JP3893040B2 - トレンチ型mosfetの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路の構成要素としてのMOS型FET(電界効果トランジスタ)の製造方法に係り、特に大電流・低オン抵抗が要求される用途に好適なトレンチ型MOSFETの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のトレンチ型MOSFETの構造を図3に示す。図3において、1はドレイン領域として働くシリコン基板(N+)、2はエピタキシャル層(N−)、3はボディ部(P)、4はソース領域(N+)、5はゲート酸化膜(SiO2)、6はポリシリコンから成るゲート電極、7は酸化膜(SiO2)、8はソース電極(Al)、9はドレイン電極(Ti/Ni/Au)、10はトレンチ(溝)である。ゲート電極6にはゲート取出電極(図示せず)が被着される。ゲート酸化膜5およびゲート電極6は、上面からエピタキシャル層2まで達するトレンチ10を形成した後にその内周壁への酸化膜形成およびポリシリコン埋め込みによって形成される。FET動作時には、ボディ部3におけるゲート酸化膜5の近傍がチャネル部分となり、この部分に反転層が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、トレンチ10の形成部分はボディ部の平面上に開口するよう異方性のエッチングにより形成されるので、そのトレンチの上角(開口部の角)の形状が鋭角(直角)となり、そこに電界集中が起こり、ゲート耐圧の低下やリーク電流の増大等の問題があった。
【0004】
本発明の目的は、トレンチの上角部分への電界集中が緩和できるようにして、上記した問題を解決したトレンチ型MOSFETの製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、一導電型の半導体基板上に一導電型の第1の半導体層を形成する第1工程と、該第1の半導体層に逆導電型の第2の半導体層を形成する第2工程と、該第2の半導体層のゲート形成予定領域の表面にバーズビーク形状のLOCOS部を形成する第3工程と、該LOCOS部の略中央部を凹形状に除去して前記第2の半導体層を抜け前記第1の半導体層に達するようトレンチを形成する第4工程と、前記トレンチの内壁に前記LOCOS部に連続するようゲート酸化膜を形成し前記トレンチ内にゲート電極材料を埋め込む第5工程と、前記ゲート酸化膜に接するように前記第2の半導体層の表面側に一導電型のソース領域を形成する第6工程と、該ソース領域に接続するソース電極を形成する第7工程と、前記半導体基板の裏面にドレイン電極を形成する第8工程と、を具備し、前記トレンチ上角部分が前記LOCOS部により鈍角に形成されるようにしたことを特徴とするトレンチ型MOSFETの製造方法とした。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記第3工程は、前記第2の半導体層の上面に開口部を有する窒化膜を形成し、該開口部分における前記第2の半導体層のフィールド酸化により前記LOCOS部を形成することを特徴とするトレンチ型MOSFETの製造方法とした。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記第4工程は、前記LOCOS部形成用のマスクをそのまま使用しエッチングして前記LOCOSの略中央部に凹部を形成し、該凹部の周囲に残ったLOCOS部と前記LOCOS部形成用のマスクによりエッチングして前記第1の半導体層に達するまでトレンチを形成することを特徴とするトレンチ型MOSFETの製造方法とした。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の製造方法により製造されたトレンチ型MOSFETの断面を示す図であり、1はドレイン領域として働くシリコン基板(N+)、2はエピタキシャル層(N−)、3はボディ部(P)、4はソース領域(N+)、5はゲート酸化膜(SiO2)、6はポリシリコンから成るゲート電極、7は酸化膜(SiO2)、8はソース電極(Al)、9はドレイン電極(Ti/Ni/Au)、10はトレンチ、11はLOCOS部である。ゲート電極6にはゲート取出電極(図示せず)が被着される。
【0009】
図3に示した従来構造と異なるところは、トレンチ10の上角(開口部の角)部分の酸化膜がLOCOS部11により形成され、縦方向に膨らんでバーズビークと呼ばれる形状をなし、ソース領域4のトレンチ10側の上角部分が鈍角になり電界集中が緩和されていることである。これにより、ゲート耐圧の向上やリーク電流低減を図ることができる。なお、上記のPとNは反対であってもよい。
【0010】
図2はこのトレンチ型MOSFETの製造工程の説明図である。まず、基板1の上にエピタキシャル層2を形成し、その上面に薄いパッド酸化膜(SiO2)21を形成(200Å〜1000Å程度)し、その上面に窒化膜(Si3N4)22を堆積(1000Å〜3000Å程度)しパターニングして、フィールド酸化(900℃〜1100℃程度)により素子分離のためのLOCOS部(SiO2)23を形成する(図2(a))。
【0011】
次に、所定のマスクによりp型不純物のイオン注入および熱処理によりボディ部3を形成する(図2(b))。
【0012】
次に、パッド酸化膜21を除去してから酸化膜7を形成(200Å〜1000Å程度)し、その上に再度窒化膜(Si3N4)24を堆積し、ゲート形成予定部分に開口24aができるようにパターニングする(図2(c))。
【0013】
次に、窒化膜24をマスクとしてフィールド酸化によりその開口部24aに露出するボディ部分を酸化してLOCOS部(SiO2)25を形成する(図2(d))。このとき、フィールド酸化の条件を適宜設定して、LOCOS部25の膨らみと横広がり(バーズビーク)の程度を調整する。
【0014】
次に、窒化膜24をマスクとしてウエットエッチング又はドライエッチングによりエッチングを行い、LOCOS部25のほぼ中央部を凹形状に除去する。さらに、その凹形状部の周囲に残ったLOCOS部11と窒化膜24をマスクとして異方性を強めたドライエッチングによりトレンチ10を形成する。このように、トレンチ10の形成はセルフアラインにより行われるので、マスク合わせの精度の影響を受けることはない。また、このトレンチ10の上部の開口部の角はLOCOS部11のバーズビーク部分となるので、ボディ部3のトレンチ10側の上角部分が鈍角で滑らかになる(図2(e))。
【0015】
次に、高温による犠牲酸化(SiO2)をトレンチ10の内壁面に行い更にゲート酸化膜(SiO2)5をトレンチ10の内壁にLOCOS部11に連続するように形成してから、そのトレンチ10にポリシリコンを埋め込みゲート電極6を形成する(図2(f))。
【0016】
次に、窒化膜24を除去してからボディ部3の上部分にn型不純物の打ち込みおよび熱処理によりソース領域4を形成し、さらにソース電極8およびゲート取出電極(ゲート電極6に連続するが図示せず)をアルミニウムにより形成する。この後、基板1を薄膜化して、その裏面にドレイン電極9をチタン/ニッケル/金からなる多層金属膜により形成する(図1)。
【0017】
【発明の効果】
以上から本発明によれば、ソース領域のトレンチ上角部分がLOCOS部によって鈍角になるので、そこに電界が集中することを緩和でき、ゲートの耐圧向上およびリーク電流削減が図られ、ゲート特性の改善および信頼性を向上することができるという利点がある。また、トレンチ形成がLOCOS部と窒化膜を使用したセルフアラインによりるエッチングで行われるので、ゲート形成がマスク合わせの精度の影響を受けることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のトレンチ型MOSFETの構造を示す断面図である。
【図2】 (a)〜(f)は図1のトレンチ型MOSFETの製造工程の概略説明図である。
【図3】 従来のトレンチ型MOSFETの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1:シリコン基板(ドレイン領域)、2:エピタキシャル層、3:ボディ部、4:ソース領域、5:ゲート酸化膜、6:ゲート電極、7:酸化膜、8:ソース電極、9:ドレイン電極、10:トレンチ、11:LOCOS部
21:パッド酸化膜、22:窒化膜、23:LOCOS部、24:窒化膜、25:LOCOS部。

Claims (3)

  1. 一導電型の半導体基板上に一導電型の第1の半導体層を形成する第1工程と、
    該第1の半導体層に逆導電型の第2の半導体層を形成する第2工程と、
    該第2の半導体層のゲート形成予定領域の表面にバーズビーク形状のLOCOS部を形成する第3工程と、
    該LOCOS部の略中央部を凹形状に除去して前記第2の半導体層を抜け前記第1の半導体層に達するようトレンチを形成する第4工程と、
    前記トレンチの内壁に前記LOCOS部に連続するようゲート酸化膜を形成し前記トレンチ内にゲート電極材料を埋め込む第5工程と、
    前記ゲート酸化膜に接するように前記第2の半導体層の表面側に一導電型のソース領域を形成する第6工程と、
    該ソース領域に接続するソース電極を形成する第7工程と、
    前記半導体基板の裏面にドレイン電極を形成する第8工程と、
    を具備し、
    前記トレンチ上角部分が前記LOCOS部により鈍角に形成されるようにしたことを特徴とするトレンチ型MOSFETの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第3工程は、前記第2の半導体層の上面に開口部を有する窒化膜を形成し、該開口部分における前記第2の半導体層のフィールド酸化により前記LOCOS部を形成することを特徴とするトレンチ型MOSFETの製造方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第4工程は、前記LOCOS部形成用のマスクをそのまま使用しエッチングして前記LOCOSの略中央部に凹部を形成し、該凹部の周囲に残ったLOCOS部と前記LOCOS部形成用のマスクによりエッチングして前記第1の半導体層に達するまでトレンチを形成することを特徴とするトレンチ型MOSFETの製造方法。
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