JP5513366B2 - パターン基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、基板上に導体パターンが形成されたパターン基板の製造方法、この方法により得られるパターン基板およびこのパターン基板を備えた電子回路基板又は部品に関する。
基板上に導体パターン(導電性パターン)を形成する方法として、スクリーン印刷法、エッチング法などが知られている。
スクリーン印刷法を利用した方法では、形成する導体パターンと同じ開口部を持つスクリーンメッシュに導電性ペーストを通過させて印刷したのち、導電性ペーストを焼成させて導体パターンを形成する。スクリーン印刷法を利用したこのような方法は、簡単な方法であり、また、安価に導体パターンを形成できる利点がある。しかし、粘性流動体であるペースト材料を用いるため、印刷した後にペーストの垂れが生じやすく隣接パターン同士が接触(ショート)してしまう恐れがある。このためパターン同士の間隔を広くせざるを得ず、微細パターン形成の要求に応えることが難しい。
また、導体パターンの表面に別の導電部材(チップなど)を実装する用途などでは、実装した後の導電部材の傾きを抑制したり、導電部材と導体パターン間の接合強度を高めたり、導電部材から発生する熱を効率的に導体側(基板側)に放出するなどの目的から、導電部材と導体パターン表面の接触面積をできるだけ大きくする必要があり、そのため、導体表面の平坦性が求められることがある。このような観点からも、スクリーン印刷法は、導体パターンの形成に適さない。すなわち、スクリーン印刷により形成された導電性ペーストのパターン(未焼結パターン)は、印刷後のペーストの垂れによってパターンの断面形状が膨出状(かまぼこ状)になってしまい、導体パターン表面が平坦にならないという問題があった。
なお、ペーストの垂れを防ぐためにペーストの粘性を変えて垂れを生じ難くすればこのような問題を幾分かは改善できる。しかし、ペーストの流動性を低下させることになるので、印刷後のレベリングが悪くなり、スクリーンメッシュの痕が残って導体パターン表面が著しく荒れ、その結果、導体パターンの平滑性を損なってしまう。このような導体パターン表面の平滑性の低下は、前記と同様に、導電性パターンと導電部材との接触面積を小さくする要因となる。
一方、エッチング法を利用した方法では、基板に導体膜を形成した後、パターンとして必要な部分以外をエッチングによって除去してパターンを形成する。例えば、特開平6−204645号公報(特許文献1)には、セラミックス基板上に銅粒子を主成分とする導体ペーストを1回又は複数回塗布する工程と、該銅導体ペーストを塗布したセラミックス基板を焼成してセラミックス基板上に銅導体層を形成する工程と、該銅導体層を研磨処理する工程と、研磨処理の施された前記銅導体層上に所定パターンのレジスト膜を形成した後、エッチング処理して回路形成を行う工程とを含むセラミックス回路基板の製造方法が開示されている。
このようなエッチング法を利用した方法であれば、微細パターンの形成が可能なうえ、表面も平滑になるのでパターンをスクリーン印刷するときのような問題点はない。しかしながら、以下のような理由により、エッチングによって除去した部分の電気絶縁性が低下してしまう。すなわち、導体膜を形成するための導電性ペーストには、通常、導電性成分以外に、導体ペーストが焼成した後にセラミックスなどの絶縁性基板に対する十分な密着力を付与するために、ガラス粉などの接着性成分が配合されており、このような接着成分は、焼成の際、溶融流動により導体膜と絶縁性基板間との界面に移動し、焼成導電膜と絶縁基板とを接着又は密着させる接着層(密着層)として機能する。また、接着層は、接着性成分と導電性成分との混合物からなり、このような接着性成分としては、通常、エッチングやメッキなどの化学処理に耐えられるように、耐薬品性に優れた成分が使用されている。そのため、エッチングによっても、このような接着層が残ってしまい、エッチングした部分の絶縁性が低下する。
さらに、エッチング後、さらに、導体パターン表面にメッキを施す場合においては、この残存する接着層にメッキが析出する可能性がある。このような接着層へのメッキの析出は、さらなる絶縁性の低下を生じさせ、極端な場合には、ショートを引き起こす可能性もある。
なお、エッチング法において、導体膜は、導電性ペーストの塗布によらず、メッキ(電解又は無電解メッキ)により形成することも考えられる。しかし、このようなメッキを利用する方法では、メッキの成長に時間がかかって高価である上、メッキにより形成された導体膜と基板との接着信頼性も十分でない。
特開平6−204645号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、基板上に導体パターンが形成されたパターン基板を効率よく製造する方法、およびこの方法により得られるパターン基板を提供することにある。
本発明の他の目的は、導体パターンが微細であっても、導体パターン間の絶縁性に優れたパターン基板を製造する方法、およびこの方法により得られるパターン基板を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、比較的均一な厚み又は幅の導体パターンが形成されたパターン基板を製造する方法、およびこの方法により得られるパターン基板を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、基板表面のうち、パターンを形成する部分(パターン形成部)に加えて、さらに、パターンを形成しない部分(非形成部)に、パターン形成部の導電性ペーストよりも基板に対する密着性の低い焼結体を形成可能な特定の導電性ペーストを印刷(コーティング)し、焼結することで、パターン非形成部を容易にエッチングでき、導体パターン(導体パターン間の間隔)を微細化しても、導体パターン間の絶縁性に優れたパターン基板が得られること、また、パターン非形成部にも導電性ペーストを印刷することで、パターン形成部に印刷された導電性ペーストが、垂れにより膨出状(断面かまぼこ状)の凸部パターンを形成しても、このような凸部パターン間の間隙(又は空隙)を別の導電性ペーストで埋めることができ、結果としてエッチング後の導体パターンの厚みをパターンの中央部から端部に至るまで比較的均一な厚みとすることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の方法は、基板上に導体パターンが形成されたパターン基板を製造する方法であって、
基板表面のうち、所定部(所定のパターン部、導体パターンの位置に対応するパターン部)の上に導電性ペースト(A)を印刷(パターン印刷)する第1の印刷工程と、
形成された導電性ペースト(A)の凸部間(又は導電性ペースト(A)で構成された未焼結パターン間)に、導電性ペースト(A)よりも基板に対する密着性の低い焼結体を形成可能な導電性ペースト(B)を印刷又は塗布(コーティング)する第2の印刷工程と、
第2の印刷工程を経た基板を焼結処理する焼結工程と、
基板表面のうち、パターン部を除く非パターン部(詳細には、パターン部を除く部分に対応する非パターン部)の上に形成された導電性ペースト(B)の焼結体をエッチングするエッチング工程とを含む。
導電性ペースト(A)および導電性ペースト(B)は、導電剤としての導電性金属を含んでいてもよい。また、導電性ペースト(A)は、通常、ガラスを含んでいてもよく、導電性ペースト(B)を構成する導電性金属に対するガラスの重量割合よりも、導電性ペースト(A)を構成する導電性金属に対するガラスの重量割合を大きくしてもよい。具体的には、導電性ペースト(A)中のガラスの割合を、導電性ペースト(A)を構成する導電性金属100重量部に対してA重量部とし、導電性ペースト(B)中のガラスの割合を、導電性ペースト(B)を構成する導電性金属100重量部に対してB重量部とするとき、A−Bの値を0.5重量部以上(例えば、1重量部以上)にしてもよい。なお、導電性ペースト(A)中のガラスの割合は、導電性ペースト(A)を構成する導電性金属100重量部に対して、例えば、1.5重量部以上(例えば、1.8重量部以上)であってもよく、導電性ペースト(B)中のガラスの割合は、導電性ペースト(B)を構成する導電性金属100重量部に対して、例えば、3重量部以下(例えば、2.5重量部以下)であってもよい。
前記第2の印刷工程において、導電性ペースト(A)の凸部間を埋める形態で導電性ペースト(B)を印刷してもよい。また、前記第2の印刷工程において、導電性ペースト(B)を導電性ペースト(A)の凸部を被覆(凸部が埋入)するように印刷してもよい。さらに、前記第2の印刷工程において、導電性ペースト(B)を複数回印刷してもよい。
前記方法において、第1の印刷工程と第2の印刷工程との間には、さらに、導電性ペースト(A)を焼結処理する予備焼結工程を含んでいてもよい。
また、前記方法において、第2の印刷工程と焼結工程との間には、さらに、導電性ペースト(A)及び導電性ペースト(B)の表面を研磨(又は平坦化又は平滑化)する予備研磨工程(平坦化工程)を含んでいてもよい。
さらに、前記方法において、焼結工程とエッチング工程との間には、導電性ペースト(A)及び導電性ペースト(B)の焼結体表面を研磨(平面化又は平滑化)する研磨工程(平面化工程又は平滑化工程)を含んでいてもよい。
前記方法において、研磨工程により、焼結体表面の表面粗さRaを0.3μm以下としてもよい。
本発明には、前記方法により得られるパターン基板も含まれる。このようなパターン基板において、導体パターンの幅のうち、基板と接触する部分の幅と表面部分の幅との差は、例えば、10μm以下であってもよく、導体パターン間の間隔は、70μm以下であってもよく、非パターン形成部の抵抗値は、例えば、1×1010Ω以上であってもよい。前記パターン基板において、導体パターン上にさらにメッキが施されていてもよい。
本発明には、前記パターン基板を備えた電子回路基板又は部品も含まれる。
本発明の方法では、基板上に導体パターンが形成されたパターン基板を効率よく製造できる。特に、導体パターンを形成しない部分に、基板に対して密着性の劣る第2の導電性ペーストを印刷するので、容易に導体パターンを形成しない部分をエッチングでき、導体パターンが微細であっても、導体パターン間の絶縁性に優れたパターン基板を製造できる。また、本発明の方法では、第2の導電性ペーストの焼結体により、導体パターン間の間隙を埋めることができるため、スクリーン印刷で見られるような厚みが不均一の膨出状(断面かまぼこ状)パターンではなく、1つのパターンの中央部から端部に亘って、比較的均一な厚みの導体パターンを形成することができる。
<第1の印刷工程>
第1の印刷工程では、基板表面のうち、所定のパターン部(すなわち、導体パターンの位置に対応するパターン部、所定部、パターン形成部などということがある。)の上に導電性ペースト(A)を印刷(パターン印刷)する。
[基板]
基板(絶縁基板又は絶縁性基板)としては、焼結処理(焼成温度)に耐えうる基板であれば特に限定されず、用途に応じて選択できる。このような基板としては、例えば、セラミックス基板、ガラスセラミックス基板、シリコーンウエハー基板、ホーロー基板などが挙げられる。特に、アルミナ基板や窒化アルミニウム基板などのセラミックス基板は、耐熱温度や機械強度、耐薬品性に優れ、本発明において好適に用いることができる。
また、基板は、予め焼結された焼結基板を用いてもよく、グリーンシート状の基板であってもよい。このようなグリーンシート状の基板を、原料としての基板に用いる場合、導電性ペースト(A)(及び導電性ペースト(B))の焼結処理とともに、焼結基板(同時焼結基板)を得ることができる。なお、グリーンシート状態では、柔らかく支持性に劣るため、後述する平面化工程前の適当な段階で、基板の焼結を行うのが好ましい。
なお、基板の表面は、必要に応じて、酸化処理[表面酸化処理、例えば、高温酸化処理、放電処理(コロナ放電処理、グロー放電など)、酸処理(クロム酸処理など)、紫外線照射処理、焔処理など]、表面凹凸処理(溶剤処理、サンドブラスト処理など)などの表面処理がされていてもよい。
基板の厚みは、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、0.05〜10mm、好ましくは0.1〜5mm、さらに好ましくは0.2〜3mm程度であってもよい。
[導電性ペースト(A)]
導電性ペースト(A)は、導電剤を少なくとも含むペーストであれば特に限定されないが、通常、導電剤としての導電性金属を少なくとも含むペーストである場合が多い。
(導電性金属)
導電性金属としては、用途に応じて適宜選択でき、例えば、遷移金属(例えば、ニオブなどの周期表第5A族金属;モリブデン、タングステンなどの周期表第6A族金属;マンガンなどの周期表第7A族金属;鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、イリジウム、白金などの周期表第8族金属;銅、銀、金などの周期表第1B族金属など)、周期表第2B族金属(例えば、亜鉛など)、周期表第3B族金属(例えば、アルミニウムなど)などの金属単体の他、これらの金属の合金、これらの金属の化合物(金属硫化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物など)などが挙げられる。
導電性金属は、通常、金属単体又は金属合金であってもよい。代表的な導電性金属には、良好な電気特性を有するという観点から、例えば、ニッケル、銅、銀、アルミニウムなどが挙げられる。特に、これらの中でも、安価でかつ導電性が高く、研磨によって延伸しやすい膜が得られるという観点から、銅が好ましい。
導電性金属は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、導電剤(導電性金属)の形態(又は形状)は、特に限定されないが、粒子状の導電剤(導電性金属粒子など)を好適に使用してもよい。粒子状の導電剤の平均粒径は、例えば、0.01〜50μm、好ましくは0.05〜20μm、さらに好ましくは0.1〜10μm程度であってもよい。
(ガラス)
また、導電性ぺースト(A)は、通常、ガラスを含んでいてもよい。ガラスは、焼結処理中に軟化して基板と焼結金属パターンとの間に強力な接着層を形成することができるため、基板に対する優れた密着性を付与する点で好適である。
ガラスとしては、基板に対する密着性を付与できれば特に限定されず、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ素(B)を含むガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸亜鉛ガラス、鉛ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸バリウムガラス、ホウケイ酸ストロンチウムガラス、ホウケイ酸カリウムガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ビスマスガラスなど)、鉛ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、リン酸ガラス、石英ガラスなどが挙げられる。ガラスは、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
ガラスとしては、化学エッチング液、酸、アルカリなどの化学薬品に対する耐性に優れたガラスを使用するのが好ましい。代表的なガラスには、耐薬品性(耐アルカリ性、耐酸性)などの観点から、例えば、ホウ素(B)を含むガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸亜鉛ガラス、鉛ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸バリウムガラス、ホウケイ酸ストロンチウムガラス、ホウケイ酸カリウムガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなど)などが挙げられる。
ホウ素を含むガラス(ホウケイ酸ガラス)は、ホウ素(B)とケイ素(SiO)を少なくとも含むガラスであり、これらの他に、金属酸化物[例えば、アルカリ金属酸化物(例えば、LiO、NaO、KOなど)、アルカリ土類金属(例えば、MgO、CaO、SrO、BaOなど)、遷移金属酸化物(例えば、MnO、ZnO)、周期表第13族金属酸化物(例えば、Al)、周期表第14族金属酸化物(例えば、PbO、Pb)、周期表第15族金属酸化物(例えば、Sb、Bi)など]を含んでいてもよい。
ホウ素を含むガラスにおいて、ホウ素の割合は、B換算で、例えば、5〜50重量%、好ましくは7〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%程度であってもよい。また、ホウ素を含むガラスにおいて、ケイ素の割合は、SiO換算で、例えば、10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは30〜65重量%程度であってもよい。また、ホウ素を含むガラスにおいて、亜鉛の割合は、ZnO換算で、例えば、0〜75重量%(例えば、0〜70重量%)、好ましくは0〜50重量%、さらに好ましくは0〜30重量%程度であってもよい。なお、亜鉛を含むホウケイ酸ガラス(ホウケイ酸亜鉛ガラス)において、亜鉛の割合は、ZnO換算で、例えば、5〜75重量%(例えば、7〜60重量%)、好ましくは10〜50重量%(例えば、12〜40重量%)、さらに好ましくは15〜30重量%程度であってもよい。
なお、ガラスの形状(又は形態)は、特に限定されないが、通常、粒子状(フリット状)であってもよい。粒子状のガラス(ガラス粒子、ガラスフリット)において、平均粒径は、例えば、0.1〜50μm、好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μm程度であってもよい。
(バインダー樹脂)
導電性ペースト(A)は、ペーストの塗布性(印刷性)を向上させるとともに、基板表面で所定の膜形状(パターン形状)を保持するため、バインダー樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂であってもよい。代表的なバインダー樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂[例えば、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのスチレンと(メタ)アクリル系単量体との共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体など]、(メタ)アクリル系樹脂{例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリイソブチルメタクリレートなど)、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アルキル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、好ましくは(メタ)アクリル酸C1−10アルキルなど)などの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミドなど]の単独又は共重合体;熱又は光硬化性アクリル系樹脂など}、オレフィン系樹脂(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、ビニルエステル系樹脂(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなど)、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル系樹脂;脂肪族ポリエステル系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、多糖類又はその誘導体[例えば、セルロース誘導体(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースエステル類;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテル類;ニトロセルロースなど)、デンプン、グアガム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウムなど]、ゴム又はエラストマー(例えば、アクリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなど)などが挙げられる。
バインダー樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
(溶媒)
導電性ペースト(A)は、通常、溶媒を含んでいる。溶媒としては、バインダー樹脂の種類などに応じて選択でき、導電性ペーストに適度な粘度を与え、容易に乾燥処理などにより除去できる(揮発する)溶媒を好適に使用できる。
代表的な溶媒としては、例えば、アルコール類{例えば、脂肪族アルコール類(例えば、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコールなどの飽和又は不飽和C6−30脂肪族アルコール、好ましくは飽和又は不飽和C8−24脂肪族アルコールなど)、脂環族アルコール類[例えば、シクロヘキサノールなどのシクロアルカノール類;テルピネオール、ジヒドロテルピネオールなどのテルペンアルコール類(例えば、モノテルペンアルコールなど)など]、芳香脂肪族アルコール(例えば、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなど)、フェノール類[例えば、クレゾール(メタクレゾールなど)など]、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールなどの(ポリ)C2−4アルキレングリコールなどのグリコール類;グリセリンなどの3以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールなど)など}、グリコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;2−フェノキシエタノールなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアリールエーテルなど)、グリコールエーテルエステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート)、炭化水素類[例えば、脂肪族炭化水素類(例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカンなどの飽和又は不飽和脂肪族炭化水素類)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン(パラキシレンなど)など)など]、ケトン類(例えば、アセトン、ジアセトンアルコールなどの鎖状ケトン;イソホロンなどの環状ケトン)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類)、エステル類[例えば、乳酸エステル(乳酸エチルなど)、酢酸エステル(例えば、酢酸ベンジル、酢酸イソボルネオール)などの脂肪酸エステル;安息香酸エステル(安息香酸メチル、安息香酸エチルなど)などの芳香族カルボン酸エステル]、窒素含有溶媒[例えば、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミドなどのホルムアミド類)、イミダゾール類(例えば、ジメチルイミダゾールなど)、ジメチルイミダゾリジノンなど]などが挙げられる。
溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、導電性ペースト(A)は、上記成分の他に、必要に応じて、各種添加剤(例えば、界面活性剤又は分散剤、分散安定化剤、増粘剤又は粘度調整剤、消泡剤など)などの他の成分を含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(各成分の割合)
導電性ペースト(A)において、導電剤の割合は、導電剤の種類や所望の導電性の程度などにもよるが、例えば、50重量%以上(例えば、55〜98重量%)、好ましくは60重量%以上(例えば、65〜95重量%)、さらに好ましくは70重量%以上(例えば、75〜90重量%)であってもよい。
また、ガラスを含む導電性ペースト(A)において、ガラスの割合は、導電剤(特に、導電性金属)100重量部に対して、0.5重量部以上(例えば、0.7〜50重量部)の範囲から選択でき、例えば、1重量部以上(例えば、1.2〜40重量部)、好ましくは1.5重量部以上(例えば、1.6〜30重量部)、さらに好ましくは1.8重量部以上(例えば、1.9〜20重量部)、通常1.5〜18重量部(例えば、1.8〜15重量部)程度であってもよく、2重量以上[例えば、2.1重量部以上(例えば、2.2〜30重量部)、好ましくは2.5〜20重量部、さらに好ましくは3〜18重量部]とすることもできる。
なお、ガラスを含む導電性ペースト(A)において、ガラスの割合は、例えば、0.3重量%以上(例えば、0.5〜30重量%)、好ましくは0.7重量%以上(例えば、0.8〜20重量%)、さらに好ましくは1重量%以上(例えば、1.2〜15重量%)程度であってもよく、通常1〜15重量%(例えば、1.5〜12重量%)程度であってもよい。
このような割合でガラスを含む導電性ペースト(A)を用いると、導電性を損なうことなく、基板に対する優れた密着性を効率よく実現できる。
また、バインダー樹脂を含む導電性ペースト(A)において、バインダー樹脂の割合は、導電剤100重量部に対して、例えば、1〜50重量部(例えば、1.5〜40重量部)、好ましくは2〜30重量部、さらに好ましくは3〜20重量部程度であってもよい。
また、導電性ペースト(A)において、固形分(例えば、導電剤、ガラスおよびバインダー樹脂の総量)の割合は、例えば、60重量%以上(例えば、65〜99.5重量%)、好ましくは70重量%以上(例えば、75〜99重量%)、さらに好ましくは80重量%以上(例えば、85〜98重量%)、特に90〜97重量%程度であってもよい。
導電性ペースト(A)の粘度は、用途や適用するコーティング方法などに応じて選択できるが、通常、25℃において、0.5Pa・s以上(例えば、1〜400Pa・s)、好ましくは3Pa・s以上(例えば、5〜300Pa・s)、さらに好ましくは10〜250Pa・s(例えば、20〜200Pa・s)程度であってもよく、通常1〜300Pa・s程度であってもよい。
[印刷方法]
導電性ペースト(A)は、基板表面のうち、パターン形成部の上に印刷(コーティング、転写)される。印刷方法としては、導電性ペースト(A)を所望の形状パターンで基板に印刷できるものであれば特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法、凹版印刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷などの公知の印刷方法を利用できる。
これらの中でも、特に、安価であると共に、厚い膜の形成にも対応しやすいため、スクリーン印刷が好ましい。代表的なスクリーン印刷では、スクレッパーを用いてスクリーンマスクに導電性ペーストを所定の厚みに(例えば、薄く)コートした後、スキージを用いてスクリーンメッシュ開口部に導電性ペーストを通過させることにより、基板にパターンが印刷される。なお、スクレッパーやスキージは特に限定されるものではなく、一般的な、金属材質のスクレッパーやウレタンやシリコーンなどのゴム材質のスキージを用いることができる。スクリーンマスクもまた、一般に用いられるスクリーンメッシュに感光剤でネガパターン形成したマスクや、ステンレスなどの金属材質でパターン部をペースト通過できるように開口を設けたメタルマスクなどを用いることができる。メッシュの細かさや感光剤、メタルの厚さ等マスクの仕様も要求されるパターンサイズによって適宜選択すればよい。スキージ速度やクリアランス、スキージ圧力などの印刷条件も適宜自由に選択できるもので制限はない。なお、導電性ペースト(A)は、ペースト状であるため、スクリーンメッシュの開口部の幅を所望のパターンの幅よりも小さくしてもよい。
印刷により基板上に形成される導電性ペースト(A)[又は導電性ペースト(A)の凸部(凸部パターン)又は未焼成パターン]の幅(最大幅)は、例えば、1〜300μm、好ましくは3〜250μm、さらに好ましくは5〜200μm(例えば、10〜180μm)、特に20〜150μm(例えば、30〜120μm)程度であってもよい。
また、印刷により基板上に形成される導電性ペースト(A)の凸部間(隣接する凸部間)の距離(又は絶縁幅)は、例えば、5〜150μm、好ましくは10〜120μm、さらに好ましくは15〜100μm(例えば、20〜90μm)、特に25〜80μm(例えば、30〜70μm)程度であってもよい。本発明では、このような微細なパターンであっても、非パターン形成部に優れた絶縁性を付与できる。
なお、基板上に形成される導電性ペースト(A)の凸部の形状は、ペーストの粘性の程度にもよるが、通常、膨出状(断面かまぼこ状)である。
なお、導電性ペースト(A)は、基板の片面又は両面に印刷してもよい。両面に印刷する場合、両面を後述の工程に供してもよく、片面のみを後述の工程に供してもよい。両面に印刷する場合において、片面にのみ高精度の電極形成が要求される場合などにおいては、片面のみを後述の工程に供することにより、製造コストを抑えることができる。
なお、導電性ペースト(A)を印刷した後の基板には、後述の予備焼結工程や第2の印刷工程に先立って、必要に応じて乾燥処理を行ってもよい。
<予備焼結工程>
第1の印刷工程後、導電性ペースト(A)のパターンが印刷された基板は、第2の印刷工程にそのまま供してもよく、必要に応じて、第2の印刷工程に先立って、焼結処理(又は焼成処理)してもよい。第2の印刷工程前に、導電性ペースト(A)を焼結処理することで、基板に対する密着性をさらに向上させたり、層間剥離を効率よく防止できる場合がある。なお、予備焼結工程において、焼結(焼成)条件は、後述と同様である。
<第2の印刷工程>
第2の印刷工程では、印刷により形成された導電性ペースト(A)の凸部間(又は凸部の間隙又は空隙)に、導電性ペースト(B)を印刷する。
[導電性ペースト(B)]
導電性ペースト(B)は、導電性ペースト(A)よりも基板に対する密着性の低い焼結体(焼結物又は焼結膜)を形成可能であればよい。すなわち、導電性ペースト(B)の焼結体のエッチング除去性(例えば、エッチング液による除去のしやすさ)を、導電性ペースト(A)の焼結体に比べて相対的に高くできればよい。
このようなエッチング除去性を相対的に高くする方法としては、例えば、(1)導電性ペースト(B)中のガラスの割合を導電性ペースト(A)に比べて相対的に小さくする方法、(2)導電性ペースト(B)中のガラスとして、導電性ペースト(A)のガラスよりもエッチング除去性に優れたガラスを使用する方法などが挙げられる。
特に、導電性ペースト(B)(の焼結体)は、後述するように、通常、導体パターンの一部を形成するため、十分な導電性を有しているのが好ましい。そのため、十分な導電性を維持しつつ、基板に対する密着性を低下させることができるという点で、前者の方法(1)を好適に利用できる。このような方法では、ガラスの含量を少なくすることにより相対的に導電性ペースト(B)中の導電剤の割合を大きくできるため、むしろ、導電性ペースト(A)に比べてより高い導電性の焼結体を形成することもできる。以下、方法(1)について詳述する。
導電性ペースト(B)は、ガラスの含量において導電性ペースト(A)に比べて小さければよい。例えば、導電性ペースト(B)を構成する導電剤(特に、導電性金属)に対するガラスの重量割合よりも、導電性ペースト(A)を構成する導電剤(特に、導電性金属)に対するガラスの重量割合を大きくしてもよい。具体的には、導電性ペースト(A)中のガラスの割合を、導電性ペースト(A)を構成する導電剤(特に、導電性金属)100重量部に対してA重量部とし、導電性ペースト(B)中のガラスの割合を、導電性ペースト(B)を構成する導電剤(特に、導電性金属)100重量部に対してB重量部とするとき、A−Bの値が、例えば、0.3重量部以上(例えば、0.4〜40重量部)、好ましくは0.5重量部以上(例えば、0.7〜30重量部)、さらに好ましくは1重量部以上(例えば、1.2〜20重量部)、特に1.5重量部以上(例えば、1.7〜18重量部)となるように調整してもよい。
また、導電性ペースト(B)は、ガラスを含んで(又は実質的に含んで)いなくてもよく、相対的に導電性ペースト(A)よりも基板に対する密着性を低下させることができれば、ガラスを含んでいてもよい。導電性ペースト(B)は、基板に対する密着性や導電性の観点からは、ガラスを含まないこと好ましいが、後述の平面化工程において導体パターンに負荷が作用するため、場合によってはガラスを導電性ペースト(B)に含有させて基板と弱く接着しておくほうがよいこともある。例えば、パターン形成部間の間隔が大きい場合、基板と接着しない非パターン部の面積割合が増えて平面化のストレスに耐えきれず剥離してしまう可能性があるが、このように剥離が非パターン部にとどまらずパターン形成部にまで及ぶ恐れのある場合などにおいては、ガラスを少量添加して基板と弱く接着しておくことでこのような問題を効率よく防ぐことができる。
このような観点から、導電性ペースト(B)中のガラスの割合は、導電性ペースト(B)を構成する導電剤(特に、導電性金属)100重量部に対して、10重量部以下(例えば、0〜7重量部)の範囲から選択でき、例えば、5重量部以下(例えば、0〜4重量部)、好ましくは3重量部以下(例えば、0〜2.7重量部)、さらに好ましくは2.5重量部以下(例えば、0〜2.2重量部)、特に2重量部以下(例えば、0〜1.5重量部)であってもよい。
なお、導電性ペースト(B)がガラスを含む場合、導電性ペースト(B)中のガラスの割合は、導電性ペースト(B)を構成する導電剤(特に、導電性金属)100重量部に対して、例えば、0.1重量部以上(例えば、0.2〜5重量部)、好ましくは0.3重量部以上(例えば、0.4〜4重量部)、さらに好ましくは0.5重量部以上(例えば、0.7〜3重量部)、特に1重量部以上(例えば、1.2〜2.5重量部)程度であってもよい。
なお、導電性ペースト(B)に含まれるガラスとしては、前記と同様のガラスが挙げられる。
導電性ペースト(B)は、ガラスを除いて、通常、前記導電性ペースト(A)と同様の成分を含んでいてもよい。すなわち、導電性ペースト(B)は、導電剤(前記例示の導電剤など)を少なくとも含むペーストであり、その他の成分として、バインダー樹脂(前記例示のバインダー樹脂など)などを含んでいてもよい。
これらの導電性ペースト(B)における各成分の割合もまた、ガラスを除いて、前記導電性ペースト(A)と同様の範囲から選択できるが、導電性ペースト(B)では導電性ペースト(A)よりも相対的にガラスの含量を小さくする場合が多い。
そのため、導電性ペースト(B)では導電性ペースト(A)よりも相対的に導電剤の含量が大きい、すなわち、導電性ペースト(A)中に含まれる導電剤(特に、導電性金属)の重量割合よりも、導電性ペースト(B)中に含まれる導電剤(特に、導電性金属)の重量割合が大きい場合が多い。具体的には、導電性ペースト(A)中の導電剤の割合をA重量%とし、導電性ペースト(B)中の導電剤の割合をB重量%とするとき、A−Bの値は、例えば、0.3重量%以上(例えば、0.5〜30重量%)、好ましくは0.7重量%以上(例えば、0.8〜20重量%)、さらに好ましくは1重量%以上(例えば、1.2〜15重量%)、特に1.5重量%以上(例えば、1.7〜12重量%)であってもよく、通常1〜10重量%(例えば、1.5〜9重量%、好ましくは1.7〜8重量%、さらに好ましくは2〜7重量%)であってもよい。
また、導電性ペースト(B)における固形分の割合や粘度も前記と同様の範囲から選択できる。
[印刷方法]
第2の印刷工程では、導電性ペースト(A)(予備焼結処理を行う場合には、導電性ペースト(A)の焼結体又は焼結パターン、他に同じ)の凸部間(又は導電性ペースト(A)のパターン間)に、導電性ペースト(B)を印刷(コーティング)する。換言すれば、第2の印刷工程は、導電性ペースト(A)で形成された凸部パターン(又は未焼成パターン又はその焼結パターン)間の隙間に、導電性ペースト(B)を埋める工程ともいうことができる。
印刷方法としては、特に限定されず、前記と同様の方法を利用できる。印刷条件もまた前記と同様に特に限定されない。
導電性ペースト(B)は、少なくとも前記凸部間の隙間又は領域(部位)を埋めることができればよく、基板表面のうち、導体パターンを形成しない非パターン部(非パターン形成部)の上にのみ形成(印刷)してもよいが、特に、導電性ペースト(A)の凸部(膨出状の凸部又は膨出状の未焼成パターン)間を埋める形態で導電性ペースト(B)を印刷してもよい。
すなわち、前記のように、導電性ペースト(A)の凸部(凸部パターン)の形状は、通常、ペーストの垂れに起因して、パターンの両側部の厚みが小さくなる膨出状(断面かまぼこ状)となっている場合が多い。そのため、前記凸部間を埋める形態で導電性ペースト(B)を印刷すると、導電性ペースト(B)の一部が導電性ペースト(A)(又はその焼結体)と接触(密着)してパターンが均一化され、エッチングにより厚み又は幅が均一な導体パターンが得られやすい。
また、導電性ペースト(B)は、導電性ペースト(A)の凸部間のみに印刷してもよく、導電性ペースト(A)の凸部が埋入するように(又は凸部を被覆するように)印刷してもよい。具体的には、第1の印刷工程で形成された導電性ペースト(A)のパターン(ポジパターン)とは逆のネガパターンで導電性ペースト(B)を印刷してもよく、導電性ペースト(A)のパターンを被覆するように全面ベタパターンで導電性ペースト(B)を印刷してもよい。導電性ペースト(B)で導電性ペースト(A)の凸部を被覆すれば、導体パターンを容易に厚膜にでき、また、後述の平坦化工程における研磨しろを容易に確保することができる。
また、導電性ペースト(B)は、複数回(例えば、2〜10回、好ましくは2〜5回)印刷(重ね印刷)してもよい。重ね印刷により、凸部を被覆する場合と同様の効果が得られる。
なお、導電性ペースト(B)を印刷した後の基板には、後述の平坦化工程や焼結工程に先立って、必要に応じて乾燥処理を行ってもよい。
<予備研磨工程>
第2の印刷工程後、導電性ペースト(A)および導電性ペースト(B)が印刷された基板は、焼結工程にそのまま供してもよく、必要に応じて、第2の焼結工程に先立って、導電性ペースト(A)(又はその焼結体)及び導電性ペースト(B)の表面を平坦化(又は研磨)する(又はならす)予備研磨工程(均一化工程又は平坦化工程)を含んでいてもよい。ペーストにより形成された膜は、未焼結であるため、平坦化又は研磨しやすく、容易に平坦化可能であり、後述の焼結後の基板表面を研磨する研磨工程(平面化工程)と組み合わせると、効率よく導体パターンを研磨しやすい。
なお、平坦化工程において、研磨方法としては、後述の方法などを適宜利用できる。
<焼結工程>
焼結工程(焼成工程)では、第2の印刷工程(および平坦化工程)を経た基板を焼結処理(又は焼成処理)する。焼成工程は、例えば、トンネル炉、バッチ炉などの慣用の炉を用いることができる。
焼成温度(焼結温度)は、ガラスの種類(ガラスの軟化又は溶融温度など)や導電剤の種類(導電剤の融点など)などに応じて選択でき、通常、ガラスの軟化温度よりも高く導電剤の融点よりも低い温度であればよい。具体的な焼成温度としては、例えば、400℃以上(例えば、500〜1600℃)、好ましくは600℃以上(例えば、650〜1300℃)、さらに好ましくは700℃以上(例えば、800〜1200℃)、特に800〜1100℃(例えば、850〜1000℃)程度であってもよい。なお、焼成温度での保持時間(焼成時間)は、例えば、5分〜5時間、好ましくは10分〜3時間、さらに好ましくは20分〜1時間程度であってもよい。
焼成処理は、酸化性雰囲気下で行ってもよく、用途に応じて酸化[例えば、導電性金属(ニッケルなど)の酸化]を防止するため、非酸化性又は不活性雰囲気[例えば、窒素、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴンなど)などの不活性ガス]下で行ってもよい。
このような焼結処理を経て、基板上(又は基板表面)に、導電性ペースト(A)および導電性ペースト(B)の焼結体(焼結膜)が形成される。
<研磨工程>
焼結工程後、導電性ペースト(A)及び導電性ペースト(B)の焼結体が形成された基板は、そのままエッチング工程に供してもよいが、エッチング工程に先立って、導電性ペースト(A)及び導電性ペースト(B)の焼結体表面を研磨により平面化又は平滑化する研磨工程を含んでいてもよい。
平面化(又は均一化)方法としては、特に限定されず、例えば、研削、バフ研磨、ラップ研磨(例えば、ダイヤモンドスラリーを用いて平行パッドの間で研磨する方法)、化学研磨(例えば、酸やアルカリなどの化学薬品を用いて研磨する方法)、化学的機械研磨などの慣用の研磨方法を利用できる。研磨方法は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
バフ研磨では、例えば、不織布にシリコーンカーバイドなどの砥粒を練りこんだバフロールを用いて研磨する。なお、前記のように平坦化工程においても、研磨を行うことができるが、バフロールを使う場合で表面が軟らかく、凹凸に追随するように研磨してしまい平坦化が困難な場合には、バフロールに変えて、砥粒を練りこんだキューブ状の樹脂ブロックを螺旋状に配置し、その内側に弾力性のあるゴム層を設けたスパイラルカッターを用いてもよい。これらの研磨方法の単独もしくは組み合わせてもよいし、砥粒サイズを選択して、例えば、印刷による凹凸を無くす平坦化のために大きめの砥粒で粗研磨した後、所望の表面粗さを得るために細かい砥粒で仕上げ研磨を行うように組み合わせると効率的である。
このような研磨工程を経て、焼結体(導体パターン)表面が平面化される。研磨工程後の焼結体表面の表面粗さRaは、0.8μm以下(例えば、0又は検出限界〜0.7μm)の範囲から選択でき、例えば、0.6μm以下(例えば、0〜0.5μm)、好ましくは0.3μm以下(例えば、0.01〜0.28μm)程度であってもよく、0.2μm以下[例えば、0〜0.15μm、好ましくは0.1μm以下(例えば、0.02〜0.08μm)]とすることもできる。
なお、焼結体の厚みは、例えば、1〜150μm(例えば、2〜120μm)、好ましくは3〜100μm(例えば、5〜70μm)、特に7〜50μm(例えば、10〜30μm)程度であってもよい。
<エッチング工程>
エッチング工程では、基板表面のうち、前記パターン形成部以外の部分、すなわち、パターン部を除く部分(導体パターンを形成しない位置)に対応する非パターン部(非パターン形成部)の上に形成された焼結体又は焼結膜(すなわち、導電性ペースト(B)の焼結体)をエッチングする。
エッチング方法としては、慣用の方法が利用でき、代表的には、エッチングレジスト(エッチングレジスト膜)により露出させた非パターン形成部をエッチングする。エッチングレジストとしては、特に限定されず、フィルム(例えば、紫外線硬化性樹脂で形成されたフィルム)、液レジスト(例えば、紫外線硬化型の現像タイプの液レジスト、熱硬化(乾燥)性の印刷タイプの液レジストなど)などの一般的なレジストを用いることができる。
なお、紫外線硬化型のレジストは、露光や現像といったフォトリソグラフィー工程を経ることで、解像度が高く良好な形状のレジストパターンを形成できるので、最終的に得られるエッチング後の導体パターンにおいて優れた形状や精度が得られやすい。これに対して、フォトリソグラフィー工程を経ずに、直接印刷により導電膜の上にレジストパターンを形成する印刷レジスト法は、コスト面に優れるほか、暗室などの特別な施設を要しない利点がある。レジスト剥離もエッチング後にアルカリなどを用いて剥離する一般的なものでよい。
また、エッチングは、特に限定されないが、通常、化学エッチングであってもよい。代表的な化学エッチングでは、焼結体[又はその構成成分、例えば、導電剤(例えば、導電性金属)]を溶解可能な成分(例えば、酸やアルカリなど)を吹きつけて(例えば、スプレー方式で吹きつけて)、エッチングレジストでマスクして(被覆して)いない部分(すなわち、非パターン形成部上の焼結体)を溶解させて除去する場合が多い。例えば、導電性金属が銅である場合には、塩化第二鉄や塩化第二銅などの溶液によって効率的にエッチング可能である。
なお、前記のように、第2の印刷工程により膨出状の凸部パターンに沿って導電性ペースト(B)が印刷される場合が多いため、エッチング後において、通常、パターン形成部上には、導電性ペースト(B)由来の焼結体が残存している場合が多い。すなわち、エッチング工程では、導電性ペースト(B)の焼結体のうち、パターン形成部上において導電性ペースト(A)の焼結体に沿って形成された導電性ペースト(B)の焼結体部分を残してエッチングしてもよい。
<パターン基板およびその用途>
このようにして、基板上のパターン形成部に導体パターンが形成されたパターン基板が得られる。本発明の方法により得られる導体パターンは、その表面の表面粗さが前記のように小さく平坦であり、また、厚み又は幅が比較的均一である。例えば、導体パターン(1つの導体パターン)の幅のうち、基板と接触する部分の幅と表面(最表面)部分の幅との差は、導体パターンのサイズにもよるが、例えば、20μm以下(例えば、0〜15μm)、好ましくは10μm以下(例えば、0〜5μm)、さらに好ましくは5μm以下(例えば、0〜3μm)、特に1μm以下(例えば、0〜0.5μm)であり、通常、ほぼ0μmであってもよい。
また、導体パターン間の間隔は、用途に応じて適宜選択できるが、例えば、300μm以下(例えば、1〜250μm)、好ましくは200μm以下(例えば、5〜150μm)、さらに好ましくは100μm以下(例えば、10〜70μm)、特に50μm以下(例えば、15〜50μm)程度にまで小さくできる。本発明では、非パターン形成部を基板に対する密着性の低い焼結体にすることでき、そのため、エッチングにより、容易かつ確実に非パターン形成部上に形成された焼結体を除去できるため、このような微細なパターンであっても、非パターン形成部の絶縁性を損なうことがない。
なお、導体パターンの幅(平均幅)は、例えば、1μm〜10mm、好ましくは2μm〜2mm、さらに好ましくは5μm〜1mm、特に10〜500μm程度であってもよい。
非パターン形成部の絶縁性(抵抗値)は、基板の種類にもよるが、例えば、1×10Ω以上(例えば、5×10〜1×1016Ω)、好ましくは1×10Ω以上(例えば、5×10〜1×1015Ω)、さらに好ましくは1×1010Ω以上(例えば、5×1010〜1×1014Ω)、特に1×1011Ω以上(例えば、5×1011〜1×1013Ω)程度であってもよい。
また、本発明のパターン基板では、基板に対して高い密着性を有する導体パターンが形成されており、例えば、基板に対する導体パターンのピール強度(1mm当たりのピール強度)は、0.5kgf/mm以上(例えば、0.55〜5kgf/mm)、好ましくは0.6kgf/mm以上(例えば、0.65〜4kgf/mm)、さらに好ましくは0.7kgf/mm以上(例えば、0.75〜3kgf/mm)、特に0.8kgf/mm以上(例えば、0.85〜2.5kgf/mm)であってもよく、1kgf/mm以上(例えば、1.1〜2.5kgf/mm、好ましくは1.2〜2.2kgf/mm)とすることもできる。
本発明のパターン基板は、前記のように、厚み又は幅が均一で、表面が平滑又は平坦なパターンを有しているため、パターン上部の接触面積を大きくすることができる。
なお、導体パターン上には、さらにはメッキ(電解又は無電解メッキ)を施してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
96%アルミナ基板(4インチ角、厚み0.4mm)に導電性ペースト1(接合用導電性ペースト)を、ライン幅75μmおよび絶縁幅75μmの櫛形パターンと、2mm角パッドパターンとを含むパターン(未焼成のパターン)で印刷した。なお、導電性ペースト1は、銅粉100重量部に対し、ホウケイ酸ガラス粉末(SiO:45%,B:15%,ZnO:25%,TiO:5%,その他:10%)を5重量部、アクリル樹脂(ポリイソブチルメタクリレート、重量平均分子量:250000)をテルピネオールに30重量%の割合で溶解させた有機ビヒクルを15重量部含有するもので、乳鉢により原料を一体化させた後、3本ロールにて混練して作製した。また、スクリーン版にはステンレス製♯500メッシュ(線径16μm)に感光剤を10μmの厚みで付けたものを用いた。スキージは硬度70度のウレタン製スキージを用いアタック角70度にて印刷した。
印刷後の櫛形パターンの絶縁幅(パターン部の幅)は、ペーストの垂れにより50μmとなった。パターン(ポジパターン)を印刷したアルミナ基板を120℃で20分間乾燥させた後、非パターン部(ネガパターン)上に導電性ペースト2(エッチング用導電性ペースト)を印刷した。導電性ペースト2には銅粉100重量部に対し前記有機ビヒクル15重量部を含有し、ガラス成分は含まないものを用いた。スクリーン版には、前記の仕様と同じもので、導体パターンとは逆(ネガ)の開口部を持つものを用いた。同様に120℃で20分間乾燥して印刷基板を得た。
得られた印刷基板を、ベルト搬送式トンネル炉でピーク温度900℃、保持時間10分、窒素雰囲気下にて昇温降温含め60分間焼成した。焼成後膜厚は最も厚いところで22μm、最も低いところで15μmであった。焼成を終えた基板を2軸バフ研磨機で、流水中、研磨した。バフロールには前側を不織布タイプで硬度H(Hard)の#400番手(JP TYPEII/ジャブロ工業株式会社製)、後側を硬度Hの#800番手(JP TYPEII/ジャブロ工業株式会社製)を用いた。平坦化により膜厚が均一になり厚さ13μmになった。
平坦化した基板に、熱硬化型レジストインク(SPR−081/関西ペイント株式会社製)をポジパターンで印刷した後、100℃で10分間乾燥させた。導電性ペースト1とポジパターンを印刷する点では同じだが、ペーストの拡がり程度に差があるので別の版を用いた。櫛形パターンはライン幅100μmで絶縁部にあたる幅は50μm、版仕様は同じである。印刷されたレジストの絶縁部にあたる幅は40μmであった。これをスプレー式エッチングマシーンにて塩化第二鉄、液温45℃でエッチングした。純水洗浄を行った後、45℃の1%水酸化ナトリウム水溶液にてレジスト剥離を行い、再度、純水洗浄を行ってエッチング基板を得た。エッチング後に形成された絶縁幅は50μmであった。
そして、櫛形パターン部で絶縁抵抗を評価した、超高抵抗微小電流計(アドバンテック製)で500Vの電圧を絶縁部に印加し、1分後の抵抗値を読み取った。1×1010Ω以上であれば良好な絶縁性を持つと判定した。
2mm角パッドパターン部で密着力を評価した。2mm角パッド表面に沿うようにφ0.6錫メッキ軟銅線をハンダ付けしたのちパッド端に位置する箇所において軟銅線を垂直上方に折り曲げたものを引張試験機に固定し、パッドが基板から剥離するまで引張上げた。パッドが基板から剥離する際の最も高い荷重をピール強度(2mmパターンのピール強度)として記録した。ピール強度が1kgf以上(すなわち、パターン1mmあたりのピール強度が0.5kgf以上)であれば良好な密着性があるとした。
導体パターンの断面形状の評価尺度として、櫛形パターンのラインにおいて導体パターン下面(基板との接触部分)の幅から導体上面(表面部分、最表面部分)の幅を差し引いた値を用いた。顕微鏡による画像測定によって上面と下面にフォーカスを合わせながらそれぞれの幅を測定した。上面と下面との幅にほとんど差異が無く判別不可能な場合はゼロ(差なし)とした。差が10μm以下であれば良好とした。
2mm角パッドの表面で粗さ計を用いて表面粗さを測定した。測定方法としてはJISに定められるとおりとした。Raが0.3μm以下であれば良好と判定した。
(実施例2)
実施例1において、基板を窒化アルミニウムに変更したこと以外は、実施例1と同様とした。
(実施例3および4)
実施例1において、導電性ペースト1のガラスの割合を表に示す割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にした。
(実施例5)
実施例1において、導電性ペースト2のガラスの割合を表に示す割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にした。
(実施例6)
実施例1において、導電性ペースト2の印刷をネガではなく、ベタ(全面カバー)印刷に変えたこと以外は、実施例1と同様にした。ベタ印刷において、スクリーン版にはステンレス製#400メッシュ(線径23μm)に感光剤を10μmの厚みで付けたものを用いた。焼成後膜厚は最も厚いところで30μm、最も低いところで23μmであった。また、研磨後の膜厚は20μmであった。
(実施例7)
実施例6において、ベタ印刷を2回に変更し、研磨をラップ研磨に変更したこと以外は、実施例6と同様にした。焼成後膜厚は最も厚いところで45μm、最も低いところで33μmであった。研磨は、砥粒サイズ2μmのスラリーで粗研磨した後、0.1μmのスラリーに変えて仕上げることにより行い、研磨後の膜厚は20μmであった。
(実施例8)
実施例1において、導電性ペースト2の印刷まで終えたあと、焼成前に、乾燥膜の状態でバフ研磨(硬度S#320,硬度S#1000)し、焼成後、エッチング前に、再度バフ研磨(1本,硬度S#1000)したこと以外は、実施例1と同様に行った。焼成を終えた時点で膜厚は均一であり15μmであった。再度の研磨で膜厚3μmになった。
(比較例1)
実施例1において、導体ペースト1を印刷後、そのまま焼成し、バフ研磨もエッチングも行わなかったこと以外は、実施例1と同様にした。膜厚15μmであった。
(比較例2)
導電性ペースト1をベタ印刷した後、そのまま実施例1と同様の条件で、焼成、バフ研磨、およびエッチングした。膜厚15μmであった。
(比較例3)
比較例2において、導電ペースト1中のホウケイ酸ガラス粉末を1重量部としたこと以外は、比較例2と同様にして、ベタ印刷、焼成、バフ研磨、およびエッチングした。膜厚15μmであった。
結果を表に示す。
Figure 0005513366
表から明らかなように、実施例では、基板に対する密着性、絶縁抵抗性、パターンの平坦性および平滑性のいずれにおいても優れた導体パターンを得ることができた。一方、比較例1では、平坦なパターンが得られず、平滑性も悪かった。また、比較例2では、接着層が残りやすいため、絶縁抵抗が低く、また、ライン下面の裾が残ったため、平坦なパターンも得られなかった。
本発明の方法によれば、微細かつ導体パターン非形成部の絶縁性に優れたパターン基板を得ることができる。しかも、このようなパターン基板の導体パターンは、幅又は厚みが均一であり、その表面も平滑であるため、導体パターン表面を有効に他の導電部材と接触させることができる。そのため、本発明のパターン基板は、各種電子回路基板又は部品に用いることができ、特に、導体パターン上にさらに導電部材(例えば、導電チップなど)を設けるための用途に好適である。
特に、本発明のパターン基板(又はその導体パターン)は、平坦であるため、導電チップなどの導電部材に対する接合強度に優れ、また、前記のように、導体パターンの幅のうち基板と接触する部分の幅と表面部分の幅との差が著しく小さく、導体パターンの表面積を最大限利用できるため、導電部材からの熱を直ちに基板側に放熱でき、放熱性(又は熱伝導性)にも優れている。そのため、本発明のパターン基板は、LEDチップのような高い放熱性(又は熱伝導性)が要求される導電部材を設けるための基板(パッケージ用基板)として特に有用である。

Claims (16)

  1. 基板上に導体パターンが形成されたパターン基板を製造する方法であって、
    基板表面のうち、所定のパターン部の上に導電性ペースト(A)をパターン印刷する第1の印刷工程と、
    形成された導電性ペースト(A)の凸部間に、導電性ペースト(A)よりも基板に対する密着性の低い焼結体を形成可能な導電性ペースト(B)を印刷する第2の印刷工程と、
    第2の印刷工程を経た基板を焼結処理する焼結工程と、
    基板表面のうち、パターン部を除く非パターン部の上に形成された導電性ペースト(B)の焼結体をエッチングするエッチング工程とを含む製造方法。
  2. 導電性ペースト(A)および導電性ペースト(B)が導電剤としての導電性金属を含み、かつ導電性ペースト(A)がガラスを含み、導電性ペースト(B)を構成する導電性金属に対するガラスの重量割合よりも、導電性ペースト(A)を構成する導電性金属に対するガラスの重量割合が大きい請求項1記載の方法。
  3. 導電性ペースト(A)中のガラスの割合を、導電性ペースト(A)を構成する導電性金属100重量部に対してA重量部とし、導電性ペースト(B)中のガラスの割合を、導電性ペースト(B)を構成する導電性金属100重量部に対してB重量部とするとき、A−Bの値が0.5重量部以上である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 導電性ペースト(A)中のガラスの割合が、導電性ペースト(A)を構成する導電性金属100重量部に対して1.5重量部以上であり、導電性ペースト(B)中のガラスの割合が、導電性ペースト(B)を構成する導電性金属100重量部に対して3重量部以下である請求項2又は3記載の方法。
  5. 導電性ペースト(A)中のガラスの割合を、導電性ペースト(A)を構成する導電性金属100重量部に対してA重量部とし、導電性ペースト(B)中のガラスの割合を、導電性ペースト(B)を構成する導電性金属100重量部に対してB重量部とするとき、A−Bの値が1重量部以上であり、導電性ペースト(A)中のガラスの割合が、導電性ペースト(A)を構成する導電性金属100重量部に対して1.8重量部以上であり、導電性ペースト(B)中のガラスの割合が、導電性ペースト(B)を構成する導電性金属100重量部に対して2.5重量部以下である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 第2の印刷工程において、導電性ペースト(A)の凸部間を埋める形態で導電性ペースト(B)を印刷する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 第2の印刷工程において、導電性ペースト(B)を導電性ペースト(A)の凸部を被覆するように印刷する請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 第2の印刷工程において、導電性ペースト(B)を複数回印刷する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 第1の印刷工程と第2の印刷工程との間に、導電性ペースト(A)を焼結処理する予備焼結工程を含む請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 第2の印刷工程と焼結工程との間に、導電性ペースト(A)及び導電性ペースト(B)の表面を研磨する予備研磨工程を含む請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 焼結工程とエッチング工程との間に、導電性ペースト(A)及び導電性ペースト(B)の焼結体表面を研磨する研磨工程を含む請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 研磨工程により、焼結体表面の表面粗さRaを0.3μm以下とする請求項11記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかの方法により得られるパターン基板。
  14. 導体パターンの幅のうち、基板と接触する部分の幅と表面部分の幅との差が10μm以下であり、導体パターン間の間隔が100μm以下であり、非パターン形成部の抵抗値が1×10Ω以上であり、基板に対する導体パターンのピール強度が0.5kgf/mm以上である請求項13記載のパターン基板。
  15. 導体パターン上にさらにメッキが施されている請求項13又は14に記載のパターン基板。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載のパターン基板を備えた電子回路基板又は部品。
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