JP2007070140A - 炭素膜および電界放射型の電子放出源 - Google Patents

炭素膜および電界放射型の電子放出源 Download PDF

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Abstract

【課題】印加電圧の増大に対して電界放射電流が飽和しにくく、かつ、電界放射特性に優れた炭素膜を提供すること。
【解決手段】細長い針状に成膜されている炭素膜において、ファウラノルドハイムの式における電界集中係数βが、任意の位置での先端までの高さをh、半径をrとして、h/rの式で表され、かつ、その半径が任意の位置から先端に向かうにつれて小さくなる形状を備え、かつ、先端領域にナノダイヤモンド微粒子が成膜されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、先端(ティップ先端)が電界放射(フィールドエミッション)を行うのに適した鋭利な形状に成膜される炭素膜、該炭素膜を用いた電界放射型の電子放出源に関する。
電界放射型の電子放出源には、先端が電界放射を行うのに適した鋭利な形状に成膜される炭素膜を用いたものがある。電界放射は、電界集中により電子が真空に放射される現象である。このような電界放射を行うものとして例えば、特許文献1等でシリコンや金属を微小な円錐状に形成したスピント型の電界放射構造が知られている。このスピント型は、ティップ先端の高さを高くすることに限界があり、電界放射特性のさらなる要求に沿い難い。
このようなスピント型の課題を解消するべく、例えば、特許文献2等において、高アスペクト比のカーボンナノチューブが開発されている。このカーボンナノチューブは、針状に炭素膜を化学的気相蒸着(CVD)等により成膜したものであり、極めて細長く、スピント型よりもその先端部分の曲率半径が小さくなって電界集中係数が大きくなり、電界放射特性に優れたものとなる。
しかしながら、カーボンナノチューブの場合、印加電圧を増大させて電界放射電流を増大させていくに際しては、或る印加電圧を超えると、それ以上は、電界放射電流が増大しにくくなって飽和してしまう、という大きな課題がある。
そのため、カーボンナノチューブを電子放出源として、各種のデバイス、装置等に用いる場合、例えば、電界放射型の照明ランプに用いる場合、印加電圧の調整でその発光輝度を調整する場合、その調整範囲が極めて制約されたものとなる。
また、カーボンナノチューブでは上記課題以外にも、直径に対する高さの比率であるアスペクト比が極めて大きいがために、先端高さが揃いにくくばらつきやすい、先端がゆらぎやすい、基板上に機械的に支持しにくいから安定性にかける、カーボンナノチューブに電流を流し込むための基板との電気的コンタクトがとりにくい、カーボンナノチューブが多数密集すると、電界集中が起こりにくく、電子放出特性が容易に損なわれてしまうこと、等の多数の課題がある。
特開平10−223128号公報
本発明は、針状の炭素膜において、カーボンナノチューブよりも、印加電圧の増大に対して電界放射電流が飽和しにくく、かつ、電界放射特性に優れた炭素膜を提供するものである。
(1)本発明第1にかかる炭素膜は、細長い針状に成膜されている炭素膜において、任意の位置から先端までの高さをh、その位置での半径をrとしてファウラノルドハイムの式における電界集中係数βがh/rの式で表され、その半径が先端に向けて小さくなる形状に成膜され、かつ、先端領域にナノダイヤモンド微粒子が成膜されていることを特徴とする炭素膜(針状炭素膜)である。
上記において、任意の位置から先端までの間で、半径が部分的に大きい部分が存在しても、全体として先端に向けて半径が小さくなる場合を含む。
また、任意の位置から先端までの間の途中部分は真直ぐな場合に限定する必要はなく、途中部分において曲線状、折れ線状、等に変形していても、全体として先端に向けて半径が小さくなるとよい。
上記において、任意の位置は、炭素膜の基部に限定するものではなく、途中の位置からでもよい。
上記において、先端領域は、先端だけでもよいが、これに限定されず先端の近傍領域を含む。
ナノダイヤモンド微粒子のサイズは、10nm以下が好ましい。
ナノダイヤモンド微粒子は、水素終端されていることが好ましい。水素終端されているとナノダイヤモンド微粒子表面が確実に負性電子親和力に保持され電界放射特性が長期間にわたって安定するからである。
本発明の針状炭素膜は以下の作用効果を有する。
第1に、本発明の針状炭素膜は、任意の位置から先端までの高さをh、その位置での半径をrとしてファウラノルドハイムの式における電界集中係数βがh/rの式で表され、その半径が先端に向けて小さくなる形状に成膜されているので、印加電圧が低いときは半径が最小である先端部分が上記式から電界集中係数βが最大となり電界放射が行われ、その部分での電界放射が飽和するようになると、その部分での電界放射が維持されつつ、半径が漸次、大きくなる部分において上記式から電界放射が行われる。そのため、印加電圧が上昇していくと先端部分で電界放射が飽和しても、他の部分から電界放射が行われる結果、印加電圧の上昇に伴い電界放射が増大していき、電界放射が飽和しにくい炭素膜となる。
電界放射に関して以下に詳しく説明する。
真空に放出される電流密度を記述するファウラノルドハイム(Fowler−Nordheim)の式は次式で表されることで知られる。
I=sAF2/φexp(−B3/2/F)
F=βV
ただし、Iは電界放射電流、sは電界放射面積、Aは定数、Fは電界強度、φは仕事関数、Bは定数、βは電界集中係数、Vは印加電圧である。電界集中係数βは、印加電圧Vを、先端部分の形状や素子の幾何学的形状により電界強度F(V/cm)を変換する係数である。
電界放射電流Iは、仕事関数φが小さい材料ほど、また、電界集中係数βが大きいほど、強くなり、電界放射電流Iが増大する。
電子は仕事関数φであるポテンシャル障壁により固体中に閉じ込められている。
この固体表面に電界が強く集中し、ポテンシャル障壁が1nm以下程度にまで薄くなると、電子はその波動性によるトンネリング現象により固体から真空に放射される確率が急激に増大する。
このように、電界集中により電子が真空に放射される現象を電界放射という。
電界放射電流Iは、ポテンシャル障壁に衝突する電子の入射密度と、ポテンシャル障壁をトンネリングする確率との積を全エネルギー領域で積分することにより求めることができ、ファウラノルドハイムの式は、そのことを上記式で表したものである。
本発明の針状炭素膜は、上記電界集中係数βを有する形状を備えた炭素膜の先端領域にナノダイヤモンド微粒子を成膜した構造を有するので、次に述べる第2の作用効果を発揮できる。
本発明の針状炭素膜は、反応ガスと反応時間と反応温度とを変えながら炭素膜を針状に成膜する工程に引き続いてナノダイヤモンド微粒子を炭素膜の先端領域に成膜する工程を実施することができるので製造コストの低減、製造時間の短縮を図ることができる。
本発明の針状炭素膜は、ナノダイヤモンド微粒子と炭素膜の先端領域との接触界面付近での鏡像の相互作用により該接触界面付近における真空準位が下がって電界放射がより行われやすくなり、低印加電圧で全体の電界放射電流量をより大きくすることができる。
本発明の針状炭素膜は、先端領域のナノダイヤモンド微粒子の表面の負性電子親和力により、電界放射の表面ポテンシャル障壁が大幅に減少し、電界放射が効率的に行われるようになる。
本発明の針状炭素膜は、その先端領域が円錐面に擬似した形状であってその頂点の中心角θ(度)が0<θ<20であることが好ましい。
中心角θは、その擬似円錐を形成する外周面のプロファイル全体が直線状であることに限定する必要はなく、途中で半径が増減しても全体として中心角θが上記範囲に入るとよい。
例えば、その外周面が二次関数的曲線形状、指数関数的曲線、あるいはこれら各種曲線が混在した形状等があるが、全体として先端に向けて半径が小さくなる円錐に擬似することができる。針状炭素膜のティップ先端が曲率半径r0を有する場合は、擬似円錐の頂点はティップ先端ではなく、擬似円錐外周面の延長上とすることができる。
(2)本発明の炭素膜は、上記(1)に記載の針状炭素膜と、針状炭素膜の少なくとも膜下部に外方向に壁状に広がる形態に成膜されている炭素膜(壁状炭素膜)とを備えることを特徴とする炭素膜である。
壁状とは花弁状等、外方向に広がるような形態で針状炭素膜の膜下部に成膜されて該針状炭素膜を基板上に機械的に支持することができ、また、該針状炭素膜を基板に電気的にコンタクトすることができる膜形態であればよい。
本発明の炭素膜は、本発明の針状炭素膜を含むことにより、上記(1)と同様の作用効果を有する。
本発明の炭素膜は、このような針状炭素膜に加えて、さらに、針状炭素膜の膜下部から膜中途に至りまとわる形態で壁状に広がる形態をなして壁状炭素膜を成膜しているので、この壁状炭素膜により、
(a)針状の膜の基板上での姿勢が極めて安定化し、電子を安定して放出することができること、
(b)複数の針状の膜それぞれの成膜方向が揃い易くなり、この面からも複数の針状の膜それぞれからの電子放出量が基板全体にわたり均一にすることができ、電界放射型の照明ランプ全体において蛍光体を励起発光させる電子量が均一になって発光輝度を照明ランプ全体で均一化し、輝度むらを低減することができること、
(c)基板上に機械的に強固に支持され、基板上に倒れ込みにくくなる結果、照明ランプの電子放出源としての安定性が向上すること、
(d)針状の膜の直径が細くても、電流を流し込むための基板との電気的コンタクトを壁状の膜によりとることができる。
(3)本発明にかかる炭素膜は、上記(1)に記載の針状炭素膜と、針状炭素膜の周囲を壁状に取り囲む炭素膜(網目状炭素膜)とを備えることを特徴とする炭素膜である。
本発明の炭素膜は、本発明の針状炭素膜を含むことにより、上記(1)に記載した作用効果を有する。
本発明の炭素膜は、加えて、針状炭素膜が基板上に成膜された網目状炭素膜により囲まれているので、針状炭素膜が網目状炭素膜によりその配置間隔が制約される結果、針状炭素膜が多数密集することを制約することができ、それぞれの針状炭素膜の電界集中性能を発揮させることが可能となって優れた電子放出特性を提供することができるようになる。
(4)本発明にかかる炭素膜は、上記(1)に記載の針状炭素膜と、上記(2)に記載の壁状炭素膜と、上記(3)に記載の網目状炭素膜とを備えることを特徴とする炭素膜である。
本発明の炭素膜は、本発明の針状炭素膜と、壁状炭素膜と、網目状炭素膜とを含むことにより、上記(1)に記載した作用効果と、上記(2)に記載した作用効果と上記(3)に記載した作用効果とを有する炭素膜である。
(5)上記基板には、基板の名称に限定されず、矩形あるいは円形等の各種形状を備えた基板、あるいはワイヤ状の基板等、本発明の効果を達成することができる形状であればよく、その具体的に特定した形状に限定されるものではない。
ワイヤ状とは導電性を有する線状体を含む。ワイヤ状とは、直線状、曲線状、それらの複合形状を含む。基板がワイヤである場合、そのワイヤは中実、中空を問わない。ワイヤの断面形状は、円形、楕円形、矩形、その他の形状を含む。
(6)網目状炭素膜は、そのすべてが連続膜で成膜されていることに限定されず、その一部で途切れていても含むことができる。その途切れ状態がどの程度であるかには何等限定されるものではない。
(7)膜下部とは、壁状炭素膜が針状炭素膜の最下端部にまとわりついて接触する必要はなく、どの位置かに具体的に限定されるものではない。
(8)本発明の炭素膜では、直流プラズマCVD法により成膜する場合では、針状炭素膜をさらに高配向に成膜することができる。
上記壁状の膜の側面から見た形状が概ね裾広がりの形状をなしていることが好ましい。
この形状によると、壁状炭素膜に電界集中しにくくすることができるとともに、針状炭素膜を機械的に支持する姿勢をより安定化させることができ、かつ、基板との電気的な接触抵抗がより下がり、電流をより効率的に流すことができるようになる。
その結果、低い電力消費で多量の電子を放出することができる炭素膜を提供することができる。
(9)上記網目状炭素膜はカーボンナノウォールにより構成することができる。カーボンナノウォールは、多数のナノオーダの壁状炭素薄片が平面方向に集合連成された形態であり、数十層のグラフェンシートからなる。カーボンナノウォール単独の場合、電圧印加により端部である壁状部の上面で高い電界集中が起こって電子を放出することができるものである。
しかしながら、本発明の場合では、針状炭素膜の直径が極めて細く、かつ、アスペクト比が大きく、網目状炭素膜の壁高さよりも高いため、電界集中が起こらない。電界集中は上記針状炭素膜の先端領域に起こるようになっている。
本発明によれば、印加電圧の増大に対して電界放射電流が飽和しにくく、電界放射特性に優れた炭素膜を提供できる。
本発明の実施の形態に係る炭素膜は、
(1)ファウラノルドハイムの式における電界集中係数βが、任意の位置から先端までの高さをh、その位置での半径をrとして、h/rの式で表され、かつ、その半径が任意の位置から先端に向かうにつれて小さくなる形状を備えること、かつ、
(2)先端領域にナノダイヤモンド微粒子が成膜されていることを特徴とする針状炭素膜である。
実施の形態の針状炭素膜を上記(1)(2)にわけて説明する。
(1)ファウラノルドハイムの式における電界集中係数βが、任意の位置から先端までの高さをh、その位置での半径をrとして、h/rの式で表され、かつ、その半径が任意の位置から先端に向かうにつれて小さくなる形状を備えること:
実施の形態の針状炭素膜は、アスペクト比が100〜数万程度であり、直径が2〜200nm、長さが数十〜数万nmである。
実施の形態の針状炭素膜の上記(1)の形状に基づく原理を図1および図2を参照して説明する。
図1(a)(b)に従来のカーボンナノチューブ1の先端部分1aおよびその近傍とこのカーボンナノチューブによる印加電圧Vによる電界放射電流Iの特性とを示し、図2(a)(b)(c)に実施の形態の針状炭素膜3の先端部分3aおよびその近傍とこの針状炭素膜3による印加電圧Vによる電界放射電流Iの特性とを示す。
これらの図では理解のため形状、直径、等は誇張して示す。カーボンナノチューブ1と実施の形態の針状炭素膜3は共に上記任意の位置を図示略の基部とし該基部からの先端高さをhとしている。
まず、図1(a)で示すようにカーボンナノチューブ1は、その先端部分1aに曲率半径r0の曲面を持っているとしても、その先端部分1aから図示略の下方の基部までその全体からみると、半径rcがほぼ一定のチューブ形状であるということができる。
このようにカーボンナノチューブ1は、先端部分1aから基部までほぼ一定半径rcのチューブ状であるから、先端部分1aを除いては実施の形態の針状炭素膜3の上記式(β=h/r)で示す電界集中係数の定義を適用することができる形状を備えていない。
そのためカーボンナノチューブ1では、図1(b)の印加電圧Vが増大すると先端部分1aからの電界放射電流Iが増大し図1(a)の矢印Aのように電界放射する。
そして、或る印加電圧V0を超えると、図1(b)の実線曲線で示すように、それ以上は、その先端部分1aからの電界放射が飽和し、電界放射電流IがI0以上には増大しにくくなる。
なお、従来のスピント型は細長い針状ではなく、ピラミッド型(円錐シリコンによるスピント型ではその中心角は70.5度)であり、本発明の電界集中係数βの定義を適用することができる形状を備えていない。
実施の形態の針状炭素膜3では、図2(a)で示すように、電界集中係数βが、上記h/rの式で表され、かつ、基部から先端部分3aに向けて半径rvが小さくなる形状を有するから、図2(b)で示す(実線曲線は実施の形態の針状炭素膜により、二点鎖線曲線はカーボンナノチューブによる)ように、印加電圧Vが増大するにつれ先端部分3aから図2(a)の矢印Aのように電界放射し、さらに印加電圧Vが増大すると、先端部分3aから遠くなるその近傍領域3bからも図2(a)の矢印Bのように電界放射が起こり、さらに印加電圧Vが増大すると、先端部分3aからさらに遠くなるその近傍領域3cからも図2(a)の矢印Cのように電界放射が起こる。
このようにして実施の形態の針状炭素膜3では、印加電圧Vの増大により、電界放射電流Iが従来のように印加電圧VがV0を超えても、電界放射電流Iがカーボンナノチューブのように電流I0で飽和せず、それ以上に増大することができる炭素膜である。
実施の形態の炭素膜3は、図2(c)(ただし、誇張して示している)で示すように、外周面が擬似的に円錐状であってその先端部分3aである擬似円錐頂点の中心角θ(度)が0<θ<20であることが好ましい。
このように狭い中心角θを有する針状炭素膜3は、ファウラノルドハイムの式における電界集中係数βを用いた電界強度F=βV=(h/r)Vにおいて、先端部分3aでまず電界集中を起こし、印加電圧Vの制御により、順次に先端部分3aから先端部分3aとその近傍の部分3b…を含めた全体が1つの電界集中部分として作用していくことができるようになるので、印加電圧Vに対して電界放射電流Iの大きさを飽和させることなく制御することができる。
これによって、実施の形態の針状炭素膜3は、例えば、電界放射型の照明ランプにおいてその発光輝度を任意の輝度に容易に制御することができるようになる。
以上のように実施の形態の針状炭素膜3では、ファウラノルドハイムの式においてその電界集中係数βが、任意の位置から先端部分3aまでの高さをh、その位置での半径をrとして、h/rの式で表され、かつ、先端部分3aに向けて半径が小さくなる形状を有するから、印加電圧Vが上昇していくと先端部分3aで電界放射が飽和しても、他の部分から電界放射が行われる結果、印加電圧Vの上昇に伴い電界放射が増大していき、電界放射電流Iが飽和しにくい炭素膜となる。
(2)先端領域にナノダイヤモンド微粒子が成膜されていること:
実施の形態の針状炭素膜の上記(2)のナノダイヤモンド微粒子に基づく原理を図3ないし図5を参照して説明する。
図3(a)は、基板上にナノダイヤモンド微粒子を配置した従来のものであり、ナノダイヤモンド微粒子の負性電子親和力を利用してナノダイヤモンド微粒子から電界放射を行うようにしている。しかしながら、この従来例では単に基板上にナノダイヤモンド微粒子を配置しただけでは、ファウラノルドハイムの電界集中係数βを与える式h/rにおいては、ナノダイヤモンド微粒子の半径rと高さhとの比が2程度であり、電界集中が小さく、十分な電界放射特性を得ることができない。
図3(b)は、シリコンやモリブデンを円錐形状にし、その先端領域にナノダイヤモンド微粒子を配置した従来のスピント型である。しかしながら、この従来例では、円錐モリブデンや円錐シリコンを形成する工程とその先端領域にナノダイヤモンド微粒子を形成する工程とが別々の工程となるなど工程プロセスが煩雑であり製作コストが高くつく。さらに、先端高さを高くすることができないから、ファウラノルドハイムの電界集中係数βを与える式h/rにおいては、ナノダイヤモンド微粒子の半径rと高さhとの比が2程度であり、電界集中が小さく、十分な電界放射特性を得ることができない。
図3(c)は、本実施の形態であり、ナノダイヤモンド微粒子6の成長基体が針状炭素膜3であるので、この針状炭素膜3を成膜する工程と、ナノダイヤモンド微粒子6をその針状炭素膜3の先端領域に成膜する工程とを同一の工程で実施することができ、製造コストを低減することができる。さらに、図4および図5で示す作用効果を有する。
図4は、実施の形態の針状炭素膜3に係り、図4(a)は実施の形態の針状炭素膜3の先端領域3d(上記先端3a、その近傍3b,3c)を示し、図4(b)は仕事関数の説明に用いる図である。実施の形態では、針状炭素膜3(グラファイト)とナノダイヤモンド微粒子(ダイヤモンド)6との接触の界面3eの付近3fに、針状炭素膜3とナノダイヤモンド微粒子6との表面鏡像の相互作用によって、図4(b)で示すように、針状炭素膜3の表面の真空準位Vacが降下し、これによって針状炭素膜3の電子放出のポテンシャル障壁φ(例えば、5.0eV)がφ´(4.2eV〜4.3eV程度)に小さくなり、その結果、電界放射がより行われやすくなり、低印加電圧で全体の電界放射電流量をより大きくすることができる。
図5は実施の形態の針状炭素膜に係り、図5(a)は実施の形態の針状炭素膜3の先端領域を示し、図5(b)は仕事関数の説明に用いる図である。実施の形態の針状炭素膜3は、その先端領域3dに、ナノダイヤモンド微粒子6を成膜してあるため、電子が針状炭素膜3からナノダイヤモンド微粒子6の伝導準位に注入し、ナノダイヤモンド微粒子6の表面の負性電子親和力を利用してポテンシャル障壁が図5(b)で示すように大幅に減少するので、電子がトンネリングする現象により電界放射が効率的に行われるようになる。
図6ないし図8を参照して、実施の形態の針状炭素膜3を応用展開して説明する。図6は実施の形態に係る針状炭素膜を含む炭素膜の部分的な断面図、図7は実施の形態の炭素膜の部分的な斜視図、図8は実施の形態の炭素膜を模式的に示す側面図である。これらの図には炭素膜と、基板を含む電子放出源が示されている。
これらの図において、基板4上に成膜技術、例えば、直流プラズマCVD法により、曲線状に繋がって連続した、網目状炭素膜5が成膜される。この基板4にはシリコンウエハ、石英ガラス、等の基板がある。
この基板4では基板表面に金属膜あるいは導電性膜を設けたものでもよい。あるいは、基板4はアルミニウム等の金属製の基板でもよい。
基板4には矩形あるいは円形等の各種形状を備えた基板あるいはワイヤ状の基板でもよい。この炭素膜の用途には、種々あり、炭素膜が有する強度を利用した補強材料、炭素膜の導電性を利用した電気配線等に用いる電気材料、炭素膜の電子放出特性を利用した電子エミッタ等に用いる電子材料がある。
そのうち、電子エミッタは不純物が混入されないことが好ましい。電子エミッタは、直径や長さ、および性能を制御可能であることが重要である。
基板4に連続的に成膜してなる網目状炭素膜5は、平面方向から見た場合、全体がほぼ網目状になっている。
網目状炭素膜5の高さ(h)はほぼ10nm以下の程度であり、網目状炭素膜5の幅(W)は4nmないし8nm程度である。
網目状炭素膜5で囲まれた基板4上の領域4aは、針状に伸びその先端が電界集中して電子を放出する電子放出点となる針状炭素膜3が成膜される領域となる。
この領域4aは、網目状炭素膜5で囲まれていることにより、各領域4a内それぞれに成膜される電子放出点の相互の間隔を制約ないしは規定することができるようになっている。
この領域4aには、成膜技術、例えば、直流プラズマCVD法により、先端が電子放出点となる針状炭素膜3が成膜される。
針状炭素膜3は、網目状炭素膜5の高さ(H)よりも高い高さ(h)、例えば、60μm程度に成膜される。針状炭素膜3は、ファウラノルドハイムの式における電界集中係数βが、任意の位置の一つとして選択した基部からその先端までの高さをh、その基部での半径をrとして、h/rの式で表され、かつ、その半径rvが任意の位置から先端に向かうにつれて小さくなる形状を備えている。
さらに、針状炭素膜3は、その先端領域にナノダイヤモンド微粒子6が成膜されている。先端領域は先端(ティップ先端)3aを含むその近傍3b,3cを含む領域である。
針状炭素膜3は、平行に対向する平行平板電極間において一方の電極上に配置された矩形基板に対して該矩形基板に垂直ないしはほぼ垂直に均等に電界を印加して成膜したり、あるいは、円筒形のコイルの中心に該コイルの長手方向に沿って配置された断面円形をなす導電性ワイヤに対して該導電性ワイヤの外周面全周に均等に電界を印加して成膜するものであるから、矩形基板の基板面にはほぼ垂直に配向することができ、導電性ワイヤの外周面には半径方向に配向することができる。
針状炭素膜3には、成膜技術、例えば、直流プラズマCVD法により、その膜下部から膜中途に至りまとわる形態で広がるように壁状炭素膜7が成膜される。
壁状炭素膜7は、針状炭素膜3を基板4上に支持するとともに基板4との電気的コンタクトをとることができるものである。
壁状炭素膜7の側面から見た形状は概ね裾広がりの形状をなしている。この形状は、例えば、花弁状になっている。
ただし、後記するSEM写真で示すように、幾何学的に完全な花弁形を意味するものではなく、理解し易い表現として説明していて、実際はSEM写真に示すように壁状炭素膜7は横広がり状態、螺旋状態、等の各種の形状となっている。
いずれにしても、壁状炭素膜7は、基板4に対して広い底面積で接触することにより、針状炭素膜3を基板4に機械的に強固に支持することができるとともに、基板4に対する針状炭素膜3の電気的コンタクトを十分に確保することができる。
以上の構造を有する炭素膜構造では、針状炭素膜3は、カーボンナノチューブのようにアスペクト比が大きいのであるが、壁状炭素膜7の膜形態が、針状炭素膜3にその膜下部から膜中途に至りまとわる形態で壁状に広がる形態をなして成膜されているので、基板4上に機械的に強固に支持され、基板4上に倒れ込みにくくなる結果、照明ランプの電子放出源としての安定性が向上するとともに、針状炭素膜3の直径が細くても、電流を流し込むための基板との電気的コンタクトを壁状炭素膜7によりとることができるので、照明ランプの電子放出源として必要な電子放出特性を得ることができる。
また、実施の形態の炭素膜では、図9に示すように、この基板に平行に対向した陽極と陰極との間の電圧印加により、針状炭素膜3の先端の周りの電位面8が急激に変化して、電界が強く集中するようになっている。
また、網目状炭素膜5には電界集中が起こらない。また、針状炭素膜3は網目状炭素膜5により相互の間隔を互いの電界集中作用を阻害しないように適宜の間隔(D)、例えば、100μm程度隔てられている。
実施の形態では網目状炭素膜5で囲まれた1つの網目領域4a内に1つの針状炭素膜3を形成したが、2以上の複数でもよい。
針状炭素膜3の集合程度は、従来のカーボンナノチューブのような密集状態ではなく、網目領域4a毎の針状炭素膜3の電界集中に対する影響は極めて小さいものである。
以上において、実施の形態の炭素膜構造においては、針状炭素膜3が、印加電圧が上昇しその先端部分3aで電界放射が飽和しても、他の部分3b…から電界放射が行われる結果、印加電圧の上昇に伴い電界放射が増大していき、電界放射が飽和しにくい炭素膜となっている。
そのため、鋭利な先端を備えた炭素膜構造体により電界放射させる電子放出源として、電界放射電流の調整範囲が極めて広いため、各種のデバイス、装置等への応用範囲が大きく拡充させることができるものとなる。
特に、カーボンナノチューブと同等程度に直径に対する高さの比率であるアスペクト比をもっているにもかかわらず、壁状炭素膜7により先端がゆらぎにくく、基板上に機械的に支持して高い安定性があり、基板との電気的コンタクトを確保することができ、カーボンナノチューブとは異なって密集が制約され電界集中が起きやすく電子放出特性に優れた炭素膜構造である。
図10および図11を参照して炭素膜の成膜方法を説明する。図10はその成膜に用いる成膜装置の概略構成を示す図、図11は成膜操作に用いるチャンバ内圧と電流とを示す図である。
石英製のチャンバ14の内部に一対の平行平板電極16,18を対向配置する。チャンバ14はガス導入口管20とガス排気口22とを備える。直流電源24の負極側を上側平行平板電極18に接続し、直流電源24の正極側を接地する。
下側平行平板電極16を接地する。チャンバ14に導入するガスは水素とメタンとの混合ガスである。下側平行平板電極16上には基板4を搭載する。
(第1工程)
まず、チャンバ14内にガス導入口20から水素ガス(500sccm)を導入しその内圧を30torr程度に徐々に減圧し、チャンバ14内圧力を30torrにする。チャンバ14内圧が30torrになると、その圧力を5ないし25分程度維持する。
この場合、直流電源24の印加により、プラズマ23を発生させ、電流を2.5A程度にまで徐々に増加させ、チャンバ14内圧が30torrになるときには電流を2.5Aに維持する。こうして基板4上の酸化物を除去する。
(第2工程)
次いで、チャンバ14内にガス導入口20から水素ガス(500sccm)とメタンガス(40sccm)との混合ガスを導入しチャンバ14内圧を75torr程度にまで徐々に増大し、チャンバ14内圧が75torrになると、この内圧を1ないし2時間程度維持する。
なお、圧力としてはこれに限定されず、10ないし100torrでも実施することができる。このとき、同時に直流電源24により電流を2.5Aから6A程度にまで徐々に増加させ、6Aに到達するとその電流を維持する。
なお、メタンガスに代えて他の炭素を含むガス、例えば、アセチレン、エチレン、プロパン、プロピレン等のガス、あるいは一酸化炭素、二酸化炭素、エタノールやアセトンの有機溶剤の蒸気を用いることができる。
その結果、基板4上に発生するプラズマ23により、基板4の温度が900℃ないし1150℃程度となって、メタンガスが分解され、基板4表面に実施の形態の針状炭素膜、壁状炭素膜および網目状炭素膜が成膜される。
(第3工程)
次いで、チャンバ14内にガス導入口20から窒素ガス(8sccm)と水素ガス(400sccm)とメタンガス(4sccm)との混合ガスを導入しチャンバ14内圧を第2工程の75torr程度に維持する。
なお、圧力としてはこれに限定されず、10ないし100torrでも実施することができる。このとき、同時に直流電源24により電流を4.5Aから5A程度に維持する。
なお、メタンガスに代えて他の炭素を含むガス、例えば、アセチレン、エチレン、プロパン、プロピレン等のガス、あるいは一酸化炭素、二酸化炭素、エタノールやアセトンの有機溶剤の蒸気を用いることができる。
その結果、基板4上に発生するプラズマ23により、基板4の温度が700〜850℃、好ましくは700〜800℃程度となって、窒素ガスとメタンガスが分解され、針状炭素膜の成長領域にナノダイヤモンド微粒子が成膜される。
以上の成膜装置に代えて、図12に示す成膜装置でも同様に実施することができる。図12に示す成膜装置は、導電性または絶縁性の円筒形のチャンバ14を備え、このチャンバ14にガス導入口20とガス排出口22とを設ける。チャンバ14の内部には筒状の基板であるコイル26を配設する。
このコイル26内部のほぼ中心軸に沿って導電性のワイヤ28を配置する。コイル26は一方向にストレートに延び、その内部空間に円筒状にプラズマ30が発生する。ワイヤ28はこの内部空間に細長に延びている。コイル26の内周面とワイヤ28の外周面とはその延設方向にほぼ均等に距離を隔てて対向している。コイル26の一端側を直流電源24の負極側に接続する。ワイヤ28を直流電源24の正極側に接続する。
以上の成膜装置においても、上記と同様にチャンバ14内圧と電流とを図11に示す操作に従って制御する。この制御によりワイヤ28表面に実施の形態の炭素膜を成膜することができる。
図13ないし図19のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を参照して上記成膜装置により基板上に成膜した炭素膜を説明する。
図13は、陽極と陰極との間の印加電圧3.0kV、倍率×1000の電子顕微鏡写真である。
図14は、印加電圧3.0kV、倍率×4300の電子顕微鏡写真である。
図15は印加電圧3.0kV、倍率×1000の電子顕微鏡写真である。
図16、図17は、印加電圧3.0kV、倍率×10000の電子顕微鏡写真である。
図18は、印加電圧3.0kV、倍率×10000の電子顕微鏡写真である。
図19は、印加電圧3.0kV、倍率×15000の電子顕微鏡写真である。
図20は、図13ないし図19のSEM写真に示す炭素膜による電界放射特性を示す図である。図20の横軸は印加電圧、縦軸は電流である。
実線(1)は実施の形態の炭素膜3による電界放射特性を示す。
破線(2)はカーボンナノウォールによる電界放射特性を示す。
図20で明らかであるように、実施の形態の炭素膜による電界放射特性は、カーボンナノウォールのそれよりも優れている。
すなわち、破線(2)で示すカーボンナノチューブ1では、印加電圧VがV0を超えると、それ以上は、その先端部分1aからの電界放射が飽和し、電界放射電流IがI0以上には増大しにくくなる。
実線(1)で示す実施の形態の針状炭素膜3では、印加電圧VがV0を超えても、電界放射電流Iがカーボンナノチューブのように電流I0で飽和せず、それ以上に増大することができる。
図21は、実施の形態の炭素膜をパイプ状の電界放射型の照明ランプに適用した例を示す。図21において、パイプ状の管体32は、ガラス好ましくはソーダライムガラスからなり内部が真空状態とされている。管体32は、直管形状ではなく、U字管形状でもよい。
管体32の内面には、蛍光体付き陽極34が形成されている。蛍光体付き陽極34は、電子線励起により白色に発光する蛍光体粉末から構成された層状の蛍光膜34aと、導電性に優れた金属好ましくはアルミニウムを蒸着して構成された層状の陽極膜34bとから構成されている。
管体32内にはその中央を長手方向にワイヤ状陰極36が配置されている。ワイヤ状陰極36は、蛍光体付き陽極34と上記長手方向で対向している。
ワイヤ状陰極36は、導電性のワイヤ36aとその表面に成膜された炭素膜36bとから構成されている。このワイヤ36aの材料は特には限定されないが、例えば、グラファイト、Ni、Fe、Co、等がある。この炭素膜36bは、図1ないし図20で説明した炭素膜により形成されている。
図22(a)(b)は、実施の形態の炭素膜をフラットパネル状の電界放射型の照明ランプに適用した例を示す。図22(a)は正面から見た断面図、図22(b)は図22(a)のA−A線に沿う断面図である。
これらの図において、この電界放射型の照明ランプは、内部が真空とされたフラットパネル38,40と、一方のフラットパネル38の内面に設けられた蛍光体付き陽極34と、他方のフラットパネル40上に間隔を隔てて配置された複数のワイヤ状陰極36とを備える。
ワイヤ状陰極36は、図21の照明ランプと同様に、導電性ワイヤ36aと、その導電性ワイヤ36aの表面に形成された炭素膜36bとを含み、この炭素膜36bは、図1ないし図20で説明した炭素膜により形成されている。
以上の構成を備えた照明ランプに対して蛍光体付き陽極34とワイヤ状陰極36との間に直流電圧を印加したところ、高輝度で発光する結果が得られた。
この試験の結果は、実施の形態の照明ランプをバックライトに用いた場合、低消費電力で高輝度で大型液晶テレビ等の液晶表示パネルをバック側から照明するバックライトとして非常に適したものとなることを示す。
本発明は、上述の実施の形態に限定されず、種々な変形が考えられる。
図1(a)は本発明の原理説明に用いるカーボンナノチューブ、図1(b)は印加電圧に対する電界放射電流の特性を示す図である。 図2(a)は本発明の原理説明に用いる針状炭素膜、図2(b)は印加電圧に対する電界放射電流の特性を示す図、図2(c)は実施の形態の針状炭素膜の先端部分を示す図である。 図3(a)は基板上にナノダイヤモンド微粒子を配置した従来の電子放出源、図3(b)は従来のスピント型の電子放出源の先端領域部分の概略図、図3(c)は本発明の針状炭素膜の先端領域部分の概略図である。 図4(a)は本発明の針状炭素膜の先端領域部分の概略図、図4(b)はその先端領域でのエネルギー準位を示す図である。 図5(a)は本発明の針状炭素膜の先端領域部分の概略図、図5(b)はその先端領域でのエネルギー準位を示す図である。 図6は実施の形態に係る炭素膜の応用を示す図である。 図7は実施の形態の炭素膜の斜視図である。 図8は実施の形態の炭素膜を模式的に示す図である。 図9は実施の形態の炭素膜の針状の膜に対する電界集中を示す図である。 図10は実施の形態の炭素膜の成膜に用いる成膜装置の概略構成図である。 図11は実施の形態の炭素膜の成膜操作を示す図である。 図12は他の成膜装置の概略構成図である。 図13は、陽極と陰極との間の印加電圧3.0kV、倍率×1000での炭素膜の電子顕微鏡写真である。 図14は、印加電圧3.0kV、倍率×4300での炭素膜の電子顕微鏡写真である。 図15は印加電圧3.0kV、倍率×1000での炭素膜の電子顕微鏡写真である。 図16は、印加電圧3.0kV、倍率×10000での炭素膜の電子顕微鏡写真である。 図17は、印加電圧3.0kV、倍率×10000での炭素膜の電子顕微鏡写真である。 図18は、印加電圧3.0kV、倍率×10000での炭素膜の電子顕微鏡写真である。 図19は、印加電圧3.0kV、倍率×15000での炭素膜の電子顕微鏡写真である。 図20は実施の形態の炭素膜を用いた電子放出源の電界放射特性を示す図である。 図21は実施の形態の炭素膜を用いた電子放出源が組み込まれている電界放射型の照明ランプの概略構成図である。 図22は実施の形態の炭素膜を用いた電子放出源が組み込まれている電界放射型の照明ランプの概略構成図であって、図22(a)は正面から見た断面図、図22(b)は図22(a)のA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
3 針状炭素膜
4 基板
5 網目状炭素膜
6 ナノダイヤモンド微粒子
7 壁状炭素膜

Claims (5)

  1. 細長い針状に成膜されている炭素膜において、
    任意の位置から先端までの高さをh、その位置での半径をrとして、ファウラノルドハイムの式における電界集中係数βがh/rの式で表され、かつ、その半径が先端に向けて小さくなる形状に成膜され、かつ、先端領域にナノダイヤモンド微粒子が成膜されている、ことを特徴とする炭素膜。
  2. 請求項1に記載の炭素膜(針状炭素膜)と、
    針状炭素膜の少なくとも膜下部に外方向に壁状に広がる形態に成膜されている炭素膜 (壁状炭素膜)と
    を備える、ことを特徴とする炭素膜。
  3. 請求項1に記載の炭素膜(針状炭素膜)と、
    針状炭素膜の周囲を壁状に取り囲む炭素膜(網目状炭素膜)と
    を備える、ことを特徴とする炭素膜。
  4. 請求項1に記載の炭素膜(針状炭素膜)と、
    針状炭素膜の少なくとも膜下部に外方向に壁状に広がる形態に成膜されている炭素膜 (壁状炭素膜)と
    針状炭素膜の周囲を壁状炭素膜を含めて壁状に取り囲む炭素膜(網目状炭素膜)と
    を備える、ことを特徴とする炭素膜。
  5. 導電性ワイヤと、
    この導電性ワイヤの表面に成膜された炭素膜と
    を含み、
    この炭素膜が、請求項1ないし4のいずれかに記載の炭素膜であることを特徴とする電界放射型の電子放出源。
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