JP3891934B2 - ポリイソシアネート組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アロファネート基を有するポリイソシアネート組成物の製造方法に関する。特に、特定のジルコニル化合物およびジルコニウムアルコラートから選ばれる少なくとも1種の化合物をアロファネート化触媒として用いて、アロファネート基を有するポリイソシアネート組成物を製造する方法、およびその方法によって得られたポリイソシアネート組成物とポリオールとからなるコーティング組成物に関する。
アロファネート基を有するポリイソシアネート組成物の製造方法については、主に2つの方法が良く知られている。すなわち、加熱によりウレタン基を有する有機化合物とイソシアネート基を有する有機化合物とを反応させる方法、およびアロファネート化触媒を用いてウレタン基を有する有機化合物とイソシアネート基を有する有機化合物とを反応させる方法であり、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5などに記載されている。
特許文献1では、上記加熱方法、またはアロファネート化触媒を用いる方法により、モノアルコールまたは多価アルコールと、ジイソシアネートとからなる混合物をアロファネート化する製造法が記載されている。ここで、アロファネート化触媒としては、ジルコニウムを含む金属のカルボキシレート、金属キレート、第3級アミンが記載されているが、本発明のジルコニル化合物またはジルコニウムアルコラートに関する記述はない。
また、この明細書に示された実施例では、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート化反応条件として、130〜135℃で24時間加熱する方法と、3級アミンあるいは亜鉛カルボン酸塩をアロファネート化触媒とし、室温〜50℃で69〜89時間反応する方法が示されている。しかし、これらの方法では、アロファネート基を有するポリイソシアネート組成物だけでなく、ウレトジオン基やイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート組成物がかなりの程度生成してしまう。また、得られたポリイソシアネート組成物はかなり着色したものになる。
更に、この明細書中では、アロファネート基の生成比率が高いポリイソシアネート組成物を製造するための条件は明らかにされておらず、本発明者らが追試したところ、亜鉛カルボン酸塩を用いた場合、アロファネート基の生成比率は45〜60%程度であった。
特許文献2では、アロファネート化触媒として、アルキル化能力を持つ化合物(および、必用に応じて、III族、IV−A族、II族、VI族、VII−B族の金属化合物)の存在下で、少なくとも1個の芳香環に結合されたイソシアネート基を含有するイソシアネート化合物をアロファネート化する方法が記載されている。この明細書中では、金属化合物の例として、ジルコニウムテトラプロピレートが挙げられており、また、実施例ではジルコニウムアセチルアセトナート(テトラキス(2,4−ペンタンジオネート)ジルコニウム(IV))が使用されている。しかし、この化合物は、アロファネート化触媒であるアルキル化能力を持つ化合物に対して補助的に加えているにすぎず、また、本発明者らは、ジルコニウムアセチルアセトナートではアロファネート化反応自体が進まないことを確認している。さらに、かかる明細書中では、芳香環に結合したイソシアネート以外のイソシアネートの使用を除くことが明記されている。このように、特許文献2は、脂肪族または脂環族ジイソシアネートを原料とし、本発明のジルコニル化合物またはジルコニウムアルコラートをアロファネート化触媒として用いて、アロファネート基を有するポリイソシアネートを製造することについて一切記載していない。
特許文献3では、比較的着色が少なく、ウレトジオン化を極力少なくする方法として、アロファネート化触媒を使用せずに、高温で短時間加熱する方法が記載されている。しかし、この明細書中の実施例では、アロファネート基の生成比率は必ずしも高くないことが記載されている。
特許文献4では、スズ化合物を有するアロファネート化触媒が記載されており、スズ化合物をアロファネート化触媒として用いることにより、アロファネート基を有するポリイソシアネート組成物が得られることが示されている。しかしながら、特許文献4は、本発明のジルコニル化合物あるいはジルコニウムアルコラートに関して記載していない。
特許文献5は、有機金属カルボン酸塩および有機亜リン酸エステルをアロファネート化触媒として用いる方法が記載されており、有機亜リン酸と、金属カルボン酸塩を用いた反応では、実質的にウレトジオン化や、イソシアヌレート化されたポリイソシアネート組成物は生成しないと記載されている。しかしながら、特許文献5は、アロファネート化触媒として、本発明のジルコニル化合物あるいはジルコニウムアルコラートを用いるという点について何ら記載しておらず、その実施例では、全て鉛化合物をアロファネート化触媒として用いた例が挙げられている。
一方、特許文献6は、イソシアヌレート化反応について記載されており、その実施例では、ジルコニウムブトキシドがイソシアヌレート化触媒として用いられている。しかし、かかる実施例において、ポリイソシアネート組成物におけるアロファネート基の生成比率を求めたところ、最大でも10%程度に過ぎなかった。
英国特許明細書第994,890号 特開昭46−1671号公報 特開昭64−66155号公報 特開平7−304728号公報 特開平8−188566号公報 特開昭61−151179号公報
本発明では、アロファネート基の生成比率が高い新規なアロファネート化触媒を見いだし、それを用いてアロファネート基を含有するポリイソシアネート組成物を製造することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため検討を重ね、特定のジルコニウム化合物を見いだし、それを用いたポリイソシアネート組成物の製造方法を確立することによって、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
[1] 脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、および脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートからなる群から選ばれる少なく とも1種のジイソシアネートから得られるイソシアネートプレポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物と、水酸基を有する 化合物とから、ウレタン化反応およびアロファネート化反応により、アロファネート基を有するポリイソシアネート組成物を製造する方法において、
式(1)で表されるジルコニル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を、アロファネート化反応の触媒として用いることを特徴とする、上記製造方法。
Figure 0003891934
(式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキルカルボキシル基、アルコキシ基、アルキル基、ハロゲン基、無機酸の水素残基である。)
] アロファネート化反応を60〜160℃で行う、前記[1]の製造方法。
] ジルコニル化合物がジルコニルカルボン酸塩である、前記[]または[]の製造方法。
] 停止剤を用いてアロファネート化反応を停止させる、前記[1]〜[]のいずれかに記載の製造方法。
] 停止剤が少なくとも1種のリン酸酸性化合物である、前記[]の製造方法。
] リン酸酸性化合物が、水を実質的に含有しない、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸およびポリリン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物である、前記[]の製造方法。
本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法によれば、アロフェネート基の生成比率が高いポリイソシアネート組成物を得ることができる。すなわち、本発明の方法によれば、1H−NMRで定量した際、アロフェネート基の生成比率を95%以上にすることができる。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法においては、イソシアネート化合物と水酸基を有する化合物とが原料となる。
まず、イソシアネート化合物としては、(a)脂肪族ジイソシアネート、(b)脂環式ジイソシアネート、および(c)脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートから得られるイソシアネートプレポリマー(以下、単に「イソシアネートプレポリマー」と略記する場合もある)からなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物が用いられる。
脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートの例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートは、工業的に入手し易いため好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートは最も好ましい。
イソシアネートプレポリマーとして、具体的には、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートをウレトジオン化、イソシアヌレート化、ビウレット化、ウレタン化したもの等が挙げられる。なお、ウレトジオン化とはウレトジオン基を生成する反応、イソシアヌレート化とはイソシアヌレート基を生成する反応、ビウレット化とはビウレット基を生成する反応のことであり、これらウレトジオン化、イソシアヌレート化、ビウレット化、ウレタン化の反応条件等については、公知の方法に従えばよい。
次に、水酸基を有する化合物としては、アルコール類とフェノール類があり、本発明においてはどちらを使用することも出来るが、アルコール類がより好ましい。アルコール類としては、以下のものを例示できる。
1個の水酸基を有するアルコール類、すなわちモノアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−ブロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノールなどの飽和脂肪族アルコール、シクロヘキサノール、シクロペンタノールなどの飽和環状脂肪族アルコール、アリルアルコール、ブテノール、ヘキセノール、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの不飽和脂肪族アルコールなどが挙げられる。
2個の水酸基を有するアルコール類、すなわちジオールとしては、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。 3個の水酸基を有するアルコール類、すなわちトリオールとしては、例えばグリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオールなどが挙げられる。
4個以上の水酸基を有するアルコール類としては、例えばエリスロース等のテトリトール、キシリトールなどのペンチトール、ソルビトール等のヘキシトールのような糖アルコールなどが挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、ベンジルフェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、エチルフェノール、オクチルフェノール、キシレノール、ナフトール、ノニルフェノール、ビスフェノールAなどが挙げられる。更に、上記のアルコール類またはフェノール類を原料としたポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラエチレングリコールなども、本発明の水酸基を有する化合物として適している。また、水酸基を有するアクリルポリオールも水酸基を有する化合物として使用することが出来る。
イソシアネート化合物と水酸基を有する化合物とを原料とする本発明のポリイソシアネート組成物の製造は、ウレタン化反応およびアロファネート反応により行われる。ここで、ウレタン化反応とは、イソシアネート基1個と水酸基1個が反応してウレタン基を生成する反応であり、アロファネート化反応とは、イソシアネート基1個とウレタン基1個から、アロファネート基が生成する反応のことである。
なお、本発明においては、アロファネート基を有するポリイソシアネート組成物を製造する際、原料であるイソシアネート化合物および水酸基を有する化合物を混合し、一旦ウレタン化反応を行った後、あるいはウレタン化反応の途中で、アロファネート化触媒を用いてアロファネート化反応を行っても良いし、また、ウレタン化反応とアロファネート化反応を同時に行っても良い。同時に行う場合の反応条件は、後述するアロファネート化反応の条件に準じて適宜設定することができる。ウレタン化反応を行った後に、アロファネート化反応を行う方が、反応制御の点でより好ましい。
イソシアネート化合物が有するイソシアネート基と、水酸基を有する化合物が有する水酸基のモル比は、一般的には2.1:1〜100:1、好ましくは3:1〜60:1、より好ましくは5:1〜40:1である。イソシアネート基と水酸基のモル比を上記範囲内とした場合には、生産効率が良好であり、かつ原料のイソシアネート化合物や水酸基を有する化合物、およびイソシアネート化合物と水酸基を有する化合物との反応生成物であるウレタン基を有する有機化合物が残存することなく、さらにゲル化などを起こすことなく反応させることができる。
ウレタン化反応の温度は、0〜200℃とすることが適当であり、好ましくは20〜170℃、より好ましくは40〜150℃である。反応時間は、通常10分〜24時間、好ましくは20分〜15時間、より好ましくは30分〜10時間である。このような反応温度、反応時間の場合には、副反応を少なくできると同時に、得られるポリイソシアネート組成物の着色を抑えることができ、生産効率が良好となる。
ウレタン化反応は、無触媒で、あるいはスズ化合物、亜鉛化合物、ビスマス化合物、アミン化合物、ジルコニウム化合物等の公知のウレタン化触媒を用いて行うことが出来る。本発明で用いられる式(1)で表されるジルコニル化合物、または式(2)で表されるジルコニウムアルコラートも、ウレタン化触媒として用いることができる。
本発明では、アロファネート化反応の触媒(アロファネート化触媒)として、式(1)で表されるジルコニル化合物、および式(2)で表されるジルコニウムアルコラートからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を使用する。アロファネート基の生成比率がより高いポリイソシアネート組成物を得るためには、ジルコニル化合物を用いることが好ましい。
ジルコニル化合物とは、下記式(1)の構造を有する化合物である。
Figure 0003891934
(式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキルカルボキシル基、アルコキシ基、アルキル基、ハロゲン基、無機酸の水素残基である。)
ここで、アルキルカルボニウムオキシ基とは、有機カルボン酸の水素を除いた残基を意味する。つまり、上記式(1)のR1およびR2がともにアルキルカルボキシル基の場合、ジルコニウム化合物はジルコニルカルボン酸塩である。有機カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和カルボン酸、水酸基含有カルボン酸、ハロゲン化アルキルカルボン酸等の他、ジカルボン酸、トリカルボン酸等の多塩基酸カルボン酸も含む。
ジルコニル化合物として、具体的には、ハロゲン化ジルコニル、ジルコニルカルボン酸塩、ジアルキルジルコニル、ジルコニルジアルコラート、炭酸ジルコニル、ジルコニル硫酸鉛、ジルコニル硝酸塩などが挙げられる。なかでもジルコニルカルボン酸塩が好ましい。
ジルコニルカルボン酸塩としては、例えば、蟻酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、プロピオン酸ジルコニル、ブタン酸ジルコニル、ペンタン酸ジルコニル、ヘキサン酸ジルコニル、カプロン酸ジルコニル、オクタン酸ジルコニル、2−エチルヘキサン酸ジルコニル、デカン酸ジルコニル、ドデカン酸ジルコニル、テトラデカン酸ジルコニル、ペンタデカン酸ジルコニルなどの飽和脂肪族カルボン酸塩、シクロヘキサンカルボン酸ジルコニル、シクロペンタンカルボン酸ジルコニルなどの飽和環状カルボン酸、ナフテン酸ジルコニルなどの上記カルボン酸塩の混合物、オレイン酸ジルコニル、リノール酸ジルコニル、リノレイン酸ジルコニルなどの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸ジルコニル、トルイル酸ジルコニル、ジフェニル酢酸ジルコニルなどの芳香族カルボン酸塩などが挙げられる。中でも、ナフテン酸ジルコニル、2−エチルヘキサン酸ジルコニル、酢酸ジルコニルは、工業的に入手し易いため特に好ましい。
ジルコニウムアルコラートとは、下記式(2)の構造を有する化合物である。
Figure 0003891934
(式(2)中、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケン基、アルキン基である。)
ジルコニウムアルコラートの原料アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−ブロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノールなどの飽和脂肪族アルコール、シクロヘキサノールなどの飽和環状脂肪族アルコール、エタナール、プロパナール、ブタナール、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの不飽和脂肪族アルコール等が挙げられる。また、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオールや、グリセリンなどのトリオール等、多価アルコールを用いることもできる。ジルコニウムアルコラートの中で、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウムは、工業的に入手し易いために好ましい。
アロファネート化触媒は、イソシアネート化合物およびウレタン基を有する有機化合物の合計に対して、0.0001〜1質量%、好ましくは0.0005〜0.2質量%、より好ましくは0.001〜0.1質量%添加する。
上述の通り、本発明においては、アロファネート化触媒の添加時期および添加方法に関し、特に制限はない。例えば、ウレタン基を含有する有機化合物の生成前、すなわちイソシアネート化合物と水酸基を有する化合物とのウレタン化反応に先立って、アロファネート化触媒を添加しても良いし、イソシアネート化合物と水酸基を含有する化合物とのウレタン化反応中に添加しても良い。また、ウレタン基を含有する有機化合物の生成後に添加しても良い。添加方法としては、所要量のアロファネート化触媒を一括して添加しても良いし、何回かに分割して添加しても良い。または、一定の添加速度で連続的に添加する方法も採用できる。 アロファネート化触媒は、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル化合物や、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン化合物、ヘキサン、ペンタン、ミネラルスピリットなどの炭化水素化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、エタノール、プロパノール、ブタノール、1,3−ブタンジオールなどのアルコール化合物等の有機溶剤で希釈して使用することができる。
アロファネート化反応は、好ましくは60〜160℃、より好ましくは70〜160℃、さらに好ましくは80〜160℃で行われる。かかる反応温度にてアロファネート化反応を行った場合には、副反応が少なくなり、また得られるポリイソシアネート組成物の着色が抑えられる。
アロファネート化反応は、通常5分〜24時間、好ましくは10分〜10時間、より好ましくは20分〜4時間行われる。かかる反応時間とした場合に、反応の制御が容易となり、また生産効率よくポリイソシアネート組成物を製造することが可能となる。
なお、アロファネート化反応の進行は、反応液の屈折率を測定することや、反応液のイソシアネート基含有量を測定することによって測定することができる。 本発明で用いるアロファネート化触媒は、反応が比較的穏やかであるという特徴を有している。また、式(1)で表されるジルコニル化合物をアロファネート化触媒として用いた場合は、アロファネート化反応がほぼ終了した後、すなわちウレタン基からアロファネート基への変換がほとんど終了した後、イソシアヌレート化反応などの副反応が起こり難いという利点がある。これに対して、鉛化合物などをアロファネート化触媒として用いると、ウレタン基を有する有機化合物がほとんど反応した後、急激なイソシアヌレート化反応が起こり、反応の制御が困難になる場合がある。
本発明のアロファネート基を有するポリイソシアネート組成物の製造においては、アロファネート化反応以外の副反応は出来るだけ少ない方がよい。副反応としては、イソシアヌレート化反応が起こりやすく、この副生成物であるイソシアヌレート基の混在により、得られるポリイソシアネート組成物の物性は影響を受ける。したがって、目的とするアロファネート基の生成比率の高いポリイソシアネート組成物を得るためには、副反応として併発するイソシアヌレート化反応をいかに低減できるかが重要な点となる。
本発明の製造方法において、アロファネート化反応における好適なアロファネート基の生成比率を、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比をもって表すと、アロファネート基の生成モル/イソシアヌレート基の生成モル=80/20以上(アロファネート基の生成比率が80%以上)であることが好ましく、90/10以上(アロファネート基の生成比率が90%以上)であればより好ましい。
アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、1H−NMRを用いて測定することができる。イソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートおよびそれから得られるイソシアネートプレポリマーを用いたポリイソシアネート組成物を、1H−NMRで測定する方法の一例を以下に示す。本明細書中において示されるアロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比も、以下の条件で測定したものである。
1H−NMRの測定方法例: ポリイソシアネート組成物を重水素クロロホルムに10質量%濃度となるように溶解させる(ポリイソシアネート組成物に対して0.03質量%テトラメチルシランを添加)。化学シフト基準は、テトラメチルシランの水素のシグナルを0ppmとする。1H−NMRにて測定し、8.5ppm付近のアロファネート基の窒素に結合した水素原子のシグナル(アロファネート基1モルに対して、1モルの水素原子)と、3.85ppm付近のイソシアヌレート基に隣接したメチレン基の水素原子(イソシアヌレート基1モルに対して、6モルの水素原子)のシグナルの面積比を測定する。
アロファネート基の生成モル/イソシアヌレート基の生成モル
=(8.5ppm付近のシグナル面積)/[(3.85ppm付近のシグナル面積)/6]
ウレタン化反応やアロファネート化反応は、無溶媒中で行うことができるが、必用に応じて酢酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレンなどのイソシアネート基との反応基を有していない有機溶剤を溶媒として使用することが出来る。
なお、アロファネート化反応を行う場合は、助触媒としてtert−ブタノールなどの三級アルコールや、フェノール、あるいはジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンなどのフェノール性水酸基を有する化合物を加えても良い。
本発明においては、アロファネート化反応を、停止剤を添加することによって停止させることが好ましい。アロファネート化反応はウレタン基を含有する有機化合物がなくなると終了するが、停止剤を加えると、製造条件が安定となり、また製品の安定性を向上させることもできる。
停止剤としては、リン酸酸性化合物、硫酸、硝酸、クロロ酢酸、塩化ベンゾイル、スルホン酸エステル剤などの酸性化合物、あるいはイオン交換樹脂、キレート剤、キレート樹脂などを使用することができる。これらの中でも、リン酸酸性化合物は、ステンレスなどの反応機の基材を腐食する可能性が少なく、また停止剤残渣を容易に取り除くことができるため好ましい。
ここで、リン酸酸性化合物としては、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸、あるいはこれらのアルキルエステルなどが挙げられ、本発明ではこれらリン酸酸性化合物の少なくとも1種を停止剤に用いることが好ましい。
また、水を含有しない停止剤を用いた場合には、停止剤と触媒との反応生成物が析出しやすくなるため、ポリイソシアネート組成物中に停止剤と触媒との反応生成物が残留しにくくなるという効果がある。更に、水を含有しない停止剤を用いると、水とイソシアネートの反応生成物がポリイソシアネート中に混入しないために、ポリイソシアネートの粘度上昇がなく、また有機溶剤に対する希釈性を低下させないという効果もある。なお、本発明でいう実質的に水を含有しないとは、上記の効果が発現される程度であれば水を含んでも良いということであり、その目安を言えば、停止剤に対して5.0質量%未満、好ましくは2.0質量%未満、更に好ましくは0.50質量%未満である。
したがって、本発明においては、停止剤として用いられる上記リン酸酸性化合物が、水を実質的に含有しない、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、及びポリリン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが、特に好ましい。
なお、水を含有しないリン酸、メタリン酸は結晶であり、ピロリン酸、ポリリン酸は粘調な液体であって、そのままでは使いにくいため、通常は溶剤に溶解して使用される。実質的に水を含有しないリン酸、ピロリン酸、メタリン酸を溶かす溶剤の例としては、ケトン類、エーテル類、エステル類等が挙げられるが、特に好ましい例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノールなどのアルコール類である。
停止剤の添加量は、アロファネート化触媒に対して、好ましくは0.20〜100倍のモル量、より好ましくは0.5〜50倍のモル量、さらに好ましくは1.0〜20倍のモル量である。
アロファネート化反応を停止した後、必用に応じて未反応の脂肪族ジイソシアネートあるいは脂環式ジイソシアネートを、例えば、流下式薄膜蒸留法や溶媒抽出法などによって留去して使用することもできる。
本発明における反応は、1つの反応器で、ウレタン化反応工程、アロファネート化反応工程、必要に応じて停止反応工程の全てを行うことができる。また、2つの反応器を連結し、ウレタン化反応工程とアロファネート化反応および必要に応じて停止反応からなる工程とに分けて、またはウレタン化反応およびアロファネート化反応からなる工程と停止反応工程とに分けて実施してもよい。あるいは、複数の反応器を並べて配置することにより連続的に実施することもできる。
本発明は、また、ジルコニウムを0.001〜200ppm含んでいるアロファネート基を有するポリイソシアネート組成物に関する。ポリイソシアネート組成物中におけるジルコニウムの含有量は、0.001〜100ppmであることが好ましく、より好ましくは0.001〜20ppmである。これは、ポリイソシアネート組成物中に残存するジルコニウムが200ppmを超えると、組成物の保存安定性に悪影響を及ぼすが、200ppm以下であれば、たとえ組成物中に残存しても保存安定性を良好に保つことができるためである。
このようなジルコニウム残存量の少ないポリイソシアネート組成物は、例えば、上述した式(1)のジルコニル化合物を含む触媒を使用して得ることができ、特に、ジルコニウム量を200ppm以下にするためには、前述の水を実質的に含有しない、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、及びポリリン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を停止剤として、使用するのが好ましい。なかでも、実質的に水を含有しないリン酸またはピロリン酸を、メタノールやイソブタノール、オクタノールなどのアルコール類で希釈したものが取り扱い易く好ましい。
一方、ポリイソシアネート組成物中にジルコニウムが10ppm以上含まれていると、ウレタン化触媒として作用するので、ポリウレタン塗料の反応速度を早める効果もある。ジルコニウムを、0.001ppm以下にするためには、製造にコストがかかりすぎ、実用的ではない。
本発明は、更にまた、上記の方法で製造したアロファネート基を有するポリイソシアネート組成物、特にジルコニウムが200ppm以下のアロファネート基を有するポリイソシアネート組成物と、ポリオールからなるコーティング組成物に関する。すなわち、かかるコーティング組成物は、ポリオールからなる主剤に硬化剤としてポリイソシアネート組成物が配合された二液ポリウレタン塗料組成物である。
本発明で用いるポリオールとは、二液ポリウレタン塗料分野において主剤として使用される1分子中に2つ以上の水酸基を有するポリオールである。例えば脂肪族炭化水素ポリオール類、フッ素系ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エポキシ樹脂類、アクリルポリオール類、およびアルキドポリオール類等の中の1種類またはその混合物などが挙げられる。特にフッ素系ポリオール類やアクリルポリオール類は耐候性が優れているため、より好ましい。これらのポリオールは、溶液重合や縮合反応など公知の技術で製造される。
本発明で用いられるポリオールは、塗膜の強靱さや、平滑さを考慮すると、好ましくは1〜300mgKOH/g、より好ましくは10〜150mgKOH/g、さらに好ましくは20〜100mgKOH/gの水酸価を有する。
本発明で用いられるポリオールとポリイソシアネート組成物における、イソシアネート基と水酸基との当量比は、0.3〜5.0、好ましくは0.4〜3.0、より好ましくは0.5〜2.0である。イソシアネート基と水酸基との当量比が上記範囲内にある場合、強靱な塗膜を作ることができる。
本発明のポリイソシアネート組成物およびコーティング組成物は、有機溶剤と混合して使用することもできる。この場合、有機溶剤は、水酸基およびイソシアネート基と反応する官能基を有していないことが必要である。また、有機溶剤は、ポリイソシアネート組成物およびポリオールと相溶することが必要である。このような有機溶剤として、一般に塗料溶剤として用いられているエステル化合物や、エーテル化合物、ケトン化合物、芳香族化合物、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル系の化合物、ポリエチレングリコールジカルボキシレート系の化合物などを用いても良い。
なお、ポリイソシアネート組成物には、目的および用途に応じて、硬化促進などの触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤、表面処理剤等の当該技術分野で使用されている各種添加剤を混合して使用することもできる。
本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法を用いると、アロファネート基の生成比率が高いポリイソシアネート組成物を得ることができる。従って、アロファネート基を有する化合物が本来持っている特徴を充分発揮できるポリイソシアネート組成物を得ることが可能となる。
また、本発明においては、水酸基を有する化合物等を選択することによって、低粘度のポリイソシアネート組成物、あるいは高い官能基数を有し、架橋能力が高いポリイソシアネート組成物、あるいは低極性有機溶剤に溶解し易いポリイソシアネート組成物などを得ることができる。なお、上述のように、イソシアヌレート反応等に由来する副生成物の混在量が多くなると、生成物の物性に対する影響が大きくなるため、分子設計通りの物性を有するポリイソシアネート組成物を製造し難くなる。例えば、低粘度なポリイソシアネート組成物を分子設計した場合には、高分子量化が引き起こされ、予想された粘度よりも高い粘度のポリイソシアネート組成物が得られてしまう。したがって、アロファネート基の生成比率が高い条件ほど(副反応物の比率が低いほど)、好ましいこととなる。
また、本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法を用いて製造したポリイソシアネート組成物は、得られる組成物の着色の程度が低いという特徴も有している。
更に、これらのアロファネート基を有するポリイソシアネート組成物とポリオールからなるコーティング組成物は、二液型ポリウレタン塗料、特に、ハイソリッド型や低極性有機溶剤可溶型の塗料、シーリング剤、接着剤、インキ、コーティング剤、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤等幅広い分野に応用することが出来る。
以下、本発明によるアロファネート基を有するポリイソシアネート組成物の製造方法及びコーティング組成物について、実施例に基づき説明する。
原料の一種であるイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名「デュラネート50M」、旭化成(株)製)を用いた。
反応液におけるアロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、1H−NMR(Bruker社製FT−NMR DPX−400)を用いて、8.5ppm付近のアロファネート基の窒素原子に結合した水素のシグナルと、3.85ppm付近のイソシアヌレート基の窒素原子に隣接したメチレン基に結合した水素のシグナルの面積比から求めた。具体的な測定条件は以下のとおりである。測定温度:室温、試料濃度:10質量%、溶媒:重水素クロロホルム、積算回数:128回、待ち時間:3.0秒、化学シフト基準:テトラメチルシランの水素を0ppm。
得られた組成物におけるジルコニウム量は、誘導結合プラズマ発光分析(分析機器:IRIS/AP、サーモジャーレルアッシュ社製)で測定した。
反応液およびポリイソシアネート組成物の色は、JIS K 0071−1(1998)に記載の方法により調製した標準比色液に基づき測定した。具体的には、以下の方法で測定した。
ヘキサクロロ白金(IV)酸カリウム1.245gと塩化コバルト(II)六水和物1.000gを量り採り、濃塩酸100mlを加え溶解した。これを1000mlまで希釈し、標準比色原液を得た(これはハーゼン色数500に相当する)。これを、2ml、4ml、6ml、8ml、10ml、12ml、14ml、16ml、18ml、20ml取り、それぞれ100mlに薄めて、ハーゼン色数10、20、30、40、50、60、70、80、90、100のハーゼン標準比色液を得た。これを用いて、反応液の色度を目視で確認し、反応液あるいはポリイソシアネート組成物に最も近似した標準比色液の番号をもってハーゼン色数の値とした。
粘度は、E型粘度計(株式会社トキメック社)を用いて25℃で測定した。測定時における標準ローター(1°34’×R24)の回転数は、以下の通りである。
100r.p.m. (粘度:128mPa.s未満の場合)
50r.p.m. (粘度:128mPa.s〜256mPa.sの場合)
20r.p.m. (粘度:256mPa.s〜640mPa.sの場合)
10r.p.m, (粘度:640mPa.s〜1280mPa.sの場合)
5r.p.m. (粘度:1280mPa.s〜2560mPa.sの場合)
ポリイソシアネート組成物におけるNCO含有率は、イソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。
[実施例1]
攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた四ッ口フラスコにヘキサメチレンジイソシアネート300.0gとイソブタノール20.4gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。温度を130℃に上げた後、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ニッカオクチックスジルコニウム12%」をミネラルスピリットで希釈)を0.26g加え、アロファネート化反応を行った。60分後、反応液の屈折率上昇が0.008となった時点でピロリン酸の固形分50%イソブタノール溶液(片山化学工業株式会社製の試薬をイソブタノールで希釈)(水分量0.10%)を0.046g(アロファネート化触媒に対して2.0倍モル)加え、反応を停止した。白濁した反応液を1μmのフィルターで濾過したところ、反応液は透明になった。
得られた反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=97.1/2.9であった。反応液の色度は、ハーゼン色数 10であった。
流下式薄膜蒸留装置を用いて、1回目160℃(0.2Torr)、2回目150℃(0.1Torr)の条件で朱反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去した。
103.0gのポリイソシアネート組成物が得られた。ポリイソシアネート組成物は、ハーゼン色数 10の淡黄色透明の液体であり、粘度120mPa.s(25℃)、NCO含有率19.0%であった。ポリイソシアネート組成物中に残存するジルコニウム量を測定したところ、0.1ppm以下であった。
得られたポリイソシアネート組成物を50℃で1ヶ月保存したところ、NCO含有率は0.1%しか低下せず、粘度は10mPa.sしか上昇しなかった。
[実施例2]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート561.9gとイソブタノール38.1gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。温度を120℃に上げた後、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.28g加えた。60分後、反応液の屈折率上昇が0.008となった時点でリン酸の固形分85%水溶液(キシダ化学株式会社製の試薬)0.097g(アロファネート化触媒に対して6倍モル)を加え反応を停止した。白濁した反応液を1μmのフィルターで濾過した所、反応液は淡黄色透明溶液となった。
反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=97.3/2.7であった。
流下式薄膜蒸留装置を用いて、実施例1と同様の条件で、未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去した。
得られたポリイソシアネート組成物は淡黄色透明の液体であり、収量202.8g、粘度130mPa.s、NCO含有率18.8%であった。
[実施例3]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート500gと2−エチルヘキサノール26.0gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。次いで、温度90℃にて、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を1.0g加えた。60分後、反応液の屈折率上昇が0.0035となった時点でリン酸2−エチルヘキシルエステル(大八化学株式会社製、商品名「DP−8R」)0.66g(アロファネート化触媒に対して4倍モル)を加え反応を停止した。
反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=96.5/3.5であった。
流下式薄膜蒸留装置を用いて、実施例1と同様の条件で、未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去した。
得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、収量84.2g、粘度110mPa.s、NCO含有率17.6%であった。
[実施例4]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート600.0gとジエチレングリコール25.5gを仕込み、攪拌下130℃で70分間ウレタン化反応を行った。次いで、温度130℃にて、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.27g加えた。60分後、反応液の屈折率上昇が0.0065となった時点でリン酸の固形分85%水溶液0.096g(アロファネート化触媒に対して6倍モル)を加え反応を停止した。白濁した反応液を1μmのフィルターで濾過した所、反応液は淡黄色透明溶液になった。
反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=97.8/2.2であった。
流下式薄膜蒸留装置を用いて、実施例1と同様の条件で、未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去した。
得られたポリイソシアネート組成物は淡黄色透明の液体であり、収量181.0g、粘度1450mPa.s、NCO含有率19.8%であった。ポリイソシアネート組成物中に残存するジルコニウム量は、64ppmであった。
ポリイソシアネート組成物を50℃で1ヶ月保存したところ、NCO含有率は0.3%しか低下せず、粘度は200mPa.sしか上昇しなかった。
[実施例5]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100gとイソブタノール10.0gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。次いで、90℃にて、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.25g加えた。60分後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸の固形分85%水溶液0.088g(アロファネート化触媒に対して6倍モル)を加え反応を停止した。白濁した反応液を、1μmのフィルターで濾過した所、反応液は淡黄色透明溶液になった。反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=95.5/4.5であった。精製は行わなかった。
[実施例6]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100.0gとイソブタノール10.0gを仕込み、攪拌下85℃で60分間ウレタン化反応を行った。次いで、85℃にて、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.65g加えた。150分後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸の固形分85%水溶液0.228g(アロファネート化触媒に対して5.9倍モル)を加え反応を停止した。白濁した反応液を1μmのフィルターで濾過した所、反応液は淡黄色透明溶液になった。反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=96.1/3.9であった。反応液の色度は、ハーゼン色数 10であった。
精製は行わなかった。
[実施例7]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100.0gとイソブタノール10.0gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。温度を140℃に上げた後、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの20%ミネラルスピリット溶液を0.033g加えた。60分後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸の固形分85%水溶液0.011g(アロファネート化触媒に対して6倍モル)を加え反応を停止した。白濁した反応液を、1μmのフィルターで濾過した所、反応液は淡黄色透明溶液になった。反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=98.2/1.8であった。精製は行わなかった。
比較例5
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100.0gとイソブタノール10.0gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。次いで、90℃にて、アロファネート化触媒としてテトラ−n−プロポキシドジルコニウムの固形分20%1−ブタノール溶液(シグマアルドリッチジャパン(株)社製の試薬を1−ブタノールで希釈)を0.15g加えた。60分後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸の固形分85%水溶液0.14g(アロファネート化触媒に対して4倍モル)を加え反応を停止した。反応液は白濁したが、1μmのフィルターで濾過した所、淡黄色透明溶液になった。反応液の色度は、ハーゼン色数 10であった。
反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=87.1/12.9であった。
精製は行わなかった。
[実施例9]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100.0gとイソブタノール10.0gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。次いで、アロファネート化触媒としてナフテン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ナフテックスジルコニウム4%」をミネラルスピリットで希釈)を0.65g加えた。80分後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸の固形分85%水溶液0.15g(アロファネート化触媒に対して4倍モル)を加え反応を停止した。反応液は白濁したが、1μmのフィルターで濾過した所、淡黄色透明溶液になった。
反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=95.7/4.3であった。反応液の色度は、ハーゼン色数 10であった。
精製は行わなかった。
[実施例10]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート600.0gとエチレングリコール14.8gを仕込み、攪拌下130℃で60分間ウレタン化反応を行った。次いで、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.68g加えた。60分後、反応液の屈折率上昇が0.0065となった時点でピロリン酸の固形分50%イソブタノール溶液0.12g(アロファネート化触媒に対して2.2倍モル)を加え反応を停止した。反応液は白濁したが、1μmのフィルターで濾過した所、淡黄色透明溶液になった。
反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=96.9/3.1であった。
流下式薄膜蒸留装置を用いて、実施例1と同様の条件で、未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去した。
得られたポリイソシアネート組成物は淡黄色透明の液体であり、収量166.0g、粘度1800mPa.s、NCO含有率21.0%であった。ポリイソシアネート組成物中に残存するジルコニウム量は、5ppmであった。
ポリイソシアネート組成物を50℃で1ヶ月保存したところ、NCO含有率は0.2%しか低下せず、粘度は100mPa.sしか上昇しなかった。
[比較例1]
(特許文献1の例5で用いられた触媒を用いた比較実験)
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100gとイソブタノール10gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。次いで、90℃にて、アロファネート化触媒としてナフテン酸酸亜鉛の固形分20%ミネラルスピリット溶液を1.52g加えた。2時間30分反応したが、反応液の屈折率は、0.0028しか上昇しなかった。この時点でリン酸の固形分85%水溶液0.32g(アロファネート化触媒に対して4.2倍モル)を加え反応を停止した。
反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=44.5/55.5であった。反応液の色度は、ハーゼン色数 10であった。精製は、行わなかった。
[比較例2]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100.0gとイソブタノール10.0gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。次いで、90℃にて、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸鉛の固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ニッカオクチックス鉛20%」をミネラルスピリットで希釈)を0.40g加えた。1時間後、反応液の屈折率上昇が0.01を超えた時点から急激な発熱が起こり、反応制御が困難になったため、リン酸2−エチルヘキシルエステル0.42g(アロファネート化触媒に対して4倍モル)を加え反応を停止した。屈折率の上昇は、0.0122まで進行した。
屈折率の上昇が0.01の時点での反応液の1H−NMRを測定した所、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=97.0/3.0であった。屈折率の上昇が、0.0122の反応液の1H−NMRを測定した所、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=91.0/9.0であった。この結果より、屈折率が0.01を超えた時点から、イソシアヌレート化反応が急激に起こっていることがわかった。
反応液の色度は、ハーゼン色数 10であった。
[比較例3]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100gとイソブタノール10gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。90℃で、ジルコニウムアセチルアセトナートの固形分20%エタノール溶液(キシダ化学(株)をエタノールで固形分20%に溶解)を0.75g加えた。3時間反応したが、反応はほとんど進行しなかった(屈折率の上昇は、0.001であった)。この時点でリン酸の固形分85%水溶液0.23g(アロファネート化触媒に対して4倍モル)を加え反応を停止した。反応液は白濁したが、1μmのフィルターで濾過した所、淡黄色透明となった。
反応液の1H−NMR測定の結果、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=7.3/92.7であった。反応液の色度は、ハーゼン色数 30であった。精製は、行わなかった。
[比較例4]
実施例1と同様の装置に、ヘキサメチレンジイソシアネート100gとイソブタノール10gを仕込み、攪拌下90℃で60分間ウレタン化反応を行った。90℃で、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸亜鉛の固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ニッカオクチックス亜鉛18%」)を1.96g加えた。3時間反応した結果、反応液の屈折率は、0.004上昇した。この時点でリン酸2−エチルヘキシルエステル1.33g(アロファネート化触媒に対して4倍モル)を加え反応を停止した。
反応液の1H−NMRを測定した所、アロファネート基とイソシアヌレート基との生成モル比は、アロファネート基/イソシアヌレート基=59.9/40.1であった。反応液の色度は、ハーゼン色数 80であった。精製は、行わなかった。
本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法によれば、アロフェネート基の生成比率が高いポリイソシアネート組成物を得ることができる。すなわち、本発明の方法によれば、1H−NMRで定量した際、アロフェネート基の生成比率を95%以上にすることができる。したがって、本発明の方法により得られたポリイソシアネート組成物は、アロファネート基を有する化合物が本来持っている特徴を十分発現することができる。
また、本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法を用いて製造したポリイソシアネート組成物は、着色の程度が低いという利点も有している。
さらに、本発明のポリイソシアネート組成物は、ジルコニウム含量を200ppm以下とすることで、貯蔵安定性を著しく改善することもできる。
更にまた、これらのアロファネート基を有するポリイソシアネート組成物とポリオールからなるコーティング組成物は、二液型ポリウレタン塗料、特に、ハイソリッド型や低極性有機溶剤可溶型の塗料、シーリング剤、接着剤、インキ、コーティング剤、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤等幅広い分野に応用可能である。

Claims (6)

  1. 脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、および脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートから得られるイソシアネートプレポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物と、水酸基を有する化合物とから、ウレタン化反応およびアロファネート化反応により、アロファネート基を有するポリイソシアネート組成物を製造する方法において、
    式(1)で表されるジルコニル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を、アロファネート化反応の触媒として用いることを特徴とする、上記製造方法。
    Figure 0003891934
    (式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキルカルボキシル基、アルコキシ基、アルキル基、ハロゲン基、無機酸の水素残基である。)
  2. アロファネート化反応を60〜160℃で行う、請求項記載の製造方法。
  3. ジルコニル化合物がジルコニルカルボン酸塩である、請求項または記載の製造方法。
  4. 停止剤を用いてアロファネート化反応を停止させる、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 停止剤が少なくとも1種のリン酸酸性化合物である、請求項記載の製造方法。
  6. リン酸酸性化合物が、水を実質的に含有しない、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸およびポリリン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項記載の製造方法。
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