JP3889500B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、保存性の改善された感熱記録材料に関し、詳しくは、フェノール誘導体および特定の芳香族化合物を含有することによって、地肌部の白色性が高く、耐熱性、耐光性、耐油性などの保存性の改善された感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
感熱記録材料は、通常、無色ないし淡色の発色性物質(発色性物質染料ともいう。)と熱の作用を受けると発色性物質を発色させる顕色剤とを、増感剤、バインダーおよびその他の添加剤とともに、紙、合成紙、プラスチックフィルムまたはシートなどの支持体表面に塗布することにより製造されている。そして、記録装置において、サーマルヘッドや熱ペンなどの発熱素子が接触した時に、発色性物質と顕色剤が反応して黒色などに発色して記録される。かかる記録体は、他の記録体に比較して現像や定着などの煩雑な処理を施すことがなく、比較的簡単な装置でしかも短時間で記録が得られること、騒音の発生が少ないことや環境汚染が少ないこと、コストが安いことなどの利点があるために、図書、文書などの複写ばかりでなく、各種計測用記録紙、コンピューター、ファクシミリ、テレックス、乗車券等自動販売機、プリペイドカード、ラベルなどの記録材料として広く使用されている。
【0003】
従来の感熱記録材料においては、発色性物質(ロイコ染料)、これを熱的に発色させる顕色剤および必要に応じて用いられる増感剤を適切に組み合わせて用いることにより、初期の発色感度および地肌部の汚れ(地肌カブリ)の観点からは実用上満足し得るものが得られている。
【0004】
しかしながら、これらの感熱記録材料を日光や照明などに長時間暴露した場合には、印字部がかすんだりあるいは消えてしまうばかりでなく、地肌部が黄変してしまう欠点があり、ファクシミリ受信紙やワープロ、パソコンなどのプリントアウトしたものを机上に放置した場合には、記録画像が不鮮明となり、文書保存面でも問題となっている。
【0005】
さらに、従来の感熱記録材料は耐光性に劣るばかりでなく、高温および/または多湿の条件下に保存した場合にも同様に、印字部が消色したり地肌カブリが発生するなどの欠点があり、感熱記録材料の保存性を改善することが強く求められていた。
【0006】
これまでもこの保存性の改善のため、顕色剤として新たな化合物を導入する試みはいくつか行われてきた。例えば、特開昭60−6489号公報、特開昭63−17082号公報などのように、従来から用いられているビスフェノールA等の顕色剤に代わるフェノール化合物が提案されており、いずれも発色部の保存性は向上している。しかしながら、感度、耐熱性、耐油性、耐光性、または非発色部の安定性の点で何らかの欠点を有しており、実用上は到底満足できるものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の現状に鑑み、感熱記録材料の保存安定性を著しく改善するために鋭意検討を重ねた結果、特定のフェノール誘導体および芳香族化合物を感熱記録材料に含有させることによってこの目的が達成されることを見い出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、少なくとも発色性物質染料及び顕色剤を有する感熱記録層を支持表面に設けてなる感熱記録材料において、前記感熱記録層中に下記一般式(I)で表されるフェノール誘導体の少なくとも1種、および下記一般式(II)で表される芳香族化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする感熱記録材料である。以下、上記要旨をもってなる本発明の感熱記録材料についてさらに詳細に説明する。
【0009】
(式中R、Rは、同一でも異なっていてもよく各々独立に置換基を有してもよいアルキル基もしくは芳香族基またはアルキレン基または複素環式基を表し、いずれか一方は常に置換基を有していてもよい芳香族基であり、nは1または2を表し、nが2である場合の2つのZおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Zは、
−SO−,−SONH−,−ORO−,又は,−R
で表される2価の結合基を表し、式中Rは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表す。)
【0010】
本発明で感熱記録材料に添加する上記一般式(I)で表されるフェノール誘導体の具体的な代表例としては、次に示す化合物が挙げられる。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
本発明で用いられるフェノール誘導体の使用量は、要求される性能および記録適性、発色性物質染料あるいは併用される他の添加剤の種類および使用量によっても変わるため、特に限定されるものではないが、通常、発色性物質染料1重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部が使用される。フェノール誘導体の使用量が発色性物質染料1重量部に対して0.01重量部未満の場合には保存性の改善効果が乏しく、また、10重量部を越えて使用してもその効果はそれ以上大きくならず不経済である。
【0015】
本発明で用いられる一般式(I)で表されるフェノール誘導体の製造は、ヒドロキシ安息香酸メチル、シクロヘキサンジメタノールおよび触媒を有機溶媒中で加熱し、エステル交換反応によって簡単に合成することができる。
【0016】
本発明で用いられる芳香族化合物は、上記一般式(II)で表される。
式中、n=1のときのR1、R2で表される置換基を有していてもよい芳香族基としては、次に示す構造が挙げられる。
【0017】
【化6】
【0018】
n=2の場合のR1で表される芳香族基としては、次に示す構造が挙げられる。
【0019】
【化7】
【0020】
式中、R1、R2のアルキルまたはR4、R5であらわされる炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、R1で表されるアルキレン基としてはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等が挙げられ、R1、R2で表される複素環式基としては、例えば、モルホリル、ピペリジル、ピリジル等が挙げられ、R4、R5で表されるアルコキシ基としては上記アルキル基から誘導されるアルコキシ基が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素が挙げられ、R3で表される炭素原子数1〜3のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレンが挙げられる。なお、R2はアルキレン基ではなく、n=2のときR1はアルキル基ではない。
【0021】
一般式(II)で表される芳香族化合物の具体的な代表例としては、次に示す化合物が挙げられる。
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
本発明で用いる上記芳香族化合物の使用量は、その種類、要求される性能および記録適性、発色性物質染料あるいは併用される他の添加剤の種類および使用量によっても変わるため、特に限定されるものではないが、通常、フェノール誘導体1重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部が使用される。芳香族化合物の使用量がフェノール誘導体1重量部に対して0.1重量部未満の場合には発色感度が不十分となり、また、5重量部を越えて使用してもその効果はそれ以上大きくならず不経済である。
【0035】
本発明の感熱記録材料は、通常の感熱記録材料に使用できる無色ないし淡色の発色性物質染料を使用することができる。
【0036】
本発明で使用できる発色性物質染料の具体例には、以下のものがある。
(1)3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル−3−インドリル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル−3−インドリル)フタリド、3,3−ビス(9−エチル−3−カルバゾリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル−3−インドリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス〔2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド系化合物;(2)4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系化合物;(3)ローダミン−β−アニリノラクタム、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(4−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオランなどのキサンテン系化合物;(4)ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなどのチアジン系化合物;(5)3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピランなどのスピロ系化合物;(6)その他3,5’,6−トリス(ジメチルアミノ)−スピロ〔9H−フルオレン−9,1’(3’H)−イソベンゾフラン〕−3’−オン、1,1−ビス〔2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロ(3H)イソベンゾフラン−3−オン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドなどが挙げられる。
また、多色感熱記録に用いる場合の、レッド、グリーン、ブルー、イエロー、マゼンタ、シアン等の染料としては、例えば、米国特許第4800148号、特開平3−72358号公報等に記載の染料を参考に用いることができる。更に、これらの染料は数種類を混合して用いることもできる。
【0037】
また、本発明で用いられるフェノール誘導体は、それ自身顕色剤としての効果を奏するので、他の顕色剤を用いる必要はないが、発色感度を増大させる必要がある場合は、フェノール系、カルボン酸系あるいは金属塩系などの周知の顕色剤を併用することができる。また、これらの他の顕色剤を併用することによって本発明のフェノール誘導体の使用量を低減することもできる。
【0038】
これらの顕色剤としては、たとえば、p−オクチルフェノール、p−第三ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−第三オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノール−A、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エトキシ〕メタン、4−(4−イソプロポキシベンゼンスルホニル)フェノール、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、3,5−ジ第三ブチルサリチル酸、2,4−ジヒドロキシベンズアニリド、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド、2,4−ジヒドロキシ−2’,4’−ジメチルベンズアニリド、2,4,−ジヒドロキシ−2’−メトキシ−5’−メチルベンズアニリド、ビス(4−(2,4−ジヒドロキシフェニルカルボニルアミノ)−3−メトキシフェニル)メタン、4−メチルベンゼンスルホン酸−2−ヒドロキシアニリドなどのフェノール類、レゾルシノール類、安息香酸などの有機カルボン酸、サリチル酸亜鉛などの金属塩が挙げられ、特にフェノール系の顕色剤を用いることが好ましい。
【0039】
さらに、必要に応じて消色剤を併用することもでき、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,8−オクタンジカルボン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1,8−オクタンジカルボン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1−メチル−4−ピペリジル)等のピペリジン類、N,N’−ジステアロイルピペラジン等のピペラジン類、1,3−ジシクロヘキシル−2−フェニルグアニジン、1,3−ジシクロヘキシル−2−(2,5−ジメチルフェニル)グアニジン、1,3−ジ−O−トリルグアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン等のグアニジン類、N,N’−ジフェニルホルムアミジン、N,N’−ビス(2−メチルフェニル)ホルムアミジン、N,N’−ジフェニルベンズアミジン、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N’−フェニルベンズアミジン等のアミジン類、N,N’−イソフタロイルジ(N−シクロヘキシル−N−メチルアミド)、N,N’−テレフタロイルジ(N−フェニル−N−エチルアミド)等の芳香族ジカルボン酸ジアミド類、4,4’−ジチオジモルホリン等のモルホリン類が挙げられ、単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。
【0040】
本発明の感熱記録材料の発色感度を高めるために他の増感剤を併用することも可能であり、たとえば、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、サリチル酸ドデシルエステル亜鉛塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの有機酸の金属塩;ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチロールアミド、ステアロイル尿素、アセトアニリド、アセトトルイジド、安息香酸ステアリルアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオクチル酸アミドなどのアミド化合物;1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、p−ベンジロキシビフェニル、ジフェニルカーボネート、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ジベンジルオキザレート、ビス(4−メチルベンジル)オキザレート、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸ベンジル、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、メチレンジベンゾエート、1,4−ビス(2−ビニロキシエトキシ)ベンゼン、2−ベンジロキシナフタレン、4−ベンジロキシ安息香酸ベンジル、ジメチルフタレート、テレフタル酸ジベンジル、ジベンゾイルメタン、p−トルエンスルホン酸アニリド、4−メチルフェノキシ−p−ビフェニル等を用いることができる。
【0041】
本発明の感熱記録材料は、保存安定性に優れるが、より高い保存安定性を付与する目的でオーバーコート層を設けてもよく、また、発色感度を向上させるためにアンダーコート層を設けてもよい。
上記オーバーコート層としては、例えば、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂等を塗布したのち硬化させ皮膜を形成するか、皮膜の形成が可能なラテックスや水溶性高分子化合物をコーティングして形成され、エポキシ化合物等の架橋剤または硬化剤を併用してもよい。コーティングには、公知のいかなる方法を用いてもよく、コート層の厚さもなんら限定されるものではなく、所望の性能になるように適宜選択される。
また、上記アンダーコート層としては、例えば、無機顔料および/又は有機顔料と接着剤とを主成分とする層、発泡性フィラーと接着剤とを主成分とする層、粒状および/又は繊維状の無機および/又は有機中空材料と接着剤とを主成分とする層、水溶性高分子化合物または水分散性高分子化合物を含有する水溶液を機械的に発泡させて得た塗液で形成された発泡層等の断熱性に優れた素材を用いることで、少ないエネルギーによる発色が可能となる。該アンダーコート層においても、そのコーティング方法やコート層の厚さは特に限定されるものではなく、所望の性能になるように適宜選択される。
【0042】
また、特に高度の保存安定性が要求される場合には必要に応じて公知の保存安定剤を併用することもできる。
【0043】
本発明の感熱記録材料に使用することのできる保存安定剤としては、たとえば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(2,6−ジメチル−4−第三ブチル−5−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート等が挙げられ、これらの保存安定剤は、通常、発色性物質染料1重量部に対して0.1〜10重量部が使用される。
【0044】
また、特に高度の耐光性が要求される場合には必要に応じて、上記感熱記録層および/又は上記オーバーコート層中に通常使用できる範囲で公知の紫外線吸収剤を用いることもできる。
【0045】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’−5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2’−ヒドロキシー3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2”−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、5−第三ブチル−3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシベンゼン−ープロピオン酸オクチル、メチル−3−〔3−第三ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコールの縮合物、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−第二アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0046】
本発明で用いられる前記一般式(I)で表されるフェノール誘導体、前記一般式(II)で表される芳香族化合物、発色性物質染料、必要に応じて用いられる他の顕色剤および他の増感剤、保存安定剤、消色剤、紫外線吸収剤等は、通常、ボールミル、アトライザー、サンドグラインダーなどの磨砕機あるいは適当な乳化装置により微粒化され、目的に応じてさらに各種の添加材料を加えて塗液とする。
【0047】
この塗液には、通常、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド重合体、澱粉類、スチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体またはこれらの変性物などの結合剤、カオリン、シリカ、珪藻土、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、メラミンなどの充填剤を配合することができ、この他に金属石けん類、アマイド類、ワックス類、光安定剤、耐水化剤、分散剤、消泡剤などを必要に応じて使用することができる。
【0048】
この塗液を紙または各種フィルム類に塗布することによって、目的とする感熱記録材料が得られ、得られた感熱記録材料はファクシミリ用紙、プリンター用紙、ラベル、値札、切符などの感熱記録材料が応用される各種の用途に用いることができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例によってなんら制限を受けるものではない。
【0050】
(実施例1及び比較例1)3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン20gおよび10%ポリビニルアルコール水溶液100gをボールミルで十分に磨砕して分散液A−1とした。
【0051】
表−1に示す試料化合物20gをl0%ポリビニルアルコール水溶液100gとともにボールミル中で充分に磨砕して分散液B−1を得た。
【0052】
ジ−(4−メチルベンジル)オキザレート(化合物No.II−1)20gを10%ポリビニルアルコール水溶液100gとともにボールミルで充分に磨砕して分散液C−1を得た。
【0053】
上記分散液A−1、B−1およびC−1を1:2:2の重量比で混合し、混合液200gに対し炭酸カルシウム50gを添加し、充分に分散させて塗液とし、この塗液を50g/m2の基紙上に厚さ32μmで塗布し、乾燥して感熱記録材料を得た。
【0054】
得られた感熱記録材料を用い、感熱印字装置(REX−F4:株式会社大倉電機製)を用いて、温度160℃×5secで印字した記録像の発色濃度および地肌部の濃度(初期濃度)を、マクベス濃度計(マクベス社製RD−933型)により測定した。
【0055】
この発色させた感熱記録材料を60℃、乾燥の条件下で24時間保存し、地肌および発色部の濃度変化を測定し、耐熱保存安定性を評価した。その結果を表−1に示す。
【0056】
また、この発色させた感熱記録材料をカーボンアークフェードメーター中に入れ、6時間照射した後の印字部の濃度を測定し、耐光保存安定性を評価した。尚、地肌部の濃度については黄色フィルターを用いて測定した。その結果を表−1に示す。
【0057】
さらに、この発色させた感熱記録材料の印字部および地肌部にジオクチルフタレートをスタンプした後、40℃、乾燥の条件下で24時間保存した後の濃度を測定し、耐油性を評価した。その結果を表−1に示す。
【0058】
【表1】
A−1:発色性物質染料
a−1:3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
B−1:フェノール誘導体(試料化合物)
C−1:芳香族化合物(ジ−(4−メチルベンジル)オキザレート)
【0059】
【化20】
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】
【0062】
(実施例2及び比較例2)3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン20gおよび10%ポリビニルアルコール水溶液100gをボールミルで十分に磨砕して分散液A−2とした。
【0063】
1,4−シクロヘキサンジメタノール−ビス−(p−ヒドロキシ安息香酸)エステル(化合物No.I−1)20gを10%ポリビニルアルコール水溶液100gとともにボールミル中で充分に磨砕して分散液B−2を得た。
【0064】
表−2に示す試料化合物20gを10%ポリビニルアルコール水溶液100gとともにボールミルで充分に磨砕して分散液C−2を得た。
【0065】
上記分散液A−2、B−2およびC−2を1:2:2の重量比で混合し、混合液200gに対し炭酸カルシウム50gを添加し、充分に分散させて塗液とし、この塗液を50g/m2の基紙上に厚さ32μmで塗布し、乾燥して感熱記録材料を得た。
【0066】
得られた感熱記録材料を用い、感熱印字装置(TH−PMD:株式会社大倉電気製)を用いてパルス幅0.8msecで印字した記録像(印字部)の発色濃度および地肌の濃度を、マクベス濃度計(マクベス社製RD−933型)により測定し、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表−2に示す。
【0067】
【表2】
A-2 :発色性物質染料)
a-2 3-(N- エチル -N- イソアミルアミノ )-6- メチル -7- アニリノフルオラン )
B-2 :フェノール誘導体( 1,4- シクロヘキサンシ゛メタノールヒ゛ス (p- ヒト゛ロキシ安息香酸 ) エステル)
C-2 :芳香族化合物(試料化合物 )
比較化合物4: ステアリン酸アミド
比較化合物5: ステアリン酸亜鉛
【0068】
実施例から明らかなように、本発明に係る以外のフェノール誘導体を用いた場合は初期の発色濃度は優れるものの、保存性の低下が著しく、地肌部の保存安定性も満足できるものではなかった。また比較化合物4、比較化合物5のような脂肪族化合物を用いた場合では初期の発色が弱く、実用的な発色部の濃度として満足出来るものではない。
【0069】
これに対し、本発明のフェノール誘導体と芳香族化合物とを含有した感熱記録材料は、初期の発色濃度に優れるばかりでなく、耐熱性、耐光性、耐油性のいずれの試験においても発色部の退色がほとんどなく、極めて信頼性の高い記録が可能であった。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、特定構造のフェノール誘導体および芳香族化合物を含有させることにより、過酷な条件下に保存した後にも、発色部の消色および地肌部の変色の少ない、保存安定性に優れた感熱記録材料が得られる。

Claims (1)

  1. 少なくとも発色性物質染料及び顕色剤を有する感熱記録層を支持表面に設けてなる感熱記録材料において、前記感熱記録層中に、下記一般式(I)で表されるフェノール誘導体の少なくとも一種、および下記一般式(II)で表される芳香族化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする感熱記録材料。
    (式中R、Rは、同一でも異なっていてもよく各々独立に置換基を有してもよいアルキル基もしくは芳香族基またはアルキレン基または複素環式基を表し、いずれか一方は常に置換基を有していてもよい芳香族基であり、nは1または2を表し、nが2である場合の2つのZおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Zは、
    −SO−,−SONH−,−ORO−,又は−R
    で表される2価の結合基を表し、式中Rは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表す。)
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