JP5388405B2 - ポリイソシアネート組成物、及び二液型ポリウレタン組成物 - Google Patents
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Description
(1)(A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート、及び(B)炭素数が1〜20のモノアルコール、及び(C)数平均分子量が500〜20000であり、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールからなる弾性成分ポリオールから得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が87/13〜74/26であるポリイソシアネート化合物からなるポリイソシアネート組成物。
(2)(I)(A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート、及び(B)炭素数が1〜20のモノアルコール、及び(C)数平均分子量が500〜20000であり、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールからなる弾性成分ポリオールから得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が87/13〜74/26であるポリイソシアネート化合物、及び
(II)アニリン点10℃〜70℃の低極性有機溶剤、
からなるポリイソシアネート組成物。
(3)(イ)水酸基価が5〜200mgKOH/gであるポリオールを含有する主剤と、
(ロ)(A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート、及び(B)炭素数が1〜20のモノアルコール、及び(C)数平均分子量が500〜20000であり、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールからなる弾性成分ポリオールから得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が87/13〜74/26であるポリイソシアネート化合物からなるポリイソシアネート組成物を含有する硬化剤、
を含有する二液型ポリウレタン組成物。
(4)(イ)主剤、(ロ)硬化剤のうち少なくとも1つが、アニリン点10℃〜70℃の低極性有機溶剤を含有する(3)記載の二液型ポリウレタン組成物。
更に、本発明のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート基を含有しているため、塗膜Tgが高く、官能基数が増えることとなり、二液型ポリウレタン組成物の硬化剤として用いた場合、初期乾燥性や塗膜硬度に優れる塗膜を形成することが可能となる。
従って、本発明のポリイソシアネート組成物を含有する硬化剤と、ポリオールを含有する主剤から得られる二液型ポリウレタン組成物から得られた塗膜は、緻密な架橋構造を作ることができるので、伸展性を有しているだけでなく、良好な外観、優れた初期乾燥性、優れた耐候性、優れた硬度、優れた耐擦り傷性を有しているという特徴がある。
更に、本発明のポリイソシアネート組成物は、低粘度という特徴も有しているため、本発明の二液型ポリウレタン組成物が含有する有機溶剤量を減らすことが可能となる。
まず、ポリイソシアネート化合物からなるポリイソシアネート組成物について説明する。
本発明のポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネート化合物を含有している。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物は、(A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート、及び(B)炭素数が1〜20のモノアルコール、及び(C)数平均分子量が500〜20000であり、a)オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシシクロヘキシル基から選ばれる少なくとも1種類のオキシアルキレン基を有するポリエーテルポリオール、b)側鎖を有するポリエステルポリオール、c)ポリオレフィン系ポリオールから選ばれる少なくとも1種類の弾性成分ポリオールを原料として得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が90/10〜70/30である。
脂肪族ジイソシアネートとは分子中に飽和脂肪族基を有する化合物である。一方、脂環式ジイソシアネートとは、分子中に環状脂肪族基を有する化合物である。脂肪族ジイソシアネートを用いると、得られるポリイソシアネート化合物が低粘度となるのでより好ましい。脂肪族ジイソシアネートとして、例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン(以下、HDI)、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジンジイソシアネート)等が挙げられる。脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添キシリレンジイソシアネート)、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン等が挙げられる。この中でもHDI、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートは、工業的に入手し易いため好ましい。中でもHDIは耐候性と塗膜の柔軟性が非常に優れており最も好ましい。以下、脂肪族ジイソシアネートと脂環式ジイソシアネートを総称してジイソシアネートという。
弾性成分ポリオールの数平均分子量は500〜20000である。数平均分子量の下限は、好ましくは800、より好ましくは1000、一層好ましくは1500である。上限は、好ましくは15000、より一層好ましくは10000、最も好ましくは8000である。数平均分子量が500〜20000の範囲であれば、二液型ポリウレタン組成物から得られる塗膜の伸展性が十分であり、かつ塗膜の硬化性も十分となる。
a)オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシシクロヘキキル基から選ばれる少なくとも1種類のオキシアルキレン基を有するポリエーテルポリオールとは、分子鎖の中に、オキシプロピレン基及び/またはオキシテトラメチレン基、オキシシクロヘキシル基を有するポリエーテルポリオールである。この場合、オキシアルキレン繰り返し単位に、その他のオキシアルキレン基、具体的にはオキシエチレン基、あるいはオキシスチレン基などを含有していても良いが、側鎖を有するオキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシシクロヘキシル基が好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、最も好ましくは80モル%以上であると、低極性有機溶剤への溶解性が更に向上する。また、オキシアルキレン基の中では、オキシプロピレン基は低極性有機溶剤への溶解性が特に優れており、オキシテトラメチレン基、オキシシクロヘキシル基は耐候性が優れている。
本発明で用いる弾性成分ポリオールは、好ましくはアニリン点10〜70℃の低極性有機溶剤に溶解するものを用いる。アニリン点の下限は好ましくは15℃である。上限は、好ましくは65℃、より好ましくは60℃である。アニリン点が10℃以上であれば、得られるポリイソシアネート化合物の低極性有機溶剤への溶解性が向上し、70℃以下であればポリイソシアネート化合物の低温時の安定性が向上する。本発明において、溶解するとは、弾性成分ポリオール 100質量部と低極性有機溶剤100質量部を混合し、23℃の条件で1日後に分離や濁りがないことを言う。なお、低極性有機溶剤については、後で詳細に記載する。
なお、アロファネート基とイソシアヌレート基のモル比は、1H−NMRにより求めることができる。HDIおよびそれから得られるイソシアネートプレポリマーを原料として用いたポリイソシアネート組成物を1H−NMRで測定する方法の一例を以下に示す。
アロファネート基/イソシアヌレート基=(8.5ppm付近のシグナル面積)/(3.85ppm付近のシグナル面積/6)
ウレタン体は、基材との密着性を向上させるが、多すぎると低極性有機溶剤への溶解性が低下する場合がある。本発明で用いるポリイソシアネート化合物に、ウレタン体が含まれる量の範囲としては、アロファネート基とイソシアヌレート基のモル数の合計に対するウレタン基のモル%で表され、好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.2〜5モル%、更に一層好ましくは0.5〜3モル%が適当である。ウレタン基のモル%は、1H−NMRを用いて求めることができる。前記の方法で、アロファネート基とイソシアヌレート基の合計のモル数を測定し、更に、4〜5ppm付近のウレタン基の窒素に結合した水素原子(ウレタン基1molに対して、1molの水素原子)のシグナルの面積から、ウレタン基のモル数を測定することによって、ウレタン基のモル%を測定することができる。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物の粘度は、実質的に溶剤やジイソシアネートを含んでいない状態で好ましくは100〜2000mPa.sである。粘度の下限は、より好ましくは150mPa.s、より一層好ましくは200mPa.s、更に一層好ましくは250mPa.sである。粘度の上限は、より好ましくは1700mPa.s、より一層好ましくは1500mPa.sである。100mPa.s以上であれば十分な架橋性を有するポリイソシアネート組成物を得ることができる。2000mPa.s以下であればVOC成分を減らした二液型ポリウレタン組成物を得ることが可能となる。
数平均官能基数は、以下の式で求めることができる。
数平均官能基数=数平均分子量×NCO含有量(%)/4200
数平均分子量は、GPCの測定で求めることができる。
このような有機溶剤の例としては、メチルシクロヘキサン(アニリン点40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点44℃)、ミネラルスピリット(ミネラルターペン)(アニリン点56℃)、テレビン油(アニリン点20℃)等の他に、一般に石油系炭化水素として市販されているHAWS(シェルジャパン製、アニリン点17℃)、エッソナフサNo.6(エクソンモービル化学製、アニリン点43℃)、LAWS(シェルジャパン製、アニリン点44℃)、ペガゾール3040(エクソンモービル化学製、アニリン点55℃)、Aソルベント(新日本石油化学株式会社、アニリン点45℃)、クレンゾル(新日本石油化学株式会社製、アニリン点64℃)、ミネラルスピリットA(新日本石油化学株式会社製、アニリン点43℃)、ハイアロム2S(新日本石油化学株式会社製、アニリン点44℃)等、あるいはこれらの有機溶剤の少なくとも1種類と、必要に応じて芳香族炭化水素系溶剤やエステル系溶剤、エーテル系溶剤等を混合したものが挙げられる。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物を製造する方法は、様々な方法が考えられる。例えば、製造方法としては主に、以下4つの方法が考えられる。
(I)ジイソシアネートとC1〜20のモノアルコールと弾性成分ポリオールを反応して本発明で用いるポリイソシアネート化合物を得る方法。
(II)ジイソシアネートとC1〜20のモノアルコールと弾性成分ポリオールを反応して得られたポリイソシアネート化合物と、ジイソシアネートを反応させて得られたポリイソシアネート化合物を混合し、本発明で用いるポリイソシアネート化合物を得る方法。
(III)ジイソシアネートとC1〜20のモノアルコールを反応させて得られたポリイソシアネート化合物と、ジイソシアネートと弾性成分ポリオールを反応させて得られたポリイソシアネート化合物とを混合して、本発明で用いるポリイソシアネート化合物を得る方法。
(IV)ジイソシアネートとC1〜20のモノアルコールと弾性成分ポリオールを反応して得られたポリイソシアネート化合物と、ジイソシアネートとC1〜20のモノアルコールを反応させて得られたポリイソシアネート化合物を混合して、本発明で用いるポリイソシアネート化合物を得る方法。
(I)の方法は一括で製造できるため生産効率が良いというメリットがある。(II)〜(IV)の方法は、2つのポリイソシアネート化合物を任意の割合で混合できるため、得られる製品の設計がやりやすいというメリットがある。
(一)C1〜20のモノアルコールとジイソシアネートを、ウレタン化反応し、その後、あるいは同時にアロファネート化反応及び必要に応じてイソシアヌレート化反応を行い、未反応のジイソシアネートを精製により除去した後、弾性成分ポリオールとウレタン化反応し、ポリイソシアネート化合物を得る方法。
(ニ)C1〜20のモノアルコールとジイソシアネートを、ウレタン化反応し、その後、あるいは同時にアロファネート化反応及び必要に応じてイソシアヌレート化反応を行い、反応停止剤でアロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を停止した後、弾性成分ポリオールとウレタン化反応し、未反応のジイソシアネートを精製により除去することによって、ポリイソシアネート化合物を得る方法。
(三)C1〜20のモノアルコールとジイソシアネートと弾性成分ポリオールを、ウレタン化反応し、その後、あるいは同時にアロファネート化反応及び必要に応じてイソシアヌレート化反応を行った後、未反応のジイソシアネートを精製により除去することによって、ポリイソシアネート化合物を得る方法。
(五)C1〜20のモノアルコールとジイソシアネートを、ウレタン化反応し、その後、あるいは同時にアロファネート化反応を行い反応停止剤を添加した後、弾性成分ポリオールを添加しウレタン化反応して、未反応のジイソシアネートを精製して得られたアロファネート基を有するポリイソシアネート化合物と、ジイソシアネートをイソシアヌレート化反応し、未反応のジイソシアネートを精製により除去して得たイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート化合物を混合して、本発明で用いるポリイソシアネート化合物を得る方法。
(七)C1〜20のモノアルコールとジイソシアネートを、ウレタン化反応し、その後、あるいは同時にアロファネート化反応を行い、未反応のジイソシアネートを精製により除去して得られたアロファネート基を含有するポリイソシアネート化合物と、C1〜20のモノアルコールと弾性成分ポリオールとジイソシアネートを、ウレタン化反応し、その後あるいは同時にアロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行い、未反応のジイソシアネートを精製により除去して得られたアロファネート基及びイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート化合物を混合して本発明で用いるポリイソシアネート化合物を得る方法。
(九)C1〜20のモノアルコールとジイソシアネートを、ウレタン化反応し、その後、あるいは同時にアロファネート化反応を行い、未反応のジイソシアネートを精製により除去して得られたアロファネート基を含有するポリイソシアネート化合物と、ジイソシアネートを、イソシアヌレート化反応し、反応停止剤を添加した後、弾性成分ポリオールを添加し、ウレタン化反応後に、未反応のジイソシアネートを精製により除去して得られたイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート化合物を混合して、本発明で用いるポリイソシアネート化合物を得る方法。
(十一)C1〜20のモノアルコールとジイソシアネートを、ウレタン化反応し、その後、あるいは同時にアロファネート化反応を行い、未反応のジイソシアネートを精製により除去した後、弾性成分ポリオールを添加しウレタン化して得られたアロファネート基を含有するポリイソシアネート化合物と、C1〜20のモノアルコールとジイソシアネートを、ウレタン化反応し、その後あるいは同時にアロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行い未反応のジイソシアネートを精製により除去して得られたアロファネート基及びイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート化合物を混合して、本発明で用いるポリイソシアネート化合物を得る方法。
アロファネート基とイソシアヌレート基のモル比が100/0〜70/30の範囲になるように製造すれば、いずれの方法を用いても良い。
アロファネート化反応は、好ましくは20〜200℃の温度で行われる。より好ましくは、40〜180℃であり、より一層好ましくは60〜160℃である。更に一層好ましくは90〜150℃であり、最も好ましいのは110〜150℃である。20℃以上で、アロファネート化触媒の量が少なくなると共に、反応の終結までに必要な時間が短い。また200℃以下で、ウレトジオン化などの副反応が抑制され、また、反応生成物の着色が抑えられる。
イソシアヌレート化反応、あるいはアロファネート化及びイソシアヌレート化反応は、好ましくは20〜180℃の温度で行われる。より好ましくは、30〜160℃であり、より一層好ましくは40〜140℃である。更に一層好ましくは60〜130℃であり、最も好ましいのは80〜110℃である。20℃以上で、触媒の量が少なくなると共に、ナイロン化反応等の副反応が起こりにくくなる。また180℃以下で、ウレトジオン化などの副反応が抑制され、また、反応生成物の着色が抑えられる。
(一〜三)の方法でアロファネート化反応およびイソシアヌレート化反応を用いる場合は、触媒を用いた方が好ましく、特に生成するポリイソシアネートのアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が70/30〜90/10となる触媒を選択する方が好ましい。このような触媒として、例えば亜鉛のカルボン酸塩、ビスマスのカルボン酸塩、亜鉛、錫、ジルコニウム、ジルコニル等のアルコキシド等が挙げられる。
(四〜九)の方法を採用し、イソシアヌレート基を含有するプレポリマーを製造する場合、イソシアヌレート化反応は触媒を用いた方が好ましい。イソシアヌレート化触媒としては、例えばテトラアルキルアンモニウム、ヒドロキシアルキルアンモニウム、アルカリ金属塩のカルボン酸塩、ハイドロオキサイドや、アミノシリル基含有化合物等、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
本発明において、アロファネート化触媒、イソシアヌレート化触媒、アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒の添加方法は限定されない。例えば、ウレタン基を含有する化合物の製造の前、即ちジイソシアネートと水酸基を有する有機化合物のウレタン化反応に先だって添加しても良いし、ジイソシアネートと水酸基を有する有機化合物のウレタン化反応中に添加しても良く、ウレタン基含有化合物製造の後に添加しても良い。また、添加の方法として、所要量のアロファネート化触媒を一括して添加しても良いし、何回かに分割して添加しても良い。または、一定の添加速度で連続的に添加する方法も採用できる。
本発明におけるウレタン化反応、アロファネート化反応、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応の過程は、反応液のNCO含有率を測定するか、屈折率を測定する事により追跡できる。
反応終了後、ポリイソシアネート化合物からは、未反応のジイソシアネートや溶媒を分離しても良い。安全性を考えると、未反応のジイソシアネートは分離した方が好ましい。未反応のジイソシアネートや溶媒を分離する方法として、例えば、薄膜蒸留法や溶剤抽出法が挙げられる。
本発明で用いる(イ)主剤は、水酸基価が5〜200mgKOH/gのポリオールを含有する。
ポリオールの水酸基価は、5〜200mgKOH/gである。水酸基価の下限は、好ましくは10mgKOH/g、より好ましくは15mgKOH/g、より一層好ましくは20mgKOH/gである。上限は、好ましくは160mgKOH/g、より好ましくは120mgKOH/g、より一層好ましくは80mgKOH/gである。水酸基価が5〜200mgKOH/gであれば、柔軟で、かつ強靱な塗膜を得ることができる二液ポリウレタン組成物をえることができる。
その中でも長鎖アルキル基などを導入して低極性有機溶剤に溶解可能なあるいは溶解しているポリオールや、低極性有機溶剤に分散している、いわゆるNAD系のポリオールは、塗り替え作業の際に旧塗膜を侵しにくいので好ましい。
本発明で用いるポリオールは公知の技術で製造することができるが、以下、代表的なアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールの製造方法について述べる。
本発明の二液型ポリウレタン組成物は、(イ)水酸基価が5〜200mgKOH/gであるポリオール成分を含有する主剤と、(ロ)本発明のポリイソシアネート組成物を含有する硬化剤と、好ましくは(ハ)低極性有機溶剤を含有している。
低極性有機溶剤を含有している本発明の二液型ポリウレタン組成物において、低極性有機溶剤を含有する質量%は、二液型ポリウレタン組成物に対して、5〜95質量%が好ましい。低極性有機溶剤を含有する質量%の下限は、より好ましくは10質量%、より一層好ましくは15質量%である。質量%の上限は、より好ましくは90質量%、より一層好ましくは85質量%である。なお、本発明において、二液型ポリウレタン組成物に含有される低極性有機溶剤は、主剤、硬化剤いずれに含有されていても良い。
本発明の二液型ポリウレタン組成物には、目的及び用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、着色顔料、染料、塗膜の付着性向上のためのシランカップリング剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤、光安定剤、つや消し剤、塗膜表面親水化剤、触媒、乾燥性改良剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の当該技術分野で使用されている各種添加剤を混合して使用することもできる。
シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられ、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67(商品名、アデカアーガス化学社製、商品名)、チヌビン292、チヌビン144、チヌビン123、チヌビン440(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サノールLS765(商品名、三共ライフテック株式会社製)等が挙げられる。
つや消し剤としては、超微粉合成シリカ等が挙げられ、つや消し剤を使用した場合、優雅な半光沢、つや消し仕上げの塗膜を形成できる。
シリケート化合物とは、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの縮合物、及びテトラアルコキシシランあるいはその縮合物の誘導体から選ばれる少なくとも1種類のものである。
シリケート化合物としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、テトラフェノキシシラン等、およびこれらの縮合物等があげられる。このなかで、テトラメトキシシランの縮合物、テトラエトキシシランの縮合物は、二液型ポリウレタン組成物から塗膜を作成した場合、塗膜表面が親水性になり易く、好ましい。
硬化促進用の触媒の例としては、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等のジアルキルスズジカルボキシレートや、ジブチルスズオキサイド等のスズオキサイド化合物、2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸亜鉛、コバルト塩等の金属カルボン酸塩、トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−エンドエチレンピペラジン、及びN,N’−ジメチルピペラジンのような3級アミン類等が挙げられる。
本発明の二液型ポリウレタン組成物は、(イ)水酸基価が5〜200mgKOH/gであるポリオール成分を含有する主剤と、(ロ)本発明のポリイソシアネート組成物からなる硬化剤を塗装現場で混合して使用する二液型の塗料であるが、必要に応じて、低極性有機溶剤、さらに必要に応じて添加剤を混合することができる。
その混合順序は特に限定されず、以下のような形態で使用される。
・低極性有機溶剤と添加剤を予め混合した主剤に、塗装現場にて硬化剤を混合する使用方法、
・塗装現場にて主剤および硬化剤を混合し、次いで更に低極性有機溶剤及び添加剤を混合する使用方法、
・低極性有機溶剤と添加剤を予め混合した主剤に、塗装現場にて予め添加剤と低極性有機溶剤を混合した硬化剤を混合する使用方法。
本発明のポリイソシアネート組成物は、低極性有機溶剤への溶解性が高く、低極性有機溶剤を含有した場合、低温時でも分離、白濁し難いという特徴を有している。低極性有機溶剤は溶解力が小さいため、本発明のポリイソシアネート組成物を用いた二液型ポリウレタン組成物、特に低極性有機溶剤を含有する主剤と組み合わせた二液型ポリウレタン組成物を塗布した場合は、下地を侵し難くなる。つまり、塗り替え作業の際、旧塗膜の除去やシーリング剤の塗布なしに、直接本発明の二液型ポリウレタン組成物を用いた塗料を塗布した場合、リフティングが起こりにくくなる。また、補修作業、重ね塗り作業を行う場合も、下地塗膜を侵すことなく、上塗りが可能となる。更に、低極性有機溶剤は低臭気という性質を併せ持つ場合が多く、塗装作業者や、近くの人に臭気を及ぼし難いという特徴も有する。
更に、本発明のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート基を含有しているため、塗膜Tgが高く、官能基数が増えることとなり、二液型ポリウレタン組成物の硬化剤として用いた場合、初期乾燥性や塗膜硬度に優れる塗膜を形成することが可能となる
従って、本発明のポリイソシアネート組成物を含有する硬化剤と、ポリオールを含有する主剤から得られる二液型ポリウレタン組成物から得られた塗膜は、緻密な架橋構造を作ることができるので、伸展性を有しているだけでなく、良好な外観、優れた耐候性、優れた硬度、優れた耐擦り傷性を有しているという特徴がある。
従って、本発明のポリウレタン組成物を硬化剤として用いた二液型ポリウレタン組成物は、塗料、インキ、接着剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック材料の原料として使用することができる。中でも、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に用いることができる。特に、塗り替え用途の建築外装塗料、重防食用塗料に適している。
アロファネート基とイソシアヌレート基の比は、1H−NMR(Bruker社製FT−NMR DPX−400)を用いて、8.5ppm付近のアロファネート基の窒素原子上の水素のシグナルと、3.8ppm付近のイソシアヌレート基のイソシアヌレート環の窒素原子の隣のメチレン基の水素のシグナルの面積比から求めた。
NCO含有率は、イソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。
粘度は、E型粘度計(株式会社トキメック社)を用いて25℃で測定した。
標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下の通り。
100r.p.m. (128mPa.s未満の場合)
50r.p.m. (128mPa.s〜256mPa.sの場合)
20r.p.m. (256mPa.s〜640mPa.sの場合)
10r.p.m. (640mPa.s〜1280mPa.sの場合)
5r.p.m. (1280mPa.s〜2560mPa.sの場合)
低極性有機溶剤への溶解性(%)=((添加した低極性有機溶剤の質量(g)×100%)/(ポリイソシアネート化合物の質量(g))
初期乾燥性は、二液型ポリウレタン組成物を塗布し、23℃65%RHの条件で、1日後、2日後、3日後、4日後に塗膜を、指で触り、べたつきの有無で測定した。
塗膜の伸度は、温度23℃、湿度50%RHの条件で、引張り試験器(島津製作所製、AGS 500G)を用いて、引張り速度20mm/分、掴み間隔20mmで測定した。
撹拌器、温度計、冷却管を取り付けた四ッ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI 2500gとイソブタノール110gを仕込み、攪拌化90℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ニッカオクチックスジルコニウム12%」をミネラルスピリットで希釈したもの)を1.3g加えた。反応液の屈折率の上昇が0.0055となった時点で、ピロリン酸の20%イソブタノール溶液(太平化学産業株式会社製、商品名「リン酸(105%)」をイソブタノールで希釈したもの)5.7g(触媒に対して、14倍モル)を加え、反応を停止した。
反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、1回目160℃(27Pa)、2回目150℃(13Pa)で未反応のHDIを除去した。
得られたポリイソシアネート化合物は透明の液体であり、収量520g、粘度110mPa.s、NCO含有率19.3%であった。NMRを測定した所、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は97/3であった。得られたポリイソシアネート化合物をM−1とする。
合成例1と同様の装置に、HDI 1200gと2−エチルヘキサノール93gを仕込み、撹拌下130℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化触媒として合成例1と同様に2−エチルヘキサン酸ジルコニルの20%ミネラルスピリット溶液を0.42g加えた。60分後、反応液の屈折率の上昇が0.0055となった時点で、ピロリン酸の固形分39%エタノール溶液(太平化学産業製、商品名「リン酸(105%)」)を0.56g加え、反応を停止した。
次いで、合成例1と同様の方法で未反応のHDIを除去した。
得られたポリイソシアネート化合物は透明の液体であり、収量330g、粘度100mPa.s、NCO含有率17.4%であった。NMRを測定した所、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は97/3であった。得られたポリイソシアネート化合物をM−2とする。
反応液の濾過後、合成例1と同様の方法で未反応のHDIを除去した。
得られたポリイソシアネート化合物は透明の液体であり、収量480g、粘度450mPa.s、NCO含有率17.7%であった。NMRを測定したところ、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は63/37であった。得られたポリイソシアネート化合物をM−3とする。
合成例1と同様の装置に、HDI 1000gと2−エチルヘキサノール 100gとエクセノール510(商品名、旭硝子株式会社製のポリプロピレングリコール(末端EO付加タイプ)、分子量=4000)80gを仕込み、撹拌化90℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としてアロファネート化/イソシアヌレート化触媒としての2−エチルヘキサン酸ビスマスの固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ニッカオクチックスビスマス25%」をミネラルスピリットで希釈したもの)を0.55g加えた。反応液の屈折率の上昇が0.01となった時点でリン酸2−エチルヘキシルエステル(城北化学工業株式会社製、商品名「JP−508」)を2.3g(触媒に対して4.0倍モル)を加え反応を停止した。
得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、収量500g、粘度450mPa.s、NCO含有率14.7%であった。NMRを測定した所、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は85/15であった。得られたポリイソシアネート化合物をポリイソシアネート組成物P−1とする。
P−1のAソルベント(商品名、新日本石油化学株式会社製のミネラルスピリット、アニリン点45℃)への溶解性を調べたところ、0℃で50%〜300%であった。
合成例1と同様の装置に、HDI 1000gとイソブタノール44gを仕込み、撹拌化90℃で1時間ウレタン化反応を行った。反応液の温度を130℃に上げ、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ニッカオクチックスジルコニウム12%」)を0.50g加えた。反応液の屈折率の上昇が0.0055となった時点で、リン酸ドデシルエステル20%イソブタノール溶液(城北化学工業株式会社製、商品名「JP−512」をイソブタノールで希釈したもの)の1.9g(触媒に対して4.0倍モル)を加え、反応を停止した。その反応液にエクセノール510(商品名、旭硝子株式会社製のポリプロピレングリコール(末端EO付加タイプ)、分子量=4000)の130gを加え、撹拌下120℃で6時間ウレタン化反応を行った。
得られたポリイソシアネート化合物は透明の液体であり、収量350g、粘度400mPa.s、NCO含有率13.2%であった。
このポリイソシアネート化合物67gと合成例2で得られたポリイソシアネート化合物M−2 33gを混合した。得られたポリイソシアネート化合物は、粘度360mPa.s、NCO含有率14.6%であった。NMRを測定した所、アロファネート/イソシアヌレートのモル比はで82/18であった。このポリイソシアネート化合物をポリイソシアネート組成物P−2とする。
P−2のAソルベント(商品名、新日本石油化学株式会社製のミネラルスピリット、アニリン点45℃)への溶解性を調べたところ、0℃で50%〜200%であった。
合成例1と同様の装置に、合成例1で得られたポリイソシアネート化合物M−1 100gとエクセノール510(商品名、旭硝子株式会社製のポリプロピレングリコール(末端EO付加タイプ)、分子量=4000)の44gを加え、撹拌下120℃で6時間ウレタン化反応を行った後、更に合成例2で得られたポリイソシアネート化合物M−2 56gを混合した。得られたポリイソシアネート化合物は、粘度630mPa.s、NCO含有率14.0%であった。NMRを測定した所、アロファネート/イソシアヌレートのモル比はで85/15であった。このポリイソシアネート化合物をポリイソシアネート組成物P−3とする。
P−3のAソルベント(商品名、新日本石油化学株式会社製のミネラルスピリット、アニリン点45℃)への溶解性を調べたところ、0℃で50%〜200%であった。
合成例3で得られたポリイソシアネート化合物M−3 300gとエクセノール510(商品名、旭硝子株式会社製のポリプロピレングリコール(末端EO付加タイプ)、分子量=4000)の120gを合成例1と同様の装置に入れ、撹拌下120℃で5時間ウレタン化反応を行った。得られたポリイソシアネート化合物は、粘度1800mPa.s、NCO含有率12.0%であった。NMRを測定したところ、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は64/36であった。このポリイソシアネート化合物をポリイソシアネート組成物C−1とする。
C−1のAソルベント(商品名、新日本石油化学株式会社製のミネラルスピリット、アニリン点45℃)への溶解性を調べたところ、0℃で50%以下であった(50%で白濁が認められた)。
比較例1で得られたポリイソシアネート組成物C−1 140gと、合成例2で得られたポリイソシアネート化合物M−2 60gとを、混合し、ポリイソシアネート組成物P−4を得た。P−4のNCO含有率は13.7%、粘度は780mPa.sであった。NMRを測定したところ、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は76/24であった。
P−4のAソルベント(商品名、新日本石油化学株式会社製のミネラルスピリット、アニリン点45℃)への溶解性を調べたところ、0℃で50〜300%であった。
合成例1で得られたポリイソシアネート化合物M−1 120gと、合成例3で得られたポリイソシアネート化合物M−3 80gを混合した。得られたポリイソシアネート化合物は、粘度180mPa.s、NCO含有率18.8%であった。NMRを測定したところ、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は85/15であった。このポリイソシアネート化合物をポリイソシアネート組成物C−2とする。
C−2のAソルベント(商品名、新日本石油化学株式会社製のミネラルスピリット、アニリン点45℃)への溶解性を調べたところ、0℃で50〜300%であった。
合成例1と同様の装置に、HDI 1000gとイソブタノール50gとエクセノール510(商品名、旭硝子株式会社製のポリプロピレングリコール(末端EO付加タイプ)、分子量=4000)の100gを入れ、撹拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。その後、反応液の温度を130℃に上げ、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ニッカオクチックスジルコニウム12%」)を1.15g加えた。反応液のNCO含有率が37.9%となった時点で、リン酸ドデシルエステル20%イソブタノール溶液(城北化学工業株式会社製、商品名「JP−512」をイソブタノールで希釈したもの)の4.3g(触媒に対して4.0倍モル)を加え、反応を停止した。
続いて、合成例1と同様の条件で未反応のHDIを精製した。
得られたポリイソシアネート化合物は、粘度320mPa.s、NCO含有率14.8%であった。NMRを測定したところ、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は97/3であった。このポリイソシアネート化合物をポリイソシアネート組成物C−3とする。
C−3のAソルベント(商品名、新日本石油化学株式会社製のミネラルスピリット、アニリン点45℃)への溶解性を調べたところ、0℃で50〜200%であった。
非水分散型(低極性有機溶剤分散型)アクリルポリオール(商品名:ヒタロイド6500、日立化成工業株式会社製、水酸基価=30mgKOH/g(固形分)、Tg=33℃、加熱残分=53%、溶剤組成=ミネラルターペン/ソルベッソ100=44/7)と低極性有機溶剤可溶型アクリルポリオール(商品名:ヒタロイド6500B、日立化成工業株式会社製、水酸基価=30mgKOH/g(固形分)、Tg=35℃、加熱残分=53質量%、溶剤組成=ミネラルターペン)を9/1で混合した主剤に対して、P−1、P−2、P−3、P−4、C−1、C−2、C−3の各ポリイソシアネート組成物を硬化剤として、NCO/OH比=1.0で混合し、二液型ポリウレタン組成物を作成した。得られた二液型ポリウレタン組成物をアプリケーターにて乾燥膜厚50ミクロンとなるように塗布した。塗布後、1日後、2日後、3日後、4日後に初期乾燥性の試験を行った。結果を表1に記す。また、23℃50%RH条件下で7日間硬化させ塗膜を用いて引張り試験を行った。結果を表1に示す。なお、表1では、塗膜伸度0〜100%を×、100〜150%を△、150〜200%を○で表す。また、表1には、硬化剤に用いたポリイソシアネート組成物のAソルベントへの溶解性も記載する。
更に、本発明のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート基を含有しているため、塗膜Tgが高く、官能基数が増えることとなり、二液型ポリウレタン組成物の硬化剤として用いた場合、初期乾燥性や塗膜硬度に優れる塗膜を形成することが可能となる
従って、本発明のポリイソシアネート組成物を含有する硬化剤と、ポリオールを含有する主剤から得られる二液型ポリウレタン組成物から得られた塗膜は、緻密な架橋構造を作ることができるので、伸展性を有しているだけでなく、良好な外観、優れた耐候性、優れた硬度、優れた耐擦り傷性を有しているという特徴がある。
従って、本発明のポリウレタン組成物を硬化剤として用いた二液型ポリウレタン組成物は、塗料、インキ、接着剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック材料の原料として使用することができる。中でも、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に用いることができる。特に、塗り替え用途の建築外装塗料、重防食用塗料に適している。
Claims (4)
- (A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート、及び(B)炭素数が1〜20のモノアルコール、及び(C)数平均分子量が500〜20000であり、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールからなる弾性成分ポリオールから得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が87/13〜74/26であるポリイソシアネート化合物からなるポリイソシアネート組成物。
- (I)(A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート、及び(B)炭素数が1〜20のモノアルコール、及び(C)数平均分子量が500〜20000であり、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールからなる弾性成分ポリオールから得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が87/13〜74/26であるポリイソシアネート化合物、及び
(II)アニリン点10℃〜70℃の低極性有機溶剤、
からなるポリイソシアネート組成物。 - (イ)水酸基価が5〜200mgKOH/gであるポリオールを含有する主剤と、
(ロ)(A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート、及び(B)炭素数が1〜20のモノアルコール、及び(C)数平均分子量が500〜20000であり、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールからなる弾性成分ポリオールから得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が87/13〜74/26であるポリイソシアネート化合物からなるポリイソシアネート組成物を含有する硬化剤、
を含有する二液型ポリウレタン組成物。 - (イ)主剤、(ロ)硬化剤のうち少なくとも1つが、アニリン点10℃〜70℃の低極性有機溶剤を含有する請求項3記載の二液型ポリウレタン組成物。
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