JP3892804B2 - 電力変換装置とその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力変換装置及びその制御方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力変換器を用いて交流電動機を駆動する場合においては、電源より供給される交流電力を電力変換器にて一旦直流に変換し、さらに所要の可変電圧可変周波数の交流電力に変換する。ここで、入力側の交流電源電圧の変動等により電力変換器内部の直流電圧が変動すると、電力変換器の出力電圧が変動し、電動機の速度やトルクに変動が生じる。これに対して、変換器内の直流電圧が検出可能な場合には、特許文献1に開示されているように、直流電圧検出値に基き出力電圧指令を補正する技術が知られている。一方、変換器内の直流電圧検出が不可能な場合には、例えば、特許文献2に開示されているように、出力電圧検出値と出力電圧指令を比較し、その結果に基づいて出力電圧指令値を補正する技術が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−311787号公報(要約、その他全体)
【特許文献2】
特開2001−128459号公報(要約、その他全体)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
交流を入力し交流を出力する電力変換器においては、交流を直流に変換する順変換器と、直流を交流に変換する逆変換器の間の直流路に、直流電圧を平滑化するためのコンデンサが接続されている。この平滑コンデンサが変換器内に占める容積は大きく、電力変換器の小形化のためには、平滑コンデンサ容量の低減が必要となる。しかし、コンデンサ容量を低減した場合、入力側の電源変動だけでなく、出力側の負荷(電力)変動に起因した直流電圧の変動量が大きくなる。特に、単相セルインバータを直列に接続して高圧電動機を駆動するいわゆる直列多重インバータシステムにおいて、平滑コンデンサ容量を低減すると直流電圧の変動量が大きくなり、この影響により電動機のトルク変動が発生し易いことが分った。また、変換器内の直流電圧を検出する装置を設けることは、部品点数が増加し複雑となる。
【0005】
本発明の目的は、直流/交流変換器の直流入力電圧を検出することなく、入力側の平滑コンデンサの容量を低減しても、出力電圧の変動を軽減し得る電力変換装置及びその制御方法を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、複数の単相セルインバータを直列接続した直列多重インバータ(以下、直列多重インバータと記す)において、平滑コンデンサを低減し、直流電圧を検出することなく、出力電圧変動を軽減できる電力変換装置とその制御方法を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、直列多重インバータから交流電動機に給電し、ファン又はポンプを駆動するシステムにおいて、直流電圧を検出することなく、電動機トルクの変動を軽減でき、電力変換装置部を小型化することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はその一面において、インバータの直流入力電流を推定演算する電流演算手段と、演算した電流値を用いて前記インバータの直流入力電圧の変動量を推定する手段を備え、その推定結果に基いてインバータの出力電圧指令値を補正する補正手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
これにより、インバータの入力側の平滑コンデンサの容量を低減しても、インバータ内の直流入力電圧を検出することなく、出力電圧の変動を軽減できる。
【0010】
本発明は他の一面において、単相インバータの直流入力電流を演算する電流演算手段と、演算した電流値を用いて単相インバータの直流電圧変動量を推定する直流電圧変動量推定手段を備え、その推定結果に基いて出力電圧指令値を補正する補正手段を設ける。
【0011】
本発明は更に他の一面において、各相毎に単相セルインバータの出力側を直列接続した直列多重インバータにおいて、各単相インバータの直流入力電流を演算する電流演算手段と、演算した電流値を用いて前記各単相インバータの直流電圧変動量を推定する直流電圧変動量推定手段を備え、その推定結果に基いて各相毎に出力電圧指令値を補正する補正手段を設ける。
【0012】
これにより、各単相インバータの入力側の平滑コンデンサの容量を低減し、負荷変動に対しても、各相インバータの直流入力電圧を検出することなく、インバータの出力電圧の変動を軽減できる。
【0013】
特に、単相セルインバータを直列に接続して高圧電動機を駆動する直列多重インバータシステムにおいては、3レベルインバータと違って、単相セルインバータの直流入力電流が出力電流の2倍の周波数という低い周波数で変動する。このため、平滑コンデンサ容量を低減すると直流電圧の変動を抑制することが難しく、この影響により電動機のトルク変動を発生し易い。しかも、この直流電圧の変動量は、3レベルインバータとは違って各相で変動位相が異なるため、各相毎に出力電圧指令値を補正することにより、効果的に出力電圧の変動を軽減する。
【0014】
本発明のその他の目的及び特徴は以下に述べる実施形態で明らかにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による電力変換装置の全体構成ブロック図である。図1において、交流電源1の交流電力を変圧器2を介してAC/AC電力変換器である直列多重インバータ3に取り込む。このAC/AC変換器3は、U〜W相インバータユニット3u〜3wから成り、各相ユニットは、U相のみを図示するように、n個の単相セルインバータ3u1〜3unを出力側で直列に接続して直列多重インバータを構成する。この直列多重インバータ3は、変圧器2より出力される交流電力を、高電圧の可変電圧可変周波数の交流電力に変換し、交流電動機4に供給している。直列多重インバータ3内の各単相セルインバータ3u1〜3un内では、交流電圧を順変換器11で直流電圧に変換し、この直流電圧を平滑する平滑コンデンサ12を備え、逆変換器13でパルス幅変調(PWM)した電圧を出力する。これらの各セルインバータ3u1〜3unの出力電圧は、U相セルユニット3u、V相セルユニット3v、W相セルユニット3wの各ユニット内で加算され、3相交流電圧として交流電動機4へ出力されている。この例では、交流電動機4は、ポンプ又はファンシステム40を負荷として駆動している。
【0017】
直列多重インバータ3の出力電流Iu〜Iwは出力電流検出手段5で検出し、その出力電圧Vu〜Vwは出力電圧検出手段6で検出し、それぞれ制御手段7へ出力する。制御手段7内では、電圧指令演算手段71において、速度(周波数)指令f*と電流検出値Iu〜Iwに基づいて、V/f一定制御又は速度センサレスベクトル制御等により、電圧指令Vu*〜Vw*を演算する。この電圧指令Vu*〜Vw*を、電圧指令補正演算手段72を介してPWM制御手段73に導き、PWM制御信号74を発生してインバータ3をPWM制御する。
【0018】
この実施形態においては、直流入力電流演算手段75と直流電圧変動量演算手段76を通して電圧指令補正演算手段72で実行する電圧指令の補正演算に特徴がある。
【0019】
まず、直流入力電流演算手段75に対して、電流検出手段5からの各相毎の電流検出値Iu〜Iwと、電圧検出手段6からの各相毎の電圧検出値Vu〜Vwが入力される。ここで各相毎に、単相セルインバータ3u1〜3un,3v1〜3vn及び3w1〜3wn(U相のみ図示)の直流入力電流Idcu,Idcv及びIdcwを演算する。直流電圧変動量演算手段76には、直流入力電流演算手段75から出力される各相毎の直流電流演算値Idcu〜Idcwが入力され、直流入力電圧の各相毎の変動量ΔVdcu(s)〜ΔVdcw(s)を演算する。電圧指令補正演算手段72では、電圧指令演算手段71から与えられた電圧指令Vu*〜Vw*を、直流電圧変動量演算手段76から得られた直流電圧変動量演算値ΔVdcu(s)〜ΔVdcw(s)に基いて各相毎に補正する。そして、補正後の各相毎の電圧指令値Vu**〜Vw**をPWM制御手段73に与えて、PWM制御信号74を発生して直列多重インバータ3をPWM制御する。
【0020】
この実施形態においては、複数(n個)の単相セルインバータを出力側で直列に接続して高圧電動機4を駆動するシステムである。このため、単相セルインバータ3u1で考えると、単相インバータ13によって平滑コンデンサ12から負荷3へ供給される電力は、交流出力周波数の2倍という低い周波数で変動する。このため、直流入力電流ならびにそれにより変動する直流電圧の変動が大きくなり易く、平滑コンデンサ12の容量を低減すると、さらに直流電圧変動が大きくなり、電動機4のトルク変動が発生する。従って、複数の単相セルインバータを出力側で直列接続した直列多重インバータにおいては、特に、直流電圧の変動に対して、出力電圧を補正することが必要である。
【0021】
次に、この実施形態における補正方法について述べる。まず、電動機4の1相分の電力Pdc(Pdcu〜Pdcw)は(1)式で表わされる。
【0022】
【数1】
【0023】
ここで、Vは電動機相電圧、Iは電動機相電流、φは電動機の力率角である。(1)式の第2項が示すように、単相インバータの電力Pdcは、電動機回転周波数ωの2倍という低い周波数で変動する。そして、単相セルインバータには、電力Pdcu〜Pdcwに比例した直流電流Idcu〜Idcwが流れ、この直流電流の変動により平滑コンデンサ12の両端の直流電圧Vdcu〜Vdcwが大きく変動する。この変動により直列多重インバータ3の出力電圧に歪が生じ、電動機4のトルクに変動が生じる。
【0024】
このように、直列多重インバータ3においては、直流電圧の変動が大きく、その変動が電動機トルクに与える影響が大きい。そこで、このトルクの変動を抑制するため、本実施形態においては、次のようにして電圧指令を補正する。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態による電力変換装置の電圧補正処理フローチャートである。まず、ステップ201で、直流入力電流演算手段75において、U〜W相の各単相インバータユニット3u〜3wの直流入力電流Idcu〜Idcwを(2)式に基いて演算する。
【0026】
【数2】
【0027】
すなわち、電流検出手段5の電流検出値Iu〜Iwと、電圧検出手段6の電圧検出値Vu〜Vwの積である各相分のパワーPdcu〜Pdcwを、各セルの直流電圧平均値Vdchとセルの直列数nで除算し、各相毎の直流電流を演算する。
【0028】
次に、図2のステップ202では、直流電圧変動量演算手段76において、各相毎の直流電圧変動量ΔVdcu〜ΔVdcwを(3)式に基づいて推定演算する。
【0029】
ΔVdcu(s)=Gu(s)×Idcu(s)
ΔVdcv(s)=Gv(s)×Idcv(s) ………………(3)
ΔVdcw(s)=Gw(s)×Idcw(s)
すなわち、直流電圧の基準電圧Vdckに対する、直流電圧の平均電圧Vdchと各相毎の変動量ΔVdcu〜ΔVdcwの和の割合の逆数を、電圧指令値Vu*〜Vw*に乗算する。
【0030】
すなわち、各相インバータユニット3u〜3wのモデルGu(S)〜Gw(s)(伝達関数又はブロック線図モデル)に、直流電流演算値を入力し、各相毎の直流電圧変動量ΔVdcu〜ΔVdcwを推定演算している。
【0031】
次に、ステップ203では、電圧指令補正演算手段72において、電圧指令Vu*〜Vw*を補正する。すなわち、ステップ202で演算した直流電圧変動量ΔVdcu〜ΔVdcwに基づき、電圧指令演算手段71から出力される電圧指令Vu*〜Vw*を補正し、補正された電圧指令値Vu**〜Vw**をPWM制御手段73へ出力する。PWM制御手段73では、これらの交流電圧指令Vu**〜Vw**に基づいて、直流入力電圧Vdcu〜Vdcwをインバータでパルス幅変調するためのPWM制御信号74を作成し、インバータ3をPWM制御する。
【0032】
補正演算は、電圧指令補正演算手段72において、例えば(4)式に基いて実行する。
【0033】
【数3】
【0034】
すなわち、直流電圧の基準電圧Vdckに対する、直流電圧の平均電圧Vdchと各相毎の変動量ΔVdcu〜ΔVdcwの和の割合の逆数を、電圧指令値Vu*〜Vw*に乗算する。
【0035】
図3は、本発明の適用対象とする電力変換装置において、平滑コンデンサ12の容量を低減した場合の各部電圧・電流波形図である。電動機4の駆動周波数ωすなわち交流出力電圧Vu〜Vw及び電流Iu〜Iwの周波数に対して、2倍の周波数で直流電流Idcu〜Idcwが変動している。これに伴って直流電圧Vdcu〜Vdcwも2倍の周波数で変動し、かつ各相で変動位相がずれている。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態による出力電圧及び電動機トルク波形図である。図3の直流電圧変動が生じた状態での、電力変換器3の電圧指令Vu**と出力電圧Vu及び電動機4のトルク波形を、本実施形態における直流電圧補正を実施した場合と、実施しない場合とで比較したものである。補正しない図4(a)では、直流電圧変動の影響により電圧指令Vu**に対して、出力電圧Vuが歪み、その影響で電動機トルクTmには、駆動周波数ωの6倍の周波数のトルク変動が生じている。一方、本発明の一実施形態により直流電圧の変動量に基づき電圧指令を補正した図4(b)では、電圧指令Vu**を補正することで出力電圧Vuの波形を本来の電圧波形に修正でき、電動機4のトルクTmの変動を軽減できる。シミュレーション結果によれば、トルク変動が3〜7[%]の従来技術にこの実施形態を適用することにより、トルク変動を0.8〜1.6[%]に低減できた。
【0037】
この実施形態を要約すると次の通りである。まず、各相毎に交流側で直列接続したn個の単相セルインバータ3u1〜3un…により直列多重インバータを構成した3相電力変換器3を備えている。各単相セルインバータは、交流を直流に変換する順変換器11と、平滑コンデンサ12及び直流を交流に変換する逆変換器13からなる。電力変換器3の出力電流Iu〜Iwを検出する電流検出手段5と、電力変換器3の出力電圧Vu〜Vwを検出する出力電圧検出手段6とを備えている。電力変換器3に対して、各相毎の出力電圧指令Vu*〜Vw*を与える電圧指令演算手段71と、出力電圧指令値を補正する出力電圧指令補正手段72を備えた電力変換装置を前提としている。ここで、出力電流及び電圧検出値Iu〜Iw及びVu〜Vwとを用いて、電力変換器3の各相毎の直流入力電流Idcu〜Idcwを演算する直流入力電流演算手段75を新設する。そして、ここで演算した直流入力電流値Idcu〜Idcwに基いて、直流入力電圧の変動量ΔVdcu(s)〜ΔVdcw(s)を推定する直流電圧変動量演算手段76を設ける。最後に、この推定結果から電圧指令演算手段71からの電圧指令値Vu*〜Vw*を補正する補正演算手段72により、補正された電圧指令値Vu**〜Vw**を得ている。
【0038】
このようにして、各相毎の直流入力電流と、これに基く各相毎の直流電圧の変動量を推定演算し、各相毎に電圧指令を補正することで、直流入力電流の変動に起因する直流電圧変動による出力電圧歪みを防止できる。この結果、電動機のトルク等の変動を軽減でき、電力変換器3内の平滑コンデンサ12の容量を低減でき、小形の電力変換装置を提供できる。特に、直列多重インバータから交流電動機に給電し、ファン又はポンプを駆動するシステムにおいては、出力電圧の変動を軽減できることから、電圧変動に起因するトルクリプルを軽減でき、過大トルクにより機械軸や負荷として結合されている機械に損傷を与える機械軸振動を抑制できる。
【0039】
尚、図1において、直流電流を演算する際、電圧検出値Vu〜Vwを用いているが、電圧検出値の代わりに電圧指令値Vu*〜Vw*を用いてもよい。電圧指令と出力電圧は、基本波成分は一致するように制御されており、直流電流変動は、電圧、電流の基本波成分に依存するものが主成分となっているからである。
【0040】
図5は、本発明の他の実施形態による電力変換装置の全体構成ブロック図である。図1と同等物には同一符号をつけて重複説明は避ける。図1と異なる点は、電力変換器3の出力電圧指令Vu*〜Vw*の作り方である。出力電流検出値Iu〜Iw及び出力電圧検出値Vu〜Vwとを用いて、速度推定手段77で電動機4の速度周波数fを推定する。この速度周波数fを、速度制御手段78で、速度/周波数指令f*と比較し、出力電流指令Iu*〜Iw*を得る。従って、速度制御手段78は、電流指令手段を構成する。更に、この出力電流指令Iu*〜Iw*を、電流制御手段79で、出力電流検出値Iu〜Iwと比較し、出力電圧指令Vu*〜Vw*を作成するのである。すなわち、メジャーのASR(速度制御系)の内側にマイナーACR(電流制御系)を備え、出力電圧指令Vu*〜Vw*を作っている。
【0041】
このように、出力電流指令Iu*〜Iw*を作成しているので、直流入力電流演算手段75に対して、電流検出手段5からの各相毎の電流検出値Iu〜Iwに代えて、これらの出力電流指令Iu*〜Iw*を入力している。勿論、この直流電流の演算において、電流検出値を用いても良い。その他は図1に同じである。
【0042】
以上のようにして、制御手段7からPWM制御信号74を発生し、変換器3内のスイッチング素子を動作させパルス幅変調(PWM)制御インバータで電動機4を駆動する。この場合、インバータ3と電動機4間のケーブル線路の共振や反射等による跳ね上がり電圧(サージ電圧)が電動機側に発生する恐れがある。このときに、前述した直流入力電圧の変動が生じると、サージ電圧のピークがさらに上昇する恐れがある。しかし、以上の実施形態における直流電圧変動補償を行うことにより、図4(b)に示したように、本補償を適用しない図4(a)に比べて出力電圧のピーク値をミニマム化でき、直流電圧変動によるサージピークの上昇を抑制する効果もある。
【0043】
また、従来例ではインバータ出力電圧の瞬時値を用いて出力電圧指令を補正するため、出力電圧に含まれる高調波リプルの影響を受け易く、安定性に欠ける。一方、本発明の上記実施形態では、インバータの出力電圧、電流の基本波成分に基づいて直流電圧変動を推定し、出力電圧指令を補正することから、高調波リプルを十分に除去でき、その影響を受けることを防止できる。このため、出力電圧を高安定に補償でき、直流電圧変動の影響を確実に防止できる。
【0044】
尚、本実施形態においては直列多重インバータについて説明したが、単相単機インバータ、又は、n段でない1段構成のものでも本発明を適用することで同様の効果を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、直流を交流に変換する電力変換器の直流入力電圧を検出することなく、入力側の平滑コンデンサの容量を低減し、電力変換器を小型化した場合においても、出力電圧の変動を軽減し得る電力変換装置及びその制御方法を提供することができる。
【0046】
また、直列多重インバータにおいても、インバータの入力側の平滑コンデンサ容量を低減し、電力変換器を小型化した場合でも、インバータ内の直流入力電圧を検出することなく、出力電圧の変動を軽減できる電力変換装置及びその制御方法を提供することができる。
【0047】
更に、直列多重インバータから交流電動機に給電し、ファン又はポンプを駆動するシステムにおいては、出力電圧の変動を軽減できることから、電圧変動に起因するトルクリプルを抑制でき、機械軸や負荷への悪影響を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電力変換装置の全体構成ブロック図。
【図2】本発明の一実施形態による電力変換装置の電圧補正処理フローチャート図。
【図3】本発明の適用対象とする電力変換装置の平滑コンデンサ容量を低減した場合の各部電圧・電流波形図。
【図4】本発明の一実施形態による出力電圧及び電動機トルク波形図。
【図5】本発明の他の実施形態による電力変換装置の全体構成ブロック図。
【符号の説明】
1…交流電源、2…変圧器、3…電力変換器(直列多重インバータ)、3u〜3w…U〜W相インバータユニット、3u1〜3un…U相単相セルインバータ、11…順変換器、12…平滑コンデンサ、13…逆変換器、4…交流電動機、40…ポンプ又はファンシステム、5…電流検出手段、6…電圧検出手段、7…制御手段、71…電圧指令演算手段、72…電圧指令補正演算手段、73…PWM制御手段、74…PWM制御信号、75…直流電流演算手段、76…直流電圧変動量演算手段、77…速度推定手段、78…速度制御手段(電流指令手段)、79…電流制御手段(電圧指令演算手段)。
Claims (6)
- 各相毎に交流側で直列接続した複数のセルインバータを有し、直流を交流に変換する電力変換器と、この電力変換器の出力電流を検出する出力電流検出手段と、この出力電流検出手段の出力を用いて前記電力変換器に対して交流の出力電圧指令を与える電圧指令演算手段と、前記電力変換器の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、この出力電圧検出手段の検出結果を用いて前記出力電圧指令を補正する出力電圧指令補正手段を備えた電力変換装置において、前記出力電圧指令補正手段は、前記出力電圧検出手段による出力電圧検出値または出力電圧指令値と前記出力電流検出手段による出力電流検出値とから、各相毎の前記電力変換器の直流入力電流を演算する各相毎直流入力電流演算手段と、ここで演算した各相毎の直流入力電流値を用いて、前記電力変換器の各相毎の直流入力電圧の変動量を演算する直流電圧変動量演算手段と、その演算結果に基いて前記出力電圧の各相毎の変動を抑制するように、前記電圧指令演算手段の各相毎の電圧指令を補正する補正演算手段を備えたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1の電力変換装置から給電される交流電動機と、この交流電動機によって駆動されるファン又はポンプを備えたことを特徴とするファン又はポンプ駆動システム。
- 各相毎に交流側で直列接続した複数のセルインバータを有し、直流を交流に変換する電力変換器と、この電力変換器の出力電流を検出する出力電流検出手段と、この出力電流検出手段の出力を用いて前記電力変換器に対して交流の出力電圧指令を与える電圧指令演算手段と、前記電力変換器の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、この出力電圧検出手段の検出結果を用いて前記出力電圧指令を補正する出力電圧指令補正手段を備えた電力変換装置において、電流指令を出力する電流指令手段と、この電流指令と前記電流検出手段の出力の偏差に応じて、前記電力変換器に対する交流の出力電圧指令を与える電流制御手段と、前記出力電流検出手段による出力電流検出値または前記電流指令手段による電流指令と前記出力電圧検出手段による出力電圧検出値または出力電圧指令値から各相毎の直流入力電流を演算する各相毎直流入力電流演算手段と、ここで演算した各相毎の直流入力電流値を用いて、前記電力変換器の各相毎の直流入力電圧の変動量を演算する直流電圧変動量演算手段と、その演算結果に基いて前記出力電圧の各相毎の変動を抑制するように、前記電圧指令演算手段からの各相毎の前記出力電圧指令値を補正する補正演算手段を備えたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項3の電力変換装置から給電される交流電動機と、この交流電動機によって駆動されるファン又はポンプを備えたことを特徴とするファン又はポンプ駆動システム。
- 各相毎に交流側で直列に接続した複数のセルインバータを有し、直流を交流に変換する電力変換器の出力電流を検出する出力電流検出ステップと、この出力電流検出手段の出力を用いて前記電力変換器に対して交流の出力電圧指令を与える電圧指令演算ステップと、前記電力変換器の出力電圧を検出する出力電圧検出ステップと、この出力電圧検出結果を用いて前記出力電圧指令を補正するステップを備えた電力変換装置の制御方法であって、前記出力電圧検出ステップによる出力電圧検出値または出力電圧指令値と前記出力電流検出ステップによる出力電流検出値とから、各相毎の直流入力電流を演算するステップと、ここで演算した各相毎の電流値に基いて、前記電力変換器の各相毎の直流入力電圧の変動量を演算する直流入力電圧変動量演算ステップと、その演算結果に基いて前記出力電圧の各相毎の変動を抑制するように、各相毎の前記出力電圧指令を補正するステップを含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
- 請求項5において、直列に接続した複数の単相セルインバータの出力電圧を加算して負荷に印加するステップを備えたことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
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