JP3889411B2 - 放電灯及び放電電極 - Google Patents

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Description

本発明は、放電電極及び放電灯に係り、特に、冷陰極放電電極として用いられる放電電極及びそれを用いた放電灯に関する。
放電灯は一般光源、産業用光源、各種組み込み用光源等として幅広く用いられている。中でも蛍光灯に代表される低圧放電灯は照明光源市場の約半数を占める大きな市場を有している。これら大きな市場を形成する蛍光灯をはじめとする放電灯においては、近年発光効率などの省エネルギーの観点に加えて、省資源、環境負荷低減などの要求が高まってきている。省エネルギーに関しては、同じエネルギでより高い発光強度を得ることが求められており、特にバックライト用などの冷陰極型放電灯では、熱型に比べて相対的に効率が低いため、強い市場要求がある。
これらの解決手段として、陰極材料の開発が活発に行われている。従来用いられているニッケル(Ni)等と比較して、より低い動作電圧でも放電を開始・維持できる材料の探索が続いており、各種の金属・半導体・酸化物などが試みられており、ダイヤモンド粒子をタングステン(W)やタンタル(Ta)等のカソード材の表面に設ける熱電子放出陰極を用いた蛍光体発光装置(特許文献1及び2参照。)が提案されている。
更に、負或いは、金属等の電極に比べて著しく小さい電子親和力を有するダイヤモンドと、ダイヤモンドと同じ炭素からなりかつsp2結合を有するグラファイト或いは非晶質炭素の粒界層を具備する炭素系材料を冷陰極用電極として用いる技術が提案されている(特許文献3参照。)。
特開平10―69868号公報 特開2000―106130号公報 特開2002−298777号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術では、通電電力のほとんどがカソード材において消費され、効率向上は必ずしも充分でなかった。
一方、特許文献3に開示された技術では、従来の冷陰極で用いられているNi等の金属電極に代えて、ダイヤモンド相とグラファイト或いは非晶質炭素層を有する炭素系電極を用いているため、特許文献1及び2に開示された技術よりも、高い効率が得られるものの、放電灯管の放電に起因し、Arのイオン衝撃によるスパッタリングによる電極の損耗の問題があり、結果として、長期間高効率を維持できず、寿命が短いという不具合を有している。
上記問題点を鑑み、本発明は、高効率の二次電子放出と長寿命を両立させた放電電極及びこれを用いた放電灯を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、放電ガスを封入した封入管中に放電電極を備えた放電灯に関する。即ち、本発明の第1の特徴に係る放電灯に用いられている放電電極は、広禁制帯幅半導体の凸部を複数個集合した電子放出層を備え、凸部は、(イ)上部端面と、(ロ)この上部端面の垂直方向から見えない面となる側壁とを備える。そして、上部端面及び側壁に露出した広禁制帯幅半導体の表面のダングリングボンドが水素終端されていることを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、広禁制帯幅半導体の凸部を複数個集合した電子放出層を備える放電電極であって、凸部は、(イ)上部端面と、(ロ)この上部端面の垂直方向から見えない面となる側壁とを備える。そして、上部端面及び側壁において、広禁制帯幅半導体の表面のダングリングボンドが水素終端可能であることを要旨とする。
本発明によれば、高効率の二次電子放出と長寿命を両立させた放電電極及びこれを用いた放電灯を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
又、以下に示す第1〜第3の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る放電灯は、図1に示すように、放電ガス11を封入した封入管9と、この封入管9の内壁の一部に、厚さ50μm〜300μmで塗布された蛍光膜10と、封入管9の両端においてその内部に配置された一対の放電電極(2a,1a,11a,12a;2b,1b,11b,12b)を備えている。封入管9は、例えば、ソーダライムガラスや硼珪酸ガラス等のガラス管を用いれば良い。
一対の放電電極(2a,1a,11a,12a;2b,1b,11b,12b)の内、図1の左側の第1放電電極(2a,1a,11a,12a)は、支持体としての広禁制帯幅半導体(ワイドギャップ半導体)基板1aと、この広禁制帯幅半導体基板1aの表面に形成されたエミッタとしての電子放出層2aと、この広禁制帯幅半導体基板1aの裏面に形成された裏面電極11aと、この裏面電極11aの裏面に形成された高融点金属板12aとを備えている。そして、高融点金属棒13aが高融点金属板12aに溶接され、電気的に接続されている。高融点金属棒13aは、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなる丸棒で、封着金属棒(コバール)14aに溶接され、この封着金属棒14aが封入管9との封止部を貫通している。ここで、「広禁制帯幅半導体(ワイドギャップ半導体)」とは、半導体産業において早くから研究され、実用化進んだシリコン(300°Kにおける禁制帯幅Eg=約1.1eV)や砒化ガリウム(300°Kにおける禁制帯幅Eg=約1.4eV)等よりも禁制帯幅Egの広い半導体材料である。例えば、300°Kにおける禁制帯幅Eg=約2.2eVのテルル化亜鉛(ZnTe)、禁制帯幅Eg=約2.4eVの硫化カドミウム(CdS)、禁制帯幅Eg=約2.7eVのセレン化亜鉛(ZnSe)、禁制帯幅Eg=約3.4eVの窒化ガリウム(GaN)、禁制帯幅Eg=約3.7eVの硫化亜鉛(ZnS)、禁制帯幅Eg=約5.5eVのダイヤモンド及び禁制帯幅Eg=約5.9eVの窒化アルミニウム(AlN)が広禁制帯幅半導体の代表例である。又、炭化珪素(SiC)も、広禁制帯幅半導体の一例である。SiCの300°Kにおける禁制帯幅Egは、3C−SiCで2.23eV、6H−SiCで2.93eV、4H−SiCで3.26eV程度の値が報告されているが、種々のSiCを使用可能である。又上記の種々の広禁制帯幅半導体の2種以上の組み合わせからなる混晶でも構わない。いずれにせよ、本明細書では、「広禁制帯幅半導体」とは、300°Kにおける禁制帯幅が、ほぼ2.2eV以上の半導体を意味すると解釈して構わない。これらの広禁制帯幅半導体及びその混晶中で、特に、300°Kにおける禁制帯幅が3.4eV以上である広禁制帯幅半導体及びその混晶が、負の電子親和力が大きく、電子放出源(エミッタ)として好ましい。
同様に、一対の放電電極(2a,1a,11a,12a;2b,1b,11b,12b)の内の他方、即ち、図1の右側の第2放電電極(2b,1b,11b,12b)も、支持体としての広禁制帯幅半導体(ワイドギャップ半導体)基板1bと、この広禁制帯幅半導体基板1bの表面に形成されたエミッタとしての電子放出層2bと、この広禁制帯幅半導体基板1bの裏面に形成された裏面電極11bと、この裏面電極11bの裏面に形成された高融点金属板12bとを備えている。そして、高融点金属棒13bが高融点金属板12bに溶接され、電気的に接続されている。高融点金属棒13bは、封着金属棒(コバール)14bに溶接され、この封着金属棒14bが封入管9との封止部を貫通している。一対の放電電極(2a,1a,11a,12a;2b,1b,11b,12b)は、矩形板形状、皿形状、棒形状、ワイヤ形状等、様々な形状を採用することができ、特に限定されない。
図2(a)は、図1の左側に示す第1放電電極(2a,1a,11a,12a)のA部に位置する電子放出層2aを拡大して示す図で、縦横にマトリクス状に走行する溝で分離された広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・,Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・を形成した例である。図2(a)に示すように、それぞれの広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面は、任意(ランダム)な平面形状をしているが、図2(b)は、図2(a)を模式化して直方体の形状にして示す。
図2(b)の直方体柱Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,のそれぞれの中心を切る断面に沿った断面図を図3に示す。広禁制帯幅半導体柱Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,jは、それぞれ、第2放電電極に対向する上部端面と、この上部端面の垂直方向から見えない面となる側壁とで凸部を定義している。広禁制帯幅半導体柱Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,jの側壁に露出した広禁制帯幅半導体(広禁制帯幅半導体基板)1の表面のダングリングボンドが水素3で終端されて、電子放出層2aをなしている。幅Wの直方体柱Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,jは、それぞれ幅Sの溝で分離され、これらの直方体柱Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,jの側壁(垂直側壁)のダングリングボンドは、水素(H+)3で終端処理されている。このため、本発明の第1の実施の形態に係る第1放電電極(2a,1a,11a,12a)では、図2及び図3に示すように、第1放電電極主面近傍での電界に対して概ね平行をなす側壁を多数設け、この壁面のダングリングボンドを水素3で終端処理を施しているので、イオン衝突による水素脱離の確率が低減させられている。なお、図1の右側の第2放電電極(2b,1b,11b,12b)は、図2及び図3に示すような構造である必要はない。しかし、第1放電電極(2a,1a,11a,12a)と第2放電電極(2b,1b,11b,12b)とを対称構造にしておけば、第1放電電極(2a,1a,11a,12a)が寿命になったとき、第1放電電極(2a,1a,11a,12a)と第2放電電極(2b,1b,11b,12b)を交換すれば、壁面の水素3によるダングリングボンドの終端が活用できる利点がある。
即ち、本発明の第1の実施の形態に係る放電灯においては、第1放電電極(2a,1a,11a,12a)の主面近傍で、陰極暗部で加速されたイオンがこの第1放電電極面に衝突することによって、上部端面のダングリングボンドを終端している水素3の脱離が生じても、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の壁面には水素終端が残留し、全体としてイオン衝突による水素脱離の確率小さくなっている。水素3の脱離がしにくくなっているので、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の壁面の電子親和力χを低いままに維持でき、電子が放出し易い状態が維持できる。又、衝突するイオンのポテンシャルエネルギを元にしたオージェ中和過程による外部への二次電子放出も効率良く行える。
図4(a)は、広禁制帯幅半導体からなる第1放電電極からの電子放出機構を示したバンド図である。広禁制帯幅半導体の表面からの二次電子放出は、希ガス11のイオンに向けて電子が飛び出す際のオージェ中和過程が主であると言われており、この場合、イオン化エネルギΦi 、バンドギャップΦG、電子親和力χとすると、
Φi > 2(ΦG+χ) ・・・・・・(1)
のときに電子放出する。即ち、電子親和力χが放出に強く関与している。このため、図4(b)に示すように、電子親和力χが正の値をとると、電子放出は大幅に低減してしまう。
広禁制帯幅半導体では、表面のダングリングボンドが水素3で終端処理されているときには、χ<0のいわゆる負の電子親和力特性(NEA)が安定して得られる。
本発明の第1の実施の形態に係る放電灯の電子放出層2aでは、イオン衝撃を受ける主面で水素3の脱離がおきても、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・の側壁(垂直側壁)を多く設けておき、ここのダングリングボンドを水素3を終端処理しておくことによって、電子親和力χの小さい表面を温存し、且つそれを電子が生成する部位の近傍に設けることで、電子が再び基底状態に戻る前に、NEA表面に近づく可能性を高め、そこを介しての外部への電子の脱出を促すことができる。
広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の幅Wは、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面近傍で、オージェ中和により生成された励起電子が、緩和時間内に広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の壁面までに到達できる距離であることが望ましい。
更に、本発明の第1の実施の形態に係る第1放電電極(2a,1a,11a,12a)では、第1放電電極の電子放出層2aの主面となる広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面で受けたイオンによる生成電子が結晶内で移動しうる距離(平均自由行程λ)内に側壁(垂直側壁)までに到達するように、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の幅Wを選ばれており、放出障壁の小さい側壁部からの電子の脱出を効率良く促すことができる。例えば、故意に不純物をドープしないCVDダイヤモンドの電子の平均自由行程λは1〜10μm程度であり(D. Kania et al., Diamond and Related Materials Vol.2, (1993) p.1012)ので、この場合は、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の幅Wは、2λ=2〜20μm程度に選べば良い。ここで、「幅W」は、より一般には、上部端面上において、測られる平均幅Wmeanである。半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面が正方形ならば、幅Wは正方形の一辺の長さである。上部端面が長方形ならば、幅Wは長辺の長さaと短辺の長さbの平均値である:
mean=(a+b)/2 ・・・・・・(2)
即ち、「幅Wmean」は、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面上において、両端の位置が端面となる線分の長さの平均値で定義される。広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面が楕円の場合も長軸の長さをa,短軸の長さをbとして、(2)式でWmeanを定義できる。広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面が真円であれば、Wmeanは真円の直径である。広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面が6角形であれば、互いに対向する辺の間の3つ距離w1,w2,w3の平均値、即ち、両端の位置が端面となる3つの線分の長さのw1,w2,w3の平均値:
mean=(w1+w2+w3)/3 ・・・・・・(3)
で与えられる。より一般的に、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面において、互いに対向する辺の間にn個の距離(線分)w1,w2,w3,・・・・・,wnがあれば、n個の距離(線分)の平均値:
mean=(w1+w2+w3+・・・・・+wn)/n ・・・・(4)
で定義される。なお、原理的には、n個の距離(線分)w1,w2,w3,・・・・・,wnの内の最小値が、広禁制帯幅半導体中の電子の平均自由行程λの2倍以下であれば、効果は期待できるが、効率を考えると、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面上において測られる平均幅Wmeanが広禁制帯幅半導体中の電子の平均自由行程λの2倍以下であることが好ましい。
なお、紫外線励起による光伝導変化を用いるUVセンサの検討からも、ダイヤモンドの電子の平均自由行程λは1〜10μm程度としている例もある。但し、平均自由行程λは結晶粒界に影響されるため、平均自由行程λより充分大きな粒の結晶を用いることが必要である。キャリアの平均自由行程λは広禁制帯幅半導体のキャリアの移動度μに依存する。例えば電子の移動度をμn,素電荷をq,ボルツマン定数をk、絶対温度をT、電子の有効質量をm*とすれば、電子の平均自由行程λは:
λ = (μn/q)(3kTm*1/2 ・・・・・・(5)
で表される。キャリアの平均自由行程λがキャリアの移動度μに依存するということは、キャリアの平均自由行程λは、広禁制帯幅半導体の結晶性及びキャリアの不純物密度に依存するということである。電子の不純物密度が1017cm-3以上の高濃度の場合は、ダイヤモンドの電子の平均自由行程λは1μm以下の値もとりうる。このため、例えば、広禁制帯幅半導体の電子の平均自由行程λは100nm程度であるとすれば、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の幅Wは2λ=200nm以下程度で形成されていることが望ましい。
いずれにせよ、オージェ過程により励起された電子が伝導帯に留まってドリフトする距離内にNEA側壁が存在すれば、電子放出の確率が高まるので、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の幅Wは、2λ程度以下に選べば良い。なお、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・が逆テーパ形状であっても、「幅W」を、「上部端面上において測られる平均幅Wmean」として定義しているので、上部端面の近傍の平均幅Wmeanが重要である。逆テーパ形状であれば、上部端面から電子の平均自由行程λ以上深いところの幅は、上部端面の近傍で定義される平均幅Wmeanでより狭い。しかし、この様に上部端面から電子の平均自由行程λ以上深いところでは、オージェ過程等による電子の励起効率そのものが低下するので、全体としては、その幅の効果が効かない。
又、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・を構成する広禁制帯幅半導体は、単結晶であることが望ましいが、多結晶ならば、平均結晶粒径が、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の幅Wよりも大きくすることが望ましい。
この様に、本発明の第1の実施の形態に係る第1放電電極によれば、放電灯に組み込まれた状態において、広禁制帯幅半導体の水素終端表面での高い二次電子放出効率を活用して、陰極降下電圧を従来の金属陰極に比べて大幅に低減することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る第1放電電極(2a,1a,11a,12a)の電子放出層2aに用いる広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・,Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・の形状は、円柱形状などの種々のバリエーションも可能である。直径が2λ=200nm程度以下に微細化された広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・,Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・の場合は、円柱形状の方が製造が容易である。
図5を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る第1放電電極の電子放出層2aの製造方法を説明する。なお、以下に述べる円柱形状の広禁制帯幅半導体柱Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,Ri,j+2,・・・・を有する電子放出層2aの製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
(イ)まず、広禁制帯幅半導体基板1の表面に図5(a)に示すように、直径が2λ=200nm程度の均一な粒径の粒子Xi,j-1,Xi,j,Xi,j+1,Xi,j+2,・・・・・を含む液状の懸濁樹脂31を塗布する。そして、液状の懸濁樹脂31を気化(乾燥)し、図5(b)に示すように、残留した粒子Xi,j-1,Xi,j,Xi,j+1,Xi,j+2,・・・・・を、広禁制帯幅半導体基板1の表面に固着させる。この結果、広禁制帯幅半導体基板1の表面に、粒子Xi,j-1,Xi,j,Xi,j+1,Xi,j+2,・・・・・がエッチングマスクとして、ほぼ一定の間隔で、配列される。
(ロ)粒子Xi,j-1,Xi,j,Xi,j+1,Xi,j+2,・・・・・を表面に有する広禁制帯幅半導体基板1をエッチングチャンバーの内部に導入し、エッチングチャンバーの内部を真空排気する。そして、粒子Xi,j-1,Xi,j,Xi,j+1,Xi,j+2,・・・・・をエッチングマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)などにより、図5(c)に示すように、広禁制帯幅半導体基板1の表面を選択的に、エッチング除去する。例えば、広禁制帯幅半導体がダイヤモンドであれば、CF+微量O混合ガスを用いてRIEをすれば良い。ダイヤモンドのRIEにおいては、酸素を間歇的に添加したりしなかったりすることが有効である。酸素無で側壁にCF系ポリマーが形成され、酸素添加時に底面がエッチングされ、全体として側壁を残しつつ、アスペクト比の高い柱状或いは細孔構造ができる。
(ハ)この後、粒子Xi,j-1,Xi,j,Xi,j+1,Xi,j+2,・・・・・を広禁制帯幅半導体基板1の表面から除去すれば、図5(d)に示すように、広禁制帯幅半導体基板1の表面に、直径が2λ=200nm程度の円柱形状の広禁制帯幅半導体柱Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,Ri,j+2,・・・・が形成される。
(ニ)その後エッチングチャンバーの内部を真空排気する。そして、このエッチングチャンバーの内部に水素ガスを導入し、広禁制帯幅半導体基板1の表面の全体を水素プラズマ処理する。水素プラズマ処理により、図5(e)に示すように、上部端面、側面を含めて、広禁制帯幅半導体柱Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,Ri,j+2,・・・・の表面に水素吸着層3Lが形成され、広禁制帯幅半導体柱Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,Ri,j+2,・・・・の表面の表面のダングリングボンドを水素3で終端する。
なお、上記の広禁制帯幅半導体柱Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,Ri,j+2,・・・・の表面の表面のダングリングボンドを水素3で終端する工程は、放電灯を構成する封入管9の内部に第1放電電極を組み込む直前、若しくは、放電灯を組み立てる工程の一部として実施しても良い。即ち、第1放電電極のみの単独の製品形態としては、広禁制帯幅半導体柱Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,Ri,j+2,・・・・の表面の表面のダングリングボンドが水素3で終端されたものでも、水素3で終端されていないものでもどちらでも構わない。
又、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の幅Wが2〜20μm程度に広い場合は、広禁制帯幅半導体基板1にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術により、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の上部端面の位置のフォトレジスト32が残留するように、フォトレジストをパターニングし、パターニングされたフォトレジストをエッチングマスクとして、RIEにより、図5(c)に示すように、広禁制帯幅半導体基板1の表面を選択的に、エッチング除去し、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・を形成すれば良い。
図6に示す広禁制帯幅半導体柱Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・は、図3のように側壁がストレートでなく、凹凸を持った形状である場合の例を示すもので、主面(上部端面)側から見て、オーバーハングになっている部分を設けている。オーバーハングになっている部分は、広禁制帯幅半導体柱Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・の上部端面の垂直方向から見えない面となる「陰面」である。この様な陰面を有するランダムな形状の側壁と上部端面とで凸部を定義している。図6に示すように、第1放電電極主面近傍での電界に対して陰となる側壁(陰面)の壁面のダングリングボンドを水素3で終端処理を施しているので、希ガスイオン衝突による水素脱離の確率が、図3に示したイオンの運動ベクトルの方向と平行をなす側壁(垂直側壁)に比し、更に低減できる。この結果、電子放出層2aは、垂直側壁に比し更に寿命の長い高効率NEA表面を維持することができる。
例えば、広禁制帯幅半導体がダイヤモンドであれば、CF+微量O混合ガスを用いて間歇的なRIEをすれば図6に示すようなオーバーハングを有する凸凹形状の側壁が形成できる。上述したように、ダイヤモンドのRIEにおいては、酸素無で側壁にCF系ポリマーが形成され、酸素添加時に底面がエッチングされるので、この間歇サイクルを変えることでエッチング側壁のラフネスを変えられる。
図7は、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・ではなく、細溝で互いに分離された互いに平行に走行する壁状(平板状)のリッジRj-1,Rj,Rj+1,・・・・・を設けた例である。図7に示す平行平板状のリッジRj-1,Rj,Rj+1,・・・・・を備える電子放出層2aの場合も、リッジRj-1,Rj,Rj+1,・・・・・・の上部端面において水素が脱離しても、第1放電電極主面近傍での電界に対して概ね平行をなす側壁(垂直側壁)の壁面のダングリングボンドを水素3で終端処理を施しているので、希ガスイオン衝突による水素脱離の確率が低減させられている。この結果、電子放出層2aは、寿命の長い高効率NEA表面を維持することができる。更に、リッジRj-1,Rj,Rj+1,・・・・・の厚さを電子の平均自由行程λの2倍程度以下に選ぶことにより、NEA表面までの距離をイオン衝突が起こる場所の近傍に設けておけるので、生成した励起電子の外部への脱出を効率良く行わせることができる。この様に、図7に示すリッジRj-1,Rj,RjT1,・・・・・を設けることによっても、電子の放出効率が低下せず、安定な陰極特性を示すことができ、広禁制帯幅半導体のダングリングボンドの水素終端での高い二次電子放出効率を活用して、陰極降下電圧を従来の金属陰極に比べて大幅に低減することができる。
図8に示す本発明の第1の実施の形態の変形例に係る放電灯は、図1と同様に、放電ガス11を封入した封入管9と、封入管9の両端においてその内部に配置された第2放電電極(1b,2b,23b,24b,25b,26b)と第1放電電極(1a,2a,23a,24a,25a,26a)を備えている。一対の放電電極の内、図8の左側の第1放電電極(1a,2a,23a,24a,25a,26a)は、支持体としての広禁制帯幅半導体(ワイドギャップ半導体)基板1aと、この広禁制帯幅半導体基板1aの表面に形成されたエミッタとしての電子放出層2aとを備えている。そして、広禁制帯幅半導体基板(エミッタ)1aの表面には、広禁制帯幅半導体基板1aに低いコンタクト抵抗でオーミックコンタクトするコンタクト膜23a,24aが選択的に形成されている。コンタクト膜23a,24aの直下の広禁制帯幅半導体基板1aの表面近傍の領域には、アモルファス(非晶質)コンタクト領域がそれぞれ形成されている。同様に、広禁制帯幅半導体基板(エミッタ)1aの裏面には、広禁制帯幅半導体基板1aに低いコンタクト抵抗でオーミックコンタクトするコンタクト膜25a,26aが選択的に形成されている。コンタクト膜25a,26aの直下の広禁制帯幅半導体基板1aの裏面近傍の領域には、アモルファス(非晶質)コンタクト領域がそれぞれ形成されている。そして、この表面のコンタクト膜23a,24a及び裏面のコンタクト膜25a,26aを介して、ステムリード21a,22aが電気的に広禁制帯幅半導体基板1aに接続されている。ステムリード21a,22aのそれぞれの先端部はタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の材料で、複数の鋭角(若しくはほぼ直角)の折れ曲がり部を有し、スプリング構造をなしているが、封入管9との封止部はコバールを用いている。そして、ステムリード21a,22aは、コンタクト膜23a,24aと対向する広禁制帯幅半導体基板1aの裏面のコンタクト膜25a,26aに折れ曲がり部の角部をそれぞれ接触させ、この広禁制帯幅半導体基板1aを両側からスプリング的に挟持し、保持している。ステムリード21a,22aは、広禁制帯幅半導体基板1aからなるエミッタ(電子放出層)2aに電流を供給するための陰極端子として機能している。
図8の右側の第2放電電極(1b,2b,23b,24b,25b,26b)も、支持体としての広禁制帯幅半導体(ワイドギャップ半導体)基板1bと、この広禁制帯幅半導体基板1bの表面に形成されたエミッタとしての電子放出層2bとを備えている。そして、広禁制帯幅半導体基板(エミッタ)1bの表面には、広禁制帯幅半導体基板1bにオーミックコンタクトするコンタクト膜23b,24bが選択的に形成されている。同様に、広禁制帯幅半導体基板(エミッタ)1bの裏面には、広禁制帯幅半導体基板1bに低いコンタクト抵抗でオーミックコンタクトするコンタクト膜25b,26bが選択的に形成されている。コンタクト膜23b,24bの直下の広禁制帯幅半導体基板1bの表面近傍の領域には、アモルファス(非晶質)コンタクト領域がそれぞれ形成され、コンタクト膜25b,26bの直下の広禁制帯幅半導体基板1bの裏面近傍の領域には、アモルファス(非晶質)コンタクト領域がそれぞれ形成されている。こうして、広禁制帯幅半導体基板1bに低いコンタクト抵抗で表面のコンタクト膜23b,24b及び裏面のコンタクト膜25b,26bが、それぞれオーミックコンタクトする。そして、この表面のコンタクト膜23b,24b及び裏面のコンタクト膜25b,26bを介して、ステムリード21b,22bが電気的に広禁制帯幅半導体基板1bに接続されている。そして、ステムリード21b,22bは、コンタクト膜23b,24bと対向する広禁制帯幅半導体基板1bの裏面のコンタクト膜25b,26bに折れ曲がり部の角部をそれぞれ接触させ、この広禁制帯幅半導体基板1bを両側からスプリング的に挟持し、保持している。ステムリード21b,22bは、陽極端子として機能している。
図8に示す第1の実施の形態の変形例に係る放電灯の第1放電電極(1a,2a,23a,24a,25a,26a)の電子放出層2aも、図2及び図3に示したと同様な広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・,Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・を形成している。このため、広禁制帯幅半導体の表面のダングリングボンドの水素終端構造が、たとえ広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・,Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・の主面(上部端面)において脱離しても、電界による希ガスイオン衝突を受けにくい、第1放電電極主面近傍での電界に対して概ね平行をなす側壁構造を設け、この側壁(垂直側壁)の表面のダングリングボンドを水素終端しておくことで、寿命の長い高効率NEA表面を維持することができる。更に、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・,Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・のNEA表面までの距離をイオン衝突が起こる場所の近傍に設けておくことで、生成した励起電子の外部への脱出を効率良く行わせることができる。これによって、電子の放出効率が低下せず、安定な陰極特性を示す。即ち、 広禁制帯幅半導体の水素終端表面での高い二次電子放出効率を活用して、陰極降下電圧を従来の金属陰極に比べて大幅に低減することができる。
(第2の実施の形態)
図9は、図1のA部に相当する、本発明の第2の実施の形態に係る放電灯の第1放電電極の電子放出層2aを拡大して詳細に示す斜視図である。第2の実施の形態に係る放電灯の第1放電電極は、ダイヤモンド等の広禁制帯幅半導体基板1からなる陰極基体に、第1放電電極主面近傍での電界に対して概ね平行をなす側壁(垂直側壁)を有する細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・が設けられており、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・のそれぞれの側壁(垂直側壁)の表面のダングリングボンドに、水素3の終端が形成されている。他の放電灯の構造は、図1に示した第1の実施の形態に係る放電灯と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
図9に示す電子放出層2aの構造をとることによって、図1に示すような第2放電電極と第1放電電極との間にかかる電界によって加速された希ガス11のイオンが衝突する第1放電電極の電子放出層2aの主面(上部端面)において、水素3によるダングリングボンドの終端が失われても、希ガス11のイオンの衝撃を受けにくい細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・の側壁(垂直側壁)の表面の水素3によるダングリングボンドの終端が残留しているので、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・の側壁からの二次電子の放出が保持され、全体として電子放出効率の低下を防ぐことができる。
図9のC−C方向から見た断面図を図10に示す。細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・のそれぞれの直径はDであり、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・は、それぞれ互いに距離T離間している。第1放電電極の電子放出層2aの主面となる広禁制帯幅半導体基板1の上部端面で受けたイオンによる生成電子が結晶内で移動しうる距離(平均自由行程λ)内に側壁までに到達するように、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・のそれぞれの間の距離Tを選ぶことで、放出障壁の小さい側壁部からの電子の脱出を効率良く促すことができる。例えば、細近接に位置する3つの細孔Hi,j,Hi,j+1,Hi+1,j、或いは3つの細孔Hi,j+1,Hi+1,j,Hi+1,j+1等にそれぞれ内接する円の半径が生成電子の平均自由行程λ程度以下になるように、距離Tを選べば良い。第1の実施の形態で説明したように、広禁制帯幅半導体の一般的な電子の平均自由行程λは1〜10μm程度であるので、細近接に位置する3つの細孔Hi,j,Hi,j+1,Hi+1,j、或いは3つの細孔Hi,j+1,Hi+1,j,Hi+1,j+1等にそれぞれ内接する円の半径がλ=1〜10μm程度以下となるように、距離Tが選ばれていることが望ましい。
本発明の第2の実施の形態に係る第1放電電極によれば、放電灯に組み込まれた状態において、図9に示すように、第1放電電極主面近傍での電界に対して概ね平行をなす側壁の壁面のダングリングボンドを水素3で終端処理を施しているので、希ガスイオン衝突による水素脱離の確率が低減させられている。この結果、第2の実施の形態に係る電子放出層2aは、寿命の長い高効率NEA表面を維持することができる。
図11を用いて、本発明の第2の実施の形態に係る第1放電電極の電子放出層2aの製造方法を説明する。なお、以下に述べる電子放出層2aの製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
(イ)まず、広禁制帯幅半導体基板1に図11(a)に示すように、マスク層としてフォトレジスト32を塗布する。そして、フォトリソグラフィー技術により、細孔形成予定の形成の位置のフォトレジスト32を除去するように、フォトレジスト32をパターニングする。
(ロ)パターニングされたフォトレジスト32を表面に有する広禁制帯幅半導体基板1
をエッチングチャンバーの内部に導入し、エッチングチャンバーの内部を真空排気する。そして、パターニングされたフォトレジスト32をエッチングマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)などにより、図11(b)に示すように、広禁制帯幅半導体基板1の表面を選択的に、エッチング除去し、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・開口する。
(ハ)更に、同一のエッチングチャンバーの内部で、RIEのエッチングガスの圧力を上げ、且つRF放電のパワーを下げて、ケミカルドライエッチング(CDE)に近い条件にして、図11(c)に示すように、主面開口部よりも内部が広い逆テーパ状の細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・を形成する。逆テーパ状のエッチングに際し、ガス種を変更しても良い。
(ニ)その後エッチングチャンバーの内部を真空排気する。そして、このエッチングチャンバーの内部に水素ガスを導入し、広禁制帯幅半導体基板1の表面の全体を水素プラズマ処理する。水素プラズマ処理により、図11(d)に示すように、逆テーパ状の細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・の側面を含めて、広禁制帯幅半導体基板1の表面に水素吸着層3Lが形成され、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・の側面を含む広禁制帯幅半導体基板1の表面のダングリングボンドを水素3で終端する。
第1の実施の形態に係る第1放電電極と同様に、、上記の細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・の側面を含む広禁制帯幅半導体基板1の表面のダングリングボンドを水素3で終端する工程は、放電灯を構成する封入管9の内部に第1放電電極を組み込む直前、若しくは、放電灯を組み立てる工程の一部として実施しても良い。即ち、第1放電電極のみの単独の製品形態としては、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・の側面を含む広禁制帯幅半導体基板1の表面のダングリングボンドが水素3で終端されたものでも、水素3で終端されていないものでもどちらでも構わない。
第2の実施の形態に係る第1放電電極によれば、広禁制帯幅半導体基板1の上部端面の水素3によるダングリングボンドの終端構造が、希ガスイオンの衝突により、脱離しても、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・内の側壁の表面の水素3によるダングリングボンドの終端が維持できるので、寿命の長い高効率NEA表面を維持することができる。且つ、細孔Hi-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・・間相互の距離Tを、生成した励起電子が、そのNEA表面までに到達可能な距離に選定することにより、生成した励起電子の外部への脱出を効率良く行わせることができる。これによって、電子の放出効率が低下せず、安定な陰極特性を示す。
このため、第2の実施の形態に係る放電灯によれば、広禁制帯幅半導体表面の水素3によるダングリングボンドの終端を用いた高い二次電子放出効率を活用して、陰極降下電圧を従来の金属陰極に比べて大幅に低減することができる。
(第3の実施の形態)
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る放電灯の第1放電電極の電子放出層2aを拡大して詳細に示す斜視図である(図1のA部参照。)。第3の実施の形態に係る放電灯の第1放電電極は、直径dの広禁制帯幅半導体粒子4がバインダー基板45上に凝集した構造において、それぞれの広禁制帯幅半導体粒子4の表面のダングリングボンドが水素3により終端されている。
広禁制帯幅半導体粒子4の直径dは、広禁制帯幅半導体の電子の平均自由行程λの2倍程度以下に選ばれており、これにより、生成した励起電子が、そのNEA表面までに到達可能な距離に選定され、生成した励起電子の外部への脱出を効率良く行わせることができる。第1の実施の形態で述べたように、広禁制帯幅半導体の電子の平均自由行程λは、1〜10μm程度であるので、広禁制帯幅半導体粒子4の直径dは、d=2〜20μm程度以下にすれば良い。ここで、「直径d」は、真球であれば一義的に定義できるが、一般的な3次元物体であれば、互いに直交する3軸の平均値で定義される平均直径dmeanである。広禁制帯幅半導体粒子4が互いに直交する3軸の径d1,d2,d3のを有せば:
mean=(d1+d2+d3)/3 ・・・・・・(6)
で与えられる。より一般的に、広禁制帯幅半導体粒子4が、n個の径d1,d2,d3,・・・・・,dnを有する3次元物体であれば、n個の径の平均値:
mean=(d1+d2+d3+・・・・・+dn)/n ・・・・(7)
で平均直径dmeanが定義される。なお、原理的には、n個の径d1,d2,d3,・・・・・,dnの内の最小値が、広禁制帯幅半導体中の電子の平均自由行程λの2倍以下であれば、効果は期待できるが、効率を考えると、広禁制帯幅半導体粒子4の平均平均直径dmeanが広禁制帯幅半導体中の電子の平均自由行程λの2倍以下であることが好ましい。
広禁制帯幅半導体粒子4は、単結晶の粒子であれば、広禁制帯幅半導体粒子4内で粒界による損失がなく、二次電子放出効率の向上に有効である。
図13を用いて、本発明の第3の実施の形態に係る第1放電電極の電子放出層2aの製造方法を説明する。なお、以下に述べる電子放出層2aの製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
(イ)まず、図13(a)に示すように、ダイヤモンド粒子等の広禁制帯幅半導体粒子4を適当なバインダー43によって固める。このバインダー43には炭素系ピッチや各種金属などが用いられる。
(ロ)次に、高温で加熱しながら、図13(b)に示すように、バインダー43を適宜除去し、広禁制帯幅半導体粒子4を互いに接着(連結)させ、凝集させる。バインダー43の一部を除去した結果、下部に板状に残留したバインダー43がバインダー基板45となる。凝集した広禁制帯幅半導体粒子4により、その隙間が多孔質の状態になる。この工程には酸によるエッチングやプラズマエッチングなどを用いることができる。
(ハ)そして、広禁制帯幅半導体粒子4の連結部以外において、露出している広禁制帯幅半導体粒子4の表面のダングリングボンドを水素3で終端処理し、広禁制帯幅半導体粒子4の表面をNEA化させば、図12に示す第1放電電極の電子放出層2aが完成する。
第1及び第2の実施の形態に係る第1放電電極と同様に、上記の広禁制帯幅半導体粒子4の表面のダングリングボンドを水素3で終端する工程は、放電灯を構成する封入管9の内部に第1放電電極を組み込む直前、若しくは、放電灯を組み立てる工程の一部として実施しても良い。即ち、第1放電電極のみの単独の製品形態としては、広禁制帯幅半導体粒子4の表面のダングリングボンドが水素3で終端されたものでも、水素3で終端されていないものでもどちらでも構わない。
なお、直径d=2〜20μm程度以下の広禁制帯幅半導体粒子4は、音響エネルギ、静電気エネルギ、空力エネルギ、プラズマエネルギ、又は組み合わせ型のようなエネルギ源によって種となる広禁制帯幅半導体の細粒を縦型のCVD炉の内部で浮揚させて、これらの広禁制帯幅半導体の細粒を落下させながら、CVD成長すれば良い。例えば、ダイヤモンド粒子のCVDの場合は、850℃程度に加熱した種(ダイヤモンドの細粒)を縦型のCVD炉の内部で浮揚・落下させながら、ソースガスとしてメタン(CH4)ガスを、キャリアガスとしての水素(H2)ガスと共に供給すれば、直径d=2〜20μm程度以下のダイヤモンド粒子4の単結晶が得られる。
本発明の第3の実施の形態に係る第1放電電極の電子放出層2aは、広禁制帯幅半導体粒子4を凝集した構造であるので、放電灯に組み込まれた状態において、たとえ第1放電電極の電子放出層2aの主面となる位置の広禁制帯幅半導体粒子4において水素終端が、脱離しても、凝集構造の奥に位置し、電界による希ガスイオン衝突を受けにくい広禁制帯幅半導体粒子4の表面のダングリングボンドの水素終端は、維持できるので、寿命の長い高効率NEA表面を維持することができる。
更に、本発明の第3の実施の形態に係る電子放出層2aでは、広禁制帯幅半導体粒子4の直径dを広禁制帯幅半導体の電子の平均自由行程λの2倍程度以下に選んでいるので、生成した励起電子の外部への脱出を効率良く行わせることができる。これによって、電子の放出効率が低下せず、安定な陰極特性を示す。
即ち、本発明の第3の実施の形態に係る放電灯によれば、広禁制帯幅半導体粒子4の表面のダングリングボンドの水素終端による高い二次電子放出効率を活用して、陰極降下電圧を従来の金属陰極に比べて大幅に低減することができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、図14に示されるような外部電極型の放電灯の電子放出層2に、第1〜第3の実施の形態によって説明した電子放出層の構造が採用可能である。即ち、図14に示すように、封入管9と、その内面に形成された円筒状の広禁制帯幅半導体膜からなる電子放出層2と、この電子放出層2上に形成された円筒状の蛍光膜10を塗布した封入管9と、封入管9の両端外面に取り付けられた円筒状の第1放電電極5a及び第2放電電極5bとを有して放電灯を構成しても良い。図14の広禁制帯幅半導体膜からなる電子放出層2は、例えば、膜厚1.5〜5μm、好ましくは2〜4μm程度のダイヤモンド膜等が使用可能である。詳細の構造は、図1〜図3に示したと同様であるので、図示を省略するが、第1の実施の形態で説明したように、電子放出層2の表面には、縦横にマトリクス状に走行する溝で分離された広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・,Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・を形成され、これらの広禁制帯幅半導体柱Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,jの側壁に露出した広禁制帯幅半導体膜の表面のダングリングボンドが水素3で終端されて、電子放出層2をなしている。
第1放電電極5a及び第2放電電極5bのそれぞれは、W(タングステン)等の高融点金属が好ましい。封入管9の内部2には放電ガス11が封入されている。例えば、封入管9内には放電を容易にするために水素(H2)ガス及びアルゴン(Ar)ガス又は混合希ガスが8kPaの圧力で封止されている。混合希ガスとしては、例えば、Ar、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)から選ばれるガスの混合ガス等が採用可能である。水素ガスの分圧は、例えば、0.4kPaである。封入管9の両端部には、放電ガス11を封入し、封入管9を封止し易くするために、電子放出層2は設けられていない。
図14に示すように、封入管9を介して第1放電電極5a及び第2放電電極5bと対向する封入管9内面部分に、それぞれ電子放出層2が形成されている。ダイヤモンド膜等の広禁制帯幅半導体は電子放出効率が高い材料であり、放電ガス11中の水素がその表面に終端することにより多量の電子を放電空間に放出して放電を維持する役割を担う。そして、第1放電電極5a及び第2放電電極5b間に周波数40kHz、1500V程度の高周波電圧を印加する。第1放電電極5a及び第2放電電極5bの片方がエミッタ(陰極)として作用するときは他方は対極電極(陽極)として作用する。この高周波電圧の印加により、封入管9の内部の空間において強電界が生じ、この強電界により電子放出層2の表面から電子が放出される。このとき、放電ガス11中の水素が電子放出層2の表面に終端することにより、電子を効率良く放電空間に放出させることが可能である。放出された電子は対極電極(陽極)側に移動し、放電が開始する。
即ち、本発明の他の実施の形態に係る放電灯においては、封入管9を介して第1放電電極5aに対向する電子放出層2の主面近傍で、強電界により加速されたイオンがこの電子放出層2の表面(上部端面)に衝突することによって、上部端面のダングリングボンドを終端している水素3の脱離が生じても、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の壁面には水素終端が残留し、全体としてイオン衝突による水素脱離の確率小さくなっている。水素3の脱離がしにくくなっているので、広禁制帯幅半導体柱Ri-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・の壁面の電子親和力χを低いままに維持でき、電子が放出し易い状態が維持できる。又、衝突するイオンのポテンシャルエネルギを元にしたオージェ中和過程による外部への二次電子放出も効率良く行える。
図14においては、封入管9の内部において、第1放電電極5aに対向する位置から第2放電電極5bと対向する位置まで連続して電子放出層2が形成されているが、基本的には、第1放電電極5a及び第2放電電極5bと対向する封入管9内面部分に、それぞれ電子放出層2が形成されていれば良いので、蛍光膜10の位置で分離された2つの電子放出層2として構成しても良い。又、図14に示すように、円筒状の電子放出層2の内側に、円筒状の蛍光膜10が塗布された2層構造である必要はなく、両側に分離された2つの電子放出層2の間の封入管9内面部分に直接蛍光膜10を塗布した構造でも構わない。
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る放電灯の概略を説明する模式的断面図である。 図2(a)は、図1の左側に示す第1放電電極のA部に位置する電子放出層2aを拡大して示す斜視図で、図2(b)は、図2(a)を模式化して直方体の形状にして示す斜視図である。 図2(b)の直方体柱Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,のそれぞれの中心を切る断面に沿った断面図である。 広禁制帯幅半導体からなる第1放電電極からの電子放出機構を示したバンド図で、図4(a)は、電子親和力χが負の場合、図4(b)は電子親和力χが正の場合を示す。 第1の実施の形態に係る第1放電電極の製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る第1放電電極の電子放出層を拡大して示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態の他の変形例に係る第1放電電極の電子放出層を拡大して示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態の更に他の変形例に係る放電灯を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る第1放電電極の電子放出層を拡大して示す斜視図である。 図9のC−C方向から見た断面図である。 第2の実施の形態に係る第1放電電極の製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る第1放電電極の電子放出層を拡大して示す断面図である。 第3の実施の形態に係る第1放電電極の製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る外部電極型放電灯の概略を説明する模式的断面図である。
符号の説明
1,1a,1b…広禁制帯幅半導体基板
2,2a,2b…電子放出層
3…水素
3L…水素吸着層
4…広禁制帯幅半導体粒子
5a…第1放電電極
5b…第2放電電極
9…封入管
10…蛍光膜
11…希ガス(放電ガス)
11a,11b…裏面電極
12a,12b…高融点金属板
13a,13b…高融点金属棒
14a,14b…封着金属棒
21a,22a,21b,22b…ステムリード
23a,24a,25a,26a,23b,24b,25b,26b…コンタクト膜
31…懸濁樹脂
32…フォトレジスト
43…バインダー
45…バインダー基板
i-1,j,・・・・・,Hi,j,・・・・・,Hi+2,j,・・・・…細孔
i-1,j-2,Ri-1,j-1,Ri-1,j,Ri-1,j+1,・・・・・,Ri,j-2,Ri,j-1,Ri,j,Ri,j+1,・・・・・…広禁制帯幅半導体柱(直方体柱)
j-1,Rj,Rj+1,・・・・・…リッジ
i,j-1,Xi,j,Xi,j+1,Xi,j+2,…粒子

Claims (12)

  1. 放電ガスを封入した封入管中に放電電極を備えた放電灯であって、
    前記放電電極は、平坦な上面を有する広禁制帯幅半導体基板を、前記上面から内部方向に向かって形成された前記広禁制帯幅半導体基板の厚さよりも浅い溝部により、前記上面に垂直方向の断面で見た場合、複数の凸部に分離して構成した電子放出層を備え、
    前記凸部は、
    前記広禁制帯幅半導体基板の上面をなす上部端面と、
    前記溝部の側壁をなし、前記上部端面の垂直方向から見えない面となる側壁
    とを備え、前記上部端面及び前記側壁に露出した前記広禁制帯幅半導体の表面のダングリングボンドが水素終端されていることを特徴とする放電灯。
  2. 前記複数の凸部のそれぞれの前記側壁が互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載の放電灯。
  3. 縦横にマトリクス状に走行する前記溝により、前記複数の凸部が互いに分離されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電灯。
  4. 3次元空間において鳥瞰した場合、前記複数の凸部のそれぞれの前記上部端面が互いに連続した面をなすことを特徴とする請求項1に記載の放電灯。
  5. 前記溝が、前記上面から内部方向に向かって形成された互いに独立した非貫通孔であることを特徴とする請求項4に記載の放電灯。
  6. 前記上部端面上における前記凸部の平均幅が、前記広禁制帯幅半導体中の電子の平均自由行程の2倍以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放電灯。
  7. 平坦な上面を有する広禁制帯幅半導体基板を、前記上面から内部方向に向かって形成された前記広禁制帯幅半導体基板の厚さよりも浅い溝部により、前記上面に垂直方向の断面で見た場合、複数の凸部に分離して構成した電子放出層を備え、
    前記凸部は、
    前記広禁制帯幅半導体基板の上面をなす上部端面と、
    前記溝部の側壁をなし、前記上部端面の垂直方向から見えない面となる側壁
    とを備え、前記上部端面及び前記側壁において、前記広禁制帯幅半導体の表面のダングリングボンドが水素終端可能であることを特徴とする放電電極。
  8. 前記複数の凸部のそれぞれの前記側壁が互いに平行であることを特徴とする請求項7に記載の放電電極。
  9. 縦横にマトリクス状に走行する前記溝により、前記複数の凸部が互いに分離されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の放電電極。
  10. 3次元空間において鳥瞰した場合、前記複数の凸部のそれぞれの前記上部端面が互いに連続した面をなすことを特徴とする請求項7に記載の放電電極。
  11. 前記溝が、前記上面から内部方向に向かって形成された互いに独立した非貫通孔であることを特徴とする請求項10に記載の放電電極。
  12. 前記上部端面上における前記凸部の平均幅が、前記広禁制帯幅半導体中の電子の平均自由行程の2倍以下であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の放電電極。
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