JP3928846B2 - 共焦点光学系を備えたスキャナ、共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法および共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法 - Google Patents
共焦点光学系を備えたスキャナ、共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法および共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共焦点光学系を備えたスキャナ、共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法および共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法に関するものであり、さらに詳細には、特別な機構を必要とすることなく、高精度で、共焦点光学系のフォーカスを調整することができ、所望のように、生化学解析用のデータが生成することができる共焦点光学系を備えたスキャナ、共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法および共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線が照射されると、放射線のエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の組織の一部をサンプルとし、このサンプルを、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シートと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、画像を再生するように構成されたオートラジオグラフィ検出システムが知られている(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−60782号公報、特公平4−3952号公報など)。
【0003】
蓄積性蛍光体シートを画像の検出材料として使用するオートラジオグラフィ検出システムは、写真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要であるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施すことによって、所望のように、画像を再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】
他方、オートラジオグラフィシステムにおける放射性標識物質に代えて、蛍光物質を標識物質として使用した蛍光検出(fluorescence) システムが知られている。このシステムによれば、蛍光画像を読み取ることによって、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえば、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、ゲル支持体上のDNAの分布を検出したり、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNAを変性(denaturation) し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAを分布を検出したりすることができる。さらに、標識物質により標識した目的とする遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質により標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、励起光により、生成された蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることもできる。この蛍光検出システムは、放射性物質を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出することができるという利点がある。
【0005】
さらに、近年、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識された物質をハイブリダイズさせたマイクロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ検出システムが開発されている。このマイクロアレイ検出システムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可能になるという利点がある。
【0006】
また、メンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識された物質をハイブリダイズさせたマクロアレイを、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析する放射性標識物質を用いたマクロアレイ検出システムも開発されている。
【0007】
これらのシステムは、いずれも、サンプルに、励起光を照射して、輝尽性蛍光体や蛍光物質などの標識物質を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光や蛍光物質から放出された蛍光などを光電的に検出して、標識物質の画像データや発光量データなどの生化学解析用のデータを生成するものであり、これらのシステムのために用いられるデータ生成装置は、スキャナを用いたものと、二次元センサを用いたものに大別される。
【0008】
二次元センサを用いる場合に比し、スキャナを用いる場合には、高解像度で、データを生成することができるという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
マイクロアレイ検出システムにおいては、サンプルを、励起光によって、走査して、蛍光物質などの標識物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光などを光電的に検出して、標識物質の画像データや発光量データなどの生化学解析用のデータが生成されるように構成されており、高精度の検出を可能にするためには、集光光学系のフォーカスが、高精度で調整されることが必要不可欠である。
【0010】
そこで、米国特許第5578832号明細書および同第5834785号明細書は、オートフォーカスによって、集光光学系のフォーカスを調整する方法を提案している。
【0011】
しかしながら、オートフォーカスによって、集光光学系のフォーカスを調整するためには、反射光検出光学系、センサ、検出回路などの特別な機構が必要になり、コストアップを招くという問題があった。
【0012】
したがって、本発明は、特別な機構を必要とすることなく、高精度で、共焦点光学系のフォーカスを調整することができ、所望のように、生化学解析用のデータが生成することができる共焦点光学系を備えたスキャナ、共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法および共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源と、少なくとも1つのサンプルを保持したサンプルキャリアを載置すべきサンプルステージと、前記サンプルステージを主走査方向および副走査方向に移動させる走査手段と、共焦点光学系と、共焦点光学系を構成する対物レンズを移動可能な駆動手段と、光を光電的に検出する光検出器と、不揮発性メモリと、制御手段とを備えたスキャナであって、前記不揮発性メモリが、少なくとも1つの距離測定用デバイスを、サンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、前記サンプルキャリアを、前記サンプルステージに載置し、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および前記基準位置とは異なる少なくとも1つの計測位置との距離を計測して、生成された位置データを記憶するとともに、レーザ光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、前記発光材料が前記基準位置に位置するように、前記サンプルキャリアにセットし、前記フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光によって、走査して、前記基準位置に位置した前記発光材料を励起し、前記発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを、前記光検出器によって、光電的に検出し、前記共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、前記光検出器が検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、前記共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、生成されたフォーカス位置データを記憶し、前記制御手段が、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記不揮発性メモリに保存された前記位置データにしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するよう構成されたスキャナであって、前記共焦点光学系を構成する前記対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離が計測されて、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位が算出され、前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位が平均されて、前記位置データが生成され、前記不揮発性メモリに記憶されていることを特徴とするスキャナによって達成される。
【0014】
本発明によれば、少なくとも1つの距離測定用デバイスを、少なくとも1つのサンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、サンプルキャリアを、サンプルステージに載置し、共焦点光学系を構成する対物レンズと、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、生成された位置データが、不揮発性メモリに記憶されるとともに、励起光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、発光材料が基準位置に位置するように、サンプルキャリアにセットし、フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光によって、走査して、基準位置に位置した発光材料を励起し、発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを、光検出器によって、光電的に検出し、共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、光検出器が検出した蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、生成されたフォーカス位置データが、不揮発性メモリに記憶され、制御手段によって、不揮発性メモリに記憶された共焦点光学系のフォーカス位置データを、不揮発性メモリに保存された位置データにしたがって、補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、駆動手段に駆動信号を出力して、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するよう構成されており、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスと、共焦点光学系の対物レンズとの実際の距離に基づいて、共焦点光学系の対物レンズの位置が調整されるから、反射光検出光学系、センサ、検出回路などの特別な機構を備えたオートフォーカスなどを必要とせずに、共焦点光学系のフォーカスを、所望のように、調整することが可能になる。
【0015】
本発明の好ましい実施態様においては、前記光検出器が検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値が最大となる前記共焦点光学系の対物レンズの位置が、前記共焦点光学系のフォーカス位置として決定され、前記不揮発性メモリに、フォーカス位置データとして記憶されている。
【0019】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、スキャナは、さらに、前記スキャナ内の温度を検出する温度センサを備え、前記不揮発性メモリが、2以上の異なる温度で、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離が計測され、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位が算出されて、算出された前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数を記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサによって検出された前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値との温度差に応じ、前記不揮発性メモリに記憶された前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数にしたがって、補正するように構成されている。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、共焦点光学系を構成する対物レンズと、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置と、基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離が計測され、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位が算出されて、算出された距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数が、不揮発性メモリに記憶されるとともに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の温度の平均値が、不揮発性メモリに記憶されており、制御手段によって、不揮発性メモリに記憶された共焦点光学系のフォーカス位置データを、温度センサによって検出されたスキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の温度の平均値との温度差に応じ、不揮発性メモリに記憶された距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数にしたがって、補正するように構成されているから、スキャナ内の温度が変化した場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0021】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、前記不揮発性メモリが、2以上の距離測定用デバイスがセットされた前記サンプルキャリアを、前記サンプルステージに載置し、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出され、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が平均されて、生成された前記位置データを記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、前記不揮発性メモリに記憶された前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するよう構成されている。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、2以上の距離測定用デバイスがセットされたサンプルキャリアを、サンプルステージに載置し、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離が計測され、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位が算出され、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位が平均されて、生成された位置データが、不揮発性メモリに記憶されており、制御手段によって、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、不揮発性メモリに記憶された位置データに基づいて、不揮発性メモリに記憶された共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、駆動手段に駆動信号が出力されて、共焦点光学系の対物レンズが移動され、対物レンズの位置を調整するよう構成されているから、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0023】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の1つの計測位置を基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出されて、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数が算出され、前記不揮発性メモリが、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数として記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサが検出した前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値との温度差に応じ、前記不揮発性メモリに記憶された前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記駆動手段に駆動信号を出力し、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させて、前記共焦点光学系の前記対物レンズの位置を調整するよう構成されている。
【0024】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離が計測され、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の1つの計測位置を基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位が算出されて、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数が算出され、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数の平均値が、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数として、不揮発性メモリに記憶されるとともに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を記憶されており、制御手段が、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、不揮発性メモリに記憶された共焦点光学系のフォーカス位置データを、温度センサが検出したスキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、不揮発性メモリに記憶された2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数にしたがって、補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、駆動手段に駆動信号を出力して、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するように構成されているから、スキャナ内の温度が変化した場合にも、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、所望のように、精度よく、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記不揮発性メモリが、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出され、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が平均されて、生成された前記位置データを記憶している。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出されて、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数が算出され、前記不揮発性メモリが、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数の平均値を、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数として、記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサが検出した前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じて、前記不揮発性メモリに保存された前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離が計測され、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位が算出されて、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数が算出され、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数の平均値が、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数として、不揮発性メモリに記憶されるとともに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度が記憶されており、制御手段が、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、不揮発性メモリに記憶された共焦点光学系のフォーカス位置データを、温度センサが検出したスキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じて、不揮発性メモリに記憶された2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数にしたがって、補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、駆動手段に駆動信号を出力して、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するように構成されているから、スキャナ内の温度が変化した場合にも、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記不揮発性メモリが、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出され、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が平均されて、生成された前記位置データを記憶している。
【0029】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出されて、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数が算出され、前記不揮発性メモリが、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサが検出した前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じて、前記スキャナの前記メモリに保存された前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記不揮発性メモリが、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が平均されて、生成された前記位置データを記憶し、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの前記所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、前記不揮発性メモリに記憶された前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するよう構成されている。
【0031】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、基準位置に対する計測位置の変位が平均されて、生成された位置データが、不揮発性メモリに記憶されており、制御手段によって、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、不揮発性メモリに記憶された位置データに基づいて、不揮発性メモリに記憶された共焦点光学系のフォーカス位置データが補正され、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、駆動手段に駆動信号が出力されて、共焦点光学系の対物レンズが移動され、対物レンズの位置を調整するよう構成されているから、よりきめこまかく、共焦点光学系の対物レンズの位置を調整することができ、したがって、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0032】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出されて、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数が算出され、前記不揮発性メモリが、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ラインの温度係数として記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの前記所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサが検出した前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記不揮発性メモリに記憶された前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ラインの前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0033】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離が計測され、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、基準位置に対する計測位置の変位が算出されて、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数が算出され、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数の平均値が、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ラインの温度係数として、不揮発性メモリに記憶されるとともに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度が記憶されており、制御手段が、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、不揮発性メモリに記憶された共焦点光学系のフォーカス位置データを、温度センサが検出したスキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、不揮発性メモリに記憶された2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ラインの温度係数にしたがって、補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、駆動手段に駆動信号を出力して、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するように構成されているから、スキャナ内の温度が変化した場合にも、よりきめこまかく、共焦点光学系の対物レンズの位置を調整することができ、したがって、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0034】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、スキャナは、さらに、波長の異なるレーザ光を発する2以上のレーザ励起光源を備え、前記不揮発性メモリが、レーザ光の波長ごとに生成された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを記憶し、前記制御手段が、前記2以上のレーザ励起光源のうち、サンプルを走査するために使用するレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長に対応する前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記不揮発性メモリから読み出し、読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0035】
励起光であるレーザ光の波長が異なると、共焦点光学系のフォーカス位置も異なるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、不揮発性メモリが、レーザ光の波長ごとに生成された共焦点光学系のフォーカス位置データを記憶し、制御手段が、2以上のレーザ励起光源のうち、サンプルを走査するために使用するレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長に対応する共焦点光学系のフォーカス位置データを、不揮発性メモリから読み出し、読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、駆動手段に駆動信号を出力して、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されているから、標識物質である蛍光色素を最も効率的に励起することのできる波長のレーザ光を、適宜、選択して、サンプルを励起して、サンプルから放出された蛍光を光電的に検出する場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0036】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスが、表面に金属膜を備え、静電容量形変位計を用いて、前記位置データが生成されている。
【0037】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、距離測定用デバイスが、表面に金属膜を備え、静電容量形変位計を用いて、位置データが生成されているから、サブミクロンのオーダーで、位置データを生成することが可能になり、したがって、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0038】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記位置データが、光学的に生成されている。
【0039】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、オートフォーカスやレーザ変位計などを用いて、位置データを生成する場合にも、生成された位置データを不揮発性メモリに記憶させておくだけでよく、スキャナ自体が、オートフォーカス機能を有している必要はないから、反射光検出光学系、センサ、検出回路などの特別な機構を備えたオートフォーカスなどを必要とせずに、共焦点光学系のフォーカスを、所望のように、調整することが可能になる。
【0040】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスの前記金属膜が、スパッタリング、CVDおよび蒸着よりなる群から選ばれる形成方法によって形成されている。
【0041】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスの前記金属膜が、スパッタリングによって形成されている。
【0042】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスの前記金属膜が、クロム、アルミニウム、金、ニッケル−クロム合金およびチタン−ニッケル−クロム合金よりなる群から選ばれる材料によって形成されている。
【0043】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスの前記金属膜が、クロムによって形成されている。
【0044】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記フォーカス位置決定用デバイスが、表面に、少なくとも1種の蛍光色素を含む1つのスポットが形成されたスライドガラス板によって構成されている。
【0045】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記スポットが、効率的に励起可能なレーザ光の波長を異にする2種以上の蛍光色素を含んでいる。
【0046】
励起光であるレーザ光の波長が異なると、共焦点光学系のフォーカス位置も異なるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、スポットが、効率的に励起可能なレーザ光の波長を異にする2種以上の蛍光色素を含んでいるから、異なる波長のレーザ光に対して、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成して、不揮発性メモリに記憶させておくことができ、したがって、標識物質である蛍光色素を最も効率的に励起することのできる波長のレーザ光を、適宜、選択して、サンプルを励起して、サンプルから放出された光を光電的に検出する場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0047】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記スポットが、470ないし490nmの波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素、530ないし540nmの波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素および630ないし650の波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素を含んでいる。
【0048】
励起光であるレーザ光の波長が異なると、共焦点光学系のフォーカス位置も異なるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、標識物質として使用される典型的な蛍光色素である470ないし490nmの波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素、530ないし540nmの波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素および630ないし650の波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素を含んだスポットを用いて、470ないし490nmの波長のレーザ光、530ないし540nmの波長のレーザ光および630ないし650の波長のレーザ光に対する共焦点光学系のフォーカス位置データを生成して、不揮発性メモリに記憶させておくことができるから、典型的な蛍光色素を最も効率的に励起することのできる波長のレーザ光を、適宜、選択して、サンプルを励起して、サンプルから放出された光を光電的に検出する場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0049】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蛍光またはフォトルミネッセンスを発し、レーザ光の照射を受けても劣化することがない無機材料よりなる支持体上に、前記支持体が露出される開口部が形成されるように、金属膜を設けることによって、前記フォーカス位置決定用デバイスが形成されている。
【0050】
蛍光色素は、レーザ光の照射を受けると、経時的に劣化し、蛍光の発光量が低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定できない場合があるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、蛍光またはフォトルミネッセンスを発し、レーザ光の照射を受けても劣化することがない無機材料よりなる支持体上に、支持体が露出される開口部が形成されるように、金属膜を設けることによって、フォーカス位置決定用デバイスが形成されているから、所望のように、高精度で、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0051】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、IV族元素、II−VI族化合物、III−V族化合物およびこれらの複合体よりなる群から選ばれた材料によって形成されている。
【0052】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成されている。
【0053】
蛍光色素は、レーザ光の照射を受けると、経時的に劣化し、蛍光の発光量が低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定できない場合があるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成され、レーザ光の照射を受けても劣化することがないから、所望のように、高精度で、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0054】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成されている。
【0055】
蛍光色素は、レーザ光の照射を受けると、経時的に劣化し、蛍光の発光量が低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定できない場合があるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成され、レーザ光の照射を受けても劣化することがないから、所望のように、高精度で、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0056】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、InGaAsP層と、GaAs層との積層体によって形成され、前記金属膜が、前記InGaAsP層上に設けられている。
【0057】
蛍光色素は、レーザ光の照射を受けると、経時的に劣化し、蛍光の発光量が低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定できない場合があるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、支持体が、レーザ光の照射を受けても劣化することがないInGaAsP層と、GaAs層との積層体によって形成され、金属膜が、前記InGaAsP層上に設けられているから、所望のように、高精度で、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0058】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属膜が、スパッタリング、CVDおよび蒸着よりなる群から選ばれる形成方法によって形成されている。
【0059】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属膜が、スパッタリングによって形成されている。
【0060】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属膜が、クロム、アルミニウム、金、ニッケル−クロム合金およびチタン−ニッケル−クロム合金よりなる群から選ばれる材料によって形成されている。
【0061】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属膜が、クロムによって形成されている。
【0062】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記駆動手段が、ステッピングモータによって構成されている。
【0063】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記不揮発性メモリが、前記ステッピングモータに与える駆動パルスの形で、前記フォーカス位置データを記憶し、前記制御手段が、前記不揮発性メモリに記憶されている駆動パルス数を補正して、前記ステッピングモータに与え、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0064】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、データ処理装置を備え、前記不揮発性メモリが、前記光検出器が検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値を、前記制御手段がプロットし、n次関数でフィッティングして、生成した前記n次関数の係数を記憶するとともに、前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位を記憶しているように構成され、前記制御手段または前記データ処理装置が、前記不揮発性メモリに記憶された前記n次関数の係数と前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位に基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成し、前記データ処理装置が、前記シェーディング補正データに基づいて、前記サンプルのディジタルデータを補正するように構成されている。
【0065】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、不揮発性メモリが、光検出器が検出した蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値を、制御手段がプロットし、n次関数でフィッティングして、生成したn次関数の係数を記憶するとともに、少なくとも1つの距離測定用デバイスの計測位置の基準位置に対する変位を記憶しているように構成され、制御手段またはデータ処理装置が、不揮発性メモリに記憶されたn次関数の係数と少なくとも1つの距離測定用デバイスの計測位置の基準位置に対する変位に基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成し、シェーディング補正データに基づいて、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されているから、共焦点光学系のフォーカス位置データとともに、シェーディング補正データを生成して、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0066】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、データ処理装置を備え、前記不揮発性メモリが、前記光検出器が検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値を、前記制御手段がプロットし、n次関数でフィッティングして、生成した前記n次関数の係数と、前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位に基づいて、前記制御手段によって生成されたサンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを記憶しているように構成され、前記データ処理装置が、前記シェーディング補正データに基づいて、前記サンプルのディジタルデータを補正するように構成されている。
【0067】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、不揮発性メモリが、光検出器が検出した蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値を、制御手段がプロットし、n次関数でフィッティングして、生成したn次関数の係数と、少なくとも1つの距離測定用デバイスの計測位置の基準位置に対する変位に基づいて、制御手段によって生成されたサンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを記憶しているように構成され、データ処理装置が、シェーディング補正データに基づいて、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されているから、共焦点光学系のフォーカス位置データとともに、シェーディング補正データを生成して、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0068】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、メモリを備えたデータ処理装置を備え、前記データ処理装置によって、光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、前記支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成され、前記サンプルキャリアにセットされて、前記サンプルステージに載置されたシェーディング評価用デバイスを、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査し、前記開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記開口部を介して、前記光検出器によって光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータが生成され、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、生成されたシェーディング補正データが、前記不揮発性メモリあるいは前記データ処理装置のメモリに記憶され、前記データ処理装置が、前記不揮発性メモリあるいは前記メモリに記憶された前記シェーディング補正データに基づいて、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されている。
【0069】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、さらに、メモリを備えたデータ処理装置を備え、データ処理装置によって、光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成され、サンプルキャリアにセットされて、サンプルステージに載置されたシェーディング評価用デバイスを、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査し、開口部を介して、支持体を励起し、支持体から放出される蛍光を、開口部を介して、光検出器によって光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータが生成され、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、生成されたシェーディング補正データが、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶され、データ処理装置が、不揮発性メモリあるいはメモリに記憶されたシェーディング補正データに基づいて、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されているから、光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられ、支持体が露出される多数の開口部を規則的に形成されたシェーディング評価用デバイスを、レーザ光により走査して、シェーディング補正データを生成し、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶させ、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶されたシェーディング補正データを用いて、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0070】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータが、前記支持体から放出された蛍光を光電的に検出して生成されたディジタルデータの信号強度を、前記開口部ごとに積分して、生成されている。
【0071】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記開口部が、スリットによって形成されている。
【0072】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記開口部が、ピンホールによって形成されている。
【0073】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータが、前記シェーディング評価用デバイスに規則的に形成された多数の前記開口部のうち、基準位置に位置する前記開口部に、共焦点光学系のフォーカスを合致させた後に、前記シェーディング評価用デバイスを、前記レーザ光によって、走査して、前記多数の開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記多数の開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、生成されている。
【0074】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、基準位置に位置する開口部に対して、共焦点光学系のフォーカスが最適に調整されているから、基準位置に位置する開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度に比して、基準位置に位置する開口部以外の開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度は小さく、したがって、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、基準位置に位置する開口部以外の開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度が、基準位置に位置する開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、ディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成し、こうして生成されたシェーディング補正データを用いて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、サンプルのディジタルデータのシェーディングを効果的に補正することが可能になる。
【0075】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記レーザ光の波長毎に、前記シェーディング補正データが生成され、前記不揮発性メモリあるいは前記データ処理装置の前記メモリに記憶されている。
【0076】
レーザ光の波長が異なると、共焦点光学系のフォーカス位置が変化し、ディジタルデータ中に生成されるシェーディングも変化するが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、レーザ光の波長毎に、シェーディング補正データを生成され、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶されているから、蛍光物質などの標識物質を最も効率的に励起することのできる波長のレーザ光を、適宜、選択して、サンプルを励起して、サンプルから放出された光を光電的に検出する場合にも、所望のように、サンプルのディジタルデータのシェーディングを補正することが可能になる。
【0077】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、IV族元素、II−VI族化合物、III−V族化合物およびこれらの複合体よりなる群から選ばれた材料によって形成されている。
【0078】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成されている。
【0079】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタは、光学的な平面性を保持して加工可能であり、かつ、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有しており、金属膜のマスクを色ガラスフィルタ上に設けることによって、色ガラスフィルタが露出される多数の開口部を規則的に形成することができるから、レーザ光により、規則的に形成された多数の開口部内の色ガラスフィルタを、走査して、多数の開口部内の色ガラスフィルタから放出された蛍光を光電的に検出することによって、シェーディング補正データを生成し、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶させ、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶されたシェーディング補正データを用いて、精度よく、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0080】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成されている。
【0081】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタは、光学的な平面性を保持して加工可能であり、かつ、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有しており、金属膜のマスクを色ガラスフィルタ上に設けることによって、色ガラスフィルタが露出される多数の開口部を規則的に形成することができるから、レーザ光により、規則的に形成された多数の開口部内の色ガラスフィルタを、走査して、多数の開口部内の色ガラスフィルタから放出された蛍光を光電的に検出することによって、シェーディング補正データを生成し、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶させ、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶されたシェーディング補正データを用いて、精度よく、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0082】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、InGaAsP層と、GaAs層との積層体によって形成され、前記金属膜が、前記InGaAsP層上に設けられている。
【0083】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、InGaAsP層と、GaAs層との積層体は、光学的な平面性を保持して加工可能であり、かつ、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有しており、金属膜のマスクを色ガラスフィルタ上に設けることによって、色ガラスフィルタが露出される多数の開口部を規則的に形成することができるから、レーザ光によって、規則的に形成された多数の開口部内の色ガラスフィルタを、走査して、多数の開口部内の色ガラスフィルタから放出された蛍光を光電的に検出することによって、シェーディング補正データを生成し、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶させ、不揮発性メモリあるいはデータ処理装置のメモリに記憶されたシェーディング補正データを用いて、精度よく、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0084】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属のマスクが、スパッタリング、CVDおよび蒸着よりなる群から選ばれる形成方法によって形成されている。
【0085】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属のマスクが、クロム、アルミニウム、金、ニッケル−クロム合金およびチタン−ニッケル−クロムよりなる群から選ばれる材料によって形成されている。
【0086】
本発明の前記目的はまた、少なくとも1つの距離測定用デバイスを、少なくとも1つのサンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、サンプルステージに載置し、共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および前記基準位置とは異なる少なくとも1つの計測位置との距離を計測し、位置データを生成して、前記スキャナの不揮発性メモリに記憶させるとともに、レーザ光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、前記発光材料が前記基準位置に位置するように、前記サンプルキャリアにセットし、前記フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光により、走査して、前記基準位置に位置した前記発光材料を励起し、前記発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを光電的に検出し、共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、検出された前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、前記共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、フォーカス位置データを生成して、前記不揮発性メモリに記憶させるステップを有する共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法であって、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出し、前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を平均して、前記位置データを生成するすることを特徴とする共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法によって達成される。
【0087】
本発明によれば、少なくとも1つの距離測定用デバイスを、少なくとも1つのサンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、サンプルステージに載置し、共焦点光学系を構成する対物レンズと、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測し、位置データを生成して、スキャナの不揮発性メモリに記憶させるとともに、レーザ光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、発光材料が基準位置に位置するように、サンプルキャリアにセットし、フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光により、走査して、基準位置に位置した発光材料を励起し、発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを光電的に検出し、共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、検出された蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、フォーカス位置データを生成して、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを、不揮発性メモリから読み出した位置データにしたがって、補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整することができ、したがって、反射光検出光学系、センサ、検出回路などの特別な機構を備えたオートフォーカスなどを必要とせずに、共焦点光学系のフォーカスを、所望のように、調整することが可能になる。
【0088】
本発明の好ましい実施態様においては、検出された前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値が最大となる前記共焦点光学系の対物レンズの位置を、前記共焦点光学系のフォーカス位置として決定するように構成されている。
【0092】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出し、算出された前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数を、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0093】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、共焦点光学系を構成する対物レンズと、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置と、基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出し、算出された距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数を、不揮発性メモリに記憶させるとともに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを、スキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、不揮発性メモリから読み出した距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数にしたがって、補正して、補正した共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、共焦点光学系の対物レンズを移動させて、対物レンズの位置を調整することにより、スキャナ内の温度が変化した場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0094】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、2以上の距離測定用デバイスがセットされた前記サンプルキャリアを、前記サンプルステージに載置し、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、前記位置データを生成して、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0095】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、2以上の距離測定用デバイスがセットされたサンプルキャリアを、サンプルステージに載置し、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位を算出し、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位を平均して、位置データを生成して、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、不揮発性メモリから読み出した位置データに基づいて、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整することによって、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0096】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の1つの計測位置を基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0097】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の1つの計測位置を基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位を算出して、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数を算出し、不揮発性メモリに記憶させるとともに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを、スキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、不揮発性メモリから読み出した2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数にしたがって、補正し、補正した共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整することによって、スキャナ内の温度が変化した場合にも、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、所望のように、精度よく、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0098】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、前記位置データを生成し、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0099】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0100】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位を算出して、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数を算出し、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数の平均値を、不揮発性メモリに記憶させるとともに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを、スキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じて、不揮発性メモリから読み出した2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数にしたがって、補正し、補正した共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整することによって、スキャナ内の温度が変化した場合にも、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0101】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、前記位置データを生成し、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0102】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0103】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均し、前記位置データを生成して、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0104】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、基準位置に対する計測位置の変位を平均し、位置データを生成して、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、不揮発性メモリから読み出した位置データに基づいて、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正した共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整することによって、よりきめこまかく、共焦点光学系の対物レンズの位置を調整することができ、したがって、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0105】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0106】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、基準位置に対する計測位置の変位を算出して、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数を算出し、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、不揮発性メモリに記憶させるとともに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを、スキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、不揮発性メモリから読み出した2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ラインの温度係数にしたがって、補正し、補正した共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整することによって、スキャナ内の温度が変化した場合にも、よりきめこまかく、共焦点光学系の対物レンズの位置を調整することができ、したがって、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0107】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、レーザ光の波長ごとに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成して、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0108】
励起光であるレーザ光の波長が異なると、共焦点光学系のフォーカス位置も異なるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、レーザ光の波長ごとに、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成して、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、2以上のレーザ励起光源のうち、サンプルを走査するために使用するレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長に対応する共焦点光学系のフォーカス位置データを、不揮発性メモリから読み出し、読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整することによって、標識物質である蛍光色素を最も効率的に励起することのできる波長のレーザ光を、適宜、選択して、サンプルを励起して、サンプルから放出された光を光電的に検出する場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0109】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスが、表面に金属膜を備え、静電容量形変位計を用いて、前記位置データを生成するように構成されている。
【0110】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、距離測定用デバイスが、表面に金属膜を備え、静電容量形変位計を用いて、位置データが生成されているから、サブミクロンのオーダーで、距離データを生成することが可能になり、したがって、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0111】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記位置データを、光学的に生成するように構成されている。
【0112】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、オートフォーカスやレーザ変位計などを用いて、位置データを生成する場合にも、生成された位置データを不揮発性メモリに記憶させておくだけでよく、スキャナ自体が、オートフォーカス機能を有している必要はないから、反射光検出光学系、センサ、検出回路などの特別な機構を備えたオートフォーカスなどを必要とせずに、共焦点光学系のフォーカスを、所望のように、調整することが可能になる。
【0113】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスの前記金属膜が、スパッタリング、CVDおよび蒸着よりなる群から選ばれる形成方法によって形成されている。
【0114】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスの前記金属膜が、スパッタリングによって形成されている。
【0115】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスの前記金属膜が、クロム、アルミニウム、金、ニッケル−クロム合金およびチタン−ニッケル−クロムよりなる群から選ばれる材料によって形成されている。
【0116】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記距離測定用デバイスの前記金属膜が、クロムによって形成されている。
【0117】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記フォーカス位置決定用デバイスが、表面に、少なくとも1種の蛍光色素を含む1つのスポットが形成されたスライドガラス板によって構成されている。
【0118】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記スポットが、効率的に励起可能なレーザ光の波長を異にする2種以上の蛍光色素を含んでいる。
【0119】
励起光であるレーザ光の波長が異なると、共焦点光学系のフォーカス位置も異なるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、スポットが、効率的に励起可能なレーザ光の波長を異にする2種以上の蛍光色素を含んでいるから、異なる波長のレーザ光に対して、共焦点光学系のフォーカス位置データを生成して、不揮発性メモリに記憶させておくことができ、したがって、標識物質である蛍光色素を最も効率的に励起することのできる波長のレーザ光を、適宜、選択して、サンプルを励起して、サンプルから放出された光を光電的に検出する場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0120】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記スポットが、470ないし490nmの波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素、530ないし540nmの波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素および630ないし650の波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素を含んでいる。
【0121】
励起光であるレーザ光の波長が異なると、共焦点光学系のフォーカス位置も異なるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、標識物質として使用される典型的な蛍光色素である470ないし490nmの波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素、530ないし540nmの波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素および630ないし650の波長のレーザ光によって効率的に励起可能な蛍光色素を含んだスポットを用いて、470ないし490nmの波長のレーザ光、530ないし540nmの波長のレーザ光および630ないし650の波長のレーザ光に対する共焦点光学系のフォーカス位置データを生成して、不揮発性メモリに記憶させておくことができるから、典型的な蛍光色素を最も効率的に励起することのできる波長のレーザ光を、適宜、選択して、サンプルを励起して、サンプルから放出された光を光電的に検出する場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0122】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蛍光またはフォトルミネッセンスを発し、レーザ光の照射を受けても劣化することがない無機材料よりなる支持体上に、前記支持体が露出される開口部が形成されるように、金属膜を設けることによって、前記フォーカス位置決定用デバイスが形成されている。
【0123】
蛍光色素は、レーザ光の照射を受けると、経時的に劣化し、蛍光の発光量が低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定できない場合があるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、蛍光またはフォトルミネッセンスを発し、レーザ光の照射を受けても劣化することがない無機材料よりなる支持体上に、支持体が露出される開口部が形成されるように、金属膜を設けることによって、フォーカス位置決定用デバイスが形成されているから、所望のように、高精度で、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0124】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、IV族元素、II−VI族化合物、III−V族化合物およびこれらの複合体よりなる群から選ばれた材料によって形成されている。
【0125】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成されている。
【0126】
蛍光色素は、レーザ光の照射を受けると、経時的に劣化し、蛍光の発光量が低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定できない場合があるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成され、レーザ光の照射を受けても劣化することがないから、所望のように、高精度で、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0127】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成されている。
【0128】
蛍光色素は、レーザ光の照射を受けると、経時的に劣化し、蛍光の発光量が低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定できない場合があるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成され、レーザ光の照射を受けても劣化することがないから、所望のように、高精度で、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0129】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、InGaAsP層と、GaAs層との積層体によって形成され、前記金属膜が、前記InGaAsP層上に設けられている。
【0130】
蛍光色素は、レーザ光の照射を受けると、経時的に劣化し、蛍光の発光量が低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定できない場合があるが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、レーザ光の照射を受けても劣化することがないInGaAsP層と、GaAs層との積層体によって形成され、金属膜が、前記InGaAsP層上に設けられているから、所望のように、高精度で、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0131】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属膜が、スパッタリング、CVDおよび蒸着よりなる群から選ばれる形成方法によって形成されている。
【0132】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属膜が、スパッタリングによって形成されている。
【0133】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属膜が、クロム、アルミニウム、金、ニッケル−クロム合金およびチタン−ニッケル−クロムよりなる群から選ばれる材料によって形成されている。
【0134】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属膜が、クロムによって形成されている。
【0135】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、ステッピングモータによって、前記共焦点光学系の対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0136】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記フォーカス位置データを、前記ステッピングモータに与える駆動パルスの形で生成し、前記不揮発性メモリに記憶させ、前記不揮発性メモリに記憶されている駆動パルス数を補正して、前記ステッピングモータに与え、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0137】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、前記n次関数の係数を生成して、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位を、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0138】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、さらに、検出した蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、n次関数の係数を生成して、不揮発性メモリに記憶させるとともに、少なくとも1つの距離測定用デバイスの計測位置の基準位置に対する変位を、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、不揮発性メモリから読み出したn次関数の係数と少なくとも1つの距離測定用デバイスの計測位置の基準位置に対する変位に基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成し、シェーディング補正データに基づいて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、共焦点光学系のフォーカス位置データとともに、シェーディング補正データを生成して、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0139】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、前記n次関数の係数を生成し、前記n次関数の係数と、前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位とに基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成して、前記不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0140】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、さらに、検出した蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、n次関数の係数を生成し、n次関数の係数と、少なくとも1つの距離測定用デバイスの計測位置の基準位置に対する変位とに基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成して、不揮発性メモリに記憶させるように構成されているから、共焦点光学系のフォーカス位置データとともに生成され、不揮発性メモリに記憶されたシェーディング補正データを用いて、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0141】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、前記支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成されたシェーディング評価用デバイスを、前記サンプルキャリアにセットして、前記サンプルステージに載置し、レーザ光によって、走査して、前記開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成し、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、シェーディング補正データを生成して、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナのメモリに記憶させるように構成されている。
【0142】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成されたシェーディング評価用デバイスを、サンプルキャリアにセットして、サンプルステージに載置し、レーザ光によって、走査して、開口部を介して、支持体を励起し、支持体から放出される蛍光を、開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成し、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、シェーディング補正データを生成して、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶させるように構成されているから、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶されたシェーディング補正データを読み出して、サンプルのディジタルデータを補正することが可能になる。
【0143】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体から放出された蛍光を光電的に検出して生成された信号強度を、前記開口部ごとに積分して、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成するように構成されている。
【0144】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記開口部が、スリットによって形成されている。
【0145】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記開口部が、ピンホールによって形成されている。
【0146】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記シェーディング評価用デバイスに規則的に形成された多数の前記開口部のうち、基準位置に位置する前記開口部に、共焦点光学系のフォーカスを合致させた後に、前記シェーディング評価用デバイスを、前記レーザ光によって、走査して、前記多数の開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記多数の開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成するように構成されている。
【0147】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、基準位置に位置する開口部に対して、共焦点光学系のフォーカスが最適に調整されているから、基準位置に位置する開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度に比して、基準位置に位置する開口部以外の開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度は小さく、したがって、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、基準位置に位置する開口部以外の開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度が、基準位置に位置する開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、ディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成し、こうして生成されたシェーディング補正データを用いて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、サンプルのディジタルデータのシェーディングを効果的に補正することが可能になる。
【0148】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記レーザ光の波長毎に、前記シェーディング補正データを生成して、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナの前記メモリに記憶させるように構成されている。
【0149】
レーザ光の波長が異なると、共焦点光学系のフォーカス位置が変化し、ディジタルデータ中に生成されるシェーディングも変化するが、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、レーザ光の波長毎に、シェーディング補正データを生成され、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶させているから、蛍光物質などの標識物質を最も効率的に励起することのできる波長のレーザ光を、適宜、選択して、サンプルを励起して、サンプルから放出された光を光電的に検出する場合にも、所望のように、サンプルのディジタルデータのシェーディングを補正することが可能になる。
【0150】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、IV族元素、II−VI族化合物、III−V族化合物およびこれらの複合体よりなる群から選ばれた材料によって形成されている。
【0151】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフイルタによって形成されている。
【0152】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタは、光学的な平面性を保持して加工可能であり、かつ、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有しており、金属膜のマスクを支持体上に設けることによって、支持体が露出される多数の開口部を規則的に形成することができるから、レーザ光により、規則的に形成された多数の開口部内の支持体を、走査して、多数の開口部内の支持体から放出された蛍光を光電的に検出することによって、データのシェーディングを精度よく評価して、シェーディング補正データを生成し、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶させ、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶されたシェーディング補正データを用いて、精度よく、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0153】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタによって形成されている。
【0154】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタは、光学的な平面性を保持して加工可能であり、かつ、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有しており、金属膜のマスクを支持体上に設けることによって、支持体が露出される多数の開口部を規則的に形成することができるから、レーザ光により、規則的に形成された多数の開口部内の支持体を、走査して、多数の開口部内の支持体から放出された蛍光を光電的に検出することによって、データのシェーディングを精度よく評価して、シェーディング補正データを生成し、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶させ、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶されたシェーディング補正データを用いて、精度よく、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0155】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、InGaAsP層と、GaAs層との積層体によって形成され、前記金属膜が、前記InGaAsP層上に設けられている。
【0156】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、InGaAsP層と、GaAs層との積層体は、光学的な平面性を保持して加工可能であり、かつ、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有しており、金属膜のマスクを支持体上に設けることによって、支持体が露出される多数の開口部を規則的に形成することができるから、レーザ光によって、規則的に形成された多数の開口部内の支持体を、走査して、多数の開口部内の支持体から放出された蛍光を光電的に検出することによって、データのシェーディングを精度よく評価して、シェーディング補正データを生成し、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶させ、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶されたシェーディング補正データを用いて、精度よく、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0157】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属のマスクが、スパッタリング、CVDおよび蒸着よりなる群から選ばれる形成方法によって形成されている。
【0158】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属のマスクが、クロム、アルミニウム、金、ニッケル−クロム合金およびチタン−ニッケル−クロムよりなる群から選ばれる材料によって形成されている。
【0159】
本発明の前記目的はまた、少なくとも1つの距離測定用デバイスを、少なくとも1つのサンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、サンプルステージに載置し、共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および前記基準位置とは異なる少なくとも1つの計測位置との距離を計測して、生成され、前記スキャナの不揮発性メモリに記憶された位置データを、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、レーザ光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、前記発光材料が前記基準位置に位置するように、前記サンプルキャリアにセットし、前記フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光により、走査して、前記基準位置に位置した前記発光材料を励起し、前記発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを光電的に検出し、共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、検出された前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、前記共焦点光学系のフォーカス位置を決定して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されたフォーカス位置データを、前記不揮発性メモリから読み出して、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記位置データにしたがって、補正して、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記共焦点光学系の対物レンズの位置を調整するステップを有する共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータ生成方法であって、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出し、前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を平均して、前記位置データが生成され、前記不揮発性メモリに記憶されたことを特徴とする共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法によって達成される。
【0160】
本発明によれば、少なくとも1つの距離測定用デバイスを、サンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、サンプルステージに載置し、共焦点光学系を構成する対物レンズと、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、生成され、スキャナの不揮発性メモリに記憶された位置データを、不揮発性メモリから読み出すとともに、レーザ光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、発光材料が基準位置に位置するように、サンプルキャリアにセットし、フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光により、走査して、基準位置に位置した発光材料を励起し、発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを光電的に検出し、共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、検出された蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、共焦点光学系のフォーカス位置を決定して、生成され、不揮発性メモリに記憶されたフォーカス位置データを、不揮発性メモリから読み出して、共焦点光学系のフォーカス位置データを、位置データにしたがって、補正して、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、共焦点光学系の対物レンズの位置を調整するように構成されているから、反射光検出光学系、センサ、検出回路などの特別な機構を備えたオートフォーカスなどを必要とせずに、共焦点光学系のフォーカスを、所望のように、調整することが可能になる。
【0164】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測し、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出して、算出され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を読み出し、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記金属膜の表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記共焦点光学系の対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0165】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、共焦点光学系を構成する対物レンズと、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置と、基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測し、サンプルキャリアにセットされた少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出して、算出され、不揮発性メモリに記憶されている距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数を、不揮発性メモリから読み出すとともに、不揮発性メモリに記憶されている共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を読み出し、共焦点光学系のフォーカス位置データを、スキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、金属膜の表面の基準位置に対する基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数にしたがって、補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、共焦点光学系の対物レンズの位置を調整するように構成されているから、スキャナ内の温度が変化した場合にも、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0166】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、2以上の距離測定用デバイスがセットされた前記サンプルキャリアを、前記サンプルステージに載置し、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記位置データを、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0167】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、2以上の距離測定用デバイスがセットされたサンプルキャリアを、サンプルステージに載置し、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位を算出し、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位を平均して、生成され、不揮発性メモリに記憶されている位置データを、不揮発性メモリから読み出し、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、位置データに基づいて、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するように構成されているから、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0168】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の1つの計測位置を基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、算出され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記基準位置に対する前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記計測位置の変位の温度係数を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記不揮発性メモリに記憶された前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0169】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の1つの計測位置を基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位を算出して、算出され、不揮発性メモリに記憶されている基準位置に対する2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの計測位置の変位の温度係数を、不揮発性メモリから読み出すとともに、不揮発性メモリに記憶されている共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を、不揮発性メモリから読み出し、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを、スキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、不揮発性メモリに記憶された2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数にしたがって、補正し、補正された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するように構成されているから、スキャナ内の温度が変化した場合にも、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、所望のように、精度よく、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0170】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記位置データを読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0171】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を平均して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記不揮発性メモリに記憶させ、前記不揮発性メモリに記憶された前記基準位置に対する前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正した前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0172】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、基準位置に対する計測位置の変位を算出して、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数を算出し、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数を平均して、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数の平均値を、不揮発性メモリに記憶させ、不揮発性メモリに記憶された基準位置に対する2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの計測位置の変位の温度係数の平均値を、不揮発性メモリから読み出すとともに、不揮発性メモリに記憶されている共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を、不揮発性メモリから読み出し、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを、スキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数にしたがって、補正し、補正した共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するように構成されているから、スキャナ内の温度が変化した場合にも、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0173】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶された前記位置データを読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0174】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を平均して、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させ、前記不揮発性メモリに記憶された前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正した前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0175】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記位置データを、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの前記所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正した前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0176】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、基準位置に対する計測位置の変位を平均して、生成され、不揮発性メモリに記憶されている位置データを、不揮発性メモリから読み出し、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、位置データに基づいて、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正した共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するように構成されているから、よりきめこまかく、共焦点光学系の対物レンズの位置を調整することができ、したがって、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0177】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に算出され、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎の温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させ、前記不揮発性メモリに記憶された前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの前記所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎の前記温度係数にしたがって、補正し、補正した前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0178】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、2以上の異なる温度で、サンプルキャリアにセットされた2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、共焦点光学系を構成する対物レンズと、距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の計測位置の1つを基準位置として、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に、基準位置に対する計測位置の変位を算出して、基準位置に対する計測位置の変位の温度係数を算出し、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎に算出され、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎の温度係数として、不揮発性メモリに記憶されている基準位置に対する計測位置の変位の温度係数の平均値を、不揮発性メモリから読み出すとともに、不揮発性メモリに記憶されている共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度を、不揮発性メモリから読み出し、2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応するサンプルキャリアの位置にセットされたサンプルの所定数の主走査ラインに対応する主走査ライン毎に、不揮発性メモリから読み出した共焦点光学系のフォーカス位置データを、スキャナ内の温度と共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際のスキャナ内の平均温度との温度差に応じ、2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの所定数の主走査ライン毎の温度係数にしたがって、補正し、補正した共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、共焦点光学系の対物レンズを移動させ、対物レンズの位置を調整するように構成されているから、スキャナ内の温度が変化した場合にも、よりきめこまかく、共焦点光学系の対物レンズの位置を調整することができ、したがって、サンプルキャリアにセットされた複数のサンプル毎に、より高精度で、所望のように、共焦点光学系のフォーカスを調整することが可能になる。
【0179】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、ステッピングモータによって、前記共焦点光学系の対物レンズの位置を調整するように構成されている。
【0180】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記n次関数の係数を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記n次関数の係数と前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位に基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成し、前記シェーディング補正データに基づいて、前記サンプルのディジタルデータを補正するように構成されている。
【0181】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、検出した蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、生成され、不揮発性メモリに記憶されているn次関数の係数を、不揮発性メモリから読み出すとともに、不揮発性メモリに記憶されている少なくとも1つの距離測定用デバイスの計測位置の基準位置に対する変位を、不揮発性メモリから読み出し、n次関数の係数と少なくとも1つの距離測定用デバイスの計測位置の基準位置に対する変位に基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成し、シェーディング補正データに基づいて、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されているから、共焦点光学系のフォーカス位置データとともに、シェーディング補正データを生成して、シェーディングが補正されたサンプルのディジタルデータを生成することが可能になる。
【0182】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、前記支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成されたシェーディング評価用デバイスを、前記サンプルキャリアにセットして、前記サンプルステージに載置し、レーザ光によって、走査して、前記開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成し、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、生成され、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナのメモリに記憶されているシェーディング補正データを、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナのメモリから読み出し、前記サンプルのディジタルデータを補正するように構成されている。
【0183】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成されたシェーディング評価用デバイスを、サンプルキャリアにセットして、サンプルステージに載置し、レーザ光によって、走査して、開口部を介して、支持体を励起し、支持体から放出される蛍光を、開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成し、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、生成され、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶されているシェーディング補正データを、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリから読み出し、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されているから、不揮発性メモリあるいはスキャナのメモリに記憶されたシェーディング補正データを読み出して、サンプルのディジタルデータを補正することが可能になる。
【0184】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記開口部が、スリットによって形成されている。
【0185】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記開口部が、ピンホールによって形成されている。
【0186】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記シェーディング評価用デバイスに規則的に形成された多数の前記開口部のうち、基準位置に位置する前記開口部に、共焦点光学系のフォーカスを合致させた後に、前記シェーディング評価用デバイスを、前記レーザ光によって、走査して、前記多数の開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記多数の開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成し、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づいて、前記シェーディング補正データが生成され、前記不揮発性メモリあるいはスキャナの前記メモリに記憶されている。
【0187】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、基準位置に位置する開口部に対して、共焦点光学系のフォーカスが最適に調整されているから、基準位置に位置する開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度に比して、基準位置に位置する開口部以外の開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度は小さく、したがって、シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、基準位置に位置する開口部以外の開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度が、基準位置に位置する開口部内の支持体が励起されて、放出した蛍光を光電的に検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、ディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成し、こうして生成されたシェーディング補正データを用いて、サンプルのディジタルデータを補正することによって、サンプルのディジタルデータのシェーディングを効果的に補正することが可能になる。
【0188】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体が、IV族元素、II−VI族化合物、III−V族化合物およびこれらの複合体よりなる群から選ばれた材料によって形成されている。
【0189】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属のマスクが、クロム、アルミニウム、金、ニッケル−クロム合金およびチタン−ニッケル−クロムよりなる群から選ばれる材料によって形成されている。
【0190】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0191】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの略斜視図である。
【0192】
図1に示されるように、本実施態様にかかるスキャナは、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1と、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2と、473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3とを備えている。本実施態様においては、第1のレーザ励起光源は、半導体レーザ光源によって構成され、第2のレーザ励起光源2および第3のレーザ励起光源3は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation) 素子によって構成されている。
【0193】
第1のレーザ励起光源1により発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ5により、平行光とされた後、ミラー6によって反射される。第1のレーザ励起光源1から発せられ、ミラー6によって反射されたレーザ光4の光路には、640nmのレーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第1のダイクロイックミラー7および532nm以上の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第2のダイクロイックミラー8が設けられており、第1のレーザ励起光源1により発生されたレーザ光4は、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0194】
他方、第2のレーザ励起光源2より発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ9により、平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー7によって反射されて、その向きが90度変えられて、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0195】
また、第3のレーザ励起光源3から発生されたレーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー8により反射されて、その向きが90度変えられた後、光学ヘッド15に入射する。
【0196】
光学ヘッド15は、ミラー16と、その中央部に、穴17が形成された穴明きミラー18と、レンズ19を備えており、光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17およびレンズ19を通過して、サンプルステージ20にセットされたサンプルキャリア21上に入射する。ここに、サンプルステージ20は、走査機構(図1においては、図示せず)によって、図1において、X方向およびY方向に移動可能に構成されている。
【0197】
本実施態様にかかるスキャナは、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成され、さらに、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されるとともに、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されている。
【0198】
レーザ光4が、光学ヘッド15から、サンプル22上に入射すると、サンプル22が、マイクロアレイや蛍光サンプルの場合には、レーザ光4によって、蛍光物質が励起されて、蛍光が発せられ、また、サンプル22が、蓄積性蛍光体シートの場合には、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光が発せられる。
【0199】
サンプル22から発せられた蛍光または輝尽光25は、光学ヘッド15のレンズ19によって、平行な光にされ、穴明きミラー17によって反射されて、4枚のフィルタ28a、28b、28c、28dを備えたフィルタユニット27のいずれかのフィルタ28a、28b、28c、28dに入射する。
【0200】
フィルタユニット27は、モータ(図示せず)によって、図1において、左右方向に移動可能に構成され、使用されるレーザ励起光源の種類によって、所定のフィルタ28a、28b、28c、28dが、蛍光または輝尽光25の光路に位置するように構成されている。
【0201】
ここに、フィルタ28aは、第1のレーザ励起光源1を用いて、サンプル22に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0202】
また、フィルタ28bは、第2のレーザ励起光源2を用いて、サンプル22に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0203】
さらに、フィルタ28cは、第3のレーザ励起光源3を用いて、サンプル22に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタであり、473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0204】
また、フィルタ28dは、サンプル22が蓄積性蛍光体シートである場合に、第1のレーザ励起光源1を用いて、蓄積性蛍光体シートに含まれた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から発せられた輝尽光を読み取るときに使用されるフィルタであり、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を有している。
【0205】
したがって、使用すべきレーザ励起光源の種類、すなわち、サンプルの種類、試料を標識している蛍光物質の種類に応じて、これらのフィルタ28a、28b、28c、28dを選択的に使用することによて、ノイズとなる波長域の光をカットすることが可能になる。
【0206】
フィルタユニット27のフィルタ28a、28b、28cを透過して、所定の波長域の光がカットされた後、蛍光または輝尽光25は、ミラー29に入射し、反射されて、レンズ30によって、集光される。
【0207】
レンズ19とレンズ30は、共焦点光学系を構成している。このように、共焦点光学系を採用しているのは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、スライドガラス板上に形成された微小なスポット状試料から放出された蛍光を、高いS/N比で読み取ることができるようにするためである。
【0208】
レンズ30の焦点の位置には、共焦点切り換え部材31が設けられている。
【0209】
図2は、共焦点切り換え部材31の略正面図である。
【0210】
図2に示されるように、共焦点切り換え部材31は、板状をなし、径の異なる3つのピンホール32a、32b、32cが形成されている。
【0211】
最も径の小さいピンホール32aは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、マイクロアレイから放出された蛍光の光路に配置されるものであり、最も径の大きいピンホール32cは、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合に、転写支持体から放出された蛍光の光路に配置されるものである。
【0212】
また、中間の径を有するピンホール32bは、サンプル22が、蓄積性蛍光体シートである場合に、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光の光路に配置されるものである。
【0213】
このように、レンズ30の焦点の位置に、共焦点切り換え部材31を設けて、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合に、最も径の小さいピンホール32aを蛍光の光路に位置させているのは、サンプル22が、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの場合には、レーザ光4によって、蛍光色素を励起した結果、蛍光はスライドガラス板の表面から放出され、発光点は深さ方向にほぼ一定であるため、共焦点光学系を用いて、径の小さいピンホール32aに結像させることがS/N比を向上させる上で望ましいからである。
【0214】
これに対して、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合に、最も径の大きいピンホール32cを蛍光の光路に位置させているのは、サンプル22が、転写支持体を担体とした蛍光サンプルの場合には、レーザ光4によって、蛍光色素を励起したときに、蛍光色素はゲル支持体の深さ方向に分布しており、しかも、発光点が深さ方向に変動するので、共焦点光学系によって、径の小さいピンホールに結像させることができず、径の小さいピンホールを用いると、試料から放出された蛍光がカットされ、蛍光を光電的に検出したときに、十分な信号強度が得られないため、径の大きいピンホール32cを用いる必要があるからである。
【0215】
他方、サンプル22が蓄積性蛍光体シートである場合に、中間の径を有するピンホール32bを輝尽光の光路に位置させているのは、レーザ光4によって、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起したときは、輝尽光の発光点は輝尽性蛍光体層の深さ方向に分布し、発光点は深さ方向に変動するので、共焦点光学系によって、径の小さいピンホールに結像させることができず、径の小さいピンホールを用いると、試料から放出された輝尽光がカットされ、輝尽光を光電的に検出したときに、十分な信号強度が得られないが、発光点の深さ方向における分布も、発光点の深さ方向の変動も、ゲル支持体を担体としたマイクロアレイほどではないため、中間の径を有するピンホール32bを用いることが望ましいからである。
【0216】
共焦点切り換え部材31を通過した蛍光あるいは輝尽光は、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、アナログデータが生成される。
【0217】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られる。
【0218】
図3は、サンプルステージ20の走査機構のうち、主走査機構の詳細を示す略斜視図である。
【0219】
図3に示されるように、副走査用モータ(図示せず)により、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動可能な可動基板40上には、一対のガイドレール41、41が固定されており、サンプルステージ20は、一対のガイドレール41、41に、スライド可能に取り付けられた3つのスライド部材42、42(図3においては、2つのみ図示されている。)に固定されている。
【0220】
図3に示されるように、可動基板40上には、主走査用モータ43が固定されており、主走査用モータ43の出力軸43aには、プーリ44に巻回されたタイミングベルト45が巻回されるとともに、ロータリーエンコーダ46が取り付けられている。
【0221】
したがって、主走査用モータ43を駆動することによって、サンプルステージ20を、一対のガイドレール41、41に沿って、図3において、矢印Xで示される主走査方向に往復移動させ、一方、副走査用モータ(図示せず)によって、可動基板40を副走査方向に移動させることによって、サンプルステージ20を二次元的に移動させ、サンプルステージ20にセットされたサンプル22の全面を、レーザ光4によって、走査することが可能になる。
【0222】
ここに、サンプルステージ20の位置は、ロータリーエンコーダ46により、モニターすることができるように構成されている。
【0223】
図4は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナのサンプルステージ20にセットされるサンプルキャリア21の略斜視図であり、サンプルキャリア21を裏面側から、すなわち、サンプルステージ20に載置される側から見た図面である。
【0224】
図4に示されるように、サンプルキャリア21は、1つの板状部材を加工することによって、作られたフレーム体50を備え、フレーム体50には、その内部に、サンプル22がセット可能な5つの開口部51、52、53、54、55が形成されている。
【0225】
各開口部51、52、53、54、55の両側のフレーム体50の表面には、矩形状をなした板部材60、61、62、63、64、65が、それぞれ、その開口部51、52、53、54、55側の側部領域が、開口部51、52、53、54、55の長手方向に沿って、開口部51、52、53、54、55上に突出するように、取り付けられている。
【0226】
図4に示されるように、各開口部51、52、53、54、55内には、L字状をなした板ばね51a、52a、53a、54a、55aが、サンプルキャリア21の裏面側に向けて、ばね力を作用可能に取り付けられており、また、各開口部51、52、53、54、55の一方の内壁部には、各開口部51、52、53、54、55内にセットされたサンプル22を、対向する他方の内壁部に沿って整列させる板ばね51b、52b、53b、54b、55bが取り付けられている。
【0227】
サンプルキャリア21は、フレーム体50の両側部50a、50bが、サンプルステージ20上に載置されて、サンプルステージ20にセットされるように構成されている。
【0228】
サンプル22であるスライドガラス板を担体としたマイクロアレイを、サンプルキャリア21にセットする場合には、サンプル22が、図4において、矢印Aで示される向きに、各開口部51、52、53、54、55内に挿入される。
【0229】
各開口部51、52、53、54、55の一方の内壁部には、板ばね51b、52b、53b、54b、55bが取り付けられているため、サンプル22は、各開口部51、52、53、54、55内において、対向する他方の内壁部に沿って整列される。
【0230】
同時に、各開口部51、52、53、54、55内に挿入されたサンプル22に、L字状をなした板ばね51a、52a、53a、54a、55aの屈曲部が当接し、板ばね51a、52a、53a、54a、55aのばね力により、サンプル22は、それぞれ、その開口部51、52、53、54、55側の側部領域が、開口部51、52、53、54、55の長手方向に沿って、開口部51、52、53、54、55上に突出するように、取り付けられている板部材60、61、62、63、64、65の表面に付勢されて、サンプルキャリア21に保持される。
【0231】
図4に示されたサンプルキャリア21においては、フレーム体50の表面に、板部材60、61、62、63、64、65が、その開口部51、52、53、54、55側の側部領域が、開口部51、52、53、54、55の長手方向に沿って、開口部51、52、53、54、55上に突出するように、取り付けられ、サンプル22は、板ばね51a、52a、53a、54a、55aのばね力によって、それぞれ、板部材60、61、62、63、64、65の表面に付勢されて、サンプルキャリア21に保持されるように構成されている。
【0232】
一方、サンプルキャリア21は、1つの板状部材を加工することによって作られたフレーム体50の両側部50a、50bが、サンプルステージ20上に載置されて、サンプルステージ20にセットされるように構成されている。
【0233】
したがって、サンプル22がその表面で支持される板部材60、61、62、63、64、65の表面と、サンプルキャリア21がサンプルステージ20によって支持される面とは、つねに、同一平面内にあり、したがって、サンプルキャリア21の位置を調整するという煩雑な操作を要することなく、5つのサンプル22を、サンプルステージ20に対して、つねに、同一の位置的関係で、セットすることが可能になる。
【0234】
また、単に、フレーム体50を1つの板状部材を加工して作り、板部材60、61、62、63、64、65をフレーム体50の表面に取り付けるだけで、5つのサンプル22を、サンプルステージ20に対して、つねに、同一の位置的関係で、セットすることができるから、サンプルキャリア21のコストを大幅に低減することが可能になる。
【0235】
図5は、光学ヘッド15に設けられたレンズ19の高さ位置を調整するレンズ高さ位置調整装置の略斜視図であり、図6は、マイクロメータヘッドと移動方向規制部材の一部切り欠き略側面図である。
【0236】
図5に示されるように、レンズ高さ位置調整装置70は、スキャナの本体に固定された定盤71上に設けられ、レンズ19を支持するレンズ基台72を有し、レンズ基台72は、鉛直方向にのみ移動するように規制された移動方向規制部材73に取り付けられている。
【0237】
図5および図6に示されるように、レンズ高さ位置調整装置70は、マイクロメータヘッド74を備えており、マイクロメータヘッド74は、移動方向規制部材73に設けられたボールベアリング75に当接している。
【0238】
レンズ高さ位置調整装置70は、さらに、ステッピングモータ76を備え、ステッピングモータ76の回転は、ギア77およびギア78を介して、マイクロメータヘッド74に伝達されるように構成され、本実施態様においては、ステッピングモータ76が1回転すると、マイクロメータヘッド74が、500μmだけ、昇降するように構成されている。
【0239】
以上のように、図5および図6に示されたレンズ高さ位置調整装置70においては、レンズが取り付けられたレンズ基台72は、鉛直方向にのみ移動するように規制された移動方向規制部材73に取り付けられ、移動方向規制部材73に設けられたボールベアリング75に、マイクロメータヘッド74が当接しており、移動方向規制部材73が、マイクロメータヘッド74によって、直接、昇降されるように構成されているから、レンズ19の高さ位置を精密に調整することが可能になる。
【0240】
さらに、マイクロメータヘッド74が、移動方向規制部材73に設けられたボールベアリング75に当接するように構成されており、したがって、頻繁に、繰り返して、レンズ19の高さ位置を調整しても、マイクロメータヘッド73が当接している部分が磨耗することを効果的に防止することが可能になる。
【0241】
図7は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナのの検出系、駆動系、入力系および制御系を示すブロックダイアグラムである。
【0242】
図7に示されるように、スキャナの制御系は、コントロールユニット80と、RAM81と、EPROM82と、データ処理装置35を備えている。
【0243】
図7に示されるように、スキャナの検出系は、ロータリーエンコーダ46と、サンプルステージ20にセットされたサンプル22を把持するキャリアの種類を検出するキャリアセンサ83と、スキャナ内部の温度を測定する温度センサ84と、後に詳述する静電容量型変位計79とを備えている。
【0244】
図7に示されるように、スキャナの駆動系は、フィルタユニット27を移動させるフィルタユニットモータ85と、共焦点切り換え部材31を移動させる切り換え部材モータ86と、サンプルステージ20を主走査方向に移動させる主走査用モータ43と、サンプルステージ20を副走査方向に移動させる副走査用モータ47と、サンプルステージ20に対して、光学ヘッド15のレンズ19を、蛍光あるいは輝尽光25の光路に沿って移動させるステッピングモータ76を備えている。
【0245】
また、図7に示されるように、スキャナの入力系は、キーボード87を備えている。
【0246】
以上のように構成された本実施態様にかかるスキャナにおいては、まず、以下のようにして、サンプルキャリア21にセットされるべきスライドガラスを担体としたマイクロアレイと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データが生成されて、EPROM82に記憶される。
【0247】
図8は、マイクロアレイと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成する際に使用される距離測定用デバイスの略縦断面図であり、図9は、マイクロアレイと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成する際のサンプルキャリア21の略平面図である。
【0248】
図8に示されるように、マイクロアレイと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成する際に使用される距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eは、その全面に、スパッタリングによってクロム膜91が形成されたスライドガラス板90によって構成され、マイクロアレイと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成するにあたっては、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51に、距離測定用デバイス92aが、第二のサンプル位置である第二の開口部52に、距離測定用デバイス92bが、第三のサンプル位置である第三の開口部53に、距離測定用デバイス92cが、第四のサンプル位置である第四の開口部54に、距離測定用デバイス92dが、第五のサンプル位置である第五の開口部55に、距離測定用デバイス92eが、それぞれ、クロム膜91が光学ヘッド15のレンズ19側に位置するように、セットされている。
【0249】
図10は、マイクロアレイと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成する際の光学ヘッドに設けられたレンズの高さ位置を調整するレンズ高さ位置調整装置の略斜視図である。
【0250】
図10に示されるように、マイクロアレイと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成するにあたっては、レンズ基台72から、レンズ19が取り外され、レンズ基台72の上面には、静電容量型変位計79が取り付けられている。
【0251】
レンズ基台72の上面には、静電容量型変位計79が取り付けられると、オペレータによって、距離計測指示信号が、温度設定信号とともに、キーボード88に入力される。本実施態様においては、まず、スキャナ内の温度が15℃に設定されて、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされるマイクロアレイと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データが生成されるように構成されている。
【0252】
距離計測指示信号と温度設定信号は、コントロールユニット80に入力され、スキャナ内の温度が15℃になったことが、温度センサ84から入力された温度検出信号によって確認されると、コントロールユニット80は、主走査用モータ43および副走査用モータ47に駆動信号を出力し、静電容量型変位計79の先端部79aが、クロム膜91の表面に沿って、図8において、矢印で示される向きに、相対的に移動されるように、サンプルステージ20を、主走査方向および副走査方向に移動させる。
【0253】
静電容量型変位計79は、サンプルキャリア21の5つの開口部51、52、53、54、55にセットされた距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eに形成されたクロム膜91の表面との間に、その先端部79aが、わずかな間隙を保持するように、クロム膜91の表面に沿って、図8において、矢印で示されるように、移動され、静電容量型変位計79によって、第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示される計測を開始する基準点の位置に対する各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位が計測されて、コントロールユニット80に出力される。
【0254】
コントロールユニット80は、静電容量型変位計79から入力された図8において黒丸で示される基準点に対する各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位をRAM81に記憶させる。
【0255】
こうして、スキャナ内の温度を15℃に設定して、図8において、黒丸で示される基準点の位置に対する各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位が、静電容量型変位計79によって計測され、RAM81に記憶されると、オペレータによって、スキャナ内の温度を25℃に設定すべき旨の温度設定信号が、15℃における第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する25℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位および15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する25℃における各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位を計測すべき旨の距離計測指示信号とともに、キーボード88に入力される。
【0256】
距離計測指示信号と温度設定信号は、コントロールユニット80に入力され、スキャナ内の温度が25℃になったことが、温度センサ84から入力された温度検出信号によって確認されると、コントロールユニット80は、主走査用モータ43および副走査用モータ47に駆動信号を出力し、静電容量型変位計79の先端部79aが、クロム膜91の表面に沿って、図8において、矢印で示される向きに、相対的に移動されるように、サンプルステージ20を、主走査方向および副走査方向に移動させる。
【0257】
その結果、15℃における第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する25℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位および15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する25℃における各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位が、静電容量型変位計79により、計測されて、コントロールユニット80に入力される。
【0258】
コントロールユニット80は、静電容量型変位計79から入力された15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する25℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位および15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する25℃における各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位を、RAM81に記憶させる。
【0259】
こうして、スキャナ内の温度を25℃に設定した状態で、図8において、黒丸で示された15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する25℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位および15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位が、RAM81に記憶されると、オペレータによって、スキャナ内の温度を35℃に設定すべき旨の温度設定信号が、15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する35℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位および15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する35℃における各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位を計測すべき旨の距離計測指示信号とともに、キーボード88に入力される。
【0260】
距離計測指示信号と温度設定信号は、コントロールユニット80に入力され、スキャナ内の温度が35℃になったことが、温度センサ84から入力された温度検出信号によって確認されると、コントロールユニット80は、主走査用モータ43および副走査用モータ47に駆動信号を出力し、静電容量型変位計79の先端部79aが、クロム膜91の表面に沿って、図8において、矢印で示される向きに、相対的に移動されるように、サンプルステージ20を、主走査方向および副走査方向に移動させる。
【0261】
その結果、15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する35℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位および15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する35℃における各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位が、静電容量型変位計79により、計測されて、コントロールユニット80に入力される。
【0262】
コントロールユニット80は、静電容量型変位計79から入力された15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する35℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位および15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位を、RAM81に記憶させる。
【0263】
静電容量型変位計79の計測結果に基づいて、15℃における距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示された基準点の位置に対する25℃および35℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位ならびに15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する15℃、25℃および35℃における各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位が、それぞれ、RAM81に記憶されると、コントロールユニット80は、まず、15℃における距離測定用デバイス92aについて、距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示された基準点の位置に対する25℃および35℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置の変位ならびに15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の白丸で示された計測点の位置の変位を、RAM81から読み出し、スキャナ内温度に対する各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eの各計測点の位置の変位の変化を、最小二乗法によって、直線回帰して、各計測点の温度係数を算出する。
【0264】
次いで、コントロールユニット80は、距離測定用デバイス92aの各計測点の温度係数の平均値を算出し、こうして算出した温度係数の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた場合の温度係数、すなわち、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置の温度係数として決定し、EPROM82に記憶させる。
【0265】
同様にして、コントロールユニット80は、距離測定用デバイス92bの各計測点の温度係数の平均値を算出し、こうして算出した温度係数の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされた場合の温度係数、すなわち、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置の温度係数として、距離測定用デバイス92cの各計測点の温度係数の平均値を算出し、こうして算出した温度係数の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされた場合の温度係数、すなわち、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置の温度係数として、距離測定用デバイス92dの各計測点の温度係数の平均値を算出し、こうして算出した温度係数の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされた場合の温度係数、すなわち、サンプルキャリア21の第四のサンプル位置の温度係数として、距離測定用デバイス92eの各計測点の温度係数の平均値を算出し、こうして算出した温度係数の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされた場合の温度係数、すなわち、サンプルキャリア21の第五のサンプル位置の温度係数として、それぞれ、決定し、EPROM82に記憶させる。
【0266】
また、コントロールユニット80は、スキャナ内温度が25℃に設定された場合におけるサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの9つの計測点の位置の15℃における基準点の位置に対する変位の平均値を算出し、こうして算出した変位の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた場合の9つの計測点の位置の距離補正値、すなわち、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1として決定して、EPROM82に記憶させる。
【0267】
全く同様にして、コントロールユニット80は、スキャナ内温度が25℃に設定された場合における距離測定用デバイス92bの9つの計測点の位置の15℃における基準点の位置に対する変位の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされた場合の9つの計測点の位置の距離補正値、すなわち、第二のサンプル位置の距離補正値ΔD2として、スキャナ内温度が25℃に設定された場合における距離測定用デバイス92cの9つの計測点の位置の15℃における基準点の位置に対する変位の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされた場合の9つの計測点の位置の距離補正値、すなわち、第三のサンプル位置の距離補正値ΔD3として、スキャナ内温度が25℃に設定された場合における距離測定用デバイス92dの9つの計測点の位置の15℃における基準点の位置に対する変位の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされた場合の9つの計測点の位置の距離補正値、すなわち、第四のサンプル位置の距離補正値ΔD4として、スキャナ内温度が25℃に設定された場合における距離測定用デバイス92eの9つの計測点の位置の15℃における基準点の位置に対する変位の平均値を、サンプル22が、サンプルキャリア21の第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされた場合の9つの計測点の位置の距離補正値、すなわち、第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5として、それぞれ、決定し、EPROM82に記憶させる。
【0268】
さらに、コントロールユニット80は、RAM81から、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの9つの計測点の位置の15℃における基準点に対する変位を読み出し、第一の計測点変位データV1として、EPROM82に記憶させる。
【0269】
全く同様にして、RAM81に記憶された距離測定用デバイス92bの9つの計測点の位置の15℃における基準点に対する変位を、第二の計測点変位データV2として、RAM81に記憶された距離測定用デバイス92cの9つの計測点の位置の15℃における基準点に対する変位を、第三の計測点変位データV3として、RAM81に記憶された距離測定用デバイス92dの9つの計測点の位置の15℃における基準点に対する変位を、第四の計測点変位データV4として、RAM81に記憶された距離測定用デバイス92eの9つの計測点の位置の15℃における基準点に対する変位を、第五の計測点変位データV5として、それぞれ、決定し、EPROM82に記憶させる。
【0270】
こうして、第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1ないし第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5および第一のサンプル位置の計測点変位データV1ないし第五のサンプル位置の計測点変位データV5が、EPROM82に記憶されると、オペレータによって、各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eが、サンプルキャリア21の開口部51、52、53、54、55から取り外される。
【0271】
さらに、オペレータにより、サンプルキャリア21の第一の開口部51内に、図8において、黒丸で示される距離測定用デバイス92aの基準点に対応するスライドガラス板の基準位置に、Fluor−X(登録商標)、Cy−3(登録商標)およびCy−5(登録商標)を含むスポットが形成されたフォーカス位置決定用デバイスがセットされる。
【0272】
図11は、フォーカス位置決定用デバイスの略正面図である。
【0273】
図11に示されるように、フォーカス位置決定用デバイス95は、スライドガラス板96によって構成され、スライドガラス板96には、Fluor−X(登録商標)、Cy−3(登録商標)およびCy−5(登録商標)を含むスポット97が形成されている。ここに、スポット97は、フォーカス位置決定用デバイス95が、サンプルキャリア21の第一の開口部51内にセットされたとき、図8において、黒丸で示される距離測定用デバイス92aの基準点に対応するスライドガラス板96上の基準位置に形成されている。
【0274】
フォーカス位置決定用デバイス95が第一の開口部51内にセットされたサンプルキャリア21がサンプルステージ20に載置され、次いで、オペレータにより、フォーカス位置決定信号が、キーボード57に入力されると、フォーカス位置決定信号は、コントロールユニット80に出力される。
【0275】
フォーカス位置決定信号が入力されると、コントロールユニット80は、光学ヘッド15のレンズ19の位置を検出して、ゼロ位置として、RAM81に記憶させる。
【0276】
さらに、コントロールユニット80は、切り換え部材モータ86に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように、移動させる。
【0277】
次いで、コントロールユニット80は、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28aを光路内に位置させるとともに、第1のレーザ励起光源1を起動させる。
【0278】
その結果、第1のレーザ励起光源1から、640nmの波長のレーザ光4が発せられ、レーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0279】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20に載置されて、セットされたフォーカス位置決定用デバイス95に入射する。
【0280】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動されるとともに、副走査用モータ47により、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、640nmの波長のレーザ光4によって、サンプルステージ20に載置されたフォーカス位置決定用デバイス95の全面が走査される。
【0281】
レーザ光4の照射を受けると、フォーカス位置決定用デバイス95のスポット97中のCy−5(登録商標)が励起されて、蛍光が放出される。
【0282】
スポット97中のCy−5から放出された蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0283】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過させる性質を有するフィルタ28aに入射する。
【0284】
ここに、蛍光の波長は、励起光であるレーザ光4の波長よりも長いため、レーザ光4がカットされ、スポット97から放出された蛍光25のみが、フィルタ28aを透過する。
【0285】
フィルタ28aを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、最も径の小さいピンホール32a上に集光され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0286】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34により、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置35に送られる。
【0287】
図12は、データ処理装置のブロックダイアグラムである。
【0288】
図12に示されるように、データ処理装置35は、ラインメモリ100と、データ処理部101と、シェーディング補正データを記憶するシェーディング補正データ記憶部102と、シェーディング補正されたディジタルデータを記憶するデータ記憶部103を備えている。
【0289】
A/D変換器34により、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に出力されたディジタルデータは、ラインメモリ100に記憶される。
【0290】
フォーカス位置決定用デバイス95の全面が、640nmの波長のレーザ光4により走査され、スポット97に含まれたCy−5から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、A/D変換器34によって、ディジタル化されたディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1をオフし、データ処理部101に、データ処理信号を出力して、ディジタルデータを、ラインメモリ100から読み出させる。
【0291】
データ処理部101は、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータの信号強度を積分して、蛍光25の信号強度の積分値を、コントロールユニット80に出力する。
【0292】
コントロールユニット80は、データ処理装置35のデータ処理部101から入力された蛍光25の信号強度の積分値を、光学ヘッド15のレンズ19の位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19を移動させるステッピングモータ76に与えた駆動パルスと関連づけて、RAM81に記憶させる。この時点では、まだ、ステッピングモータ76に、駆動パルスを与えていないため、ゼロ位置が、蛍光25の信号強度の積分値とともに、RAM81に記憶される。
【0293】
データ処理装置35のデータ処理部101から、蛍光25の信号強度の積分値が入力され、RAM81に記憶させると、コントロールユニット80は、ステッピングモータ76に、駆動パルス信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を、蛍光25の光路に沿って、サンプルステージ20に対して、10ミクロンだけ、移動させ、再び、第1のレーザ励起光源1を起動する。
【0294】
フォーカス位置決定用デバイス95の全面が、640nmの波長のレーザ光4により走査され、スポット97に含まれたCy−5から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、A/D変換器34によってディジタル化されたディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1をオフし、データ処理部101に、ディジタルデータを、ラインメモリ100から読み出させる。
【0295】
データ処理部101は、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータの信号強度を積分して、蛍光25の信号強度の積分値を、コントロールユニット80に出力する。
【0296】
コントロールユニット80は、データ処理装置35のデータ処理部101から入力された蛍光25の信号強度の積分値を、光学ヘッド15のレンズ19の位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19を移動させるステッピングモータ76に与えた駆動パルスと関連づけて、RAM81に記憶させる。
【0297】
データ処理装置35のデータ処理部101から、蛍光25の信号強度の積分値が入力され、RAM81に記憶させると、コントロールユニット80は、ステッピングモータ76に、駆動パルス信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を、蛍光25の光路に沿って、サンプルステージ20に対して、10ミクロンだけ、移動させ、再び、第1のレーザ励起光源1を起動する。
【0298】
640nmの波長のレーザ光4によるスポット97に含まれたCy−5の励起、蛍光25の検出、ディジタルデータの生成、蛍光25の信号強度の積分値の算出およびRAM81への積分値の記憶のサイクルを、所定の回数にわたって、繰り返した後、コントロールユニット50は、RAM51に記憶されている蛍光25の信号強度の積分値と、光学ヘッド15のレンズ19の位置に基づき、蛍光25の信号強度の積分値の最大値が生成されたレンズ19の位置を、光学ヘッド15のレンズ19を、ゼロ位置から移動させるために、ステッピングモータ76に与えた駆動パルス数の形で求めて、第1のレーザ励起光源1を用いた場合、すなわち、640nmの波長のレーザ光4を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640として、EPROM82に記憶させるとともに、光学ヘッド15のレンズ19のそれぞれの位置と、それに対応する蛍光25の信号強度の積分値をEPROM82に記憶させる。
【0299】
こうして、第1のレーザ励起光源1を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640が決定されて、ステッピングモータ76に与えた駆動パルスの形で、EPROM82に記憶されると、コントロールユニット80は、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を元の位置に復帰させ、その位置をゼロ位置として、RAM81に記憶させる。
【0300】
次いで、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置させたまま、共焦点切り換え部材31を保持しつつ、コントロールユニット80は、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28bを光路内に位置させるとともに、第2のレーザ励起光源2を起動させる。
【0301】
第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ9によって、平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー7に入射して、反射される。
【0302】
第1のダイクロイックミラー7によって反射されたレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0303】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20に載置されて、セットされたフォーカス位置決定用デバイス95に入射する。
【0304】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動されるとともに、副走査用モータ47により、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、532nmの波長のレーザ光4によって、サンプルステージ20に載置されたフォーカス位置決定用デバイス95の全面が走査される。
【0305】
レーザ光4の照射を受けると、フォーカス位置決定用デバイス95のスポット97中に含まれたCy−3が励起されて、蛍光が放出される。
【0306】
スポット97中に含まれたCy−3から放出された蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0307】
フィルタユニット27は、フィルタ28bが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過させる性質を有するフィルタ28bに入射する。
【0308】
ここに、蛍光の波長は、励起光であるレーザ光4の波長よりも長いため、レーザ光4がカットされ、スポット97に含まれたCy−3から放出された蛍光25のみが、フィルタ28bを透過する。
【0309】
フィルタ28bを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、最も径の小さいピンホール32a上に集光され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0310】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34により、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置35に送られる。
【0311】
A/D変換器34により、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に出力されたディジタルデータは、ラインメモリ100に記憶される。
【0312】
フォーカス位置決定用デバイス95の全面が、532nmの波長のレーザ光4により走査され、スポット97に含まれたCy−3から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、A/D変換器34によって、ディジタル化されたディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光源2をオフし、データ処理部101に、ディジタルデータを、ラインメモリ100から読み出させる。
【0313】
データ処理部101は、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータの信号強度を積分して、蛍光25の信号強度の積分値を、コントロールユニット80に出力する。
【0314】
コントロールユニット80は、データ処理装置35のデータ処理部101から入力された蛍光25の信号強度の積分値を、光学ヘッド15のレンズ19の位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19を移動させるステッピングモータ76に与えた駆動パルスと関連づけて、RAM81に記憶させる。この時点では、まだ、ステッピングモータ76に、駆動パルスを与えていないため、ゼロ位置が、蛍光25の信号強度の積分値とともに、RAM81に記憶される。
【0315】
データ処理装置35のデータ処理部101から、蛍光25の信号強度の積分値が入力され、RAM81に記憶させると、コントロールユニット80は、ステッピングモータ76に、駆動パルス信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を、蛍光25の光路に沿って、サンプルステージ20に対して、10ミクロンだけ、移動させ、再び、第2のレーザ励起光源2を起動する。
【0316】
こうして、第1のレーザ励起光源1を用いた場合と全く同様に、532nmの波長のレーザ光4によるスポット97に含まれたCy−3の励起、蛍光25の検出、ディジタルデータ生成、蛍光25の信号強度の積分値の算出および積分値のRAM81への記憶のサイクルを、所定の回数にわたって、繰り返した後、コントロールユニット80は、RAM81に記憶されている蛍光25の信号強度の積分値と、光学ヘッド15のレンズ19の位置に基づき、蛍光25の信号強度の積分値の最大値が生成されたレンズ19の位置を、光学ヘッド15のレンズ19を、ゼロ位置から移動させるために、ステッピングモータ76に与えた駆動パルス数の形で求め、第2のレーザ励起光源2を用いた場合、すなわち、532nmの波長のレーザ光4を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP532として、EPROM82に記憶させるとともに、光学ヘッド15のレンズ19のそれぞれの位置と、それに対応する蛍光25の信号強度の積分値をEPROM82に記憶させる。
【0317】
以上のようにして、第2のレーザ励起光源2を用いた場合における共焦点光学系のフォーカス位置P532が決定されて、ステッピングモータ76に与えた駆動パルスの形で、RAM81に記憶されると、コントロールユニット80は、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を元の位置に復帰させ、その位置をゼロ位置として、RAM81に記憶させる。
【0318】
次いで、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置させたまま、共焦点切り換え部材31を保持しつつ、コントロールユニット80は、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28cを光路内に位置させるとともに、第3のレーザ励起光源3を起動させる。
【0319】
第3のレーザ励起光源3から発せられた473nmの波長のレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8によって、反射され、光学ヘッド15に入射する。
【0320】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20に載置されて、セットされたフォーカス位置決定用デバイス95に入射する。
【0321】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動されるとともに、副走査用モータ47により、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、473nmの波長のレーザ光4によって、サンプルステージ20に載置されたフォーカス位置決定用デバイス95の全面が走査される。
【0322】
レーザ光4の照射を受けると、フォーカス位置決定用デバイス60のスポット97中に含まれたFluor−Xが励起されて、蛍光25が放出される。
【0323】
スポット97中に含まれたFluor−Xから放出された蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0324】
フィルタユニット27は、フィルタ28cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は、473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過させる性質を有するフィルタ28bに入射する。
【0325】
ここに、蛍光の波長は、励起光であるレーザ光4の波長よりも長いため、レーザ光4がカットされ、スポット97中に含まれたFluor−Xから放出された蛍光25のみが、フィルタ28cを透過する。
【0326】
フィルタ28cを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、最も径の小さいピンホール32a上に集光され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0327】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34により、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置35に送られる。
【0328】
A/D変換器34により、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に出力されたディジタルデータは、ラインメモリ100に記憶される。
【0329】
フォーカス位置決定用デバイス95の全面が、473nmの波長のレーザ光4によって走査され、スポット97中に含まれたFluor−Xから放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、A/D変換器34によってディジタル化されたディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第3のレーザ励起光源3をオフし、データ処理部101に、ディジタルデータを、ラインメモリ100から読み出させる。
【0330】
データ処理部101は、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータの信号強度を積分して、蛍光25の信号強度の積分値を、コントロールユニット80に出力する。
【0331】
コントロールユニット80は、データ処理装置35のデータ処理部101から入力された蛍光25の信号強度の積分値を、光学ヘッド15のレンズ19の位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19を移動させるステッピングモータ76に与えた駆動パルスと関連づけて、RAM81に記憶させる。この時点では、まだ、ステッピングモータ76に、駆動パルスを与えていないため、ゼロ位置が、蛍光25の信号強度の積分値とともに、RAM81に記憶される。
【0332】
データ処理装置35のデータ処理部101から、蛍光25の信号強度の積分値が入力され、RAM81に記憶させると、コントロールユニット80は、ステッピングモータ76に、駆動パルス信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を、蛍光25の光路に沿って、サンプルステージ20に対して、10ミクロンだけ、移動させ、再び、第3のレーザ励起光源3を起動する。
【0333】
こうして、第1のレーザ励起光源1を用いた場合と全く同様に、473nmの波長のレーザ光4によるスポット97中に含まれたFluor−Xの励起、蛍光25の検出、ディジタルデータ生成、蛍光25の信号強度の積分値の算出およびRAM81への蛍光25の信号強度の積分値の記憶のサイクルを、所定の回数にわたって、繰り返した後、コントロールユニット80は、RAM81に記憶されている蛍光25の信号強度の積分値と、光学ヘッド15のレンズ19の位置に基づき、蛍光25の信号強度の積分値の最大値が生成されたレンズ19の位置を、光学ヘッド15のレンズ19を、ゼロ位置から移動させるために、ステッピングモータ76に与えた駆動パルス数の形で求め、第3のレーザ励起光源3を用いた場合、すなわち、473nmの波長のレーザ光4を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP473として、EPROM82に記憶させるとともに、光学ヘッド15のレンズ19のそれぞれの位置と、それに対応する蛍光25の信号強度の積分値をEPROM82に記憶させる。
【0334】
図13は、以上のようにして、ステッピングモータ76によって、光学ヘッド15のレンズ19の位置を変えつつ、フォーカス位置決定用デバイス95を、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4によって、走査し、フォトマルチプライア33によって、スポット97中に含まれたCy−5、Cy−3およびFluor−Xから放出された蛍光25を、それぞれ、光電的に検出し、A/D変換器34により、ディジタル化したディジタルデータの信号強度の積分値をプロットしたグラフである。
【0335】
図13において、×で示されるプロットデータは、640nmの波長のレーザ光4を用いて、スポット97中に含まれたCy−5を励起した場合のディジタルデータの信号強度の積分値のプロットデータであり、△で示されるプロットデータは、532nmの波長のレーザ光4を用いて、スポット97中に含まれたCy−3を励起した場合のディジタルデータの信号強度の積分値のプロットデータ、□で示されるプロットデータは、473nmの波長のレーザ光4を用いて、スポット97中に含まれたFluor−Xを励起した場合のディジタルデータの信号強度の積分値のプロットデータである。レーザ光4の波長によって、共焦点光学系のフォーカスの位置は異なるため、レーザ光4の波長により、それぞれ、異なるプロットデータが得られている。
【0336】
レンズ19の焦点に、フォーカス位置決定用デバイス95の基準位置に形成されたスポット97が位置しているときに、スポット97に含まれた蛍光色素から放出された蛍光25の集光効率が最も大きいため、図13に示されるように、各波長のレーザ光4を用いた場合に、フォトマルチプライア33によって検出された蛍光25の信号強度の積分値のプロットデータは、フォーカス位置決定用デバイス60の基準位置に形成されたスポット97が、レンズ19の焦点に位置していたときに、ピークを有している。
【0337】
したがって、こうして得られた蛍光25の信号強度の積分値のプロットデータに基づき、蛍光25の信号強度の積分値のプロットデータのピークの位置に対応するレンズ19の位置を検出することによって、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になる。
【0338】
以上のようにして、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4を用いる場合の共焦点光学系のフォーカス位置が決定され、フォーカス位置データが、EPROM82に記憶されると、さらに、コントロールユニット80は、図13に示された640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4を、フォーカス位置決定用デバイス95に照射して、生成されたディジタルデータの信号強度の積分値をプロットして得た×、△および□により示される曲線を、n次関数で、フィッティングして、n次関数の係数を、各波長毎に、EPROM82に記憶させる。
【0339】
さらに、コントロールユニット80は、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を、温度センサ84から入力された温度検出信号にしたがって、算出し、EPROM82に記憶させる。
【0340】
次いで、コントロールユニット80は、EPROM82に記憶された第一のサンプル位置の計測点変位データV1ないし第五のサンプル位置の計測点変位データV5、各波長毎のn次関数の係数およびスキャナ内温度の平均値T0を読み出して、二次元補間演算によって、15℃、25℃および35℃における640nm、532nmおよび473nmの各波長毎の第一のサンプル位置の二次元シェーディング補正データないし第五のサンプル位置の二次元シェーディング補正データを生成し、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0341】
以上のようにして、各種データが決定されて、EPROM82に記憶されたスキャナは、以下のようにして、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4により、走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する。
【0342】
まず、サンプルステージ20に、サンプル22である5つのマイクロアレイを保持したサンプルキャリア21が載置されて、セットされると、キャリアセンサ83によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット80に出力される。
【0343】
キャリアセンサ53からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット80は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ86に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように、移動させる。
【0344】
次いで、ユーザーによって、標識物質である蛍光物質の種類およびスタート信号が、キーボード88に入力されると、キーボード88から指示信号がコントロールユニット80に出力される。
【0345】
たとえば、蛍光物質の種類として、Cy−5(登録商標)が入力されると、コントロールユニット80は、入力された指示信号にしたがって、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28aを光路内に位置させる。
【0346】
同時に、コントロールユニット80は、EPROM82に記憶された第1のレーザ励起光源1を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640、第一のサンプル位置の温度係数K1、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1、640nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データならびに共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を読み出すとともに、温度センサ84によって検出され、入力されたスキャナ内温度Tを用いて、次式(1)にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0347】
P=Pλ+A×{ΔDi+Ki×(T−T0)} (1)
ここに、Aは、駆動パルスと距離の換算係数であり、λは、標識物質の励起に使用するレーザ光4の波長、iは1ないし5の整数で、サンプルキャリア21の開口部51、52、53、54、55の位置を示すものであり、640nmの波長のレーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22を走査する場合には、Pλ=P640、ΔDi=ΔD1、Ki=K1である。
【0348】
次いで、コントロールユニット50は、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0349】
第1のレーザ励起光源1から発せられた640nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0350】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0351】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたサンプル22であるマイクロアレイの全面が走査される。
【0352】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識しているCy−5が励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0353】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0354】
ここに、EPROM52に記憶された第1のレーザ励起光源1を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、光学ヘッド15のレンズ19は、その焦点が、サンプル22の表面に一致する位置に保持されているので、スライドガラス板の表面に分布している蛍光色素から放出された蛍光25を最も効率的に集光することが可能になる。
【0355】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28aに入射し、640nmの波長の光がカットされ、640nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0356】
フィルタ28aを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0357】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0358】
このように、共焦点光学系を用いて、スライドガラス板の表面の蛍光色素から発せられた蛍光25をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のノイズを最小に抑えることが可能になる。
【0359】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られて、ラインメモリ100に記憶される。
【0360】
サンプルステージ20に載置されたサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22の全面が、第1のレーザ励起光源1から発せられた640nmの波長のレーザ光4によって走査され、マイクロアレイ22に含まれているCy−5のディジタルデータがラインメモリ100に記憶されると、ラインメモリ100に記憶されたマイクロアレイ22に含まれているCy−5のディジタルデータは、データ処理部101によって読み出されるとともに、温度センサ84から入力されたスキャナ内の温度検出信号が、データ処理装置35のデータ処理部101に出力される。
【0361】
ここに、共焦点光学系のフォーカス位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19の位置は、スキャナ内温度が25℃に設定された場合におけるサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの9つの計測点の位置の15℃における基準点の位置に対する変位の平均値である第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1に基づいて、設定されており、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの9つの計測点の位置の15℃における基準位置に対する変位は一定ではないから、サンプルキャリア21の第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22に含まれているCy−5のディジタルデータには、必然的に、シェーディングが含まれている。
【0362】
したがって、データ処理部101は、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第一のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第一のサンプル位置のシェーディング補正データを生成する。
【0363】
さらに、データ処理部101は、こうして生成したスキャナ温度Tにおける第一のサンプル位置のシェーディング補正データに基づいて、ラインメモリ100から読み出したサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部52にセットされたマイクロアレイ22に含まれているCy−5のディジタルデータのシェーディングを補正して、データ記憶部103に記憶させる。
【0364】
以上のようにして、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの全面が、640nmの波長のレーザ光4によって走査され、マイクロアレイに含まれたCy−5から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して得られたディジタルデータに、データ処理部101によって、シェーディング補正が施され、データ記憶部103に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイに対する640nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0365】
第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイに対する640nmの波長のレーザ光4の照射に先立って、コントロールユニット80は、まず、EPROM82に記憶された第二のサンプル位置の温度係数K2および第二のサンプル位置の距離補正値ΔD2を読み出して、次式にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0366】
P=P640+A×{ΔD2+K2×(T−T0)}
次いで、コントロールユニット50は、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせ、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と全く同様にして、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイの表面を、640nmの波長のレーザ光4によって走査し、マイクロアレイに含まれたCy−5から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ラインメモリ100に記憶させる。
【0367】
次いで、データ処理部101は、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第二のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第二のサンプル位置のシェーディング補正データを生成する。
【0368】
さらに、データ処理部101は、こうして生成したスキャナ温度Tにおける第二のサンプル位置のシェーディング補正データに基づいて、ラインメモリ100から読み出したサンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイ22に含まれているCy−5のディジタルデータのシェーディングを補正して、データ記憶部103に記憶させる。
【0369】
サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、全く同様にして、マイクロアレイ22に含まれているCy−5のディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第三のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第三のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたCy−5のディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
【0370】
P=P640+A×{ΔD3+K3×(T−T0)}
また、第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、同様にして、マイクロアレイ22に含まれているCy−5のディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている640nmの波長のレーザ光4を発する640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第四のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第四のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたCy−5のディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
【0371】
P=P640+A×{ΔD4+K4×(T−T0)}
さらに、第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、全く同様にして、マイクロアレイ22に含まれているCy−5のディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第五のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第五のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたCy−5のディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
【0372】
P=P640+A×{ΔD5+K5×(T−T0)}
こうして、データ処理装置35のデータ記憶部103に記憶されたサンプルキャリア21にセットされた5つのマイクロアレイに含まれているCy−5のディジタルデータは、ユーザーの指示にしたがって、必要に応じて、読み出され、所望のデータ処理が施されて、可視画像として、CRTなどの表示手段(図示せず)の画面上に表示され、あるいは、Cy−5のディジタルデータに基づいて、データ解析が実行される。
【0373】
一方、スライドガラス板を担体とし、Cy−3(登録商標)によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されている5つのマイクロアレイが、それぞれ、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされたときは、ユーザーによって、標識物質がCy−3である旨およびスタート信号が、キーボード88に入力され、キーボード88から信号がコントロールユニット80に出力される。
【0374】
蛍光物質の種類として、Cy−3が入力されると、コントロールユニット50は、入力された指示信号にしたがって、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28bを光路内に位置させる。
【0375】
同時に、コントロールユニット80は、EPROM82に記憶された第2のレーザ励起光源2を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP532、第一のサンプル位置の温度係数K1、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1、532nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データならびに共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を読み出すとともに、温度センサ84によって検出され、入力されたスキャナ内温度Tを用いて、次式(1)にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0376】
P=Pλ+A×{ΔDi+Ki×(T−T0)} (1)
ここに、Aは、駆動パルスと距離の換算係数であり、λは、標識物質の励起に使用するレーザ光4の波長、iは1ないし5の整数で、サンプルキャリア21の開口部51、52、53、54、55の位置を示すものであり、532nmの波長のレーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22を走査する場合には、Pλ=P532、ΔDi=ΔD1、Ki=K1である。
【0377】
次いで、コントロールユニット50は、第2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0378】
第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ9によって、平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー7に入射して、反射される。
【0379】
第1のダイクロイックミラー7によって反射されたレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0380】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0381】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたサンプル22であるマイクロアレイの全面が走査される。
【0382】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識しているCy−3が励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0383】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0384】
ここに、EPROM52に記憶された第2のレーザ励起光源2を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、光学ヘッド15のレンズ19は、その焦点が、サンプル22の表面に一致する位置に保持されているので、スライドガラス板の表面に分布している蛍光色素から放出された蛍光25を最も効率的に集光することが可能になる。
【0385】
フィルタユニット27は、フィルタ28bが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28bに入射し、532nmの波長の光がカットされ、532nmよりも波長の長い蛍光25のみが透過される。
【0386】
フィルタ28bを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0387】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0388】
このように、共焦点光学系を用いて、スライドガラス板の表面の蛍光色素から発せられた蛍光25をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のノイズを最小に抑えることが可能になる。
【0389】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られて、ラインメモリ100に記憶される。
【0390】
サンプルステージ20に載置されたサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22の全面が、第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4によって走査されて、マイクロアレイ22に含まれているCy−3のディジタルデータがラインメモリ100に記憶されると、ラインメモリ100に記憶されたマイクロアレイ22に含まれているCy−3のディジタルデータは、データ処理部101によって読み出されるとともに、温度センサ84から入力されたスキャナ内の温度検出信号が、データ処理装置35のデータ処理部101に出力される。
【0391】
ここに、共焦点光学系のフォーカス位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19の位置は、スキャナ内温度が25℃に設定された場合におけるサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの9つの計測点の位置の15℃における基準点の位置に対する変位の平均値である第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1に基づいて、設定されており、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの9つの計測点の位置の15℃における基準位置に対する変位は一定ではないから、サンプルキャリア21の第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22に含まれているCy−3のディジタルデータには、必然的に、シェーディングが含まれている。
【0392】
したがって、データ処理部101は、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第一のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第一のサンプル位置のシェーディング補正データを生成する。
【0393】
さらに、データ処理部101は、こうして生成したスキャナ温度Tにおける第一のサンプル位置のシェーディング補正データに基づいて、ラインメモリ100から読み出したサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部52にセットされたマイクロアレイ22に含まれているCy−3のディジタルデータのシェーディングを補正して、データ記憶部103に記憶させる。
【0394】
以上のようにして、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの全面が、532nmの波長のレーザ光4によって走査され、マイクロアレイに含まれたCy−3から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して得られたディジタルデータに、データ処理部101によって、シェーディング補正が施され、データ記憶部103に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイに対する532nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0395】
第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイに対する532nmの波長のレーザ光4の照射に先立って、コントロールユニット80は、まず、EPROM82に記憶された第二のサンプル位置の温度係数K2および第二のサンプル位置の距離補正値ΔD2を読み出して、次式にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0396】
P=P532+A×{ΔD2+K2×(T−T0)}
次いで、コントロールユニット50は、第2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力して、オンさせ、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と全く同様にして、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイの表面を、532nmの波長のレーザ光4によって走査し、マイクロアレイに含まれたCy−3から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ラインメモリ100に記憶させる。
【0397】
次いで、データ処理部101は、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第二のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第二のサンプル位置のシェーディング補正データを生成する。
【0398】
さらに、データ処理部101は、こうして生成したスキャナ温度Tにおける第二のサンプル位置のシェーディング補正データに基づいて、ラインメモリ100から読み出したサンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイ22に含まれているCy−3のディジタルデータのシェーディングを補正して、データ記憶部103に記憶させる。
【0399】
サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、全く同様にして、マイクロアレイ22に含まれているCy−3のディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第三のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第三のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたCy−3のディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
【0400】
P=P532+A×{ΔD3+K3×(T−T0)}
また、第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、同様にして、マイクロアレイ22に含まれているCy−3のディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第四のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第四のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたCy−3のディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
P=P532+A×{ΔD4+K4×(T−T0)}
さらに、第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、全く同様にして、マイクロアレイ22に含まれているCy−3のディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第五のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第五のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたCy−3のディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
【0401】
P=P532+A×{ΔD5+K5×(T−T0)}
こうして、データ処理装置35のデータ記憶部103に記憶されたサンプルキャリア21にセットされた5つのマイクロアレイに含まれているCy−3のディジタルデータは、ユーザーの指示にしたがって、必要に応じて、読み出され、所望のデータ処理が施されて、可視画像として、CRT(図示せず)などの表示手段の画面上に表示され、あるいは、Cy−3のディジタルデータに基づいて、データ解析が実行される。
【0402】
これに対して、スライドガラス板を担体とし、Fluor−X(登録商標)によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されている5つのマイクロアレイが、それぞれ、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされたときは、ユーザーによって、標識物質がFluor−Xである旨およびスタート信号が、キーボード88に入力され、キーボード88から指示信号がコントロールユニット80に出力される。
【0403】
蛍光物質の種類として、Fluor−Xが入力されると、コントロールユニット50は、入力された指示信号にしたがって、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28cを光路内に位置させる。
【0404】
同時に、コントロールユニット80は、EPROM82に記憶された第3のレーザ励起光源3を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP473、第一のサンプル位置の温度係数K1、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1、473nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データならびに共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を読み出すとともに、温度センサ84によって検出され、入力されたスキャナ内温度Tを用いて、次式(1)にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0405】
P=Pλ+A×{ΔDi+Ki×(T−T0)} (1)
ここに、Aは、駆動パルスと距離の換算係数であり、λは、標識物質の励起に使用するレーザ光4の波長、iは1ないし5の整数で、サンプルキャリア21の開口部51、52、53、54、55の位置を示すものであり、473nmの波長のレーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22を走査する場合には、Pλ=P473、ΔDi=ΔD1、Ki=K1である。
【0406】
次いで、コントロールユニット50は、第3のレーザ励起光源3に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0407】
第3のレーザ励起光源3から発せられた473nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平行な光とされた後、第2のダイクロイックミラー8によって反射され、光学ヘッド15に入射する。
【0408】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたサンプル22であるマイクロアレイに入射する。
【0409】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたサンプル22であるマイクロアレイの全面が走査される。
【0410】
レーザ光4の照射を受けると、プローブDNAを標識しているFluor−Xが励起され、蛍光25が放出される。マイクロアレイの担体として、スライドガラス板が用いられている場合には、蛍光色素はスライドガラス板の表面にのみ分布しているので、蛍光25もスライドガラス板の表面からのみ、発せられる。
【0411】
スライドガラス板の表面から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0412】
ここに、EPROM52に記憶された第3のレーザ励起光源3を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、光学ヘッド15のレンズ19は、その焦点が、サンプル22の表面に一致する位置に保持されているので、スライドガラス板の表面に分布している蛍光色素から放出された蛍光25を最も効率的に集光することが可能になる。
【0413】
フィルタユニット27は、フィルタ28cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28cに入射し、473nmの波長の光がカットされ、473nmよりも波長の長い蛍光25のみが透過される。
【0414】
フィルタ28cを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、結像される。
【0415】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25がピンホール32a上に結像され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0416】
このように、共焦点光学系を用いて、スライドガラス板の表面の蛍光色素から発せられた蛍光25をフォトマルチプライア33に導いて、光電的に検出しているので、データ中のノイズを最小に抑えることが可能になる。
【0417】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られて、ラインメモリ100に記憶される。
【0418】
サンプルステージ20に載置されたサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22の全面が、第3のレーザ励起光源3から発せられた473nmの波長のレーザ光4によって走査されて、マイクロアレイ22に含まれているFluor−Xのディジタルデータがラインメモリ100に記憶されると、ラインメモリ100に記憶されたマイクロアレイ22に含まれているFluor−Xのディジタルデータは、データ処理部101によって読み出されるとともに、温度センサ84から入力されたスキャナ内の温度検出信号が、データ処理装置35のデータ処理部101に出力される。
【0419】
ここに、共焦点光学系のフォーカス位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19の位置は、スキャナ内温度が25℃に設定された場合におけるサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの9つの計測点の位置の15℃における基準点の位置に対する変位の平均値である第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1に基づいて、設定されており、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの9つの計測点の位置の15℃における基準位置に対する変位は一定ではないから、サンプルキャリア21の第一の開口部51にセットされたマイクロアレイ22に含まれているFluor−Xのディジタルデータには、必然的に、シェーディングが含まれている。
【0420】
したがって、データ処理部101は、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第一のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第一のサンプル位置のシェーディング補正データを生成する。
【0421】
さらに、データ処理部101は、こうして生成したスキャナ温度Tにおける第一のサンプル位置のシェーディング補正データに基づいて、ラインメモリ100から読み出したサンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部52にセットされたマイクロアレイ22に含まれているFluor−Xのディジタルデータのシェーディングを補正して、データ記憶部103に記憶させる。
【0422】
以上のようにして、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの全面が、473nmの波長のレーザ光4によって走査され、マイクロアレイに含まれたFluor−Xから放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して得られたディジタルデータに、データ処理部101によって、シェーディング補正が施され、データ記憶部103に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイに対する473nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0423】
第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイに対する473nmの波長のレーザ光4の照射に先立って、コントロールユニット80は、まず、EPROM82に記憶された第二のサンプル位置の温度係数K2および第二のサンプル位置の距離補正値ΔD2を読み出して、次式にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0424】
P=P473+A×{ΔD2+K2×(T−T0)}
次いで、コントロールユニット50は、第3のレーザ励起光源3に駆動信号を出力して、オンさせ、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と全く同様にして、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイの表面を、473nmの波長のレーザ光4によって走査し、マイクロアレイに含まれたFluor−Xから放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ラインメモリ100に記憶させる。
【0425】
次いで、データ処理部101は、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第二のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第二のサンプル位置のシェーディング補正データを生成する。
【0426】
さらに、データ処理部101は、こうして生成したスキャナ温度Tにおける第二のサンプル位置のシェーディング補正データに基づいて、ラインメモリ100から読み出したサンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたマイクロアレイ22に含まれているFluor−Xのディジタルデータのシェーディングを補正して、データ記憶部103に記憶させる。
【0427】
サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、全く同様にして、マイクロアレイ22に含まれているFluor−Xのディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第三のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第三のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたFluor−Xのディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
【0428】
P=P473+A×{ΔD3+K3×(T−T0)}
また、第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、全く同様にして、マイクロアレイ22に含まれているFluor−Xのディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第四のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第四のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたFluor−Xのディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
【0429】
P=P473+A×{ΔD4+K4×(T−T0)}
さらに、第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたマイクロアレイに対しては、次式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイの場合と、全く同様にして、マイクロアレイ22に含まれているFluor−Xのディジタルデータを生成して、ラインメモリ100に記憶させ、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第五のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する第五のサンプル位置のシェーディング補正データを生成して、ラインメモリ100に記憶されているマイクロアレイ22に含まれたFluor−Xのディジタルデータのシェーディングを補正し、データ記憶部103に記憶させる。
【0430】
P=P473+A×{ΔD5+K5×(T−T0)}
こうして、データ処理装置35のデータ記憶部103に記憶されたサンプルキャリア21にセットされた5つのマイクロアレイに含まれているFluor−Xのディジタルデータは、ユーザーの指示にしたがって、必要に応じて、読み出され、所望のデータ処理が施されて、可視画像として、CRT(図示せず)などの表示手段の画面上に表示され、あるいは、Cy−3のディジタルデータに基づいて、データ解析が実行される。
【0431】
他方、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する場合には、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプル22が保持されたサンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされる。
【0432】
こうして、蛍光サンプル22が保持されたサンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされると、キャリアセンサ83によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット80に出力される。
【0433】
キャリアセンサ83からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット80は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ86に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、最も径の大きいピンホール32cが光路内に位置するように、移動させる。
【0434】
次いで、ユーザーによって、標識物質である蛍光物質の種類およびスタート信号が、キーボード88に入力されると、キーボード88から信号がコントロールユニット80に出力される。
【0435】
たとえば、試料がローダミンによって標識されているときは、ローダミンは、532nmの波長のレーザによって、最も効率的に励起することができるから、コントロールユニット80は第2のレーザ励起光源2を選択するとともに、フィルタ32bを選択し、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28bを、蛍光25の光路内に位置させるとともに、EPROM82に記憶された532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP532、第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1ないし第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5、532nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データならびに共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を読み出す。
【0436】
コントロールユニット80は、EPROM82から読み出した第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5の平均値KAVを算出するとともに、EPROM82から読み出した第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1ないし第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5の平均値ΔDAVを算出し、温度センサ84によって検出され、入力されたスキャナ内温度Tに基づいて、次式(2)にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0437】
P=P532+A×{ΔDAV+KAV×(T−T0)} (2)
次いで、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0438】
第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ9によって、平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー7に入射して、反射される。
【0439】
第1のダイクロイックミラー7によって反射されたレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0440】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされた蛍光サンプル22に入射する。
【0441】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされた蛍光サンプル22の全面が走査される。
【0442】
レーザ光4の照射を受けると、試料を標識している蛍光色素、たとえば、ローダミンが励起され、蛍光25が放出される。蛍光サンプル22の担体として、転写支持体が用いられている場合には、蛍光色素は、転写支持体の深さ方向に分布しているため、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から、蛍光25が発せられ、発光点の深さ方向の位置も変動する。
【0443】
転写支持体を担体とした蛍光サンプル22から発せられた蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0444】
ここに、EPROM82に記憶された第2のレーザ励起光源2を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、光学ヘッド15のレンズ19は、その焦点が、サンプル22の表面に一致する位置に保持されているので、転写支持体に含まれている蛍光色素から放出された蛍光25を最も効率的に集光することが可能になる。
【0445】
フィルタユニット27は、フィルタ28bが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25はフィルタ28bに入射し、532nmの波長の光がカットされ、532nmよりも波長の長い光のみが透過される。
【0446】
フィルタ28bを透過した蛍光は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、集光されるが、蛍光25は、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から発せられているため、結像はしない。
【0447】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、最も径の大きいピンホール32cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は最も径の大きいピンホール32cを通過して、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。したがって、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの表面の蛍光色素から発せられた蛍光25を、高いS/N比で、検出するために、共焦点光学系を用いているにもかかわらず、転写支持体の深さ方向の所定の範囲から発せられた蛍光25も高い信号強度で検出することが可能になる。
【0448】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られて、ラインメモリ100に記憶される。
【0449】
ここに、共焦点光学系のフォーカス位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19の位置は、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの基準位置に対して、決定され、EPROM82に記憶された532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP532を、第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5の平均値KAVおよび第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1ないし第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5の平均値ΔDAVを用いて、補正して、決定されたものであり、サンプルステージ20が走査された際における蛍光サンプル22と、光学ヘッド15のレンズ19との距離は一定ではないから、こうして生成された蛍光サンプル22のディジタルデータには、必然的に、シェーディングが含まれている。
【0450】
したがって、データ処理部101は、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第一のサンプル位置のシェーディング補正データないし第五のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する蛍光サンプル22のシェーディング補正データを生成する。
【0451】
さらに、データ処理部101は、こうして生成したスキャナ温度Tにおける蛍光サンプル22のシェーディング補正データに基づき、ラインメモリ100から読み出した蛍光サンプル22のディジタルデータのシェーディングを補正して、データ記憶部103に記憶させる。
【0452】
これに対して、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成する場合には、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートを保持したサンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされる。
【0453】
輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートを保持したサンプルキャリア21が、サンプルステージ20にセットされると、キャリアセンサ83によって、サンプルキャリア21の種類が検出され、キャリア検出信号がコントロールユニット80に出力される。
【0454】
キャリアセンサ83からキャリア検出信号を受けると、コントロールユニット80は、キャリア検出信号に基づき、切り換え部材モータ86に駆動信号を出力して、共焦点切り換え部材31を、中間の径を有するピンホール32bが光路内に位置するように、移動させる。
【0455】
さらに、コントロールユニット80は、入力された指示信号にしたがい、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を有するフィルタ28dを光路内に位置させるとともに、EPROM82に記憶された640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640、第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1ないし第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5、640nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データならびに共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を読み出す。
【0456】
コントロールユニット80は、EPROM82から読み出した第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5の平均値KAVを算出するとともに、EPROM82から読み出した第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1ないし第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5の平均値ΔDAVを算出し、温度センサ84によって検出され、入力されたスキャナ内温度Tに基づいて、次式(3)にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0457】
P=P640+A×{ΔDAV+KAV×(T−T0)} (3)
次いで、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0458】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0459】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルステージ20にセットされたサンプル22である蓄積性蛍光体シートに入射する。
【0460】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動され、副走査用モータ47によって、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、レーザ光4によって、サンプルキャリア21にセットされたサンプル22である蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層の全面が走査される。
【0461】
レーザ光4の照射を受けると、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光25が放出される。蓄積性蛍光体シートの場合には、輝尽性蛍光体は輝尽性蛍光体層中に含まれており、ある程度、輝尽性蛍光体層の深さ方向に分布しているため、輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から、輝尽光が発せられ、発光点の深さ方向の位置も変動する。しかしながら、輝尽性蛍光体層は薄いため、転写支持体の場合ほど、発光点は深さ方向に分布してはいない。
【0462】
輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射されて、フィルタユニット27に入射する。
【0463】
ここに、EPROM82に記憶された第1のレーザ励起光源1を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、光学ヘッド15のレンズ19は、その焦点が、サンプル22の表面に一致する位置に保持されているので、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体から放出された輝尽光25を最も効率的に集光することが可能になる。
【0464】
フィルタユニット27は、フィルタ28dが光路内に位置するように移動されているため、輝尽光25はフィルタ28dに入射し、640nmの波長の光がカットされ、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみが透過される。
【0465】
フィルタ28dを透過した輝尽光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、集光されるが、輝尽光は、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から発せられているため、結像はしない。
【0466】
レーザ光4の照射に先立って、共焦点切り換え部材31が、中間の径を有するピンホール32bが光路内に位置するように移動されているため、輝尽光は中間の径を有するピンホール32bを通過して、フォトマルチプライア33により、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。したがって、スライドガラス板を担体としたマイクロアレイの表面の蛍光色素から発せられた蛍光25を、高いS/N比で、検出するために、共焦点光学系を用いているにもかかわらず、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層の深さ方向の所定の範囲から発せられた輝尽光25も高い信号強度で検出することが可能になる。
【0467】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34によって、ディジタルデータに変換され、データ処理装置35に送られて、ラインメモリ100に記憶される。
【0468】
ここに、共焦点光学系のフォーカス位置、すなわち、光学ヘッド15のレンズ19の位置は、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされた距離測定用デバイス92aの基準位置に対して、決定され、EPROM82に記憶された640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640を、第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5の平均値KAVおよび第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1ないし第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5の平均値ΔDAVを用いて、補正して、決定されたものであり、サンプルステージ20が走査された際における蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層と、光学ヘッド15のレンズ19との距離は一定ではないから、こうして生成された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれた放射性標識物質のディジタルデータには、必然的に、シェーディングが含まれている。
【0469】
したがって、データ処理部101は、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されている640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いた場合のスキャナ内温度が15℃、25℃および35℃における第一のサンプル位置のシェーディング補正データないし第五のサンプル位置のシェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応する放射性標識物質のシェーディング補正データを生成する。
【0470】
さらに、データ処理部101は、こうして生成したスキャナ温度Tにおける放射性標識物質のシェーディング補正データに基づき、ラインメモリ100から読み出した放射性標識物質のディジタルデータのシェーディングを補正して、データ記憶部103に記憶させる。
【0471】
本実施態様においては、スライドガラス板を担体とする5つのマイクロアレイがセットされるべきサンプルキャリア21の第一のサンプル位置ないし第五のサンプル位置に対応する第一の開口部51ないし第五の開口部55に、全面に、スパッタリングによってクロム膜91が形成されたスライドガラス板90により構成された距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eをセットし、静電容量型変位計79によって、距離測定用デバイス92a上に決定された基準点の15℃における位置に対する25℃および35℃における距離測定用デバイス92a上の基準点および8つの計測点の位置の変位ならびに15℃、25℃および35℃における距離測定用デバイス92b、92c、92d、92e上の9つの計測点の位置の変位が計測され、各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の9つの計測点の温度係数が算出され、その平均値が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置ないし第五のサンプル位置における温度係数K1、K2、K3、K4、K5として決定され、EPROM82に記憶されるとともに、15℃における距離測定用デバイス92a上の基準点の位置に対する25℃における各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の9つの計測点の位置の変位の平均値が算出され、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置ないし第五のサンプル位置における距離補正値ΔD1、ΔD2、ΔD3、ΔD4、ΔD5として決定され、EPROM82に記憶されている。
【0472】
さらに、本実施態様においては、スライドガラス板96によって構成され、サンプルキャリア21の開口部51内にセットされたとき、距離測定用デバイス92aの基準点に対応するスライドガラス板96上の基準位置に、Fluor−X(登録商標)、Cy−3(登録商標)およびCy−5(登録商標)を含むスポット97が形成されているフォーカス位置決定用デバイス95を、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、レンズ高さ位置調整装置70のステッピングモータ76に駆動パルスを与えて、光学ヘッド15のレンズ19を移動させつつ、640nmの波長を有するレーザ光4、532nmの波長を有するレーザ光4および473nmの波長を有するレーザ光4によって、順次、フォーカス位置決定用デバイス95を走査して、スポット97に含まれたFluor−X、Cy−3およびCy−5を、順次、励起し、Fluor−X、Cy−3およびCy−5から放出された蛍光25が、フォトマルチプライア33によって光電的に検出され、A/D変換器34によってディジタル化されたディジタルデータにおける蛍光25の信号強度の積分値を、レーザ光4の波長ごとに、プロットし、それぞれのプロットデータにおいて、信号強度の積分値が最大となる光学ヘッド15のレンズ19の位置を、それぞれの波長のレーザ光4の共焦点光学系のフォーカス位置として決定し、基準となる光学ヘッド15のレンズ19のゼロ位置から、共焦点光学系のフォーカス位置に、光学ヘッド15のレンズ19を移動させるために、ステッピングモータ76に与えるべき駆動パルス数を、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4の波長のレーザ光4の共焦点光学系のフォーカス位置データP640、P532およびP473として、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4の波長のレーザ光4の共焦点光学系のフォーカス位置データP640、P532およびP473を生成した際のスキャナ内の温度T0とともに、EPROM82に記憶させている。
【0473】
本実施態様においては、こうして、算出されて、EPROM82に記憶されたサンプルキャリア21の第一のサンプル位置ないし第五のサンプル位置における温度係数K1、K2、K3、K4、K5、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置ないし第五のサンプル位置における距離補正値ΔD1、ΔD2、ΔD3、ΔD4、ΔD5ならびに640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4を用いる場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640、P532およびP473に基づき、使用するレーザ光4の波長、スキャナ内温度Tおよびマイクロアレイがセットされているサンプルキャリア21のサンプル位置にしたがって、次式(1)に基づいて、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させるるように構成されている。ここに、Aは、駆動パルスと距離の換算係数であり、λは、標識物質の励起に使用するレーザ光4の波長、iは1ないし5の整数で、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55の位置を示すものである。
【0474】
P=Pλ+A×{ΔDi+Ki×(T−T0)} (1)
したがって、レーザ光4の波長およびスキャナ内温度によって、共焦点光学系のフォーカス位置は異なり、また、サンプルキャリア21のサンプル位置によって、共焦点光学系の最適なフォーカス位置は異なるが、本実施態様によれば、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置ないし第五のサンプル位置に対応する第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされたマイクロアレイに対して、それぞれ、光学ヘッド15のレンズ19を、共焦点光学系の最適なフォーカス位置に移動させて、保持し、マイクロアレイに含まれた蛍光色素から放出された蛍光25を、所望のように、集光して、フォトマルチプライア33に導き、マイクロアレイに含まれた蛍光色素のディジタルデータを生成することが可能になる。
【0475】
また、本実施態様においては、各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の9つの計測点の位置の15℃における基準点に対する変位を、それぞれ、第一の計測点変位データV1、第二の計測点変位データV2、第三の計測点変位データV3、第四の計測点変位データV4および第五の計測点変位データV5として、EPROM82に記憶させるとともに、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4を用いる場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640、P532およびP473を生成する際に用いられた各波長のレーザ光4の蛍光25の信号強度の積分値のプロットデータを、n次関数によって、フィッティングし、n次関数の係数を、各波長ごとに、EPROM82に記憶させ、さらに、EPROM82に記憶された第一のサンプル位置の計測点変位データV1ないし第五のサンプル位置の計測点変位データV5、各波長毎のn次関数の係数およびスキャナ内温度の平均値T0を読み出して、二次元補間演算によって、15℃、25℃および35℃における640nm、532nmおよび473nmの各波長毎の第一のサンプル位置の二次元シェーディング補正データないし第五のサンプル位置の二次元シェーディング補正データを生成し、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させている。
【0476】
本実施態様においては、データ処理装置35のデータ処理部101が、使用されたレーザ光4の波長とサンプルキャリア21のサンプル位置に応じて、こうして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶された各波長毎の第一のサンプル位置の二次元シェーディング補正データないし第五のサンプル位置の二次元シェーディング補正データの中から、対応するレーザ光4の波長およびサンプル位置の15℃、25℃および35℃における二次元シェーディング補正データを読み出し、温度センサ84によって検出されたスキャナ内の温度Tに基づいて、補正して、スキャナ内の温度Tに対応するシェーディング補正データを生成し、こうして生成されたシェーディング補正データに基づいて、サンプルキャリア21の対応するサンプル位置にセットされ、対応する波長のレーザ光4によって走査されて、生成されたマイクロアレイに含まれた蛍光色素のディジタルデータのシェーディングを補正して、シェーディングが補正されたマイクロアレイに含まれた蛍光色素のディジタルデータを、データ記憶部103に記憶させるように構成されている。
【0477】
したがって、レーザ光4の波長、サンプルキャリア21にセットされたマイクロアレイの位置およびスキャナ内温度によって、マイクロアレイに含まれた蛍光色素のディジタルデータのシェーディングは異なるが、本実施態様によれば、レーザ光4の波長、サンプルキャリア21にセットされたマイクロアレイの位置およびスキャナ内温度のいかんにかかわらず、マイクロアレイに含まれた蛍光色素のディジタルデータのシェーディングを、所望のように、補正することが可能になる。
【0478】
さらに、本実施態様によれば、あらかじめ、共焦点光学系のフォーカス位置が決定されて、EPROM82に記憶され、EPROM82に記憶された共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、光学ヘッド15のレンズ19の位置が調整されるように構成されているから、オートフォーカスによって、共焦点光学系のフォーカスのフォーカスを調整する場合のように、反射光検出光学系、センサ、検出回路などの特別な機構が必要でなく、したがって、コストアップを招くことなく、共焦点光学系のフォーカス位置を調整することが可能になる。
【0479】
図14は、本発明の別の好ましい実施態様にかかるスキャナの共焦点光学系のフォーカスを決定するために用いられるフォーカス位置決定用デバイスの略断面図であり、図15は、その略平面図である。
【0480】
図14および図15に示されるように、フォーカス位置決定用デバイス110は、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタよりなる支持体111を備え、支持体111上には、クロム膜112がスパッタリングによって形成され、距離測定用デバイス92aの基準点に対応するクロム膜112の位置には、ピンホール113が形成されている。
【0481】
本実施態様においては、フォーカス位置決定用デバイス110は、ほぼ矩形状をなし、ピンホール113は、レーザ光4の走査方向に対する幅が、レーザ光4のビーム径とほぼ同等となるように形成されている。
【0482】
珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタよりなる支持体111は、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4が照射されたとき、それぞれ、レーザ光4によって励起されて、蛍光を発する性質を有しており、したがって、ピンホール113の位置が、図11に示されたフォーカス位置決定用デバイス95のスポット97の位置と一致するように、フォーカス位置決定用デバイス110を、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、順次、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4によって走査して、ピンホール113を介して、色ガラスフィルタ111を励起し、色ガラスフィルタ111から放出された蛍光25を、ピンホール113を介して、フォトマルチプライア33によって光電的に検出し、A/D変換器34によってディジタル化することによって、前記実施態様と全く同様にして、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4を用いる場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640、P532およびP473を生成し、EPROM82に記憶させて、レーザ光4の波長、サンプルキャリア21にセットされたマイクロアレイのサンプル位置およびスキャナ内温度に応じて、光学ヘッド15のレンズ19を、共焦点光学系の最適なフォーカス位置に移動させて、保持することが可能になる。
【0483】
スライドガラス板96上に、蛍光色素を含むスポット97を形成し、レーザ光4を照射して、共焦点光学系のフォーカス位置を決定する場合には、レーザ光4の照射にともなって、蛍光色素が劣化して、蛍光色素から放出される蛍光の光量が、経時的に低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが困難になる場合があるが、色ガラスフィルタ111は、レーザ光4の照射を受けても劣化することがないから、本実施態様によれば、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが可能になるとともに、フォーカス位置決定用デバイス110を、繰り返し使用して、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することができる。
【0484】
図16は、本発明の他の好ましい実施態様にかかるスキャナにおいて、シェーディング補正データを生成するために用いられるシェーディング評価用デバイスの略平面図であり、図17は、その略縦断面図である。
【0485】
図16および図17に示されるように、本実施態様にかかるシェーディング評価用デバイス120は、InGaAsP層121と、GaAs層122とが積層されたほぼ矩形状の積層体123を備え、InGaAsP層121の表面には、CVDによって、クロム膜124が形成され、図8に示された各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eの黒丸で示される基準点および白丸で示される計測点の位置に、それぞれ、スリット125が、規則的に形成されている。
【0486】
ここに、スリット125は、レーザ光4の走査方向に対する幅が、レーザ光4のビーム径とほぼ同等となるように形成されている。
【0487】
InGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123は、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4が照射されたとき、それぞれ、レーザ光4によって励起されて、蛍光を発する性質を有しており、したがって、5つのシェーディング評価用デバイス120を用いて、以下のようにして、シェーディング補正データを生成することができる。
【0488】
まず、5つのシェーディング評価用デバイス120が、各シェーディング評価用デバイス120の9つのスリット125の位置が、それぞれ、図8に示された各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eの黒丸で示される基準点および白丸で示される計測点の位置に合致するように、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされる。
【0489】
次いで、オペレータによって、シェーディングデータ生成信号が、キーボード88に入力されると、シェーディングデータ生成信号は、コントロールユニット80に出力される。
【0490】
シェーディングデータ生成信号を受けると、コントロールユニット80は、まず、スキャナ内の温度を15℃に設定し、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28aを光路内に位置させる。
【0491】
同時に、コントロールユニット80は、EPROM82に記憶された第1のレーザ励起光源1を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP640、第一のサンプル位置の温度係数K1、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1、640nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データならびに共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を読み出すとともに、温度センサ84によって検出され、入力されたスキャナ内温度Tを用いて、次式(1)にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0492】
P=Pλ+A×{ΔDi+Ki×(T−T0)} (1)
ここに、Aは、駆動パルスと距離の換算係数であり、λは、標識物質の励起に使用するレーザ光4の波長、iは1ないし5の整数で、サンプルキャリア21の開口部51、52、53、54、55の位置を示すものであり、この場合には、Pλ=P640、ΔDi=ΔD1、Ki=K1である。
【0493】
次いで、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせる。
【0494】
第1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光とされた後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0495】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120に入射する。
【0496】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動されるとともに、副走査用モータ47により、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、640nmの波長のレーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の全面が走査される。
【0497】
規則的に形成された9つのスリット125を介して、レーザ光4の照射を受けると、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123が励起されて、蛍光25が放出される。
【0498】
InGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0499】
フィルタユニット27は、フィルタ28aが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は、640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過させる性質を有するフィルタ28aに入射する。
【0500】
ここに、蛍光の波長は、励起光であるレーザ光4の波長よりも長いため、レーザ光4がカットされ、InGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25のみが、フィルタ28aを透過する。
【0501】
フィルタ28aを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、最も径の小さいピンホール32a上に集光され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0502】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34により、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置35に送られる。
【0503】
A/D変換器34により、ディジタル化され、データ処理装置35に送られたディジタルデータは、ラインメモリ100に記憶される。
【0504】
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1をオフする。
【0505】
ラインメモリ100に記憶されたディジタルデータは、データ処理部101によって読み出される。
【0506】
データ処理部101は、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータに基づき、蛍光25の信号強度を、各スリット125ごとに、積分して、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを生成する。
【0507】
ここに、共焦点光学系のフォーカスは、距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示される基準点に対してのみ、共焦点光学系のフォーカスが調整されているにすぎず、その他の部分に対しては、共焦点光学系のフォーカスが調整されていない。
【0508】
その結果、このようにして生成され、データ処理部101により読み出されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、シェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置以外に形成された8つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、シェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生し、シェーディング評価用デバイス120の距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、640nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度に比して、シェーディング評価用デバイス120に形成された他のスリット125を介して、レーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度は小さくなっている。
【0509】
したがって、シェーディング評価用デバイス120の基準位置以外の部分に形成された8つのスリット125を介して、レーザ光4により、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、シェーディング評価用デバイス120の距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、640nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、ディジタルデータを補正するシェーディング補正データを生成して、シェーディング補正データ記憶部102に記憶させておけば、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されたシェーディング補正データを用いて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたマイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを補正することにより、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータのシェーディングを打ち消すことが可能になる。
【0510】
そこで、データ処理部101は、こうして得られたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータに基づき、シェーディング評価用デバイス120の基準位置以外の部分に形成された8つのスリット125を介して、レーザ光4により、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、シェーディング評価用デバイス120の距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、640nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0511】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが、データ処理部101によって生成されて、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する640nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0512】
第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する640nmの波長のレーザ光4の照射に先立って、コントロールユニット80は、まず、EPROM82に記憶された第二のサンプル位置の温度係数K2および第二のサンプル位置の距離補正値ΔD2を読み出して、次式にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0513】
P=P640+A×{ΔD2+K2×(T−T0)}
次いで、コントロールユニット50は、第1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力して、オンさせ、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の場合と全く同様にして、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120の9つのスリット125内のInGaAsP層121を、640nmの波長のレーザ光4によって走査し、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ラインメモリ100に記憶させる。
【0514】
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1をオフする。
【0515】
ラインメモリ100に記憶されたディジタルデータは、データ処理部101によって読み出され、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータに基づき、蛍光25の信号強度が、各スリット125ごとに、積分されて、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが生成される。
【0516】
ここに、共焦点光学系のフォーカスは、距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示される基準点に対してのみ、共焦点光学系のフォーカスが調整されているにすぎず、その他の部分に対しては、共焦点光学系のフォーカスが調整されていないから、このようにして生成され、データ処理部101により読み出されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生している。
【0517】
そこで、データ処理部101は、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125を介して、レーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、640nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0518】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが、データ処理部101によって生成されて、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する640nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0519】
サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対しては、コントロールユニット80は、EPROM82から、第三のサンプル位置の温度係数K3、第三のサンプル位置の距離補正値ΔD3を読み出し、下記の式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の場合と、全く同様にして、第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされたシェーディング評価用デバイス120の9つのスリット125内のInGaAsP層121を、640nmの波長のレーザ光4によって走査し、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ラインメモリ100に記憶させる。
【0520】
P=P640+A×{ΔD3+K3×(T−T0)}
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1をオフする。
【0521】
ラインメモリ100に記憶されたディジタルデータは、データ処理部101によって読み出され、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータに基づき、蛍光25の信号強度が、各スリット125ごとに、積分されて、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが生成される。
【0522】
ここに、共焦点光学系のフォーカスは、距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示される基準点に対してのみ、共焦点光学系のフォーカスが調整されているにすぎず、その他の部分に対しては、共焦点光学系のフォーカスが調整されていないから、このようにして生成され、データ処理部101により読み出されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生している。
【0523】
そこで、データ処理部101は、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125を介して、レーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、640nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0524】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部53にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが、データ処理部101によって生成されて、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する640nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0525】
第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対しては、コントロールユニット80は、EPROM82から、第四のサンプル位置の温度係数K4、第四のサンプル位置の距離補正値ΔD4を読み出し、下記の式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の場合と、全く同様にして、第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされたシェーディング評価用デバイス120の9つのスリット125内のInGaAsP層121を、640nmの波長のレーザ光4によって走査し、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ディジタルデータをラインメモリ100に記憶させる。
【0526】
P=P640+A×{ΔD4+K4×(T−T0)}
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1をオフする。
【0527】
ラインメモリ100に記憶されたディジタルデータは、データ処理部101によって読み出され、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータに基づき、蛍光25の信号強度が、各スリット125ごとに、積分されて、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが生成される。
【0528】
ここに、共焦点光学系のフォーカスは、距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示される基準点に対してのみ、共焦点光学系のフォーカスが調整されているにすぎず、その他の部分に対しては、共焦点光学系のフォーカスが調整されていないから、このようにして生成され、データ処理部101により読み出されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生している。
【0529】
そこで、データ処理部101は、サンプルキャリア21の第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125を介して、レーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、640nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第四のサンプル位置である第四の開口部54にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0530】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第四のサンプル位置である第四の開口部53にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが、データ処理部101によって生成されて、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する640nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0531】
第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対しては、コントロールユニット80は、EPROM82から、第五のサンプル位置の温度係数K5、第五のサンプル位置の距離補正値ΔD5を読み出し、下記の式にしたがって、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の場合と、全く同様にして、第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120の9つのスリット125内のInGaAsP層121を、640nmの波長のレーザ光4によって走査し、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ディジタルデータをラインメモリ100に記憶させる。
【0532】
P=P640+A×{ΔD5+K5×(T−T0)}
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1をオフする。
【0533】
ラインメモリ100に記憶されたディジタルデータは、データ処理部101によって読み出され、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータに基づき、蛍光25の信号強度が、各スリット125ごとに、積分されて、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが生成される。
【0534】
ここに、共焦点光学系のフォーカスは、距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示される基準点に対してのみ、共焦点光学系のフォーカスが調整されているにすぎず、その他の部分に対しては、共焦点光学系のフォーカスが調整されていないから、このようにして生成され、データ処理部101により読み出されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生している。
【0535】
そこで、データ処理部101は、サンプルキャリア21の第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125を介して、レーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、640nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0536】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、スキャナ内の温度を25℃に設定して、640nmの波長のレーザ光によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査し、スキャナ内温度が15℃に設定された場合と全く同様にして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が25℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶される。
【0537】
次いで、コントロールユニット80は、スキャナ内の温度を35℃に設定し、640nmの波長のレーザ光によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査し、スキャナ内温度が15℃に設定された場合と全く同様にして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、スキャナ内温度が35℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶される。
【0538】
以上のようにして、スキャナ内温度を15℃、25℃および35℃に設定した場合において、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、640nmの波長のレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1を用いて、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1をオフし、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を元の位置に復帰させ、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置させたまま、共焦点切り換え部材31を保持しつつ、スキャナ内の温度を15℃に設定する。
【0539】
同時に、コントロールユニット80は、EPROM82に記憶された第2のレーザ励起光源2を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP532、第一のサンプル位置の温度係数K1、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1、532nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データならびに共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を読み出すとともに、温度センサ84によって検出され、入力されたスキャナ内温度Tを用いて、次式(1)にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0540】
P=Pλ+A×{ΔDi+Ki×(T−T0)} (1)
ここに、Aは、駆動パルスと距離の換算係数であり、λは、標識物質の励起に使用するレーザ光4の波長、iは1ないし5の整数で、サンプルキャリア21の開口部51、52、53、54、55の位置を示すものであり、この場合には、Pλ=P532、ΔDi=ΔD1、Ki=K1である。
【0541】
次いで、コントロールユニット50は、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28bを光路内に位置させるとともに、第2のレーザ励起光源2を起動させる。
【0542】
第2のレーザ励起光源2から発せられた532nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ9によって、平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー7に入射して、反射される。
【0543】
第1のダイクロイックミラー7によって反射されたレーザ光4は、第2のダイクロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射する。
【0544】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120に入射する。
【0545】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動されるとともに、副走査用モータ47により、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、532nmの波長のレーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の全面が走査される。
【0546】
規則的に形成された9つのスリット125を介して、レーザ光4の照射を受けると、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123が励起されて、蛍光25が放出される。
【0547】
InGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0548】
フィルタユニット27は、フィルタ28bが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過させる性質を有するフィルタ28bに入射する。
【0549】
ここに、蛍光の波長は、励起光であるレーザ光4の波長よりも長いため、レーザ光4がカットされ、InGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25のみが、フィルタ28bを透過する。
【0550】
フィルタ28bを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、最も径の小さいピンホール32a上に集光され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0551】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34により、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置35に送られる。
【0552】
A/D変換器34により、ディジタル化され、データ処理装置35に送られたディジタルデータは、ラインメモリ100に記憶される。
【0553】
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光源2をオフする。
【0554】
上述のように、こうして、生成されて、ラインメモリ100に記憶されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、シェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置以外に形成された8つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、シェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生している。
【0555】
そこで、データ処理装置35のデータ処理部101は、640nmの波長のレーザ光4を用いて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査した場合と同様にして、こうして得られたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータに基づき、シェーディング評価用デバイス120の基準位置以外の部分に形成された8つのスリット125を介して、532nmのレーザ光4により、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、シェーディング評価用デバイス120の距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、532nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0556】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが、データ処理部101によって生成されて、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する532nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0557】
第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する532nmの波長のレーザ光4の照射に先立って、コントロールユニット80は、まず、EPROM82に記憶された第二のサンプル位置の温度係数K2および第二のサンプル位置の距離補正値ΔD2を読み出して、次式にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0558】
P=P532+A×{ΔD2+K2×(T−T0)}
次いで、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力して、オンさせ、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の場合と全く同様にして、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120の9つのスリット125内のInGaAsP層121を、532nmの波長のレーザ光4によって走査し、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ラインメモリ100に記憶させる。
【0559】
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光源2をオフする。
【0560】
ラインメモリ100に記憶されたディジタルデータは、データ処理部101によって読み出され、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータに基づき、蛍光25の信号強度が、各スリット125ごとに、積分されて、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが生成される。
【0561】
上述のように、共焦点光学系のフォーカスは、距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示される基準点に対してのみ、共焦点光学系のフォーカスが調整されているにすぎず、その他の部分に対しては、共焦点光学系のフォーカスが調整されていないから、このようにして生成され、データ処理部101により読み出されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生している。
【0562】
そこで、データ処理部101は、640nmの波長のレーザ光4を用いて、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査した場合と同様にして、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125を介して、532nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、532nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットし、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0563】
サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部52ないし第五のサンプル位置である第5の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を、532nmの波長のレーザ光4によって走査した場合にも、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、生成された共焦点光学系のフォーカス位置データP532を用いる以外は、640nmの波長のレーザ光4によって、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部52ないし第五のサンプル位置である第5の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査した場合と同様にして、シェーディング補正データが生成され、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶される。
【0564】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、スキャナ内の温度を25℃に設定して、532nmの波長のレーザ光によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査し、スキャナ内温度が15℃に設定された場合と全く同様にして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、スキャナ内温度が25℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶される。
【0565】
次いで、コントロールユニット80は、スキャナ内の温度を35℃に設定し、532nmの波長のレーザ光によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査し、スキャナ内温度が15℃に設定された場合と全く同様にして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、スキャナ内温度が35℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶される。
【0566】
以上のようにして、スキャナ内温度を15℃、25℃および35℃に設定した場合において、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、532nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光源2をオフし、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を元の位置に復帰させ、最も径の小さいピンホール32aが光路内に位置させたまま、共焦点切り換え部材31を保持しつつ、スキャナ内の温度を15℃に設定する。
【0567】
同時に、コントロールユニット80は、EPROM82に記憶された第3のレーザ励起光源3を用いた場合の共焦点光学系のフォーカス位置データP473、第一のサンプル位置の温度係数K1、第一のサンプル位置の距離補正値ΔD1、532nmの波長のレーザ光4に対する共焦点光学系のフォーカス位置データならびに共焦点光学系のフォーカス位置データおよびn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0を読み出すとともに、温度センサ84によって検出され、入力されたスキャナ内温度Tを用いて、次式(1)にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0568】
P=Pλ+A×{ΔDi+Ki×(T−T0)} (1)
ここに、Aは、駆動パルスと距離の換算係数であり、λは、標識物質の励起に使用するレーザ光4の波長、iは1ないし5の整数で、サンプルキャリア21の開口部51、52、53、54、55の位置を示すものであり、この場合には、Pλ=P473、ΔDi=ΔD1、Ki=K1である。
【0569】
次いで、コントロールユニット50は、フィルタユニットモータ85に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移動させ、473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ28cを光路内に位置させるとともに、第3のレーザ励起光源3を起動させる。
【0570】
第3のレーザ励起光源3から発せられた473nmの波長のレーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平行な光とされた後、第2のダイクロイックミラー8によって反射され、光学ヘッド15に入射する。
【0571】
光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成された穴17を通過して、レンズ19によって集光され、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120に入射する。
【0572】
サンプルステージ20は、主走査用モータ43によって、図3において、矢印Xで示される主走査方向に、レーザ光4のビーム径とほぼ同等の画素ピッチで、移動されるとともに、副走査用モータ47により、図3において、矢印Yで示される副走査方向に移動されるため、473nmの波長のレーザ光4によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の全面が走査される。
【0573】
規則的に形成された9つのスリット125を介して、レーザ光4の照射を受けると、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123が励起されて、蛍光25が放出される。
【0574】
InGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25は、レンズ19によって、平行な光とされ、穴明きミラー18によって反射され、フィルタユニット27に入射する。
【0575】
フィルタユニット27は、フィルタ28cが光路内に位置するように移動されているため、蛍光25は、473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過させる性質を有するフィルタ28cに入射する。
【0576】
ここに、蛍光の波長は、励起光であるレーザ光4の波長よりも長いため、レーザ光4がカットされ、InGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25のみが、フィルタ28cを透過する。
【0577】
フィルタ28cを透過した蛍光25は、ミラー29によって反射され、レンズ30によって、最も径の小さいピンホール32a上に集光され、フォトマルチプライア33によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0578】
フォトマルチプライア33によって生成されたアナログデータはA/D変換器34により、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置35に送られる。
【0579】
A/D変換器34により、ディジタル化され、データ処理装置35に送られたディジタルデータは、ラインメモリ100に記憶される。
【0580】
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第3のレーザ励起光源3をオフする。
【0581】
上述のように、こうして、生成されて、ラインメモリ100に記憶されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、シェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置以外に形成された8つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、シェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生している。
【0582】
そこで、データ処理装置35のデータ処理部101は、640nmの波長のレーザ光4を用いて、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査した場合と同様にして、こうして得られたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータに基づき、シェーディング評価用デバイス120の基準位置以外の部分に形成された8つのスリット125を介して、473nmのレーザ光4により、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、シェーディング評価用デバイス120の距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、473nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0583】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットし、473nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが、データ処理部101によって生成されて、シェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する473nmの波長のレーザ光4の照射を開始する。
【0584】
第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に対する473nmの波長のレーザ光4の照射に先立って、コントロールユニット80は、まず、EPROM82に記憶された第二のサンプル位置の温度係数K2および第二のサンプル位置の距離補正値ΔD2を読み出して、次式にしたがい、ステッピングモータ76に与える駆動パルス数Pを決定し、ステッピングモータ76に駆動信号を出力して、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させ、その位置に保持させる。
【0585】
P=P473+A×{ΔD2+K2×(T−T0)}
次いで、コントロールユニット50は、第3のレーザ励起光源3に駆動信号を出力して、オンさせ、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の場合と全く同様にして、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120の9つのスリット125内のInGaAsP層121を、473nmの波長のレーザ光4によって走査し、シェーディング評価用デバイス120のInGaAsP層121と、GaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器34によって、ディジタル化して、ラインメモリ100に記憶させる。
【0586】
シェーディング評価用デバイス120の全面が走査され、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが、ラインメモリ100に記憶されると、コントロールユニット80は、第3のレーザ励起光源3をオフする。
【0587】
ラインメモリ100に記憶されたディジタルデータは、データ処理部101によって読み出され、ラインメモリ100から読み出したディジタルデータに基づき、蛍光25の信号強度が、各スリット125ごとに、積分されて、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータが生成される。
【0588】
上述のように、共焦点光学系のフォーカスは、距離測定用デバイス92a上の図8において黒丸で示される基準点に対してのみ、共焦点光学系のフォーカスが調整されているにすぎず、その他の部分に対しては、共焦点光学系のフォーカスが調整されていないから、このようにして生成され、データ処理部101により読み出されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータには、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125内のInGaAsP層121の距離が、光学ヘッド15のレンズ19と、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125内のInGaAsP層121の距離と等しくないことに起因して、シェーディングが発生している。
【0589】
そこで、データ処理部101は、640nmの波長のレーザ光4を用いて、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査した場合と同様にして、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットされたシェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125を介して、473nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、473nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第二のサンプル位置である第二の開口部52にセットし、473nmの波長のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データとして、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させる。
【0590】
サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部52ないし第五のサンプル位置である第5の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を、473nmの波長のレーザ光4によって走査した場合にも、473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いて、生成された共焦点光学系のフォーカス位置データP473を用いる以外は、640nmの波長のレーザ光4によって、サンプルキャリア21の第三のサンプル位置である第三の開口部52ないし第五のサンプル位置である第5の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査した場合と同様にして、シェーディング補正データが生成され、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶される。
【0591】
こうして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いて、スキャナ内温度が15℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶されると、コントロールユニット80は、スキャナ内の温度を25℃に設定して、473nmの波長のレーザ光によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査し、スキャナ内温度が15℃に設定された場合と全く同様にして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いて、スキャナ内温度が25℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶される。
【0592】
次いで、コントロールユニット80は、スキャナ内の温度を35℃に設定し、473nmの波長のレーザ光によって、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットされたシェーディング評価用デバイス120を走査し、スキャナ内温度が15℃に設定された場合と全く同様にして、マイクロアレイを、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51ないし第五のサンプル位置である第五の開口部55にセットし、473nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いて、スキャナ内温度が35℃において、マイクロアレイに含まれた蛍光物質のディジタルデータを生成する場合のシェーディング補正データが生成されて、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶される。
【0593】
本実施態様によれば、シェーディング評価用デバイス120を、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4によって走査して、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを生成し、生成されたシェーディング評価用デバイス120のディジタルデータに基づいて、シェーディング評価用デバイス120に形成された9つのスリット125を介して、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度が、サンプルキャリア21の第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の図8に示される距離測定用デバイス92a上の基準点に対応する基準位置に形成されたスリット125を介して、473nmの波長のレーザ光4によって、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を走査し、第一のサンプル位置である第一の開口部51にセットされたシェーディング評価用デバイス120の基準位置に形成されたスリット125を介して、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123から放出された蛍光25を検出して得たディジタルデータの信号強度と等しくなるように、シェーディング評価用デバイス120のディジタルデータを補正することのできるディジタルデータを生成するだけで、シェーディング補正データを生成することができ、640nmの波長のレーザ光4、532nmの波長のレーザ光4および473nmの波長のレーザ光4を、フォーカス位置決定用デバイス95に照射して、生成されたディジタルデータの信号強度の積分値をプロットして得た曲線A、BおよびCを、n次関数で、フィッティングして、各波長毎に、n次関数の係数を求めることも、また、第一のサンプル位置の計測点変位データV1ないし第五のサンプル位置の計測点変位データV5を求めることも必要がなく、さらには、各波長毎に求めたn次関数の係数と、第一のサンプル位置の計測点変位データV1ないし第五のサンプル位置の計測点変位データV5に基づいて、シェーディング補正データを生成する必要もなく、したがって、簡易な演算で、シェーディング補正データを生成することが可能になる。
【0594】
また、スライドガラス板96上に、蛍光色素を含むスポット97を形成し、レーザ光4を照射して、共焦点光学系のフォーカス位置を決定する場合には、レーザ光4の照射にともなって、蛍光色素が劣化して、蛍光色素から放出される蛍光の光量が、経時的に低下し、精度よく、共焦点光学系のフォーカス位置を決定することが困難になる場合があり、したがって、所望のように、シェーディング補正データを生成することができない場合があるが、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123は、レーザ光4の照射を受けても劣化することがないから、本実施態様によれば、所望のように、シェーディング補正データを生成することが可能になるとともに、フォーカス位置決定用デバイス110を、繰り返し使用して、シェーディング補正データを生成することが可能になる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0595】
たとえば、前記実施態様においては、静電容量型変位計79を用いて、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされた距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成するように構成されているが、オートフォーカスやレーザ変位計などの光学的手段を用いて、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされた距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成するように構成することもでき、光学的手段を用いて、距離データを生成する場合には、クロム膜91などの金属膜を形成する必要はない。
【0596】
さらに、前記実施態様においては、スキャナ内の温度を、15℃、25℃および35℃に設定し、静電容量型変位計79を用いて、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされた距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成し、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされた距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データに基づいて、第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5を算出しているが、マイクロアレイの形状およびマイクロアレイの担体の材料の線膨張係数に基づいて、第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5を算出するように構成することもできる。
【0597】
また、前記実施態様においては、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55に対応する第一のサンプル位置ないし第五のサンプル位置毎に、共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、レンズ高さ位置調整装置70を用いて、光学ヘッド15のレンズ19の鉛直方向の位置を調整しているが、一主走査ライン毎に、あるいは、所定数の主走査ライン毎に、共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、レンズ高さ位置調整装置70を用いて、光学ヘッド15のレンズ19の鉛直方向の位置を調整するように構成することもできる。
【0598】
さらに、前記実施態様においては、各距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92e上の9つの計測点の距離データを計測するように構成されているが、距離データを計測する点の数は9つに限定されるものではなく、その数および位置は任意に決定することができる。
【0599】
また、前記実施態様においては、あらかじめ、シェーディング補正データを生成し、シェーディング補正データ記憶部102に記憶させるように構成されているが、あらかじめ、シェーディング補正データを生成して、シェーディング補正データ記憶部102に記憶させておくことは必ずしも必要でない。
【0600】
さらに、前記実施態様においては、データ処理部101が、シェーディング補正データを生成するように構成されているが、コントロールユニット80が、シェーディング補正データを生成するように構成することもできる。
【0601】
また、図1ないし図13に示された実施態様ならびに図14および図15に示された実施態様においては、ディジタルデータの信号強度の積分値をプロットして得た曲線A、BおよびCを、n次関数により、フィッティングして生成され、EPROM82に記憶された各波長毎のn次関数の係数、EPROM82に記憶された第一のサンプル位置の計測点変位データV1ないし第五のサンプル位置の計測点変位データV5ならびに各波長毎のn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0に基づいて、コントロールユニット80が、シェーディング補正データを生成して、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させるように構成されているが、データ処理装置35のデータ処理部101が、EPROM82に記憶された各波長毎のn次関数の係数、EPROM82に記憶された第一のサンプル位置の計測点変位データV1ないし第五のサンプル位置の計測点変位データV5ならびに各波長毎のn次関数の係数を求めた際のスキャナ内温度の平均値T0に基づいて、シェーディング補正データを生成して、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させるように構成することもできる。
【0602】
また、図1ないし図13に示された実施態様ならびに図14および図15に示された実施態様においては、ディジタルデータの信号強度の積分値をプロットして得た曲線A、BおよびCを、n次関数により、フィッティングして、各波長毎のn次関数の係数を算出しているが、n次関数に代えて、ガウス関数、ローレンツ関数などの他の関数とそのパラメータを用いることもでき、フィッティングに代えて、計測点変位データを記憶し、それを、直線あるいはn次で補間するようにしてもよい。
【0603】
さらに、図16および図17に示された実施態様においては、データ処理装置35のデータ処理部101が、シェーディング補正データを生成して、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させるように構成されているが、コントロールユニット80が、シェーディング補正データを生成して、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶させるように構成することもできる。
【0604】
また、前記実施態様においては、シェーディング補正データは、データ処理装置35のシェーディング補正データ記憶部102に記憶されるように構成されているが、EPROM82に記憶させるように構成することもできる。
【0605】
さらに、前記実施態様においては、スキャナ内温度が、15℃、25℃および35℃の場合につき、シェーディング補正データを生成して、シェーディング補正データ記憶部102に記憶させ、マイクロアレイに含まれた蛍光色素のディジタルデータのシェーディングを補正するにあたって、シェーディング補正データ記憶部102に記憶された15℃、25℃および35℃におけるシェーディング補正データに基づいて、温度センサ84によって検出されたスキャナ内温度に対応するシェーディング補正データを生成して、マイクロアレイに含まれた蛍光色素のディジタルデータのシェーディングを補正するように構成されているが、15℃、25℃および35℃におけるシェーディング補正データに基づいて、あらかじめ、スキャナ内温度ごとに、シェーディング補正データを生成して、シェーディング補正データ記憶部102に記憶させるように構成するようにしても、あるいは、たとえば、25℃のシェーディング補正データのみを、シェーディング補正データ記憶部102に記憶させて、スキャナ内温度にかかわらず、25℃のシェーディング補正データを用いて、マイクロアレイに含まれた蛍光色素のディジタルデータのシェーディングを補正するように構成するようにしてもよい。
【0606】
また、前記実施態様においては、スキャナ内の温度が、15℃、25℃および35℃の場合につき、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされた距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成するように構成されているが、いかなるスキャナ内温度の場合に、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされた距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eと、光学ヘッド15のレンズ19との間の距離データを生成するかは任意に決定することができる。
【0607】
さらに、前記実施態様においては、サンプルキャリア21の第一の開口部51ないし第五の開口部55にセットされた距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eと、光学ヘッド15のレンズ19との間の15℃、25℃および35℃における距離データに基づいて、第一のサンプル位置の温度係数K1ないし第五のサンプル位置の温度係数K5を算出し、スキャナ内温度にしたがって、共焦点光学系のフォーカス位置データを補正しているが、たとえば、25℃における距離データのみを計測して、共焦点光学系のフォーカス位置を決定するように構成して、スキャナ内温度による共焦点光学系のフォーカス位置データの補正を省略することもできる。
【0608】
また、前記実施態様においては、距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eは、その全面に、スパッタリングによってクロム膜91が形成されたスライドガラス板90によって構成されているが、クロム膜91を、スライドガラス板90の全面に形成する必要はなく、少なくとも、距離データを計測する距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eの計測点に、クロム膜91が形成されていればよい。
【0609】
さらに、前記実施態様においては、距離測定用デバイス92a、92b、92c、92d、92eは、その全面に、スパッタリングによってクロム膜91が形成されたスライドガラス板90によって構成されているが、クロム膜91に代えて、アルミニウム、金、ニッケル−クロム合金およびチタン−ニッケル−クロムよりなる群から選ばれる材料によって形成された金属膜を設けるようにしてもよい。
【0610】
また、図14および図15に示された実施態様においては、フォーカス位置決定用デバイス110は、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成した色ガラスフィルタよりなる支持体111を備えているが、ガラスに、CdS−CdSeの固溶体をドープして形成した色ガラスフィルタに代えて、珪砂、ソーダ灰および石灰石よりなる群から選ばれた材料を主成分とするガラスに、ZnS−CdSの固溶体をドープして形成された色ガラスフィルタを用いることもでき、また、図16および図17に示されたシェーディング評価用デバイス120と同様に、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123によって、フォーカス位置決定用デバイス110の支持体111を形成してもよく、IV族元素、II−VI族化合物、III−V族化合物およびこれらの複合体よりなる群から選ばれた材料によって、フォーカス位置決定用デバイス110の支持体111が形成されていればよい。
【0611】
さらに、図16および図17に示された実施態様においては、シェーディング評価用デバイス120は、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を備えているが、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123に代えて、図14および図15に示された実施態様にかかるフォーカス位置決定用デバイス110の支持体111と同様に、色ガラスフィルタを用いることもでき、CdS−CdSeの固溶体およびZnS−CdSの固溶体よりなる群から選ばれる材料や、IV族元素、II−VI族化合物、III−V族化合物およびこれらの複合体よりなる群から選ばれた材料によって、シェーディング評価用デバイス120を形成するようにしてもよい。
【0612】
また、図11に示された実施態様においては、フォーカス位置決定用デバイス95のスライドガラス板96には、Fluor−X(登録商標)、Cy−3(登録商標)およびCy−5(登録商標)を含むスポット97が形成されているが、スポット97が、473nmの波長のレーザ光4によって効率的に励起可能な蛍光色素、532nmの波長のレーザ光4によって効率的に励起可能な蛍光色素および640nmの波長のレーザ光4によって効率的に励起可能な蛍光色素を含んでいればよく、スポット97が、Fluor−X、Cy−3およびCy−5を含んでいることは必ずしも必要でない。
【0613】
さらに、図11に示された実施態様においては、フォーカス位置決定用デバイス95として、表面に、Fluor−X(登録商標)、Cy−3(登録商標)およびCy−5(登録商標)を含んだポット97が形成されたスライドガラス板96が用いられ、図14および図15に示された実施態様においては、フォーカス位置決定用デバイス110が、色ガラスフィルタよりなる支持体111を備え、いずれも、レーザ光4の照射を受けたときに、励起されて、蛍光を発するように構成されているが、レーザ光4の照射を受けたときに、励起されて、フォトルミネッセンスを発するように、フォーカス位置決定用デバイス95、11を構成することもできる。
【0614】
また、図16および図17に示された実施態様においては、シェーディング評価用デバイス120は、InGaAsP層121とGaAs層122との積層体123を備え、レーザ光4の照射を受けたときに、励起されて、蛍光を発するように構成されているが、レーザ光4の照射を受けたときに、励起されて、フォトルミネッセンスを発するように、シェーディング評価用デバイス120を構成することもできる。
【0615】
さらに、前記実施態様においては、サンプルキャリア21には、5つ開口部51、52、53、54、55が形成され、サンプルキャリア21が、5つのマイクロアレイを保持可能に構成されているが、サンプルキャリア21が保持可能なマイクロアレイの数は、任意に決定することができ、5つに限られるものではない。
【0616】
また、前記実施態様においては、ステッピングモータ76を用いて、光学ヘッド15のレンズ19を移動させているが、他の駆動手段を用いて、光学ヘッド15のレンズ19を移動させるようにしてもよい。
【0617】
さらに、前記実施態様においては、スキャナは、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成され、さらに、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されるとともに、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されているが、スライドガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されていればよく、さらに、蛍光色素によって、選択的に標識された変性DNAを含む転写支持体を担体とした蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されるとともに、放射性標識物質によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが形成されたメンブレンフィルタなどの担体を、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されていることは、必ずしも必要でない。
【0618】
また、前記実施態様においては、スキャナは、第1のレーザ励起光源1、第2のレーザ励起光源2および第3のレーザ励起光源3を備えているが、3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも必要ない。
【0619】
さらに、前記実施態様においては、第1のレーザ励起光源1として、640nmの波長のレーザ光4を発する半導体レーザ光源を用いているが、640nmの波長のレーザ光4を発する半導体レーザ光源に代えて、633nmの波長を有するレーザ光4を発するHe−Neレーザ光源あるいは635nmのレーザ光4を発する半導体レーザ光源を用いてもよく、630ないし650nmの波長のレーザ光を発するレーザ光源であれば、第1のレーザ励起光源1として用いることができる。
【0620】
また、前記実施態様においては、第2のレーザ励起光源2として、532nmの波長のレーザ光を発するレーザ光源を用い、第3のレーザ励起光源3として、473nmの波長のレーザ光を発するレーザ光源を用いているが、励起する蛍光物質の種類に応じて、第2のレーザ励起光源2として、530ないし540nmの波長のレーザ光を発するレーザ光源を、第3のレーザ励起光源3として、470ないし490nmの波長のレーザ光を発するレーザ光源を、それぞれ、用いることもできる。
【0621】
また、前記実施態様においては、スキャナは、640nmの波長を有するレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1、532nmの波長を有するレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2および473nmの波長を有するレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を備え、したがって、640nmの波長を有するレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1、532nmの波長を有するレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2および473nmの波長を有するレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いた場合のそれぞれにつき、共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、フォーカス位置データをEPROM82に記憶させているが、レーザ光4の波長は任意であり、使用するレーザ光4の波長に応じて、共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、フォーカス位置データをEPROM82に記憶させ、フォーカス位置データを用いて、光学ヘッド15のレンズ19の位置を調整すればよく、640nmの波長を有するレーザ光4を発する第1のレーザ励起光源1、532nmの波長を有するレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2および473nmの波長を有するレーザ光4を発する第3のレーザ励起光源3を用いた場合のそれぞれにつき、共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、フォーカス位置データをEPROM82に記憶させておくことは必ずしも必要でない。
【0622】
また、前記実施態様においては、前記実施態様においては、共焦点切り換え部材31には、3つの径の異なるピンホール32a、32b、32cが形成され、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32aが、輝尽性蛍光体層を露光して得た放射性標識物質の位置情報が記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光4によって走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32bが、転写支持体を担体とする蛍光サンプルを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32cが、それぞれ、用いられているが、共焦点切り換え部材31に、ピンホール32a、32bのみを形成し、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32aを介して、蛍光25を受光し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、ピンホール32bを介して、輝尽光を受光し、転写支持体を担体とした蛍光サンプルから放出された蛍光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、共焦点切り換え部材31を、蛍光25の光路から退避させ、フォトマルチプライア33の受光光量が増大するように構成することもできるし、また、共焦点切り換え部材31に、ピンホール32aのみを形成し、蛍光色素によって選択的に標識された試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成されているマイクロアレイを、レーザ光4によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときにのみ、ピンホール32aを介して、蛍光25を受光し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときおよび転写支持体を担体とした蛍光サンプルから放出された蛍光25を光電的に検出して、生化学解析用のデータを生成するときには、共焦点切り換え部材31を、蛍光25の光路から退避させ、フォトマルチプライア33の受光光量が増大するように構成することもできる。
【0623】
さらに、前記実施態様においては、サンプル22が、転写支持体を担体として用いた蛍光サンプルの場合および蓄積性蛍光体シートの場合にも、マイクロアレイの場合と同様に、共焦点光学系のフォーカスを調整しているが、サンプル22が、転写支持体を担体として用いた蛍光サンプルの場合や蓄積性蛍光体シートの場合には、マイクロアレイに比して、共焦点光学系のフォーカスを、高精度に調整することは要求されていないから、蛍光サンプルや蓄積性蛍光体シートの位置に応じて、温度補正、変位補正をおこなうことなく、P=P532として、駆動パルスの駆動信号を、ステッピングモータ76に出力し、光学ヘッド15のレンズ19を所定の位置に移動させて、その位置に保持させるように構成することもできる。
【0624】
【発明の効果】
本発明によれば、特別な機構を必要とすることなく、高精度で、共焦点光学系のフォーカスを調整することができ、所望のように、生化学解析用のデータが生成することができる共焦点光学系を備えたスキャナ、共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法ならびに共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの略斜視図である。
【図2】図2は、共焦点切り換え部材の略正面図である。
【図3】図3は、サンプルステージの走査機構のうち、主走査機構の詳細を示す略斜視図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナのサンプルステージにセットされるサンプルキャリアの略斜視図である。
【図5】図5は、光学ヘッドに設けられたレンズの高さ位置を調整するレンズ高さ位置調整装置の略斜視図である。
【図6】図6は、マイクロメータヘッドと移動方向規制部材の一部切り欠き略側面図である。
【図7】図7は、本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナのの検出系、駆動系、入力系および制御系を示すブロックダイアグラムである。
【図8】図8は、マイクロアレイと、光学ヘッドのレンズとの間の距離データを生成する際に使用される距離測定用デバイスの略縦断面図である。
【図9】図9は、マイクロアレイと、光学ヘッドのレンズとの間の距離データを生成する際のサンプルキャリアの略平面図である。
【図10】図10は、マイクロアレイと、光学ヘッドのレンズとの間の距離データを生成する際の光学ヘッドに設けられたレンズの高さ位置を調整するレンズ高さ位置調整装置の略斜視図である。
【図11】図11は、フォーカス位置決定用デバイスの略正面図である。
【図12】図12は、データ処理装置のブロックダイアグラムである。
【図13】図13は、レンズの位置を変えつつ、フォーカス位置決定用デバイスを、640nmの波長のレーザ光、532nmの波長のレーザ光および473nmの波長のレーザ4によって、走査して、得たディジタルデータの信号強度の積分値をプロットしたグラフである。
【図14】図14は、本発明の別の好ましい実施態様にかかるスキャナの共焦点光学系のフォーカスを決定するために用いられるフォーカス位置決定用デバイスの略断面図である。
【図15】図15は、本発明の別の好ましい実施態様にかかるスキャナの共焦点光学系のフォーカスを決定するために用いられるフォーカス位置決定用デバイスの略平面図である。
【図16】図16は、本発明の他の好ましい実施態様にかかるスキャナにおいて、シェーディング補正データを生成するために用いられるシェーディング評価用デバイスの略平面図である。
【図17】図17は、本発明の他の好ましい実施態様にかかるスキャナにおいて、シェーディング補正データを生成するために用いられるシェーディング評価用デバイスの略縦断面図である。
【符号の説明】
1 第1のレーザ励起光源
2 第2のレーザ励起光源
3 第3のレーザ励起光源
4 レーザ光
5 コリメータレンズ
6 ミラー
7 第1のダイクロイックミラー
8 第2のダイクロイックミラー
9 コリメータレンズ
10 コリメータレンズ
15 光学ヘッド
16 ミラー
17 穴
18 穴明きミラー
19 レンズ
20 ステージ
21 サンプルキャリア
22 サンプル
23 滴下されたcDNA
25 蛍光または輝尽光
27 フィルタユニット
28a、28b、28c、28d フィルタ
29 ミラー
30 レンズ
31 共焦点切り換え部材
32a、32b、32c、32d、32e ピンホール
33 フォトマルチプライア
34 A/D変換器
35 データ処理装置
40 可動基板
41、41 一対のガイドレール
42 スライド部材
43 主走査用モータ
43a 主走査用モータの出力軸
44 プーリ
45 タイミングベルト
46 ロータリーエンコーダ
47 副走査用モータ
50 フレーム体
51 第一の開口部
52 第二の開口部
53 第三の開口部
54 第四の開口部
55 第五の開口部
51a、52a、53a、54a、55a 板ばね
51b、52b、53b、54b、55b 板ばね
60、61、62、63、64、65 板部材
70 レンズ高さ位置調整装置
71 定盤
72 レンズ基台
73 移動方向規制部材
74 マイクロメータヘッド
75 ボールベアリング
76 ステッピングモータ
77 ギア
78 ギア
79 静電容量型変位計
80 コントロールユニット
81 RAM
82 EPROM
83 キャリアセンサ
84 温度センサ
85 フィルタユニットモータ
86 切り換え部材モータ
87 キーボード
90 スライドガラス板
91 クロム膜
92a、92b、92c、92d、92e 距離測定用デバイス
95 フォーカス位置決定用デバイス
96 スライドガラス板
97 スポット
100 ラインメモリ
101 データ処理部
102 シェーディング補正データ記憶部
103 データ記憶部
110 フォーカス位置決定用デバイス
111 支持体
112 クロム膜
113 ピンホール
120 シェーディング評価用デバイス
121 InGaAsP層
122 GaAs層
123 積層体
124 クロム膜
125 スリット
Claims (43)
- レーザ光を発する少なくとも1つのレーザ励起光源と、少なくとも1つのサンプルを保持したサンプルキャリアを載置すべきサンプルステージと、前記サンプルステージを主走査方向および副走査方向に移動させる走査手段と、共焦点光学系と、共焦点光学系を構成する対物レンズを移動可能な駆動手段と、光を光電的に検出する光検出器と、不揮発性メモリと、制御手段とを備えたスキャナであって、前記不揮発性メモリが、少なくとも1つの距離測定用デバイスを、サンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、前記サンプルキャリアを、前記サンプルステージに載置し、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および前記基準位置とは異なる少なくとも1つの計測位置との距離を計測して、生成された位置データを記憶するとともに、レーザ光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、前記発光材料が前記基準位置に位置するように、前記サンプルキャリアにセットし、前記フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光によって、走査して、前記基準位置に位置した前記発光材料を励起し、前記発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを、前記光検出器によって、光電的に検出し、前記共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、前記光検出器が検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、前記共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、生成されたフォーカス位置データを記憶し、前記制御手段が、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記不揮発性メモリに保存された前記位置データにしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するよう構成されたスキャナであって、前記共焦点光学系を構成する前記対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離が計測されて、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位が算出され、前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位が平均されて、前記位置データが生成され、前記不揮発性メモリに記憶されていることを特徴とするスキャナ。
- 前記光検出器が検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値が最大となる前記共焦点光学系の対物レンズの位置が、前記共焦点光学系のフォーカス位置として決定され、前記不揮発性メモリに、フォーカス位置データとして記憶されていることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ。
- さらに、前記スキャナ内の温度を検出する温度センサを備え、前記不揮発性メモリが、2以上の異なる温度で、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離が計測され、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準温度における基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位が算出されて、算出された前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサによって検出された前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値との温度差に応じて、前記不揮発性メモリに記憶された前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数にしたがって、補正するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のスキャナ。
- 前記サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、前記不揮発性メモリが、2以上の距離測定用デバイスがセットされた前記サンプルキャリアを、前記サンプルステージに載置し、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出され、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が平均されて、生成された前記位置データを記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、前記不揮発性メモリに記憶された前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のスキャナ。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記距離測定用デバイスの表面の基準温度における1つの計測位置を基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出されて、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数が算出され、前記不揮発性メモリが、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数として記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサが検出した前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値との温度差に応じ、前記不揮発性メモリに記憶された前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記共焦点光学系の前記対物レンズの位置を調整するよう構成されたことを特徴とする請求項4に記載のスキャナ。
- 前記不揮発性メモリが、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出され、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が平均されて、生成された前記位置データを記憶していることを特徴とする請求項4または5に記載のスキャナ。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出されて、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数が算出され、前記不揮発性メモリが、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数として記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサが検出した前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値との温度差に応じて、前記不揮発性メモリに記憶された前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載のスキャナ。
- 前記不揮発性メモリが、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出され、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が平均されて、生成された前記位置データを記憶していることを特徴とする請求項6に記載のスキャナ。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離が計測され、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位が算出されて、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数が算出され、前記不揮発性メモリが、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として記憶するとともに、前記温度センサによって検出された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を記憶するように構成され、前記制御手段が、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリに記憶された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記温度センサが検出した前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の温度の平均値との温度差に応じて、前記スキャナの前記メモリに保存された前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されたことを特徴とする請求項8に記載のスキャナ。
- 波長の異なるレーザ光を発する2以上のレーザ励起光源を備え、前記不揮発性メモリが、レーザ光の波長ごとに生成された前記共焦点光学系のフォーカス位置データを記憶し、前記制御手段が、前記2以上のレーザ励起光源のうち、サンプルを走査するために使用するレーザ励起光源から発せられるレーザ光の波長に対応する前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記不揮発性メモリから読み出し、読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記駆動手段に駆動信号を出力して、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスキャナ。
- さらに、データ処理装置を備え、前記不揮発性メモリが、前記光検出器が検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値を、前記制御手段がプロットし、n次関数でフィッティングして、生成した前記n次関数の係数を記憶するとともに、前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位を記憶しているように構成され、前記制御手段あるいは前記データ処理装置が、前記不揮発性メモリに記憶された前記n次関数の係数と前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位に基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成し、前記データ処理装置が、前記シェーディング補正データに基づいて、前記サンプルのディジタルデータを補正するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のスキャナ。
- さらに、データ処理装置を備え、前記不揮発性メモリが、前記光検出器が検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値を、前記制御手段がプロットし、n次関数でフィッティングして、生成した前記n次関数の係数と、前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位に基づいて、前記制御手段によって生成されたサンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを記憶しているように構成され、前記データ処理装置が、前記シェーディング補正データに基づいて、前記サンプルのディジタルデータを補正するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のスキャナ。
- さらに、メモリを備えたデータ処理装置を備え、前記データ処理装置によって、光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、前記支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成され、前記サンプルキャリアにセットされて、前記サンプルステージに載置されたシェーディング評価用デバイスを、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によって、走査し、前記開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記開口部を介して、前記光検出器によって光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータが生成され、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、生成されたシェーディング補正データが、前記不揮発性メモリあるいは前記データ処理装置のメモリに記憶され、前記データ処理装置が、前記不揮発性メモリあるいは前記メモリに記憶された前記シェーディング補正データに基づいて、サンプルのディジタルデータを補正するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のスキャナ。
- 前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータが、前記支持体から放出された蛍光を光電的に検出して生成された信号強度を、前記開口部ごとに積分して、生成されたことを特徴とする請求項13に記載のスキャナ。
- 前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータが、前記シェーディング評価用デバイスに規則的に形成された多数の前記開口部のうち、基準位置に位置する前記開口部に、共焦点光学系のフォーカスを合致させた後に、前記シェーディング評価用デバイスを、前記レーザ光によって、走査して、前記多数の開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記多数の開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたことを特徴とする請求項13または14に記載のスキャナ。
- 少なくとも1つの距離測定用デバイスを、少なくとも1つのサンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、サンプルステージに載置し、共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および前記基準位置とは異なる少なくとも1つの計測位置との距離を計測し、位置データを生成して、前記スキャナの不揮発性メモリに記憶させるとともに、レーザ光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、前記発光材料が前記基準位置に位置するように、前記サンプルキャリアにセットし、前記フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光により、走査して、前記基準位置に位置した前記発光材料を励起し、前記発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを光電的に検出し、共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、検出された前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、前記共焦点光学系のフォーカス位置を決定し、フォーカス位置データを生成して、前記不揮発性メモリに記憶させるステップを有する共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法であって、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出し、前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を平均して、前記位置データを生成することを特徴とする共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 検出された前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値が最大となる前記共焦点光学系の対物レンズの位置を、前記共焦点光学系のフォーカス位置として決定することを特徴とする請求項16に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 2以上の異なる温度で、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出し、算出された前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項16または17に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 前記サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、2以上の距離測定用デバイスがセットされた前記サンプルキャリアを、前記サンプルステージに載置し、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、前記位置データを生成して、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項16または17に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における1つの計測位置を基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を算出し、温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項19に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、前記位置データを生成し、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項19または20に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項21に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、前記位置データを生成し、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項21に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項23に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- レーザ光の波長ごとに、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成して、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項16ないし24のいずれか1項に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- さらに、検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、前記n次関数の係数を生成して、前記不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位を、前記不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項16ないし25のいずれか1項に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- さらに、検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、前記n次関数の係数を生成し、前記n次関数の係数と、前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位とに基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成して、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナのメモリに記憶させることを特徴とする請求項16ないし25のいずれか1項に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、前記支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成されたシェーディング評価用デバイスを、前記サンプルキャリアにセットして、前記サンプルステージに載置し、レーザ光によって、走査して、前記開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成し、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、シェーディング補正データを生成して、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナのメモリに記憶させることを特徴とする請求項16ないし25に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 前記支持体から放出された蛍光を光電的に検出して生成された信号強度を、前記開口部ごとに積分して、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成することを特徴とする請求項28に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 前記シェーディング評価用デバイスに規則的に形成された多数の前記開口部のうち、基準位置に位置する前記開口部に、共焦点光学系のフォーカスを合致させた後に、前記シェーディング評価用デバイスを、前記レーザ光によって、走査して、前記多数の開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記多数の開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成することを特徴とする請求項28または29に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 前記レーザ光の波長毎に、前記シェーディング補正データを生成して、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナのメモリに記憶させることを特徴とする請求項28ないし30のいずれか1項に記載の共焦点光学系を備えたスキャナの共焦点光学系のフォーカス位置データの生成方法。
- 少なくとも1つの距離測定用デバイスを、少なくとも1つのサンプルを保持すべきサンプルキャリアにセットして、サンプルステージに載置し、共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの表面の基準位置および前記基準位置とは異なる少なくとも1つの計測位置との距離を計測して、生成され、前記スキャナの不揮発性メモリに記憶された位置データを、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、レーザ光の照射を受けると、蛍光またはフォトルミネッセンスを発する発光材料を備えたフォーカス位置決定用デバイスを、前記発光材料が前記基準位置に位置するように、前記サンプルキャリアにセットし、前記フォーカス位置決定用デバイスを、レーザ光により、走査して、前記基準位置に位置した前記発光材料を励起し、前記発光材料から放出される蛍光またはフォトルミネッセンスを光電的に検出し、共焦点光学系の対物レンズの位置を、所定の移動ピッチで、変化させて、検出された前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度に基づいて、前記共焦点光学系のフォーカス位置を決定して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されたフォーカス位置データを、前記不揮発性メモリから読み出して、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記位置データにしたがって、補正して、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記共焦点光学系の対物レンズの位置を調整するステップを有する共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータ生成方法であって、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記 少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測して、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出し、前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を平均して、前記位置データが生成され、前記不揮発性メモリに記憶されたことを特徴とする共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記金属膜の表面の基準位置および前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測し、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出して、前記位置データが生成され、前記不揮発性メモリに記憶されたことを特徴とする請求項32に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 2以上の異なる温度で、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準位置と、前記基準位置とは異なる2以上の計測位置との距離を計測し、前記サンプルキャリアにセットされた前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における基準位置に対する前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位を算出して、算出され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を読み出し、前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記距離測定用デバイスの表面の基準位置に対する前記基準位置とは異なる2以上の計測位置の変位の温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記共焦点光学系の対物レンズの位置を調整することを特徴とする請求項32または33に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 前記サンプルキャリアが、2以上のサンプルを保持可能に構成され、2以上の距離測定用デバイスがセットされた前記サンプルキャリアを、前記サンプルステージに載置し、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記位置データを、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整することを特徴とする請求項32または33に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の3以上の異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の1つの基準温度における計測位置を基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、算出され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記基準位置に対する前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記不揮発性メモリに記憶された前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整することを特徴とする請求項35に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記位置データを読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整することを特徴とする請求項35または36に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に少なくとも2つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を平均して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させ、前記不揮発性メモリに記憶された前記基準位置に対する前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正した前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づいて、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整することを特徴とする請求項37に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を平均して、生成され、前記不揮発性メモリに記憶された前記位置データを読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスがセットされた位置に対応する前記サンプルキャリアの位置にセットされたサンプル毎に、前記位置データに基づいて、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを補正し、補正された前記共焦点光学系のフォーカス位置データにしたがって、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整することを特徴とする請求項37に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 2以上の異なる温度で、前記サンプルキャリアにセットされた前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記共焦点光学系を構成する対物レンズと、前記距離測定用デバイスの表面の主走査ライン毎に3つの異なる計測位置との距離を計測し、前記2以上の距離測定用デバイスの1つの距離測定用デバイスの前記表面の基準温度における前記計測位置の1つを基準位置として、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれにつき、前記基準位置に対する前記計測位置の変位を算出して、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を算出し、前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数を平均して、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの温度係数として、前記不揮発性メモリに記憶させ、前記不揮発性メモリに記憶された前記基準位置に対する前記計測位置の変位の温度係数の平均値を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれに対して、前記不揮発性メモリから読み出した前記共焦点光学系のフォーカス位置データを、前記スキャナ内の温度と前記共焦点光学系のフォーカス位置データを生成した際の前記スキャナ内の平均温度との温度差に応じ、前記2以上の距離測定用デバイスのそれぞれの前記温度係数にしたがって、補正し、補正した前記共焦点光学系のフォーカス位置データに基づき、前記共焦点光学系の対物レンズを移動させ、前記対物レンズの位置を調整することを特徴とする請求項39に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- さらに、検出した前記蛍光またはフォトルミネッセンスの信号強度の積分値をプロットし、n次関数でフィッティングして、生成され、前記不揮発性メモリに記憶されている前記n次関数の係数を、前記不揮発性メモリから読み出すとともに、前記不揮発性メモリに記憶されている前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位を、前記不揮発性メモリから読み出し、前記n次関数の係数と前記少なくとも1つの距離測定用デバイスの前記計測位置の前記基準位置に対する変位に基づいて、サンプルのディジタルデータ中のシェーディングを補正するシェーディング補正データを生成し、前記シェーディング補正データに基づいて、前記サンプルのディジタルデータを補正することを特徴とする請求項32ないし40のいずれか1項に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 光学的な平面性を保持して加工可能で、レーザ光の照射を受けると、蛍光を放出する性質を有する支持体上に、金属膜のマスクが設けられて、それによって、前記支持体を露出する多数の開口部が規則的に形成されたシェーディング評価用デバイスを、前記サンプルキャリアにセットして、前記サンプルステージに載置し、レーザ光によって、走査して、前記開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、生成されたディジタルデータに基づいて、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成し、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づき、生成され、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナのメモリに記憶されているシェーディング補正データを、前記不揮発性メモリあるいは前記スキャナの前記メモリから読み出し、前記サンプルのディジタルデータを補正することを特徴とする請求項32ないし40のいずれか1項に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
- 前記シェーディング評価用デバイスに規則的に形成された多数の前記開口部のうち、基準位置に位置する前記開口部に、共焦点光学系のフォーカスを合致させた後に、前記シェーディング評価用デバイスを、前記レーザ光によって、走査して、前記多数の開口部を介して、前記支持体を励起し、前記支持体から放出される蛍光を、前記多数の開口部を介して、光電的に検出し、ディジタル化して、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータを生成し、前記シェーディング評価用デバイスのディジタルデータに基づいて、前記シェーディング補正データが生成され、不揮発性メモリあるいはスキャナの前記メモリに記憶されていることを特徴とする請求項42に記載の共焦点光学系を備えたスキャナにおけるディジタルデータの生成方法。
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