JP3894594B2 - 厚膜パターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、液晶表示装置(LCD)、蛍光表示装置、混成集積回路等の製造過程において基板上に所定形状の厚膜パターンを形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の厚膜パターン形成方法としては、ガラスやセラミックス基板上に導体或いは絶縁体用のペーストをスクリーン印刷法によりパターン状に塗布する方法が知られている。この方法で例えば線幅100μm、高さ100μmの細線を形成する際には、スクリーン印刷による重ね刷りを複数回繰り返す必要があった。また別の方法としては、特公平7−22893号公報に記載のように、基板上の全面にパターン形成層を形成した後、そのパターン形成層上に感光性レジストでマスク層を形成し、さらにサンドブラスト法でパターン形成層のパターニングを行う方法が知られている。ここで使用される研磨材はカーボランダム、アルミナ或いはガラスビーズであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した前者のスクリーン印刷によるパターン形成方法では、スクリーン印刷法の製法上の制約から、線幅100μm以下の細線を精度良く形成するのが困難であり、且つ、膜厚を大きくするには複数回に渡って積層を繰り返すという煩雑な工程を必要とした。また、後者のサンドブラストによるパターン形成方法では、研磨材にカーボランダムやアルミナを用いると、研削力はあるものの感光性レジストへのダメージが大きく、例えば実際に低融点ガラスペーストのパターニングを行うと欠陥を誘発し、特に線幅が100μm以下の細線パターンになると断線が多発した。また、研磨材にガラスビーズを使用した場合、研削力が小さく、パターン加工に非常に長い時間を要するという欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の従来技術の問題点や欠点を解決するための手段として、サンドブラスト法に使用する研磨材を検討した結果に基づいてなされたもので、基板上にパターン形成層を形成する第1工程と、前記パターン形成層上に所定のパターンを有するマスク層を形成する第2工程と、サンドブラスト法で前記パターン形成層における前記マスク層が形成されていない部分を研削する第3工程とを少なくとも含む厚膜パターン形成方法において、前記サンドブラストに用いる研磨材がアルミナの砥粒とジルコンの砥粒を少なくとも含むことを特徴とする厚膜パターン形成方法を提供するものである。研磨材に含まれるアルミナの砥粒とジルコンの砥粒の重量比が1:3〜3:1の範囲内であることが望ましく、さらに研磨材に重量比で0.1〜10%の酸化チタンの砥粒を含んでいてもよい。そして、前記の研磨材の平均粒径は20μm以下であることが望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で使用できる基板としては、ガラス、金属、セラミック等を挙げることができる。ここではガラス基板を使用し、そのガラス基板上に低融点ガラス層の厚膜パターンを形成する場合を例に挙げて説明する。
【0006】
まず、図1(a)に示すように、サンドブラストによるガラス表面の研磨を抑制する目的で、ガラス基板2上に低融点ガラスペーストで絶縁体層3を形成したものを基材1として用いた。そして、図1(b)に示すように、この基材1上にパターン形成層4として低融点ガラス層を全面に形成した。低融点ガラス層を形成するには、ペースト状の低融点ガラスをスクリーン印刷法、ブレードコート法、ロールコート法、ダイコート法等のコーティング方法で所定の厚さで塗布して乾燥させる。例えば、低融点ガラスペーストとして奥野製薬製「G3−0414」を使用した場合、170℃に予熱したオーブン内で30分間乾燥を行えばよい。或いは、セラミックシートのように、ペースト状の低融点ガラスを予めポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのようなベースフィルム上に塗布乾燥させたものを、熱ロールを介して基材1に圧着ラミネートし、低融点ガラス層を転写してもよい。
【0007】
次いで、図1(c)に示すように、パターン形成層4の上に所定のパターンを有するマスク層5を形成した。このマスク層5に使用される材料は、後工程であるサンドブラスト加工において、パターン形成層4に比べて研削速度が著しく小さければよい。簡易的には弾力性のある樹脂が適しており、例えば感光性レジストが使用できる。
【0008】
続いて、サンドブラスト法によりパターン形成層4を研削するが、図1(d)に示すように、マスク層5が形成されていない部分でのみブラスト研削が進行する結果、マスク層5の下方にパターン形成層4が残ってパターニングが可能となる。ここで、使用する研磨材によってパターニングの良否が決定される。
【0009】
表1に各種研磨材の評価結果を要約した。使用した研磨材はカーボランダム、アルミナ、ガラスビーズ、混合研磨材1及び混合研磨材2の5種類であり、混合研磨材1の組成はアルミナが約50%、ジルコン(ZrAlO4 )が約50%、混合研磨材2の組成はアルミナが約48%、ジルコンが約48%、酸化チタンが約4%である。各研磨材の平均粒径は共に約10μmとした。
【0010】
【表1】
【0011】
カーボランダム及びアルミナは研削力が大きく、低融点ガラス層のブラスト加工時間が短くて済むが、その反面、マスク層へのダメージが大きく、細線パターンの加工には不向きであった。具体的には、線幅80μm(ライン/スペース比=1:1)、高さ140μmのパターンを形成した場合、カーボランダム、アルミナともに1000本の細線中50本以上の断線を生じた。ガラスビーズを使用した場合は、低融点ガラス層の研削速度がカーボランダムやアルミナと比較して著しく小さく、それゆえブラスト加工時間を延長するとマスク層へのダメージを誘発するため、実質的にサンドブラストによるパターニングが行えなかった。これに対して上記の混合研磨材1或いは混合研磨材2を使用した場合、ブラスト研削速度はカーボランダムの約20%減であり、実用上特に問題はなく、且つマスク層へのダメージが少ないため、上記の細線パターンを欠陥フリーで加工可能であった。
【0012】
さらに、上記の混合研磨材の組成比を変えずに、平均粒径を5μmから40μmまで変化させたところ、平均粒径の大きい方が低融点ガラス層の研削速度が大きくなるが、平均粒径が20μmより大きくなると、形成した低融点ガラスの細線パターンの線間に研磨材が残りやすく、マスク層へのダメージも無視できなくなった。したがって、研磨材の平均粒径は20μm以下が望ましい。
【0013】
また、上記の混合研磨材1の組成比を各種変化させた結果、アルミナとジルコンの重量比が1:3〜3:1の範囲内では、上記の組成比の混合研磨材1と同様に欠陥フリーで細線加工が可能であった。さらに、混合研磨材2でアルミナとジルコンの重量比を1:1に固定した上で研磨材の全重量に対する酸化チタンの重量比を変化させたところ、0.1〜10%の範囲内では欠陥フリーで細線加工が可能であった。
【0014】
このようにしてパターン形成層4を所定のパターンに加工した後、マスク層5を低融点ガラス層から剥離し、さらに低融点ガラス層を焼成して焼き固めた。具体的には、例えばピーク温度580℃で10分間の条件で焼成すればよい。
【0015】
以上、ガラス基板上に低融点ガラス層の厚膜パターンを形成する場合を例に挙げて実施形態を説明したが、本発明はその他の種々の厚膜パターン、例えばPDPについて言えば、障壁、電極、誘電体層、抵抗等の形成についても同様に適用できる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の厚膜パターン形成方法によれば、従来のスクリーン印刷法では製法上困難であった線幅100μm以下の細線パターンにパターン形成層をパターニングでき、且つ膜厚が大きい場合でも煩雑な工程を必要とせずに加工できる。また、従来のサンドブラスト法では低融点ガラス層の研削速度と細線パターンの欠陥数とを同時に満たす研磨材がなかったが、混合研磨材の組成を適切に選択することにより、特に線幅が小さく膜厚が大きいパターンに対してもパターン形成層のパターニングを欠陥なく行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る厚膜パターン形成方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 基材
2 ガラス基板
3 絶縁体層
4 パターン形成層
5 マスク層
Claims (4)
- 基板上にパターン形成層を形成する第1工程と、前記パターン形成層上に所定のパターンを有するマスク層を形成する第2工程と、サンドブラスト法で前記パターン形成層における前記マスク層が形成されていない部分を研削する第3工程とを少なくとも含む厚膜パターン形成方法において、前記サンドブラストに用いる研磨材がアルミナの砥粒とジルコンの砥粒を少なくとも含むことを特徴とする厚膜パターン形成方法。
- 研磨材に含まれるアルミナの砥粒とジルコンの砥粒の重量比が1:3〜3:1の範囲内である請求項1に記載の厚膜パターン形成方法。
- 研磨材が重量比で0.1〜10%の酸化チタンの砥粒を含んでいる請求項1又は2に記載の厚膜パターン形成方法。
- 研磨材の平均粒径が20μm以下である請求項1,2又は3に記載の厚膜パターン形成方法。
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