JP2750243B2 - ガス放電表示パネルの隔壁形成方法 - Google Patents

ガス放電表示パネルの隔壁形成方法

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JP2750243B2
JP2750243B2 JP23975692A JP23975692A JP2750243B2 JP 2750243 B2 JP2750243 B2 JP 2750243B2 JP 23975692 A JP23975692 A JP 23975692A JP 23975692 A JP23975692 A JP 23975692A JP 2750243 B2 JP2750243 B2 JP 2750243B2
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芳孝 寺尾
良一 増田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はガス放電表示パネルの
隔壁を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス放電表示パネルは、視野角を広くで
きる、コントラスト比を高くできる、薄型のものを作製
できるといった利点を有し、これら利点を生かして、O
A機器等の表示装置に利用されているほか高品位テレビ
への応用が検討されている。
【0003】ガス放電表示パネルの作製では、一般に、
量産性を考慮して厚膜印刷法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら厚膜印刷
法では1mm当たり5本の隔壁を形成するのが限界であ
り、従ってその限界以上に画素密度を高精細化すること
はできない。特にフルカラー表示のガス放電表示パネル
では、赤、青及び緑の3種の発光色を各画素毎に得るた
め各色発光用の3つの表示セルが1画素毎に必要とな
り、従ってモノカラー表示のガス放電表示パネルに比し
より微細な隔壁の形成が望まれる。例えば、フルカラー
表示のガス放電表示パネルにおいて、画素個数640×
480ドットの12インチ型パネルを作製する場合に
は、隔壁を1mm当たり8本で形成する必要がある。し
かもこの場合に表示セルの開口率を50%以上とするた
めには、隔壁幅を62.5μm程度としなければならな
い。しかし厚膜印刷法によりこのように微細な隔壁を形
成することはできない。
【0005】そこでこの出願の出願人はより微細に隔壁
を形成するための方法を検討し、微細な隔壁形成に適し
た方法を特願平2−166038号で提案している。こ
の方法はサンドブラスト法により隔壁を形成する方法で
あって、この方法によれば50μm幅の隔壁を形成する
ことが可能である。以下、図を参照しこの方法につき一
例を挙げて説明する。
【0006】図3〜図4はこの出願人に係る隔壁形成方
法の工程を概略的に示す要部断面図である。まず図3
(A)にも示すように、電極パターン例えば陰極パター
ン10を厚膜印刷法により基板12上に形成する。次い
で陰極パターン10を乾燥させたのち焼成する。
【0007】次に図3(B)にも示すように、耐サンド
ブラスト性を有するバッファ層14及びバッファ層14
を壁材が含む溶剤から保護するための保護層16を、順
次に、陰極パターン10上に形成する。
【0008】次に図3(C)にも示すように、壁材18
を厚膜印刷法により積層する。この際、壁材18の印刷
及び乾燥を繰り返し行うことによって、壁材18を所定
の高さまで積層する。
【0009】次に図3(D)にも示すように、耐サンド
ブラスト性を有するレジスト20及びタック防止層22
を、順次に、壁材18上に形成する。レジスト20をパ
ターニングする際マスクをレジスト20に密着させて露
光すると、レジスト20がマスクに付着して剥れるおそ
れがあるので、これを防止するためにタック防止層22
を用いる。
【0010】次に図4(A)にも示すように、レジスト
20及びタック防止層22をマスクを用いて露光するこ
とによりパターニングし、所定形状にパターニングされ
たレジスト20のパターン20a及びタック防止層22
のパターン22aを得る。
【0011】次に図4(B)にも示すように、パターン
20a及び22aをマスクとして壁材18にサンドブラ
スト用のAl2 3 粒子を供給し、マスクで覆われてい
ない壁材18部分をタック防止層16に至る深さまで除
去し、壁材18の残存部分から成る隔壁18aを得る。
【0012】次に図4(C)にも示すように、隔壁18
aを焼成する。この焼成により、それぞれ有機材料から
成るパターン20a,22a、バッファ層14及び保護
層16を燃焼させ除去する。
【0013】しかしながら隔壁18aを焼成した際に、
バッファ層14を必ずしも充分に除去することができず
そのため陰極パターン10及び隔壁18aとの間の密着
力が弱くなり隔壁18aが陰極パターン10から剥れ落
ちてしまうこともあった。また隔壁18aを焼成した際
に、レジスト20のパターン22aを必ずしも充分に除
去できず残存するパターン22aがガス放電表示パネル
の表示品質を劣化させることもあった。
【0014】この発明は上述した点に鑑み成されたもの
であり、この発明の目的はバッファ層を設けないで隔壁
をサンドブラスト法で形成しても電極パターンの損傷を
防止できるガス放電表示パネルの隔壁形成方法を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明のガス放電表示パネルの隔壁形成方法は、
基板上に、電極パターン形成用厚膜ペーストを印刷し、
少なくとも表層を乾燥させたままにした電極パターンを
形成する工程と、表層を乾燥させたままの電極パターン
上に、当該電極パターンと接触させて隔壁形成用厚膜ペ
ーストを印刷して、壁材積層体を形成する工程と、壁材
積層体上に耐サンドブラスト性を有するレジストパター
ンを形成する工程と、レジストパターンを形成した壁材
積層体を焼成温度よりも低い温度で加熱し壁材積層体の
ほぼ全体にわたり壁材積層体が含む樹脂を分解する工程
と、電極パターンの表層よりも硬度が低く全体にわたり
樹脂を分解した壁材積層体よりも硬度が高いブラスト粒
子を用いたサンドブラスト法により壁材積層体をパター
ニングして、隔壁を形成する工程と、レジストパターン
を隔壁から除去する工程と、電極パターンの少なくとも
表層及び隔壁を焼成する工程とを含むことを特徴とす
る。
【0016】
【作用】このような隔壁形成方法によれば、少なくとも
表層を乾燥させたままの電極パターン上に、当該電極パ
ターンと接触させて壁材積層体を形成する。次いでこの
壁材積層体の全体にわたり壁材積層体が含む樹脂を分解
する。これら厚膜ペーストを用いて形成された電極パタ
ーン及び壁材積層体においては、このように表層を乾燥
させたままの電極パターン上に壁材積層体を形成してか
ら壁材積層体が含む樹脂を分解することにより、電極パ
ターン表層の硬度を壁材積層体の硬度よりも高くしかつ
これらの硬度差を大きくすることができる。これは壁材
積層体の加熱温度及び又は加熱時間を任意好適に調整す
ることによって、達成できる。従ってサンドブラスト法
で壁材積層体のパターニングに用いるブラスト粒子の硬
度を、電極パターン表層の硬度よりも低くかつ壁材積層
体の硬度よりも高くすることにより、電極パターンがブ
ラスト粒子で損傷するのを抑止しつつ壁材をパターニン
グすることができる。
【0017】電極パターン表層の硬度を壁材積層体全体
の硬度よりも高くしかつこれらの硬度差を大きくするこ
とができる理由は必ずしも定かではないが、その主たる
理由としては、電極パターンの乾燥させたままの表層に
は壁材積層体の樹脂を分解したのちも厚膜ペーストの樹
脂が分解せずに残存していること、一方、壁材積層体は
これが含む厚膜ペーストの樹脂を分解することにより非
常に脆くなることの二点が考えられる。
【0018】また壁材積層体を電極パターンと接触させ
て形成し、その後壁材積層体をパターニングして隔壁を
形成する。従って隔壁及び電極パターンの表層を接触さ
せたままこれらを焼成できるので、隔壁が電極パターン
から剥れ落ちるのを防止するに足りる充分な密着力を、
隔壁及び電極パターンの間で得られる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照し、この発明の実施例につ
き説明する。尚、図面はこの発明が理解できる程度に概
略的に示してあるにすぎず、従ってこの発明を図示例に
限定するものではない。
【0020】図1〜図2はこの発明の実施例の説明に供
する工程図であり、これら図においては主要工程を断面
図で段階的に示す。
【0021】まず図1(A)にも示すように、基板24
上に、電極パターン形成用厚膜ペーストを印刷し、少な
くとも表層を乾燥させたままにした電極パターン26を
形成する。
【0022】この実施例では、電極パターン26を第一
層26a及び第二層26bから成る2層構造とする。こ
のため例えば、基板24上に第一層形成用のNi厚膜ペ
ースト(Dupon社製 #9535)を印刷し、この
ペーストを乾燥温度150℃で1時間の間加熱して乾燥
させ次いで焼成温度530℃で10分の間加熱して焼成
し、所定のパターン形状を有する焼成済の第一層26a
を得る。次に第一層26a上に第二層形成用のCaLa
CrO3 厚膜ペースト(東洋インキ社製)を印刷し、こ
のペーストを乾燥温度135℃で10分の間加熱して乾
燥させ、所定のパターン形状を有する乾燥させたままの
第二層26bを得る。電極パターン形成用の厚膜ペース
トの成分は主として導電性粒子(Ni粒子或はCaLa
CrO3粒子)、鉛ガラス、樹脂及び溶剤であり、従っ
て、印刷した第一層26a及び第二層26bの成分は主
として導電性粒子(Ni粒子或はCaLaCrO3
子)、鉛ガラス、樹脂及び溶剤である。乾燥させた第一
層26a及び第二層26bの成分は主として導電性粒
子、鉛ガラス及び樹脂となる。また焼成した第一層26
aの成分は主として導電性粒子及び鉛ガラスであり、焼
成した第一層26a中では複数の導電性粒子が鉛ガラス
によって結合された状態となっている。
【0023】CaLaCrO3 は仕事関数が低いためガ
ス放電表示パネルの放電電圧を低減するのに役立つ。し
かしCaLaCrO3 は抵抗が高いので電極パターン2
6全体をCaLaCrO3 厚膜ペーストから形成したの
では電極パターン26の配線抵抗が高まる。そこで配線
抵抗を下げるため、第一層26aをNi厚膜ペーストを
用いて形成する。
【0024】この例では、電熱パータン26の上面の表
層部分を乾燥させたままの第二層26bとし電極パター
ン26の残りの部分を焼成済の第二層26bとし、第一
層26a及び第二層26bの形成材料を異ならせたが、
少なくとも表層を乾燥させた電極パターン26を形成す
るのであればこの例のものに限定されず、このほか例え
ば第一及び第二層26a及び26bの形成材料を同じ種
類とし焼成済の第一層26a及び乾燥させたままの第二
層26bを形成し、或は電極パターン26全体を乾燥さ
せたままの一層で構成するようにしてもよい。
【0025】次に図1(B)にも示すように、少なくと
も表層を乾燥させたままの電極パターン26上に、当該
電極パターン26と接触させて隔壁形成用厚膜ペースト
を印刷して、壁材積層体28を形成する。
【0026】この実施例では、壁材積層体2を白色層2
8a及び黒色層28bから成る2層構造とする。このた
め例えば、電極パターン26の第一層26a上に白色層
形成用のガラス厚膜ペースト(日本電気ガラス社製)を
ベタ印刷し、このペーストを乾燥温度135℃で10分
の間加熱して乾燥させる。そして印刷及び乾燥を繰り返
し行い、180μmの高さを有する乾燥させたままの白
色層28aを得る。次に白色層28a上に黒色層形成用
のガラス厚膜ペースト(住友金属社製)をベタ印刷し、
このペーストを乾燥温度135℃で10分間加熱して乾
燥させ、20μmの高さを有する乾燥させたままの黒色
層28bを得る。この時の白色層28a及び黒色層28
bから成る壁材積層体の高さは200μmとなる。壁材
積層体形成用の厚膜ペーストの成分は主として鉛ガラ
ス、樹脂及び溶剤であり、従って、印刷した白色層28
a及び黒色層28bの成分は主として鉛ガラス、樹脂及
び溶剤であり、乾燥させた白色層28a及び黒色層28
bの成分は主として鉛ガラス及び樹脂である。
【0027】積層し終えた壁材積層体28の最上層は黒
色層28a及び残りの部分は白色層28aであるので、
壁材積層体28上にレジストパターンを形成する工程に
おいては黒色層28a上にレジストパターンを形成する
こととなる。従ってレジストの露光時に壁材積層体28
によるハレーションを防止でき、この結果、微細なレシ
ストパターンを形成することができる。さらにこれら白
色層28a及び黒色層28bを電極パターン上に順次に
形成するので、これら層28a及び28bを用いて形成
した隔壁を備えるカラー或はモノクロ表示用ガス放電表
示パネルにおいては、放電発光させた際に隔壁の白色層
部分で紫外線を反射し発光効率を高めることができる。
またガス放電表示パネルの表示面を見た場合に隔壁の黒
色層部分がブラックストライプとなるので表示のコント
ラストを高めることができる。
【0028】この例では、壁材積層体28を白色層28
aと黒色層28bからなる二層構造としたが、壁材積層
体28をこれに限定するものではなく、このほか例え
ば、壁材積層体28を黒色層28bのみ或は白色層28
aのみとしてもよい。また、上記例では基板24を放電
表示パネルの背面板として用いた例であるが、基板24
を前面板として用いた場合は電極パターン上に形成する
壁材積層体28を、最下層として黒色層、中間層として
白色層、最上層として黒色層を順次積層した構造として
もよい。この場合、壁材積層体の、最下層がブラックス
トライプ層となり、最上層はハレーション防止層とな
る。
【0029】次に図1(C)にも示すように、壁材積層
体28上に耐サンドブラスト性を有するレジストパター
ン30を形成する。
【0030】この実施例では、レジストパターン30と
壁材積層体28との密着力を強めるため、壁材積層体2
8の表層(この例では黒色層28a)に粗面を形成す
る。このため壁材積層体28を焼成温度よりも低い温度
で加熱して壁材積層体28の表層を除く部分の樹脂を分
解しないように壁材積層体28の表層の樹脂を分解す
る。壁材積層体28の加熱温度及び又は加熱時間を任意
好適に調整することにより、壁材積層体28の表層を除
く部分及び電極パターン26の第二層26bの樹脂を分
解せずに壁材積層体28の表層の樹脂を分解することが
できる。例えば壁材積層体28を加熱温度145℃で2
0分の間加熱(プリベーク)すればよい。樹脂は例えば
エチルセルロース樹脂である。エチルセルロース樹脂
は、通常、100万程度の分子鎖を有し、150℃以上
の温度で加熱することによりその分子鎖は1万〜100
0程度に変化し従ってエチルセルロース樹脂の分解が起
こる。この樹脂の分解により壁材積層体28の表層は脆
くなり表層に粗面が形成される。壁材積層体28の全体
にわたり樹脂を分解すると、壁材積層体28が脆く崩れ
易くなるので壁材積層体28上にレジストパターン30
を形成することが困難になる。従って壁材積層体28の
表層以外の樹脂を分解しないようにするのがよい。次い
で表層に粗面を形成した壁材積層体28上にレジスト
(東京応化社製 ORDYL BF−200 ドライフ
ィルムタイプ)を厚さ50μmに塗布し、このレジスト
をフォトリソ工程で現像、露光しパターニングしてレジ
ストパターン30を得る。レジストパターン30は幅5
0μmのストライブ状パターンである。複数のレジスト
パターン30を並列配置し、壁材積層体28の隔壁を形
成すべき部分をレジストパターン30で覆い壁材積層体
28のそれ以外の他の部分を露出させる。
【0031】この例では、壁材積層体28の表層に粗面
を形成しこの粗面上にレジストパターンを形成するよう
にしたが、これに限定されるものではなく、このほか例
えば壁材積層体28の表層に粗面を形成せずレジストパ
ターン30を形成するようにしてもよい。
【0032】次に、レジストパターン30を形成した壁
材積層体28を焼成温度よりも低い温度で加熱し壁材積
層体28のほぼ全体にわたり壁材積層体28が含む樹脂
を分解する。
【0033】この実施例では、例えば加熱温度150℃
で30分の間壁材積層体28を加熱(ポストベーク)す
ることにより壁材積層体28全体にわたり壁材積層体2
8の樹脂を分解する。壁材積層体28の加熱温度及び又
は加熱時間を任意好適に調整することによって、電極パ
ターン26の第二層26bの樹脂を分解させないまま残
存させつつ壁材積層体28全体の樹脂を分解することが
できる。上述したように樹脂の分解により壁材積層体2
8は非常に脆くなりまた電極パターン26の第二層26
bの樹脂を残存させたままにすることにより、電極パタ
ーン26の第二層26bの硬度を壁材積層体28全体の
硬度よりも高くしかつこれらの硬度差を大きくすること
ができる、と考えられる。
【0034】次に図2(A)にも示すように、電極パタ
ーン26の表層この例では第二層26bよりも硬度が低
く全体にわたり樹脂を分解した壁材積層体28よりも硬
度が高いブラスト粒子を用いたサンドブラスト法により
壁材積層体28をパターニングして、隔壁32を形成す
る。
【0035】この実施例では、ブラスト粒子として、A
2 3 粒子(モース硬度12)よりも硬度が低い低硬
度ブラスト粒子例えば不二製作所製 フジランダムS−
2(モース硬度2)を用いる。そしてこの低硬度ブラス
ト粒子を、サンドブラストマシーン(不二製作所製)に
より、レジストパターン30を形成した壁材積層体28
に供給し、壁材積層体28をパターニングし、ストライ
プ状に並列配置された複数の隔壁32を得る。隔壁32
はパターニングされた白色層28a及び黒色層28bよ
り成る。
【0036】図5はこの発明におけるキーポイントであ
る選択的サンドブラスト性の概念を示した図である。図
5を用いて以下に選択的サンドブラスト性について説明
する。この実施例では隔壁の高さ(白色層28a及び黒
色層28bからなる壁材積層体28の厚さ)を200μ
m、CaLaCrO3 厚膜ペースト層(電極パターン2
6の第二層26bに相当する)の厚さを20μmとして
いる。図5に示すように壁材積層体28(白色層28a
を構成する厚膜ペースト層Aと黒色層28bを構成する
厚膜ペースト層Bとの積層体)とCaLaCrO3 厚膜
ペースト層26bの層の厚さの比は10倍であるので、
CaLaCrO3 厚膜ペースト層26bを残し、かつ壁
材積層体28を完全に取り除くためには、各々切削速度
の比は10倍以上は必要である。これは、サンドブラス
トマシンのノズル34からでる研磨材36が広範囲に吹
き付けられるため、ブラストされる領域にCaLaCr
3 厚膜ペースト層26bが既に露出してしまった部分
(切削終了部分)と壁材積層体28がまだ完全に残って
いる部分(未切削部分)とが混在する可能性があるため
である。上記条件を満たすためには壁材積層体28は切
削され易く、CaLaCrO3 厚膜ペースト層26bは
切削されにくくする必要がある。そこで、切削速度を1
0倍以上にするため(選択的サンドブラスト性)に切削
速度に影響を与える壁材積層体28とCaLaCrO3
厚膜ペースト層26bの熱処理温度と研磨材の硬度につ
いて実験した。この出願の発明者らの実験によれば、1
35℃で30分間乾燥させた後CaLaCrO3 厚膜ペ
ースト層26bと壁材積層体28をアルミナ粉末で1k
g/cm2 のブラスト圧力で切削した場合、CaLaC
rO3 厚膜ペースト26bの切削速度は壁材積層体28
よりも速かった。しかしながら、135℃の乾燥後さら
に150℃ 30分間の加熱処理を行い、同様なブラス
ト条件で切削した結果、CaLaCrO3 厚膜ペースト
層26bと壁材積層体28の切削速度が逆転し、壁材積
層体28の切削速度の方が速くなった。しかしながら、
熱処理だけでは切削速度比を10倍以上にすることはで
きなかった。
【0037】そこで、研磨材の硬度に注目しブラスト粒
子としてアルミナ(Al2 3 )粒子、又は低硬度ブラ
スト粒子(フジランダムS−2:不二製作所製)を用い
て、加熱温度を150℃としたときのCaLaCrO3
厚膜ペースト層26bと壁材積層体28の切削速度とそ
の比を測定した。モース硬度はAl2 3 が12でフジ
ランダムS−2は2である。ブラスト圧力は1kg/c
2 である。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】その結果、Al2 3 を用いた場合にはC
aLaCrO3 厚膜ペースト層26bと壁材積層体28
の切削速度はそれぞれ7.8μm/sec、41.5μ
m/secで切削速度比は5.3であった。一方フジラ
ンダムS−2を用いた場合にはそれぞれ0.5μm/s
ec、16.2μm/secでその切削速度比を32.
4にする事ができ選択的サンドブラスト性を実現するこ
とが出来た。
【0040】従って上述したようなこの実施例での条件
で壁材積層体28のプリベーク及びポストベーク等の熱
処理を行った場合に例えばモース硬度2の低硬度ブラス
ト粒子を用いることにより、壁材積層体28の切削レー
トを電極パターン26の第二層26bの30倍以上とす
ることができ、その結果、第二層26bを殆ど損傷させ
ることなく壁材積層体28をパターニングすることがで
きる。
【0041】次に図2(B)にも示すように、レジスト
パターン30を隔壁32から除去する。この実施例で
は、レジストパターン30を有機アルカリ系のレジスト
剥離剤を用いて除去する。レジストパターン30は通常
は有機材料から成り、有機アルカリ系のレジスト剥離剤
を用いることにより、ガス放電表示パネルの表示特性を
劣化させないように充分にレジストパターン30を除去
できる。しかも有機アルカリ系のレジスト剥離剤は電極
パターン26及び隔壁28を損傷することが殆どない。
【0042】次に、電極パターン26の少なくとも表層
及び隔壁32を焼成する。この実施例では、焼成を終え
ていない電極パターン26部分(この例では第二層26
b)及び隔壁32を、焼成温度530℃で10分の間焼
成する。電極パターン26及び隔壁32を接触させた状
態で焼成するので、隔壁32が電極パターン26から剥
がれ落ちないような強固な密着力を電極パターン26及
び隔壁32の間で得られる。尚、焼成した隔壁32の成
分は主として鉛ガラスである。
【0043】この例では、レジストパターン30を有機
アルカリ系のレジスト剥離剤を用いて除去したのち電極
パターン26及び隔壁32を焼成したが、これに限定さ
れるものではなく、このほか例えば、レジストパターン
30を除去せずに電極パターン26及び隔壁32を焼成
し、この焼成によりレジストパターン30を燃焼させ除
去するようにしてもよい。
【0044】この発明は上述した実施例のみに限定され
るものではなく、従って各構成成分の形成材料、形状、
配設位置、数値的条件(例えば寸法や温度や時間)及び
そのほかを任意好適に変更できる。
【0045】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明のガス放電表示パネルの隔壁形成方法によれば、
少なくとも表層を乾燥させたままの電極パターン上に、
当該電極パターンと接触させて壁材積層体を形成する。
次いでこの壁材積層体の全体にわたり壁材積層体が含む
樹脂を分解する。このように表層を乾燥させたままの電
極パターン上に壁材積層体を形成してから壁材積層体が
含む樹脂を分解することにより、電極パターン表層の硬
度を壁材積層体の硬度よりも高くしかつこれらの硬度差
を大きくすることができる。従ってサンドブラスト法で
壁材積層体のパターニングに用いるブラスト粒子の硬度
を、電極パターン表層の硬度よりも低くかつ壁材積層体
の硬度よりも高くすることにより、電極パターンがブラ
スト粒子で損傷するのを抑止しつつ壁材をパターニング
することができる。
【0046】また壁材積層体を電極パターンと接触させ
て形成し、その後壁材積層体をパターニングして隔壁を
形成する。従って隔壁及び電極パターンの表層を接触さ
せたままこれらを焼成できるので、隔壁が電極パターン
から剥れ落ちるのを防止するに足りる充分な密着力を、
隔壁及び電極パターンの間で得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)はこの発明の実施例の説明に供
する断面図である。
【図2】(A)〜(B)はこの発明の実施例の説明に供
する断面図である。
【図3】(A)〜(D)はこの出願人に係るガス放電表
示パネルの隔壁形成方法の説明に供する断面図である。
【図4】(A)〜(C)はこの出願人に係るガス放電表
示パネルの隔壁形成方法の説明に供する断面図である。
【図5】この発明の実施例の選択的サンドブラスト性の
説明に供する概念図である。
【符号の説明】
24 基板 26 電極パターン 28 壁材積層体 30 レジストパターン 32 隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−301934(JP,A) 特開 昭60−221926(JP,A) 特開 平4−58438(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 9/02,11/02,17/49

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス放電表示パネルの隔壁を形成する方
    法において、 基板上に、電極パターン形成用厚膜ペーストを印刷し、
    少なくとも表層を乾燥させたままにした電極パターンを
    形成する工程と、 表層を乾燥させたままの電極パターン上に、当該電極パ
    ターンと接触させて隔壁形成用厚膜ペーストを印刷し
    て、壁材積層体を形成する工程と、 壁材積層体上に耐サンドブラスト性を有するレジストパ
    ターンを形成する工程と、 レジストパターンを形成した壁材積層体を焼成温度より
    も低い温度で加熱し壁材積層体のほぼ全体にわたり壁材
    積層体が含む樹脂を分解する工程と、 電極パターンの表層よりも硬度が低く全体にわたり樹脂
    を分解した壁材積層体よりも硬度が高いブラスト粒子を
    用いたサンドブラスト法により壁材積層体をパターニン
    グして、隔壁を形成する工程と、 前記レジストパターンを隔壁から除去する工程と、 電極パターンの少なくとも表層及び隔壁を焼成する工程
    とを含むことを特徴とするガス放電表示パネルの隔壁形
    成方法。
  2. 【請求項2】 壁材積層体を焼成温度よりも低い温度で
    加熱して壁材積層体の表層を除く部分の樹脂を分解しな
    いように壁材積層体の表層の樹脂を分解し、該表層上に
    レジストパターンを形成することを特徴とする請求項1
    に記載のガス放電表示パネルの隔壁形成方法。
  3. 【請求項3】 前記レジストパターンを有機アルカリ系
    のレジスト剥離剤を用いて除去したのち、前記隔壁及び
    電極パターンを焼成することを特徴とする請求項2に記
    載のガス放電表示パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 積層し終えた壁材積層体の最上層は黒色
    層であり該壁材積層体の残りの層は白色層であることを
    特徴とする請求項1に記載のガス放電表示パネルの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 積層し終えた壁材積層体の最上層及び最
    下層の両方が黒色層であり該壁材積層体の残りの層は白
    色層であることを特徴とする請求項1に記載のガス放電
    表示パネルの製造方法。
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