JPH09265892A - 電子放出素子及びその製造方法 - Google Patents

電子放出素子及びその製造方法

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JPH09265892A
JPH09265892A JP7273396A JP7273396A JPH09265892A JP H09265892 A JPH09265892 A JP H09265892A JP 7273396 A JP7273396 A JP 7273396A JP 7273396 A JP7273396 A JP 7273396A JP H09265892 A JPH09265892 A JP H09265892A
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JP
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diamond
electron
emitting device
layer
manufacturing
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JP7273396A
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English (en)
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Masahiro Deguchi
正洋 出口
Makoto Kitahata
真 北畠
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイヤモンドからなる層を用いて形成される
電子放出素子であって、より安定で効率的に電子線を放
出する構造を提供する。 【解決手段】 基材1上に配置された導電性あるいは半
導電性材料からなる突起構造2と、前記突起構造2の上
部に配置されたダイヤモンドからなる層3とを含んだ構
造とする。このため、従来よりも高い表面安定性でかつ
損傷を受けにくい電子放出部分を有する安定な電子放出
素子を実現できる。また、電子放出材料として適したダ
イヤモンドからなる層を電子放出部分として有する低電
圧動作で高効率な電子放出素子を実現することが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線を放出する
電子放出素子に関し、特にダイヤモンド層を用いて形成
される電子放出素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高精細な薄型ディスプレィ用の電
子銃に代わる電子線源や、高速動作が可能な微小真空デ
バイスのエミッター部分として、ミクロンサイズの微小
電子放出素子が注目されている。このような電子放出素
子のタイプとしては様々なものがあるが、一般的には電
界放出形のものやpn及びショットキー接合を用いたア
バランシェ増幅形のものなどが報告されている。
【0003】電界放出形の電子放出素子は、引き出し電
極に電圧をかけて電界を印加することにより、シリコン
(Si)やモリブデン(Mo)などの高融点金属などで
作製されたコーン状のエミッター部から電子を放出させ
るものであり、微細加工技術を用いることによって小型
化を図ることができるなどの特徴を有している。
【0004】それに対し半導体材料を用いたアバランシ
ェ増幅形のものは、pn及びショットキー接合部分に逆
バイアス電圧を印加してアバランシェ増幅を起こすこと
により電子をホット化し、エミッター部分より電子を放
出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に電子放出素子
の材料として要求される特性は、(1)比較的小さな電
界で電子を放出し易いこと、すなわちその物質の電子親
和力が小さいこと、(2)安定な電子放出特性を維持す
るために、エミッター部表面が化学的に安定なこと、
(3)耐摩耗性や耐熱性に優れていることなどがある。
【0006】そのような観点で従来技術をみた場合、電
界放出型素子は放出電流量のエミッター部形状依存性が
大きく、その作製が非常に困難であると共に、用いられ
ている材料の表面安定性の点で課題があった。また一般
的に作動電圧が高いといった課題もあった。
【0007】またアバランシェ増幅型は、一般的に非常
に大きな電流量を素子に印加する必要があるので素子の
発熱が起こり、そのため電子放出特性が不安定になった
り素子寿命が短くなったりするといった問題点があっ
た。またアバランシェ増幅型ではエミッター部表面にセ
シウム層等を設けることによって電子放出部分の仕事関
数量を小さくしているが、セシウム等の仕事関数が小さ
い材料は化学的に不安定であるため表面状態が安定でな
い、すなわち電子放出特性が安定でないといった問題点
もあった。以上のようにこれまで用いられてきた材料お
よび構造は、電子放出素子に要求される特性を十分に満
たすものではなかった。
【0008】これに対しダイヤモンドは、広禁制帯幅
(5.5eV)を有する半導体材料であり、その特性は
高硬度、耐磨耗性、高熱伝導率、化学的に不活性である
など電子放出素子材料として非常に適している。またダ
イヤモンドは、その表面状態を制御することによって、
伝導帯端のエネルギー準位が真空のエネルギー準位より
も低くなる、すなわち負の電子親和力の状態にすること
が可能である。すなわちダイヤモンド層の伝導帯に電子
を注入してやれば、容易に電子を放出させることが可能
になるといった利点を有している。加えてダイヤモンド
は一般に炭素系ガス種と水素ガスを原料ガスとした気相
合成法で容易に形成することが可能であり、製造的な面
でも優位性を持っている。
【0009】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、基材上に配置された導電性あるいは半導電
性材料からなる突起構造と、前記突起構造の上部に配置
されたダイヤモンドからなる層とを含むことにより、よ
り安定で効率的に電子線を放出する電子放出素子を提供
することを目的とする。
【0010】また本発明は、ダイヤモンドからなる層を
有した電子放出素子を作製する際に重要な作製プロセス
並びにダイヤモンド層の表面状態制御を容易にかつ合理
的に行なう方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る電子放出素子の構成は、ダイヤモンド
を用いて形成される電子放出素子であって、基材上に配
置された導電性あるいは半導電性材料からなる突起構造
と、前記突起構造の上部に配置されたダイヤモンドから
なる層とを含むことを特徴とする電子放出素子である。
【0012】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンドからなる層が突起構造の上面部に配置される
ことが好ましい。
【0013】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンドからなる層が突起構造の頂点部に配置される
ことが好ましい。
【0014】また本発明は、前記素子構成において、基
材上に配置された個々の突起構造の上部の直径が5μm
以下であることが好ましい。さらに好ましくは、突起構
造の直径が1μm以下である。
【0015】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンドからなる層の直径が5μm以下であることが
好ましい。さらに好ましくは、ダイヤモンドからなる層
の直径が1μm以下である。
【0016】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンドからなる層の直径が基材上に配置された個々
の突起構造の上部の直径よりも大きいことが好ましい。
さらに好ましくは、ダイヤモンドからなる層の直径が突
起構造の上部の直径の2倍以上である。
【0017】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンドからなる層の最表面の炭素原子が水素原子と
の結合によって終端された構造であることが好ましい。
【0018】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンドからなる層の最表面の炭素原子と結合した水
素原子の量が1×1015個/cm2 以上であることが好まし
い。さらに好ましくは、ダイヤモンドからなる層の最表
面の炭素原子と結合した水素原子の量が、2×1015個/c
m2以上である。
【0019】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンドからなる層が気相合成法によって形成される
ことが好ましい。
【0020】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンドからなる層が少なくともp形のダイヤモンド
層を含んだ構成であることが好ましい。
【0021】また本発明は、前記素子構成において、p
形のダイヤモンド層がダイヤモンドの表面導電層である
ことをが好ましい。
【0022】また本発明は、前記素子構成において、ダ
イヤモンド層を有する層に含まれるp形のダイヤモンド
層の抵抗率が1×104 Ω・cm以下であることが好まし
い。さらに好ましくは、p形のダイヤモンド層の抵抗率
が1×102Ω・cm以下である。
【0023】また本発明は、前記素子構成において、電
極層がダイヤモンドからなる層と接して配置されること
が好ましい。
【0024】また前記目的を達成するため、本発明に係
るダイヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造
方法は、基材上にダイヤモンドからなる層を形成する工
程の後に、前記基材に導電性あるいは半導電性材料から
なる突起構造を形成する工程を行なうことを特徴とする
電子放出素子の製造方法である。
【0025】また本発明は、前記製造方法において、基
材上にダイヤモンドからなる層を形成する工程が選択的
な領域にのみダイヤモンドを形成する選択成長法である
ことが好ましい。
【0026】また前記目的を達成するため、本発明に係
るダイヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造
方法は、基材上にダイヤモンドからなる層を形成する工
程と、前記ダイヤモンドからなる層をパターニングする
工程の後に、前記基材に導電性あるいは半導電性材料か
らなる突起構造を形成する工程を行なうことを特徴とす
る電子放出素子の製造方法である。
【0027】また本発明は、前記製造方法において、突
起構造を形成する工程が基材を表面側から所定の深さま
でエッチングする工程であることが好ましい。
【0028】また本発明は、前記製造方法において、基
材のエッチング工程におけるエッチングマスクがパター
ニングされたダイヤモンドからなる層であることが好ま
しい。
【0029】また前記目的を達成するため、本発明に係
るダイヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造
方法は、ダイヤモンドからなる層に波長が200nm以
下の真空紫外光を照射する工程を含むことを特徴とする
電子放出素子の製造方法である。
【0030】また前記目的を達成するため、本発明に係
るダイヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造
方法は、ダイヤモンドからなる層に少なくとも水素を含
むガス中を晒す工程を含むことを特徴とする電子放出素
子の製造方法である。
【0031】また前記目的を達成するため、本発明に係
るダイヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造
方法は、ダイヤモンドからなる層に少なくとも水素を含
むガスを放電分解して得られるプラズマを晒す工程を含
むことを特徴とする電子放出素子の製造方法である。
【0032】また前記目的を達成するため、本発明に係
るダイヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造
方法は、ダイヤモンドからなる層に少なくとも酸素を含
むガス中を晒す工程を含むことを特徴とする電子放出素
子の製造方法である。
【0033】また前記目的を達成するため、本発明に係
るダイヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造
方法は、ダイヤモンドからなる層に少なくとも酸素を含
むガスを放電分解して得られるプラズマを晒す工程を含
むことを特徴とする電子放出素子の製造方法である。
【0034】前記のようにダイヤモンドは電子放出素子
材料として適したものであり、ダイヤモンドからなる層
を電子放出素子に用いることによって従来技術の電子放
出素子が有していた欠点のいくつかを解消することが可
能である。しかしながら、その様な効果を得るために
は、適切な製造方法を用いて適切な構成を形成すること
が必要となる。また電子を容易に放出させるためには、
電子が放出される部分の表面状態を制御する必要もあ
る。すなわち、ダイヤモンドを用いた高効率電子放出素
子を形成するには、1)素子の構造、2)製造方法並び
に3)電子放出部表面の制御方法が重要となる。
【0035】前記本発明の構成によれば、ダイヤモンド
を用いて形成される電子放出素子であって、基材上に配
置された導電性あるいは半導電性材料からなる突起構造
と、前記突起構造の上部に配置されたダイヤモンドから
なる層とを含むことを特徴とするため、以下のような作
用を奏することができる。すなわち、従来は導電性ある
いは半導電性材料からなる突起構造の一部(例えば、先
端部)でのみ構成されていた電子放出部分に対して、前
記突起構造の上部にダイヤモンドからなる層を配置する
ことによって、従来よりも表面安定性が高くかつ損傷を
受けにくい電子放出部分を形成することができる。この
ことは、従来よりも安定な電子放出素子を実現できるこ
とを意味する。また、ダイヤモンドはワイドバンドギャ
ップ半導体であることから、従来材料と比較して電子親
和力が小さい、すなわち電子の放出が容易な材料であ
る。加えてダイヤモンドからなる層は、その表面状態を
制御することによって負の電子親和力状態とすることも
可能である。以上のことは、ダイヤモンドからなる層が
電子放出部分として適していることを示しており、従来
よりも低電圧で作動し、かつ高効率な放出電流を得るこ
とができる電子放出素子を実現することが可能となる。
【0036】また本発明の構成において、ダイヤモンド
からなる層が突起構造の上面部、あるいは頂点部に配置
されるという好ましい例によれば、基材上に配置される
突起構造をダイヤモンドからなる層で保護できると共
に、印加される電界が集中しやすいためより効率的な電
子放出が可能となる。
【0037】以上に記載した様な突起構造とダイヤモン
ドからなる層の構成例の断面図を図1から図5に示す。
図1は基材1上に配置された導電性あるいは半導電性材
料からなる柱状の突起構造2の上面部にダイヤモンドか
らなる層3を配置した場合の構成例で、(a)は突起構
造の直径dよりもダイヤモンドからなる層の直径Dが小
さいばあい(d>D)、(b)d=Dの場合、(c)d
<Dの場合、(d)d<<Dの場合を示している。また
同様に、図2には突起構造が台状の場合を、図3には突
起構造が糸巻き状の場合を示している。以上の構成例
は、突起構造2の上面部のみにダイヤモンドからなる層
3が配置されているが、図4に示すように突起構造2の
上部を覆うような形でダイヤモンドからなる層3を配置
しても良い。
【0038】また図5は錘状の突起構造2の頂点部分に
ダイヤモンドからなる層3を配置した例である。基材1
上に配置された導電性あるいは半導電性材料からなる突
起構造2とダイヤモンドからなる層3の配置例を図1か
ら図5を用いて示したが、この限りではなく、基材上の
突起構造の上部にダイヤモンドからなる層が配置されて
いればいかなる形状、配置でも良い。
【0039】基材1に用いられる材質は、特に限定され
るものではないが、一般的にシリコンやガラス、石英な
どがよく用いられる。また突起構造2の材質に関しても
導電性あるいは半導電性の材料であればよく、基材1と
の組み合わせや形成の容易さ等で適宜選択される。中で
もシリコンやモリブデン等がプロセス等のし易さから、
よく用いられる。
【0040】また本発明の構成において、基材上に配置
された個々の突起構造の上部の直径が5μm以下、望ま
しくは1μm以下であるという好ましい例によれば、微
細な電子放出素子を形成することが可能となる。
【0041】また本発明の構成において、ダイヤモンド
からなる層の直径が5μm以下、望ましくは1μm以下
であるという好ましい例によれば、微細な電子放出素子
を形成することが可能となると共に、電界が集中しやす
くなるので低電圧動作が可能となる。
【0042】また本発明の構成において、ダイヤモンド
からなる層の直径が、基材上に配置された個々の突起構
造の上部の直径よりも大きい、望ましくはダイヤモンド
からなる層の直径が突起構造の上部の直径の2倍以上で
あるという好ましい例によれば、突起構造をダイヤモン
ドからなる層で保護できると共に、電子放出が容易なダ
イヤモンドからなる層の有効面積を大きくとることがで
きる。
【0043】また突起構造の幅については上記の通りで
あるが、高さは特に限定はされるものではない。一般的
には幅の数倍から数十倍程度の高さである。またダイヤ
モンドからなる層の厚さについても、特に限定はされな
いが、μmのオーダーである。
【0044】また本発明の構成において、ダイヤモンド
からなる層の最表面の炭素原子が水素原子との結合によ
って終端された構造であるという好ましい例によれば、
簡便な方法で形成できると共に、ダイヤモンドを非常に
安定な負の電子親和力状態にすることができる。
【0045】さらに前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる層の最表面の炭素原子と結合した水素原
子の量が1×1015個/cm2以上、望ましくは2×1015個/c
m2以上であるという好ましい例によれば、ほぼ全ての最
表面炭素原子が水素原子と結合するため、より安定な負
の電子親和力状態を維持することができる。
【0046】また前記本発明の構成において、ダイヤモ
ンドからなる層が気相合成法によって形成されるという
好ましい例によれば、後工程として何ら処理をすること
なく成長直後にダイヤモンドからなる層の表面に表面導
電層を得ることが可能となる。
【0047】また前記本発明の構成において、ダイヤモ
ンドからなる層が少なくともp形のダイヤモンド層を含
んだ構成であるという好ましい例によれば、ショットキ
ー接合などを用いた構成を作製することが容易になる。
【0048】また前記本発明の構成において、p形のダ
イヤモンド層がダイヤモンドの表面導電層であるという
好ましい例によれば、新たにp形のダイヤモンド層を形
成する工程を経ることなく、容易に1μm以下の厚さの
p形のダイヤモンド層を形成することが可能となるた
め、効率的な電子放出素子を簡便に実現できる。
【0049】また前記本発明の構成において、p形のダ
イヤモンド層の抵抗率が1×104Ω・cm以下、望ましくは
1×102Ω・cm以下であるという好ましい例によれば、抵
抗による損失分を抑制することが可能となる。
【0050】また前記本発明の構成において、電極層が
ダイヤモンドからなる層と接して配置されるという好ま
しい例によれば、前記電極層に適当な電圧を印加するこ
とによって、ダイヤモンドからなる層に適当な大きさの
電界を印加することが可能となり、その結果電子の放出
が容易となる。その印加電圧の範囲としては、ダイヤモ
ンドからなる層の厚さや抵抗値等にも依存するが、概ね
100V以下である。
【0051】また上記のような構造を形成する方法とし
て本発明方法の構成によれば、ダイヤモンドを用いて形
成される電子放出素子の製造方法であって、基材上にダ
イヤモンドからなる層を形成する工程の後に、前記基材
に導電性あるいは半導電性材料からなる突起構造を形成
する工程を行なうことを特徴とすることにより、容易に
所望の構造を有する高効率電子放出素子を形成すること
が可能となる。
【0052】また前記本発明の製造方法において、基材
上にダイヤモンドからなる層を形成する工程が選択的な
領域にのみダイヤモンドを形成する選択成長法であると
いう好ましい例によれば、ダイヤモンドからなる層のパ
ターニングを行なうことなく、所望の構造を有する高効
率電子放出素子を形成することが可能となる。
【0053】また同様に前記本発明方法の構成によれ
ば、ダイヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製
造方法であって、基材上にダイヤモンドからなる層を形
成する工程と、前記ダイヤモンドからなる層をパターニ
ングする工程の後に、前記基材に導電性あるいは半導電
性材料からなる突起構造を形成する工程を行なうことを
特徴とすることにより、容易に所望の構造を有する高効
率電子放出素子を形成することが可能となる。
【0054】また前記本発明の製造方法において、突起
構造を形成する工程が基材を表面側から所定の深さまで
エッチングする工程であるという好ましい例によれば、
微細な突起構造を選択的に形成することが可能となる。
【0055】また前記本発明の製造方法において、基材
のエッチング工程におけるエッチングマスクがパターニ
ングされたダイヤモンドからなる層であるという好まし
い例によれば、パターン形状を決めるマスキング工程を
経ることなく、セルフアラインで容易に所望の構造を有
する高効率電子放出素子を形成することが可能となる。
【0056】また本電子放出素子の構成においては上記
の通り、電子放出部分表面の構造制御が非常に重要であ
る。一般的に電子放出部分として適した構造を形成する
方法としては特に限定するものではないが、ダイヤモン
ド表面の導電性を制御する、すなわちダイヤモンド表面
の炭素原子と結合する元素の制御が容易である。具体的
な例として、上記のように水素終端表面(導電性)とす
ることでダイヤモンドを負の電子親和力状態にすること
ができ、酸素終端表面(絶縁性)とすることで正の電子
親和力状態とすることができる。このような表面状態変
化を任意に制御することで、高効率電子放出素子の素子
構成並びに作製プロセスを簡便にすることができる。
【0057】そこで前記本発明方法の構成によれば、ダ
イヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法
であって、ダイヤモンドからなる層に波長が200nm
以下の真空紫外光を照射する工程を含むことを特徴とす
るので、選択的にダイヤモンド表面に結合した元素の除
去と新たな結合を形成することが可能となる。その結
果、ダイヤモンド表面の電子親和力状態を正(絶縁性)
及び負(導電性)のいずれにも制御することが可能とな
る。
【0058】また前記本発明方法の構成によれば、ダイ
ヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法で
あって、ダイヤモンドからなる層を少なくとも水素を含
むガス中に晒す工程を含むことを特徴とするので、選択
的にダイヤモンドの最表層炭素原子に水素原子を結合さ
せることが可能となり、その結果容易に負の電子親和力
状態の領域を形成することが可能になる。
【0059】また前記本発明方法の構成によれば、ダイ
ヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法で
あって、ダイヤモンドからなる層に少なくとも水素を含
むガスを放電分解して得られるプラズマを晒す工程を含
むことを特徴とするので、選択的にダイヤモンドの最表
層炭素原子に水素原子を結合させることが可能となり、
その結果容易に負の電子親和力状態の領域を形成するこ
とが可能になる。
【0060】また前記本発明方法の構成によれば、ダイ
ヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法で
あって、ダイヤモンドからなる層に少なくとも酸素を含
むガス中を晒す工程を含むことを特徴とするので、選択
的にダイヤモンドの最表層炭素原子に酸素原子を結合さ
せることが可能となり、その結果容易に正の電子親和力
状態の領域を形成することが可能になる。
【0061】また前記本発明方法の構成によれば、ダイ
ヤモンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法で
あって、ダイヤモンドからなる層に少なくとも酸素を含
むガスを放電分解して得られるプラズマに晒す工程を含
むことを特徴とするので、選択的にダイヤモンドの最表
層炭素原子に酸素原子を結合させることが可能となり、
その結果容易に正の電子親和力状態の領域を形成するこ
とが可能になる。
【0062】以上のようにダイヤモンドからなる層の表
面状態を任意に制御することにより、高効率電子放出素
子の素子構成並びに作製プロセスを簡便にすることがで
きる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、実施例を用いて本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0064】(第1の実施の形態)図6に本発明に係る
電子放出素子を作製するため、一実施例として行なった
ダイヤモンド層のエッチングを利用した作製プロセスの
概略図を示す。
【0065】まず基材を準備した。(図6(a))この
基材材料は特に限定されるものではないが、本実施例で
は4インチのシリコン基板を用いた。
【0066】続いてこのシリコン基板4を通常の洗浄工
程で清浄化した後、シリコン基板4上に気相合成法によ
ってダイヤモンドからなる層5を形成した。(図6
(b))ダイヤモンド層の気相合成方法としては、特に
限定されるものではないが、一般的には原料ガスにメタ
ン、エタン、エチレン、アセチレン等の炭化水素ガス、
アルコール、アセトン等の有機化合物及び一酸化炭素な
どの炭素源を水素で希釈したものを用い、その原料ガス
を分解することによって行なわれる。その際、さらに原
料ガスに適宜酸素や水等を添加することもできる。本実
施例においては、気相合成法の一種であるマイクロプラ
ズマCVD法によってダイヤモンドからなる層5を形成
した。マイクロ波プラズマCVD法は原料ガスにマイク
ロ波を印加することによってプラズマ化し、ダイヤモン
ドの形成を行なう方法である。具体的な条件としては、
原料ガスに水素で1〜10vol%程度に希釈された一
酸化炭素ガスを用いた。反応温度及び圧力はそれぞれ8
00〜900℃及び25〜40Torrである。形成さ
れたダイヤモンドからなる層5の膜厚は、約5μmであ
った。また気相合成によって得られたダイヤモンドから
なる層の最表面には水素が結合しており、紫外光照射で
ダイヤモンド層表面の電子親和力状態を評価した結果、
負の電子親和力状態であることがわかった。
【0067】次に形成されたダイヤモンドからなる層5
をパターニングするために、ダイヤモンドからなる層上
にアルミニウム(Al)層6を真空蒸着で形成した。
(図6(c))このAl層6はダイヤモンドをエッチン
グ除去する際のマスクとして用いるものである。
【0068】そしてにAl層6の上に通常のフォトリソ
グラフィの工程でレジストを所望のパターンに加工した
後、そのレジストをマスクとしてダイヤモンドからなる
層上のAl層6をパターンニングした(図6(d))。
本実施例においては直径が5μmの丸いドットを20μ
m間隔で100個×100個、すなわち合計10000
個からなるドットを形成した。
【0069】さらにパターニングされたAl層6をマス
クとして、ダイヤモンドからなる層5のエッチングを行
なった(図6(e))。ダイヤモンドからなる層5のエ
ッチングは、酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング
(RIE)あるいはECRイオンエッチングにより行な
った。反応性イオンエッチングの条件としては、ガス圧
力5.3Pa、rf出力150Wである。その結果、シ
リコン基板上に10000個のダイヤモンドからなる層
の直径5μmの丸いドットが配列して形成された(図6
(f))。
【0070】続いてシリコン基板上に突起構造を形成す
るために、形成されたダイヤモンドからなるドットをマ
スクとして、シリコン基板4のドライエッチングを行な
った。シリコン基板4のエッチングは酸素ガスを5%混
入したフロンガスを用いた反応性イオンエッチング(R
IE)により行なった。エッチングの条件としては、ガ
ス圧力15Pa、rf出力150Wである。その結果、
ダイヤモンドからなる層5を上部に有したシリコンの柱
状の突起構造が配列して形成された(図6(g))。得
られた形状としては、図1(c)(d<D)に示したよ
うな形状で、シリコン柱の幅(直径)及び高さはそれぞ
れ4μm及び10μmであった。
【0071】以上のような方法で作製した電子放出素子
を10-9Torr程度の真空中に設置し、素子の上方10μm
の位置に引き出し電極(アノード)となるタングステン
(W)製の金属探針を配置して素子の電界放出特性を測
定した結果、従来よりも低い電界で効率的に電子が放出
されていることが確認された。
【0072】また本実施例においては、基材及び突起構
造ともシリコンを用いて行なったが、他の材料、例えば
突起材質としてモリブデン等を用いた場合においても同
様の結果が得られることが確認された。
【0073】またダイヤモンドからなる層を形成する
際、ジボランガスを添加してp形化させた膜を用いた場
合や他の合成方法でダイヤモンドからなる層を形成した
場合においても、同様の結果が得られることが確認され
た。
【0074】また突起部分の形状が柱状ではなく、図2
に示したような台状、あるいは図3に示したような糸巻
き状の場合においても同様の結果が得られることが確認
された。
【0075】(第2の実施の形態)第1の実施の形態で
用いた試料のシリコン突起部をさらにドライエッチング
して、突起の直径を細くして同様の測定を行なった。エ
ッチング条件は第1の実施例と同様である。その結果、
図1(d)(d<<D)に示したような形状が得られ
た。この場合のシリコン柱の直径及び高さは、それぞれ
1.5μm及び15μmであり、上部に配置されたダイ
ヤモンドからなる層の直径(5μm)と比較して1/2
以下となった。
【0076】以上のような方法で作製した電子放出素子
を10-9Torr程度の真空中に設置し、素子の上方10μm
の位置に引き出し電極(アノード)となるタングステン
(W)製の金属探針を配置して素子の電界放出特性を測
定した結果、第1の実施の形態よりもさらに低い電界で
効率的に電子が放出されていることが確認された。
【0077】(第3の実施の形態)パターニングで形成
するドットのサイズをさらに小さくして、第1の実施例
と同様のプロセスで素子を作製した。本実施例において
は直径が1μmの丸いドットを20μm間隔で100個
×100個、すなわち合計10000個のドットを形成
した。得られた素子の構造は、図2(d)に近い形状が
得られた。この場合のシリコン柱の上部直径及び高さ
は、それぞれ0.2μm及び2μmであり、上部に配置
されたダイヤモンドからなる層の直径(1μm)と比較
して1/5程度となった。
【0078】以上のような方法で作製した電子放出素子
を10-9Torr程度の真空中に設置し、素子の上方10μm
の位置に引き出し電極(アノード)となるタングステン
(W)製の金属探針を配置して素子の電界放出特性を測
定した結果、第1の実施の形態よりもさらに低い電界で
効率的に電子が放出されていることが確認された。
【0079】(第4の実施の形態)形成する素子のパタ
ーンサイズを若干大きくして、第1の実施の形態と同様
のプロセスで素子を作製した後、ダイヤモンドからなる
層上の一部にAl電極を形成した。本実施例においては
幅が10μm、長さが100μmの細線状のラインパタ
ーンを50μm間隔で50列形成し、さらにそのライン
上の中央に幅4μmのAl電極を形成した。本実施例に
おいて、得られたシリコン柱の高さは約10μmあり、
上部に配置されたダイヤモンド層の直径と同程度であっ
た。
【0080】以上のような方法で作製した電子放出素子
を10-9Torr程度の真空中に設置し、素子の上方10μm
の位置にアノードとなるタングステン(W)製の金属探
針を配置して電圧を印加すると共に、ダイヤモンドから
なる層上のAl電極にも電圧を印加して電界放出特性を
測定した結果、第1の実施の形態よりもさらに低いアノ
ード電圧で効率的に電子が放出されていることが確認さ
れた。またAl電極に印加した電圧を変化させることに
よって放出される電子の量が変化することも確認され
た。
【0081】(第5の実施の形態)図7に本発明に係る
電子放出素子を作製するため、一実施例として行なった
ダイヤモンドの選択成長法を利用した作製プロセスの概
略図を示す。
【0082】まず基材を準備した(図7(a))。基材
材料は特に限定されるものではないが、本実施例におい
ても4インチのシリコン基板を用いた。
【0083】続いてこのシリコン基板7を通常の洗浄工
程で清浄化した後、シリコン基板7を石英製の円筒容器
に設置し、ウェットな酸素雰囲気中で加熱する熱酸化を
行なった。熱酸化条件は1000℃、2時間である。そ
の結果、シリコン基板7の表層約1μmの領域に二酸化
シリコン層8が形成された(図7(b))。
【0084】次に形成された二酸化シリコン層8をパタ
ーニングするために、通常のフォトリソグラフィの工程
でレジストを所望のパターンに加工した後、そのレジス
トをマスクとして二酸化シリコン層8の所望の領域をエ
ッチングした(図7(c))。二酸化シリコン層8のエ
ッチングは、フッ硝酸によるウェットエッチングにより
行なった。その結果、本実施例においては直径が5μm
の丸いドットを20μm間隔で100個×100個、す
なわち合計10000個のドット領域の二酸化シリコン
層8が除去された。
【0085】次にダイヤモンドからなる層をシリコン基
板上に形成するに先立ち、傷付け処理を行なった(図7
(d))。傷付け処理とは、ダイヤモンド砥粒を含んだ
アルコール溶液中に基板素材を設置し、超音波を印加す
る処理のことで、この処理によってダイヤモンドの核発
生が容易になる。一般的にダイヤモンドの気相合成では
シリコンに比べて二酸化シリコン上にはダイヤモンドは
ほとんど成長しないが、本実施例ではシリコンと二酸化
シリコン上での成長選択性をさらに助長するためシリコ
ン部分にのみ傷つけ処理を行なった。図7中の9は傷付
け処理されたシリコン基板の領域を示している。また傷
付け処理の選択性は二酸化シリコン層のパターニングで
用いたレジストをマスクとして用いて行なった。
【0086】そしてシリコン基板7上に気相合成法によ
ってダイヤモンドからなる層10を形成した(図7
(e))。本実施例においても第1の実施の形態と同様
に、マイクロプラズマCVD法を用いた。具体的な条件
も同じである。その結果、傷付け処理をしたシリコン領
域9にのみダイヤモンドからなる層10が形成し、シリ
コン基板上に10000個のダイヤモンドからなる層の
直径5μmの丸いドットが配列して形成された(図7
(f))。
【0087】続いてシリコン基板上に突起構造を形成す
るために、形成されたダイヤモンドからなるドットをマ
スクとして、シリコン基板7をRIEでドライエッチン
グした。その結果、第1に実施例と同様、図1(c)
(d<D)に示したような形状のダイヤモンドからなる
層10を上部に有したシリコンの柱状の突起構造が配列
して形成された。
【0088】以上のような方法で作製した電子放出素子
を10-9Torr程度の真空中に設置し、素子の上方10μm
の位置に引き出し電極(アノード)となるタングステン
(W)製の金属探針を配置して素子の電界放出特性を測
定した結果、第1の実施例と同様に従来よりも低い電界
で効率的に電子が放出されていることが確認された。
【0089】また本実施例においては、基材及び突起構
造ともシリコンを用いて行なったが、他の材料、例えば
突起材質としてモリブデン等を用いた場合においても同
様の結果が得られることが確認された。
【0090】また突起部分の形状が柱状ではなく、図2
に示したような台状、あるいは図3に示したような糸巻
き状の場合においても同様の結果が得られることが確認
された。
【0091】(第6の実施の形態)第1の実施の形態で
用いたダイヤモンド層の表面は、上記のようにダイヤモ
ンドの表面導電層により水素終端となっており、負の電
子親和力状態である。そこで気相合成法でダイヤモンド
からなる層を形成した後、ダイヤモンドからなる層に酸
素プラズマを照射して酸素終端とした層を作製した。こ
の酸素終端されたダイヤモンドからなる層の電子親和力
状態を評価した結果、正の電子親和力状態であることが
わかった。さらにこの酸素終端ダイヤモンド層を用い
て、同様のプロセスで第1の実施例と同じ構造の素子を
作製した。
【0092】以上のような条件で作製した電子放出素子
を10-9Torr程度の真空中に設置し、素子の上方10μm
の位置に引き出し電極(アノード)となるタングステン
(W)製の金属探針を配置して素子の電界放出特性を測
定した結果、電子が放出されることは確認されたが、第
1の実施例と比較して高電界が必要であった。
【0093】そこでさらに、この素子のダイヤモンドか
らなる層に水素プラズマを照射して、表面を水素終端化
した。その結果電子放出特性は、第1の実施の形態の場
合の結果と同じになり、酸素終端表面の場合と比較し
て、非常に低い電界で効率的に電子が放出されているこ
とが確認された。以上のように高効率電子放出素子の作
製には、ダイヤモンドからなる層の表面状態制御が必須
であることが確認された。
【0094】(第7の実施の形態)ダイヤモンドからな
る層の表面構造制御の方法として、ダイヤモンドの所定
の領域に波長が200nm以下の真空紫外光の照射を行
なった。まず表面が酸素で終端されたダイヤモンドから
なる層を準備した。このダイヤモンドからなる層の電子
親和力状態は、上記の通り正の電子親和力状態である。
そこで真空雰囲気中あるいは水素雰囲気中で正の電子親
和力を有するダイヤモンドからなる層の一部に波長が2
00nm以下の真空紫外光を照射した。その際の真空紫
外光の照射量としては、照射レート等に依存するため特
に限定はされないが、本実施例では1秒当たり1011個の
フォトンを15分間照射した。その結果、真空紫外光が
照射された領域の最表面炭素と酸素との結合が切れ、水
素との結合に変わっていることが確認された。すなわ
ち、ダイヤモンドからなる層表面の結合状態を変えるこ
とによって、電子親和力の状態が正から負に変わってい
ることがわかった。このプロセスを用いることによっ
て、ダイヤモンドからなる層の表面状態を制御すること
が可能であることが確認された。
【0095】(第8の実施の形態)ダイヤモンドからな
る層の表面構造制御の方法として、ダイヤモンドからな
る層を加熱して水素ガス中に晒した。まず表面が酸素終
端されたダイヤモンドからなる層を準備した。このダイ
ヤモンドからなる層は、上記のように正の電子親和力状
態である。そこで水素ガスを流した円筒形の容器内に正
の電子親和力を有するダイヤモンド層を設置し、600
℃まで加熱した。その際の処理時間としては10分間で
ある。その結果、水素雰囲気中で加熱されたダイヤモン
ド層の最表面炭素は、水素との結合に変わっていること
が確認された。すなわち、ダイヤモンドからなる層の表
面の結合状態を変えることによって、電子親和力の状態
が正から負に変わっていることがわかった。このプロセ
スを用いることによって、電子放出領域を制御すること
が可能であることが確認された。
【0096】また容器に流す水素ガスをアルゴンや窒素
で10%程度に希釈した場合や加熱温度を400〜90
0℃の範囲で変化された場合などにおいても、同様の結
果が得られた。
【0097】(第9の実施の形態)ダイヤモンドからな
る層の表面構造制御の方法として、ダイヤモンドからな
る層を水素ガスを放電分解して得られるプラズマに晒し
た。まず表面が酸素終端されたダイヤモンド層を準備し
た。このダイヤモンドからなる層は、上記のように正の
電子親和力状態である。そこで水素ガスのECR放電プ
ラズマに正の電子親和力を有するダイヤモンド層の一部
を晒した。その際の水素プラズマ照射時間としては20
秒間である。その結果、水素プラズマに晒された領域の
最表面炭素は、水素との結合に変わっていることが確認
された。すなわち、ダイヤモンドからなる層の表面の結
合状態を変えることによって、電子親和力の状態が正か
ら負に変わっていることがわかった。このプロセスを用
いることによって、電子放出領域を制御することが可能
であることが確認された。
【0098】また水素ガスのECR放電プラズマに晒す
時間を変えた場合や水素ガスをアルゴンや窒素で10%
程度に希釈した場合、他の方法で形成した水素プラズマ
に晒した場合などにおいても、同様の結果が得られた。
【0099】(第10の実施の形態)ダイヤモンドから
なる層の表面構造制御の方法として、ダイヤモンドから
なる層を加熱して酸素ガス中に晒した。まず表面が水素
終端されたダイヤモンド層を準備した。このダイヤモン
ド層は、上記のように負の電子親和力状態である。そこ
で酸素ガスを流した円筒形の容器内に負の電子親和力を
有するダイヤモンド層を設置し、600℃まで加熱し
た。その際の処理時間としては10分間である。その結
果、酸素雰囲気中で加熱されたダイヤモンドからなる層
の最表面炭素は、酸素との結合に変わっていることが確
認された。すなわち、ダイヤモンドからなる層の表面の
結合状態を変えることによって、電子親和力の状態が負
から正に変わっていることがわかった。このプロセスを
用いることによって、電子放出領域を制御することが可
能であることが確認された。
【0100】また容器に流す酸素ガスをアルゴンや窒素
で10%程度に希釈した場合や加熱温度を400〜65
0℃の範囲で変化された場合などにおいても、同様の結
果が得られた。
【0101】(第11の実施の形態)ダイヤモンドから
なる層の表面構造制御の方法として、ダイヤモンドから
なる層を酸素ガスを放電分解して得られるプラズマに晒
した。まず表面が水素終端されたダイヤモンド層を準備
した。このダイヤモンド層の電子親和力状態を評価した
結果、上記のように負の電子親和力状態であることがわ
かった。そこで酸素ガスのECR放電プラズマに負の電
子親和力を有するダイヤモンド層の一部を晒した。その
際の酸素プラズマ照射時間としては20秒間である。そ
の結果、酸素プラズマに晒された領域の最表面炭素は、
酸素との結合に変わっていることが確認された。すなわ
ち、ダイヤモンドからなる層の表面の結合状態を変える
ことによって、電子親和力の状態が負から正に変わって
いることがわかった。このプロセスを用いることによっ
て、電子放出領域を制御することが可能であることが確
認された。
【0102】また酸素ガスのECR放電プラズマに晒す
時間を変えた場合や酸素ガスをアルゴンや窒素で10%
程度に希釈した場合、他の方法で形成した酸素プラズマ
に晒した場合などにおいても、同様の結果が得られた。
【0103】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る電子放出素
子によれば、ダイヤモンドを用いて形成される電子放出
素子であって、基材上に配置された導電性あるいは半導
電性材料からなる突起構造と、前記突起構造の上部に配
置されたダイヤモンドからなる層とを含むことを特徴と
するため、従来よりも高い表面安定性でかつ損傷を受け
にくい電子放出部分を有する安定な電子放出素子を実現
できる。また、電子放出材料として適したダイヤモンド
からなる層を電子放出部分として有する低電圧動作で高
効率な電子放出素子を実現することが可能となる。
【0104】さらにダイヤモンドからなる層を突起構造
の上面部、あるいは頂点部に配置することにより、基材
上に配置される突起構造をダイヤモンドからなる層で保
護できると共に、印加される電界が集中しやすいためよ
り効率的な電子放出が可能となる。
【0105】さらに基材上に配置された個々の突起構造
の上部の直径を5μm以下、望ましくは1μm以下とす
ることにより、微細な電子放出素子を形成することが可
能となる。
【0106】さらにダイヤモンドからなる層の直径を5
μm以下、望ましくは1μm以下とすることにより、微
細な電子放出素子を形成することが可能となると共に、
電界が集中しやすくなるので低電圧動作が可能となる。
【0107】さらにダイヤモンドからなる層の直径を基
材上に配置された個々の突起構造の上部の直径よりも大
きい、望ましくはダイヤモンドからなる層の直径が突起
構造の上部の直径の2倍以上とすることにより、突起構
造をダイヤモンドからなる層で保護できると共に、電子
放出が容易なダイヤモンドからなる層の有効面積を大き
くとることができる。
【0108】さらにダイヤモンドからなる層の最表面の
炭素原子を水素原子との結合によって終端された構造と
することにより、簡便な方法でダイヤモンドを非常に安
定な負の電子親和力状態にすることができる。
【0109】さらにダイヤモンドからなる層の最表面の
炭素原子と結合した水素原子の量を1×1015個/cm2
上、望ましくは2×1015個/cm2以上とすることにより、
ほぼ全ての最表面炭素原子が水素原子と結合するため、
より安定な負の電子親和力状態を維持することができ
る。
【0110】さらにダイヤモンドからなる層を気相合成
法によって形成することにより、後工程として何ら処理
をすることなく成長直後にダイヤモンド層表面に表面導
電層を得ることが可能となる。
【0111】さらにダイヤモンドからなる層を少なくと
もp形のダイヤモンド層を含んだ構成とすることによ
り、ショットキー接合などを用いた構成を作製すること
が容易になる。
【0112】さらにp形のダイヤモンド層をダイヤモン
ドの表面導電層とすることにより、新たにp形のダイヤ
モンド層を形成する工程を経ることなく、容易に1μm
以下の厚さのp形のダイヤモンド層を形成することが可
能となるため、効率的な電子放出素子を簡便に実現でき
る。
【0113】さらにp形のダイヤモンド層の抵抗率を1
×104Ω・cm以下、望ましくは1×102Ω・cm以下とする
ことにより、抵抗による損失分を抑制することが可能と
なる。
【0114】さらに電極層をダイヤモンドからなる層と
接して配置することにより、ダイヤモンドからなる層に
適当な大きさの電界を印加することが可能となり、その
結果電子の放出が容易となる。
【0115】また本発明方法の構成によれば、ダイヤモ
ンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法であっ
て、基材上にダイヤモンドからなる層を形成する工程の
後に、前記基材に導電性あるいは半導電性材料からなる
突起構造を形成する工程を行なうことを特徴とすること
により、容易に所望の構造を有する高効率電子放出素子
を形成することが可能となる。
【0116】さらに基材上にダイヤモンドからなる層を
形成する工程を選択的な領域にのみダイヤモンドを形成
する選択成長法とすることにより、ダイヤモンドからな
る層のパターニングを行なうことなく、所望の構造を有
する高効率電子放出素子を形成することが可能となる。
【0117】また本発明方法の構成によれば、ダイヤモ
ンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法であっ
て、基材上にダイヤモンドからなる層を形成する工程
と、前記ダイヤモンドからなる層をパターニングする工
程の後に、前記基材に導電性あるいは半導電性材料から
なる突起構造を形成する工程を行なうことを特徴とする
ことにより、容易に所望の構造を有する高効率電子放出
素子を形成することが可能となる。
【0118】さらに突起構造を形成する工程を基材を表
面側から所定の深さまでエッチングする工程とすること
により、微細な突起構造を選択的に形成することが可能
となる。
【0119】さらに基材のエッチング工程におけるエッ
チングマスクをパターニングされたダイヤモンドからな
る層とすることにより、パターン形状を決めるマスキン
グ工程を経ることなく、セルフアラインで容易に所望の
構造を有する高効率電子放出素子を形成することが可能
となる。
【0120】また本発明方法の構成によれば、ダイヤモ
ンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法であっ
て、ダイヤモンドからなる層に波長が200nm以下の
真空紫外光を照射する工程を含むことを特徴とするの
で、選択的にダイヤモンド表面の電子親和力状態を制御
することが可能となる。
【0121】また本発明方法の構成によれば、ダイヤモ
ンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法であっ
て、ダイヤモンドからなる層に少なくとも水素を含むガ
スを晒す工程を含むことを特徴とするので、選択的にダ
イヤモンドの最表層炭素原子に水素原子を結合させるこ
とが可能となり、その結果容易に負の電子親和力状態の
領域を形成することが可能になる。
【0122】また本発明方法の構成によれば、ダイヤモ
ンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法であっ
て、ダイヤモンドからなる層に少なくとも水素を含むガ
スを放電分解して得られるプラズマを晒す工程を含むこ
とを特徴とするので、選択的にダイヤモンドの最表層炭
素原子に水素原子を結合させることが可能となり、その
結果容易に負の電子親和力状態の領域を形成することが
可能になる。
【0123】また本発明方法の構成によれば、ダイヤモ
ンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法であっ
て、ダイヤモンドからなる層に少なくとも酸素を含むガ
スを晒す工程を含むことを特徴とするので、選択的にダ
イヤモンドの最表層炭素原子に酸素原子を結合させるこ
とが可能となり、その結果容易に正の電子親和力状態の
領域を形成することが可能になる。
【0124】また本発明方法の構成によれば、ダイヤモ
ンドを用いて形成される電子放出素子の製造方法であっ
て、ダイヤモンドからなる層に少なくとも酸素を含むガ
スを放電分解して得られるプラズマを晒す工程を含むこ
とを特徴とするので、選択的にダイヤモンドの最表層炭
素原子に酸素原子を結合させることが可能となり、その
結果容易に正の電子親和力状態の領域を形成することが
可能になる。
【0125】以上のようにダイヤモンド層の表面状態を
任意に制御することにより、高効率電子放出素子の素子
構成並びに作製プロセスを簡便にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子放出素子の突起構造とダイヤ
モンドからなる層の一構成例を示す断面図
【図2】本発明に係る電子放出素子の突起構造とダイヤ
モンドからなる層の一構成例を示す断面図
【図3】本発明に係る電子放出素子の突起構造とダイヤ
モンドからなる層の一構成例を示す断面図
【図4】本発明に係る電子放出素子の突起構造とダイヤ
モンドからなる層の一構成例を示す断面図
【図5】本発明に係る電子放出素子の突起構造とダイヤ
モンドからなる層の一構成例を示す断面図
【図6】本発明に係る電子放出素子作製の一実施例とし
て行なったダイヤモンド層のエッチングを利用した作製
プロセスの概略図
【図7】本発明に係る電子放出素子作製の一実施例とし
て行なったダイヤモンドの選択成長法を利用した作製プ
ロセスの概略図
【符号の説明】
1 基材 2 導電性あるいは半導電性材料からなる突起構造 3 ダイヤモンドからなる層 4 シリコン基板 5 ダイヤモンドからなる層 6 アルミニウム(Al)層 7 シリコン基板 8 二酸化シリコン層 9 傷付け処理されたシリコン領域 10 ダイヤモンドからなる層

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、基材上に配置された導電性あるいは半
    導電性材料からなる突起構造と、前記突起構造の上部に
    配置されたダイヤモンドからなる層とを含むことを特徴
    とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、ダイヤモンドからなる層が、突起構造
    の上面部に配置されることを特徴とする請求項1に記載
    の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、ダイヤモンドからなる層が、突起構造
    の頂点部に配置されることを特徴とする請求項1に記載
    の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、基材上に配置された個々の突起構造の
    上部の直径が、5μm以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、ダイヤモンドからなる層の直径が、5
    μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子
    放出素子。
  6. 【請求項6】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、ダイヤモンドからなる層の直径が、基
    材上に配置された個々の突起構造の上部の直径よりも大
    きいことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  7. 【請求項7】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、ダイヤモンドからなる層の最表面の炭
    素原子が、水素原子との結合によって終端された構造で
    あることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  8. 【請求項8】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、ダイヤモンドからなる層の最表面の炭
    素原子と結合した水素原子の量が、1×1015個/cm2
    上であることを特徴とする請求項7に記載の電子放出素
    子。
  9. 【請求項9】 ダイヤモンドを用いて形成される電子放
    出素子であって、ダイヤモンドからなる層が、気相合成
    法によって形成されることを特徴とする請求項1に記載
    の電子放出素子。
  10. 【請求項10】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子であって、ダイヤモンドからなる層が、少なく
    ともp形のダイヤモンド層を含んだ構成であることを特
    徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  11. 【請求項11】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子であって、p形のダイヤモンド層が、ダイヤモ
    ンドの表面導電層であることを特徴とする請求項10に記
    載の電子放出素子。
  12. 【請求項12】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子であって、ダイヤモンド層を有する層に含まれ
    るp形のダイヤモンド層の抵抗率が、1×104Ω・cm以
    下であることを特徴とする請求項10に記載の電子放出素
    子。
  13. 【請求項13】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子であって、電極層が、ダイヤモンドからなる層
    と接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の
    電子放出素子。
  14. 【請求項14】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、基材上にダイヤモンドか
    らなる層を形成する工程の後に、前記基材に導電性ある
    いは半導電性材料からなる突起構造を形成する工程を行
    なうことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、基材上にダイヤモンドか
    らなる層を形成する工程が、選択的な領域にのみダイヤ
    モンドを形成する選択成長法であることを特徴とする請
    求項14に記載の電子放出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、基材上にダイヤモンドか
    らなる層を形成する工程と、前記ダイヤモンドからなる
    層をパターニングする工程の後に、前記基材に導電性あ
    るいは半導電性材料からなる突起構造を形成する工程を
    行なうことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、突起構造を形成する工程
    が、基材を表面側から所定の深さまでエッチングする工
    程であることを特徴とする請求項14あるいは16のいずれ
    かに記載の電子放出素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、基材のエッチング工程に
    おけるエッチングマスクが、パターニングされたダイヤ
    モンドからなる層であることを特徴とする請求項17に記
    載の電子放出素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、ダイヤモンドからなる層
    に、波長が200nm以下の真空紫外光を照射する工程
    を含むことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、ダイヤモンドからなる層
    に、少なくとも水素を含むガスを晒す工程を含むことを
    特徴とする電子放出素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、ダイヤモンドからなる層
    に、少なくとも水素を含むガスを放電分解して得られる
    プラズマを晒す工程を含むことを特徴とする電子放出素
    子の製造方法。
  22. 【請求項22】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、ダイヤモンドからなる層
    に、少なくとも酸素を含むガスを晒す工程を含むことを
    特徴とする電子放出素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 ダイヤモンドを用いて形成される電子
    放出素子の製造方法であって、ダイヤモンドからなる層
    に、少なくとも酸素を含むガスを放電分解して得られる
    プラズマを晒す工程を含むことを特徴とする電子放出素
    子の製造方法。
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