JP3895204B2 - カード処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カードの磁気情報を処理する磁気カードリーダ等のカード処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気カードリーダや磁気カードライター等のカード処理装置は、カード挿入口から磁気カードを取り込んで情報処理した後、取込方向と逆方向に搬送してカード挿入口から排出する構成が一般的である。カードを往復搬送させるカード搬送手段としては、カードを挟み込んで摩擦により搬送する駆動ローラと従動ローラとからなるローラ対が一般的に用いられている。これらのローラ対はカードの搬送方向に沿って複数配置される。通常、カード挿入口付近には、挿入されたカードの取り込みおよび排出を行う取込/排出用のローラ対が配置され、その取り込み方向にカードの長さより短い距離だけ離間して磁気ヘッドによる情報処理の期間にカードを搬送するための搬送用ローラ対が配置される。
【0003】
ところで、この様なカード処理装置では、磁気ヘッドによる読み取り或いは書き込み等の情報処理が行われている期間にカード搬送速度にばらつきが生じると、磁気ヘッドが誤って情報を読みとったり誤った情報が書き込まれる恐れがある。このため、情報処理が行われている期間はカードが他のローラ対へ噛み込んだり他のローラ対から外れない様に一組の搬送ローラ対のみでカードを搬送する事で、ローラ対間の速度差や負荷変動の影響をカードの搬送に与えない様な工夫がなされている。
【0004】
この種の工夫がなされたカード処理装置を開示するものとして特公昭54−21723や特開昭61−271662がある。特公昭54−21723は、搬送路に接離する方向に回動可能なローラ保持部材を設け、このローラ保持部材に2つのローラを配列して付勢手段により保持部材を搬送路方向に付勢するものである。この構成によれば、回動中心に近い方に配置されたローラにカードが噛み込むと、遠い方に配置されたローラはカードから離間させることが出来る。また、特開昭61−271662は、搬送路に接離する方向に回動可能なローラ保持部材を2つ設け、それぞれの回動中心軸を直交させるとともに、搬送路方向に付勢された一方のローラ保持部材を他方のローラ保持部材に接触させてこの付勢力により他方のローラ保持部材をも搬送路方向に付勢する構成としている。この他方のローラ保持部材にはローラを1つ設け、カードがこのローラに噛み込むとそのローラを保持しているローラ保持部材とともにもう一方のローラ保持部材をも持ち上げるので、このローラ保持部材に配置された他のローラとカードとを離間させることが出来る。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この様な構成によれば、カードが一つのローラに噛み込んでいる期間は他のローラがカードと接触することが無いので、その期間に磁気ヘッドによる情報処理を行えば、情報処理の期間の速度変動を抑制するといった目的は達成できる。しかし、付勢部材の他に搬送方向に延設されたローラ保持部材等を必要とし、コストアップの要因になるとともに装置の小型化を妨げていた。
【0006】
本発明はこの様な点に鑑み改良したものであり、その目的とするところは、小型で且つ安価な構成で、磁気ヘッドの情報処理の期間に発生する速度変動を抑制することが出来るカード処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカード処理装置は、カードに記録された情報を処理する磁気ヘッドと、カードを搬送する第1の搬送ローラと、この第1の搬送ローラに対向して設けられた第1の押圧ローラと、この第1の押圧ローラを前記第1の搬送ローラに付勢する第1の付勢手段と、前記磁気ヘッド近傍に設けられて前記第1の搬送ローラによって搬送されたカードを受けて搬送する第2の搬送ローラと、この第2の搬送ローラに対向して設けられた第2の押圧ローラと、この第2の押圧ローラを前記第2の搬送ローラに付勢する第2の付勢手段とを備えたカード処理装置において、前記第2の付勢手段は前記第1の付勢手段方向に延びたアーム部を有し、前記第2の搬送ローラと前記第2の押圧ローラとの間にカードが挟持された時に、前記アーム部は前記第1の付勢手段を反付勢方向に押圧して、前記第1の付勢手段の前記第1の押圧ローラへの付勢を弱めることを特徴とする。
【0008】
本発明に従えば、小型で安価な構成で、第2の搬送ローラがカードを搬送している期間は、第1の搬送ローラの影響を受けない様にすることが可能になる。
【0009】
また、前記第1の付勢手段及び前記第2の付勢手段はねじりコイルバネで構成されて、前記第2の付勢手段のコイル線径は前記第1の付勢手段のコイル線径より太いことを特徴とする。
【0010】
付勢手段のコイル線径をこの様に設定すれば、第1の付勢手段のアーム部が第2の付勢手段を押圧する場合にアーム部が大きく撓むことがなく、第2の付勢手段の付勢を確実に弱めることが可能になる。
【発明の実施の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例を示すカード処理装置の主要部を表す正面図である。カード処理装置は、ベースフレーム1とカバー2によって構成されている。このベースフレーム1の長手方向一端部にはヒンジ3が設けられている。カバー2は、ヒンジ3を中心としてベースフレーム1に対して回動可能に結合されている。図1は、カバー2がベースフレーム1を覆って閉じた状態を示し、カバー2は図示しないロック部材の作用によりこの位置でベースフレーム1に係合される。
【0012】
カード処理装置の一端部には、カードCを挿入するための挿入口4が形成されている。挿入口4から挿入されたカードCは、当該カード処理装置内に取り込まれ、ベースフレーム1とカバー2との間に形成される搬送路5を挿入口4に対して反対側端部の折り返し位置まで搬送される。搬送路5にはカードC幅方向に図示しない側壁が立設されている。カードCは、搬送路5において側壁によって幅方向を規制されて搬送される。そして、挿入口4から折り返し位置まで搬送される間に磁気ヘッド6により磁気情報が読み取られる。折り返し位置に位置した後は、挿入口4方向に逆送されて排出される。挿入される前のカードCを図1に実線で示し、折り返し位置にあるカードCを二点鎖線で示す。
【0013】
カバー2には、挿入口4側から順に第1搬送ローラ10及び第2搬送ローラ11がカードCの長さより短い所定の間隔をおいて配列されている。第1搬送ローラ10及び第2搬送ローラ11は、適度な摩擦を生じさせるゴム製であって、搬送路5に直交してベースフレーム1に回転自在に支持された第1駆動軸12と第2駆動軸13にそれぞれ一体化されている。また、第2搬送ローラ11の折り返し位置側近傍には磁気ヘッド6がカバー2に取り付けられている。本実施例においては、磁気ヘッド6による磁気情報の読み取りの期間、カードCは搬送ローラ11により搬送される。
【0014】
ベースフレーム1には、第1押圧ローラ軸14と第2押圧ローラ軸15が図1において上下方向に移動可能に支持されている。第1押圧ローラ軸14には第1押圧ローラ16が、第2押圧ローラ軸15には第2押圧ローラ17がそれぞれ回動可能に軸支されている。カバー2を閉じてベースフレーム1上に対向させると、第1搬送ローラ10は第1押圧ローラ16に、第2搬送ローラ11は第2押圧ローラ17にそれぞれ対向する。第1搬送ローラ10と第1押圧ローラ16、第2搬送ローラ11と第2押圧ローラ17の各組み合わせをそれぞれ第1搬送ローラ対18、第2搬送ローラ対19と称する。第1押圧ローラ16及び第2押圧ローラ17もゴム製であって、それぞれベースフレーム1に固定された第1ねじりコイルバネ20と第2ねじりコイルバネ21によって搬送ローラ側に付勢される。
【0015】
搬送路5の折り返し位置(図1において左端部)には、突き当て部材30が搬送方向にスライド移動可能にベースフレーム1に設けられている。突き当て部材30は、ベースフレーム1に設けられた図示しないストッパーによりスライド移動量が制限されており、搬送ローラ対19の接点から折り返し位置方向にカードCの長さ分だけ離れた位置(図1において二点鎖線で突き当て部材30を示した位置)からその少し手前(図1において実線で突き当て部材30を示した位置)までの間でスライド移動が可能である。また、突き当て部材30とベースフレーム1の間には引張バネ31が架け渡されており、この引張バネ31の作用により、突き当て部材30はその移動範囲において常に挿入口4方向に付勢されている。カードCが折り返し位置に位置すると、突き当て部材30はカードCを第2搬送ローラ対19側に付勢する。
【0016】
図2は、カバー2側からカバー2の上部を透過してカード処理装置を見た平面図を示している。第1駆動軸12及び第2駆動軸13は図示しない軸受けを介してカバー2に回転自在に支持されている。そして、第1駆動軸12の端部には第1駆動歯車40が、第2駆動軸13の端部には第2駆動歯車41が固定されている。また、カバー2のほぼ中央部には駆動モータ42が取り付けられていて、駆動モータ42の軸にはピニオン43が圧入されている。さらに、カバー2には伝達歯車44及び伝達歯車45が設けられている。駆動モータ42の回転は、これらの伝達歯車を介して減速して第1駆動軸12及び第2駆動軸13に伝達され、各駆動軸は駆動モータ42の回転と同時に同方向に回転する。また、駆動モータ42の軸には放射状に複数のスリットが設けられたスリット板46も圧入されている。そして、スリット板46に対向する位置にはスリットセンサ71(図4)が設けられている。このスリットセンサ71は、スリット板46のスリットを検出することで駆動モータ42の回転を検出する。
【0017】
カードCは、3つのセンサによってカード処理装置内の位置が検出される。これらのセンサは、図2に示すカバー2に設けられた3つの受光素子50a,51a,52aと、図3に示すベースフレーム1に設けられた3つの発光素子50b,51b,52bにより構成される。各センサは、50aと50b,51aと51b,52aと52bとをそれぞれ一組とする光学センサである。そして、カバー2が閉じた状態で搬送路5を挟んで互いに対向し、発光素子からの光を受光素子が受けている場合はOFF信号を発信し、その光がカードCによって遮断されるとON信号を発する。
【0018】
50aと50bとで構成されるセンサは、第1搬送ローラ対18の挿入口4側に近接して配置されて、カードCの挿入或いは使用者のカードC抜き取りを検出する抜取センサ50である。51aと51bとで構成されるセンサは、第2搬送ローラ対19の挿入口4側に近接して配置されて、駆動モータ42のON/OFFのタイミングを取得するための取込/排出センサ51である。52aと52bとで構成されるセンサは、搬送異常を検知するために、第2搬送ローラ対19と折り返し位置との間に配置されて、カードCの有無を検出する有無センサ52である。カード処理装置は、これらのセンサからの信号と、磁気ヘッド6からの信号に従ってカードの搬送や情報の処理を実行する。
【0019】
図3は、ベースフレーム1側からカード処理装置を見た下面図を示している。ベースフレーム1には、カバー2を閉じた状態で磁気ヘッド6と対向する位置にヘッド押圧ローラ60が回転自在に配置されている。ヘッド押圧ローラ60は、バネ61の付勢力によって常に磁気ヘッド6方向に付勢されている。カードCは、ヘッド押圧ローラ60の付勢力により磁気ヘッド6に付勢された状態で搬送されてその磁気情報が磁気ヘッド6により読み取られる。
【0020】
ベースフレーム1に備えられた第1ねじりコイルバネ20は固定部20aとねじり部20bとアーム部20cとから構成され、同じく第2ねじりコイルバネ21は固定部21aとねじり部21bとアーム部21cとから構成されている。固定部20a,21aは、ねじりコイルバネ20,21をベースフレーム1に固定する部分であり、ねじり部20b,21bは付勢力を発生させる部分である。アーム部20c,21cは、第1押圧ローラ軸14或いは第2押圧ローラ軸15と接触してこれらを付勢する部分である。押圧ローラ軸14,15に加えられた付勢力は、押圧ローラ16,17を搬送ローラ10,11方向に付勢する付勢力として作用する。
【0021】
第1ねじりコイルバネ20のアーム部20c先端および第2ねじりコイルバネ21のアーム部21c先端は八の字状に開いている。そして、アーム部21cの八の字状に開かれた部分の反付勢方向側(図3において紙面表側)には、アーム部20cの八の字部分が交差して重畳している。なお、第1ねじりコイルバネ20の線径は第2ねじりコイルバネ21の線径より若干細く設定されており、本実施例においては、第1ねじりコイルバネ20の線径はφ0.8、第2ねじりコイルバネ21の線径はφ0.9を用いている。
【0022】
図4は、カード処理装置に搭載された制御系の構成を示している。磁気ヘッド6で読みとった情報や、各センサ50〜52,71のON/OFF信号は制御部70に入力される。制御部70は各センサ50〜52の検知信号に基づいて駆動モータ42の作動を制御し、スリットセンサ71の検知信号に従ってモータへの供給電力を制御する。
【0023】
以下、図5を用いて本実施例のカード処理装置がカードCを搬送する際の搬送ローラ対18,19及びねじりコイルバネ20,21の動作および作用を説明する。図5は、図1から搬送ローラ対付近の構成部品を抜き出した正面図である。図5(a)は、カードCがカード処理装置に挿入されていない状態である。この状態では、搬送ローラ対18,19は共にカードCを挟持していない。第2ねじりコイルバネ21は、第2押圧ローラ軸15と接触して第2押圧ローラ17を第2搬送ローラ11方向に付勢している。第1ねじりコイルバネ20は、そのアーム部20cの八の字部分がアーム部21cの八の字部分に重畳して押し下げられており、その付勢力は、第2ねじりコイルバネ21を介して第2押圧ローラ17の付勢力として作用している。なお、本実施例では、第2ねじりコイルバネ21の線径を第1ねじりコイルバネ20の線径より太くしているので、アーム部21cがねじりコイルバネ20の付勢力に負けて大きく撓みむ事が無い。この状態において、第1押圧ローラ16は重力により図5において下方に移動している。そして、第1押圧ローラ16と第1搬送ローラ10との間にはカードCの厚みよりも狭い隙間が形成されている。
【0024】
図5(b)は、使用者がカードCを挿入した状態を示す正面図である。カードCが挿入されて第1搬送ローラ対18に挟持されると、カードCの厚みにより第1押圧ローラ軸14が第1ねじりコイルバネ20方向(図5において下方)に移動して第1ねじりコイルバネ20のアーム部20cを押し下げる。アーム部20cが押し下げられると、アーム部20cはアーム部21cから離間して、第1ねじりコイルバネ20の付勢力は第1押圧ローラ16を第1搬送ローラ10方向へ付勢する付勢力として作用する。この時、第2ねじりコイルバネ21は、第2押圧ローラ軸15と接触して第2押圧ローラ17を第2搬送ローラ11方向に付勢している。
【0025】
カードCの折り返し位置側端縁が取込/排出センサ51に検出されると、制御部70は駆動モータ42を駆動して第1搬送ローラ10および第2搬送ローラ11を図5において時計回りに回転させてカードCを折り返し位置方向に引き込む。そして、2対の搬送ローラ対18,19が共にカードCを挟持する状態になる。この状態を図5(c)に示す。カードCが第2搬送ローラ対19に挟持されると、カードCの厚み分だけ第2押圧ローラ17が下方に移動して第2ねじりコイルバネ21のアーム部21cを押し下げる。この時、アーム部21cが押し下げられる事で図5(b)において離間していたアーム部20cは再びアーム部21cに接触して押し下げられる。このため、第1押圧ローラ16は下方に移動して第1押圧ローラ16と第1搬送ローラ10との間にはカードCの厚みよりも広い隙間が作成される。そして、第1ねじりコイルバネ20の付勢力は、第2ねじりコイルバネ21を介して第2押圧ローラ17の付勢力として作用する。従って、カードCが磁気ヘッド6に到達して磁気情報の読み取りが開始される時には、第1押圧ローラ16はカードCから離間しており、第1搬送ローラ対18はカードCを搬送することが無い。
【0026】
カードCが第2搬送ローラ対19により搬送されて、挿入口4側の端縁が第1搬送ローラ対18の接点を越えた状態を図5(d)に示す。この状態においても、カードCの厚み分だけ第2押圧ローラ17が下方に移動してアーム部21cがアーム部20cを押し下げているため、第1押圧ローラ16は下方に移動して第1押圧ローラ16と第1搬送ローラ10との間にはカードCの厚みよりも広い隙間が保持される。このため、搬送ローラ対18,19の間でカードの受け渡しによる速度変動が発生する事が無い。
【0027】
第2搬送ローラ対19により搬送されたカードCが突き当て部材30に突き当たり、挿入口4側の端縁が取込/排出センサ51から外れて取込/排出センサ51の信号がOFFになると、制御部70は駆動モータ42を停止させる。この時、駆動モータ42及びピニオン43や歯車等の慣性モーメントにより第2搬送ローラ11がすぐに停止しないで、さらに回転することが予想される。この場合、カードCが第2搬送ローラ対19から外れることが考えられる。しかし、その場合であっても突き当て部材30は引張バネ31の作用により挿入口4側へ付勢されているので、カードCは第2搬送ローラ対19方向に付勢されて、第2搬送ローラ対19が逆転を開始するとカードCは第2搬送ローラ対19に挟持される。なお、この時にカードCが第2搬送ローラ対19を外れて第2搬送ローラ対19からの外れや噛み込みによりカードCの搬送速度に変動が発生したとしても、その位置では磁気ヘッド6による磁気情報の読み取りは終了しているので、読み取り処理に関する問題は発生しない。
【0028】
次に、制御部70が駆動モータ42の逆転を開始すると、カードCは第2搬送ローラ対19により挿入口4方向に搬送される。カードCの挿入口4側の端縁が第1搬送ローラ対18の接点を越える時は、図5(c)や図5(d)の状態と同様にアーム部21cに重畳しているアーム部20cはアーム部21cにより押し下げられており、第1押圧ローラ16と第1搬送ローラ10との間にはカードCの厚みよりも広い隙間が保持されている。このため、搬送ローラ対18,19の間でカードの受け渡しによる速度変動が発生する事が無い。
【0029】
カードCの折り返し位置側端縁が第2搬送ローラ対19の接点を越えると、図5(b)に示す状態になり、アーム部21cはアーム部20cから離間して、第1ねじりコイルバネ20の付勢力は第1押圧ローラ16の付勢力として作用する。従って、第1搬送ローラ対18によってカードCを搬送する事が可能になる。なお、この時点では、カードcは磁気ヘッド6から外れており、挿入口4側への搬送時に磁気ヘッド6による読み取りを行うカード処理装置であっても読み取り時には速度変動が発生することは無い。そして、カードCは第1搬送ローラ対18に挟持されて挿入口4方向に搬送されて装置外に露出する。挿入口4から露出したカードCは使用者によって抜き取られ、その抜き取りを抜取センサ50が検出すると、カード処理装置の一連の処理作業は終了する。
【0030】
本構成によれば、第2搬送ローラ対19がカードCを搬送している期間は第2ねじりコイルバネ21のアーム部21cが第1ねじりコイルバネ20のアーム部20cを押し下げるので、磁気情報の読み取り期間に第1搬送ローラ対18が第2搬送ローラ対19の搬送へ影響を及ぼす事が無い。従って、カードCの搬送速度の変動を抑制する事が可能になり、装置の小型化およびローコスト化が可能になる。
【0031】
本発明によるカード処理装置は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、第2搬送ローラ対19にカードCが挟持された時に第1押圧ローラ16の付勢力を完全に解除しないで、速度変動が発生しない程度に付勢力を弱くするだけでも良い。また、本発明は、カードCに磁気情報を書き込むカード処理装置にも適用可能であり、さらに、挿入口4方向への搬送時に読み取り或いは書き込みを行うカード処理装置、或いは、折り返し位置方向への搬送と挿入口4方向への搬送のそれぞれで読み取りと書き込みを行うカード処理装置に適用する事も可能である。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように本発明によれば、小型で安価な構成で、磁気ヘッドによる磁気情報の読み取りの際の速度変動を抑制する事が可能になるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すカード処理装置を正面から見た正面図である。
【図2】本発明の一実施例を示すカード処理装置のカバーを透過して見た平面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すカード処理装置の下面図である。
【図4】本発明の一実施例のカード処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施例のカード処理装置の動作を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ベースフレーム
2 カバー
4 挿入口
5 搬送路
6 磁気ヘッド
10 第1搬送ローラ
11 第2搬送ローラ
16 第1押圧ローラ
17 第2押圧ローラ
20 第1ねじりコイルバネ
21 第2ねじりコイルバネ
C カード

Claims (2)

  1. カードに記録された情報を処理する磁気ヘッドと、
    カードを搬送する第1の搬送ローラと、
    この第1の搬送ローラに対向して設けられた第1の押圧ローラと、
    この第1の押圧ローラを前記第1の搬送ローラに付勢する第1の付勢手段と、
    前記磁気ヘッド近傍に設けられて前記第1の搬送ローラによって搬送されたカードを受けて搬送する第2の搬送ローラと、
    この第2の搬送ローラに対向して設けられた第2の押圧ローラと、
    この第2の押圧ローラを前記第2の搬送ローラに付勢する第2の付勢手段とを備えたカード処理装置において、
    前記第2の付勢手段は前記第1の付勢手段方向に延びたアーム部を有し、前記第2の搬送ローラと前記第2の押圧ローラとの間にカードが挟持された時に、前記アーム部は前記第1の付勢手段を反付勢方向に押圧して、前記第1の付勢手段の前記第1の押圧ローラへの付勢を弱めることを特徴とするカード処理装置。
  2. 前記第1の付勢手段及び前記第2の付勢手段はねじりコイルバネで構成されて、前記第2の付勢手段のコイル線径は前記第1の付勢手段のコイル線径より太いことを特徴とする請求項1記載のカード処理装置。
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