JP3896186B2 - チップ状回路部品の計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサ、インダクタ或いは抵抗器等のチップ状回路部品の製造工程における電気的特性の検査のため、キャリアにより搬送されてくるチップ状回路部品の両端の電極に接触端子を接触させて、チップ状回路部品の電気的特性を計測する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサや積層セラミックインダクタは、通常角柱形のチップ素体を有し、この両端に導体膜からなる外部電極を設けたものである。また、円筒磁器コンデンサは、円柱形のチップ素体を有し、この両端に導体膜からなる外部電極を設けたものである。
このようなチップ状回路部品の製造は自動化が進んでおり、最終工程に近い特性検査工程でも自動検査が行われている。
【0003】
図6は、このようなチップ状回路部品の計測装置とそれを使用したチップ状回路部品の検査工程の例を示す概略図である。矢印に示す方向に一定の角度毎に間欠回転するターンテーブル状のキャリア1が備えられ、その上面外周部分に、チップ状回路部品1が保持されるような凹状の保持溝3が一定の角度毎に設けられている。図示の例では、保持溝3がキャリア1の外周に45゜間隔で放射状に設けられ、キャリア1は45゜間隔で間欠回転する。この保持溝3は、チップ状回路部品4の受け入れのため、キャリア1の外周側に開放し、その内周側が閉じている。
【0004】
キャリア1の保持溝3が停止するローディングステーションに供給シュート2が接続され、キャリア1が停止したとき、供給シュート2に沿って一列に搬送されてきたチップ状回路部品4が、停止した保持溝3にキャリア1の外周側から送り込まれ、保持溝3の最奥部で位置決めされる。こうして、キャリア1の保持溝3に保持されたチップ状回路部品4は、キャリア1の間欠回転により送られ、計測ステーションに移動する。
【0005】
計測ステーションの真上には端子ユニット6が配置され、この端子ユニット6から下方に接触端子7、7が突設されている。この端子ユニット6は、図6に矢印で示すように上下動し、下降したとき計測ステーションに停止したチップ状回路部品4の両端の電極5、5に接触端子7、7が接触し、導通する。この接触端子7、7には計測器8が接続されており、このようにして接触端子7、7がチップ状回路部品4の電極5、5に接触することにより、チップ状回路部品4の電極5、5が計測器8に接続され、そこでチップ状回路部品4の電気的特性が計測される。
【0006】
電気的特性の計測の結果、所要の特性値範囲に収まらないチップ状回路部品4は、図示してない取出機構によりキャリア1から排出される。
電気的特性の計測の結果、所要の特性値範囲に収まっており、キャリア1から排出されなかったチップ状回路部品4は、キャリア1によってアンローディングステーションに移動し、そこでチップ状回路部品4が排出シュート9に排出され、次の工程に搬送される。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】
前記のチップ状回路部品の計測装置において、保持溝3の最奥部で位置決めされるチップ状回路部品4の一方の端部の電極5については一定の位置に位置決めすることが出来る。ところが、チップ状回路部品4には寸法のばらつきがあるため、他方の端部の電極5については、チップ状回路部品4の長さ寸法のばらつきによって、計測ステーションにおける接触端子7に対する位置のズレが起こることがある。そのため、接触端子7の電極5への接触不良等が生じ、計測困難になることがまれにあった。
【0008】
さらに、前記従来のチップ状回路部品の計測装置では、チップ状回路部品4をキャリア1の保持溝3に挿入する度に、チップ状回路部品4の端部が保持溝3の奥に突き当たり、保持溝3が次第に磨耗してくる。そうすると、保持溝3の深さが変わり、その最奥部で位置決めされるチップ状回路部品4の一方の端部の電極5の位置も変動する。これによって、接触端子7の電極5への接触の確実性が次第に失われる。
【0009】
本発明は、このような従来のチップ状回路部品の計測装置における課題に鑑み、チップ状回路部品の長さ寸法に多少のばらつきがあっても、チップ状回路部品のキャリアにおける保持位置を補正して確実に接触端子を電極に接触させて、チップ状回路部品の電気的特性の計測を可能とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明では、キャリア11の保持溝13に長手方向に移動自在にチップ状回路部品14を保持し、その長手方向の位置を補正するのと同時にチップ状回路部品14の両端の電極15、15に接触端子17、17を接触させて計測器18との導通を図るようにした。これにより、接触不良を起こすことなく、確実にチップ状回路部品14の電気的特性を計測することを可能とした。
【0011】
すなわち、本発明によるチップ状回路部品の計測装置は、チップ状回路部品14を所定の間隔で搬送するキャリア11と、このキャリア11で搬送されるチップ状回路部品14の両端の電極15、15に接触する接触端子17、17と、この接触端子17、17に接続され、同接触端子17、17を介して導通したチップ状回路部品14の電極15、15の間でチップ状回路部品14の電気的特性を計測する計測器18とを有する。キャリア11は、チップ状回路部品14がその長手方向に移動自在に保持される保持溝13を有し、前記接触端子17、17は、キャリア11に保持されたチップ状回路部品14の両端の電極15、15に向けて昇降するものからなり、この接触端子17、17の先端部が位置補正機能を兼ねることが出来る。すなわち、接触端子17、17の先端部に半球形状のテーパまたは互いに対向する勾配が形成され、接触端子17、17がその先端部のテーパまたは勾配によってチップ状回路部品14の位置を補正する。
【0012】
キャリア11は、例えば環状の搬送路に沿って所定の間隔でチップ状回路部品14を間欠搬送するターンテーブル状のものからなり、保持溝13がキャリア11の径方向に設けられ、両端が開放した溝からなる。
【0014】
このようなチップ状回路部品の計測装置では、キャリア11の保持溝13に長手方向に移動自在にチップ状回路部品14を保持すると共に、チップ状回路部品14の両端の電極15、15に向けて昇降する接触端子17、17の先端部に半球形状のテーパまたは互いに対向する勾配が形成され、接触端子17、17がその先端部のテーパまたは勾配によってチップ状回路部品14の位置を修正する位置補正機構を兼ねているため、チップ状回路部品14の長手方向の位置が、接触端子17、17との接触と同時に補正される。このため、チップ状回路部品14の長さ寸法にばらつきがあっても、接触端子17、17を確実にチップ状回路部品14の両端の電極15、15に接触させて計測器18との導通を図ることが出来る。すなわち、接触不良を起こすことなく、チップ状回路部品14の電気的特性の計測が確実に行える。
さらに、キャリア11の保持溝13は、チップ状回路部品14をその長手方向に移動自在に保持するだけでよいので、チップ状回路部品14の突き当てによる保持溝13の磨耗等も起こらない。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1は、本発明によるチップ状回路部品の計測装置とそれを使用したチップ状回路部品の検査工程の例を示す概略図である。
矢印に示す方向に一定の角度毎に間欠回転するターンテーブル状のキャリア11が備えられ、その上面外周部分に、チップ状回路部品11がその長手方向に移動自在に嵌め込まれて保持されるような保持溝13が一定の角度毎に設けられている。図示の例では、保持溝13がキャリア11の外周に45゜間隔で設けられ、キャリア11は45゜間隔で間欠回転する。
【0016】
図示のキャリア11はリング状になっており、その幅はチップ状回路部品14より狭い。保持溝13は、このリング状のキャリア11を横切るように放射状に設けられた凹状の矩形溝であり、その幅はチップ状回路部品14の幅より僅かに広い。また、保持溝13の両端は、それぞれキャリア11の内周側と外周側とにそれぞれ開いている。
【0017】
キャリア11の保持溝13が停止するローディングステーションに供給シュート12が接続され、キャリア11が停止したとき、供給シュート12に沿って一列に搬送されてきたチップ状回路部品14が、停止した保持溝13にキャリア1の外周側から送り込まれ、チップ状回路部品14が保持溝13に挿入される。こうして、供給シュート12からキャリア11の保持溝13に保持されたチップ状回路部品14は、キャリア11の間欠回転により送られ、計測ステーションに移動する。
【0018】
計測ステーションの真上には端子ユニット16が配置され、この端子ユニット16から下方に接触端子17、17が突設されている。この端子ユニット16は、図6に矢印で示すように上下動し、下降したとき計測ステーションに停止したチップ状回路部品14の両端の電極15、15に接触端子17、17が接触し、導通する。この接触端子17、17には計測器18が接続されており、このようにして接触端子17、17がチップ状回路部品14の電極15、15に接触することにより、チップ状回路部品14の電極15、15が計測器18と接続され、そこでチップ状回路部品14の電気的特性が計測される。
【0019】
図2に示すように、前記接触端子17、17の下端は半球形となっており、対向する面に半球形状のテーパが形成されている。このため、図2に示すように、チップ状回路部品14の中心位置が、双方の接触端子17、17の中間位置からずれていると、接触端子17、17の下端の半球形状のテーパによってチップ状回路部品14が矢印で示すように一方に押され、チップ状回路部品14の中心位置が、双方の接触端子17、17の中間位置とほぼ一致するようにセンタリングされる。これによって、双方の接触端子17、17が確実にチップ状回路部品14の両端の電極15、15に接触して導通する。
【0020】
このようにしてチップ状回路部品14の電気的特性の計測の結果、所要の特性値範囲に収まらないチップ状回路部品4は、図示してない取出機構によりキャリア1から排出される。
電気的特性の計測の結果、所要の特性値範囲に収まっており、キャリア11から排出されなかったチップ状回路部品14は、キャリア11によってアンローディングステーションに移動し、そこでチップ状回路部品14が排出シュート19に排出され、次工程に搬送される。
【0021】
図3は、接触端子17、17の他の例を示すもので、この例では接触端子17、17の下端の対向する面に、上方へいくに従って対向間隔が狭くなるような平坦な勾配が形成されている。キャリア11の保持溝13内のチップ状回路部品14の長手方向の位置は、この接触端子17、17の先端の勾配面によって補正される。
【0022】
前記の例は、何れも接触端子17、17そのものにチップ状回路部品14の位置補正機能を持たせ、接触端子17、17が下降するとき、チップ状回路部品14の位置補正を行うと共に、接触端子17、17とチップ状回路部品14の電極15、15との接触を行っている。
【0023】
図4(a)に示したキャリア11の例は、前記の例のチップ状回路部品14に比べて、チップ状回路部品14を中心軸の回りに45゜回転させた姿勢で保持溝13に嵌め込んで保持したものである。もちろんこの例では、2つの平坦な面が直行するV字形の壁面を有する保持溝13が使用される。
図4(b)に示したキャリア11の例は、円柱形のチップ状回路部品14を搬送するものである。もちろんこの例では、部分円筒形の壁面を有する保持溝13が使用される。
【0024】
図5に示した例は、キャリア11の保持溝13にチップ状回路部品14を固定する場合の例である。図5(a)では、キャリア11の保持溝13の底に通気孔21を設け、キャリア11の底面を負圧にすることで、矢印で示すように空気を吸引し、真空吸引手段によってチップ状回路部品14を保持溝13に固定する例である。また、図5(b)では、キャリア11の保持溝13の底に磁石22を設け、磁力によって磁性体製のチップ状回路部品14を保持溝13に固定する例である。
何れの場合も、チップ状回路部品14を保持溝13内に保持し、チップ状回路部品14が保持溝13からずれないようにする。また、前述のようにしてチップ状回路部品14の位置を補正した後に、チップ状回路部品14の位置が簡単にずれないようにする。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によるチップ状回路部品の計測装置では、チップ状回路部品14の寸法のばらつきやキャリア11の保持溝13の磨耗等の影響を受けることなく、チップ状回路部品14の両端の電極15、15に計測用の接触端子17、17を確実に接触させてチップ状回路部品14の電気的特性を計測することが出来る。このため、特にチップ状回路部品の自動検査工程において、効率の向上と信頼性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるチップ状回路部品の計測装置の例を示す概略斜視図である。
【図2】同チップ状回路部品の計測装置の計測ステーションの部分を示す要部縦断正面図である。
【図3】同チップ状回路部品の計測装置の計測ステーションの部分の他の各例を示す要部縦断正面図である。
【図4】同チップ状回路部品の計測装置のキャリアの他の各例を示す要部斜視図である。
【図5】同チップ状回路部品の計測装置のキャリアの他の各例を示す要部縦断側面図である。
【図6】チップ状回路部品の計測装置の従来例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
14 チップ状回路部品
11 キャリア
15 チップ状回路部品の電極
17 接触端子
18 計測器
13 キャリアの保持溝
19 プッシャ
Claims (3)
- チップ状回路部品(14)を所定の間隔で搬送するキャリア(11)と、このキャリア(11)で搬送されるチップ状回路部品(14)の両端の電極(15)、(15)に接触する接触端子(17)、(17)と、この接触端子(17)、(17)に接続され、同接触端子(17)、(17)を介して導通したチップ状回路部品(14)の電極(15)、(15)の間でチップ状回路部品(14)の電気的特性を計測する計測器(18)とを有するチップ状回路部品の計測装置において、キャリア(11)は、チップ状回路部品(14)がその長手方向に移動自在に保持される保持溝(13)を有し、前記接触端子(17)、(17)がキャリア(11)に保持されたチップ状回路部品(14)の両端の電極(15)、(15)に向けて昇降すると共に、同接触端子(17)、(17)の先端部に半球形状のテーパまたは互いに対向する勾配が形成され、接触端子(17)、(17)がその先端部のテーパまたは勾配によってチップ状回路部品(14)の位置を修正する位置補正機構を兼ねていることを特徴とするチップ状回路部品の計測装置。
- キャリア(11)が環状の搬送路に沿って所定の間隔でチップ状回路部品(14)を間欠搬送するターンテーブル状のものからなることを特徴とする請求項1に記載のチップ状回路部品の計測装置。
- 保持溝(13)がキャリア(11)の回転中心に対して放射状に設けられ、両端が開放した溝からなることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ状回路部品の計測装置。
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