JPH11204041A - 面放電型プラズマディスプレイパネル用基板及びその製造方法、並びに面放電型プラズマディスプレイパネル - Google Patents

面放電型プラズマディスプレイパネル用基板及びその製造方法、並びに面放電型プラズマディスプレイパネル

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JPH11204041A
JPH11204041A JP10004984A JP498498A JPH11204041A JP H11204041 A JPH11204041 A JP H11204041A JP 10004984 A JP10004984 A JP 10004984A JP 498498 A JP498498 A JP 498498A JP H11204041 A JPH11204041 A JP H11204041A
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substrate
display panel
plasma display
partition walls
stripe
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JP10004984A
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English (en)
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Mitsuo Inumochi
光男 犬持
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前面基板と背面基板とを貼付したときに各隔
壁の頂上部と前面基板上の保護層との間に隙間を生じな
いようにすること、スクリーン印刷法に於ける研磨工程
の改善を図ること。 【解決手段】 ストライプ形状の隔壁に応じたパターン
が形成されたスクリーン版上を隔壁の母材たるガラスペ
ーストをスキージして、背面基板上の下地層の表面上に
ストライプ状のガラスペーストを印刷し、乾燥する。こ
の印刷・乾燥を複数回繰返してストライプ状ガラスペー
ストを所定の高さに形成する。その後、柔らかいストラ
イプ状ガラスペーストの頂上部を、極力小さいローラ荷
重をかけつつ、より細かい砥粒の研磨テープを用いて研
磨する。その後、ストライプ状ガラスペーストを焼成す
ることで、平坦な頂上部を有するストライプ形状の隔壁
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁掛けテレビ等の
映像表示用ディスプレイや、コンピュータ端末機、車
両、ホテル、銀行等における情報表示用ディスプレイに
用いられる面放電型プラズマディスプレイパネル(以
下、PDPと省略)に関するものである。特に、この発
明は、PDP用基板における隔壁(バリアリブ)をスク
リーン印刷法を用いて形成する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】AC面放電型PDPは、壁電荷を有する
誘電体層の面に沿って生じるガス放電に基づく発光を利
用して、映像や情報の表示を行う、平面ディスプレイで
ある。
【0003】この面放電型PDPは、互いにその外周部
で貼付された前面基板と背面基板とを有しており、しか
も、背面基板上に互いに平行に配設されたストライプ状
の隔壁の頂上部が、前面基板上の誘電体の表面上に形成
されたMgO膜の表面と当接して各単位発光領域をなす
放電空間を形成している(例えば、米国特許第5,66
1,500号や特開平5−299019号公報参照)。
従って、両基板の重ね合せに際しては、背面基板の隔壁
の頂上部と前面基板のMgO膜の表面とを隙間なく密着
させて、隣接セルの放電の影響を受けないようにする必
要がある。
【0004】このような隔壁の形成方法としては、大別
して、3つの方法がある。
【0005】その第1としては、例えば特開平3−12
7429号公報の第2頁の左上欄第16行ないし同頁右
上欄第3行とその第6図に例示されているような、スク
リーン版を利用して隔壁を形成するスクリーン印刷法
(積層法)がある。
【0006】又、その第2としては、背面基板上に塗布
・焼成されたガラスペースト上にストライプ状の隔壁に
応じたパターンを有するレジスト(DFR)を形成し、
このレジストをマスクとして焼成後のガラスをサンドブ
ラスト法で以て穿設することでストライプ状の隔壁を形
成する、サンドブラスト法(除去法)がある。
【0007】更に、その第3としては、例えば、特開平
3−127429号公報の第1図や特開平8−1718
63号公報の(0037)段落及びその(図1)に例示
されている、フォトレジスト法(埋め込み法)がある。
これは、背面基板上に感光性フィルムを貼付し、この感
光性フィルムにストライプ状の隔壁で挟まれた放電空間
に対応したDFRパターンを形成し、このDFRパター
ン間の溝部内にガラスペーストを充填し、当該ペースト
を乾燥・熱硬化させた上で、DFRパターンが表出する
までガラスペースト表面を研磨し、その後、DFRパタ
ーンを剥離するものである。
【0008】これらの方法の内、サンドブラスト法及び
フォトレジスト法によれば、断面が台形状又は逆台形状
の隔壁が得られる。そして、その際の形成精度は比較的
高くく、それらの寸法精度も制御しやすいという利点が
ある。しかし、これらの方法では、工程数が多く、露光
や現象用の装置等が必要となる等、製造工程が大がかり
なものとなりがちである。
【0009】それに対して、スクリーン印刷法では、工
程数や必要な装置は少なくてすみ、製造が比較的容易で
あり、製造コストの面で有利であるという利点があるた
め、このスクリーン印刷法が採用される場合が多い。そ
こで、以下では、このスクリーン印刷法による隔壁の形
成方法について、詳細に説明する。
【0010】図12は、スクリーン印刷法を用いた従来
の隔壁形成工程を示すフローチャートであり、又、図1
3の(a)〜(c)は、そのような形成方法を用いて製
造している途中の背面基板1Pを示す、一部断面図形式
の斜視図である。
【0011】先ず、工程SP0において、背面基板1
P、スクリーン版、ガラスペーストを準備する。まず、
図13(a)に示すように、背面基板1P上にアドレス
電極2Pを形成した上、図13(b)に示すように、そ
の上にガラスペーストを塗布・乾燥・焼成して下地層3
Pを形成し、アドレス電極2Pを下地層3Pで以て被覆
する。
【0012】次に、図12に示すように、アドレス電極
2P間に隔壁4Pを形成するためのガラスペースト材を
スクリーン版を利用して下地層3P上にストライプ状に
印刷し、これを乾燥する。この印刷・乾燥を8〜10回
繰り返し(工程SP1〜SP3)、その後、ストライプ
状のガラスペーストを焼成する(工程SP4)。この焼
成によって生成されたストライプ状隔壁の状態を示す図
が、図13(c)である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上の通り、スクリー
ン印刷法を用いた従来の隔壁形成方法では、次のような
問題点が生じる。
【0014】(1) 先ず第1として、スクリーン印刷法
による隔壁形成法では、スクリーン版のメッシュによる
凹凸(メッシュ痕)がそのまま隔壁の頂上部に残り、隔
壁の高さの不揃いが生じてしまう。しかも、隔壁の側面
部の曲面化を避けることはできない。この点を更に詳述
する。
【0015】即ち、スクリーン版は、周知の通り、例え
ばステンレスより成る金網(メッシュ)の上に乳剤がマ
スキングのために形成されている。(すなわち、マスク
しようとする部分に対応する各網目が乳剤で埋まってい
る。)そして、隔壁を形成する場合においては、ストラ
イプ状の隔壁形状に対応した、所定方向に互いに平行に
延在したパターンが形成されたスクリーン版を用いる。
従って、当該パターンが形成された部分においては、メ
ッシュの網目が露出している。この露出したパターン内
の網目を利用しているのが、スクリーン印刷法である。
即ち、スクリーン版上をパターンの列方向に沿ってイン
ク状のガラスペーストをスキージすると、パターン内の
網目を通してガラスペーストが背面基板上に付着するの
で、この付着したガラスペーストGPを乾燥し、更に上
記のスキージを行って、乾燥後のガラスペーストの上に
新たなガラスペーストを付着させてガラスペーストの積
み上げを繰り返し行うことで、互いに平行に延在した複
数のストライプ状のガラスペーストGPの積層が形成さ
れていくのである。
【0016】しかし、図14(a)に模式的に示すよう
に、マスキング用の乳剤22が形成されたスクリーン版
の隔壁用パターン23内の網目25から落下した各ガラ
スペーストGPが下地層3Pに付着後に拡がって互いに
島状に付着し合うことにより、一本のストライプ状のガ
ラスペーストGPが形成されているため、隔壁となるべ
き個々のストライプ状のガラスペーストGPの側面部4
SP(図13(c)参照)は湾曲化し、しかも、その頂
上部は平坦とはならず、メッシュ痕を伴った凹凸状とな
ってしまう。そして、印刷・乾燥を繰り返すことによっ
てストライプ状のガラスペーストGPが積み上げられて
いくに従い、ガラスペーストGPの頂上部の曲率半径は
増々小さくなっていき、最終的に焼成して出来上がる隔
壁4Pの頂上部4TPの、前面基板のMgO保護膜との
接触部分が狭くなってしまう。またその際、決定的に避
けられない点は、スクリーン版の金網24の幅部分だ
け、最終的に積み上げられたストライプ状の各ガラスペ
ーストGPの頂上部に、へこみ(メッシュ痕)が生じて
しまうことである。
【0017】このように、スクリーン印刷法による印刷
・乾燥の繰り返しによってストライプ状のガラスペース
トを形成し、それを焼成して得たストライプ状の複数の
隔壁4Pにおいては、頂上部4TPの凹凸,高さの不揃
い、頂上部4TP及び側面部4SPの湾曲化という現象
の発生が必然的に生じてしまうのである。
【0018】(2) そのため、焼成後の隔壁4Pの高さ
を均一化し、また、その頂上部4TPのメッシュ痕を無
くする(平坦化する)ために、隔壁4Pの頂上部4TP
を研磨することが考えられるが、焼成後の隔壁4Pを研
磨する際には、次の問題点が惹起されてしまう。即ち、
隔壁4Pは焼成されているので非常に硬く、研磨による
隔壁4Pの高さを均一にするのには多くの時間を必要と
してしまう。加えて、隔壁4Pの頂上部4TPの曲面を
フラットにすることは不可能に近いと言える。この点を
以下に詳述しよう。
【0019】先ず、砥石のようなグラインダーで以て大
きな荷重を加えつつ各隔壁4Pの湾曲した頂上部4TP
を削ることにより、短時間で各頂上部4TPをフラット
にすることが考えられる。しかし、スクリーン印刷法に
よって形成された各隔壁4Pは、他の形成法によって形
成された隔壁とは異なり、両側の支えによって支持され
ることなく、背面基板1P上にそびえ立った状態にある
ので、大きな荷重を頂上部4TPに加えると、隔壁4P
が押しつぶされてしまう、あるいは破損してしまうとい
う問題点を新たに惹起させてしまう。従って、グライン
ダーを利用した研磨を用いることは非常に困難である。
【0020】それでは、研磨テープを用いつつ、大きな
荷重を加えて短時間で隔壁4Pを研磨するときは、どう
であろうか。この場合にも、次のような問題点が生ず
る。研磨テープを用いて研磨を施そうとする場合、研磨
テープを巻き付けた研磨ローラ(図示せず)を用いて押
圧する場合が多い。通常、研磨テープを押し付ける研磨
ローラは、被研磨物にダメージを与えることがないよう
に、一定の硬度を有する例えば硬質ゴムによって構成さ
れている。即ち、図14(b)に模式的に示すように、
大きな荷重を加えてやると、研磨ローラが変形し、それ
に伴い研磨テープ21も撓んでしまい、隔壁4Pの頂上
部4TPのみならず、側面部4SPも同時に研磨されて
しまい、実質的に、初めの湾曲した頂上部4TPの形状
がそのまま保存された状態で、単に高さが低下しただけ
となってしまい、より大きな荷重を加えて得ようとした
効果がそもそも意図した通りには発揮されないという結
果になってしまう。
【0021】以上より、荷重を大きくして隔壁4Pの頂
上部4TPを研磨する方法は、到底採用しがたいと言え
る。
【0022】他方、研磨テープ21の荷重を小さくして
やれば図14(b)のような問題は生じないが、焼成後
の隔壁4Pは硬いので、逆に研磨時間が非常に長くなっ
てしまい、生産性を却って低下させてコストアップにつ
ながってしまう。従って、数分間で研磨が終了できるよ
うにしなければ、そもそも研磨テープ21の荷重を小さ
くしても意味がないこととなる。
【0023】このように、研磨テープ21の荷重の大き
さを調整するという方法は好ましい結果をもたらしては
くれない。しかも、硬い隔壁4Pの頂上部4TPを研磨
しているので、隔壁4Pの頂上部4TPには多数の細か
なこすり傷が付いてしまい、これによっても、頂上部に
へこみが生じてしまうという難点もある。
【0024】加えて、既述した通り、そもそもスクリー
ン印刷法によって生成した各隔壁4Pの高さは不揃いで
あるため、図14(c)に模式的に示すように、研磨テ
ープ21で各頂上部4TPを研磨するときに、全ての頂
上部4TPがほぼ同程度だけ研磨されてしまい、結局、
最初の形状がそのまま反映されたものが研磨後において
も生じるだけである。即ち、単に各隔壁4Pの高さがほ
ぼ同程度の量だけ下がっただけとなってしまう。仮に図
14(c)中のある隔壁4Pの頂上部の研磨量が5μm
程とすると、その隣りのより低い隔壁4Pの頂上部もま
た4〜5μm程、研磨されてしまうのである。
【0025】このように、従来の方法では、研磨側でい
かに改善を試みても、結局、高さの均一なフラットな頂
上部を作り出すことは不可能に近いのである。
【0026】(3) このように背面基板1Pの隔壁4P
をスクリーン印刷法を用いて最適形状に形成することは
極めて難しいという問題点は、PDP製作時に次のよう
な問題点を惹起させてしまうのである。即ち、前面基板
と背面基板とを重ね合わせたときに、各隔壁4Pの頂上
部4TPはフラット(平坦)ではなく(接触面積が小さ
い)、かつメッシュ痕に起因する無数のへこみがあり、
しかも、その高さも不揃いのままであるので、各頂上部
4TPとMgO保護膜との間に隙間を生じさせてしま
い、これが原因となって表示不良(特に書込み過剰)が
増加し、PDPの歩留まりが低下してしまうという問題
点が生じる。この書込み過剰とは、例えば一画素を形成
する赤(R),緑(G)および青(B)の各色に対応す
る各単位発光領域間において放電もれが生じてしまった
り、隔壁4Pで仕切られるべき隣りの画素側へ放電もれ
等が生じてしまう現象である。
【0027】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたものである。その第1目的とするとこ
ろは、各隔壁の頂上部の高さの均一化と各頂上部のフラ
ット化による最適形状を有する隔壁を備えたPDP又は
PDP用基板を実現する点にある。又、本発明の第2目
的は、そのような基板を短時間で、しかも簡単に形成す
ることができる製造方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
面放電型プラズマディスプレイパネルであって、その表
面が放電空間との界面をなす誘電体層がその表面に形成
された第1基板と、前記第1基板とその周端部において
貼付されて前記放電空間を形成し、その表面上に互いに
平行に所定の間隔で配置されたストライプ状の複数の隔
壁を有する第2基板とを備え、前記複数の隔壁のそれぞ
れは、湾曲した側面部と、前記側面部に続く平坦部とを
有し、前記複数の隔壁のそれぞれの前記平坦部は前記誘
電体層の前記表面と当接していることを特徴とする。
【0029】請求項2に係る発明は、請求項1記載の面
放電型プラズマディスプレイパネルであって、前記側面
部で以て規定される前記複数の隔壁のそれぞれの幅の内
で最大幅に対する、前記複数の隔壁のそれぞれの前記平
坦部の幅の比は30パーセント以上であることを特徴と
する。
【0030】請求項3に係る発明は、請求項2記載の面
放電型プラズマディスプレイパネルであって、前記複数
の隔壁のそれぞれは、前記平坦部を有する黒色部分と、
可視光を反射し得る部分とを備えることを特徴とする。
【0031】請求項4に係る発明は、面放電型プラズマ
ディスプレイパネル用基板であって、その基板表面上に
スクリーン印刷法を用いて形成され且つ平坦部を有す
る、互いに平行に所定の間隔で配置されたストライプ状
の複数の隔壁を備える。
【0032】請求項5に係る発明は、請求項4記載の面
放電型プラズマディスプレイパネル用基板であって、前
記複数の隔壁用の隔壁パターンを前記スクリーン印刷法
を用いて前記基板表面上に印刷すると共に、ストライプ
状に印刷されたペースト状の母材を乾燥させた後、実質
的な硬化処理を施す前に、乾燥後の前記ペースト状の母
材の頂上部を研磨して平坦部を形成し、その後、前記ペ
ースト状の母材を焼成することで、前記複数の隔壁は前
記基板表面上に形成することを特徴とする。
【0033】請求項6に係る発明は、請求項5記載の面
放電型プラズマディスプレイパネル用基板であって、前
記複数の隔壁のそれぞれの幅の内で最大幅に対する、前
記複数の隔壁のそれぞれの前記平坦部の幅の比が30パ
ーセント以上となるように、前記ペースト状の母材の頂
上部が研磨されてなることを特徴とする。
【0034】請求項7に係る発明は、面放電型プラズマ
ディスプレイパネルであって、その表面が放電空間との
界面をなす誘電体層がその表面に形成された第1基板
と、請求項4乃至6の何れかに記載された面放電型プラ
ズマディスプレイパネル用基板よりなる第2基板とが、
前記複数の隔壁のそれぞれの前記頂上部が前記誘電体層
の前記表面と当接するように、それぞれの周端部におい
て貼付されて前記放電空間が形成されていることを特徴
とする。
【0035】請求項8に係る発明は、面放電型プラズマ
ディスプレイパネル用基板の製造方法であって、複数の
隔壁用パターンをスクリーン印刷法を用いて基板表面上
に印刷すると共に、ストライプ状に印刷されたペースト
状の母材を乾燥させる工程と、実質的な硬化処理を施す
前に、乾燥後の前記ペースト状の母材の頂上部を研磨し
て平坦部を形成する工程と、研磨後の前記ペースト状の
母材を焼成することにより、互いに平行に所定の間隔で
配置されたストライプ状の複数の隔壁を前記基板表面上
に形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0036】請求項9に係る発明は、請求項5記載の面
放電型プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法で
あって、前記複数の隔壁のそれぞれの幅の内で最大幅に
対する、前記複数の隔壁のそれぞれの前記平坦部の幅の
比が30パーセント以上となるように、前記ペースト状
の母材の頂上部を研磨することを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】(実施の形態1) (PDP用背面基板の構造)図1は、本発明に係る隔壁
を備えたPDP用背面基板の構造を、一部断面図形式と
して示す斜視図である。
【0038】同図1において、第2基板にあたる背面ガ
ラス基板(以下、単に背面基板と称す)1には、ストラ
イプ状の複数のアドレス電極2が、Y方向(所定方向)
に互いに平行に所定間隔で以て延長形成されている。更
に、アドレス電極2は、背面基板1の表面上に形成され
た誘電体から成る下地層3で以て全面的に被覆されてい
る。更に、各アドレス電極2に隣接するように、互いに
平行にY方向に沿って所定間隔で延長配置された、スト
ライプ形状の複数の隔壁4が、下地層3の表面上に形成
されている。各隔壁4は、互いに隣接し合う放電セル間
の放電もれの影響を断ち、かつ蛍光のクロストークを防
ぐ働きを有するものである。
【0039】各隔壁4は、その縦断面(XZ面)の側辺
がある曲率を有するように湾曲した両側面部4Wと、両
側面部4Wで囲まれた頂上部4T(両側面部4Wに続く
平坦部、すなわち頂上部4T)とを有し、しかも、各頂
上部4Tの背面基板1からの高さはほぼ等しく(例え
ば、高さは130μm程度)、かつ、各頂上部4Tの面
は凹凸のないフラット(平坦)な面である。このような
構造を有する各隔壁4については、従来より用いられて
いるスクリーン印刷法をそのまま用いて、低融点ガラス
ペースト材(以下、単にガラスペーストと称す。又、隔
壁4の母材をなすという意味で、当該ガラスペーストを
「ペースト状の母材」とも表現する。)を下地層3上に
印刷し、これを乾燥させた上で、このストライプ状のガ
ラスペーストに対して所定条件で研磨を施すことで、上
記のフラットな面を有し、かつ高さの均一な頂上部4T
を得ている。即ち、複数の隔壁4用の隔壁パターンをス
クリーン印刷法を用いて基板1の表面上に印刷すると共
に、ストライプ状に印刷されたペースト状の母材を乾燥
させた後、硬化処理を施すこと無く、乾燥後の上記ペー
スト状の母材の頂上部を直接研磨し、その後、上記ペー
スト状の母材を焼成することで、上記複数の隔壁4を上
記基板1の表面上に形成している。この点については、
後程詳述する。
【0040】又、隣り合う隔壁4の間には、図1におい
ては便宜上、図示はしていないが、赤(R),青
(B),緑(G)の各蛍光を発する蛍光体(図2の符号
5に相当)が、アドレス電極2上と、隣り合う隔壁4の
側壁ないしは側面部4W上とを被覆するように、例えば
スクリーン印刷法を用いて形成されている。
【0041】(本PDPの構造)図1に例示した背面基
板1は、第1基板たる前面基板と、それぞれの周端部同
士において貼付されて、PDPが形成される。その際、
各隔壁4の頂上部4Tが後述する保護膜の表面と当接す
るように、両基板は重ね合わされる。これにより、隣り
合うストライプ状の隔壁4と保護膜の表面と蛍光体とで
囲まれた放電空間が形成される。
【0042】図2は、上記の通りに重ね合わされてPD
Pを構成する、前面ガラス基板(以下、単に前面基板と
称す)6と図1に示した背面基板1との構造を示す斜視
図(一部分は断面図)である。但し、図2においては、
説明の便宜上、両基板1および6をZ方向に開いた状態
で図示している。
【0043】同図2に示す通り、前面基板6の表面上に
は、互いに相対して対をなす、平行な透明電極7と透明
電極7の抵抗による電圧低下を防ぐためのバス電極8と
が、所定の間隔を隔ててX方向に延長形成されている。
これらの電極7および8は、低融点ガラスからなる透明
誘電体9で被覆され、さらに、透明誘電体9はMgOか
ら成る保護層10で被覆されている。当該保護層10
は、透明誘電体9の保護作用をなすのみならず、ガス放
電時の二次電子放出作用及び壁電荷蓄積作用をもなす部
分である。
【0044】これらの透明誘電体9および保護層10を
含めて、ここでは、「その表面が放電空間と界面をなす
誘電体」として定義する。
【0045】このような構造を持った前面基板6と背面
基板1とを上述の通り重ね合わせて貼付し、その後、真
空引きした上で、各放電空間中にNe−Xeなどの混合
ガス(放電ガス)を封入後、密封(封止)し、本PDP
は完成される。尚、図2中の符号5は蛍光体を示す。
【0046】本実施の形態では、各隔壁4の頂上部4T
は図1に例示した通りに形成されているので、上記の重
ね合せの際に、ほぼ完全に各頂上部4Tが保護層10の
表面と面接触をし(しかも、その接触面積は従来よりも
格段に大きい)、間隙が殆ど生じない。このため、本P
DPでは、既述した表示不良が発生しにくい。
【0047】特に、本装置では、図3(a)〜図3
(c)の縦断面図に模式的に示すように、各隔壁4の、
側面部4Wで以て規定される幅の内で最大幅WMAXに対
する、頂上部4Tのフラットな面の幅WFLATの比(W
FLAT/WMAX)が、所定の範囲以上となるように制御さ
れている。
【0048】ここで、ストライプ状の各隔壁4はスクリ
ーン印刷法で形成されているため、各隔壁4毎にその湾
曲した側面部4Wの断面形状が変わる場合もある。例え
ば、隔壁4の側面部4Wの幅寸法は、70μm〜100
μmの範囲内となる。そのことに対応して、図3(a)
〜図3(c)の縦断面図では、そのような様々な側面形
状を有する各隔壁4に対して、最大幅WMAXが隔壁4の
どこの部分で以て定まるかを模式的に例示している。図
3(a)〜図3(c)に示される3つの例の中では、図
3(b)の場合が幅比(WFLAT/WMAX)が最も大き
く、その値は100%ではないが、100%に近い値と
なっている(もっとも、当該幅比は、側面部4Wが湾曲
していることから、100%に等しくはならない)。
【0049】尚、図3(a)〜図3(c)に例示される
通り、本実施の形態における隔壁4は、可視光の蛍光を
反射しうる白色部分4P2と、コントラストを向上させ
るための黒色部分4P1から成り、先端部の黒色部分4
P1にフラットな頂上部4Tが形成されている。尚、当
該黒色部分4P1は、2〜3回の黒色顔料を含むガラス
ペーストの印刷・乾燥より作られる。
【0050】例えば、図4は、隔壁4の頂上部のフラッ
ト幅を変化させた様々なパネルを製造して、それらの点
灯試験を行い、書き込み過剰の発生率を調べた結果を示
している。同図4より明らかな通り、隔壁4の最大幅W
MAXに対して隔壁4の頂上部4Tが、30%以上のフラ
ット幅WFLATを有するPDPについては、書込み過剰の
発生率を数%の範囲内に抑圧できることが見出された。
従って、WFLAT/WMAX≧30%に設定するのが、最も
好ましい設定であると言える。
【0051】(PDP用背面基板及びPDPの製造方
法)以下、各工程順に、図1の背面基板1の製造方法に
ついて説明する。
【0052】図5は、図1の背面基板1の製造工程を示
すフローチャートである。各工程S0〜S5中、特徴的
な部分は工程S4〜S5にあり、それ以前の工程S0〜
S3は従来より用いられているスクリーン印刷法の工程
である。
【0053】先ず、工程S0では、図1の背面基板1、
スクリーン版(図14(a)参照)、隔壁4のペースト
状母材たるガラスペーストを準備する。特に背面基板1
については、次の通りに準備する。即ち、図6の斜視図
に示すように、背面基板1上にアドレス電極2をY方向
に互いに平行に延在するように形成し、図7の斜視図に
示すように、背面基板1の表面上に誘電体の下地層3を
形成して(例えば、低融点ガラスペーストをスクリーン
印刷法で以て印刷・乾燥・焼成することで形成され
る)、下地層3で以てアドレス電極2を被覆する。
【0054】以上の工程が終了すると、通常のスクリー
ン印刷工程に入る。即ち、図5の工程S1では、図1の
XZ面内における断面図として模式的に表わされた図8
に例示するように、図8の背面基板1の上方に、ストラ
イプ状の隔壁4の形状に応じた開孔パターンが形成され
ているスクリーン版SCを配設し、このスクリーン版S
C上にインク状のガラスペーストGPをY方向に沿って
スキージしていく。これにより、既述した通り、スクリ
ーン版SCの開孔パターン内の網目を通してガラスペー
ストGPが落下して、隔壁4を配設すべき下地層3の表
面上の所定位置にガラスペーストGPが島状に付着し合
って、Y方向に延びたストライプ状のガラスペーストG
Pが形成される。
【0055】次に、図5の工程S2では、下地層3の表
面上に付着したストライプ状のガラスペーストGPを、
例えば約120℃の温度雰囲気で以て乾燥させる。この
乾燥工程は、例えば特開平8−171863号公報の
(0037)段落にも記載されている通り、ガラスペー
ストGPの組成物中に含有される(液状の)有機溶剤を
揮発させるための工程である。これにより、図8のスト
ライプ状のガラスペーストGPは、流動体の状態から、
あたかも角砂糖のような、多孔質様(硬さも角砂糖と同
等程度)の状態となる。
【0056】次に図5の工程S3では、印刷及びそれに
引き続く乾燥処理が所定回数(例えば8〜10回)繰り
返されたか否かを判断し、所定回数に達していないとき
には、以上述べた印刷処理(工程S1)及び乾燥処理
(工程S2)を繰り返して、既に前の印刷・乾燥処理に
より下地層3上に付着されているストライプ状のガラス
ペーストGPの上に、更に新たなガラスペーストを積み
上げて、より高いストライプ状のガラスペーストGPを
形成していく(図8)。このガラスペーストの積み上げ
により、ストライプ状のガラスペーストGPの側面部が
湾曲化し、その頂上部がより先細り化していき、頂上部
の表面の曲率半径がより小さくなっていくことは、既述
した通りである。
【0057】尚、特開平3−127429号公報の第3
頁の左上欄の第1行〜第2行には、ガラスペーストを乾
燥させた後に仮焼成する旨が述べられているが、ここで
留意すべき点は、本工程S2で行う「乾燥」と上記の
「仮焼成」とは異なる処理であるということである。前
者は、前述した通り、ガラスペースト中の有機溶剤をガ
ラスペーストより外部へ放出させるための処理であり、
処理温度も例えば100℃前後で行われ、処理後のガラ
スペーストの性状は、ガラスペーストが乾燥しただけな
ので、含有されるガラス質が溶着するに到っていない、
あくまでも粒状の塊であるが、これに対して、後者は、
より高い温度下で行われる処理であり、これにより樹脂
分がガラスペーストより放出されて、処理後のガラスペ
ーストは、その元の状態とはかなり相違し、含有される
ガラス質が溶着しつつある、あたかも軽石のようにポー
ラス状(穴あき状)に硬化されてしまう(従って、焼
成、仮焼成は共に実質的な硬化処理に含まれる)。
【0058】上記の印刷・乾燥処理が所定回数行われる
と、従って、ストライプ状のガラスペーストGPの頂上
部が所定の高さになると、図5の工程S4に移る。
【0059】工程S4では、ストライプ状に印刷・乾燥
されたガラスペースト(ペースト状母材)の頂上部を、
実質的な硬化処理を施す前に(全く熱硬化処理を施すこ
となく)、研磨機で研磨する。
【0060】本工程では、最適形状の隔壁頂上部を焼成
工程後に得ることができるようにするため、焼成工程前
に、後述する研磨テープを用いる研磨機によって、以下
の条件の下、ストライプ状のガラスペーストGPの頂上
部を研磨する。この研磨工程を、図9に模式的に示す。
【0061】同図9は、図1に示すXZ面内における断
面図に相当する。研磨機は、弾性ローラ(例えばゴムロ
ーラ)である研磨用ローラ20と、当該ローラ20に一
部が巻かれて図9の上方向に送られる研磨用テープ21
とを備える。図示しないローラ駆動機構によってローラ
20の中心軸は、例えば、θ方向に回転し、これによっ
て、研磨用テープ21は図9の上方向に送られる。又、
背面基板1は図示しない支持台上に載置されており、こ
の支持台を図示しない駆動機構によってY方向に並進移
動する。従って、ストライプ状のガラスペーストGP
は、その頂上部GPTが研磨用テープ21によって研磨
されつつ、Y方向へ送られる。
【0062】この時の研磨条件は、次の通りである。即
ち、ストライプ状のガラスペーストGPが柔らかいた
め、研磨ローラ荷重(頂上部GPTへの押圧力)を極力
小さくする必要がある。例えば、研磨ローラ荷重を従来
の1/5程度にする。また、研磨用テープ21の研磨
砥粒も、従来の焼成後の研磨に用いるものより、細かい
ものを使用する必要がある。というのは、研磨用テープ
の目が粗いと、研磨後の頂上部に傷跡(スクラッチ)が
ついてしまい、凹凸状の頂上部が生じてしまうからであ
る。ここでは、例えば、従来、600番のメッシュ番号
のものを用いて研磨していたのを、1000〜1200
番のものに替えている。
【0063】この方法で研磨されたストライプ状のガラ
スペーストGPの頂上部GPTのフラット幅WFLATにつ
いては、上記の研磨条件,を適切にコントロールす
ることで、それを任意の値に加工することが可能であ
る。
【0064】このように、上記条件,の下で、焼成
前あるいは仮焼成前の柔らかい、しかも、ある程度の硬
さのあるストライプ状のガラスペーストGP自体を直接
研磨しているので、研磨ローラ荷重が小さくて済み、し
かも、ガラスペーストGPの頂上部GPTに凹凸があ
り、その高さが均一でなくても、図14(b),図14
(c)に例示したような問題点が一切発生することはな
く、数分間で、傷の殆どないフラットな頂上部を有し、
かつ、高さの揃った状態にまで、複数のストライプ状の
ガラスペーストGPの全てを研磨することが可能とな
る。各頂上部GPTが全てフラットな面を有し、かつ、
その高さが均一に揃えられた状態を有する、ストライプ
状ガラスペーストGPを、図10の斜視図に示す。
【0065】この後、図5のステップS5に移り、図1
0のストライプ状ガラスペーストGPを約580℃以上
の温度で焼成する。これにより、図10に示すストライ
プ状ガラスペーストGPは硬化され、図1に例示したス
トライプ状の隔壁4となり、一連の隔壁形成工程が終了
する。
【0066】その後は、図11のPDP製造工程に示す
ように、蛍光体形成工程FS22に入る。即ち、図1に
示すストライプ状隔壁4の側面部4Wの上と、下地層3
の上とに、蛍光体が例えばスクリーン印刷法を用いて形
成される。
【0067】そして、既知の工程FS1によって製作さ
れた図2に示す前面基板6と、本工程FS2で得られた
図1の背面基板1とを用いて、次の既知のアセンブリ工
程FS3が実行され、本PDPが完成される。
【0068】以上のように、スクリーン印刷を用いて焼
成後のストライプ状隔壁に対して研磨を行う場合に比し
て、本実施の形態では、いまだ熱硬化処理の施されてい
ない、柔らかなストライプ状ガラスペーストGPに対し
て研磨を施している。この場合、幅比(WFLAT
MAX)が30%以上となるように、ストライプ状のガ
ラスペーストGPの頂上部GPTを研磨するのが望まし
い。というのは、既述した通り、最終的に製作されたP
DPの表示特性等が良好な結果となるからである(図
4)。
【0069】尚、本方法によってストライプ状のガラス
ペーストGPの頂上部GPTの高さのバラツキ、従っ
て、ストライプ状隔壁4の頂上部4Tの高さのバラツキ
を、数μm以内に抑えることが可能である。
【0070】本方法によれば、スクリーン印刷工程で
生じるメッシュ痕を短時間で確実に除去することがで
き、隔壁4の高さの均一化を図ることができると共
に、隔壁4の頂上部4Tの面を容易にフラットな面に
することができる。これにより、生産性の向上を図る
ことができると共に、PDPとしての表示不良の発生
を格段に低減させることができ、歩留まりの高いPD
Pを得ることができる。
【0071】(変形例) (1) 図1の例では、下地層3の上に隔壁4を設ける場
合を示したが、これに代えて、下地層3を設けることな
く、背面基板1の表面上に隔壁を直接形成するようにし
ても良い。この意味で、本発明では、下地層のない背面
基板と下地層を含む背面基板とを総称して、「第2基
板」ないしは「PDP用基板」と定義する。従って、図
1の場合には、下地層3の表面は「第2基板の表面」な
いしは「PDP用基板の表面」に該当することとなる。
【0072】(2) 実施の形態1では、PDP用基板は
背面基板であったが、これに代えて、前面基板として用
いられるものでも良い。
【0073】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、複数の隔
壁のそれぞれの側面部が湾曲していても、平坦部を有
し、且つ各隔壁の高さも均一化されているので、第1及
び第2基板同士を重ね合わせて貼付するときに、各隔壁
の平坦部は、第1基板の誘電体の表面と、隙間を生じさ
せることなく面接触する。このため、隔壁で隔離された
隣合った放電空間で放電もれ等が発生するのを防止する
ことが可能となり、表示不良を低減することができる。
【0074】請求項2に係る発明によれば、各隔壁の平
坦部の幅が最適化されているので、表示不良の発生率を
確実に且つ十分に低減化することができ、歩留りの高い
面放電型プラズマディスプレイパネルを提供することが
できるという効果を奏する。
【0075】請求項3に係る発明によれば、コントラス
トを作るために設けられている黒色部分の隔壁に対して
のみ平坦部を設けているので、可視光を反射し得る部分
を隔壁の湾曲した他の部分に設けることができる。
【0076】請求項4に係る発明によれば、スクリーン
印刷法を用いつつ、その高さが均一な平坦部を有する、
ストライプ状の複数の隔壁を、基板表面上に確実に実現
することができるという効果を奏する。
【0077】請求項5に係る発明によれば、乾燥後のペ
ースト状の母材の頂上部を研磨した後にペースト状の母
材を焼成することでストライプ状の複数の隔壁を形成し
ているので、印刷工程でペースト状の母材に生じるメッ
シュ痕やその他の凹凸を短時間で容易に且つ確実に除去
することができ、その高さが均一な平坦部を有する、ス
トライプ状の複数の隔壁を、基板表面上に、短時間・低
コストで確実に実現することができるという効果を奏す
る。従って、本発明により、スクリーン印刷法を用いて
も隔壁の生産性を格段に高めることが可能な面放電型プ
ラズマディスプレイパネル用基板を提供することができ
る。
【0078】請求項6に係る発明によれば、最大幅に対
する平坦部の幅の比を30パーセント以上となるよう
に、ペースト状の母材の頂上部を研磨しているので、生
成された放電型プラズマディスプレイパネル用基板を利
用して放電型プラズマディスプレイパネルを製造したと
きに、表示不良の発生率を格段に低減化することが可能
となる。よって、本発明は、放電型プラズマディスプレ
イパネルの歩留りの向上に十分に寄与することが可能な
面放電型プラズマディスプレイパネル用基板を提供する
ことができる。
【0079】請求項7に係る発明によれば、各隔壁の平
坦部は、第1基板の誘電体の表面と、隙間を生じさせる
ことなく面接触するので、隔壁で隔離された隣合った放
電空間で放電もれ等が発生するのを防止することが可能
となり、表示不良の発生率を低減することができる。
【0080】請求項8に係る発明によれば、印刷工程で
ペースト状の母材に生じるメッシュ痕やその他の凹凸を
短時間で容易に且つ高精度で除去することができ、その
高さが均一な平坦部を有する、ストライプ状の複数の隔
壁を、基板表面上に、短時間・低コスト・高精度で実現
することができるという効果を奏する。よって、本発明
により、スクリーン印刷法を用いても隔壁の生産性を格
段に高めることが可能となる。
【0081】請求項9に係る発明によれば、最大幅に対
する平坦部の幅の比が30パーセント以上となるよう
に、ペースト状の母材の頂上部を研磨しているので、表
示不良の発生率を確実に且つ十分に低減化することがで
き、これにより、歩留りの高い面放電型プラズマディス
プレイパネルを実現し得る基板を、低コストで製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るPDP用背面基板の構造を模
式的に示す斜視図である。
【図2】 この発明に係るPDPの構成を模式的に示す
斜視図である。
【図3】 この発明に係る種々の隔壁における、最大幅
とフラット幅との関係の例を示す縦断面図である。
【図4】 この発明に係るPDPに対する試験結果を示
す図である。
【図5】 この発明に係る隔壁形成工程を示すフローチ
ャートである。
【図6】 この発明に係る、製造途上の背面基板を示す
斜視図である。
【図7】 この発明に係る、製造途上の背面基板を示す
斜視図である。
【図8】 この発明に係る、製造途上の背面基板を示す
斜視図である。
【図9】 この発明に係る、製造途上の背面基板を示す
斜視図である。
【図10】 研磨直後のストライプ状ガラスペーストを
有する背面基板を示す斜視図である。
【図11】 この発明に係るPDPの製造工程を示すフ
ローチャートである。
【図12】 スクリーン印刷法を用いた従来の隔壁形成
工程を説明するためのフローチャートである。
【図13】 スクリーン印刷法を用いた従来の隔壁形成
工程を示す斜視図である。
【図14】 スクリーン印刷法を用いた従来の隔壁形成
工程における問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 背面基板、2 アドレス電極、3 下地層、4 隔
壁、5 蛍光体、6前面基板、7 透明電極、8 バス
電極、9 透明誘電体、10 保護層、4T頂上部、4
W 側面部、4P1 白色部、4P2 黒色部、GP
ガラスペースト。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その表面が放電空間との界面をなす誘電
    体層がその表面に形成された第1基板と、 前記第1基板とその周端部において貼付されて前記放電
    空間を形成し、その表面上に互いに平行に所定の間隔で
    配置されたストライプ状の複数の隔壁を有する第2基板
    とを備え、 前記複数の隔壁のそれぞれは、 湾曲した側面部と、 前記側面部に続く平坦部とを有し、 前記複数の隔壁のそれぞれの前記平坦部が前記誘電体層
    の前記表面と当接していることを特徴とする、面放電型
    プラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の面放電型プラズマディス
    プレイパネルであって、 前記側面部で以て規定される前記複数の隔壁のそれぞれ
    の幅の内で最大幅に対する、前記複数の隔壁のそれぞれ
    の前記平坦部の幅の比は30パーセント以上であること
    を特徴とする、面放電型プラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の面放電型プラズマディス
    プレイパネルであって、 前記複数の隔壁のそれぞれは、 前記平坦部を有する黒色部分と、 可視光を反射し得る部分とを備えることを特徴とする、
    面放電型プラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 その基板表面上にスクリーン印刷法を用
    いて形成され且つ平坦部を有する、互いに平行に所定の
    間隔で配置されたストライプ状の複数の隔壁を備える、
    面放電型プラズマディスプレイパネル用基板。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の面放電型プラズマディス
    プレイパネル用基板であって、 前記複数の隔壁用の隔壁パターンを前記スクリーン印刷
    法を用いて前記基板表面上に印刷すると共に、ストライ
    プ状に印刷されたペースト状の母材を乾燥させた後、実
    質的な硬化処理を施す前に、乾燥後の前記ペースト状の
    母材の頂上部を研磨して平坦部を形成し、その後、前記
    ペースト状の母材を焼成することで、前記複数の隔壁を
    前記基板表面上に形成することを特徴とする、面放電型
    プラズマディスプレイパネル用基板。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の面放電型プラズマディス
    プレイパネル用基板であって、 前記複数の隔壁のそれぞれの幅の内で最大幅に対する、
    前記複数の隔壁のそれぞれの前記平坦部の幅の比が30
    パーセント以上となるように、前記ペースト状の母材の
    頂上部が研磨されてなることを特徴とする、面放電型プ
    ラズマディスプレイパネル用基板。
  7. 【請求項7】 その表面が放電空間との界面をなす誘電
    体層がその表面に形成された第1基板と、請求項4乃至
    6の何れかに記載された面放電型プラズマディスプレイ
    パネル用基板よりなる第2基板とが、前記複数の隔壁の
    それぞれの前記頂上部が前記誘電体層の前記表面と当接
    するように、それぞれの周端部において貼付されて前記
    放電空間が形成されていることを特徴とする、面放電型
    プラズマディスプレイパネル。
  8. 【請求項8】 複数の隔壁用パターンをスクリーン印刷
    法を用いて基板表面上に印刷すると共に、ストライプ状
    に印刷されたペースト状の母材を乾燥させる工程と、 実質的な硬化処理を施す前に、乾燥後の前記ペースト状
    の母材の頂上部を研磨して平坦部を形成する工程と、 研磨後の前記ペースト状の母材を焼成することにより、
    互いに平行に所定の間隔で配置されたストライプ状の複
    数の隔壁を前記基板表面上に形成する工程とを含むこと
    を特徴とする、面放電型プラズマディスプレイパネル用
    基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の面放電型プラズマディス
    プレイパネル用基板の製造方法であって、 前記複数の隔壁のそれぞれの幅の内で最大幅に対する、
    前記複数の隔壁のそれぞれの前記平坦部の幅の比が30
    パーセント以上となるように、前記ペースト状の母材の
    頂上部を研磨することを特徴とする、面放電型プラズマ
    ディスプレイパネル用基板の製造方法。
JP10004984A 1998-01-13 1998-01-13 面放電型プラズマディスプレイパネル用基板及びその製造方法、並びに面放電型プラズマディスプレイパネル Pending JPH11204041A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100416086B1 (ko) * 1999-11-17 2004-01-31 삼성에스디아이 주식회사 크로스 토크를 방지하는 플라즈마 디스플레이 패널의 격벽평탄화 방법
WO2006009162A1 (ja) * 2004-07-20 2006-01-26 Pioneer Corporation プラズマ放電パネル、及びプラズマ放電パネル製造用基板

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