JP4256585B2 - 双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法およびジッターを補正可能な双方向走査スキャナ - Google Patents

双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法およびジッターを補正可能な双方向走査スキャナ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法、ジッターを補正可能な双方向走査スキャナおよびサンプルキャリアに関するものであり、さらに詳細には、簡易に、かつ、低コストで、双方向走査スキャナにおけるジッターを補正することのできるジッターの補正方法、簡易に、かつ、低コストで、ジッターを補正することのできる高分解能の双方向走査スキャナおよび簡易に、かつ、低コストで、ジッターを補正するための補正データを生成することのできる双方向走査スキャナ用のサンプルキャリアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線が照射されると、放射線のエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の組織の一部をサンプルとし、このサンプルを、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シートと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、クロムTなどの表示手段上あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、画像を再生するように構成されたオートラジオグラフィ検出システムが知られている(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−60782号公報、特公平4−3952号公報など)。
【0003】
蓄積性蛍光体シートを画像の検出材料として使用するオートラジオグラフィ検出システムは、写真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要であるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施すことによって、所望のように、画像を再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】
他方、オートラジオグラフィシステムにおける放射性標識物質に代えて、蛍光物質を標識物質として使用した蛍光検出(fluorescence) システムが知られている。このシステムによれば、蛍光画像を読み取ることによって、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえば、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、ゲル支持体上のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNAを変性(denaturation) し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAを分布を検出したりすることができる。さらに、標識物質により標識した目的とする遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質により標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、励起光により、生成された蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることもできる。この蛍光検出システムは、放射性物質を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出することができるという利点がある。
【0005】
さらに、近年、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識された物質をハイブリダイズさせたマイクロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ画像検出システムが開発されている。このマイクロアレイ画像検出システムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可能になるという利点がある。
【0006】
また、メンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識された物質をハイブリダイズさせたマクロアレイを、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析する放射性標識物質を用いたマクロアレイ検出システムも開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらのシステムは、いずれも、サンプルに、励起光を照射して、輝尽性蛍光体や蛍光物質などの標識物質を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光や蛍光物質から放出された蛍光などを光電的に検出して、標識物質の画像データや発光量データなどの生化学解析用のデータを生成するものであり、これらのシステムのために用いられるデータ生成装置は、スキャナを用いたものと、二次元センサを用いたものに大別される。
【0008】
二次元センサを用いる場合に比し、スキャナを用いる場合には、高解像度で、データを生成することができるという利点がある。
【0009】
この場合、サンプルに対して、主走査方向に、励起光を往復動させて、サンプルを励起光によって、走査するように構成された双方向走査スキャナを用いて、生化学解析用のデータを生成すると、効率的であるため、双方向走査スキャナを用いるのが一般的である。
【0010】
かかる双方向走査スキャナにおいては、主走査方向において、サンプルステージと光学系が、高速で往復運動される結果、走査機構の機械精度や移動される負荷などによって、往路と復路とで、相対的な移動速度にばらつきが生じ、また、データのサンプリングタイミングがずれるために、生成されたデータに、いわゆるジッターが発生するという問題があった。
【0011】
ことに、マイクロアレイシステムの場合には、スライドガラス板などの表面上で、特異的結合物質とハイブリダイズした生体由来の物質を標識している蛍光物質からの蛍光を光電的に検出して、データを生成する際、S/N比を向上させるために、共焦点光学系を用いることが望ましく、そのためには、サンプルを載置するステージを、主走査方向に、往復動させることが光学的に有利であり、その結果、ジッターが顕著に発生しやすく、深刻な問題となっていた。
【0012】
さらに、コストダウンのために、タイミングベルトなどを用いて、サンプルステージを主走査方向に往復動するように構成する場合に、タイミングベルトの伸びなどによって、ジッターが発生しやすく、ジッターの発生を効果的に防止する方法の開発が望まれていた。
【0013】
したがって、本発明は、簡易に、かつ、低コストで、双方向走査スキャナにおけるジッターを補正することのできるジッターの補正方法、簡易に、かつ、低コストで、ジッターを補正することのできる高分解能の双方向走査スキャナおよび簡易に、かつ、低コストで、ジッターを補正するための補正データを生成することのできる双方向走査スキャナ用のサンプルキャリアを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、サンプルがセットされたサンプルステージとレーザ光とを、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動するとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査し、前記サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成された双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法であって、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルを、前記サンプルステージに対して、相対的に固定し、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に相対的に移動させて、前記補正データ生成用のサンプルを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、前記サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正する双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法において、前記サンプルステージと前記レーザ光の主走査方向の相対的な移動速度、および、前記サンプルステージと前記レーザ光が主走査方向に相対的に移動される際の画素ピッチに応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させることを特徴とする双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法によって達成される。
【0015】
本発明によれば、レーザ光に対して、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動されるとともに、主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動されるサンプルステージに対して、相対的に固定され、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルを、レーザ光により、走査し、補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、アナログデータをディジタル化して、ジッターを含み、走査ラインごとに偏倚を有する補正データ生成用のディジタルデータを生成し、補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定しているから、ジッター補正データを用いて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になり、本発明によれば、こうして得たジッター補正データを、双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、レーザ光によって、サンプルを走査して、標識物質を励起し、標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
さらに、本発明によれば、サンプルステージとレーザ光の主走査方向の相対的な移動速度、および、サンプルステージとレーザ光が主走査方向に相対的に移動される際の画素ピッチに応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、双方向走査スキャナのメモリに記憶させるように構成されているから、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、サンプルがセットされたサンプルステージとレーザ光とを、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動するとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査し、前記サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成された双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法であって、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルを、前記サンプルステージに対して、相対的に固定し、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に相対的に移動させて、前記補正データ生成用のサンプルを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、前記サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正する双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法において、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチで、かつ、異なる移動速度で、相対的に移動させて、前記サンプルステージと前記レーザ光の主走査方向の相対的な移動速度に応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させ、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に、前記特定の画素ピッチとは異なる画素ピッチで、相対的に移動させて、前記サンプルのディジタルデータを生成したときは、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを補正して、ジ ッター補正データを生成し、前記サンプルのディジタルデータを補正することを特徴とする双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法によって達成される。
本発明によれば、レーザ光に対して、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動されるとともに、主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動されるサンプルステージに対して、相対的に固定され、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルを、レーザ光により、走査し、補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、アナログデータをディジタル化して、ジッターを含み、走査ラインごとに偏倚を有する補正データ生成用のディジタルデータを生成し、補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定しているから、ジッター補正データを用いて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になり、本発明によれば、こうして得たジッター補正データを、双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、レーザ光によって、サンプルを走査して、標識物質を励起し、標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
さらに、本発明によれば、サンプルステージとレーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチで、かつ、異なる移動速度で、相対的に移動させて、サンプルステージとレーザ光の主走査方向の相対的な移動速度に応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、サンプルステージとレーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチとは異なる画素ピッチで、相対的に移動させて、サンプルのディジタルデータを生成したときは、双方向走査スキャナのメモリに記憶されたジッター補正データを補正して、ジッター補正データを生成し、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されており、サンプルステージとレーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチで、相対的に移動させた場合にのみ、ジッター補正データを生成し、画素ピッチが異なるときは、メモリに記憶されたジッター補正データを補正して、サンプルのディジタルデータのジッターを補正しているので、簡易に、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0016】
本発明の好ましい実施態様においては、前記サンプルステージと前記レーザ光とを、主走査方向において、相対的に、一往復させて、前記レーザ光によって、前記補正データ生成用のサンプルを走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、往路に対応する第一ライン目のディジタルデータと、復路に対応する第二ライン目のディジタルデータよりなる補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、第一ライン目の前記ディジタルデータに対する第二ライン目の前記ディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させ、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、偶数番目の走査ラインに対応する前記サンプルの前記ディジタルデータを補正するように構成されている。
【0017】
本発明の好ましい実施態様によれば、サンプルステージとレーザ光とを、主走査方向において、相対的に、一往復させて、レーザ光によって、補正データ生成用のサンプルを走査し、補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、アナログデータをディジタル化して、往路に対応する第一ライン目のディジタルデータと復路に対応する第一ライン目のディジタルデータよりなる補正データ生成用のディジタルデータを生成し、補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、第一ライン目のディジタルデータに対する第二ライン目のディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、ジッター補正データを用いて、偶数番目の走査ラインに対応するサンプルのディジタルデータを補正するように構成されており、第一ライン目のディジタルデータに対する第二ライン目のディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定し、このジッター補正データを用いて、偶数番目の走査ラインに対応するサンプルのディジタルデータを補正するだけで、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することができるから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0018】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向および副走査方向に、相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記補正データ生成用のサンプルを走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、(2N−1)番目のラインのディジタルデータ(Nは1以上の整数)に対する2N番目のラインのディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、それぞれ、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させ、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、2N番目のラインに対応する前記サンプルの前記ディジタルデータを補正するように構成されている。
【0019】
本発明の別の好ましい実施態様によれば、サンプルステージとレーザ光を、主走査方向および副走査方向に、相対的に移動させて、レーザ光によって、補正データ生成用のサンプルを走査し、補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、(2N−1)番目のラインのディジタルデータ(Nは1以上の整数)に対する2N番目のラインのディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、それぞれ、ジッター補正データとして決定して、双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、ジッター補正データを用いて、2N番目のラインに対応するサンプルのディジタルデータを補正するように構成されているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、かつ、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルステージと前記レーザ光を、大きな移動ピッチで、副走査方向に、相対的に移動させて、前記ジッター補正データを、4以上のラインを含む前記サンプルのディジタルデータのデータ領域ごとに、生成し、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させるように構成されている。
【0021】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、サンプルのディジタルデータのデータ領域によって、発生するジッターが異なる場合にも、ジッター補正データを、4以上のラインを含むサンプルのディジタルデータのデータ領域ごとに、生成して、サンプルのディジタルデータを補正しているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、かつ、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記補正データ生成用のサンプルに形成された前記規則的なパターンが、蛍光物質によって形成され、前記レーザ光によって、前記蛍光物質が励起されて、前記補正データ生成用のサンプルから放出された蛍光を光電的に検出して、前記補正データ生成用のディジタルデータを生成するように構成されている。
【0023】
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記補正データ生成用のサンプルに形成された前記規則的なパターンが、可視濃淡パターンによって形成され、前記補正データ生成用のサンプルによって反射された前記レーザ光を光電的に検出して、前記補正データ生成用のディジタルデータを生成するように構成されている。
【0024】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルステージを、主走査方向に往復移動させつつ、副走査方向に移動させて、前記補正データ生成用のサンプルを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、前記サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、前記サンプルステージを、主走査方向に往復移動させつつ、副走査方向に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されている。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、S/N比を向上させるために、共焦点光学系を用いる場合にも、簡易に、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記レーザ光を、主走査方向に往復移動させつつ、副走査方向に移動させて、前記補正データ生成用のサンプルを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、前記サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、前記レーザ光を、主走査方向に往復移動させつつ、副走査方向に移動させ、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されている。
【0035】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、必要に応じて、ジッター補正データを生成し、前記メモリに記憶するように構成されている。
【0036】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、タイミングベルトの伸びが、経時的に偏かするなどの原因で、発生するジッターが異なるようになっても、適宜、ジッター補正データを生成して、メモリに記憶し、新たなジッター補正データを用いて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0037】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルステージに、蛍光物質によって標識されているサンプルを載置し、レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記蛍光物質を励起し、前記蛍光物質から放出された蛍光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されている。
【0038】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルステージに、前記サンプルとして、放射性標識物質によって標識されている輝尽性蛍光体層を備えた蓄積性蛍光体シートを載置し、レーザ光によって、前記輝尽性蛍光体層を走査して、前記輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、前記輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されている。
【0039】
本発明の前記目的はまた、標識物質によって標識されたサンプルがセットされるサンプルステージと、レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源を備え、前記サンプルステージと、前記レーザ光とが、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動されるとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動され、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査し、前記サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成された双方向走査スキャナであって、さらに、前記標識物質から放出された光を光電的に受光して、アナログデータを生成する光検出器と、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられた前記レーザ光を、前記サンプルステージに集光させるとともに、前記標識物質から放出された光を、前記光検出器に導く集光光学系と、前記光検出器により生成されたアナログデータをディジタル化するA/D変換器と、データ処理装置と、メモリとを備え、前記データ処理装置が、前記サンプルステージに対して、相対的に固定され、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルが、前記サンプルステージと前記レーザ光が、主走査方向に相対的に移動されて、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させ、前記サンプルステージに載置され、標識物質によって標識されたサンプルが、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって走査されて、前記標識物質が励起され、前記標識物質から放出された光を、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された前記サンプルのディジタルデータを、前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成された双方向走査スキャナにおいて、前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光の主走査方向の相対的な移動速度、および、前記サンプルステージと前記レーザ光が主走査方向に相対的に移動される際の画素ピッチに応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させるように構成されたことを特徴とする双方向走査スキャナによって達成される。
【0040】
本発明によれば、双方向走査スキャナは、標識物質によって標識されたサンプルがセットされるサンプルステージと、レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源を備え、サンプルステージとレーザ光とが、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動されるとともに、主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動され、レーザ光によって、サンプルを走査し、サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成され、さらに、標識物質から放出された光を光電的に受光して、アナログデータを生成する光検出器と、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光を、サンプルステージに集光させるとともに、標識物質から放出された光を、光検出器に導く集光光学系と、光検出器により生成されたアナログデータをディジタル化するA/D変換器と、データ処理装置と、メモリとを備え、データ処理装置が、サンプルステージに対して、相対的に固定され、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルを、レーザ光によって走査し、補正データ生成用のサンプルから放出された光を、光検出器が光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器によりディジタル化して、ジッターを含み、走査ラインごとに偏倚を有する補正データ生成用のディジタルデータを生成し、補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、メモリに記憶させ、サンプルステージに載置され、標識物質によって標識されたサンプルを、レーザ光によって、走査して、標識物質を励起し、標識物質から放出された光を、光検出器が光電的に検出して、生成されたアナログデータを、A/D変換器によってディジタル化して、生成されたサンプルのディジタルデータを、メモリに記憶されたジッター補正データを用いて、補正するように構成されているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、スキャナによって生成されたサンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
さらに、本発明によれば、データ処理装置は、サンプルステージとレーザ光の主走査方向の相対的な移動速度、および、サンプルステージとレーザ光が主走査方向に相対的に移動される際の画素ピッチに応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、双方向走査スキャナのメモリに記憶させるように構成されているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、かつ、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、標識物質によって標識されたサンプルがセットされるサンプルステージと、レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源を備え、前記サンプルステージと、前記レーザ光とが、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動されるとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動され、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査し、前記サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成された双方向走査スキャナであって、さらに、前記標識物質から放出された光を光電的に受光して、アナログデータを生成する光検出器と、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられた前記レーザ光を、前記サンプルステージに集光させるとともに、前記標識物質から放出された光を、前記光検出器に導く集光光学系と、前記光検出器により生成されたアナログデータをディジタル化するA/D変換器と、データ処理装置と、メモリとを備え、前記データ処理装置が、前記サンプルステージに対して、相対的に固定され、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルが、前記サンプルステージと前記レーザ光が、主走査方向に相対的に移動されて、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された補正データ生 成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させ、前記サンプルステージに載置され、標識物質によって標識されたサンプルが、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって走査されて、前記標識物質が励起され、前記標識物質から放出された光を、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された前記サンプルのディジタルデータを、前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成された双方向走査スキャナにおいて、前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチで、かつ、異なる移動速度で、相対的に移動させて、前記サンプルステージと前記レーザ光の主走査方向の相対的な移動速度に応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させ、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に、前記特定の画素ピッチとは異なる画素ピッチで、相対的に移動させて、前記サンプルのディジタルデータを生成したときは、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを補正して、ジッター補正データを生成し、前記サンプルのディジタルデータを補正するように構成されたことを特徴とする双方向走査スキャナによって達成される。
本発明によれば、双方向走査スキャナは、標識物質によって標識されたサンプルがセットされるサンプルステージと、レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源を備え、サンプルステージとレーザ光とが、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動されるとともに、主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動され、レーザ光によって、サンプルを走査し、サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成され、さらに、標識物質から放出された光を光電的に受光して、アナログデータを生成する光検出器と、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光を、サンプルステージに集光させるとともに、標識物質から放出された光を、光検出器に導く集光光学系と、光検出器により生成されたアナログデータをディジタル化するA/D変換器と、データ処理装置と、メモリとを備え、データ処理装置が、サンプルステージに対して、相対的に固定され、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルを、レーザ光によって走査し、補正データ生成用のサンプルから放出された光を、光検出器が光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器によりディジタル化して、ジッターを含み、走査ラインごとに偏倚を有する補正データ生成用のディジタルデータを生成し、補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、メモリに記憶させ、サンプルステージに載置され、標識物質によって標識されたサンプルを、レーザ光によって、走査して、標識物質を励起し、標識物質から放出された光を、光検出器が光電的に検出して、生成されたアナログデータを、A/D変換器によってディジタル化して、生成されたサンプルのディジタルデータを、メモリに記憶されたジッター補正データを用いて、補正するように構成されているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、スキャナによって生成されたサンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
さらに、本発明によれば、データ処理装置は、サンプルステージとレーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチで、かつ、異なる移動速度で、相対的に移動させて、サンプルステージとレーザ光の主走査方向の相対的な移動速度に応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、サンプルステージとレーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチとは異なる画素ピッチで、相対的に移動させて、サンプルのディジタルデータを生成したときは、双方向走査スキャナのメモリに記憶されたジッター補正データを補正して、ジッター補正データを生成し、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上さ せるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0041】
本発明の好ましい実施態様においては、前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光が、主走査方向に、相対的に、一往復されて、前記レーザ光によって、前記補正データ生成用のサンプルが走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって、光電的に検出されて、生成されたアナログデータが、前記A/D変換器によって、ディジタル化されて、生成された往路に対応する第一ライン目のディジタルデータと復路に対応する第一ライン目のディジタルデータよりなる補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、第一ライン目の前記ディジタルデータに対する第二ライン目の前記ディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させるとともに、前記ジッター補正データを用いて、偶数番目の走査ラインに対応する前記サンプルの前記ディジタルデータを補正するように構成されている。
【0042】
本発明の好ましい実施態様によれば、データ処理装置が、サンプルステージとレーザ光を、主走査方向に、相対的に、一往復させて、レーザ光によって、補正データ生成用のサンプルを走査し、補正データ生成用のサンプルから放出された光を、光検出器によって、光電的に検出して、生成されたアナログデータを、A/D変換器によって、ディジタル化して、生成された往路に対応する第一ライン目のディジタルデータと復路に対応する第二ライン目のディジタルデータよりなる補正データ生成用のディジタルデータに基づき、第一ライン目のディジタルデータに対する第二ライン目のディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、スキャナのメモリに記憶させ、ジッター補正データを用いて、偶数番目の走査ラインに対応するサンプルのディジタルデータを補正するように構成されており、第一ライン目のディジタルデータに対する第二ライン目のディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定し、このジッター補正データを用いて、偶数番目の走査ラインに対応するサンプルのディジタルデータを補正するだけで、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することができるから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0043】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光が、主走査方向および副走査方向に、相対的に移動されて、前記補正データ生成用のサンプルが走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって光電的に検出されて、生成されたアナログデータが、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、(2N−1)番目のラインのディジタルデータ(Nは1以上の整数)に対する2N番目のラインのディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、それぞれ、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させるとともに、前記ジッター補正データを用いて、2N番目のラインに対応する前記サンプルの前記ディジタルデータを補正するように構成されている。
【0044】
本発明の別の好ましい実施態様によれば、データ処理装置が、サンプルステージとレーザ光を、主走査方向および副走査方向に、相対的に移動させて、補正データ生成用のサンプルを走査し、補正データ生成用のサンプルから放出された光を、光検出器によって光電的に検出して、生成されたアナログデータを、A/D変換器によってディジタル化して、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、(2N−1)番目のラインのディジタルデータ(Nは1以上の整数)に対する2N番目のラインのディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、それぞれ、スキャナのメモリに記憶させるとともに、ジッター補正データを用いて、2N番目のラインに対応するサンプルのディジタルデータを補正するように構成されているから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、かつ、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0045】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光を、大きな移動ピッチで、副走査方向に、相対的に移動させて、前記ジッター補正データを、4以上のラインを含む前記サンプルのディジタルデータのデータ領域ごとに、生成し、前記メモリに記憶させるように構成されている。
【0046】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、サンプルのディジタルデータのデータ領域によって、発生するジッターが異なる場合にも、ジッター補正データを、4以上のラインを含むサンプルのディジタルデータのデータ領域ごとに、生成して、サンプルのディジタルデータを補正しているから、簡易に、かつ、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0047】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記補正データ生成用のサンプルに形成された前記規則的なパターンが、蛍光物質によって形成され、前記データ処理装置が、前記レーザ光によって、前記蛍光物質が励起されて、前記補正データ生成用のサンプルから放出された蛍光を光電的に検出して、前記補正データ生成用のディジタルデータを生成するように構成されている。
【0048】
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記補正データ生成用のサンプルに形成された前記規則的なパターンが、可視濃淡パターンによって形成され、前記データ処理装置が、前記補正データ生成用のサンプルによって反射された前記レーザ光を光電的に検出して、前記補正データ生成用のディジタルデータを生成するように構成されている。
【0057】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、前記少なくとも1つのレーザ励起光源の側の前記サンプルステージの表面に、前記蛍光を発する物質の規則的なパターンが形成され、前記データ処理装置が、前記メモリに記憶されたジッター補正データを更新可能に構成されている。
【0058】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、さらに、少なくとも1つのレーザ励起光源の側のサンプルステージの表面に、蛍光を発する物質の規則的なパターンが形成され、データ処理装置が、メモリに記憶されたジッター補正データを更新可能に構成されているから、タイミングベルトの伸びが、経時的に変化するなどの原因で、発生するジッターが異なるようになっても、適宜、ジッター補正データを生成して、メモリに記憶し、新たなジッター補正データを用いて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、かつ、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0059】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記データ処理装置が、前記サンプルとして、前記サンプルステージに載置され、蛍光物質によって標識されたサンプルを、レーザ光によって、走査して、前記蛍光物質を励起し、前記蛍光物質から放出された蛍光を、前記光検出器によって光電的に検出して、生成されたアナログデータを、前記A/D変換器によってディジタル化して、生成された前記サンプルのディジタルデータを、前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されている。
【0060】
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記データ処理装置が、前記サンプルとして、前記サンプルステージに載置され、放射性標識物質によって標識された輝尽性蛍光体層を備えた蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を、レーザ光によって、走査して、前記輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、前記輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を、前記光検出器によって光電的に検出して、生成されたアナログデータを、前記A/D変換器によってディジタル化して、生成された前記サンプルのディジタルデータを、前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されている。
【0061】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記データ処理装置が、前記サンプルステージにセットされ、前記サンプルを保持するサンプル保持部を備えたサンプルキャリアの表面に形成された規則的なパターンが、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させるように構成されている。
【0062】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、データ処理装置が、サンプルステージにセットされ、サンプルを保持するサンプル保持部を備えたサンプルキャリアの表面に形成された規則的なパターンが、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査され、補正データ生成用のサンプルから放出された光が、光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、A/D変換器によりディジタル化されて、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、メモリに記憶させるように構成されているから、タイミングベルトの伸びが、経時的に変化するなどの原因で、発生するジッターが異なるようになっても、適宜、きわめて容易に、ジッター補正データを生成して、メモリに記憶し、新たなジッター補正データを用いて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、かつ、より高精度で、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0063】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記規則的なパターンが、前記サンプルキャリアの前記サンプル保持部の外側に形成されている。
【0064】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、規則的なパターンが、サンプルキャリアのサンプル保持部の外側に形成されているから、サンプル保持部に保持されたサンプルを、レーザ光によって、走査する際に、規則的なパターンを形成する補正データ生成用のサンプルから、光が放出され、データ中にノイズを生成することを防止して、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0065】
本発明の前記目的はまた、サンプルを保持可能なサンプル保持部を備え、サンプルステージに載置されるサンプルキャリアであって、前記サンプルステージ側の表面に、規則的なパターンが形成されたことを特徴とするサンプルキャリアによって達成される。
【0066】
本発明によれば、サンプルを保持可能なサンプル保持部を備え、サンプルステージに載置可能に構成されたサンプルキャリアは、そのサンプルステージ側の表面に、励起光の照射を受けたときに、励起されて、蛍光を発する物質の規則的なパターンを備えているから、必要に応じて、サンプルステージを移動させて、レーザ光によって、規則的なパターンを走査して、規則的なパターンから放出された光光電的に検出して、アナログデータを生成し、アナログデータをディジタル化して、ジッターを含み、走査ラインごとに偏倚を有する補正データ生成用のディジタルデータを生成し、補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定することができ、こうして得たジッター補正データを、双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、サンプル保持部に、標識物質によって標識されているサンプルを保持させて、サンプルステージを移動させ、レーザ光によって、サンプルを走査して、標識物質を励起し、標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、双方向走査スキャナのメモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正し、ジッターを最小化することができるから、共焦点光学系を用いて、S/N比を向上させるために、サンプルステージを、主走査方向に、高速で往復動させる場合にも、また、コストを低減するために、タイミングベルトを用いる場合にも、簡易に、かつ、より高精度に、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0067】
本発明の好ましい実施態様においては、前記規則的なパターンが、前記サンプルキャリアの前記サンプル保持部の外側に形成されている。
【0068】
本発明の好ましい実施態様によれば、規則的なパターンが、サンプルキャリアのサンプル保持部の外側に形成されているから、サンプル保持部に保持されたサンプルを、レーザ光によって、走査する際に、規則的なパターンを形成する補正データ生成用のサンプルから、光が放出され、データ中にノイズを生成することを防止して、サンプルのディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0069】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記規則的なパターンが、蛍光物質によって形成されている。
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記規則的なパターンが、可視濃淡パターンによって形成されている。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0071】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナの略斜視図であり、本実施態様にかかる双方向走査スキャナは、サンプルに含まれた標識物質を励起し、標識物質から放出された光を検出して、生化学解析用のデータを生成するように構成されている。
【0072】
図1に示されるように、本実施態様にかかる双方向走査スキャナは、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1と、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2と、473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3とを備えている。本実施態様においては、第1のレーザ励起光源は、半導体レーザ光源によって構成され、第2のレーザ励起光源2および第3のレーザ励起光源3は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation) 素子によって構成されている。
【0073】
第1のレーザ励起光源1により発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ5により、平行光とされた後、ミラー6によって反射される。第1のレーザ励起光源1から発せられ、ミラー6によって反射されたレーザ光4の光路には、640nmのレーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第1のダイクロイックミラー7および532nm以上の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第2のダイクロイックミラー8が設けられており、第1のレーザ励起光源1により発生されたレーザ光4は、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0074】
他方、第2のレーザ励起光源2より発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ9により、平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー7によって反射されて、その向きが90度変えられて、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0075】
また、第3のレーザ励起光源3から発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー8により反射されて、その向きが90度変えられた後、光学ヘッド15に入射する。
【0076】
光学ヘッド15は、ミラー16と、その中央部に穴17が形成された穴明きミラー18と、レンズ19を備えており、光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17およびレンズ19を通過して、サンプルステージ20にセットされたサンプルキャリア21上に入射する。ここに、サンプルステージ20は、走査機構(図1においては、図示せず)によって、図1において、X方向およびY方向に移動可能に構成されている。
【0077】
本実施態様にかかる双方向走査スキャナは、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成され、さらに、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されるとともに、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されている。
【0078】
スライドガラス板を担体として用いたマイクロアレイは、たとえば、以下のようにして、生成される。
【0079】
まず、スライドガラス板の表面を、ポリ−L−リジン溶液などによって、前処理し、次いで、スライドガラス板の表面上の所定の位置に、塩基配列が既知の互いに異なった複数の特異的結合物質であるcDNAを、スポッター装置を使用して、滴下する。
【0080】
他方、検体であるRNAを生体細胞から抽出し、さらに、RNAから3’末端にポリAを有するmRNAを抽出する。こうして抽出したポリAを末端に有するmRNAからcDNAを合成する際に、標識物質であるCy−5(登録商標)を存在させて、Cy−5によって標識されたプローブDNAを生成する。
【0081】
こうして得たCy−5によって標識されたプローブDNAを所定の溶液に調整し、特異的結合物質であるcDNAが滴下されたスライドガラスの表面上に静かに載せて、ハイブリダイズさせる。
【0082】
図2は、こうして得られたマイクロアレイ22の略斜視図であり、図2において、23は、滴下されたcDNAを示している。
【0083】
他方、蛍光色素によって標識された変性DNAの電気泳動画像は、たとえば、次のようにして、転写支持体に記録される。
【0084】
すなわち、まず、目的とする遺伝子からなるDNA断片を含む複数のDNA断片を、ゲル支持媒体上で、電気泳動させることにより、分離展開し、アルカリ処理によって変性(denaturation) して、一本鎖のDNAとする。
【0085】
次いで、公知のサザン・ブロッティング法により、このゲル支持媒体と転写支持体とを重ね合わせ、転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写して、加温処理および紫外線照射によって、固定する。
【0086】
その後、目的とする遺伝子のDNAと相補的なDNAあるいはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと転写支持体12上の変性DNA断片とを、加温処理によって、ハイブリタイズさせ、二本鎖のDNAの形成(renaturation)またはDNA・RNA結合体の形成をおこなう。次いで、たとえば、フルオレセイン、ローダミン、Cy−5 などの蛍光色素を用いて、それぞれ、目的とする遺伝子のDNAと相補的なDNAあるいはRNAを標識して、プローブが調製される。このとき、転写支持体上の変性DNA断片は固定されているので、プローブDNAまたはプローブRNAと相補的なDNA断片のみがハイブリタイズして、蛍光標識プローブを捕獲する。しかる後に、適当な溶液で、ハイブリッドを形成しなかったプローブを洗い流すことにより、転写支持体上では、目的遺伝子を有するDNA断片のみが、蛍光標識が付与されたDNAまたはRNAとハイブリッドを形成し、蛍光標識が付与される。こうして、得られた転写支持体に、蛍光色素により標識された変性DNAの電気泳動画像が記録される。
【0087】
一方、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層には、たとえば、以下のようにして、放射性標識物質の位置情報が記録される。
【0088】
メンブレンフィルタなどの担体表面を前処理し、次いで、メンブレンフィルタなどの担体表面上の所定の位置に、塩基配列が既知の互いに異なった複数の特異的結合物質であるcDNAを、スポッター装置を使用して、滴下する。
【0089】
他方、検体であるRNAを生体細胞から抽出し、さらに、RNAから3’末端にポリAを有するmRNAを抽出する。こうして抽出したポリAを末端に有するmRNAからcDNAを合成する際に、放射性標識物質を存在させて、放射性標識物質によって標識されたプローブDNAを生成する。
【0090】
こうして得た放射性標識物質によって標識されたプローブDNAを所定の溶液に調整し、特異的結合物質であるcDNAが滴下されたメンブレンフィルタなどの担体表面上に静かに載せて、ハイブリダイズさせる。
【0091】
次いで、ハイブリダイズされた試料が形成されたメンブレンフィルタなどの担体表面に、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層を重ね合わせて、所定時間にわたって、密着状態に保持することによって、メンブレンフィルタなどの担体上の放射性標識物質から放出される放射線の少なくとも一部が、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に吸収され、放射性標識物質の位置情報が、輝尽性蛍光体層に記録される。
【0092】
レーザ光4が、光学ヘッド15から、サンプル22上に入射すると、サンプル22が、マイクロアレイや蛍光サンプルの場合には、レーザ光4によって、蛍光物質が励起されて、蛍光が発せられ、また、サンプル22が、蓄積性蛍光体シートの場合には、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光が発せられる。
【0093】
サンプル22から発せられた蛍光または輝尽光25は、光学ヘッド15のレンズ19によって、平行な光にされ、穴明きミラー17によって反射されて、4枚のフィルタ28a、28b、28c、28dを備えたフィルタユニット27のいずれかのフィルタ28a、28b、28c、28dに入射する。
【0094】
フィルタユニット27は、モータ(図示せず)によって、図1において、左右方向に移動可能に構成され、使用されるレーザ励起光源の種類によって、所定のフィルタ28a、28b、28c、28dが、蛍光または輝尽光25の光路に位置するように構成されている。
【0095】
ここに、フィルタ28aは、第1のレーザ励起光源1を用いて、サンプル22に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0096】
また、フィルタ28bは、第2のレーザ励起光源2を用いて、サンプル22に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0097】
さらに、フィルタ28cは、第3のレーザ励起光源3を用いて、サンプル22に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0098】
また、フィルタ28dは、サンプル22が蓄積性蛍光体シートである場合に、第1のレーザ励起光源1を用いて、蓄積性蛍光体シートに含まれた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から発せられた輝尽光を読み取るときに使用されるフィルタであり、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を有している。
【0099】
したがって、使用すべきレーザ励起光源の種類、すなわち、サンプルの種類、試料を標識している蛍光物質の種類に応じて、これらのフィルタ28a、28b、28c、28dを選択的に使用することによて、ノイズとなる波長域の光をカットすることが可能になる。
【0100】
フィルタユニット27のフィルタ28a、28b、28cを透過して、所定の波長域の光がカットされた後、蛍光または輝尽光25は、ミラー29に入射し、反射されて、レンズ30によって、集光される。
【0101】
レンズ19とレンズ30は、共焦点光学系を構成している。このように、共焦点光学系を採用しているのは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、スライドガラス板上に形成された微小なスポット状試料から放出された蛍光を、高いS/N比で読み取ることができるようにするためである。
【0102】
レンズ30の焦点の位置には、共焦点切り換え部材31が設けられている。
【0103】
図3は、共焦点切り換え部材31の略正面図である。
【0104】
図3に示されるように、共焦点切り換え部材31は、板状をなし、径の異なる3つのピンホール32a、32b、32cが形成されている。
【0105】
最も径の小さいピンホール32aは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、マイクロアレイから放出された蛍光の光路に配置されるものであり、最も径の大きいピンホール32cは、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合に、転写支持体から放出された蛍光の光路に配置されるものである。
【0106】
また、中間の径を有するピンホール32bは、サンプル22が、蓄積性蛍光体シートである場合に、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光の光路に配置されるものである。
【0107】
このように、レンズ30の焦点の位置に、共焦点切り換え部材31を設けて、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、最も径の小さいピンホール32aを蛍光の光路に位置させているのは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合には、レーザ光4によって、蛍光色素を励起した結果、蛍光はスライドガラス板の表面から放出され、発光点は深さ方向にほぼ一定であるため、共焦点光学系を用いて、径の小さいピンホール32aに結像させることがS/N比を向上させる上で望ましいからである。
【0108】
これに対して、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合に、最も径の大きいピンホール32cを蛍光の光路に位置させているのは、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合には、レーザ光4によって、蛍光色素を励起したときに、蛍光色素はゲル支持体の深さ方向に分布しており、しかも、発光点が深さ方向に変動するので、共焦点光学系によって、径の小さいピンホールに結像させることができず、径の小さいピンホールを用いると、試料から放出された蛍光がカットされ、蛍光を光電的に検出したときに、十分な信号強度が得られないため、径の大きいピンホール32cを用いる必要があるからである。
【0109】
他方、サンプル22が蓄積性蛍光体シートである場合に、中間の径を有するピンホール32bを輝尽光の光路に位置させているのは、レーザ光4によって、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起したときは、輝尽光の発光点は輝尽性蛍光体層の深さ方向に分布し、発光点は深さ方向に変動するので、共焦点光学系によって、径の小さいピンホールに結像させることができず、径の小さいピンホールを用いると、試料から放出された輝尽光がカットされ、輝尽光を光電的に検出したときに、十分な信号強度が得られないが、発光点の深さ方向における分布も、発光点の深さ方向の変動も、ゲル支持体を担体としたマイクロアレイほどではないため、中間の径を有するピンホール32bを用いることが望ましいからである。
【0110】
共焦点切り換え部材31を通過した蛍光あるいは輝尽光は、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、アナログデータが生成される。
【0111】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0112】
図4は、サンプルステージ20の走査機構のうち、主走査機構の詳細を示す略斜視図である。
【0113】
図4に示されるように、副走査用モータ(図示せず)により、図4において、矢印Yで示される副走査方向に移動可能な可動基板40上には、一対のガイドレール41、41が固定されており、サンプルステージ20は、一対のガイドレール41、41に、スライド可能に取り付けられた3つのスライド部材42、42(図4においては、2つのみ図示されている。)に固定されている。
【0114】
図4に示されるように、可動基板40上には、主走査用モータ43が固定されており、主走査用モータ43の出力軸43aには、プーリ44に巻回されたタイミングベルト45が巻回されるとともに、ロータリーエンコーダ46が取り付けられている。
【0115】
したがって、主走査用モータ43を駆動することによって、サンプルステージ20を、一対のガイドレール41、41に沿って、図4において、矢印Xで示される主走査方向に往復移動させ、一方、副走査用モータ(図示せず)によって、可動基板40を副走査方向に移動させることによって、サンプルステージ20を二次元的に移動させ、サンプルステージ20にセットされたサンプル22の全面を、レーザ光4によって、走査することが可能になる。
【0116】
ここに、サンプルステージ20の位置は、ロータリーエンコーダ46により、モニターすることができるように構成されている。
【0117】
図5は、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイを保持し、サンプルステージ20にセットされるサンプルキャリア21の略斜視図であり、サンプルキャリア21を裏面側から、すなわち、サンプルステージ20に載置される側から見た図面である。
【0118】
図5に示されるように、サンプルキャリア21は、1つの板状部材を加工することによって、作られたフレーム体50を備え、フレーム体50には、その内部に、サンプル22がセット可能な5つの開口部51、52、53、54、55が形成されている。
【0119】
各開口部51、52、53、54、55の両側のフレーム体50の表面には、矩形状をなした板部材60、61、62、63、64、65が、それぞれ、その開口部51、52、53、54、55側の側部領域が、開口部51、52、53、54、55の長手方向に沿って、開口部51、52、53、54、55上に突出するように、取り付けられている。
【0120】
図5に示されるように、各開口部51、52、53、54、55内には、L字状をなした板ばね51a、52a、53a、54a、55aが、サンプルキャリア21の裏面側に向けて、ばね力を作用可能に取り付けられており、また、各開口部51、52、53、54、55の一方の内壁部には、各開口部51、52、53、54、55内にセットされたサンプル22を、対向する他方の内壁部に沿って整列させる板ばね51b、52b、53b、54b、55bが取り付けられている。
【0121】
サンプルキャリア21は、フレーム体50の両側部50a、50bが、サンプルステージ20上に載置されて、サンプルステージ20にセットされるように構成されている。
【0122】
サンプル22であるスライドガラス板を担体としたマイクロアレイを、サンプルキャリア21にセットする場合には、サンプル22が、図5において、矢印Aで示される向きに、各開口部51、52、53、54、55内に挿入される。
【0123】
各開口部51、52、53、54、55の一方の内壁部には、板ばね51b、52b、53b、54b、55bが取り付けられているため、サンプル22は、各開口部51、52、53、54、55内において、対向する他方の内壁部に沿って整列される。
【0124】
同時に、各開口部51、52、53、54、55内に挿入されたサンプル22に、L字状をなした板ばね51a、52a、53a、54a、55aの屈曲部が当接し、板ばね51a、52a、53a、54a、55aのばね力により、サンプル22は、それぞれ、その開口部51、52、53、54、55側の側部領域が、開口部51、52、53、54、55の長手方向に沿って、開口部51、52、53、54、55上に突出するように、取り付けられている板部材60、61、62、63、64、65の表面に付勢されて、サンプルキャリア21に保持される。
【0125】
図5に示されるサンプルキャリア21においては、フレーム体50の表面に、板部材60、61、62、63、64、65が、その開口部51、52、53、54、55側の側部領域が、開口部51、52、53、54、55の長手方向に沿って、開口部51、52、53、54、55上に突出するように、取り付けられ、サンプル22は、板ばね51a、52a、53a、54a、55aのばね力によって、それぞれ、板部材60、61、62、63、64、65の表面に付勢されて、サンプルキャリア21に保持されるように構成されている。
【0126】
一方、サンプルキャリア21は、1つの板状部材を加工することによって作られたフレーム体50の両側部50a、50bが、サンプルステージ20上に載置されて、サンプルステージ20にセットされるように構成されている。
【0127】
したがって、サンプル22がその表面で支持される板部材60、61、62、63、64、65の表面と、サンプルキャリア21がサンプルステージ20によって支持される面とは、つねに、同一平面内にあり、したがって、サンプルキャリア21の位置を調整するという煩雑な操作を要することなく、5つのサンプル22を、サンプルステージ20に対して、つねに、同一の位置的関係で、セットすることが可能になる。
【0128】
また、単に、フレーム体50を1つの板状部材を加工して作り、板部材60、61、62、63、64、65をフレーム体50の表面に取り付けるだけで、5つのサンプル22を、サンプルステージ20に対して、つねに、同一の位置的関係で、セットすることができるから、サンプルキャリア21のコストを大幅に低減することが可能になる。
【0129】
図6は、本発明の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナの検出系、駆動系、入力系および制御系を示すブロックダイアグラムである。
【0130】
図6に示されるように、双方向走査スキャナの検出系は、サンプルステージ20にセットされたサンプル22を把持するキャリアの種類を検出するキャリアセンサ70を備えている。
【0131】
図6に示されるように、双方向走査スキャナの駆動系は、フィルタユニット27を移動させるフィルタユニットモータ71と、共焦点切り換え部材31を移動させる切り換え部材モータ72と、サンプルステージ20を主走査方向に移動させる副走査用モータ43と、サンプルステージ20を副走査方向に移動させる副走査用モータ47を備えている。
【0132】
また、図6に示されるように、双方向走査スキャナの入力系は、キーボード73を備えており、双方向走査スキャナの制御系は、コントロールユニット75を備えている。
【0133】
図4に示されるように、本実施態様にかかる双方向走査スキャナは、主走査用モータ43によって、サンプルステージ20が、主走査方向に、高速で往復運動されるように構成されており、このような双方向走査スキャナにあっては、一般に、走査機構の機械精度や移動される負荷などによって、往路と復路とで、相対的な移動速度にばらつきが生じ、また、データのサンプリングタイミングがずれるために、生成されたデータに、いわゆるジッターが発生するという問題のあることが知られている。
【0134】
ことに、本実施態様にかかる双方向走査スキャナは、タイミングベルト45を介して、サンプルステージ20が、主走査用モータ43により、主走査方向に、高速で往復運動されるため、タイミングベルトの伸びなどによって、ジッターが発生しやすいという傾向がある。
【0135】
そこで、本実施態様においては、あらかじめ、ジッターを補正するためのジッター補正データを生成し、データ処理装置35のメモリ(図示せず)に記憶しておき、サンプル22に、レーザ光4を照射して、蛍光色素あるいは輝尽性蛍光体を励起し、蛍光色素あるいは輝尽性蛍光体から放出された蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出し、ディジタル化して得たディジタルデータを、ジッター補正データを用いて、補正し、ジッターを最小化したディジタルデータを生成可能に構成されている。
【0136】
図7は、ジッターを補正するためのジッター補正データを生成する際に使用される補正データ生成用サンプルの略正面図である。
【0137】
図7に示されるように、補正データ生成用サンプル80には、規則的な基本パターンが形成されている。
【0138】
本実施態様においては、補正データ生成用サンプル80は、色ガラスフィルタによって形成されており、色ガラスフィルタの表面には、クロム蒸着膜81が形成され、クロム蒸着膜81が形成されていない部分に、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンが形成されている。
【0139】
本実施態様においては、次のようにして、ジッター補正データが生成される。
【0140】
まず、サンプルキャリア21に代えて、補正データ生成用サンプル80がサンプルステージ20にセットされる。
【0141】
次いで、オペレータにより、補正データ生成用サンプル走査信号が、キーボード73に入力されると、補正データ生成用サンプル走査信号は、コントロールユニット75に出力される。
【0142】
補正データ生成用サンプル走査信号を受けると、コントロールユニット75は、フィルタユニットモータ71に駆動信号を出力して、フィルタ28aが蛍光25の光路内に位置するように、フィルタユニット27を移動させるとともに、切り換え部材モータ72に駆動信号を出力して、ピンホール32aが蛍光25の光路内に位置するように、共焦点切り換え部材31を移動させる。
【0143】
補正データ生成用サンプル走査信号は、同時に、コントロールユニット75からデータ処理装置35に出力される。
【0144】
次いで、コントロールユニット75は、第1のレーザ励起光源1を起動させ、640nmのレーザ光4を放出させる。
【0145】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0146】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされた補正データ生成用サンプル80に入射する。
【0147】
本実施態様においては、補正データ生成用サンプル80は、色ガラスフィルタによって形成されており、色ガラスフィルタの表面には、クロム蒸着膜81が形成され、クロム蒸着膜81が形成されていない部分に、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンが形成されているので、クロム蒸着膜81が形成されず、規則的な基本パターンを形成している色ガラスフィルタの表面が、レーザ光4によって励起され、蛍光25が放出される。
【0148】
規則的な基本パターンを形成している色ガラスフィルタの表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0149】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28aに入射し、640nmの波長の光がカットされ、640nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0150】
フィルタ28aを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0151】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0152】
このように、共焦点光学系を用いて、色ガラスフィルタの表面から発せられた蛍光をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のノイズを最小に抑えることが可能になる。
【0153】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0154】
前述のように、サンプルステージ20は、タイミングベルト45を介して、主走査用モータ43によって、図4において、矢印Xで示される主走査方向に、高速で往復移動されるとともに、副走査用モータ47によって、矢印Yで示される副走査方向に、間欠的に移動されるように構成されており、主走査用モータ43によって、図7において、右から左に、補正データ生成用サンプル80、すなわち、サンプルステージ20が移動され、補正データ生成用サンプル80の表面が、レーザ光4によって、左から右に、走査される。
【0155】
その結果、補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンにしたがって、色ガラスフィルタが、レーザ光4によって、左から右に、走査され、色ガラスフィルタが励起されて、色ガラスフィルタの表面から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出され、補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンのアナログデータが生成される。
【0156】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータは、A/D変換器34によって、ディジタルデータに変換されて、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータが、データ処理装置35に出力される。
【0157】
主走査用モータ43により、図7において、右から左に、補正データ生成用サンプル80、すなわち、サンプルステージ20が移動され、補正データ生成用サンプル80の表面が、レーザ光4によって、左から右に、走査されると、副走査用モータ47によって、図7において、上方に、補正データ生成用サンプル80、すなわち、サンプルステージ20が、1走査ラインに対応する距離だけ、間欠的に移動される。
【0158】
次いで、主走査用モータ43によって、図7において、左から右に、補正データ生成用サンプル80、すなわち、サンプルステージ20が移動され、補正データ生成用サンプル80の表面が、レーザ光4によって、右から左に、走査されると、補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンにしたがって、色ガラスフィルタが励起されて、色ガラスフィルタの表面から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出され、補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンのアナログデータが生成される。
【0159】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータは、A/D変換器34によって、ディジタルデータに変換されて、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータが、データ処理装置35に出力される。
【0160】
ここに、ジッターは、主走査用モータ43により、サンプルステージ20が、高速で往復運動される際、走査機構の機械精度や移動される負荷などによって、往路と復路とで、相対的な移動速度にばらつきが生じ、また、データのサンプリングタイミングがずれることに起因して、発生するものであるので、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータと、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータを生成し、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータと第2ライン目のディジタルデータとに基づき、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータのジッターを補正するためのジッター補正データを生成して、生成されたジッター補正データに基づいて、偶数ライン目のデータを補正することによって、ディジタルデータ中のジッターを低減させることが可能になる。
【0161】
したがって、こうして、サンプルステージ20が、主走査用モータ43によって、図4において、矢印Xで示される主走査方向に一往復され、レーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80が、一往復分だけ、走査されて、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータと、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータが生成されると、コントロールユニット75は、第1のレーザ励起光源1をオフさせて、データ処理装置35に、ジッター補正データ生成信号を出力する。
【0162】
図8は、本発明の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナのデータ処理装置35のブロックダイアグラムである。
【0163】
図8に示されるように、データ処理装置35は、双方向走査スキャナによって生成されたデータを記憶するデータ記憶部85と、ジッタ補正データを生成する補正データ生成部86と、補正データ生成部86によって、生成されたジッタ補正データを記憶する補正データ記憶部87と、データにデータ処理を施すデータ処理部88を備えている。
【0164】
データ処理装置35は、コントロールユニット75から、補正データ生成用サンプル走査信号が入力されているときは、A/D変換器34から入力され、データ記憶部85に記憶されたディジタルデータを、補正データ生成部86に出力させる。
【0165】
図9は、レーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80を、一往復分だけ、走査することによって、色ガラスフィルタが励起され、色ガラスフィルタの表面から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、A/D変換器34によって、ディジタル化されて、データ処理装置35の補正データ生成部86に入力された基準パターンのディジタルデータを画像化した図面である。
【0166】
図9において、Aで示されるパルス状の曲線は、レーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80の表面に形成された基準パターンが、図7において、左から右に、走査されて、生成された基準パターンの画像であり、Bで示されるパルス状の曲線は、レーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80の表面に形成された基準パターンが、右から左に、走査されて、生成された基準パターンの画像である。
【0167】
図9に示されるように、Bで示されるパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置は、Aで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置から、Δxi(iは、パルスの数を示す正の整数である。)だけ、偏倚し、ジッターが発生している。
【0168】
そこで、補正データ生成部86は、Aで示されるパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置から、Bで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置が偏倚している偏倚量Δxiの和を求め、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Bで示されるパルス状の曲線を、図9において、X方向に平行移動させ、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、ディジタルデータのジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定し、補正データ記憶部87に記憶させる。
【0169】
本実施態様においては、主走査用モータ43は、サンプルステージ20を、200mm/秒、400mm/秒あるいは800mm/秒の速度で、5ミクロン、10ミクロン、20ミクロン、50ミクロンあるいは100ミクロンの画素ピッチで移動可能に構成されており、コントロールユニット75は、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、それぞれ、200mm/秒、400mm/秒および800mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、ジッター補正データを生成して、補正データ記憶部87に記憶させ、10ミクロン、20ミクロン、50ミクロンあるいは100ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を移動させる場合には、データ処理部88が、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、対応する主走査速度で、主走査方向に移動させて、生成され、補正データ記憶部87に記憶されているジッター補正データに、所定の補正係数を乗じて、データのジッター補正に使用するように構成されている。
【0170】
以上のように構成された本実施態様にかかる双方向走査スキャナは、以下のようにして、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する。
【0171】
まず、サンプル22であるスライドガラス板を担体とした5つのマイクロアレイが、図5において、矢印Aで示される向きに、サンプルキャリア21の各開口部51、52、53、54、55内に挿入される。
【0172】
サンプルキャリア21の各開口部51、52、53、54、55の一方の内壁部には、板ばね51b、52b、53b、54b、55bが取り付けられているから、サンプル22は、それぞれ、各開口部51、52、53、54、55内において、対向する他方の内壁部に沿って整列される。
【0173】
同時に、各開口部51、52、53、54、55内に挿入されたサンプル22に、L字状をなした板ばね51a、52a、53a、54a、55aの頂部が当接し、板ばね51a、52a、53a、54a、55aのばね力によって、サンプル22は、それぞれ、その開口部51、52、53、54、55側の側部領域が、開口部51、52、53、54、55の長手方向に沿って、開口部51、52、53、54、55上に突出するように、取り付けられている板部材60、61、62、63、64、65の表面に付勢されて、サンプルキャリア21に保持される。
【0174】
ここに、フレーム体50の表面に、板部材60、61、62、63、64、65が、その開口部51、52、53、54、55側の側部領域が、開口部51、52、53、54、55の長手方向に沿って、開口部51、52、53、54、55上に突出するように、取り付けられ、サンプル22は、板ばね51a、52a、53a、54a、55aのばね力によって、それぞれ、板部材60、61、62、63、64、65の表面に付勢されて、サンプルキャリア21に保持されるように構成され、一方、サンプルキャリア21は、1つの板状部材を加工することによって作られたフレーム体50の両側部50a、50bが、サンプルステージ20上に載置されて、サンプルステージ20にセットされるから、サンプル22がその表面で支持される板部材60、61、62、63、64、65の表面と、サンプルキャリア21がサンプルステージ20によって支持される面とは、つねに、同一平面内にあり、したがって、サンプルステージ20にセットした後に、サンプルキャリア21および各サンプル22の高さ方向の位置を調整するという煩雑な操作を要することなく、5つのサンプル22を、サンプルステージ20に対して、つねに、同一の位置的関係で、セットすることが可能になる。
【0175】
こうして、スライドガラス板を担体としたサンプル22である5つのマイクロアレイが保持されたサンプルキャリア21がサンプルステージ20にセットされると、キャリアセンサ70によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット75に出力される。
【0176】
キャリアセンサ70からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット75は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ72に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように、移動させる。
【0177】
次いで、オペレータによって、標識物質である蛍光物質の種類およびスタート信号が、キーボード73に入力されると、キーボード73から指示信号がコントロールユニット75に出力される。
【0178】
たとえば、蛍光物質の種類として、Cy−5(登録商標)が入力されると、コントロールユニット75は、入力された指示信号にしたがって、フィルタユニットモータ71に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28aを光路内に位置させるとともに、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0179】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0180】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0181】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図4において、矢印Xで示される主走査方向に、200mm/秒、400mm/秒あるいは800mm/秒の高速で移動され、副走査用モータ47により、図4において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされた5つのサンプル22、すなわち、5つのマイクロアレイの全面が、順次、走査される。
【0182】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識している蛍光色素、たとえば、Cy−5が励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0183】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0184】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28aに入射し、640nmの波長の光がカットされ、640nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0185】
フィルタ28aを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0186】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0187】
このように、共焦点光学系を用いて、スライドガラス板の表面の蛍光色素から発せられた蛍光25をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のノイズを最小に抑えることが可能になる。
【0188】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0189】
データ処理装置35に送られたサンプル22のディジタルデータは、データ処理装置35のデータ記憶部85に記憶され、サンプルキャリア21に保持された5つのマイクロアレイのレーザ光4による走査が完了すると、データ処理部88に出力される。
【0190】
データ記憶部85から、サンプル22のディジタルデータが入力されると、データ処理部88は、補正データ記憶部87から、対応する主走査速度のジッター補正データを読み出す。
【0191】
データ処理部88は、画素ピッチに応じて、必要があれば、補正データ記憶部87から読み出した対応する主走査速度のジッター補正データを補正し、ジッター補正データに基づいて、サンプル22の偶数ライン目のディジタルデータを補正する。
【0192】
データ処理装置35の補正データ記憶部87には、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、それぞれ、200mm/秒、400mm/秒および800mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、生成されたジッター補正データが記憶されているので、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、200mm/秒、400mm/秒または800mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、サンプリング22のディジタルデータが生成されたときは、データ処理部88は、対応するジッター補正データを、補正データ記憶部87から読み出して、サンプリング22のディジタルデータのジッター補正を実行し、他方、10ミクロン、20ミクロン、50ミクロンあるいは100ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を移動させて、サンプリング22のディジタルデータが生成されたときは、データ処理部88は、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、対応する主走査速度で、主走査方向に移動させて、生成されたジッター補正データを、補正データ記憶部87から読み出し、所定の補正係数を乗じて、補正して、サンプリング22のディジタルデータのジッター補正を実行する。
【0193】
ここに、ジッター補正データは、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータに対応するBで示されるパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置が、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータに対応するAで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置から、偏倚している偏倚量Δxiの和を求め、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Bで示されるパルス状の曲線を、図9において、X方向に平行移動させ、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、ディジタルデータのジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定して、生成されたものであるから、ジッター補正データに基づいて、サンプル22の偶数ライン目のディジタルデータを補正することによって、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0194】
一方、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する場合には、図5に示されたサンプルキャリア21に代えて、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプル22が保持されたサンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされる。
【0195】
こうして、蛍光サンプル22が保持されたサンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされると、キャリアセンサ70によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット75に出力される。
【0196】
キャリアセンサ70からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット75は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ72に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、最も径の大きいピンホール32cが光路内に位置するように、移動させる。
【0197】
次いで、オペレータによって、標識物質である蛍光物質の種類およびスタート信号が、キーボード73に入力されると、キーボード73から指示信号がコントロールユニット75に出力される。
【0198】
たとえば、試料がローダミンによって標識されているときは、ローダミンは、532nmの波長のレーザによって、最も効率的に励起することができるから、コントロールユニット75は第2のレーザ励起光源2を選択するとともに、フィルタ32bを選択し、フィルタユニットモータ71に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28bを、蛍光25の光路内に位置させるとともに、第2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0199】
第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ9によって、平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー7に入射して、反射される。
【0200】
第1のダイクロイックミラー7によって反射されたレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0201】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされた蛍光サンプル22に入射する。
【0202】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図4において、矢印Xで示される主走査方向に、200mm/秒、400mm/秒あるいは800mm/秒の高速で移動され、副走査用モータ47により、図4において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされた蛍光サンプル22の全面が走査される。
【0203】
レーザ光4の照射を受けると、試料を標識している蛍光色素、たとえば、ローダミンが励起され、蛍光25が放出される。蛍光サンプル22の担体として、転写支持体が用いられている場合には、蛍光色素は、転写支持体の深さ方向に分布しているため、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から、蛍光25が発せられ、発光点の深さ方向の位置も変動する。
【0204】
転写支持体を担体とした蛍光サンプル22から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0205】
フィルタユニット27は、フィルタ28bが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28bに入射し、532nmの波長の光がカットされ、532nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0206】
フィルタ28bを透過した蛍光は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、集光されるが、蛍光25は、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から発せられているため、結像はしない。
【0207】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の大きいピンホール32cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は最も径の大きいピンホール32cを通過して、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。したがって、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの表面の蛍光色素から発せられた蛍光25を、高いS/N比で、検出するために、共焦点光学系を用いているにもかかわらず、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から発せられた蛍光25も高い信号強度で検出することが可能になる。
【0208】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0209】
データ処理装置35に送られたディジタルデータは、データ処理装置35のデータ記憶部85に記憶され、サンプルキャリア21に保持された転写支持体を担体とする蛍光サンプル22のレーザ光4による走査が完了すると、データ処理部88に出力される。
【0210】
データ記憶部85から、サンプル22のディジタルデータが入力されると、データ処理部88は、補正データ記憶部87から、対応する主走査速度のジッター補正データを読み出す。
【0211】
データ処理部88は、画素ピッチに応じて、必要があれば、補正データ記憶部87から読み出した対応する主走査速度のジッター補正データを補正し、ジッター補正データに基づいて、サンプル22の偶数ライン目のディジタルデータを補正する。
【0212】
ここに、ジッターは、主走査用モータ43により、サンプルステージ20が、高速で往復運動される際、走査機構の機械精度や移動される負荷などによって、往路と復路とで、相対的な移動速度にばらつきが生じ、また、データのサンプリングタイミングがずれることに起因して、発生するものであるので、レーザ光4の波長にかかわらず、640nmの波長のレーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80の色ガラスフィルタを励起し、色ガラスフィルタから放出された蛍光を検出して、生成された規則的な基本パターンを形成している色ガラスフィルタのディジタルデータに基づいて、生成され、補正データ記憶部87に記憶されているジッター補正データを用いて、サンプル22のディジタルデータのジッターを補正することができる。
【0213】
また、ジッター補正データは、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータに対応するBで示されるパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置が、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータに対応するAで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置から、偏倚している偏倚量Δxiの和を求めて、Bで示されるパルス状の曲線のすべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Bで示されるパルス状の曲線を、図9において、X方向に平行移動させ、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定して、生成されたものであるから、ジッター補正データに基づき、サンプル22の偶数ライン目のディジタルデータを補正することによって、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0214】
これに対して、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する場合には、図5に示されたサンプルキャリア21に代えて、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートを保持したサンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされる。
【0215】
輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートを保持したサンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされると、キャリアセンサ70によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット75に出力される。
【0216】
キャリアセンサ70からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット75は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ72に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、中間の径を有するピンホール32bが光路内に位置するように、移動させる。
【0217】
次いで、コントロールユニット75は、入力された指示信号にしたがって、フィルタユニットモータ71に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を有するフィルタ28dを光路内に位置させるとともに、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0218】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0219】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22である蓄積性蛍光体シートに入射する。
【0220】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図4において、矢印Xで示される主走査方向に、200mm/秒、400mm/秒あるいは800mm/秒の高速で移動され、副走査用モータ47により、図4において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされた蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層の全面が走査される。
【0221】
レーザ光4の照射を受けると、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光25が放出される。蓄積性蛍光体シートの場合には、輝尽性蛍光体は輝尽性蛍光体層中に含まれており、ある程度、輝尽性蛍光体層の深さ方向に分布しているため、輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から、輝尽光が発せられ、発光点の深さ方向の位置も変動する。しかしながら、輝尽性蛍光体層は薄いため、転写支持体の場合ほど、発光点は深さ方向に分布してはいない。
【0222】
輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射されて、フィルタユニット27に入射する。
【0223】
フィルタユニット27は、フィルタ28dが光路内に位置するように移動されているため、輝尽光25はフィルタ28dに入射し、640nmの波長の光がカットされ、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみが透過される。
【0224】
フィルタ28dを透過した輝尽光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、集光されるが、輝尽光は、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から発せられているため、結像はしない。
【0225】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、中間の径を有するピンホール32bが光路内に位置するように移動されているため、輝尽光は中間の径を有するピンホール32bを通過して、フォトマルチプライア33により、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。したがって、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの表面の蛍光色素から発せられた蛍光25を、高いS/N比で、検出するために、共焦点光学系を用いているにもかかわらず、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から発せられた輝尽光25も高い信号強度で検出することが可能になる。
【0226】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0227】
データ処理装置35に送られたディジタルデータは、データ処理装置35のデータ記憶部85に記憶され、サンプルキャリア21に保持された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層のレーザ光4による走査が完了すると、データ処理部88に出力される。
【0228】
データ記憶部85から、サンプル22のディジタルデータが入力されると、データ処理部88は、補正データ記憶部87から、対応する主走査速度のジッター補正データを読み出す。
【0229】
ここに、ジッターは、主走査用モータ43により、サンプルステージ20が、高速で往復運動される際、走査機構の機械精度や移動される負荷などによって、往路と復路とで、相対的な移動速度にばらつきが生じ、また、データのサンプリングタイミングがずれることに起因して、発生するものであるので、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光25を検出して、サンプル22のディジタルデータを生成する場合にも、640nmの波長のレーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80の色ガラスフィルタを励起し、色ガラスフィルタから放出された蛍光を検出して、生成された規則的な基本パターンを形成している色ガラスフィルタのディジタルデータに基づいて、生成され、補正データ記憶部87に記憶されているジッター補正データを用いて、サンプル22のディジタルデータのジッターを補正することができる。
【0230】
ここに、ジッター補正データは、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータに対応するBで示されるパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置が、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータに対応するAで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置から、偏倚している偏倚量Δxiの和を求め、Bで示されるパルス状の曲線のすべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Bで示されるパルス状の曲線を、図9において、X方向に平行移動させ、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、サンプル22のディジタルデータのジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定して、生成されたものであるから、ジッター補正データに基づいて、サンプル22の偶数ライン目のディジタルデータを補正することによって、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0231】
本実施態様においては、クロム蒸着膜81が形成された色ガラスフィルタによって形成され、クロム蒸着膜81が形成されていない部分に、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンが形成された補正データ生成用サンプル80を、主走査用モータ43によって、主走査方向に移動させるとともに、副走査用モータ47によって、副走査方向に移動させて、補正データ生成用サンプル80を載置したサンプルステージ20が一往復する間に、レーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80を走査して、規則的な基本パターンを形成する色ガラスフィルタを励起し、色ガラスフィルタから放出された蛍光25を光電的に検出し、ディジタル化して、色ガラスフィルタによって形成されている規則的な基本パターンのディジタルデータを生成するように構成されている。
【0232】
さらに、本実施態様においては、規則的な基本パターンを形成する色ガラスフィルタが、図7において、右から左に、レーザ光4によって走査されて、励起され、放出した蛍光25を検出し、ディジタル化して得た規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータに対応するBで示されるパルス状の曲線の立上がり部の位置が、規則的な基本パターンを形成する色ガラスフィルタが、左から右に、レーザ光4により走査されて、励起され、放出した蛍光25を検出し、ディジタル化して得た規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータおよび基本パターンの第2ライン目のディジタルデータに基づき、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータに対応するBで示されるパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置が、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータに対応するAで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置から、偏倚している偏倚量Δxiの和を求め、Bで示されるパルス状の曲線のすべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Bで示されるパルス状の曲線を、図9において、X方向に平行移動させ、偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、データのジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定するように構成されている。
【0233】
そして、本実施態様においては、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイおよび転写支持体を担体とした蛍光サンプル22に、レーザ光4を照射して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出し、ディジタル化して得たサンプル22のディジタルデータならびに蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に、レーザ光4を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光25を光電的に検出し、ディジタル化して得たサンプル22のディジタルデータの偶数ライン目を、上述のようにして、生成したジッター補正データによって補正するように構成されている。
【0234】
したがって、本実施態様によれば、主走査用モータ43により、サンプルステージ20が、高速で往復運動される際、走査機構の機械精度や移動される負荷などによって、往路と復路とで、相対的な移動速度にばらつきが生じ、また、データのサンプリングタイミングがずれることに起因して、サンプル22のディジタルデータ中に発生するジッターを最小化することが可能になる。
【0235】
また、本実施態様によれば、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイにレーザ光を照射して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を検出して、サンプル22のディジタルデータを生成する場合、転写支持体を担体とした蛍光サンプル22にレーザ光を照射して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を検出して、サンプル22のディジタルデータを生成する場合および蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に、レーザ光4を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光25を検出し、て、サンプル22のディジタルデータを生成する場合のいずれの場合にも、同じジッター補正データを用いて、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを補正するように構成されているので、ある波長のレーザ光4を用いて、補正データ生成用サンプル80の色ガラスフィルタを励起し、色ガラスフィルタから放出された蛍光を検出して、生成した色ガラスフィルタの規則的な基本パターンのディジタルデータに基づいて、ジッター補正データを生成して、補正データ記憶部87に記憶させておくだけで、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを最小化することができ、したがって、煩雑な操作を要することなく、メモリがいたずらに大型化することを防止して、主走査用モータ43によって、サンプルステージ20が往復運動される際、往路と復路とで、移動のされ方が異なることに起因して、サンプル22のディジタルデータ中に発生するジッターを最小化することが可能になる。
【0236】
さらに、本実施態様によれば、補正データ記憶部87には、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、それぞれ、200mm/秒、400mm/秒および800mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、生成されたジッター補正データが記憶されており、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、主走査方向に移動させて、サンプリング22のディジタルデータが生成されたときは、データ処理部88は、対応するジッター補正データを、補正データ記憶部87から読み出して、サンプリング22のディジタルデータのジッター補正を実行し、他方、10ミクロン、20ミクロン、50ミクロンあるいは100ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を移動させて、サンプリング22のディジタルデータが生成されたときは、データ処理部88は、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、対応する主走査速度で、主走査方向に移動させて、生成されたジッター補正データを、補正データ記憶部87から読み出し、所定の補正係数を乗じて、補正し、サンプリング22のディジタルデータのジッター補正を実行するように構成されているから、補正データ記憶部87として、大容量のメモリを用いることなく、効率的に、サンプリング22のディジタルデータ中のジッターを大幅に低減させることが可能になる。
【0237】
図10は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナにおいて、ジッター補正データを生成するために用いられるジッター補正データ生成用部材の略正面図である。
【0238】
図10に示されるように、本実施態様にかかるジッター補正データ生成用部材80は、1つのマイクロアレイと実質的に同じサイズを有しており、その全面にわたって、規則的な基本パターンが形成されている。
【0239】
本実施態様においても、補正データ生成用サンプル80は、色ガラスフィルタによって形成されており、色ガラスフィルタの表面には、クロム蒸着膜81が形成され、クロム蒸着膜81が形成されていない部分に、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンが形成されている。
【0240】
ジッター補正データの生成にあたっては、まず、ジッター補正データ生成用部材80が、図5において、矢印Aで示される向きに、サンプルキャリア21の開口部51内に挿入され、板ばね51bによって、対向する他方の内壁部に沿って整列される。
【0241】
同時に、開口部51内に挿入されたジッター補正データ生成用部材80に、L字状をなした板ばね51aの頂部が当接し、板ばね51aのばね力によって、その開口部51側の側部領域が、開口部51の長手方向に沿って、開口部51上に突出するように、取り付けられている板部材60の表面に付勢されて、サンプルキャリア21に保持される。
【0242】
こうして、ジッター補正データ生成用部材80がセットされると、サンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされる。
【0243】
次いで、オペレータにより、補正データ生成用サンプル走査信号が、キーボード73に入力されると、補正データ生成用サンプル走査信号は、コントロールユニット75に出力される。
【0244】
補正データ生成用サンプル走査信号を受けると、コントロールユニット75は、フィルタユニットモータ71に駆動信号を出力して、フィルタ28aが蛍光25の光路内に位置するように、フィルタユニット27を移動させるとともに、切り換え部材モータ72に駆動信号を出力して、ピンホール32aが蛍光25の光路内に位置するように、共焦点切り換え部材31を移動させる。
【0245】
補正データ生成用サンプル走査信号は、同時に、コントロールユニット75からデータ処理装置35に出力される。
【0246】
次いで、コントロールユニット75は、第1のレーザ励起光源1を起動させ、640nmのレーザ光4を放出させる。
【0247】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0248】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされた補正データ生成用サンプル80に入射する。
【0249】
本実施態様においても、補正データ生成用サンプル80は、色ガラスフィルタによって形成されており、色ガラスフィルタの表面には、クロム蒸着膜81が形成され、クロム蒸着膜81が形成されていない部分に、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンが形成されているので、クロム蒸着膜81が形成されず、規則的な基本パターンを形成している色ガラスフィルタの表面が、レーザ光4によって励起され、蛍光25が放出される。
【0250】
規則的な基本パターンを形成している色ガラスフィルタの表面から発せられた蛍光は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0251】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光はフィルタ28aに入射し、640nmの波長の光がカットされ、640nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0252】
フィルタ28aを透過した蛍光は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0253】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0254】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0255】
サンプルステージ20は、タイミングベルト45を介して、主走査用モータ43によって、図4において、矢印Xで示される主走査方向に、高速で往復移動されるとともに、副走査用モータ47によって、矢印Yで示される主走査方向に移動されるように構成されており、主走査用モータ43により、図10において、右から左に、補正データ生成用サンプル80、すなわち、サンプルステージ20が移動され、補正データ生成用サンプル80の表面が、レーザ光4によって、左から右に、走査される。
【0256】
その結果、補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンにしたがって、色ガラスフィルタが、レーザ光4によって、左から右に、走査され、色ガラスフィルタが励起されて、色ガラスフィルタの表面から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出され、補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンのアナログデータが生成される。
【0257】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータは、A/D変換器34によって、ディジタルデータに変換されて、規則的な基本パターンの第1ライン目のディジタルデータが、データ処理装置35に出力される。
【0258】
主走査用モータ43により、図10において、右から左に、補正データ生成用サンプル80、すなわち、サンプルステージ20が移動され、補正データ生成用サンプル80の表面が、レーザ光4によって、左から右に、走査されると、副走査用モータ47によって、図10において、上方に、補正データ生成用サンプル80、すなわち、サンプルステージ20が、1走査ラインに対応する距離だけ、間欠的に移動される。
【0259】
次いで、主走査用モータ43によって、図10において、左から右に、補正データ生成用サンプル80、すなわち、サンプルステージ20が移動され、補正データ生成用サンプル80の表面が、レーザ光4により、右から左に、走査されると、補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンにしたがって、色ガラスフィルタが励起されて、色ガラスフィルタの表面から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出され、補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンのアナログデータが生成される。
【0260】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータは、A/D変換器34によって、ディジタルデータに変換されて、規則的な基本パターンの第2ライン目のディジタルデータが、データ処理装置35に出力される。
【0261】
同様な操作が、レーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80の全面が走査され、各ラインのディジタルデータが生成されるまで、繰り返される。
【0262】
補正データ生成用サンプル80に形成された規則的な基本パターンのディジタルデータは、順次、データ生成装置35のデータ記憶手段85に入力されて、記憶される。
【0263】
こうして、レーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80の全面が走査されて、各ラインのディジタルデータが生成されると、コントロールユニット75は、第1のレーザ励起光源1をオフさせて、データ処理装置35に、ジッター補正データ生成信号を出力する。
【0264】
図11は、レーザ光4によって、補正データ生成用サンプル80を走査することによって、色ガラスフィルタが励起され、色ガラスフィルタの表面から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、A/D変換器34によって、ディジタル化されて、データ処理装置35の補正データ生成部86に入力された基準パターンの(2N−1)番目のラインのディジタルデータと2N番目のラインのディジタルデータを画像化した図面である。ここに、Nは1以上の整数である。
【0265】
ジッター補正データ生成信号を受けると、補正データ生成部86は、前記実施態様と同様にして、Dで示される2N番目のラインのディジタルデータに対応するパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置が、Cで示される(2N−1)番目のラインのディジタルデータに対応するパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置から、偏倚している偏倚量Δxiの和を求め、Dで示されるパルス状の曲線のすべてパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Dで示される2N番目のラインのディジタルデータに対応するパルス状の曲線を、図11において、X方向に平行移動させ、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、(2N−1)番目のラインのディジタルデータに対して、2N番目のラインのディジタルデータのジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定し、補正データ記憶部87に記憶させる。
【0266】
本実施態様においても、前記実施態様と全く同様にして、コントロールユニット75は、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、それぞれ、200mm/秒、400mm/秒および800mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、ジッター補正データを生成して、補正データ記憶部87に記憶させ、10ミクロン、20ミクロン、50ミクロンあるいは100ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を移動させる場合には、データ処理部88が、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を対応する主走査速度で、主走査方向に移動させて、生成され、補正データ記憶部87に記憶されているジッター補正データに、所定の補正係数を乗じて、データのジッター補正に使用するように構成されている。
【0267】
以上のように構成された本実施態様にかかる双方向走査スキャナは、以下のようにして、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する。
【0268】
まず、スライドガラス板を担体としたサンプル22である5つのマイクロアレイが保持されたサンプルキャリア21がサンプルステージ20にセットされる。
【0269】
サンプルキャリア21がサンプルステージ20にセットされると、キャリアセンサ70によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット75に出力される。
【0270】
キャリアセンサ70からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット75は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ72に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように、移動させる。
【0271】
次いで、オペレータによって、標識物質である蛍光物質の種類およびスタート信号が、キーボード73に入力されると、キーボード73から指示信号がコントロールユニット75に出力される。
【0272】
たとえば、蛍光物質の種類として、Cy−5(登録商標)が入力されると、コントロールユニット75は、入力された指示信号にしたがって、フィルタユニットモータ71に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28aを光路内に位置させるとともに、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0273】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0274】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0275】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図4において、矢印Xで示される主走査方向に、200mm/秒、400mm/秒あるいは800mm/秒の高速で移動され、副走査用モータ47により、図4において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされた5つのサンプル22、すなわち、5つのマイクロアレイの全面が、順次、走査される。
【0276】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識している蛍光色素、たとえば、Cy−5が励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0277】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0278】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28aに入射し、640nmの波長の光がカットされ、640nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0279】
フィルタ28aを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0280】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0281】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0282】
データ処理装置35に送られたサンプル22のディジタルデータは、データ処理装置35のデータ記憶部85に記憶され、サンプルキャリア21に保持された5つのマイクロアレイのレーザ光4による走査が完了すると、データ処理部88に出力される。
【0283】
データ記憶部85から、サンプル22のディジタルデータが入力されると、データ処理部88は、補正データ記憶部87から、対応する主走査速度のジッター補正データを読み出す。
【0284】
データ処理部88は、画素ピッチに応じて、必要があれば、補正データ記憶部87から読み出した対応する主走査速度のジッター補正データを補正し、ジッター補正データに基づいて、サンプル22の(2N−1)番目のラインのディジタルデータに対して、2N番目のラインのディジタルデータを、順次、補正する。
【0285】
蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルに、レーザ光4を照射して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータおよび放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートに、レーザ光4を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して得たディジタルデータのジッターも、2N番目のラインのジッター補正データを用いて、前記実施態様と同様にして、補正される。
【0286】
本実施態様によれば、ジッター補正データは、規則的な基本パターンの2N番目のラインのディジタルデータに対応するDで示されるパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置が、規則的な基本パターンの(2N−1)番目のラインのディジタルデータに対応するCで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置から、偏倚している偏倚量Δxiの和を求め、Dで示されるパルス状の曲線のすべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Dで示される2N番目のラインのディジタルデータに対応するパルス状の曲線を、図11において、X方向に平行移動させ、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、2N番目のラインのディジタルデータのジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定して、生成されたものであるから、ジッター補正データに基づいて、サンプル22の2N番目のラインのディジタルデータを補正することによって、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0287】
さらに、本実施態様によれば、マイクロアレイと実質的に同じサイズを有し、その全面にわたって、規則的な基本パターンが形成されているジッター補正データ生成用部材80の全面を、レーザ光4によって走査して、蛍光を検出して得たディジタルデータに基づいて、規則的な基本パターンの2N番目のラインのディジタルデータに対応するDで示されるパルス状の曲線の立上がり部の各パルスの位置が、規則的な基本パターンの(2N−1)番目のラインのディジタルデータに対応するCで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置から、偏倚している偏倚量Δxiの和を求め、Dで示されるパルス状の曲線のすべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Dで示される2N番目のラインのディジタルデータに対応するパルス状の曲線を、図11において、X方向に平行移動させ、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、2N番目のラインのディジタルデータのジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定し、サンプル22の2N番目のラインのディジタルデータを補正しているから、走査領域によって、発生するジッターが異なっている場合にも、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
【0288】
図12は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナのサンプルステージにセットされるサンプルキャリア21の略斜視図である。
【0289】
図12に示されるように、本実施態様においては、サンプルキャリア21は、フレーム体50の一方の側部50aの表面に、規則的な基本濃淡パターン90が形成され、サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側部50aの表面が、ジッター補正データ生成用サンプル80を構成している。規則的な濃淡パターンは、図7と全く同様な規則的な基本パターンに形成されており、規則的な基本濃淡パターン90は、フレーム体50の一方の側部50aのサンプルステージ20に当接されない部分に形成されている。
【0290】
また、双方向走査スキャナは、副走査用モータ47によって、レーザ光4を、規則的な基本パターンが形成されたフレーム体50の一方の側部50aの表面に照射することができるように構成されている。
【0291】
図13は、本実施態様にかかる双方向走査スキャナのデータ処理装置のブロックダイアグラムである。
【0292】
図13に示されるように、本実施態様にかかる双方向走査スキャナのデータ処理装置は、さらに、前記実施態様と同様にして、ジッター補正データ生成用サンプル80を用いて、補正データ生成部86によって生成されたジッター補正データを記憶する基準補正データ記憶部95を備えている。
【0293】
以上のように構成された本実施態様にかかる双方向走査スキャナは、以下のようにして、必要に応じて、ジッター補正データを生成して、補正データ記憶部87に記憶させるとともに、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する。
【0294】
まず、前記実施態様と同様にして、スライドガラス板を担体とした5つのマイクロアレイを保持したサンプルキャリア21がサンプルステージ20にセットされる。
【0295】
次いで、必要に応じて、ユーザーによって、キーボード73に、補正データ生成用サンプル走査信号が入力される。
【0296】
本実施態様においては、前記実施態様と同様にして、あらかじめ、ジッター補正データ生成用サンプル80を用いて、補正データ生成部86により、ジッター補正データが生成され、基準補正データ記憶部95に記憶されているので、必要に応じて、新たに、ジッター補正データが生成され、新たに、ジッター補正データを生成しないときは、基準補正データ記憶部95に記憶されているジッター補正データに基づいて、サンプル22のディジタルデータが補正されるように構成されている。
【0297】
したがって、ユーザーが、キーボード73に、補正データ生成用サンプル走査信号が入力したときに限って、ジッター補正データが生成される。
【0298】
入力された補正データ生成用サンプル走査信号は、コントロールユニット75に出力され、補正データ生成用サンプル走査信号を受けると、コントロールユニット75は、フィルタユニットモータ71に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を蛍光あるいは輝尽光25の光路から退避させるとともに、切り換え部材モータ72に駆動信号を出力して、ピンホール32aが蛍光25の光路内に位置するように、共焦点切り換え部材31を移動させる。
【0299】
補正データ生成用サンプル走査信号は、同時に、コントロールユニット75からデータ処理装置35に出力される。
【0300】
次いで、コントロールユニット75は、副走査用モータ47に駆動信号を出力して、サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側部50aの表面に形成された規則的な基本濃淡パターン90に、レーザ光4が照射可能なように、サンプルキャリア21がセットされたサンプルステージ20を移動させ、その後、第1のレーザ励起光源1を起動させて、640nmのレーザ光4を放出させる。
【0301】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0302】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側部50aの表面に形成された規則的な基本濃淡パターン90に入射する。
【0303】
サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側部50aの表面に形成された規則的な基本濃淡パターン90に入射したレーザ光4は、サンプルキャリア21の表面によって反射されて、規則的な基本濃淡パターン90に応じた光量の反射光が生成される。
【0304】
規則的な基本濃淡パターン90が形成されたサンプルキャリア21の表面によって反射されたレーザ光4は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射される。
【0305】
ここに、フィルタユニット27は、蛍光あるいは輝尽光25の光路から退避した状態に保持されているので、規則的な基本濃淡パターン90が形成されたサンプルキャリア21の表面によって反射されたレーザ光4は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0306】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、規則的な基本濃淡パターン90が形成されたサンプルキャリア21の表面によって反射されたレーザ光4が、ピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0307】
このように、共焦点光学系を用いて、規則的な基本濃淡パターン90が形成されたサンプルキャリア21の表面によって反射されたレーザ光4をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のノイズを最小に抑えることが可能になる。
【0308】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0309】
サンプルステージ20が、主走査用モータ43によって、主走査方向に、一往復分だけ移動されるとともに、副走査用モータ47によって、副走査方向に移動されると、サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側部50aの表面に形成された規則的な基本濃淡パターン90が、レーザ光4によって、一往復分だけ、走査され、サンプルキャリア21の表面に形成された規則的な基本濃淡パターン90によって反射されたレーザ光4が、フォトマルチプライア33によって光電的に検出されて、規則的な基本濃淡パターンのアナログデータが生成され、A/D変換器34によってディジタル化されて、規則的な基本濃淡パターンのディジタルデータが生成される。
【0310】
したがって、サンプルキャリア21の表面に形成された規則的な基本濃淡パターン90が、レーザ光4によって、一往復分だけ、走査されると、規則的な基本濃淡パターン90の第1ライン目のディジタルデータと、規則的な基本濃淡パターン90の第2ライン目のディジタルデータが生成され、データ処理装置35に送られる。
【0311】
規則的な基本濃淡パターン90の第1ライン目のディジタルデータと、規則的な基本濃淡パターン90の第2ライン目のディジタルデータが生成され、データ処理装置35に送られると、コントロールユニット75は、第1のレーザ励起光源1をオフさせて、データ処理装置35に、ジッター補正データ生成信号を出力する。
【0312】
コントロールユニット75からデータ処理装置35に、補正データ生成用サンプル走査信号が入力されているときは、A/D変換器34から入力され、データ記憶部85に記憶されたディジタルデータは、補正データ生成部86に出力される。
【0313】
データ処理装置35の補正データ生成部86は、コントロールユニット75からジッター補正データ生成信号を受けると、図1ないし図9に示された実施態様と全く同様にして、図9において、Aで示されるパルス状の曲線の各パルスの立上がり部の位置から、Bで示されるパルス状の曲線の対応するパルスの立上がり部の位置が偏倚している偏倚量Δxiの和を求め、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になるように、Bで示されるパルス状の曲線を、図9において、X方向に平行移動させ、すべてのパルスの偏倚量Δxiの和が最小になる平行移動量を、ディジタルデータのジッターを補正するために用いるジッター補正データとして、決定し、補正データ記憶部87に記憶させる。
【0314】
本実施態様においても、主走査用モータ43は、サンプルステージ20を、200mm/秒、400mm/秒あるいは800mm/秒の速度で、5ミクロン、10ミクロン、20ミクロン、50ミクロンあるいは100ミクロンの画素ピッチで移動可能に構成されており、コントロールユニット75は、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、それぞれ、200mm/秒、400mm/秒および800mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、ジッター補正データを生成して、補正データ記憶部87に記憶させ、10ミクロン、20ミクロン、50ミクロンあるいは100ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を移動させる場合には、データ処理部88が、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を対応する主走査速度で、主走査方向に移動させて、生成され、補正データ記憶部87に記憶されているジッター補正データに、所定の補正係数を乗じて、データのジッター補正に使用するように構成されている。
【0315】
こうして、ジッター補正データが、補正データ記憶部87に記憶されると、ユーザーによって、キーボード73にスタート信号が入力される。
【0316】
スタート信号は、コントロールユニット75に出力され、コントロールユニット75は、スタート信号を受けると、サンプルステージ20を元の位置に復帰させるとともに、キャリアセンサ70に、サンプルキャリア検出し実施例信号を出力して、サンプルキャリア21の種類が検出させ、キャリア検出信号を、コントロールユニット75に出力させる。
【0317】
次いで、ユーザーにより、標識物質である蛍光物質の種類が、キーボード73に入力されると、キーボード73から指示信号がコントロールユニット75に出力される。
【0318】
標識物質である蛍光物質の種類として、たとえば、Cy−5(登録商標)が入力されると、コントロールユニット75は、入力された指示信号にしたがって、フィルタユニットモータ71に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28aを光路内に位置させるとともに、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0319】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0320】
こうして、前記実施態様と全く同様にして、サンプルステージ20にセットされたサンプルキャリア21に保持された5つのマイクロアレイが、レーザ光4によって、順次、走査され、蛍光色素が励起されて、蛍光色素から放出された蛍光が光電的に検出され、生化学解析用のディジタルデータが生成される。
【0321】
本実施態様においては、サンプル22のディジタルデータの生成に先立って、ユーザーが、キーボード73に、補正データ生成用サンプル走査信号を入力し、サンプルキャリア21のフレーム体50の一方の側面50aに形成された規則的な基本濃淡パターン90にしたがって、ジッター補正データが生成されたときは、データ処理部88によって、補正データ記憶部87に記憶された新たなジッター補正データに基づいて、図1ないし図9に示された実施態様と全く同様にして、サンプル22のディジタルデータ中のジッターが補正される。
【0322】
他方、ユーザーが、キーボード73に、補正データ生成用サンプル走査信号を入力せず、サンプル22のディジタルデータの生成に先立って、サンプルキャリア21のフレーム体50の一方の側面50aに形成された規則的な基本濃淡パターン90にしたがって、新たなジッター補正データが生成されないときは、データ処理部88は、前記実施態様と全く同様にして、補正データ生成用のサンプル80を用いて、補正データ生成部86によって生成され、基準補正データ記憶部95に記憶されているジッター補正データに基づいて、図1ないし図9に示された実施態様と全く同様にして、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを補正する。
【0323】
本実施態様によれば、サンプル22のディジタルデータの生成に先立って、必要に応じて、ジッター補正データを生成して、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを補正することができるから、タイミングベルト45に伸びが、経時的に変化し、発生するジッターが異なるようになった場合にも、サンプル22のディジタルデータ中のジッターを最小化することが可能になる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0324】
たとえば、図12および図13に示された実施態様においては、ユーザーが、キーボード73に、補正データ生成用サンプル走査信号およびジッター補正データ生成信号を入力することによって、ジッター補正データが生成されるように構成されているが、スタート信号が入力されたときに、自動的に、ジッター補正データが生成され、次いで、サンプル22のディジタルが生成されるように構成することもできる。
【0325】
さらに、図12および図13に示された実施態様においては、サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側面50aの一部に、規則的な基本濃淡パターン90を形成しているが、サンプルキャリア21に保持されたサンプル22にレーザ光4を照射する際に、支障がなければ、規則的な基本濃淡パターン90は、サンプルキャリア21の任意の位置に形成することができ、サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側面50aの一部に、規則的な基本パターン90を形成することは必ずしも必要がなく、さらには、たとえば、光学ヘッド15側のサンプルステージ20のサンプルキャリア21が載置される部分の外側に、規則的な基本濃淡パターン90を形成するなど、双方向走査スキャナ自体に、規則的な基本濃淡パターン90を形成し、必要に応じて、ジッター補正データを生成するようにしてもよい。
【0326】
また、前記実施態様においては、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、それぞれ、200mm/秒、400mm/秒および800mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、ジッター補正データを生成し、10ミクロン、20ミクロン、50ミクロンあるいは100ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を移動させる場合には、対応する主走査速度のジッター補正データに補正係数を乗じて、補正し、補正されたジッター補正データを用いて、サンプルのディジタルデータのジッター補正を実行しているが、各主走査速度および各画素ピッチごとに、ジッター補正データを生成し、補正データ記憶部87あるいは基準補正データ記憶部95に記憶させ、主走査速度および画素ピッチに応じて、対応するジッター補正データを読み出して、サンプルのディジタルのジッター補正を実行するように構成することもできる。
【0327】
さらに、前記実施態様においては、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、それぞれ、200mm/秒、400mm/秒および800mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、ジッター補正データを生成しているが、たとえば、5ミクロンの画素ピッチで、サンプルステージ20を、200mm/秒の速度で、主走査方向に移動させて、ジッター補正データを生成して、補正データ記憶部87あるいは基準補正データ記憶部95に記憶させ、400mm/秒あるいは800mm/秒の速度で、サンプルステージ20を移動させる場合には、補正データ記憶部87あるいは基準補正データ記憶部95に記憶されたジッター補正データに補正係数を乗じて、補正し、補正されたジッター補正データを用いて、サンプルのディジタルデータのジッター補正を実行するように構成することもできる。
【0328】
また、図10および図11に示された実施態様においては、マイクロアレイと実質的に同じサイズを有し、その全面に、規則的な基本パターンが形成されたジッター補正データ生成用サンプル80を用いて、サンプル22のディジタルデータのすべての偶数ラインを補正可能なジッター補正データを生成しているが、副走査方向の移動ピッチを大きくして、4以上のラインを有するサンプル22のディジタルデータのデータ領域ごとに、ジッター補正データを生成し、補正データ記憶部87あるいは基準補正データ記憶部95に記憶させ、サンプル22のディジタルデータの領域ごとに、異なるジッター補正データを用いて、サンプル22のディジタルデータのジッター補正を実行するように、構成することもできる。
【0329】
さらに、図12および図13に示された実施態様においては、基準補正データ記憶部95には、ジッター補正データ生成用サンプル80に基づいて生成され、たジッター補正データが記憶され、サンプル22のディジタルデータの生成に先立って、サンプルキャリア21のフレーム体50の一方の側面50aに形成された規則的な基本濃淡パターン90にしたがって、ジッター補正データが生成されないときは、ジッター補正データ生成用サンプル80に基づいて生成され、基準補正データ記憶部95に記憶されているジッター補正データに基づいて、サンプル22のディジタルデータ中のジッターが補正されるように構成されているが、サンプル22のディジタルデータの生成に先立って、サンプルキャリア21のフレーム体50の一方の側面50aに形成された規則的な基本濃淡パターン90にしたがって、ジッター補正データが生成されるたびに、生成されたジッター補正データによって、基準補正データ記憶部95に記憶されているジッター補正データを上書きするように構成することもできる。
【0330】
また、前記実施態様においては、共焦点切り換え部材31には、3つの径の異なるピンホール32a、32b、32cが形成され、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32aが、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32bが、ゲル支持体上で、電気泳動され、蛍光色素によって選択的に標識された試料を含んだゲル支持体を担体とする蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32cが、それぞれ、用いられているが、共焦点切り換え部材31に、ピンホール32a、32bのみを形成し、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32aを介して、蛍光25を受光し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32bを介して、輝尽光を受光し、ゲル支持体から放出された蛍光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、共焦点切り換え部材31を、蛍光25の光路から退避させ、フォトマルチプライア33の受光光量が増大するように構成することもできるし、また、共焦点切り換え部材31に、ピンホール32aのみを形成し、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときにのみ、ピンホール32aを介して、蛍光25を受光し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときおよびゲル支持体から放出された蛍光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、共焦点切り換え部材31を、蛍光25の光路から退避させ、フォトマルチプライア33の受光光量が増大するように構成することもできる。
【0331】
さらに、図1ないし図9に示された実施態様および図10および図11に示された実施態様においては、色ガラスフィルタの表面に、クロム蒸着膜81を形成して、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンを有するジッター補正データ生成用部材80を生成しているが、レーザ光4の照射を受けたときに、励起されて、蛍光を発する蛍光物質の規則的な基本パターンが形成されていればよく、色ガラスフィルタの表面に、クロム蒸着膜81を形成して、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンを形成することは必ずしも必要でない。
【0332】
また、図1ないし図9に示された実施態様および図10および図11に示された実施態様においては、色ガラスフィルタの表面に、クロム蒸着膜81を形成して、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンを有するジッター補正データ生成用部材80を生成し、図12および図13に示された実施態様においては、サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側面50aの一部に、規則的な基本濃淡パターン90を形成して、これによって、ジッター補正データ生成用部材80を構成しているが、図1ないし図9に示された実施態様および図10および図11に示された実施態様において、色ガラスフィルタの表面に、クロム蒸着膜81を形成して、色ガラスフィルタの規則的な基本パターンを有するジッター補正データ生成用部材80を用いる代わりに、図12および図13に示された実施態様と同様に、規則的な基本濃淡パターンが形成されたジッター補正データ生成用部材80を用いて、ジッター補正データ生成用部材80の表面から反射されたレーザ光4を光電的に検出して、ジッター補正データを生成するように構成することもでき、さらに、図12および図13に示された実施態様において、サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側面50aの一部に、規則的な基本濃淡パターン90を形成する代わりに、サンプルキャリア21を構成するフレーム体50の一方の側面50aの一部に、たとえば、蛍光物質層を形成し、蛍光物質層の表面に、クロム蒸着膜81を形成することによって、蛍光物質の規則的な基本パターンを形成し、蛍光物質の規則的な基本パターンから放出された蛍光25を光電的に検出して、ジッター補正データを生成するように構成することもできる。
【0333】
さらに、前記実施態様においては、いずれも、双方向走査スキャナは、サンプリングステージ20が、主走査用モータ43によって、主走査方向に、往復動されるとともに、副走査用モータ47によって、副走査方向に移動され、サンプル22の全面が、レーザ光4によって走査されるように構成されているが、双方向走査スキャナを、光学ヘッド15が、主走査方向に、往復動されるとともに、副走査方向に移動されるように構成し、レーザ光4によって、サンプル22の全面が走査されるように構成することもできる。
【0334】
【発明の効果】
本発明によれば、簡易に、かつ、低コストで、双方向走査スキャナにおけるジッターを補正することのできるジッターの補正方法、簡易に、かつ、低コストで、ジッターを補正することのできる高分解能の双方向走査スキャナおよび簡易に、かつ、低コストで、ジッターを補正するための補正データを生成することのできる双方向走査スキャナ用のサンプルキャリアを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナの略斜視図である。
【図2】図2は、マイクロアレイの略斜視図である。
【図3】図3は、共焦点切り換え部材の略正面図である。
【図4】図4は、サンプルステージの走査機構のうち、主走査機構の詳細を示す略斜視図である。
【図5】図5は、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイを保持し、サンプルステージにセットされるサンプルキャリアの略斜視図であり、サンプルキャリアを裏面側から、すなわち、サンプルステージに載置される側から見た図面である。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナの検出系、駆動系、入力系および制御系を示すブロックダイアグラムである。
【図7】図7は、ジッターを補正するためのジッター補正データを生成する際に使用されるジッター補正データ生成用部材の略正面図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナのデータ処理装置のブロックダイアグラムである。
【図9】図9は、レーザ光によって、補正データ生成用サンプルを、一往復分だけ、走査することによって、色ガラスフィルタが励起され、色ガラスフィルタの表面から放出された蛍光が、フォトマルチプライアによって光電的に検出され、A/D変換器によって、ディジタル化されて、データ処理装置の補正データ生成部に入力された基準パターンのディジタルデータを画像化した図面である。
【図10】図10は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナにおいて、ジッター補正データを生成するために用いられるジッター補正データ生成用部材の略正面図である。
【図11】図11は、レーザ光によって、補正データ生成用サンプルを走査することによって、色ガラスフィルタが励起され、色ガラスフィルタの表面から放出された蛍光が、フォトマルチプライアによって光電的に検出され、A/D変換器によって、ディジタル化されて、データ処理装置の補正データ生成部に入力された基準パターンの(2N−1)目と2N番目のラインのディジタルデータを画像化した図面である。
【図12】図12は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナのサンプルステージにセットされるサンプルキャリアの略斜視図である。
【図13】図13は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる双方向走査スキャナのデータ処理装置のブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1 第1のレーザ励起光源
2 第2のレーザ励起光源
3 第3のレーザ励起光源
4 レーザ光
5 コリメータレンズ
6 ミラー
7 第1のダイクロイックミラー
8 第2のダイクロイックミラー
9 コリメータレンズ
10 コリメータレンズ
15 光学ヘッド
16 ミラー
17 穴
18 穴明きミラー
19 レンズ
20 サンプルステージ
21 サンプルキャリア
22 サンプル
23 滴下されたcDNA
25 蛍光または輝尽光
27 フィルタユニット
28a、28b、28c、28d フィルタ
29 ミラー
30 レンズ
31 共焦点切り換え部材
32a、32b、32c、32d、32e ピンホール
33 フォトマルチプライア
34 A/D変換器
35 データ処理装置
40 可動基板
41、41 一対のガイドレール
42 スライド部材
43 主走査用モータ
43a 主走査用モータの出力軸
44 プーリ
45 タイミングベルト
46 ロータリーエンコーダ
47 副走査用モータ
50 フレーム体
51、52、53、54、55 開口部
51a、52a、53a、54a、55a 板ばね
51b、52b、53b、54b、55b 板ばね
60、61、62、63、64、65 板部材
70 キャリアセンサ
71 フィルタユニットモータ
72 切り換え部材モータ
73 キーボード
75 コントロールユニット
80 ジッター補正データ生成用部材
81 クロム蒸着膜
85 データ記憶部
86 補正データ生成部
87 補正データ記憶部
88 データ処理部
90 規則的な基本パターン
95 基準補正データ記憶部

Claims (26)

  1. サンプルがセットされたサンプルステージとレーザ光とを、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動するとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査し、前記サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成された双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法であって、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルを、前記サンプルステージに対して、相対的に固定し、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に相対的に移動させて、前記補正データ生成用のサンプルを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、前記サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正する双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法において、前記サンプルステージと前記レーザ光の主走査方向の相対的な移動速度、および、前記サンプルステージと前記レーザ光が主走査方向に相対的に移動される際の画素ピッチに応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させることを特徴とする双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  2. サンプルがセットされたサンプルステージとレーザ光とを、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動するとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査し、前記サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成された双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法であって、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルを、前記サンプルステージに対して、相対的に固定し、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に相対的に移動させて、前記補正データ生成用のサンプルを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、前記サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正する双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法において、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチで、かつ、異なる移動速度で、相対的に移動させて、前記サンプルステージと前記レーザ光の主走査方向の相対的な移動速度に応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させ、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に、前記特定の画素ピッチとは異なる画素ピッチで、相対的に移動させて、前記サンプルのディジタルデータを生成したときは、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを補正して、ジッター補正データを生成し、前記サンプルのディジタルデータを補正することを特徴とする双方向 走査スキャナにおけるジッターの補正方法
  3. 前記サンプルステージと前記レーザ光とを、主走査方向において、相対的に、一往復させて、前記レーザ光によって、前記補正データ生成用のサンプルを走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、往路に対応する第一ライン目のディジタルデータと、復路に対応する第二ライン目のディジタルデータよりなる補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、第一ライン目の前記ディジタルデータに対する第二ライン目の前記ディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させ、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、偶数番目の走査ラインに対応する前記サンプルの前記ディジタルデータを補正することを特徴とする請求項1または2に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  4. 前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向および副走査方向に、相対的に移動させて、前記レーザ光によって、前記補正データ生成用のサンプルを走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、(2N−1)番目のラインのディジタルデータ(Nは1以上の整数)に対する2N番目のラインのディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、それぞれ、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させ、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、2N番目のラインに対応する前記サンプルの前記ディジタルデータを補正することを特徴とする請求項1または2に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  5. 前記サンプルステージと前記レーザ光を、大きな移動ピッチで、副走査方向に、相対的に移動させて、前記ジッター補正データを、4以上のラインを含む前記サンプルのディジタルデータのデータ領域ごとに、生成し、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させることを特徴とする請求項1または2に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  6. 前記補正データ生成用のサンプルに形成された前記規則的なパターンが、蛍光物質によって形成され、前記レーザ光によって、前記蛍光物質が励起されて、前記補正データ生成用のサンプルから放出された蛍光を光電的に検出して、前記補正データ生成用のディジタルデータを生成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  7. 前記補正データ生成用のサンプルに形成された前記規則的なパターンが、可視濃淡パターンによって形成され、前記補正データ生成用のサンプルによって反射された前記レーザ光を光電的に検出して、前記補正データ生成用のディジタルデータを生成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  8. 前記サンプルステージを、主走査方向に往復移動させつつ、副走査方向に移動させて、前記補正データ生成用のサンプルを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、前記サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、前記サンプルステージを、主走査方向に往復移動させつつ、副走査方向に移動させて、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  9. 前記レーザ光を、主走査方向に往復移動させつつ、副走査方向に移動させて、前記補正データ生成用のサンプルを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記双方向走査スキャナのメモリに記憶させ、前記サンプルステージに、標識物質によって標識されているサンプルを載置し、前記レーザ光を、主走査方向に往復移動させつつ、副走査方向に移動させ、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  10. 必要に応じて、ジッター補正データを生成し、前記メモリに記憶することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  11. 前記サンプルステージにセットされ、前記サンプルを保持するサンプル保持部を備えたサンプルキャリアの表面に形成された規則的なパターンを、前記レーザ光によって走査し、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光を、前記光検出器が光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記A/D変換器によりディジタル化して、補正データ生成用のディジタルデータを生成し、前記補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  12. 前記規則的なパターンが、前記サンプルキャリアの前記サンプル保持部の外側に形成されたことを特徴とする請求項11に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  13. 前記サンプルステージに、蛍光物質によって標識されているサンプルを載置し、レーザ光によって、前記サンプルを走査して、前記蛍光物質を励起し、前記蛍光物質から放出された蛍光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  14. 前記サンプルステージに、前記サンプルとして、放射性標識物質によって標識されている輝尽性蛍光体層を備えた蓄積性蛍光体シートを載置し、レーザ光によって、前記輝尽性蛍光体層を走査して、前記輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、前記輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、アナログデータを生成し、前記アナログデータをディジタル化して得たサンプルのディジタルデータを、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナにおけるジッターの補正方法。
  15. 標識物質によって標識されたサンプルがセットされるサンプルステージと、レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源を備え、前記サンプルステージと、前記レーザ光とが、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動されるとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動され、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査し、前記サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成された双方向走査スキャナであって、さらに、前記標識物質から放出された光を光電的に受光して、アナログデータを生成する光検出器と、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられた前記レーザ光を、前記サンプルステージに集光させるとともに、前記標識物質から放出された光を、前記光検出器に導く集光光学系と、前記光検出器により生成されたアナログデータをディジタル化するA/D変換器と、データ処理装置と、メモリとを備え、前記データ処理装置が、前記サンプルステージに対して、相対的に固定され、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルが、前記サンプルステージと前記レーザ光が、主走査方向に相対的に移動されて、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させ、前記サンプルステージに載置され、標識物質によって標識されたサンプルが、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって走査されて、前記標識物質が励起され、前記標識物質から放出された光を、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された前記サンプルのディジタルデータを、前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成された双方向走査スキャナにおいて、前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光の主走査方向の相対的な移動速度、および、前記サンプルステージと前記レーザ光が主走査方向に相対的に移動される際の画素ピッチに応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させるように構成されたことを特徴とする双方向走査スキャナ
  16. 標識物質によって標識されたサンプルがセットされるサンプルステージと、レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源を備え、前記サンプルステージと、前記レーザ光とが、主走査方向において、互いに往復動するように、相対的に移動されるとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動され、前記レーザ光によって、前記サンプルを走査し、前記サンプルから放出される光を光電的に検出するように構成された双方向走査スキャナであって、さらに、前記標識物質から放出された光を光電的に受光して、アナログデータを生成する光検出器と、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられた前記レーザ光を、前記サンプルステージに集光させるとともに、前記標識物質から放出された光を、前記光検出器に導く集光光学系と、前記光検出器により生成されたアナログデータをディジタル化するA/D変換器と、データ処理装置と、メモリとを備え、前記データ処理装置が、前記サンプルステージに対して、相対的に固定され、規則的なパターンが形成された補正データ生成用のサンプルが、前記サンプルステージと前記レーザ光が、主走査方向に相対的に移動されて、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させ、前記サンプルステージに載置され、標識物質によって標識されたサンプルが、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって走査されて、前記標識物質が励起され、前記標識物質から放出された光を、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された前記サンプルのディジタルデータを、前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成された双方向走査スキャナにおいて、前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に、特定の画素ピッチ で、かつ、異なる移動速度で、相対的に移動させて、前記サンプルステージと前記レーザ光の主走査方向の相対的な移動速度に応じて、それぞれ、ジッター補正データを生成して、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶させ、前記サンプルステージと前記レーザ光を、主走査方向に、前記特定の画素ピッチとは異なる画素ピッチで、相対的に移動させて、前記サンプルのディジタルデータを生成したときは、前記双方向走査スキャナの前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを補正して、ジッター補正データを生成し、前記サンプルのディジタルデータを補正するように構成されたことを特徴とする双方向走査スキャナ
  17. 前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光が、主走査方向に、相対的に、一往復されて、前記レーザ光によって、前記補正データ生成用のサンプルが走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって、光電的に検出されて、生成されたアナログデータが、前記A/D変換器によって、ディジタル化されて、生成された往路に対応する第一ライン目のディジタルデータと復路に対応する第一ライン目のディジタルデータよりなる補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、第一ライン目の前記ディジタルデータに対する第二ライン目の前記ディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させるとともに、前記ジッター補正データを用いて、偶数番目の走査ラインに対応する前記サンプルの前記ディジタルデータを補正するように構成されたことを特徴とする請求項15または16に記載の双方向走査スキャナ。
  18. 前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光が、主走査方向および副走査方向に、相対的に移動されて、前記補正データ生成用のサンプルが走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって光電的に検出されて、生成されたアナログデータが、前記A/D変換器によってディジタル化されて、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、(2N−1)番目のラインのディジタルデータ(Nは1以上の整数)に対する2N番目のラインのディジタルデータの偏倚量を最小化するデータを、それぞれ、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させるとともに、前記ジッター補正データを用いて、2N番目のラインに対応する前記サンプルの前記ディジタルデータを補正するように構成されたことを特徴とする請求項15または16に記載の双方向走査スキャナ。
  19. 前記データ処理装置が、前記サンプルステージと前記レーザ光を、大きな移動ピッチで、副走査方向に、相対的に移動させて、前記ジッター補正データを、4以上のラインを含む前記サンプルのディジタルデータのデータ領域ごとに、生成し、前記メモリに記憶させるように構成されたことを特徴とする請求項15または16に記載の双方向走査スキャナ。
  20. 前記補正データ生成用のサンプルに形成された前記規則的なパターンが、蛍光物質によって形成され、前記データ処理装置が、前記レーザ光によって、前記蛍光物質が励起されて、前記補正データ生成用のサンプルから放出された蛍光を光電的に検出して、前記補正データ生成用のディジタルデータを生成することを特徴とする請求項15ないし19のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナ。
  21. 前記補正データ生成用のサンプルに形成された前記規則的なパターンが、可視濃淡パターンによって形成され、前記データ処理装置が、前記補正データ生成用のサンプルによって反射された前記レーザ光を光電的に検出して、前記補正データ生成用のディジタルデータを生成することを特徴とする請求項15ないし19のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナ。
  22. さらに、前記少なくとも1つのレーザ励起光源の側の前記サンプルステージの表面に、前記蛍光を発する物質の規則的なパターンが形成され、前記データ処理装置が、前記メモリに記憶されたジッター補正データを更新可能に構成されたことを特徴とする請求項15ないし21のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナ。
  23. 前記データ処理装置が、前記サンプルとして、前記サンプルステージに載置され、蛍光物質によって標識されたサンプルを、レーザ光によって、走査して、前記蛍光物質を励起し、前記蛍光物質から放出された蛍光を、前記光検出器によって光電的に検出して、生成されたアナログデータを、前記A/D変換器によってディジタル化して、生成された前記サンプルのディジタルデータを、前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されたことを特徴とする請求項15ないし21のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナ。
  24. 前記データ処理装置が、前記サンプルとして、前記サンプルステージに載置され、放射性標識物質によって標識された輝尽性蛍光体層を備えた蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を、レーザ光によって、走査して、前記輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、前記輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を、前記光検出器によって光電的に検出して、生成されたアナログデータを、前記A/D変換器によってディジタル化して、生成された前記サンプルのディジタルデータを、前記メモリに記憶された前記ジッター補正データを用いて、補正するように構成されたことを特徴とする請求項15ないし22のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナ。
  25. 前記データ処理装置が、前記サンプルステージにセットされ、前記サンプルを保持するサンプル保持部を備えたサンプルキャリアの表面に形成された規則的なパターンが、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査され、前記補正データ生成用のサンプルから放出された光が、前記光検出器によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、前記A/D変換器によりディジタル化されて、生成された補正データ生成用のディジタルデータに基づいて、前記補正データ生成用のディジタルデータの走査ラインごとの偏倚量を最小化するデータを、ジッター補正データとして決定して、前記メモリに記憶させるように構成されたことを特徴とする請求項15ないし24のいずれか1項に記載の双方向走査スキャナ。
  26. 前記規則的なパターンが、前記サンプルキャリアの前記サンプル保持部の外側に形成されたことを特徴とする請求項25に記載の双方向走査スキャナ。
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