JP4476057B2 - ポリイソシアネート組成物およびコーティング組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料、特に建築外装用塗料や重防食用塗料、インキ、接着剤等の硬化剤として有用なポリイソシアネート組成物、さらにそのポリイソシアネート組成物と主剤ポリオールから成るコーティング組成物に関する。
ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDI)やイソホロンジイソシアネート(以下、IPDI)より得られるポリイソシアネート組成物は、耐候性や、耐薬品性、耐摩耗性等に優れた性能を示すために、塗料、インキ及び接着剤等として広く使われている。しかし、従来のポリイソシアネート組成物は、極性が高いため、実際に使用する際には酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等の極性が高く、臭気が強い有機溶剤に溶解させる必要があった。そのため、臭気対策が必要な場合があり、また塗り替え作業、補修作業、重ね塗り作業の場合、下地塗膜を侵す場合があるという問題点があった。特に近年、化学的により脆弱な塗膜に対して塗り替えが行われる場合が増え、アニリン点が10〜20℃程度の弱溶剤を用いても、旧塗膜が侵される場合があった。更に、近年、環境問題に対する認識がより高くなり、トルエンやキシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン等のいわゆるPRTR対象物質を含有しない塗料を求める声も高くなっていた。
これらの問題を解決するため極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤への溶解性が優れたポリイソシアネート組成物の開発が進められてきた。
特許文献1では、ジイソシアネートと炭素数10〜40のジオールをイソシアヌレート化触媒の存在下で反応させて得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート組成物が提案されている。また、特許文献2では、炭素数6〜20のモノアルコールと、炭素数4〜40のジオールをイソシアヌレート化触媒の存在下で反応させて得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート組成物が提案されている。しかしながら、特許文献1、特許文献2で提案されているポリイソシアネートは、極めて極性が低い特定アニリン点を有する有機溶剤への溶解性が不十分な場合がある。また、粘度が非常に高くなる場合があり、大量の有機溶剤で希釈する必要が生じる場合がある。
特許文献3では、ジイソシアネートと炭素数10〜50のモノアルコールをイソシアヌレート化触媒の存在下で反応させて得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート組成物が提案されている。また、特許文献4、特許文献5では、(シクロ)脂肪族ジイソシアネートと炭素数6〜9の脂肪族モノアルコールをウレタン化反応させた後、または同時にイソシアヌレート化触媒の存在下で反応させて得られるイソシアヌレート構造とアロファネート構造を有するポリイソシアネート組成物が提案されている。特許文献3、特許文献4、特許文献5で提案されているポリイソシアネート組成物は、モノアルコールと2分子のジイソシアネートから得られるアロファネート構造を有するポリイソシアネート組成物によって、低極性有機溶剤への溶解性を発揮させている。このため、低極性有機溶剤への溶解性を高めるために、モノアルコールと2分子のジイソシアネート化合物から得られるアロファネート構造の割合を高く設計すれば、官能基数が低くなり、塗料組成物にした場合の塗膜の硬化性、特に初期の耐溶剤性、耐可塑剤性、耐湿光沢が低下する場合があった。逆に硬化性を高くするために、官能基数を高く設計すると、極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤に対する溶解性が不十分となる場合があった。
特許文献6は、実質的にモノアルコールとジイソシアネートからなるアロファネート構造と、多価アルコール、特に高分子のポリプロピレングリコールとジイソシアネートからなるアロファネート構造、及びイソシアヌレート構造からなるポリイソシアネート組成物に関するものである。しかし、実施例に記載の方法で得られるポリイソシアネート組成物のアロファネート基の含有比率は高々60%程度であり、得られた組成物の低極性有機溶媒への溶解性は十分とはいえない。また、高分子のポリプロピレングリコールを含むために、塗膜の硬度が不足する場合やイソシアネート含有率が低くなる場合があった。
一方、アロファネート基を有するポリイソシアネートの製造方法としては、主に2つの方法が知られている。ウレタン基を有する有機化合物とイソシアネート基を有する有機化合物を加熱する方法と、アロファネート化触媒を用いる方法である。
特許文献7では、モノアルコールあるいは多価アルコールと、ジイソシアネートからなる混合物を、加熱する方法、あるいはアロファネート化触媒を用いる方法で、アロファネート化する製造法が記載されている。しかし、炭素数12以上のジオールを使用することも、低極性有機溶剤に対する溶解性に関する記述もない。
特許文献8では、副反応を少なくする方法として、アロファネート化触媒を使用せずに、高温で短時間加熱する方法が記載され、また反応に使用できるジオールとして、1,2−ヒドロキシ−ドデカンが記載されている。しかし、該特許文献には低極性有機溶剤に対する溶解性に関する記載は無く、また該方法はウレトジオン体やその他の複製生物を生成するために、得られたポリイソシアネート組成物は低極性有機溶剤に対する溶解性が低下する。
特許文献9では、スズ化合物を有するアロファネート化触媒が記載され、使用できるジオールとして、デカン−1,10−ジオール、ドデカン−1,12−ジオールが記載されている。しかし、該特許文献には低極性有機溶剤に対する溶解性に関する記述は無く、記載しているジオールは、分岐を有しないため、低極性有機溶剤に対する溶解性は十分でない。
特許文献10では、アロファネート化反応の助触媒として有機亜リン酸エステルを使用する方法が記載され、使用できるジオールとして、炭素数が17〜20のアルカン−1,2−ジオールが記載されている。しかし、該特許文献には特定のジオールをアロファネート化反応したポリイソシアネートが特定の低極性有機溶剤に溶解し易いことを表す記載はなく、更に低極性有機溶剤の中でも極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤に関する記述はない。
特許文献11では、選択的にアロファネート基を生成させることができる触媒として、ジルコニル基を有する化合物が記載されている。しかし、該特許には炭素数12以上のジオールを使用することも低極性有機溶剤に対する溶解性に関する記述もない。
特開昭61−72013号公報 特開平9−12660号公報 特開平2−250872号公報 特開平4−306218号公報 特開平5−222007号公報 特開2001−64352号公報 英国特許明細書994,890号公報 特開昭64−66155号公報 特開平7−304728号公報 特開平8−188566号公報 国際公開第02/32979号パンフレット
本発明は、極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤、あるいはトルエン、キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン等のPRTR対象物質を含有しない有機溶剤を含有したポリイソシアネート組成物、及び硬化性が優れた低極性有機溶剤型塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため検討を重ね、特定のジオールにイソシアネート化合物がアロファネート結合した構造を有するポリイソシアネートと極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤、あるいはPRTR対象物質を含有しない有機溶剤を含有したポリイソシアネート組成物が前記課題を達成することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、それらから得られるイソシアネートプレポリマーから選ばれる少なくとも1種類のイソシアネート化合物と、炭素数が12〜60の分岐を有するジオールとを、アロファネート化触媒の存在下に反応させて得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が100/0〜75/25であり、ウレトジオン体の含有量が15質量%以下であり、以下の構造(1)で表されるポリイソシアネート化合物を含有するポリイソシアネートと、
Figure 0004476057
(図中、Rはジオールから水酸基を除いた残基。Rは脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、それらから得られるイソシアネートプレポリマーから選ばれる少なくとも1種類のイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた残基。)
B)アニリン点が30〜65℃の有機溶剤とを含有する、ポリイソシアネート組成物。
(2)イ)水酸基価1〜300mgKOH/gの主剤ポリオール、ロ)前記(1)のA)に記載のポリイソシアネート、ハ)アニリン点30〜65℃の有機溶剤を含有する、低極性有機溶剤型コーティング組成物。
(3)主剤ポリオールが含フッ素系ポリオールである、(2)記載の低極性有機溶剤型コーティング組成物。
本発明は、特定のジオールを原料としたアロファネート基を有するポリイソシアネートと、極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤からなるポリイソシアネート組成物、及び該ポリイソシアネート組成物と主剤ポリオール及び極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤を含有した低極性有機溶剤型コーティング組成物である。
本発明で用いる有機溶剤は極めて極性が低いため、溶解力が非常に小さく、塗り替え作業の際に、化学的に非常に脆弱な塗膜や痛んだ塗膜でも下地を侵し難いという特徴を有している。つまり、脆弱な塗膜の場合でも、塗り替え作業の際、旧塗膜のリフティングが起こりにくくなる。また、補修作業、重ね塗り作業を行う場合も、下地塗膜を侵すことなく、上塗りが可能となる。更に本発明で用いる極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤は低臭気という性質を併せ持つため、塗装作業者や、近くの人に臭気を及ぼし難いという特徴も有する。更に、極めて極性が低い有機溶剤として、イソパラフィン系やナフテン系などの芳香族成分を含有しない有機溶剤を用いることによって、トルエン、キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン等のいわゆるPRTR対象物質を含有しない塗料組成物を作ることも可能となる。本発明のコーティング組成物から得られた塗膜は、緻密な架橋構造を作ることができるので、良好な外観、優れた耐候性に加え、耐擦り傷性が優れているという特徴を有している。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明は、脂肪族ジイソシアネートあるいは脂環式ジイソシアネート等のイソシアネート化合物と炭素数が12〜60の分岐を有するジオールとから得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が100/0〜75/25であるポリイソシアネートと、アニリン点が30〜65℃の有機溶剤を含有するポリイソシアネート組成物である。本発明では、ポリイソシアネートとはイソシアネート化合物とジオールをアロファネート化反応して得られたものをいい、ポリイソシアネート組成物とはポリイソシアネート及びアニリン点30〜65℃の有機溶剤を含有するものをいう。
本発明では、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、それらから得られるイソシアネートプレポリマーから選ばれる少なくとも1種類のイソシアネート化合物を用いる。
脂肪族ジイソシアネートとは分子中に脂肪族基のみを有する化合物であり、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、等が挙げられる。脂環式ジイソシアネートとは、分子中に環状脂肪族基を有するジイソシアネートであり、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン等が挙げられる。この中でもHDI、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートは、工業的に入手し易いため好ましい。中でもHDIは耐候性と塗膜の柔軟性が非常に優れており最も好ましい。以下、脂肪族ジイソシアネートと脂環式ジイソシアネートを総称してジイソシアネートという。
イソシアネートプレポリマーとは、ジイソシアネート等を公知の技術でプレポリマー化したものである。プレポリマー化とは、具体的には、ジイソシアネート等を、ビウレット化反応、イソシアヌレート化反応、ウレタン化反応、ウレトジオン化反応、アロファネート化反応、イミノオキサジアジンジオン化反応等させることを指し、これらは公知の技術で行うことが出来る。以下、ジイソシアネートとイソシアネートプレポリマーを総称して、イソシアネート化合物という。
本発明では、ジイソシアネート、イソシアネートプレポリマーのいずれも使用することができるが、ジイソシアネートを用いた方が低極性有機溶剤に対する溶解性が向上するためより好ましい。なお、本発明で低極性有機溶剤と表現した場合、アニリン点10〜65℃程度の比較的極性が低い有機溶剤をいう。なお、詳細は後述するが本発明で用いるアニリン点30〜65℃の有機溶剤は、低極性有機溶剤の中でも極めて極性が低く、溶解性が小さいものである。
本発明では、炭素数12〜60の分岐を有するジオールを用いる。ジオールの炭素数は、好ましくは14〜50、より好ましくは16〜40、より一層好ましくは18〜36である。ジオールの炭素数が12以上であれば、アニリン点30〜65℃の有機溶剤に対する溶解性が十分となる。60以下であればイソシアネート基含有率が十分高くなる。また、アニリン点30〜65℃の有機溶剤への溶解性のためには分岐している必要がある。ジオールは1種類でも2種類以上混合して用いても良い。また本発明で用いるジオールは、分子内にエーテル基や、エステル基、カルボニル基を含んでも良いが、好ましいのは炭化水素基だけからなるジオールである。本発明で用いるジオールとして例えば、1,2−ドデカンジオール、5,6−ドデカンジオール、2,2−ジイソアミル−1,3−プロパンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、2,2−ジオクチル−1,3−プロパンジオール、3−オクタデシロシキ−1,2−プロパンジオール、2−ヒドロキシパルミチルアルコール、12−ヒドロキシステアリルアルコール、ダイマー酸を還元したジオール(C36、オレイン酸二量体に水素添加した構造)などが挙げられる。この中で、2,2−ジイソアミル−1,3−プロパンジオール、2−ヒドロキシパルミチルアルコール、12−ヒドロキシステアリルアルコール、ダイマー酸を還元したジオールは、極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤への溶解性が優れているためにより好ましく、12−ヒドロキシステアリルアルコール、ダイマー酸を還元したジオールは、工業的に入手し易いため一層好ましく、12−ヒドロキシステアリルアルコールはイソシアネート含有量が高くなるため最も好ましい。
なお、本発明でいう分岐とは、主鎖に対して側鎖を有することを言う。なお、本発明で言う主鎖とは、水酸基と水酸基の間の炭素鎖のことである。側鎖は炭化水素基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基などが挙げられるが、炭化水素基が好ましく、中でも飽和炭化水素基が好ましく、飽和脂肪族炭化水素基が最も好ましい。
イソシアネート基含有率(以後、NCO%)とは、組成物中に含まれているイソシアネート基の重量分率を示しており、例えばポリイソシアネート組成物のイソシアネート基を過剰のアミン(ジブチルアミン等)と反応させ、残ったアミンを塩酸などの酸で逆滴定することによって求めることができる。
なお、アロファネート基とイソシアヌレート基のモル比は、1H−NMRにより求めることができる。ヘキサメチレンジイソシアネートおよびそれから得られるイソシアネートプレポリマーを原料として用いたポリイソシアネート組成物を1H−NMRで測定する方法の一例を以下に示す。本発明においてアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は以下の条件で測定したものである。
1H−NMRの測定方法例:ポリイソシアネート組成物を重水素クロロホルムに10質量%の濃度で溶解する(ポリイソシアネート組成物に対して0.03質量%テトラメチルシランを添加)。化学シフト基準は、テトラメチルシランの水素のシグナルを0ppmとした。1H−NMRにて測定し、8.5ppm付近のアロファネート基の窒素に結合した水素原子のシグナル(アロファネート基1molに対して、1molの水素原子)と、3.85ppm付近のイソシアヌレート基に隣接したメチレン基の水素原子(イソシアヌレート基1モルに対して、6molの水素原子)のシグナルの面積比を測定する。
アロファネート基/イソシアヌレート基=(8.5ppm付近のシグナル面積)/(3.85ppm付近のシグナル面積/6)
また、ウレトジオン体は、低極性有機溶剤に対する溶解性が低いだけでなく、熱などにより解離してHDIを生成し易いため、ウレトジオン体の含有量を削減することが性能上好ましい。ウレトジオン体の含有量は、ポリイソシアネート組成物に対して15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることが好ましい。ウレトジオン体の含有量の測定は、GPCの分子量336程度のピークの面積の割合を視差屈折計で測定することで求めることができる。336程度のピーク付近に測定の障害となるようなピークがある場合は、FT−IRを用いて、1770cm−1程度のウレトジオン基のピークの高さと、1720cm−1程度のアロファネート基のピークの高さの比を、内部標準を用いて定量する方法によっても求めることができる。
ウレタン体が多く含まれていると、ポリイソシアネート組成物の架橋能力が低くなるために、含有量が多くなるのは好ましくない。本発明のポリイソシアネート組成物に、ウレタン体が含まれる量の範囲としては、20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
更に、ビウレット体、その他のジイソシアネート重合体も、低極性有機溶剤に対する溶解性を低下させるため、含有量が多くなるのは好ましくない。本発明のポリイソシアネート組成物にビウレット体、その他のジイソシアネート重合体が含まれる量の範囲としては、20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明で用いるポリイソシアネート組成物は以下の構造(1)で表されるポリイソシアネートを含有する。
Figure 0004476057
式中、Rは炭素数12〜60の分岐を有するジオールの水酸基残基、Rは脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、それらから得られるイソシアネートプレポリマーから選ばれる少なくとも1種類のイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた残基を示す。上記構造はジオールに対して、イソシアネート化合物4分子がアロファネート付加した化合物である。溶剤や残留したジイソシアネートを除いて、上記構造は、本発明で用いるポリイソシアネート中で、好ましくは20〜99質量%、より好ましくは30〜99質量%、さらに好ましくは40〜99質量%である。
本発明のポリイソシアネート組成物は、アニリン点30〜65℃、好ましくは40〜65℃の範囲の有機溶剤を含有している。特定のアニリン点の有機溶剤を含有する量は、ポリイソシアネート組成物全体に対して、好ましくは5質量%〜90質量%、より好ましくは7質量%〜80質量%、さらに好ましくは10質量%〜80質量%である。含有量が5質量%以上であれば、粘度が低くなる効果が現れる。90質量%以下であれば、VOC量が比較的少量で抑えられる。
アニリン点が30℃以上の極性が低い有機溶剤を用いることによって、化学的に非常に脆弱な旧塗膜への塗り替え作業が可能となる。アニリン点が65℃以下であればポリイソシアネートと相溶することができる。これらの低極性有機溶剤は、イソシアネートと反応する基を有していないことが必要である。このような有機溶剤の例としては、メチルシクロヘキサン(アニリン点40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点44℃)、ミネラルスピリット(ミネラルターペン)(アニリン点56℃)の他、具体的な商品名として、LAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社製、アニリン点44℃)、ペガゾール3040(エクソンモービル有限会社製、アニリン点55℃)、Aソルベント(新日本石油化学株式会社製、アニリン点45℃)、クレンゾル(新日本石油化学株式会社製、アニリン点64℃)、ミネラルスピリットA(新日本石油化学株式会社製、アニリン点43℃)、ハイアロム2S(新日本石油化学株式会社製、アニリン点44℃)、リニアレン10、リニアレン12(出光石油化学社製、αオレフィン系炭化水素、アニリン点44℃、54℃)、エクソールD30(エクソンモービル有限会社製、ナフテン系溶剤、アニリン点63℃)、リカソルブ900、910B、1000(新日本理化株式会社製、水添C9溶剤、アニリン点53℃、40℃、55℃)などが挙げられる。もちろん、これらの有機溶剤に芳香族系、エーテル系、エステル系等の溶剤を混合しても、混ぜた溶剤が前記のアニリン点の範囲内に入っていれば構わない。なお、アニリン点はJIS K 2256に記載のアニリン点試験方法に準じて測定することができる。
更に、環境問題に対する認識の向上から、溶剤の中にトルエン、キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼンなどのいわゆるPRTR対象物質を含有しない有機溶剤を用いることが求められる場合も多い。このような場合には、より好ましい溶剤としてPRTR対象物質を含有しないαオレフィン系炭化水素(ニリアレン10、リニアレン12等)や比較的アニリン点が低いナフテン系溶剤(エクソールD30等)、あるいは水素添加した溶剤(リカソルブ900、910B、1000等)などを用いることができる。あるいは、イソパラフィン系、ナフテン系、パラフィン系のアニリン点が65℃を超えるような溶剤とエステル系、エーテル系の溶剤を混合して、アニリン点を30〜65℃の範囲に設定する方法を採ることができる。イソパラフィン系の溶剤としては、具体的商品名として、例えば、シェルゾールS(シェルケミカルズジャパン株式会社製、アニリン点78℃)やアイソパーG(エクソンモービル有限会社製、アニリン点78℃)、日石アイソゾール300(新日本石油化学株式会社製、アニリン点80℃)が挙げられる。ナフテン系の溶剤としては、具体的商品名として、例えば、エクソールD40(エクソンモービル有限会社製、アニリン点69℃)、ナフテゾール160(新日本石油化学株式会社製、アニリン点69℃)、IPソルベント1016、1620(出光石油化学株式会社製、アニリン点72℃、81℃)などが挙げられる。パラフィン系溶剤としては、具体的商品名として、例えば、ノルマルパラフィン SL(新日本石油化学株式会社製、アニリン点80℃)などが挙げられる。エステル系、エーテル系の溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピルアセテート等が挙げられる。
本発明で用いるポリイソシアネートのNCO%は、実質的に溶剤やジイソシアネートを含んでいない状態で、好ましくは8〜22質量%、より好ましくは10〜21質量%、さらに好ましくは12〜20質量%である。8〜22質量%の範囲であればアニリン点30〜65℃の有機溶剤に十分溶解して、かつ十分な架橋性を有するポリイソシアネート組成物を得ることができる。
本発明で用いるポリイソシアネートの粘度は、実質的に溶剤やジイソシアネートを含んでいない状態で、好ましくは400〜10000mPa.s、より好ましくは500〜5000mPa.s、さらに好ましくは600〜3000mPa.sである。400以上であれば十分な架橋性を有するポリイソシアネートを得ることができる。10000mPa.s以下であればハイソリッドなコーティング組成物を得ることが可能となる。
本発明で用いるポリイソシアネートは、イソシアネート化合物と炭素数が12〜60の分岐を有するジオールをアロファネート化反応することによって得ることができる。ジオールは1種類だけ用いても良いし、2種類以上用いても良い。
本発明で用いるポリイソシアネートを製造する方法としては、ジオールとイソシアネート化合物を、ウレタン化反応とアロファネート化反応させる方法が挙げられる。脂肪族あるいは脂環式ジイソシアネートを原料として用いた場合には必要に応じて未反応のジイソシアネートを分離する方法を採ることができるが、安全性を考慮すると、未反応のジイソシアネートは分離する方が好ましい。
イソシアネート化合物のイソシアネート基とジオールの水酸基のモル比は、好ましくは6/1〜100/1、より好ましくは10/1〜60/1、さらに好ましくは15/1〜50/1である。イソシアネート化合物のイソシアネート基が6/1以上で、ポリイソシアネート組成物が低粘度であり、100/1以下で生産効率が良い。
前述した如く、必要に応じてイソシアヌレート体など一部含まれていても良いので、ウレタン化反応、アロファネート化反応の前、あるいは同時、あるいは後に、イソシアヌレート化反応などを行ってもかまわないし、製造したモノアロファネート体、ポリアロファネート体の混合物にイソシアヌレート体等を混合してもかまわない。
ウレタン化反応は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは20〜150℃、さらに好ましくは40〜120℃で、好ましくは10分〜24時間、より好ましくは15分〜15時間、さらに好ましくは20分〜10時間行われる。0℃以上で反応が速く、200℃以下でウレトジオン化などの副反応が抑制され、また着色も抑制される。時間は、10分以上であれば反応を完結させることが可能となり、24時間以下であれば生産効率に問題が無く、また副反応も抑制される。ウレタン化反応は、無触媒で、またはスズ系、アミン系などの触媒の存在下で行う事ができる。
アロファネート化反応はいかなる方法を用いて行っても良いが、以下の特定の条件で行うことが好ましい。一般に、アロファネート化反応を行う場合、副反応としてイソシアヌレート化反応を伴う事が多い。しかし、イソシアヌレート化反応は多量体を形成しやすく、得られたポリイソシアネート組成物の低極性有機溶剤に対する溶解性が低下しやすくなる傾向がある。従って、本発明においては、イソシアヌレート化反応を抑制した条件でアロファネート化を行う。本発明におけるアロファネート化反応の条件は、アロファネート化反応によって得られた生成物のアロファネート基とイソシアヌレート基のモル比が、100/0〜75/25、好ましくは100/0〜85/15、さらに好ましくは、100/0〜90/10である。この比が100/0〜75/25の場合に、ポリイソシアネート組成物のアニリン点30〜65℃の有機溶剤への溶解性が良好となる。
こうした条件でアロファネート化反応を行うには、アロファネート化反応触媒を用いて行った方が好ましい。更に、アロファネート化反応の選択率の高い特定のアロファネート化触媒を用いる事がより好ましい。好ましい触媒の例は、鉛を含む化合物、亜鉛を含む化合物、スズを含む化合物、ジルコニウムを含む化合物、ビスマスを含む化合物、カルシウムを含む化合物、マグネシウムを含む化合物、リチウムを含む化合物である。これらの化合物の一種、または二種以上を用いる事ができる。
これらの触媒の中で、更に好ましいのは亜鉛を含む化合物、鉛を含む化合物、スズを含む化合物、ジルコニウムを含む化合物、ビスマスを含む化合物であり、より好ましいのは、ジルコニウムを含む化合物、ビスマスを含む化合物、最も好ましいのはジルコニウムを含む化合物である。
亜鉛を含む化合物とは、分子中に亜鉛を含む化合物であり、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の有機カルボン酸亜鉛やアルコキシ亜鉛が好ましい。
鉛を含む化合物とは、分子中に鉛を含む化合物であり、2−エチルヘキサン酸鉛、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機カルボン酸鉛やアルコキシ鉛が好ましい。
スズを含む化合物とは、分子中にスズを含む化合物であり、有機酸のスズ(II)塩、有機酸スズ塩並びに、スズ(II)ハロゲン化物、アルコキシスズが例としてあげられる。好ましいスズ化合物の例は、スズ(II)の塩化物、臭化物、ヨウ化物、2−エチルヘキサン酸スズ、オクタン酸スズ、ジブチルスズジラウレートである。
ジルコニウムを含む化合物とは、分子中にジルコニウムを含む化合物であり、特に、14〜55質量%のジルコニウムを含む化合物が好ましい。ジルコニウム化合物として、例えば、オキシハロゲン化ジルコニウム、テトラアルコキシジルコニウム、ジルコニウムカルボン酸塩、ジルコニルカルボン酸塩(酸化ジルコニウムカルボン酸塩)などが挙げられる。特にジルコニルカルボン酸塩、テトラアルコキシジルコニウムが好ましく、中でもジルコニルカルボン酸塩が好ましい。
ビスマスを含む化合物とは、分子中にビスマスを含む化合物である。ビスマスを含む化合物として、例えばハロゲン化ビスマス、ビスマスカルボン酸塩などが挙げられる。特にビスマスカルボン酸塩が好ましい。
ジルコニウムカルボン酸塩、ジルコニルカルボン酸塩(酸化ジルコニウムカルボン酸塩)、ビスマスカルボン酸塩の原料となるカルボン酸としては、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、カプロン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸などの飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸などの飽和環状カルボン酸、ナフテン酸などの上記カルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの不飽和脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、ジフェニル酢酸などの芳香族カルボン酸などが挙げられる。
これらの化合物の中で、ナフテン酸ジルコニル(酸化ジルコニウムナフテン酸塩)、2−エチルヘキサン酸ジルコニル(酸化ジルコニウム−2−エチルヘキサン酸塩)、ナフテン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸スズ、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛は、工業的に入手しやすく、かつアロファネート化反応の選択率が高いために好ましい。ナフテン酸ジルコニル、2−エチルヘキサン酸ジルコニルは、安全性が高いと考えられるために特に好ましい。
アロファネート化触媒の使用量は、反応液総質量を基準にして、好ましくは0.001〜2.0質量%、より好ましくは、0.01〜0.5質量%の量にて用いられる。0.001質量%以上で触媒の効果が十分に発揮できる。2重量%以下で、アロファネート化反応の制御が容易である。
本発明において、アロファネート化触媒の添加方法は限定されない。例えば、ウレタン基を含有する化合物の製造の前、即ちジイソシアネートと水酸基を有する有機化合物のウレタン化反応に先だって添加しても良いし、ジイソシアネートと水酸基を有する有機化合物のウレタン化反応中に添加しても良く、ウレタン基含有化合物製造の後に添加しても良い。また、添加の方法として、所要量のアロファネート化触媒を一括して添加しても良いし、何回かに分割して添加しても良い。または、一定の添加速度で連続的に添加する方法も採用できる。
本発明におけるアロファネート化反応は、好ましくは20〜200℃の温度で行われる。より好ましくは、30〜180℃であり、さらに好ましくは40〜160℃である。より一層好ましくは90〜150℃であり、最も好ましいのは110〜150℃である。20℃以上で、アロファネート化触媒の量が少なくなると共に、反応の終結までに必要な時間が短い。また200℃以下で、ウレトジオン化などの副反応が抑制され、また、反応生成物の着色が問題とならない。
本発明のポリイソシアネート組成物を製造する際のアロファネート化反応においては、ウレタン基からアロファネート基への変換率は、出来るだけ高くすることが好ましい。ウレタン基からアロファネート基へ変換する事により、アニリン点30〜65℃の有機溶剤に対する溶解性やポリイソシアネート組成物の粘度を維持したまま、イソシアネート基の官能基数を高くする事が可能となる。
ウレタン化反応やアロファネート化反応は、無溶媒中で進行するが、必要に応じて酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ミネラルスピリット、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン等の芳香族系溶剤、ジアルキルポリアルキレングリコールエーテル等のイソシアネート基との反応性を有していない有機溶剤、およびそれらの混合物を溶媒として使用する事ができる。
本発明における反応の過程は、反応液のNCO%を測定するか、屈折率を測定する事により追跡できる。
アロファネート化反応は、室温に冷却するか、反応停止剤を添加することにより停止できるが、アロファネート化触媒を用いる場合、反応停止剤を添加するほうが、副反応を抑制することができるために、好ましい。反応停止剤を添加する量は、アロファネート化触媒に対して、好ましくは0.25〜20倍のモル量、より好ましくは0.5〜16倍のモル量、さらに好ましくは1.0〜12倍のモル量である。0.25倍以上で完全に失活させることが可能となる。20倍以下で保存安定性が良好となる。
反応停止剤としては、アロファネート化触媒を失活させるものであれば何を使っても良い。反応停止剤の例としては、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸などのリン酸酸性を示す化合物、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸のモノアルキルあるいはジアルキルエステル、モノクロロ酢酸などのハロゲン化酢酸、塩化ベンゾイル、スルホン酸エステル、硫酸、硫酸エステル、イオン交換樹脂、キレート剤等が挙げられる。工業的にみた場合、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸、およびリン酸モノアルキルエステルや、リン酸ジアルキルエステルは、ステンレスを腐食し難いので、好ましい。リン酸モノエステルや、リン酸ジエステルとして、たとえば、リン酸モノエチルエステルや、リン酸ジエチルエステル、リン酸モノブチルエステルやリン酸ジブチルエステル、リン酸モノ(2−エチルヘキシル)エステルや、リン酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル、リン酸モノデシルエステル、リン酸ジデシルエステル、リン酸モノラウリルエステル、リン酸ジラウリルエステル、リン酸モノトリデシルエステル、リン酸ジトリデシルエステル、リン酸モノオレイルエステル、リン酸ジオレイルエステルなど、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
更に、水を実質的に含有しないリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸は停止剤としてより好ましい。水を含有しない状態で用いた場合は、停止剤と触媒の反応生成物が、析出しやすくなるため、ポリイソシアネート組成物中に停止剤と触媒の反応生成物が残留しにくくなるという効果がある。更に、水を含有しない状態で用いると、水とイソシアネートの反応生成物がポリイソシアネート中に混入しないために、ポリイソシアネートの粘度上昇がなく、また有機溶剤に対する希釈性を低下することもないという効果もある。なお、本発明でいう実質的に水を含有しないとは、上記の効果が発現される程度であれば水を含んでも良いと言うことであり、その目安を言えば、停止剤に対して、好ましくは5.0質量%未満、より好ましくは2.0質量%未満、更に好ましくは0.50質量%未満である。
また、シリカゲルや活性炭等の吸着剤を停止剤として用いることも可能である。
反応終了後、ポリイソシアネート組成物からは、未反応のジイソシアネートや溶媒を分離しても良い。安全性を考えると、未反応のジイソシアネートは分離した方が好ましい。未反応のジイソシアネートや溶媒を分離する方法として、例えば、薄膜蒸留法や溶剤抽出法が挙げられる。
本発明における反応は、一つの反応器で、ウレタン化反応、アロファネート化反応を行うことができる。または、二つの反応器を連結し、ウレタン化反応の工程とアロファネート化反応の工程を分けて実施することが出来る。または数基の反応器を縦に並べて配置する事により、連続的に実施する事ができる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、シリケート系の化合物と混合して使用することもできる。シリケート系の化合物と混合することによって、コーティング組成物から、得られた塗膜の耐汚染性を改良することが可能となる。
本発明のコーティング組成物で用いる主剤ポリオールとしては、例えば脂肪族炭化水素ポリオール類、含フッ素系ポリオール類、含ケイ素系ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エポキシ樹脂類、アクリルポリオール類、及びアルキドポリオール類等の中の1種類またはその混合物などが挙げられる。これらのポリオールは、本発明のポリイソシアネート組成物及びアニリン点30〜65℃の有機溶剤と混合した際に、均一に溶解、あるいは分散する必要がある。
その中でも低極性有機溶剤に溶解している主剤ポリオール、あるいは分散しているいわゆるNAD系の主剤ポリオールは、塗り替え作業の際に旧塗膜を侵しにくいので好ましい。更に低極性有機溶剤がアニリン点30〜65℃の有機溶剤であれば、旧塗膜を一段と侵しにくいためより好ましく、PRTR対象物質を含有していなければ環境へ与える影響が小さくなるため更に一層好ましい。
低極性有機溶剤に溶解あるいは分散しているポリオールの中では、アクリルポリオール、含フッ素系ポリオール、含ケイ素系ポリオールは耐候性が優れているために好ましい。特に含フッ素系ポリオールは極めて耐光性が優れているため、より一層好ましい。
本発明で用いる主剤ポリオールは、上記のポリオールを単独で用いても、混合して用いても良い。
本発明の主剤ポリオールの水酸基価は、1〜300mgKOH/g、好ましくは4〜250mgKOH/g、より好ましくは8〜200mgKOH/gである。1mgKOH/g以上で架橋が十分となる。300mgKOH/g以下であれば塗膜の柔軟性が十分である。
本発明のコーティング組成物のイソシアネート基と水酸基のモル比は、好ましくは10/1〜1/10、より好ましくは5/1〜1/5、さらに好ましくは3/1〜1/3である。イソシアネート基と水酸基のモル比が10/1〜1/10の範囲であれば架橋能力が十分である。
本発明の低極性有機溶剤型コーティング組成物中に含まれるアニリン点30〜65℃の有機溶剤の量は、ポリイソシアネート組成物中に含まれている量を含めて、コーティング組成物の好ましくは5〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは20〜80質量%である。
本発明のポリイソシアネート組成物、コーティング組成物中には、目的及び用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の当該技術分野で使用されている各種添加剤を混合して使用することもできる。これらは、主剤ポリオール組成物中、ポリイソシアネート組成物中、硬化剤組成物中いずれに含有していても良い。
硬化促進用の触媒の例としては、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウレート、ジブチルスズジアセテート等のジアルキルスズジカルボキシレートや、ジブチルスズオキサイド等のスズオキサイド化合物、2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸亜鉛、コバルト塩等の金属カルボン酸塩、トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−エンドエチレンピペラジン、及びN,N’−ジメチルピペラジンのような3級アミン類等があげられる。
本発明は、特定のジオールを原料としたアロファネート基を有するポリイソシアネートと、極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤とからなるポリイソシアネート組成物、及び該ポリイソシアネート組成物と主剤ポリオール及び極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤を含有した低極性有機溶剤型コーティング組成物である。
本発明で用いている有機溶剤は極めて極性が低いため、溶解力が非常に小さく、塗り替え作業の際に、化学的に非常に脆弱な塗膜や痛んだ塗膜でも下地を侵し難いという特徴を有している。つまり、脆弱な塗膜の場合でも、塗り替え作業の際、旧塗膜のリフティングが起こりにくくなる。また、補修作業、重ね塗り作業を行う場合も、下地塗膜を侵すことなく、上塗りが可能となる。更に本発明で用いている極めて極性が低い特定のアニリン点を有する有機溶剤は低臭気という性質を併せ持つため、塗装作業者や、近くの人に臭気を及ぼし難いという特徴も有する。更に、極めて極性が低い有機溶剤として、芳香族成分を含有しないイソパラフィン系やナフテン系などの有機溶剤を用いることによって、トルエン、キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン等のいわゆるPRTR対象物質を含有しない塗料組成物を作ることも可能となる。本発明のコーティング組成物から得られた塗膜は、緻密な架橋構造を作ることができるので、良好な外観、優れた耐候性に加え、耐擦り傷性が優れているという特徴を有している。
従って、本発明のポリイソシアネート組成物を用いた低極性有機溶剤型コーティング組成物は、塗料、インキ、接着剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック材料の原料として使用することができる。中でも、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に用いることができる。特に、塗り替え用途の建築外装塗料、重防食用途に適している。
本発明を実施例に基づいて説明する。
数平均官能基数は、(数平均分子量×NCO含有率)/42で求めた。
数平均分子量は、GPC(使用機器:HLC−8120(商品名、東ソー株式会社製)、使用カラム:TSK GEL SuperH1000、TSK GEL SuperH2000、TSK GEL SuperH3000(何れも商品名、東ソー株式会社製)、試料濃度:5wt/vol%、キャリア:THF、検出方法:視差屈折計、流出量0.6ml/min.、カラム温度30℃)を用いて測定した。GPCの検量線は、分子量50000〜2050のポリスチレン(ジーエルサイエンス株式会社製、商品名、PSS−06(Mw50000)、BK13007(Mp=20000、Mw/Mn=1.03)、PSS−08(Mw=9000)、PSS−09(Mw=4000)、5040−35125(Mp=2050、Mw/Mn=1.05))と、HDI系ポリイソシアネート組成物(商品名、デュラネートTPA−100、旭化成ケミカルズ株式会社製)のイソシアヌレート体の3量体〜7量体(イソシアヌレート3量体分子量=504、イソシアヌレート5量体分子量=840、イソシアヌレート7量体分子量=1176)及びHDI(分子量=168)を標準として作成した。
アロファネート基とイソシアヌレート基の比は、H−NMR(Bruker社製、商品名、FT−NMR DPX−400)を用いて、8.5ppm付近のアロファネート基の窒素原子上の水素のシグナルと、3.8ppm付近のイソシアヌレート基のイソシアヌレート環の窒素原子の隣のメチレン基の水素のシグナルの面積比から求めた。
ウレトジオン体の含有量の測定は、上記記載のGPCの分子量336程度のピークの面積の割合を測定することで求めた。
NCO含有率は、イソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。
粘度は、E型粘度計(株式会社トキメック社)を用いて25℃で測定した。
標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下の通り。
100r.p.m. (128mPa.s未満の場合)
50r.p.m. (128mPa.s〜256mPa.sの場合)
20r.p.m. (256mPa.s〜640mPa.sの場合)
10r.p.m. (640mPa.s〜1280mPa.sの場合)
5r.p.m. (1280mPa.s〜2560mPa.sの場合)
ゲル分率は、塗膜約0.1gをアセトン中に20℃で24時間浸漬し、塗膜取り出し後、80℃1時間乾燥した塗膜の質量から求めた。
低極性有機溶剤への溶解性は、20℃の条件で、ポリイソシアネート組成物に対して、低極性有機溶剤を攪拌しながら徐々に加えていき、濁り始めた時点の質量を測定し、以下の式で求めた。
低極性有機溶剤への溶解性=((濁り始めた時点の低極性有機溶剤の質量(g)×100%)/(ポリイソシアネートの質量(g))
[実施例1]
攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた四ッ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI 800gと12−ヒドロキシステアリルアルコール(商品名「ソバモール912」、コグニスジャパン株式会社製、水酸基価:345〜365mgKOH/g)50.6gを仕込み、攪拌化130℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液(日本化学産業株式会社製、商品名「ニッカオクチックスジルコニウム12%」をミネラルスピリットで希釈したもの)を0.51g加えた。30分後、反応液の屈折率の上昇が0.0035となった時点で、ピロリン酸の固形分50%ブタノール溶液(太平化学産業製、商品名「工業用リン酸(105%)」をブタノールで固形分50%に希釈したもの)を0.070g(触媒に対して1.05倍モル)を加え、反応を停止した。
流下式薄膜蒸留装置を用いて、1回目160℃(27Pa)、2回目150℃(13Pa)で未反応のHDIを除去した。
得られたポリイソシアネートは透明の液体であり、収量170g、粘度750mPa.s、NCO含有率16.6%、数平均の官能基数は3.9であった。NMRを測定した所、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は97/3であり、ウレトジオン体の含有量は4質量%であった。Aソルベント(新日本石油製の低極性有機溶剤、アニリン点45℃)に対する溶解性は、2000%以上であった。また、ミネラルスピリット(キシダ化学製の試薬、アニリン点56℃)に対する溶解性は2000%以上、LAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社製、アニリン点43℃)に対する溶解性は2000%以上、シェルゾールS(イソパラフィン系の溶剤、シェルケミカルズジャパン株式会社製、アニリン点78℃)と酢酸ブチルを70/30の重量比で混合した溶剤(アニリン点44℃(実測値)、JIS K 2256に記載の方法で測定)に対する溶解性は2000%以上であった。このポリイソシアネートをP−1とする。
P−1 80gとAソルベント20gを混合し、透明なポリイソシアネート組成物を得た。
[実施例2]
実施例1と同様の装置に、HDI 1084gとダイマー酸を還元したジオール(商品名「ソバモール908」、高純度ダイマーアルコール、分子式:C36H72O2、分子量:約536、水酸基価=190〜220mgKOH/g、コグニスジャパン株式会社製)118gを仕込み、攪拌化130℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化触媒として実施例1と同様に2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.42g加えた。30分後、反応液の屈折率の上昇が0.0036となった時点で、ピロリン酸の固形分50%ブタノール溶液0.058g(触媒に対して1.05倍モル)を加え、反応を停止した。
次いで、実施例1と同様の方法で未反応のHDIを除去した。
得られたポリイソシアネートは透明の液体であり、収量270g、粘度1700mPa.s、NCO含有率13.9%、数平均の官能基数は4.2であった。NMRを測定した所、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は97/3であり、ウレトジオン体の含有量は4質量%であった。LAWS(シェルジャパンの低極性有機溶剤、アニリン点44℃)に対する溶解性は2000%以上であった。また、ミネラルスピリット(キシダ化学製の試薬、アニリン点56℃)に対する溶解性は2000%以上であり、Aソルベント(新日本石油化学株式会社製、アニリン点45℃)に対する溶解性は2000%以上、シェルゾールS(イソパラフィン系の溶剤、シェルケミカルズジャパン株式会社製、アニリン点78℃)と酢酸ブチルを70/30の重量比で混合した溶剤(アニリン点44℃(実測値)、JIS K 2256に記載の方法で測定)に対する溶解性は2000%以上であった。このポリイソシアネートをP−2とする。
P−2 20gとシェルゾールS/酢酸ブチルを70/30の重量比で混合した溶剤 80gを混合し、透明なポリイソシアネート組成物を得た。
[比較例1]
合成例1と同様の装置にHDI 500gと2−エチル−ヘキサノール50gを仕込み、攪拌下90℃1時間ウレタン化反応を行った。イソシアヌレート化/アロファネート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエート0.03gを加えた。3時間後、反応液の屈折率の上昇が0.015となった時点で、リン酸の85%水溶液0.07gを加え、反応を停止した。
次いで、実施例1と同様の方法で未反応のHDIを除去した。
得られたポリイソシアネートは透明の液体であり、収量258g、粘度410mPa.s、NCO含有率17.6%、数平均の官能基数は2.5であった。NMRを測定した所、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は63/37であり、ウレトジオン体の含有量は1質量%以下であった。ミネラルスピリット(キシダ化学製の試薬、アニリン点56℃)に対する溶解性は、450%であった。また、LAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社製、アニリン点43℃)に対する溶解性は、400%、Aソルベント(新日本石油化学株式会社製、アニリン点45℃)に対する溶解性は400%、シェルゾールS(イソパラフィン系の溶剤、シェルケミカルズジャパン株式会社製、アニリン点78℃)と酢酸ブチルを70/30の重量比で混合した溶剤(アニリン点44℃(実測値)、JIS K 2256に記載の方法で測定)に対する溶解性は400%であった。このポリイソシアネートをH−1とする。
[比較例2]
合成例1と同様の装置にHDI 500gと2−エチル−ヘキサノール15gを仕込み、攪拌下90℃1時間ウレタン化反応を行った。イソシアヌレート化/アロファネート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエート0.03gを加えた。3時間後、反応液の屈折率の上昇が0.011となった時点で、リン酸の85%水溶液0.07gを加え、反応を停止した。
次いで、実施例1と同様の方法で未反応のHDIを除去した。
得られたポリイソシアネートは透明の液体であり、収量143g、粘度500mPa.s、NCO含有率%、数平均の官能基数は2.8であった。NMRを測定した所、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は35/65であり、ウレトジオン体の含有量は1質量%以下であった。ミネラルスピリット(キシダ化学製の試薬、アニリン点56℃)に対する溶解性は40%であった。このポリイソシアネートをH−2とする。
[比較例3]
市販のHDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTKA−100P」、旭化成株式会社製、粘度2600mPa.s、NCO含有率=21.4%)を比較例3のポリイソシアネートH−3として使用する。数平均官能基数は3.4であった。また、ミネラルスピリット(キシダ化学製の試薬、アニリン点56℃)に対する溶解性は、10%以下であった。
[比較例4]
実施例1と同様の装置に、HDI 1200gと2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(和光純薬株式会社製の試薬)38.2gを仕込み、攪拌化130℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化触媒として実施例1と同様に2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.45gを加えた。30分後、反応液の屈折率の上昇が0.0035となった時点で、ピロリン酸の固形分50%ブタノール溶液0.060g(触媒に対して1.05倍モル)を加え、反応を停止した。
次いで、実施例1と同様の方法で未反応のHDIを除去した。
得られたポリイソシアネートは透明の液体であり、収量210g、粘度1600mPa.s、NCO含有率19.5%、数平均の官能基数は3.8であった。NMRを測定した所、アロファネート/イソシアヌレートのモル比は97/3であり、ウレトジオン体の含有量は4質量%であった。ミネラルスピリット(キシダ化学製の試薬、アニリン点56℃)に対する溶解性は10%であった。また、シェルゾールSと酢酸ブチルを70/30の重量比で混合した溶剤(アニリン点44℃(実測値)、JIS K 2256に記載の方法で測定)に対する溶解性は10%であった。このポリイソシアネートをH−4とする。
[実施例3〜4]
実施例1、2で得たポリイソシアネートP−1、P−2を用いて、低極性有機溶剤型アクリルポリオール(商品名「ヒタロイド6500」、水酸基価=38mgKOH/g(固形分計算値)、Tg=38℃、固形分=50%、粘度=9000mPa.s、希釈溶剤=ミネラルターペン/ソルベッソ100=41/9(アニリン点31℃(実測値)、ミネラルスピリット(Mineral Turpentine、キシダ化学製の試薬)/ソルベッソ100(商品名、エクソンモービル有限会社製)=41/9(質量比)で混合した溶剤のアニリン点、JIS K 2256に記載の方法で測定)、日立化成工業株式会社製)とイソシアネート基/水酸基のモル比が1/1で塗料組成物を調製した。希釈溶剤としてはAソルベント(新日本石油化学株式会社、アニリン点45℃)を用いて、フォードカップNo.4で15秒に調整した。混合した際の塗料外観を表1に記す。
得られた塗料をスプレー塗装にて膜厚が40ミクロンになるように塗布した。塗膜の状態と20℃で16時間乾燥した場合のゲル分率の結果を表1に示す。なお、表1では、ゲル分率45%以上を◎、35〜45%を○、25〜35%を△、25%未満を×という記号で記す。
[比較例5〜9]
合成例1で得たモノアルコールのアロファネート体M1及び比較例1〜4で得たポリイソシアネートH−1〜H−4を用いて実施例15と同様の主剤、NCO/OH比、希釈溶剤で塗料組成物を調整した(フォードカップNo.4で15秒に調整)。混合した際の塗料外観を表1に記す。
得られた塗料をスプレー塗装にて膜厚が40ミクロンになるように塗布した。塗膜状態と20℃で1日乾燥した場合のゲル分率の結果を表1に示す。
Figure 0004476057
本発明のポリイソシアネート組成物を用いたコーティング組成物は、塗料、インキ、接着剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック材料の原料として使用することができる。中でも、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に用いることができる。特に、塗り替え用途の建築外装塗料、重防食用途に適している。

Claims (3)

  1. A)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、それらから得られるイソシアネートプレポリマーから選ばれる少なくとも1種類のイソシアネート化合物と、炭素数が12〜60の分岐を有するジオールとを、アロファネート化触媒の存在下に反応させて得られ、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が100/0〜75/25であり、ウレトジオン体の含有量が15質量%以下であり、以下の構造(1)で表されるポリイソシアネート化合物を含有するポリイソシアネートと、
    Figure 0004476057
    (図中、Rはジオールから水酸基を除いた残基。Rは脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、それらから得られるイソシアネートプレポリマーから選ばれる少なくとも1種類のイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた残基。)
    B)アニリン点が30〜65℃の有機溶剤
    とを含有する、ポリイソシアネート組成物。
  2. イ)水酸基価1〜300mgKOH/gの主剤ポリオール、ロ)請求項1のA)に記載のポリイソシアネート、ハ)アニリン点30〜65℃の有機溶剤を含有する、低極性有機溶剤型コーティング組成物。
  3. 主剤ポリオールが含フッ素系ポリオールである、請求項2記載の低極性有機溶剤型コーティング組成物。
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