JP3894800B2 - スプリンクラーヘッド用可撓管、及びスプリンクラーヘッド取付け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、元側端部がスプリンクラー消火設備の枝管または分岐管に接続され末端部にスプリンクラーヘッドが取り付けられるスプリンクラーヘッド用可撓管、及びスプリンクラーヘッド取付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスプリンクラーヘッド取付け装置として、図5に示すように、スプリンクラー消火設備の枝管または分岐管(図示せず)に接続されたポリブデン等合成樹脂からなる可撓管(巻出し可撓管とも称される。)20と、この可撓管20の末端部に回転自在に取り付けてある袋ナット21に接続された屈曲管や直管よりなるスプリンクラーヘッド取付管22と、このスプリンクラーヘッド取付管22の先端部のヘッド取付け部22aの雌ねじ部にねじ込み結合されたスプリンクラーヘッド23とを備えてなるものがある(例えば、特開2000−14822号公報、特開平7−151269号公報)。
【0003】
そして、上記スプリンクラーヘッド取付管22は、取付金具24を用いて、野縁など天井下地材25に直接又は補助支持部材26を介して所定の取付け高さ位置になるよう下向きに取り付けられる。27は天井材である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、可撓管とは別途に長尺のスプリンクラーヘッド取付管22が用いられる上記スプリンクラーヘッド取付け装置では、スプリンクラーヘッド取付管22がコスト的に高価なものとなり、また、このスプリンクラーヘッド取付管22の一端部を可撓管20の末端部に袋ナット21でねじ結合するという煩わしい手間がかかっていた。
【0005】
本発明は、上記のような、スプリンクラー消火設備の枝管または分岐管に接続される可撓管において、この可撓管のスプリンクラーヘッドが取り付けられる末端部が従来の高コストの別途に用いられる長尺スプリンクラーヘッド取付管を不要として低コストで適度の強度、硬直度を具有し得るスプリンクラーヘッド用可撓管を提供することを目的とする。
また、本発明は、天井下地材に対し可撓管の末端部を取付金具の締付力で変形させたり潰したりすることなく強固に固定できるスプリンクラーヘッド取付け装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のスプリンクラーヘッド用可撓管は、スプリンクラー消火設備の枝管または分岐管に接続される可撓管の末端部に、先端側にスプリンクラーヘッドが取り付けられ基端側に口金部を有するヘッドアダプターの前記口金部が挿入結合され、この口金部の外周に対応する前記可撓管の末端部の外周を金属製の被覆筒で覆うとともに該被覆筒をかしめており、前記被覆筒の一端部は前記ヘッドアダプターの外周の前記口金部より先端側に設けた溝に係合させていることに特徴を有するものである。
【0007】
この場合において、前記被覆筒の他端部は前記口金部の長さよりも長く延長させておくことができる。
【0008】
本発明のスプリンクラーヘッド取付け装置は、スプリンクラー消火設備の枝管または分岐管に接続される可撓管の末端部に、先端側にスプリンクラーヘッドが取り付けられ基端側に口金部を有するヘッドアダプターの前記口金部が挿入結合され、この口金部の外周に対応する前記可撓管の末端部の外周を被覆筒で覆うとともに該被覆筒をかしめており、前記被覆筒の一端部は前記ヘッドアダプターの外周の前記口金部より先端側に設けた溝に係合させており、天井下地材側に前記被覆筒を取付金具で締め付け固定して前記スプリンクラーヘッドを所定高さ位置に取り付けていることに特徴を有するものである。
【0009】
この場合において、前記取付金具は前記被覆筒を抱合するU字状に屈曲形成し、この取付金具の開放側端に天井下地材側に係合する係合部を、屈曲部に押えねじをそれぞれ備え、この押えねじの先端を前記被覆筒の外面に当接させることができる。
【0010】
【作用】
上記構成のスプリンクラーヘッド用可撓管によれば、ヘッドアダプターの口金部が挿入結合された可撓管の末端部の外周は金属製の被覆筒で覆われて該被覆筒がかしめられているので、被覆筒の内周面を可撓管の末端部の外周面に気密状に圧接できるとともに、可撓管の先端部の内周面をヘッドアダプターの口金部に圧接してその間を防水性、気密性を保つ状態にシールできて漏水を防止できる。また、可撓管の末端部の外周は被覆筒により適度の強度、硬直度を有するものとなる。したがって、被覆筒は可撓管の末端部にヘッドアダプターの口金部を緊締する機能と末端部の補強、硬直性付与機能とを発揮する。
【0011】
被覆筒の他端部は前記口金部の長さよりも長く延長させておくと、その延長分だけ適度の強度、硬直度を有する末端部を増長できることになる。
【0012】
上記構成のスプリンクラーヘッド取付け装置によれば、スプリンクラーヘッドを所定高さ位置に取り付けるに際し可撓管の末端部にかしめられた被覆筒を天井下地材に対する取付固定部とすることにより天井下地材に対し可撓管の末端部を取付金具で変形させたり潰したりすることなく強固に固定できる。
【0013】
取付金具は押えねじを備え、この押えねじの先端を前記被覆筒の外面に当接させることにより、押えねじにより可撓管が変形するのを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例を示すスプリンクラーヘッド取付け装置の正面図、図2は本発明の一実施例を示すスプリンクラーヘッド用可撓管の断面図、図3は図1におけるA−A線断面図である。
【0015】
図1、図2において、本発明に係るスプリンクラーヘッド用可撓管(以下、単に可撓管という。)1は、外側が樹脂層2、中央がアルミニウム層3、内側が樹脂層4の三層からなっている。この可撓管1はこれの元側端部がスプリンクラー消火設備の枝管または分岐管(図示せず)に接続され、末端部1aにヘッドアダプター5が挿入結合され、ヘッドアダプター5にスプリンクラーヘッド7が取り付けられる。
【0016】
ヘッドアダプター5は先端側にスプリンクラーヘッド7の雄ねじ部8がねじ込まれる雌ねじ部9を有し、基端側に可撓管1の末端部1aに挿入結合される口金部10を有している。口金部10の外周には可撓管1の末端部1aに差込み易く、差込み後は抜け出にくくした断面鋸歯状の食込歯11を並列状に配列している。可撓管1の末端部1aの内周と口金部10の食込歯11との間にはNBR等のOリング6を介在させることにより防水性、気密性を保ってシール効果を高める。
【0017】
ヘッドアダプター5の口金部10の外周に対応する可撓管1の末端部1aの外周はステンレス、アルミニウム等金属製の被覆筒12で覆うとともに該被覆筒12を加圧してかしめている。被覆筒12の一端部12aはヘッドアダプター5の外周の口金部10より先端側に設けた溝5aに係合させ、他端部12bは口金部10の長さmよりも長くなるように延長させている。
【0018】
上記のように構成された可撓管1は被覆筒12により末端部1aにヘッドアダプター5が防水性、気密性を保つシール状態に結合されるとともに末端部1aが適度の強度を有して硬直化されている。したがって、この可撓管1の末端部1aはスプリンクラーヘッド7を野縁など天井下地材13に直接又は補助支持部材14を介して天井材27の高さ、天井材27の厚みなどに合わせて所定の取付け高さ位置になるよう取付金具15で取り付けるのに最適なものとなる。
【0019】
取付金具15は、図2、図3に示すように、被覆筒12を抱合するU字状に屈曲形成し、この取付金具15の開放側端に天井下地材13または補助支持部材14に係合する凹欠状の係合部16を、屈曲部17に押えねじ18をそれぞれ備えている。この取付金具15は、被覆筒12の外周を抱き込むように被覆筒12にはめ込むとともに、係合部16を補助支持部材14に係合し、押えねじ18の先端18aを被覆筒12の外面に当接させて該押えねじ18を回転させて締め付ける。この締め付けに伴い取付金具15が可撓管1寄りに強く引き付けられるとともに可撓管1が補助支持部材14に押し付けられ、可撓管1の末端部1aが天井下地材13に強固に取り付けられる。
【0020】
その際、押えねじ18を締め付ける前に、スプリンクラーヘッド7が所定の取付け高さ位置で下向きになるように、可撓管1の末端部1a上の被覆筒12を補助支持部材14上の取付金具15内で上下方向にずらすことによりスプリンクラーヘッド7の取付け高さ調整が行われるが、このとき、被覆筒12をヘッドアダプター5の口金部10の長さmよりも長く延長させてあると、その延長分だけ、適度の強度、硬直度を有する末端部を増長できるため、可撓管1を上下方向にずらすことによるスプリンクラーヘッド7の高さ調整可能な範囲、つまりスプリンクラーヘッド取付高さ調整代を増すことができる。
【0021】
取付金具15としては、図4に示すように、1対の挟持片15a,15bを平面視において略コの字状に接結し、その挟持片15a,15bの接結端側寄りに、上記取付金具15の係合部16と同様な係合部16を設けるとともに、挟持片15a,15bの開放側遊端部に締付ねじ19を螺合挿通してなる形態のものを使用することもできる。この取付金具15は、挟持片15a,15b間で被覆筒12の外周を抱き込むように被覆筒12にはめ込むとともに、係合部16を補助支持部材14に係合し、締付ねじ19を締め付けることにより挟持片15a,15b間で可撓管1の被覆筒12を挟持するとともに、可撓管1を補助支持部材14に対し押し付けて固定する。この場合においても、可撓管1は被覆筒12を天井下地材13に対する取付固定部とすることにより末端部1aが挟持片15a,15bの挟持力により変形等を加えられるのを防止できる。
【0022】
【発明の効果】
本発明のスプリンクラーヘッド用可撓管によれば、従来の別途の長尺スプリンクラーヘッド取付管よりも低コストの被覆筒をかしめることでもって、スプリンクラーヘッドの取り付けられる末端部を漏水防止を確保し得ながら適度の強度、硬直度を有する構造とすることができるという利点がある。
【0023】
本発明のスプリンクラーヘッド取付け装置によれば、可撓管の末端部の被覆筒を天井下地材に対する取付固定部とすることにより天井下地材に対し可撓管の末端部を取付金具で変形させたり潰したりすることなく強固に取り付けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すスプリンクラーヘッド取付け装置の正面図である。
【図2】 本発明の一実施例を示すスプリンクラーヘッド用可撓管の断面図である。
【図3】 図1におけるA−A線断面図である。
【図4】 他の実施例のスプリンクラーヘッド取付け装置を図3に相応して示す断面図である。
【図5】 従来例のスプリンクラーヘッド取付け装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 可撓管
1a 末端部
5 ヘッドアダプター
7 スプリンクラーヘッド
10 口金部
12 被覆筒
13 天井下地材
15 取付金具
16 係合部
17 屈曲部
18 押えねじ
Claims (4)
- スプリンクラー消火設備の枝管または分岐管に接続される可撓管の末端部に、先端側にスプリンクラーヘッドが取り付けられ基端側に口金部を有するヘッドアダプターの前記口金部が挿入結合され、この口金部の外周に対応する前記可撓管の末端部の外周を金属製の被覆筒で覆うとともに該被覆筒をかしめており、前記被覆筒の一端部は前記ヘッドアダプターの外周の前記口金部より先端側に設けた溝に係合させていることを特徴とする、スプリンクラーヘッド用可撓管。
- 前記被覆筒の他端部が前記口金部の長さよりも長く延長されている、請求項1記載のスプリンクラーヘッド用可撓管。
- スプリンクラー消火設備の枝管または分岐管に接続される可撓管の末端部に、先端側にスプリンクラーヘッドが取り付けられ基端側に口金部を有するヘッドアダプターの前記口金部が挿入結合され、この口金部の外周に対応する前記可撓管の末端部の外周を金属製の被覆筒で覆うとともに該被覆筒をかしめており、前記被覆筒の一端部は前記ヘッドアダプターの外周の前記口金部より先端側に設けた溝に係合させており、天井下地材側に前記被覆筒を取付金具で締め付け固定して前記スプリンクラーヘッドを所定高さ位置に取り付けていることを特徴とする、スプリンクラーヘッド取付け装置。
- 前記取付金具が前記被覆筒を抱合するU字状に屈曲形成され、この取付金具の開放側端に天井下地材側に係合する係合部を、屈曲部に押えねじをそれぞれ備え、この押えねじの先端が前記被覆筒の外面に当接されている、請求項3記載のスプリンクラーヘッド取付け装置。
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