JP3896390B2 - スキャナおよびスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナおよびスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法に関するものであり、さらに詳細には、サンプルの劣化を招くことなく、簡易に、かつ、短時間に、フォトマルチプライアの電圧値を、所望のように設定することのできるスキャナおよびスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線が照射されると、放射線のエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の組織の一部をサンプルとし、このサンプルを、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シートと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、クロムTなどの表示手段上あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、画像を再生するように構成されたオートラジオグラフィ検出システムが知られている(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−60782号公報、特公平4−3952号公報など)。
【0003】
蓄積性蛍光体シートを画像の検出材料として使用するオートラジオグラフィ検出システムは、写真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要であるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施すことによって、所望のように、画像を再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】
他方、オートラジオグラフィシステムにおける放射性標識物質に代えて、蛍光物質を標識物質として使用した蛍光検出(fluorescence) システムが知られている。このシステムによれば、蛍光画像を読み取ることによって、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえば、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、ゲル支持体上のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNAを変性(denaturation) し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAを分布を検出したりすることができる。さらに、標識物質により標識した目的とする遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質により標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、励起光により、生成された蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることもできる。この蛍光検出システムは、放射性物質を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出することができるという利点がある。
【0005】
さらに、近年、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識された物質をハイブリダイズさせたマイクロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ検出システムが開発されている。このマイクロアレイ検出システムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可能になるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
オートラジオグラフィシステム、蛍光検出システムおよびマイクロアレイ検出システムはいずれも、サンプルに、レーザ光を照射して、輝尽性蛍光体や蛍光色素などの標識物質を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽性光や蛍光色素から放出された蛍光などを光電的に検出して、標識物質の画像データや発光量データなどの生化学解析用のデータを生成するものであり、そのため、これらのシステムにおいては、一般に、スキャナが用いられ、レーザ光によって、サンプルを走査し、サンプルから放出された輝尽光や蛍光を、フォトマルチプライアを用いて、光電的に検出して、標識物質の画像データや発光量データなどの生化学解析用のデータが生成されていた。
【0007】
このように構成されたスキャナにおいては、フォトマルチプライアの電圧値を適当な値に設定して、レーザ光によって、サンプルを走査し、サンプルから放出された光を光電的に検出して、生成したデータに基づいて、画像を再生し、再生された画像を観察して、フォトマルチプライアの電圧値を変え、適正な画像が再生されるまで、こうしたプレスキャンニングを繰り返し、試行錯誤により、フォトマルチプライアの電圧値を決定していた。
【0008】
しかしながら、このような操作はきわめて面倒で、多大な時間を要するだけでなく、レーザ光の照射を受けると、輝尽性蛍光体は蓄積していた放射線のエネルギーを放出して、蓄積されているエネルギーが減少し、蛍光物質も、レーザ光が繰り返し照射されると、蛍光の発光量が減少するため、サンプルの劣化を招くという問題があった。
【0009】
したがって、本発明は、サンプルの劣化を招くことなく、簡易に、かつ、短時間に、フォトマルチプライアの電圧値を、所望のように設定することのできるスキャナおよびスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源と、標識物質を含むサンプルを載置するサンプルステージと、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査可能なように、前記サンプルステージを移動させる走査手段と、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、前記サンプルが走査されて、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログ画像データを生成するフォトマルチプライアと、前記フォトマルチプライアによって生成されたアナログ画像データをディジタル画像データに変換するA/D変換器を備えたスキャナであって、前記フォトマルチプライアのフォトマルチプライア電圧値を所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定し、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査して、プレスキャンニングを実行し、前記プレスキャンニングの結果、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって、光電的に検出して生成したディジタル画像データに基づいて、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするピクセル濃度信号強度シミュレート手段を備えたことを特徴とするスキャナによって達成される。
【0011】
本発明によれば、フォトマルチプライアのフォトマルチプライア電圧値を所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定し、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、サンプルステージに載置されたサンプルを走査して、プレスキャンニングを実行し、プレスキャンニングの結果、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定されたフォトマルチプライアによって、光電的に検出して生成したディジタル画像データに基づいて、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、サンプルステージに載置されたサンプルを走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出し、A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするピクセル濃度信号強度シミュレート手段を、スキャナが備えているから、適当なフォトマルチプライア電圧値を指定して、プレスキャンニングを実行して生成したディジタル画像データに基づき、ピクセル濃度信号強度シミュレート手段によって、プレスキャンニングにおいて用いられた所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアを用いて生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートし、所望のコントラストが得られるフォトマルチプライア電圧値Gを決定することができ、したがって、プレスキャンニングを繰り返し実行することなく、フォトマルチプライアの電圧値を適切な値に設定することが可能になる。
【0012】
本発明の好ましい実施態様においては、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段が、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度に対し、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度がシフトする濃度信号強度シフト値を算出する濃度信号強度シフト値算出手段と、前記濃度信号強度シフト値算出手段によって算出された濃度信号強度シフト値にしたがって、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を補正して、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするピクセル濃度信号強度補正手段を備えている。
【0013】
本発明の好ましい実施態様によれば、ピクセル濃度信号強度シミュレート手段が、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度に対し、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、サンプルステージに載置されたサンプルを走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出し、A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度がシフトする濃度信号強度シフト値を算出する濃度信号強度シフト値算出手段と、濃度信号強度シフト値算出手段によって算出された濃度信号強度シフト値にしたがって、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を補正して、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、サンプルステージに載置されたサンプルを走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出し、A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするピクセル濃度信号強度補正手段を備えているから、適当なフォトマルチプライア電圧値を指定して、プレスキャンニングを実行して生成したディジタル画像データに基づき、濃度信号強度シフト値算出手段によって、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度に対して、異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアを用いて生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度がシフトする濃度信号強度シフト値を算出し、ピクセル濃度信号強度補正手段によって、プレスキャンニングを実行して生成したディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を補正して、異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアを用いて生成されるべきディジタル画像データを生成することにより、所望のコントラストが得られるフォトマルチプライア電圧値Gを決定することができ、したがって、プレスキャンニングを繰り返し実行することなく、フォトマルチプライアの電圧値を適切な値に設定することが可能になる。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、表示手段を備え、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出して生成したディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度が、前記ピクセル濃度信号強度補正手段によって、補正されて生成されたディジタル画像データに基づいて、画像が生成され、前記表示手段に表示されるように構成されている。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、スキャナは、さらに、表示手段を備え、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、サンプルステージに載置されたサンプルを走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出して生成したディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度が、ピクセル濃度信号強度補正手段によって、補正されて生成されたディジタル画像データに基づいて、画像が生成され、表示手段に表示されるように構成されているから、ユーザーは、CRTなどの表示手段に表示された画像を観察して、適切なコントラストの画像を生成することのできる所望のフォトマルチプライア電圧値Gを、きわめて容易に決定することが可能になる。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段によって、シミュレートされた画像データの各ピクセルの濃度信号強度に基づき、前記フォトマルチプライアの前記フォトマルチプライア電圧値Gを設定するフォトマルチプライア電圧値設定手段を備えている。
【0017】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、スキャナは、発せられるレーザ光の波長を異にする2以上のレーザ励起光源を備え、前記2以上のレーザ励起光源から発せられ、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査するレーザ光の波長ごとに、前記プレスキャンニングが実行され、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段が、前記プレスキャンニングの結果、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって、光電的に検出して生成したディジタル画像データに基づいて、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするように構成されている。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、スキャナは、発せられるレーザ光の波長を異にする2以上のレーザ励起光源を備えており、サンプルステージに載置されたサンプルが波長の異なるレーザ光によって走査される場合があり、サンプルを走査するレーザ光の波長が異なると、フォトマルチプライアの電圧値が同じであっても、生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度が異なり、したがって、所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアを用いて、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度も変化するが、2以上のレーザ励起光源から発せられ、サンプルステージに載置されたサンプルを走査するレーザ光の波長ごとに、プレスキャンニングが実行され、ピクセル濃度信号強度シミュレート手段が、プレスキャンニングの結果、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定されたフォトマルチプライアによって、光電的に検出して生成したディジタル画像データに基づいて、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、サンプルステージに載置されたサンプルを走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出し、A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするように構成されているから、波長の異なるレーザ光を用いて、サンプルステージに載置されたサンプルを走査する場合でも、所望のコントラストの画像を得ることが可能になる。
【0019】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、前記2以上のレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長ごとに、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段によって、シミュレートされた画像データの各ピクセルの濃度信号強度に基づき、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段によって、シミュレートされた画像データの各ピクセルの濃度信号強度に基づき、前記フォトマルチプライアのフォトマルチプライア電圧値を設定する前記フォトマルチプライア電圧値設定手段を備えている。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記濃度信号強度シフト値算出手段が、前記所定のフォトマルチプライア電圧値をG0、前記所定のフォトマルチプライア電圧値とは異なるフォトマルチプライア電圧値をG、ビット数をB、ラチチュードをLとしたとき、次式にしたがって、各ピクセルの濃度信号強度シフト値ΔQLを算出するように構成されている。
【0021】
ΔQL=2B/L*{log10(G/G0)}
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ピクセル濃度信号強度補正手段が、前記プレスキャンニングによって生成された前記ディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をQLi0λ(λは、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長である。)として、次式にしたがって、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をQLiλをシミュレートするように構成されている。
QLiλ=QLi0λ+ΔQL
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記標識物質を含むサンプルが、蛍光色素を含んだサンプルによって構成されている。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記標識物質を含むサンプルが、担体上に、蛍光色素によって、選択的に標識された試料の複数のスポットが形成されたマイクロアレイによって構成されている。
【0023】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記標識物質を含むサンプルが、放射線エネルギーが蓄積された輝尽性蛍光体層を備えた蓄積性蛍光体シートによって構成されている。
【0024】
本発明の前記目的はまた、フォトマルチプライアの電圧値を所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定し、サンプルステージに載置され、標識物質を含むサンプルを、レーザ光によって走査して、プレスキャンニングを実行し、前記プレスキャンニングの結果、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって、光電的に検出し、前記A/D変換器によって、ディジタル化して、ディジタル画像データを生成し、前記サンプルステージに載置され、標識物質を含む前記サンプルを、レーザ光によって走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、シミュレートし、シミュレートされたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度にしたがって、前記フォトマルチプライアの所望のフォトマルチプライア電圧値Gを決定し、前記フォトマルチプライアの電圧値を設定することを特徴とするスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法によって達成される。
【0025】
本発明によれば、フォトマルチプライアの電圧値を所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定し、サンプルステージに載置され、標識物質を含むサンプルを、レーザ光によって走査して、プレスキャンニングを実行し、プレスキャンニングの結果、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定されたフォトマルチプライアによって、光電的に検出し、A/D変換器によって、ディジタル化して、ディジタル画像データを生成し、サンプルステージに載置され、標識物質を含むサンプルを、レーザ光によって走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出し、A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、シミュレートし、シミュレートされたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度にしたがって、フォトマルチプライアの所望のフォトマルチプライア電圧値Gを決定し、フォトマルチプライアの電圧値を設定するように構成されているから、適当なフォトマルチプライア電圧値を指定して、プレスキャンニングを実行して生成したディジタル画像データに基づき、プレスキャンニングにおいて用いられた所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアを用いて生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートし、所望のコントラストが得られるフォトマルチプライア電圧値Gを決定することができ、したがって、プレスキャンニングを繰り返し実行することなく、フォトマルチプライアの電圧値を適切な値に設定することが可能になる。
【0026】
本発明の好ましい実施態様においては、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、レーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度がシフトする濃度信号強度シフト値を算出し、前記濃度信号強度シフト値にしたがって、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を補正して、レーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするするように構成されている。
【0027】
本発明の好ましい実施態様によれば、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、レーザ光により、サンプルステージに載置されたサンプルを走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出し、A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度がシフトする濃度信号強度シフト値を算出し、濃度信号強度シフト値にしたがって、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を補正して、レーザ光により、サンプルステージに載置されたサンプルを走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出し、A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするするように構成されているから、適当なフォトマルチプライア電圧値を指定して、プレスキャンニングを実行して生成したディジタル画像データに基づき、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度に対して、異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアを用いて生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度がシフトする濃度信号強度シフト値を算出し、プレスキャンニングを実行して生成したディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を補正して、異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアを用いて生成されるべきディジタル画像データを生成することにより、所望のコントラストが得られるフォトマルチプライア電圧値Gを決定することができ、したがって、プレスキャンニングを繰り返し実行することなく、フォトマルチプライアの電圧値を適切な値に設定することが可能になる。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、前記各ピクセルの濃度信号強度がシミュレートされたディジタル画像データに基づいて、画像を表示し、表示された前記画像にしたがって、前記フォトマルチプライア電圧値Gを決定し、前記フォトマルチプライアの電圧値を設定するように構成されている。
【0029】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、さらに、各ピクセルの濃度信号強度がシミュレートされたディジタル画像データに基づいて、画像を表示し、表示された画像にしたがって、フォトマルチプライア電圧値Gを決定し、フォトマルチプライアの電圧値を設定するように構成されているから、ユーザーは、CRTなどの表示手段に表示された画像を観察して、適切なコントラストの画像を生成することのできる所望のフォトマルチプライア電圧値Gを、きわめて容易に決定することが可能になる。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査するレーザ光の波長ごとに、前記プレスキャンニングを実行し、前記プレスキャンニングの結果、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって、光電的に検出し、前記A/D変換器によって、ディジタル化して、ディジタル画像データを生成し、前記サンプルステージに載置され、標識物質を含む前記サンプルを、レーザ光によって走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、シミュレートし、シミュレートされたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度にしたがって、前記フォトマルチプライアの所望のフォトマルチプライア電圧値を決定し、前記フォトマルチプライアの電圧値を設定するように構成されている。
【0031】
サンプルステージに載置されたサンプルを走査するレーザ光の波長が異なると、フォトマルチプライアの電圧値が同じであっても、生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度が異なり、したがって、所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアを用いて、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度も変化するが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、サンプルステージに載置されたサンプルを走査するレーザ光の波長ごとに、プレスキャンニングを実行し、プレスキャンニングの結果、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定されたフォトマルチプライアによって、光電的に検出し、A/D変換器によって、ディジタル化して、ディジタル画像データを生成し、サンプルステージに載置され、標識物質を含むサンプルを、レーザ光によって走査し、サンプルの標識物質から放出された光を、所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライアによって光電的に検出し、A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、シミュレートし、シミュレートされたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度にしたがって、フォトマルチプライアの所望のフォトマルチプライア電圧値を決定し、フォトマルチプライアの電圧値を設定するように構成されているから、波長の異なるレーザ光を用いて、サンプルステージに載置されたサンプルを走査する場合でも、所望のコントラストの画像を得ることが可能になる。
【0032】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査するレーザ光の波長ごとに、前記各ピクセルの濃度信号強度がシミュレートされたディジタル画像データに基づいて、画像を表示し、表示された前記画像にしたがって、前記フォトマルチプライアの電圧値を決定し、前記フォトマルチプライアの電圧値を設定するように構成されている。
【0033】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記所定のフォトマルチプライア電圧値をG0、前記所定のフォトマルチプライア電圧値とは異なるフォトマルチプライア電圧値をG、ビット数をB、ラチチュードをLとしたとき、次式にしたがって、各ピクセルの濃度信号強度のシフト値ΔQLを算出するように構成されている。
【0034】
ΔQL=2B/L*{log10(G/G0)}
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記プレスキャンニングによって生成された前記ディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をQLi0λ(λは、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長である。)として、次式にしたがって、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をQLiλをシミュレートするように構成されている。
QLiλ=QLi0λ+ΔQL
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記標識物質を含むサンプルが、蛍光色素を含んだサンプルによって構成されている。
【0035】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記標識物質を含むサンプルが、担体上に、蛍光色素によって、選択的に標識された試料の複数のスポットが形成されたマイクロアレイによって構成されている。
【0036】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記標識物質を含むサンプルが、放射線エネルギーが蓄積された輝尽性蛍光体層を備えた蓄積性蛍光体シートによって構成されている。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0038】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの略斜視図である。
【0039】
図1に示されるように、本実施態様にかかるスキャナは、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1と、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2と、473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3とを備えている。本実施態様においては、第1のレーザ励起光源は、半導体レーザ光源によって構成され、第2のレーザ励起光源2および第3のレーザ励起光源3は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation) 素子によって構成されている。
【0040】
第1のレーザ励起光源1により発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ5により、平行光とされた後、ミラー6によって反射される。第1のレーザ励起光源1から発せられ、ミラー6によって反射されたレーザ光4の光路には、640nmのレーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第1のダイクロイックミラー7および532nm以上の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第2のダイクロイックミラー8が設けられており、第1のレーザ励起光源1により発生されたレーザ光4は、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0041】
他方、第2のレーザ励起光源2より発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ9により、平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー7によって反射されて、その向きが90度変えられて、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0042】
また、第3のレーザ励起光源3から発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー8により反射されて、その向きが90度変えられた後、光学ヘッド15に入射する。
【0043】
光学ヘッド15は、ミラー16と、その中央部に、穴17が形成された穴明きミラー18と、レンズ19を備えており、光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17およびレンズ19を通過して、サンプルステージ20にセットされたサンプルキャリア21上に入射する。ここに、サンプルステージ20は、走査機構(図1においては、図示せず)によって、図1において、X方向およびY方向に移動可能に構成されている。
【0044】
本実施態様にかかるスキャナは、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成され、さらに、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成されるとともに、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成されている。
【0045】
マイクロアレイは、たとえば、以下のようにして、生成される。
【0046】
まず、異なるcDNAプローブを含む試料液が、それぞれ、スライドガラス板上に、スポット状に滴下されて、異なるcDNAプローブを含む多数のスポットが、スライドガラス板上に形成される。
【0047】
他方、検体であるRNAを生体細胞から抽出し、さらに、RNAから3’末端にポリAを有するmRNAを抽出する。こうして抽出したポリAを末端に有するmRNAからcDNAを合成する際に、標識物質であるCy−3(登録商標)を存在させて、Cy−3によって標識された第一のターゲットDNAを生成する。
【0048】
その一方で、検体であるRNAを生体細胞から抽出し、さらに、RNAから、3’末端にポリAを有するmRNAを抽出する。こうして抽出したポリAを末端に有するmRNAからcDNAを合成する際に、標識物質であるCy−5(登録商標)を存在させて、Cy−5によって標識された第二のターゲットDNAを生成する。
【0049】
こうして調製された第一のターゲットDNAと第二のターゲットDNAを混合し、混合液を、特異的結合物質であるcDNAが滴下されたスライドガラス板の表面上に静かに載せて、ハイブリダイズさせる。
【0050】
他方、蛍光色素によって標識された変性DNAの電気泳動画像は、たとえば、次のようにして、転写支持体に記録される。
【0051】
すなわち、まず、目的とする遺伝子からなるDNA断片を含む複数のDNA断片を、ゲル支持媒体上で、電気泳動させることにより、分離展開し、アルカリ処理によって変性(denaturation) して、一本鎖のDNAとする。
【0052】
次いで、公知のサザン・ブロッティング法により、このゲル支持媒体と転写支持体とを重ね合わせ、転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写して、加温処理および紫外線照射によって、固定する。
【0053】
その後、目的とする遺伝子のDNAと相補的なDNAあるいはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと転写支持体12上の変性DNA断片とを、加温処理によって、ハイブリタイズさせ、二本鎖のDNAの形成(renaturation)またはDNA・RNA結合体の形成をおこなう。次いで、たとえば、フルオレセイン、ローダミン、Cy−5 などの蛍光色素を用いて、それぞれ、目的とする遺伝子のDNAと相補的なDNAあるいはRNAを標識して、プローブが調製される。このとき、転写支持体上の変性DNA断片は固定されているので、プローブDNAまたはプローブRNAと相補的なDNA断片のみがハイブリタイズして、蛍光標識プローブを捕獲する。しかる後に、適当な溶液で、ハイブリッドを形成しなかったプローブを洗い流すことにより、転写支持体上では、目的遺伝子を有するDNA断片のみが、蛍光標識が付与されたDNAまたはRNAとハイブリッドを形成し、蛍光標識が付与される。こうして、得られた転写支持体に、蛍光色素により標識された変性DNAの電気泳動画像が記録される。
【0054】
一方、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層には、たとえば、以下のようにして、放射性標識物質の位置情報が記録される。
【0055】
メンブレンフィルタなどの担体表面を前処理し、次いで、メンブレンフィルタなどの担体表面上の所定の位置に、塩基配列が既知の互いに異なった複数の特異的結合物質であるcDNAを、スポッター装置を使用して、滴下する。
【0056】
他方、検体であるRNAを生体細胞から抽出し、さらに、RNAから3’末端にポリAを有するmRNAを抽出する。こうして抽出したポリAを末端に有するmRNAからcDNAを合成する際に、放射性標識物質を存在させて、放射性標識物質によって標識されたプローブDNAを生成する。
【0057】
こうして得た放射性標識物質によって標識されたプローブDNAを所定の溶液に調整し、特異的結合物質であるcDNAが滴下されたメンブレンフィルタなどの担体表面上に静かに載せて、ハイブリダイズさせる。
【0058】
次いで、ハイブリダイズされた試料が形成されたメンブレンフィルタなどの担体表面に、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層を重ね合わせて、所定時間にわたって、密着状態に保持することによって、メンブレンフィルタなどの担体上の放射性標識物質から放出される放射線の少なくとも一部が、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に吸収され、放射性標識物質の位置情報が、輝尽性蛍光体層に記録される。
【0059】
レーザ光4が、光学ヘッド15から、サンプル22上に入射すると、サンプル22が、マイクロアレイや蛍光サンプルの場合には、レーザ光4によって、蛍光物質が励起されて、蛍光が発せられ、また、サンプル22が、蓄積性蛍光体シートの場合には、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光が発せられる。
【0060】
サンプル22から発せられた蛍光または輝尽光25は、光学ヘッド15のレンズ19によって、平行な光にされ、穴明きミラー17によって反射されて、4枚のフィルタ28a、28b、28c、28dを備えたフィルタユニット27のいずれかのフィルタ28a、28b、28c、28dに入射する。
【0061】
フィルタユニット27は、モータ(図示せず)によって、図1において、左右方向に移動可能に構成され、使用されるレーザ励起光源の種類によって、所定のフィルタ28a、28b、28c、28dが、蛍光または輝尽光25の光路に位置するように構成されている。
【0062】
ここに、フィルタ28aは、第1のレーザ励起光源1を用いて、サンプル22に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0063】
また、フィルタ28bは、第2のレーザ励起光源2を用いて、サンプル22に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0064】
さらに、フィルタ28cは、第3のレーザ励起光源3を用いて、サンプル22に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0065】
また、フィルタ28dは、サンプル22が蓄積性蛍光体シートである場合に、第1のレーザ励起光源1を用いて、蓄積性蛍光体シートに含まれた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から発せられた輝尽光を読み取るときに使用されるフィルタであり、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を有している。
【0066】
したがって、使用すべきレーザ励起光源の種類、すなわち、サンプルの種類、試料を標識している蛍光物質の種類に応じて、これらのフィルタ28a、28b、28c、28dを選択的に使用することによて、ノイズとなる波長域の光をカットすることが可能になる。
【0067】
フィルタユニット27のフィルタ28a、28b、28cを透過して、所定の波長域の光がカットされた後、蛍光または輝尽光25は、ミラー29に入射し、反射されて、レンズ30によって、集光される。
【0068】
レンズ19とレンズ30は、共焦点光学系を構成している。このように、共焦点光学系を採用しているのは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、スライドガラス板上に形成された微小なスポット状試料から放出された蛍光を、高いS/N比で読み取ることができるようにするためである。
【0069】
レンズ30の焦点の位置には、共焦点切り換え部材31が設けられている。
【0070】
図2は、共焦点切り換え部材31の略正面図である。
【0071】
図2に示されるように、共焦点切り換え部材31は、板状をなし、径の異なる3つのピンホール32a、32b、32cが形成されている。
【0072】
最も径の小さいピンホール32aは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、マイクロアレイから放出された蛍光の光路に配置されるものであり、最も径の大きいピンホール32cは、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合に、転写支持体から放出された蛍光の光路に配置されるものである。
【0073】
また、中間の径を有するピンホール32bは、サンプル22が、蓄積性蛍光体シートである場合に、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光の光路に配置されるものである。
【0074】
このように、レンズ30の焦点の位置に、共焦点切り換え部材31を設けて、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、最も径の小さいピンホール32aを蛍光の光路に位置させているのは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合には、レーザ光4によって、蛍光色素を励起した結果、蛍光はスライドガラス板の表面から放出され、発光点は深さ方向にほぼ一定であるため、共焦点光学系を用いて、径の小さいピンホール32aに結像させることがS/N比を向上させる上で望ましいからである。
【0075】
これに対して、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合に、最も径の大きいピンホール32cを蛍光の光路に位置させているのは、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合には、レーザ光4によって、蛍光色素を励起したときに、蛍光色素はゲル支持体の深さ方向に分布しており、しかも、発光点が深さ方向に変動するので、共焦点光学系によって、径の小さいピンホールに結像させることができず、径の小さいピンホールを用いると、試料から放出された蛍光がカットされ、蛍光を光電的に検出したときに、十分な信号強度が得られないため、径の大きいピンホール32cを用いる必要があるからである。
【0076】
他方、サンプル22が蓄積性蛍光体シートである場合に、中間の径を有するピンホール32bを輝尽光の光路に位置させているのは、レーザ光4によって、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起したときは、輝尽光の発光点は輝尽性蛍光体層の深さ方向に分布し、発光点は深さ方向に変動するので、共焦点光学系によって、径の小さいピンホールに結像させることができず、径の小さいピンホールを用いると、試料から放出された輝尽光がカットされ、輝尽光を光電的に検出したときに、十分な信号強度が得られないが、発光点の深さ方向における分布も、発光点の深さ方向の変動も、ゲル支持体を担体としたマイクロアレイほどではないため、中間の径を有するピンホール32bを用いることが望ましいからである。
【0077】
共焦点切り換え部材31を通過した蛍光あるいは輝尽光は、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、アナログ画像データが生成される。
【0078】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログ画像データはA/D変換器34によって、ディジタル画像データに変換され、ラインバッファ35に送られて、記憶される。
【0079】
ラインバッファ35は、走査線1列分の画像データを一時的に記憶するものであり、走査線1列分のディジタル画像データが記憶されると、そのディジタル画像データを、ラインバッファ35の容量よりもより大きな容量を有する送信バッファ36に出力し、送信バッファ36は、所定の容量のディジタル画像データが記憶されると、ディジタル画像データを、画像データ処理装置37に送信する。
【0080】
図3は、サンプルステージ20の走査機構のうち、主走査機構の詳細を示す略斜視図である。
【0081】
図3に示されるように、副走査用モータ(図示せず)により、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動可能な可動基板40上には、一対のガイドレール41、41が固定されており、サンプルステージ20は、一対のガイドレール41、41に、スライド可能に取り付けられた3つのスライド部材42、42(図3においては、2つのみ図示されている。)に固定されている。
【0082】
図3に示されるように、可動基板40上には、主走査用モータ43が固定されており、主走査用モータ43の出力軸43aには、プーリ44に巻回されたタイミングベルト45が巻回されるとともに、ロータリーエンコーダ46が取り付けられている。
【0083】
したがって、主走査用モータ43を駆動することによって、サンプルステージ20を、一対のガイドレール41、41に沿って、図3において、矢印Xで示される主走査方向に往復移動させ、一方、副走査用モータ(図示せず)によって、可動基板40を副走査方向に移動させることによって、サンプルステージ20を二次元的に移動させ、サンプルステージ20にセットされたサンプル22の全面を、レーザ光4によって、走査することが可能になる。
【0084】
ここに、サンプルステージ20の位置は、ロータリーエンコーダ46により、モニターすることができるように構成されている。
【0085】
図4は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの制御系、入力系、検出系、駆動系および表示系を示すブロックダイアグラムである。
【0086】
図4に示されるように、本実施態様にかかるスキャナの制御系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット50と、RAM51と、画像データ処理装置37を備えており、また、画像読み取り装置の入力系は、ユーザーによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキーボード52およびマウス53を備えている。
【0087】
図4に示されるように、スキャナの検出系は、サンプルステージ20にセットされたサンプルキャリア21の種類を検出して、キャリア検出信号をコントロールユニット50に出力するキャリアセンサ55を備えている。
【0088】
図4に示されるように、本実施態様にかかるスキャナの駆動系は、4つのフィルタ28a、28b、28c、28dを備えたフィルタユニット27を移動させるフィルタユニットモータ57と、共焦点切り換え部材31を移動させる切り換え部材モータ58と、サンプルステージ20を、主走査方向に往復移動させる主走査用モータ43と、サンプルステージ20を、副走査方向に間欠的に移動させる副走査用モータ47を備えている。
【0089】
さらに、図4に示されるように、スキャナの表示系は、CRT59を備えている。
【0090】
コントロールユニット50は、第1のレーザ励起光源1、第2のレーザ励起光源2または第3のレーザ励起光源3に、選択的に駆動信号を出力するとともに、フィルタユニットモータ57、切り換え部材モータ58、主走査用モータ43および副走査用モータ47に、駆動信号を出力可能に構成されている。
【0091】
図5は、画像データ処理装置37のブロックダイアグラムである。
【0092】
図5に示されるように、本実施態様にかかるスキャナの画像データ処理装置は、ディジタル画像データを記憶する画像データ記憶手段60と、ディジタル画像データに、種々のデータ処理を施すデータ処理手段61を備えている。
【0093】
送信バッファ36に一時的に記憶されたディジタル画像データは、画像データ処理装置37のデータ処理手段61の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に出力され、記憶される。
【0094】
このようにして、送信バッファ36から、データ処理手段61の受信バッファ62に送られ、一時的に記憶された画像データは、さらに、受信バッファ62から、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶される。
【0095】
サンプル22の全面を、レーザ光4によって走査して得られたディジタル画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶されると、データ処理手段61のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部63からディジタル画像データを読み出し、データ処理手段61の一時メモリ65に記憶して、必要なデータ処理を施した後、必要なデータ処理が施されたディジタル画像のみを、画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶させ、しかる後に、画像データ一時記憶部63に記憶されたディジタル画像データを消去する。
【0096】
図5に示されるように、画像データ処理装置37のデータ処理手段61は、さらに、送信バッファ36からディジタル画像データを受け取る受信バッファ62と、データ処理を実行するデータ処理部64と、ディジタル画像データを二次元的に展開して、一時的に記憶する一時メモリ65と、ディジタル画像データを二次元的に展開して、一時的に記憶するウィンドメモリ67を備えており、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、一時的に記憶された画像データに基づいて、CRT59の画面上に、画像が生成されるように構成されている。
【0097】
図5に示されるように、画像データ処理装置37のデータ処理手段61は、さらに、各種ウィンドデータを生成して、ウィンドメモリ67に出力し、CRT59の画面上に、各種ウィンドを表示させるウィンド設定部68と、後に詳述する濃度シミュレーション実行部70を備えている。
【0098】
以上のように構成された本実施態様にかかるスキャナは、サンプル22を、レーザ光4によって走査して、標識物質を励起し、標識物質から放出された光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成するのに先立って、まず、フォトマルチプライア33の電圧値を設定するため、図6に示されるフローチャートにしたがって、プレスキャンニングが実行される。
【0099】
まず、ユーザーによって、サンプルステージ20に、サンプル22であるマイクロアレイを保持したサンプルキャリア21がセットされる。
【0100】
サンプルステージ20に、サンプル22であるマイクロアレイを保持したサンプルキャリア21がセットされると、キャリアセンサ55によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット50に出力される。
【0101】
キャリアセンサ55からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット50は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ58に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように、移動させる。
【0102】
次いで、ユーザーによって、標識物質である蛍光物質の種類およびプレスキャンニング開始信号が、キーボード51に入力されると、キーボード51から標識物質指定信号およびプレスキャンニング開始信号がコントロールユニット50に出力される。
【0103】
本実施態様においては、マイクロアレイに含まれた試料は、Cy−5(登録商標)とCy−3(登録商標)とによって、二重標識されており、ユーザーによって、一方の蛍光色素、たとえば、Cy−5(登録商標)が、キーボード52に入力されると、Cy−5は、640nmの波長のレーザ光4によって、最も効率的に励起可能であるから、コントロールユニット50は、入力された標識物質指定信号にしたがって、フィルタユニットモータ57に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28aを光路内に位置させる。
【0104】
コントロールユニット50は、プレスキャンニング開始信号を受けると、画像データ処理装置37のデータ処理手段61のウィンド設定部68に、ウィンド設定信号を出力して、濃度シミュレーションウィンドデータを生成させて、ウィンドメモリ67に出力させ、濃度シミュレーションウィンドを、CRT59の画面上に表示する。
【0105】
図7は、濃度シミュレーションウィンドが、表示されたCRTの画面を示す中間調図面である。
【0106】
図7に示されるように、濃度シミュレーションウィンド80は、画像データに基づいて生成された画像が表示される画像表示部81と、階調表示部82と、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光ごとに、使用されている励起光をカットするためのフィルタの種類を表示する励起光カットフィルタ表示部83a、83bおよび83cと、フォトマルチプライア電圧値の値が表示されるフォトマルチプライア電圧値表示部84a、84bおよび84cと、フォトマルチプライア電圧値を設定可能なスライダ85a、85bおよび85cと、プレスキャンニング開始ボタン86を含んでおり、キーボード52を介して、入力され、あるいは、スライダ85a、85bまたは85cが操作されて、設定されたフォトマルチプライア電圧値は、フォトマルチプライア電圧値表示部84a、84bおよび84cに表示されるように構成されている。
【0107】
まず、ユーザーによって、フォトマルチプライア33のゲインのパーセント値として、適当なフォトマルチプライア電圧値G0の値が、キーボード52に入力され、あるいは、マウス52を用いて、スライダ85aが操作されて、指定される。
【0108】
指定されたフォトマルチプライア電圧値G0は、コントロールユニット50に送られ、コントロールユニット50は、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0にしたがって、フォトマルチプライア33の電圧値を設定するとともに、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0をRAM51に記憶する。
【0109】
同時に、コントロールユニット50は、画像データ処理装置37のウィンド設定部68にデータ表示信号を出力して、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80内の640nmのレーザ光4のフォトマルチプライア電圧値表示部84aに、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0を表示させる。
【0110】
次いで、コントロールユニット50は、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0111】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0112】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0113】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされたマイクロアレイの全面が走査される。
【0114】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識しているCy−5が励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0115】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0116】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28aに入射し、640nmの波長の光がカットされ、640nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0117】
フィルタ28aを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0118】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログ画像データが生成される。
【0119】
このように、共焦点光学系を用いて、スライドガラス板の表面の蛍光色素から発せられた蛍光25をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のイズを最小に抑えることが可能になる。
【0120】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログ画像データはA/D変換器34によって、ディジタル画像データに変換され、ラインバッファ35に送られて、記憶される。
【0121】
こうして、プレスキャンニングによって生成された走査線1列分のディジタル画像データが、ラインバッファ35に記憶されると、走査線1列分のディジタル画像データは、ラインバッファ35の容量よりも大きな容量を有する送信バッファ36に出力されて、記憶され、送信バッファ36は、所定の容量のディジタル画像データが記憶されると、ディジタル画像データを、画像データ処理装置37に送信する。
【0122】
プレスキャンニングによって生成され、送信バッファ36に一時的に記憶されたディジタル画像データは、画像データ処理装置37のデータ処理手段61の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に出力され、記憶される。
【0123】
こうして、プレスキャンニングによって、マイクロアレイの全面を、第1のレーザ励起光源1から発せられた640nmの波長のレーザ光4によって走査して得られたディジタル画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶されると、データ処理手段61のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部63からディジタル画像データを読み出し、データ処理手段61の一時メモリ65に記憶して、必要なデータ処理を施した後、必要なデータ処理が施されたディジタル画像のみを、画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶させ、しかる後に、画像データ一時記憶部63に記憶されたディジタル画像データを消去する。
【0124】
画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶された画像データは、一時メモリ65に読み出され、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、さらに、ウィンドメモリ68に読み出されて、二次元的に展開されて、一時的に記憶される。
【0125】
こうして、プレスキャンニングによって生成され、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、一時的に記憶されたディジタル画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、Cy−5によって標識された試料の画像が表示される。
【0126】
しかしながら、このようにして、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示されたCy−5によって標識された試料の画像は、ユーザーによって、フォトマルチプライア33のゲインのパーセント値として、適当なフォトマルチプライア電圧値G0の値が指定されて、生成された画像データに基づくものであり、一般に、プレスキャンニングの段階で、適切なフォトマルチプライア電圧値G0を指定することはきわめて困難であるから、こうして、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像は、適切な濃度を有してはいない。
【0127】
したがって、従来は、こうして、CRT59の画面上に表示された画像に基づいて、ユーザーによって、新たなフォトマルチプライア電圧値の値が指定されて、適切な濃度を有する画像が、試行錯誤によって、CRT59の画面上に表示されるまで、プレスキャンニングが繰り返されていたが、このような操作はきわめて煩雑であり、多大な時間を要するだけでなく、プレスキャンニングを繰り返す結果、標識物質である蛍光色素が劣化し、蛍光の発光量が低下するという問題があった。
【0128】
そこで、本実施態様においては、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、プレスキャンニングに先立って、入力されたフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gを、キーボード52を介して、入力し、あるいは、マウス53を用いて、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド内のスライダ65aを操作することによって、指定し、指定したフォトマルチプライア電圧値Gにしたがって、信号強度すなわち、生成されるべき画像の濃度をシミュレートすることが可能となるように、画像データ処理装置37のデータ処理手段61は、濃度シミュレーション実行部70を備えている。
【0129】
図8は、画像データ処理装置37のデータ処理手段61に設けられた濃度シミュレーション実行部70のブロックダイアグラムである。
【0130】
図8に示されるように、画像データ処理装置37のデータ処理手段61に設けられた濃度シミュレーション実行部70は、ユーザーが、キーボード52を介して、入力し、あるいは、マウス53を用いて、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80内のスライダ65aを操作することによって、指定したフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLiが、プレスキャンニングによって生成された画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0から、どれだけ、シフトするかを表わす濃度シフト値ΔQLを算出する濃度シフト値算出部71と、濃度シフト値算出部70によって算出された濃度シフト値ΔQLにしたがって、プレスキャンニングによって生成され、一時メモリ65に二次元的に展開されて、記憶されている画像データを構成する各ピクセルの濃度信号強度を補正するピクセル濃度信号強度補正部72を備えている。
【0131】
濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察した結果、画像の濃度が不適切であると判定したときは、ユーザーは、まず、キーボード52を介して、適切と予測されるフォトマルチプライア電圧値Gを入力し、あるいは、マウス53を用いて、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド内のスライダ65aを操作して、適切と予測されるフォトマルチプライア電圧値Gを入力するとともに、濃度シミュレーション開始信号を入力する。
【0132】
濃度シミュレーション開始信号は、フォトマルチプライア電圧値Gとともに、コントロールユニット50に入力され、コントロールユニット50は、濃度シミュレーション開始信号に応答して、RAM51に記憶されたプレスキャンニングに先立って、ユーザーによって入力されたフォトマルチプライア電圧値G0を読み出し、濃度シミュレーション開始信号およびフォトマルチプライア電圧値Gとともに、画像データ処理装置37に出力する。
【0133】
同時に、コントロールユニット50は、新たに、指定されたフォトマルチプライア電圧値GをRAM51に記憶する。
【0134】
フォトマルチプライア電圧値G0、濃度シミュレーション開始信号およびフォトマルチプライア電圧値Gは、画像データ処理装置37のデータ処理手段61に設けられた濃度シミュレーション実行部70の濃度シフト値算出部71に入力される。
【0135】
濃度シミュレーション実行部70の濃度シフト値算出部71は、濃度シミュレーション開始信号を受けると、入力されたフォトマルチプライア電圧値G0およびフォトマルチプライア電圧値Gに基づき、次式(1)にしたがって、ユーザーによって指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi640が、640nmの波長のレーザ光4を用いて、プレスキャンニングによって生成された画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0640から、どれだけ、シフトするかを表わす濃度シフト値ΔQLを算出する。
【0136】
ΔQL=2B/L*{log10(G/G0)} (1)
ここに、Bはビット数であり、Lはラチチュードである。
【0137】
ここに、本実施態様においては、B=16、L=5であるので、式(1)は、次のように、書き換えることができる。
【0138】
ΔQL=13107.2{log10(G/G0)}
こうして、算出された濃度シフト値ΔQLは、濃度信号強度補正部72に出力される。
【0139】
一方、濃度シミュレーション開始信号は、濃度信号強度補正部72にも入力され、濃度信号強度補正部72は、コントロールユニット50から濃度シミュレーション開始信号を受け、濃度シフト値算出部70から濃度シフト値ΔQLを受けると、一時メモリ65に二次元的に展開されて、一時的に記憶されている画像データを読み出し、次式(2)のように、プレスキャンニングによって生成された画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0640に、濃度シフト値算出部70から入力された濃度シフト値ΔQLを加算して、ユーザーによって指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi640を算出する。
【0140】
QLi640=QLi0640+ΔQL (2)
さらに、濃度信号強度補正部72は、画像データの各ピクセルに、こうして算出した各ピクセルの濃度信号強度QLi640を割り当て、各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データを生成し、ウィンドメモリ68に出力する。
【0141】
各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データは、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、記憶され、ウィンドメモリ68に、二次元的に展開されて、記憶された画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、Cy−5によって標識された試料の画像が表示される。
【0142】
ユーザーは、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察して、画像のコントラストが適正であると判断したときは、キーボード52に、フォトマルチプライア電圧決定信号を入力する。
【0143】
コントロールユニット50は、キーボード52を介して、フォトマルチプライア電圧決定信号を受けると、RAM51に記憶されているフォトマルチプライア電圧値Gにしたがって、Cy−5によって標識された試料の画像データを生成する場合のフォトマルチプライア33の電圧値を設定する。
【0144】
これに対して、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察した結果、画像のコントラストが未だ適正でないと判断したときは、ユーザーは、キーボード52を介して、あるいは、マウス53によって、濃度シミュレーションウィンドのスライダ84aを操作して、新たに、フォトマルチプライア電圧値Gを指定し、キーボード52に、濃度シミュレーション開始信号を入力する。
【0145】
濃度シミュレーション開始信号および新たに指定されたフォトマルチプライア電圧値Gは、コントロールユニット50に入力され、上述したのと全く同様にして、濃度シフト値算出部71によって、濃度シフト値ΔQLが算出され、濃度信号強度補正部72によって、ユーザーによって、新たに、指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi640が算出されて、各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データが生成され、生成された画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、Cy−5によって標識された試料の画像が表示される。
【0146】
こうして、適正なコントラストを有する画像が、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示されるまで、濃度シミュレーションが繰り返され、適正なコントラストを有するCy−5によって標識された試料の画像を生成することのできるフォトマルチプライア電圧値Gが決定されて、決定されたフォトマルチプライア電圧値Gにしたがって、コントロールユニット50によって、フォトマルチプライア33の電圧値が設定される。
【0147】
以上のようにして、プレスキャンニングによって、フォトマルチプライア33の電圧値が設定されると、コントロールユニット50は、ウィンド設定部68にウィンド解除信号を出力して、ウィンド設定部68により、ウィンドメモリ67内に設定されていた濃度シミュレーションウィンド80を消去させるとともに、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせ、Cy−5によって標識された試料の生化学解析用の画像データの生成が開始される。
【0148】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0149】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0150】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされたマイクロアレイの全面が走査される。
【0151】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識しているCy−5が励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0152】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0153】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28aに入射し、640nmの波長の光がカットされ、640nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0154】
フィルタ28aを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0155】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログ画像データが生成される。
【0156】
このように、共焦点光学系を用いて、スライドガラス板の表面の蛍光色素から発せられた蛍光25をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のイズを最小に抑えることが可能になる。
【0157】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログ画像データはA/D変換器34によって、ディジタル画像データに変換され、ラインバッファ35に送られて、記憶される。
【0158】
こうして生成された走査線1列分のディジタル画像データが、ラインバッファ35に記憶されると、走査線1列分のディジタル画像データは、ラインバッファ35の容量よりも大きな容量を有する送信バッファ36に出力されて、記憶され、送信バッファ36は、所定の容量のディジタル画像データが記憶されると、ディジタル画像データを、画像データ処理装置37に送信する。
【0159】
ディジタル画像データは、送信バッファ36から、画像データ処理装置37のデータ処理手段61の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に出力され、記憶される。
【0160】
こうして、マイクロアレイの全面を、レーザ光4によって走査して得られたディジタル画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶されると、データ処理手段61のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部63からディジタル画像データを読み出し、データ処理手段61の一時メモリ65に記憶して、必要なデータ処理を施した後、必要なデータ処理が施されたディジタル画像のみを、画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶させ、しかる後に、画像データ一時記憶部63に記憶されたディジタル画像データを消去する。
【0161】
画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶された画像データは、データ処理部64によって、一時メモリ65に読み出されて、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、データ処理部64によって、必要に応じて、データ処理が施されて、ウィンドメモリ68に、二次元的に展開されて、一時的に記憶される。
【0162】
ユーザーによって、キーボード52に画像生成信号が入力されると、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、一時的に記憶されている画像データに基づいて、CRT59の画面上に、Cy−5によって標識された試料の画像が表示される。
【0163】
本実施態様においては、マイクロアレイに含まれた試料は、Cy−5(登録商標)に加えて、Cy−3(登録商標)によって標識されているため、Cy−5によって標識された試料の生化学解析用の画像データが生成されると、Cy−3によって標識された試料の生化学解析用の画像データが生成される。
【0164】
ここに、式(1)に示されるように、濃度シフト値ΔQLは、フォトマルチプライア電圧値Gにのみ依存し、蛍光色素を励起するために用いるレーザ光4の波長には依存しないが、サンプルステージ20に載置されたサンプル22を走査するレーザ光4の波長が異なると、フォトマルチプライア33の電圧値が同じであっても、生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLiが異なり、したがって、フォトマルチプライア33の電圧値をG0に設定して、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0も変化するため、Cy−3によって標識された試料の生化学解析用の画像データを生成する場合にも、まず、プレスキャンニングが実行される。
【0165】
まず、ユーザーによって、標識物質である蛍光物質の種類およびプレスキャンニング開始信号が、キーボード51に入力されると、キーボード51から標識物質指定信号およびプレスキャンニング開始信号がコントロールユニット50に出力される。
蛍光色素の種類として、Cy−3が入力されると、Cy−3は、473nmの波長のレーザ光4によって、最も効率的に励起可能であるから、コントロールユニット50は、入力された標識物質指定信号にしたがって、フィルタユニットモータ57に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、473mの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28cを光路内に位置させる。
【0166】
コントロールユニット50は、プレスキャンニング開始信号を受けると、画像データ処理装置37のデータ処理手段61のウィンド設定部68に、ウィンド設定信号を出力して、濃度シミュレーションウィンドデータを生成させて、ウィンドメモリ67に出力させ、濃度シミュレーションウィンドを、CRT59の画面上に表示する。
【0167】
次いで、ユーザーによって、フォトマルチプライア33のゲインのパーセント値として、適当なフォトマルチプライア電圧値G0の値が、キーボード52に入力され、あるいは、マウス52を用いて、スライダ85cが操作されて、指定される。
【0168】
指定されたフォトマルチプライア電圧値G0は、コントロールユニット50に送られ、コントロールユニット50は、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0にしたがって、フォトマルチプライア33の電圧値を設定するとともに、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0をRAM51に記憶する。
【0169】
同時に、コントロールユニット50は、画像データ処理装置37のウィンド設定部68にデータ表示信号を出力して、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80内の473nmのレーザ光4のフォトマルチプライア電圧値表示部84cに、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0を表示させる。
【0170】
次いで、コントロールユニット50は、第3のレーザ励起光源3に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0171】
第3のレーザ励起光源3から発せられたレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8によって反射されて、光学ヘッド15に入射する。
【0172】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0173】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされたマイクロアレイの全面が走査される。
【0174】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識しているCy−3が励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0175】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0176】
フィルタユニット27は、フィルタ28cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28cに入射し、473nmの波長の光がカットされ、473nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0177】
フィルタ28cを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0178】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログ画像データが生成される。
【0179】
このように、共焦点光学系を用いて、スライドガラス板の表面の蛍光色素から発せられた蛍光25をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のイズを最小に抑えることが可能になる。
【0180】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログ画像データはA/D変換器34によって、ディジタル画像データに変換され、ラインバッファ35に送られて、記憶される。
【0181】
こうして、プレスキャンニングによって生成された走査線1列分のディジタル画像データが、ラインバッファ35に記憶されると、走査線1列分のディジタル画像データは、ラインバッファ35の容量よりも大きな容量を有する送信バッファ36に出力されて、記憶され、送信バッファ36は、所定の容量のディジタル画像データが記憶されると、ディジタル画像データを、画像データ処理装置37に送信する。
【0182】
プレスキャンニングによって生成され、送信バッファ36に一時的に記憶されたディジタル画像データは、画像データ処理装置37のデータ処理手段61の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に出力されて、記憶される。
【0183】
こうして、プレスキャンニングによって、マイクロアレイの全面を、第3のレーザ励起光源3から発せられた473nmの波長のレーザ光4によって走査して得られたディジタル画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶されると、データ処理手段61のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部63からディジタル画像データを読み出し、データ処理手段61の一時メモリ65に記憶して、必要なデータ処理を施した後、必要なデータ処理が施されたディジタル画像のみを、画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶させ、しかる後に、画像データ一時記憶部63に記憶されたディジタル画像データを消去する。
【0184】
画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶された画像データは、一時メモリ65に読み出され、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、さらに、ウィンドメモリ68に読み出されて、二次元的に展開されて、一時的に記憶される。
【0185】
こうして、プレスキャンニングによって生成され、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、一時的に記憶されたディジタル画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、Cy−3によって標識された試料の画像が表示される。
【0186】
しかしながら、このようにして、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示されたCy−3によって標識された試料の画像は、ユーザーによって、フォトマルチプライア33のゲインのパーセント値として、適当なフォトマルチプライア電圧値G0の値が指定されて、生成された画像データに基づくものであり、一般に、プレスキャンニングの段階で、適切なフォトマルチプライア電圧値G0を指定することはきわめて困難であるから、こうして、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像は、適切な濃度を有してはいない。
【0187】
そこで、第1レーザ励起光源1から発せられた640nmの波長を有するレーザ光4を用いて、プレスキャンニングを実行した場合と同様に、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察した結果、画像の濃度が不適切であると判定したときは、ユーザーは、まず、キーボード52を介して、適切と予測されるフォトマルチプライア電圧値Gを入力し、あるいは、マウス53を用いて、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド内のスライダ65cを操作して、適切と予測されるフォトマルチプライア電圧値Gを入力するとともに、濃度シミュレーション開始信号を入力する。
【0188】
濃度シミュレーション開始信号は、フォトマルチプライア電圧値Gとともに、コントロールユニット50に入力され、コントロールユニット50は、濃度シミュレーション開始信号に応答して、RAM51に記憶されたプレスキャンニングに先立って、ユーザーによって入力されたフォトマルチプライア電圧値G0を読み出し、濃度シミュレーション開始信号およびフォトマルチプライア電圧値Gとともに、画像データ処理装置37に出力する。
【0189】
同時に、コントロールユニット50は、新たに、指定されたフォトマルチプライア電圧値GをRAM51に記憶する。
【0190】
フォトマルチプライア電圧値G0、濃度シミュレーション開始信号およびフォトマルチプライア電圧値Gは、画像データ処理装置37のデータ処理手段61に設けられた濃度シミュレーション実行部70の濃度シフト値算出部71に入力される。
【0191】
濃度シミュレーション実行部70の濃度シフト値算出部71は、濃度シミュレーション開始信号を受けると、入力されたフォトマルチプライア電圧値G0およびフォトマルチプライア電圧値Gに基づき、次式(1)にしたがって、ユーザーによって指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi473が、473nmの波長のレーザ光4を用いて、プレスキャンニングによって生成された画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0473から、どれだけ、シフトするかを表わす濃度シフト値ΔQLを算出する。
【0192】
ΔQL=2B/L*{log10(G/G0)} (1)
ここに、Bはビット数であり、Lはラチチュードである。
【0193】
ここに、本実施態様においては、B=16、L=5であるので、式(1)は、次のように、書き換えることができる。
【0194】
ΔQL=13107.2{log10(G/G0)}
こうして、算出された濃度シフト値ΔQLは、濃度信号強度補正部72に出力される。
【0195】
一方、濃度シミュレーション開始信号は、濃度信号強度補正部72にも入力され、濃度信号強度補正部72は、コントロールユニット50から濃度シミュレーション開始信号を受け、濃度シフト値算出部70から濃度シフト値ΔQLを受けると、一時メモリ65に二次元的に展開されて、一時的に記憶されている画像データを読み出し、次式(2)のように、プレスキャンニングによって生成された画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0473に、濃度シフト値算出部70から入力された濃度シフト値ΔQLを加算して、ユーザーによって指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi473を算出する。
【0196】
QLi473=QLi0473+ΔQL (2)
さらに、濃度信号強度補正部72は、画像データの各ピクセルに、こうして算出した各ピクセルの濃度信号強度QLi473を割り当て、各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データを生成し、ウィンドメモリ68に出力する。
【0197】
各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データは、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、記憶され、ウィンドメモリ68に、二次元的に展開されて、記憶された画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、Cy−3によって標識された試料の画像が表示される。
【0198】
ユーザーは、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察して、画像のコントラストが適正であると判断したときは、キーボード52に、フォトマルチプライア電圧決定信号を入力する。
【0199】
コントロールユニット50は、キーボード52を介して、フォトマルチプライア電圧決定信号を受けると、RAM51に記憶されているフォトマルチプライア電圧値Gにしたがって、Cy−3によって標識された試料の画像データを生成する場合のフォトマルチプライア33の電圧値を設定する。
【0200】
これに対して、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察した結果、画像のコントラストが未だ適正でないと判断したときは、ユーザーは、キーボード52を介して、あるいは、マウス53によって、濃度シミュレーションウィンドのスライダ84cを操作して、新たに、フォトマルチプライア電圧値Gを指定し、キーボード52に、濃度シミュレーション開始信号を入力する。
【0201】
濃度シミュレーション開始信号および新たに指定されたフォトマルチプライア電圧値Gは、コントロールユニット50に入力され、上述したのと全く同様にして、濃度シフト値算出部71によって、濃度シフト値ΔQLが算出され、濃度信号強度補正部72によって、ユーザーによって、新たに、指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi473が算出されて、各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データが生成され、生成された画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、Cy−3によって標識された試料の画像が表示される。
【0202】
こうして、適正なコントラストを有する画像が、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示されるまで、濃度シミュレーションが繰り返され、適正なコントラストを有するCy−3によって標識された試料の画像を生成することのできるフォトマルチプライア電圧値Gが決定されて、決定されたフォトマルチプライア電圧値Gにしたがって、コントロールユニット50によって、フォトマルチプライア33の電圧値が設定される。
【0203】
以上のようにして、プレスキャンニングによって、フォトマルチプライア33の電圧値が設定されると、コントロールユニット50は、ウィンド設定部68にウィンド解除信号を出力して、ウィンド設定部68により、ウィンドメモリ67内に設定されていた濃度シミュレーションウィンド80を消去させるとともに、第3のレーザ励起光源3に駆動信号を出力して、オンさせ、Cy−3によって標識された試料の生化学解析用の画像データの生成が開始される。
【0204】
第3のレーザ励起光源3から発せられた473nmの波長のレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8によって反射されて、光学ヘッド15に入射する。
【0205】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0206】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされたマイクロアレイの全面が走査される。
【0207】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識しているCy−3が励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0208】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0209】
フィルタユニット27は、フィルタ28cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28cに入射し、473nmの波長の光がカットされ、473nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0210】
フィルタ28cを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0211】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログ画像データが生成される。
【0212】
このように、共焦点光学系を用いて、スライドガラス板の表面の蛍光色素から発せられた蛍光25をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のイズを最小に抑えることが可能になる。
【0213】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログ画像データはA/D変換器34によって、ディジタル画像データに変換され、ラインバッファ35に送られて、記憶される。
【0214】
こうして生成された走査線1列分のディジタル画像データが、ラインバッファ35に記憶されると、走査線1列分のディジタル画像データは、ラインバッファ35の容量よりも大きな容量を有する送信バッファ36に出力されて、記憶され、送信バッファ36は、所定の容量のディジタル画像データが記憶されると、ディジタル画像データを、画像データ処理装置37に送信する。
【0215】
ディジタル画像データは、送信バッファ36から画像データ処理装置37のデータ処理手段61の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に出力されて、記憶される。
【0216】
こうして、マイクロアレイの全面を、レーザ光4によって走査して得られたディジタル画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶されると、データ処理手段61のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部63からディジタル画像データを読み出し、データ処理手段61の一時メモリ65に記憶して、必要なデータ処理を施した後、必要なデータ処理が施されたディジタル画像のみを、画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶させ、しかる後に、画像データ一時記憶部63に記憶されたディジタル画像データを消去する。
【0217】
画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶された画像データは、データ処理部64によって、一時メモリ65に読み出されて、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、データ処理部64によって、必要に応じて、データ処理が施されて、ウィンドメモリ68に、二次元的に展開されて、一時的に記憶される。
【0218】
ユーザーによって、キーボード52に画像生成信号が入力されると、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、一時的に記憶されている画像データに基づいて、CRT59の画面上に、Cy−3によって標識された試料の画像が表示される。
【0219】
一方、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を、フォトマルチプライアによって光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成する場合には、以下のようにして、生化学解析用の画像データが生成される。
【0220】
前述のように、濃度シフト値ΔQLは、フォトマルチプライア電圧値Gにのみ依存し、蛍光色素を励起するために用いるレーザ光4の波長には依存しないが、サンプルステージ20に載置されたサンプル22を走査するレーザ光4の波長が異なると、フォトマルチプライア33の電圧値が同じであっても、生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLiが異なり、したがって、フォトマルチプライア33の電圧値をG0に設定して、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0も変化するため、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成する場合にも、使用するレーザ光4の波長が異なるときは、まず、プレスキャンニングが実行される。
【0221】
まず、ユーザーによって、サンプルステージ20に、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプル22が保持されたサンプルキャリア21がセットされる。
【0222】
サンプルステージ20に、サンプルキャリア21がセットされると、キャリアセンサ55によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット50に出力される。
【0223】
キャリアセンサ55からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット50は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ58に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、最も径の大きいピンホール32cが光路内に位置するように、移動させる。
【0224】
次いで、ユーザーによって、標識物質である蛍光物質の種類およびプレスキャンニング開始信号が、キーボード51に入力されると、キーボード51から標識物質指定信号およびプレスキャンニング開始信号がコントロールユニット50に出力される。
【0225】
たとえば、変性DNAがローダミンによって選択的に標識されているときは、ローダミンは、532nmの波長のレーザによって、最も効率的に励起することができるから、コントロールユニット50は第2のレーザ励起光源2を選択するとともに、フィルタ32bを選択し、フィルタユニットモータ57に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28bを、蛍光25の光路内に位置させる。
【0226】
コントロールユニット50は、プレスキャンニング開始信号を受けると、画像データ処理装置37のデータ処理手段61のウィンド設定部68に、ウィンド設定信号を出力して、濃度シミュレーションウィンドデータを生成させて、ウィンドメモリ67に出力させ、濃度シミュレーションウィンドを、CRT59の画面上に表示する。
【0227】
次いで、ユーザーによって、フォトマルチプライア33のゲインのパーセント値として、適当なフォトマルチプライア電圧値G0の値が、キーボード52に入力され、あるいは、マウス52を用いて、スライダ85bが操作されて、指定される。
【0228】
指定されたフォトマルチプライア電圧値G0は、コントロールユニット50に送られ、コントロールユニット50は、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0にしたがって、フォトマルチプライア33の電圧値を設定するとともに、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0をRAM51に記憶する。
【0229】
同時に、コントロールユニット50は、画像データ処理装置37のウィンド設定部68にデータ表示信号を出力して、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80内の532nmのレーザ光4のフォトマルチプライア電圧値表示部84bに、指定されたフォトマルチプライア電圧値G0を表示させる。
【0230】
次いで、コントロールユニット50は、第2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0231】
第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ9によって、平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー7に入射して、反射される。
【0232】
第1のダイクロイックミラー7によって反射されたレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0233】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされた蛍光サンプル22に入射する。
【0234】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされた蛍光サンプル22の全面が走査される。
【0235】
レーザ光4の照射を受けると、試料を標識している蛍光色素、たとえば、ローダミンが励起され、蛍光25が放出される。蛍光サンプル22の担体として、転写支持体が用いられている場合には、蛍光色素は、転写支持体の深さ方向に分布しているため、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から、蛍光25が発せられ、発光点の深さ方向の位置も変動する。
【0236】
転写支持体を担体とした蛍光サンプル22から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0237】
フィルタユニット27は、フィルタ28bが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28bに入射し、532nmの波長の光がカットされ、532nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0238】
フィルタ28bを透過した蛍光は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、集光されるが、蛍光25は、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から発せられているため、結像はしない。
【0239】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の大きいピンホール32cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は最も径の大きいピンホール32cを通過して、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログ画像データが生成される。
【0240】
したがって、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの表面の蛍光色素から発せられた蛍光25を、高いS/N比で、検出するために、共焦点光学系を用いているにもかかわらず、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から発せられた蛍光25も高い信号強度で検出することが可能になる。
【0241】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログ画像データはA/D変換器34によって、ディジタル画像データに変換され、ラインバッファ35に送られて、記憶される。
【0242】
こうして、プレスキャンニングによって生成された走査線1列分のディジタル画像データが、ラインバッファ35に記憶されると、走査線1列分のディジタル画像データは、ラインバッファ35の容量よりも大きな容量を有する送信バッファ36に出力されて、記憶され、送信バッファ36は、所定の容量のディジタル画像データが記憶されると、ディジタル画像データを、画像データ処理装置37に送信する。
【0243】
プレスキャンニングによって生成され、送信バッファ36に一時的に記憶されたディジタル画像データは、画像データ処理装置37のデータ処理手段61の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に出力されて、記憶される。
【0244】
こうして、プレスキャンニングによって、蛍光サンプル22の全面を、第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4によって走査して得られたディジタル画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶されると、データ処理手段61のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部63からディジタル画像データを読み出し、データ処理手段61の一時メモリ65に記憶して、必要なデータ処理を施した後、必要なデータ処理が施されたディジタル画像のみを、画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶させ、しかる後に、画像データ一時記憶部63に記憶されたディジタル画像データを消去する。
【0245】
画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶された画像データは、一時メモリ65に読み出され、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、さらに、ウィンドメモリ68に読み出されて、二次元的に展開されて、一時的に記憶される。
【0246】
こうして、プレスキャンニングによって生成され、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、一時的に記憶されたディジタル画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、ローダミンによって選択的に標識された変性DNAの画像が表示される。
【0247】
しかしながら、前述のように、このようにして、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示されたローダミンによって選択的に標識された変性DNAの画像は、ユーザーによって、フォトマルチプライア33のゲインのパーセント値として、適当なフォトマルチプライア電圧値G0の値が指定されて、生成された画像データに基づくものであり、一般に、プレスキャンニングの段階で、適切なフォトマルチプライア電圧値G0を指定することはきわめて困難であるから、こうして、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像は、適切な濃度を有してはいない。
【0248】
そこで、第1レーザ励起光源1から発せられた640nmの波長を有するレーザ光4を用いて、マイクロアレイを走査して、プレスキャンニングを実行した場合と同様に、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察した結果、画像の濃度が不適切であると判定したときは、ユーザーは、まず、キーボード52を介して、適切と予測されるフォトマルチプライア電圧値Gを入力し、あるいは、マウス53を用いて、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド内のスライダ65bを操作して、適切と予測されるフォトマルチプライア電圧値Gを入力するとともに、濃度シミュレーション開始信号を入力する。
【0249】
濃度シミュレーション開始信号は、フォトマルチプライア電圧値Gとともに、コントロールユニット50に入力され、コントロールユニット50は、濃度シミュレーション開始信号に応答して、RAM51に記憶されたプレスキャンニングに先立って、ユーザーによって入力されたフォトマルチプライア電圧値G0を読み出し、濃度シミュレーション開始信号およびフォトマルチプライア電圧値Gとともに、画像データ処理装置37に出力する。
【0250】
同時に、コントロールユニット50は、新たに、指定されたフォトマルチプライア電圧値GをRAM51に記憶する。
【0251】
フォトマルチプライア電圧値G0、濃度シミュレーション開始信号およびフォトマルチプライア電圧値Gは、画像データ処理装置37のデータ処理手段61に設けられた濃度シミュレーション実行部70の濃度シフト値算出部71に入力される。
【0252】
濃度シミュレーション実行部70の濃度シフト値算出部71は、濃度シミュレーション開始信号を受けると、入力されたフォトマルチプライア電圧値G0およびフォトマルチプライア電圧値Gに基づき、次式(1)にしたがって、ユーザーによって指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi532が、532nmの波長のレーザ光4を用いて、プレスキャンニングによって生成された画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0532から、どれだけ、シフトするかを表わす濃度シフト値ΔQLを算出する。
【0253】
ΔQL=2B/L*{log10(G/G0)} (1)
ここに、Bはビット数であり、Lはラチチュードである。
【0254】
ここに、本実施態様においては、B=16、L=5であるので、式(1)は、次のように、書き換えることができる。
【0255】
ΔQL=13107.2{log10(G/G0)}
こうして、算出された濃度シフト値ΔQLは、濃度信号強度補正部72に出力される。
【0256】
一方、濃度シミュレーション開始信号は、濃度信号強度補正部72にも入力され、濃度信号強度補正部72は、コントロールユニット50から濃度シミュレーション開始信号を受け、濃度シフト値算出部70から濃度シフト値ΔQLを受けると、一時メモリ65に二次元的に展開されて、一時的に記憶されている画像データを読み出し、次式(2)のように、プレスキャンニングによって生成された画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0532に、濃度シフト値算出部70から入力された濃度シフト値ΔQLを加算して、ユーザーによって指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi532を算出する。
【0257】
QLi532=QLi0532+ΔQL (2)
さらに、濃度信号強度補正部72は、画像データの各ピクセルに、こうして算出した各ピクセルの濃度信号強度QLi532を割り当て、各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データを生成し、ウィンドメモリ68に出力する。
【0258】
各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データは、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、記憶され、ウィンドメモリ68に、二次元的に展開されて、記憶された画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示されている濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、ローダミンによって選択的に標識された変性DNAの画像が表示される。
【0259】
ユーザーは、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察して、画像のコントラストが適正であると判断したときは、キーボード52に、フォトマルチプライア電圧決定信号を入力する。
【0260】
コントロールユニット50は、キーボード52を介して、フォトマルチプライア電圧決定信号を受けると、RAM51に記憶されているフォトマルチプライア電圧値Gにしたがって、ローダミンによって選択的に標識された変性DNAの画像データを生成する場合のフォトマルチプライア33の電圧値を設定する。
【0261】
これに対して、濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示された画像を観察した結果、画像のコントラストが未だ適正でないと判断したときは、ユーザーは、キーボード52を介して、あるいは、マウス53によって、濃度シミュレーションウィンドのスライダ84bを操作して、新たに、フォトマルチプライア電圧値Gを指定し、キーボード52に、濃度シミュレーション開始信号を入力する。
【0262】
濃度シミュレーション開始信号および新たに指定されたフォトマルチプライア電圧値Gは、コントロールユニット50に入力され、上述したのと全く同様にして、濃度シフト値算出部71によって、濃度シフト値ΔQLが算出され、濃度信号強度補正部72によって、ユーザーによって、新たに、指定されたフォトマルチプライア電圧値Gを用いて、画像データを生成したときの各ピクセルの濃度信号強度QLi532が算出されて、各ピクセルの濃度信号強度が補正された画像データが生成され、生成された画像データに基づいて、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に、ローダミンによって選択的に標識された変性DNAの画像が表示される。
【0263】
こうして、適正なコントラストを有する画像が、CRT59の画面上に表示された濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示されるまで、濃度シミュレーションが繰り返され、適正なコントラストを有するローダミンによって選択的に標識された変性DNAの画像を生成することのできるフォトマルチプライア電圧値Gが決定されて、決定されたフォトマルチプライア電圧値Gにしたがって、コントロールユニット50によって、フォトマルチプライア33の電圧値が設定される。
【0264】
以上のようにして、プレスキャンニングによって、フォトマルチプライア33の電圧値が設定されると、コントロールユニット50は、ウィンド設定部68にウィンド解除信号を出力して、ウィンド設定部68により、ウィンドメモリ67内に設定されていた濃度シミュレーションウィンド80を消去させるとともに、第2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力して、オンさせ、ローダミンによって選択的に標識された変性DNAの生化学解析用の画像データの生成が開始される。
【0265】
第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ9によって、平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー7に入射して、反射される。
【0266】
第1のダイクロイックミラー7によって反射されたレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0267】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされた蛍光サンプル22に入射する。
【0268】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされた蛍光サンプル22の全面が走査される。
【0269】
レーザ光4の照射を受けると、試料を標識している蛍光色素、たとえば、ローダミンが励起され、蛍光25が放出される。蛍光サンプル22の担体として、転写支持体が用いられている場合には、蛍光色素は、転写支持体の深さ方向に分布しているため、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から、蛍光25が発せられ、発光点の深さ方向の位置も変動する。
【0270】
転写支持体を担体とした蛍光サンプル22から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0271】
フィルタユニット27は、フィルタ28bが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28bに入射し、532nmの波長の光がカットされ、532nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0272】
フィルタ28bを透過した蛍光は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、集光されるが、蛍光25は、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から発せられているため、結像はしない。
【0273】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の大きいピンホール32cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は最も径の大きいピンホール32cを通過して、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログ画像データが生成される。
【0274】
したがって、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの表面の蛍光色素から発せられた蛍光25を、高いS/N比で、検出するために、共焦点光学系を用いているにもかかわらず、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から発せられた蛍光25も高い信号強度で検出することが可能になる。
【0275】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログ画像データはA/D変換器34によって、ディジタル画像データに変換され、ラインバッファ35に送られて、記憶される。
【0276】
こうして生成された走査線1列分のディジタル画像データが、ラインバッファ35に記憶されると、走査線1列分のディジタル画像データは、ラインバッファ35の容量よりも大きな容量を有する送信バッファ36に出力されて、記憶され、送信バッファ36は、所定の容量のディジタル画像データが記憶されると、ディジタル画像データを、画像データ処理装置37に送信する。
【0277】
ディジタル画像データは、送信バッファ36から、画像データ処理装置37のデータ処理手段61の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に出力され、記憶される。
【0278】
こうして、蛍光サンプル22の全面を、レーザ光4によって走査して得られたディジタル画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶されると、データ処理手段61のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部63からディジタル画像データを読み出し、データ処理手段61の一時メモリ65に記憶して、必要なデータ処理を施した後、必要なデータ処理が施されたディジタル画像のみを、画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶させ、しかる後に、画像データ一時記憶部63に記憶されたディジタル画像データを消去する。
【0279】
ディジタル画像データは、画像データ記憶手段60から、一時メモリ65に読み出され、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、さらに、ウィンドメモリ68に読み出されて、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、一時的に記憶されたディジタル画像データに基づいて、CRT59の画面上に、ローダミンによって選択的に標識された変性DNAの画像が表示される。
【0280】
これに対して、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する場合には、以下のようにして、放射性標識物質の位置情報に関する生化学解析用のデータが生成される。
【0281】
前述のように、濃度シフト値ΔQLは、フォトマルチプライア電圧値Gにのみ依存し、蛍光色素を励起するために用いるレーザ光4の波長には依存しないが、フォトマルチプライア33の電圧値が異なると、生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLiが異なり、したがって、フォトマルチプライア33の電圧値をG0に設定して、プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度QLi0も変化するため、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する場合にも、使用するレーザ光4の波長が異なるときは、まず、プレスキャンニングが実行される。
しかしながら、第1のレーザ励起光源1から発せられた640nmのレーザ光4によって、輝尽性蛍光体は、最も効率的に励起されるが、本実施態様においては、Cy−5によって標識されたマイクロアレイに含まれている試料の生化学解析用の画像データを生成のに先立って、すでに、第1のレーザ励起光源1から発せられた640nmのレーザ光4によって、プレスキャンニングが実行され、濃度シミュレーションによって、適切な濃度を有する画像を与える画像データを生成することのできるフォトマルチプライア電圧値Gが決定されているので、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する場合には、Cy−5によって標識されたマイクロアレイに含まれている試料の生化学解析用の画像データを生成のに先立ち、濃度シミュレーションによって決定されたフォトマルチプライア電圧値Gにしたがって、フォトマルチプライア33の電圧値が設定され、放射性標識物質の位置情報に関する生化学解析用の画像データの生成にあたっては、プレスキャンニングは実行されない。
【0282】
まず、ユーザーによって、サンプルステージ20に、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートを保持したサンプルキャリア21がセットされる。
【0283】
サンプルステージ20に、サンプルキャリア21がセットされると、キャリアセンサ55によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット50に出力される。
【0284】
キャリアセンサ55からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット50は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ58に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、中間の径を有するピンホール32bが光路内に位置するように、移動させる。
【0285】
さらに、コントロールユニット50は、入力された指示信号にしたがって、フィルタユニットモータ57に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を有するフィルタ28dを光路内に位置させる。
【0286】
次いで、コントロールユニット50は、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0287】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0288】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22である蓄積性蛍光体シートに入射する。
【0289】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされたサンプル22である蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層の全面が走査される。
【0290】
レーザ光4の照射を受けると、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光25が放出される。蓄積性蛍光体シートの場合には、輝尽性蛍光体は輝尽性蛍光体層中に含まれており、ある程度、輝尽性蛍光体層の深さ方向に分布しているため、輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から、輝尽光が発せられ、発光点の深さ方向の位置も変動する。しかしながら、輝尽性蛍光体層は薄いため、転写支持体の場合ほど、発光点は深さ方向に分布してはいない。
【0291】
輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射されて、フィルタユニット27に入射する。
【0292】
フィルタユニット27は、フィルタ28dが光路内に位置するように移動されているため、輝尽光25はフィルタ28dに入射し、640nmの波長の光がカットされ、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみが透過される。
【0293】
フィルタ28dを透過した輝尽光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、集光されるが、輝尽光は、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から発せられているため、結像はしない。
【0294】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、中間の径を有するピンホール32bが光路内に位置するように移動されているため、輝尽光は中間の径を有するピンホール32bを通過して、フォトマルチプライア33により、光電的に検出されて、アナログ画像データが生成される。
【0295】
したがって、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの表面の蛍光色素から発せられた蛍光25を、高いS/N比で、検出するために、共焦点光学系を用いているにもかかわらず、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から発せられた輝尽光25も高い信号強度で検出することが可能になる。
【0296】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログ画像データはA/D変換器34によって、ディジタル画像データに変換され、ラインバッファ35に送られて、記憶される。
【0297】
こうして生成された走査線1列分のディジタル画像データが、ラインバッファ35に記憶されると、走査線1列分のディジタル画像データは、ラインバッファ35の容量よりも大きな容量を有する送信バッファ36に出力されて、記憶され、送信バッファ36は、所定の容量のディジタル画像データが記憶されると、ディジタル画像データを、画像データ処理装置37に送信する。
【0298】
ディジタル画像データは、送信バッファ36から、画像データ処理装置37のデータ処理手段61の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に出力され、記憶される。
【0299】
こうして、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層の全面を、レーザ光4によって走査して得られたディジタル画像データが、画像データ記憶手段60の画像データ一時記憶部63に記憶されると、データ処理手段61のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部63からディジタル画像データを読み出し、データ処理手段61の一時メモリ65に記憶して、必要なデータ処理を施した後、必要なデータ処理が施されたディジタル画像のみを、画像データ記憶手段60の画像データ記憶部66に記憶させ、しかる後に、画像データ一時記憶部63に記憶されたディジタル画像データを消去する。
【0300】
ディジタル画像データは、画像データ記憶手段60から、一時メモリ65に読み出され、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、さらに、ウィンドメモリ68に読み出されて、二次元的に展開されて、一時的に記憶され、ウィンドメモリ68に二次元的に展開されて、一時的に記憶されたディジタル画像データに基づいて、CRT59の画面上に、放射性標識物質の位置情報を示す画像が表示される。
【0301】
本実施態様によれば、サンプル22に含まれた標識物質を励起するために用いるレーザ光4の波長ごとに、所定のフォトマルチプライア電圧値G0を用いて、1回のプレスキャンニングによって生成した画像データに基づき、レーザ光4によって、サンプル22を走査して、標識物質を励起し、標識物質から放出された光を、異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定されたフォトマルチプライア33によって光電的に検出して得られる画像データのコントラストを演算により算出して、シミュレートし、適正なフォトマルチプライア電圧値Gを決定しているから、適正なフォトマルチプライア電圧値Gを決定するために、プレスキャンニングを繰り返して、実行する必要がなく、したがって、簡易に、かつ、短時間に、フォトマルチプライアの電圧値を、所望のように設定することができるだけでなく、繰り返して、レーザ光4の照射を受けて、試料を標識している蛍光色素が劣化し、生化学解析用の画像データを生成する際に、蛍光の受光光量が低下することを効果的に防止することが可能となるとともに、繰り返して、レーザ光4の照射を受けて、輝尽性蛍光体層から、放射線エネルギーが失われ、生化学解析用の画像データを生成する際に、輝尽光の受光光量が低下する効果的に防止することが可能になる。
【0302】
また、本実施態様によれば、ユーザーが指定したフォトマルチプライア電圧値Gを用いた場合に生成される画像が、CRT59の画面の濃度シミュレーションウィンド80の画像表示部81内に表示されるように構成されているから、指定したフォトマルチプライア電圧値Gが適正であるか否かを、ユーザーは視覚的に判断することができ、きわめて簡易に、適正なフォトマルチプライア電圧値を決定することが可能になる。
【0303】
さらに、本実施態様によれば、ユーザーが指定したフォトマルチプライア電圧値Gを用いた場合に生成される画像が、CRT59の画面上に表示されるように構成されているから、効率的に励起可能なレーザ光の波長を異にする2以上の蛍光色素によって標識された同一のマイクロアレイを、異なる波長のレーザ光4によって走査して生成する画像データ相互間で、画像間演算を実行すべきときは、それぞれの蛍光色素によって標識された画像間で、特定のスポットの濃度が等しくなるように、フォトマルチプライア電圧値Gを設定することによって、画像データ生成後に、画像データ処理によって、濃度を合致させることなく、異なる波長のレーザ光4を用いて生成した画像相互間での画像間演算を効率的に実行することが可能になる。
【0304】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0305】
たとえば、前記実施態様においては、濃度シフト値算出部71が、プレスキャンニングに先立って、入力されたフォトマルチプライア電圧値をG0、それに基づいて生成されるべき画像のコントラストをシミュレートするフォトマルチプライア電圧値をG、ビット数をB、ラチチュードをLとしたとき、次式(1)にしたがって、各ピクセルの濃度信号強度のシフト値ΔQLを算出するように構成されているが、式(1)にしたがって、各ピクセルの濃度信号強度のシフト値ΔQLを算出することは必ずしも必要がなく、使用するスキャナに応じて、フォトマルチプライア電圧値G0、フォトマルチプライア電圧値をGおよび各ピクセルの濃度信号強度のシフト値ΔQLとの関係式を、実験的に求め、得られた関係式にしたがって、各ピクセルの濃度信号強度のシフト値ΔQLを算出して、フォトマルチプライア電圧値をGとしたときの画像のコントラストをシミュレートすることができる。
【0306】
ΔQL=2B/L*{log10(G/G0)} (1)
また、前記実施態様においては、スキャナは、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成され、さらに、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成されるとともに、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成されているが、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成されていればよく、さらに、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成されるとともに、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用の画像データを生成可能に構成されていることは、必ずしも必要でない。
【0307】
さらに、前記実施態様においては、マイクロアレイに含まれた試料が、Cy−5(登録商標)およびCy−3(登録商標)の2種類の蛍光色素によって標識されているが、試料が2種類の蛍光色素によって標識されていることは必ずしも必要でなく、1種類の蛍光色素によって標識されていても、3種類以上のの蛍光色素にによって標識されていてもよい。
【0308】
さらに、前記実施態様においては、スキャナは、第1のレーザ励起光源1、第2のレーザ励起光源2および第3のレーザ励起光源3を備えているが、3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも必要ない。
【0309】
また、前記実施態様においては、第1のレーザ励起光源1として、640nmの波長のレーザ光4を発する半導体レーザ光源を用いているが、640nmの波長のレーザ光4を発する半導体レーザ光源に代えて、633nmの波長を有するレーザ光4を発するHe−Neレーザ光源あるいは635nmのレーザ光4を発する半導体レーザ光源を用いてもよい。
【0310】
さらに、前記実施態様においては、第2のレーザ励起光源2として、532nmのレーザ光を発するレーザ光源を用い、第3のレーザ励起光源3として、473nmのレーザ光を発するレーザ光源を用いているが、励起する蛍光物質の種類に応じて、第2のレーザ励起光源2として、530ないし540nmのレーザ光を発するレーザ光源を、第3のレーザ励起光源3として、470ないし490nmのレーザ光を発するレーザ光源を、それぞれ、用いることもできる。
【0311】
また、前記実施態様においては、共焦点切り換え部材31には、3つの径の異なるピンホール32a、32b、32cが形成され、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32aが、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32bが、転写支持体を担体とする蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32cが、それぞれ、用いられているが、共焦点切り換え部材31に、ピンホール32a、32bのみを形成し、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32aを介して、蛍光25を受光し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32bを介して、輝尽光を受光し、転写支持体を担体とした蛍光サンプルから放出された蛍光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、共焦点切り換え部材31を、蛍光25の光路から退避させ、フォトマルチプライア33の受光光量が増大するように構成することもできるし、また、共焦点切り換え部材31に、ピンホール32aのみを形成し、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときにのみ、ピンホール32aを介して、蛍光25を受光し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときおよび転写支持体を担体とした蛍光サンプルから放出された蛍光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、共焦点切り換え部材31を、蛍光25の光路から退避させ、フォトマルチプライア33の受光光量が増大するように構成することもできる。
【0312】
さらに、前記実施態様においては、画像をCRT59の画面上に表示しているが、画像を表示する表示手段は、CRT59に限定されるものではなく、液晶ディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネルなどのフラットディスプレイパネル、その他の表示手段を用いることもできる。
【0313】
【発明の効果】
本発明によれば、サンプルの劣化を招くことなく、簡易に、かつ、短時間に、フォトマルチプライアの電圧値を、所望のように設定することのできるスキャナおよびスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの略斜視図である。
【図2】図2は、共焦点切り換え部材の略正面図である。
【図3】図3は、サンプルステージの走査機構のうち、主走査機構の詳細を示す略斜視図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの制御系、入力系、検出系および駆動系を示すブロックダイアグラムである。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの画像データ処理装置のブロックダイアグラムである。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナにおいて実行されるフォトマルチプライア電圧値G決定ルーティンを示すフローチャートである。
【図7】図7は、濃度シミュレーションウィンドが、表示されたCRTの画面を示す中間調図面である。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの画像データ処理装置のデータ処理手段に設けられた濃度シミュレーション実行部のブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1 第1のレーザ励起光源
2 第2のレーザ励起光源
3 第3のレーザ励起光源
4 レーザ光
5 コリメータレンズ
6 ミラー
7 第1のダイクロイックミラー
8 第2のダイクロイックミラー
9 コリメータレンズ
10 コリメータレンズ
15 光学ヘッド
16 ミラー
17 穴
18 穴明きミラー
19 レンズ
20 サンプルステージ
21 サンプルキャリア
22 サンプル
25 蛍光または輝尽光
27 フィルタユニット
28a、28b、28c、28d フィルタ
29 ミラー
30 レンズ
31 共焦点切り換え部材
32a、32b、32c、32d、32e ピンホール
33 フォトマルチプライア
34 A/D変換器
35 ラインバッファ
36 送信バッファ
37 画像データ処理装置
40 可動基板
41、41 一対のガイドレール
42 スライド部材
43 主走査用モータ
43a 主走査用モータの出力軸
44 プーリ
45 タイミングベルト
46 ロータリーエンコーダ
47 副走査用モータ
50 コントロールユニット
51 RAM
52 キーボード
53 マウス
55 キャリアセンサ
57 フィルタユニットモータ
58 切り換え部材モータ
59 CRT
60 画像データ記憶手段
61 データ処理手段
62 受信バッファ
63 画像データ一時記憶部
64 データ処理部
65 一時メモリ
66 画像データ記憶部
67 ウィンドメモリ
68 ウィンド設定部
70 濃度シミュレーション実行部
71 濃度シフト値算出部
72 濃度信号強度補正部
80 濃度シミュレーションウィンド
81 画像表示部
82 階調表示部
83a、83b、83c 励起光カットフィルタ表示部
84a、84b、84c フォトマルチプライア電圧値表示部
85a、85b、85c スライダ
86 プレスキャンニング開始ボタン
Claims (21)
- レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源と、標識物質を含むサンプルを載置するサンプルステージと、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査可能なように、前記サンプルステージを移動させる走査手段と、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、前記サンプルが走査されて、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログ画像データを生成するフォトマルチプライアと、前記フォトマルチプライアによって生成されたアナログ画像データをディジタル画像データに変換するA/D変換器を備えたスキャナであって、前記フォトマルチプライアのフォトマルチプライア電圧値を所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定し、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査して、プレスキャンニングを実行し、前記プレスキャンニングの結果、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって、光電的に検出して生成したディジタル画像データに基づいて、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするピクセル濃度信号強度シミュレート手段を備えたことを特徴とするスキャナ。
- 前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段が、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度に対し、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度がシフトする濃度信号強度シフト値を算出する濃度信号強度シフト値算出手段と、前記濃度信号強度シフト値算出手段によって算出された濃度信号強度シフト値にしたがって、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を補正して、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするピクセル濃度信号強度補正手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスキャナ。
- さらに、表示手段を備え、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出して生成したディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度が、前記ピクセル濃度信号強度補正手段によって、補正されて生成されたディジタル画像データに基づいて、画像が生成され、前記表示手段に表示されるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載のスキャナ。
- さらに、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段によって、シミュレートされた画像データの各ピクセルの濃度信号強度に基づき、前記フォトマルチプライアのフォトマルチプライア電圧値を設定するフォトマルチプライア電圧値設定手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスキャナ。
- 発せられるレーザ光の波長を異にする2以上のレーザ励起光源を備え、前記2以上のレーザ励起光源から発せられ、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査するレーザ光の波長ごとに、前記プレスキャンニングが実行され、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段が、前記プレスキャンニングの結果、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって、光電的に検出して生成したディジタル画像データに基づいて、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートするように構成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスキャナ。
- さらに、前記2以上のレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長ごとに、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段によって、シミュレートされた画像データの各ピクセルの濃度信号強度に基づき、前記ピクセル濃度信号強度シミュレート手段によって、シミュレートされた画像データの各ピクセルの濃度信号強度に基づき、前記フォトマルチプライアのフォトマルチプライア電圧値を設定する前記フォトマルチプライア電圧値設定手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のスキャナ。
- 前記濃度信号強度シフト値算出手段が、前記所定のフォトマルチプライア電圧値をG0、前記所定のフォトマルチプライア電圧値とは異なる前記フォトマルチプライア電圧値をG、ビット数をB、ラチチュードをLとしたとき、次式にしたがって、各ピクセルの濃度信号強度のシフト値ΔQLを算出することを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載のスキャナ。
ΔQL=2B/L*{log10(G/G0)} - 前記ピクセル濃度信号強度補正手段が、前記プレスキャンニングによって生成された前記ディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をQLi0λ(λは、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長である。)として、次式にしたがって、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をQLiλをシミュレートするように構成されたことを特徴とする請求項7に記載のスキャナ。
QLiλ=QLi0λ+ΔQL - 前記標識物質を含むサンプルが、蛍光色素を含んだサンプルによって構成されたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のスキャナ。
- 前記標識物質を含むサンプルが、担体上に、蛍光色素によって、選択的に標識された試料の複数のスポットが形成されたマイクロアレイによって構成されたことを特徴とする請求項9に記載のスキャナ。
- 前記標識物質を含むサンプルが、放射線エネルギーが蓄積された輝尽性蛍光体層を備えた蓄積性蛍光体シートによって構成されたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のスキャナ。
- フォトマルチプライアの電圧値を所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定し、サンプルステージに載置され、標識物質を含むサンプルを、レーザ光によって走査して、プレスキャンニングを実行し、前記プレスキャンニングの結果、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって、光電的に検出し、前記A/D変換器によって、ディジタル化して、ディジタル画像データを生成し、前記サンプルステージに載置され、標識物質を含む前記サンプルを、レーザ光によって走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、シミュレートし、シミュレートされたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度にしたがって、前記フォトマルチプライアの所望のフォトマルチプライア電圧値を決定し、前記フォトマルチプライアの電圧値を設定することを特徴とするスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
- 前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、レーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度がシフトする濃度信号強度シフト値を算出し、前記濃度信号強度シフト値にしたがって、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を補正して、レーザ光により、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をシミュレートすることを特徴とする請求項12に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
- さらに、前記各ピクセルの濃度信号強度がシミュレートされたディジタル画像データに基づいて、画像を表示し、表示された前記画像にしたがって、前記フォトマルチプライアの電圧値を決定し、前記フォトマルチプライアの電圧値を設定することを特徴とする請求項13に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
- 前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査するレーザ光の波長ごとに、前記プレスキャンニングを実行し、前記プレスキャンニングの結果、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0に設定された前記フォトマルチプライアによって、光電的に検出し、前記A/D変換器によって、ディジタル化して、ディジタル画像データを生成し、前記サンプルステージに載置され、標識物質を含む前記サンプルを、レーザ光によって走査し、前記サンプルの前記標識物質から放出された光を、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度を、前記プレスキャンニングによって生成されたディジタル画像データに基づいて、シミュレートし、シミュレートされたディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度にしたがって、前記フォトマルチプライアの所望のフォトマルチプライア電圧値を決定し、前記フォトマルチプライアの電圧値を設定することを特徴とする請求項12または13に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
- さらに、前記サンプルステージに載置された前記サンプルを走査するレーザ光の波長ごとに、前記各ピクセルの濃度信号強度がシミュレートされたディジタル画像データに基づいて、画像を表示し、表示された前記画像にしたがって、前記フォトマルチプライアの電圧値を決定し、前記フォトマルチプライアの電圧値を設定することを特徴とする請求項15に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
- 前記所定のフォトマルチプライア電圧値をG0、前記所定のフォトマルチプライア電圧値とは異なる前記フォトマルチプライア電圧値をG、ビット数をB、ラチチュードをLとしたとき、次式にしたがって、各ピクセルの濃度信号強度のシフト値ΔQLを算出するように構成されたことを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1項に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
ΔQL=2B/L*{log10(G/G0)} - 前記プレスキャンニングによって生成された前記ディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をQLi0λ(λは、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長である。)として、次式にしたがって、前記所定のフォトマルチプライア電圧値G0とは異なるフォトマルチプライア電圧値Gに設定された前記フォトマルチプライアによって光電的に検出し、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成されるべきディジタル画像データの各ピクセルの濃度信号強度をQLiλをシミュレートするように構成されたことを特徴とする請求項17に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
QLiλ=QLi0λ+ΔQL - 前記標識物質を含むサンプルが、蛍光色素を含んだサンプルによって構成されたことを特徴とする請求項12ないし18のいずれか1項に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
- 前記標識物質を含むサンプルが、担体上に、蛍光色素によって、選択的に標識された試料の複数のスポットが形成されたマイクロアレイによって構成されたことを特徴とする請求項19に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
- 前記標識物質を含むサンプルが、放射線エネルギーが蓄積された輝尽性蛍光体層を備えた蓄積性蛍光体シートによって構成されたことを特徴とする請求項12ないし18のいずれか1項に記載のスキャナのフォトマルチプライアの電圧値設定方法。
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