜35重量%の範囲内で使用される。少なすぎると、感光機能が劣化すること、カーボンの凝集によりパターン形状が劣化すること、膜強度や密着性が不足するなどの問題が生じ、多すぎると、遮光性が不足する。
【0027】
本発明における架橋剤としては、たとえばメチロール化尿素、尿素樹脂、メチロール化メラミン、ブチロール化メラミン、メチロール化グアナミンあるいはこれらの化合物のアルキルエーテルを用いることが可能である。熱安定性が優れている点からアルキルエーテル化物がより好ましい。このアルキルエーテルのアルキル基としては炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。特に、このアルキルエーテル化合物としては感度の点で優れているヘキサメチロールメラミンのアルキルエーテル化物がより好ましい。また、エポキシ基を2つ以上持つ化合物も用いることができる。これらの架橋剤は5〜20重量%の範囲内で使用される。少なすぎると、感光特性に支障をきたし、多すぎると遮光性が不足する。
【0028】
光酸発生剤としては、光源の発光に含まれる波長域において吸収がありかつ、光吸収により酸を発生するトリハロメチル基含有トリアジン誘導体またはオニウム塩類が使用できる。たとえば、トリハロメチル基含有トリアジン誘導体としては、たとえば2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどを挙げることができる。
【0029】
またオニウム塩類としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等のジアリールヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トリエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4ーフェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等のトリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。
【0030】
これらの光酸発生剤は、単独で、あるいは、混合して使用しても良い。さらに、光吸収剤と酸発生剤を組み合わて用いることができる。これらの光酸発生剤は2〜15重量%の範囲内で使用される。これは、15重量%を越えて添加した場合は、酸発生量が多すぎパターン露光後の加熱によって未露光部にも酸が拡散し架橋反応を起こし、解像性が低下してしまう原因となる。また、添加量が2重量%より少ない場合においては、酸発生量が乏しく、架橋反応が十分進行せず、パターンが形成できない。
【0031】
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、鉄黒、アニリンブラック、有機顔料の混合品が使用可能であり、必要に応じて顔料の分散性を向上させるため分散媒としてアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等を加えることも可能である。また、分散剤として高分子系分散剤や有機色素の誘導体等を加えてもよい。更に高分子化合物によりグラフト化されたポリマーグラフト化カーボンブラックを用いてもよい。これらの黒色顔料は20〜60重量%、好ましくは40〜50重量%の範囲内で使用される。少なすぎると、充分な遮光性を得ることが出来ず、多すぎると感光性樹脂としての機能を保持することが出来ない。
【0032】
これらの材料を、2本ロールミル、3本ロールミル、サンドミル、ペイントコンディショナー等の分散機を用いて混練し、黒色感光性樹脂組成物とする。更に分散時の作業性を向上させるため希釈溶剤として、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エステル類等の有機溶剤を用いてもよい。
【0033】
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の工程の一例を図面に基づき説明する。基板1上に複数色画素2を設け、この上及び間に本発明の黒色感光性樹脂組成物3を複数色画素上にスピンナー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法等を用いてに均一に塗布し黒色樹脂層を形成する。
【0034】
複数色画素の形成方法としては、従来技術である染色法、顔料分散法、印刷法、電着法等の現在実用化されているいずれの方法を用いても良く、また、黒色樹脂層と透明基板を密着させる場合には、70〜100℃程度の熱を加えてもかまわない。
【0035】
次に、透明基板の裏面から紫外線を照射し露光を行い、複数色画素間隙部の黒色樹脂層にのみ酸を発生させる。露光に用いる光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等を用いる。黒色感光性組成物の感光波長域が400nm以上にも伸びている場合には、可視光カットフィルターを通して露光することが好ましい。
【0036】
次に、加熱温度90〜150℃、時間15秒〜5分にて酸の触媒反応を利用して、黒色感光性樹脂層の複数色画素間隙部のみを架橋反応を起こさせる。最後に次に、現像液を用いて、複数色画素上の未架橋部の黒色樹脂を除去して、図2に示すようにカラーフィルタを得る。
【0037】
上記現像液としては、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機アルカリ、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドなどの第4級アンモニウム塩などを用いることができる。また、必要に応じて上記現像液に他の添加剤、たとえば、界面活性化剤、湿潤剤、有機溶剤などを添加しても良い。
【0038】
以上の様に本発明においては、樹脂系材料として分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造を有しかつアルカリ性水溶液可溶性である共重合体、架橋剤、光酸発生剤、黒色顔料とからなる黒色感光性樹脂組成物を用いることにより、露光後発生した酸の存在下の加熱により樹脂系材料中の隣り合う二つの水酸基同士が脱水反応を起こしケトン構造になり、樹脂の極性が低下する。その結果、露光部のブラックマトリックスの界面からの現像液の浸透がほとんどなくなり未架橋の樹脂成分の溶出が起こらなくなるという作用が発現する。この作用により、表面荒れが無く平坦性が優れ、膜強度の減少が無く密着性に優れ、パターンの欠けが無いブラックマトリクスを形成することができる。
【0039】
さらに、本発明によって、これら全ての作用により従来の透明基板裏側からの露光方法のように多量の紫外線で黒色樹脂層の内部まで硬化させる必要がなく、複数色画素の紫外域の吸収、黒色樹脂層の光学濃度によらず、透明基板裏側から少量の紫外線による露光によって、複数色画素上への遮光膜の重なりがなく平坦性に優れ、光を遮断するのに充分な濃度を持ち、反射率が低いカラーフィルタを形成することが可能となる。
【0040】
【実施例】
<実施例1>
透明基板としてコーニング社製:「7059」を基板とし、この上にフジハント社製:「カラーモザイクCRY7000、CGY7000、CBV7000」を用いて常法により赤、緑、青の着色パターンを形成した。これらの複数色画素の膜厚は1.5μmであった。
【0041】
黒色顔料として三菱化学(株)製:「#20ブラック」11.6g、分散剤としてゼネカ(株)製:「ソルスパース24000GR、5000(1:1で配合)」0.6g、樹脂系材料としてメタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル/メタクリル酸/メタクリル酸エチル共重合体(重量組成比30/15/55)を8.0g、架橋剤として三和ケミカル(株)製:「ニッカラックMW−30M」を2.0g、光酸発生剤としてはみどり化学(株)製:「TAZ−104、TAZ−107(1:1.25で配合した)」を1.4g、溶剤としてシクロヘキサノンを80g、さらにガラスビーズを100gをガラス瓶に入れ、ペイントシェーカーを用いて2時間分散し、黒色感光性樹脂分散液を作製した。この黒色感光性樹脂分散液を複数色画素にて形成された赤、緑、青の着色パターン上にスピンナーにより塗布し、乾燥して黒色樹脂層を形成した。
【0042】
これを3kW超高圧水銀灯により60mJ/cm2 の露光量で、前記複数色画素をマスクとして透明基板側より全面露光を行った。その後、ホットプレートを用いて、90℃で1分間加熱を行った。その後1.0%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、基板を回転させながらシャワー噴霧する方式を用いて30秒間現像を行い、複数色画素である赤、緑、青の着色パターン上の未露光部の黒色感光性樹脂層を除去した。最後にクリーンオーブン中にて230℃で1時間加熱しカラーフィルタを得た。形成されたカラーフィルタのブラックマトリクスの表面粗さは100Å以下であり平坦性に優れ、パターンの欠けは無かった。
【0043】
<実施例2>
樹脂系材料としてメタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体(重量組成比25/15/60)を用い、それ以外は上記実施例1と同様にしてブラックマトリクスを形成しカラーフィルタを得た。形成されたカラーフィルタのブラックマトリクスの表面粗さは100Å以下であり平坦性に優れ、パターンの欠けは無かった。
【0044】
<実施例3>
樹脂系材料としてメタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル/アクリル酸/スチレン共重合体(重量組成比25/25/50)を用い、それ以外は上記実施例1と同様にしてブラックマトリクスを形成しカラーフィルタを得た。形成されたカラーフィルタのブラックマトリクスの表面粗さは100Å以下であり平坦性に優れ、パターンの欠けは無かった。
【0045】
<比較例>
樹脂系材料としてメタクリル酸メチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体(重量組成比50/50)を用い、それ以外は上記実施例1と同様にしてブラックマトリクスを形成しカラーフィルタを得た。形成されたブラックマトリクスの表面粗さは300Å以上であり、複数色画素周辺のブラックマトリクスには欠けが生じていた。
【0046】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明において樹脂系材料として分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造を有しかつアルカリ性水溶液可溶性である共重合体、架橋剤、光酸発生剤、黒色顔料とからなる黒色感光性樹脂組成物を用いることにより樹脂の極性変換及び架橋が起こり、露光部のブラックマトリックスへの現像液の浸透による未架橋の樹脂成分の溶出が起こらなくなり、表面荒れが無く平坦性が優れ、膜強度の減少が無く密着性に優れ、パターンの欠けが無いブラックマトリクスを形成することができる効果を持つ。
【0047】
さらに、樹脂系材料、架橋剤、光酸発生剤、黒色顔料とからなる黒色感光性樹脂組成物が持つ周知の特性であるγ値が高く高感度であることにより、実用レベルの露光量でブラックマトリックスが形成でき、複数色画素上にカブリを生じないで十分の残膜が得られる。
【0048】
さらに、その際マスクとして用いる赤、緑、青等の複数色画素中に紫外線吸収剤や蛍光増白剤等の添加物を添加する必要がない。
これにより、透明基板の裏側からの露光であっても充分な架橋度合いを示し、各複数色画素間を埋め、かつ従来のように各複数色画素とブラックマトリックスとの重なりによるつの状の突起が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施例の断面の構造を示す説明図である。
【図2】本発明のカラーフィルタの一実施例の断面の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1…基板
2…複数色画素
3…ブラックマトリックス

Claims (3)

  1. 樹脂系材料、架橋剤、光酸発生剤、黒色顔料からなる黒色感光性樹脂組成物において、樹脂系材料として分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造を有しかつアルカリ性水溶液可溶性である共重合体を用いることを特徴とする黒色感光性樹脂組成物。
  2. 組成物の割合が全固形分に対して、樹脂系材料20〜45重量%、架橋剤5〜20重量%、光酸発生剤2〜15重量%、黒色顔料20〜60重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の黒色感光性樹脂組成物。
  3. 1)基板上に複数色画素を設ける工程、
    2)分子中に隣り合う二つの水酸基を持つジヒドロキシアルキル構造を有しかつアルカリ性水溶液可溶性である共重合体、架橋剤、光酸発生剤、黒色顔料からなる黒色感光性樹脂組成物を複数色画素上及び間に設ける工程、
    3)透明基板側から露光する工程、
    4)加熱する工程、
    5)非露光部の黒色感光性樹脂組成物を溶解させうる液体を、黒色感光性樹脂組成物に接触させることにより複数色画素上の黒色感光性樹脂組成物を溶解除去する工程を少なくとも含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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