JPH07272618A - フィールドエミッタアレイの製造方法 - Google Patents

フィールドエミッタアレイの製造方法

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JPH07272618A
JPH07272618A JP5776494A JP5776494A JPH07272618A JP H07272618 A JPH07272618 A JP H07272618A JP 5776494 A JP5776494 A JP 5776494A JP 5776494 A JP5776494 A JP 5776494A JP H07272618 A JPH07272618 A JP H07272618A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/304Field emission cathodes
    • H01J2201/30446Field emission cathodes characterised by the emitter material
    • H01J2201/30453Carbon types
    • H01J2201/30457Diamond

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 基板2上に導電性を付与したダイヤモンド3
を形成した後、絶縁膜4とフォトレジストによるパター
ンとゲート電極層5とをこの順に形成する工程を少なく
とも1回行い、前記パターンを溶解除去することにより
前記パターン上に形成された前記ゲート電極層を剥離除
去し、露出する前記絶縁膜を溶解除去する。 【効果】 前記構成により、良好な電子放出特性および
安定性を有し、マイクロ真空管、ディスプレイ、エレク
トロンビーム描画装置、電子線プリンターなどの電子デ
バイスに好適である高性能なフィールドエミッタアレイ
を、穿孔やエッチングなどの制御が困難で煩雑な操作を
行うことなく、簡便に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フィールドエミッタ
アレイの製造方法に関し、さらに詳しくは、良好な電子
放出特性および安定性を有し、マイクロ真空管、ディス
プレイ、エレクトロンビーム描画装置、電子線プリンタ
ーなどの電子デバイスに好適である高性能なフィールド
エミッタアレイを、穿孔やエッチングなどの制御が困難
で、かつ煩雑な操作を行うことなく、簡便に製造するこ
とができるフィールドエミッタアレイの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】電子分野
で多用されているフィールドエミッタアレイには、一般
に、電子放出特性および安定性に優れることが要求され
る。従来のフィールドエミッタアレイは、シリコン、モ
リブデン、SiC、SiN4 などにより形成されていた
が、耐酸化性、耐スパッタリング性、安定性等が充分で
ない上、長期間安定的に電子を放出することができない
という問題を有していた。
【0003】このような事情の下、米国特許明細書第
4,943,720号において、スチール製棒状基材に
おける円錐形状に削られた尖端部にダイヤモンド薄膜を
被覆してなるエミッタが提案されている。しかし、この
場合、前記尖端部が鋭利でないので、電子の放出を効果
的に行い難いという問題がある。また、特開平4−67
527号公報において、p型半導体層にダイヤモンドを
用いた半導体電子放出素子が提案されている。これは、
電子放出の原理が通常の素子とは異なるアバランシェ増
幅により電子放出を行う素子である。しかし、この場
合、ダイヤモンド独特の結晶構造が有効に利用されてい
ないという問題がある。
【0004】近時、前記問題を解決した高性能な電子放
出素子が提案されている。たとえば、特開平5−152
640号公報には、半導体ダイヤモンドをエミッタとし
て備え、良好な電子放出特性等を有する冷陰極エミッタ
素子が記載されている。この冷陰極エミッタ素子は、シ
リコン基板上に、ダイヤモンド薄膜を形成し、絶縁膜を
形成した後、その上にレジスト膜を被覆し、リソグラフ
ィーによってレジスト膜に微細孔をあけ、さらにその上
からエッチングをし、微細孔部のレジストおよび絶縁膜
を剥離除去することにより製造される。しかしながら、
この場合、穿孔やエッチングなどの制御が困難で煩雑な
操作を行う必要があり、製造工程が煩雑で複雑になり、
効率よく素子を得ることができないという問題がある。
また、アレイ化の方法についても述べられていない。
【0005】この発明の目的は従来の技術が有する問題
点を解消することにある。この発明の一つの目的は、良
好な電子放出特性および安定性を有し、マイクロ真空
管、ディスプレイ、エレクトロンビーム描画装置、電子
線プリンターなどの電子デバイスに好適である高性能な
フィールドエミッタアレイを、穿孔やエッチングなどの
制御が困難で、かつ煩雑な操作を行うことなく、簡便に
製造することができる、高性能かつ性能の安定したフィ
ールドエミッタアレイの製造方法を提供することにあ
る。また、この発明の目的は、本願出願後に提出される
書類によっても明らかにすることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本願発明は、基板上に、導電性を付与したダイヤモン
ドを形成した後、絶縁膜とレジストによるパターンとゲ
ート電極層とをこの順に形成する工程を少なくとも1回
行い、前記パターンを溶解除去することにより前記パタ
ーン上に形成された前記ゲート電極層を剥離除去し、露
出する前記絶縁膜を溶解除去することを特徴とするフィ
ールドエミッタアレイの製造方法である。
【0007】以下に、この発明に係るフィールドエミッ
タアレイの製造方法につき詳細に説明する。
【0008】この発明に係るフィールドエミッタアレイ
の製造方法は、1)基板上に導電性を付与したダイヤモ
ンドを形成する操作(以下「ダイヤモンド形成操作」と
称することがある。)と、2)前記ダイヤモンド形成操
作を行った基板上に、絶縁膜とレジストによるパターン
とゲート電極層とをこの順に形成する操作(以下「積層
操作」と称することがある。)と、3)前記パターンを
溶解除去することにより前記パターン上に形成された前
記ゲート電極層を剥離除去する操作(以下「ゲート電極
層剥離操作」と称することがある。)と、4)前記剥離
操作を行った基板上に露出する前記絶縁膜を溶解除去す
る操作(以下「絶縁膜溶解操作」と称することがあ
る。)とを有する。
【0009】以下、前記各操作につき説明する。
【0010】1)ダイヤモンド形成操作 このダイヤモンド形成操作においては、基板上に導電性
を付与したダイヤモンドを形成する。
【0011】−基板− 前記基板としては、通常、半導体用基板として用いるこ
とができる基板であれば、その材質、種類、比抵抗、大
きさ、形状等につき特に制限はなく、この発明の目的を
害しない範囲内において適宜選択することができる。
【0012】前記材質としては、たとえばSi、Ga−
As、SiC、SiO2 、Si34 、SrTiO3
MgO、アルミナ、AlN、セラミックス、サファイ
ヤ、超硬合金などを挙げることができる。これらは一種
単独で用いてもよく、あるいは二種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0013】これらの中でもSi、SiC、SiO2
Si34 などが好ましい。これらを用いると、基板と
ダイヤモンドとの密着性が良好である点で有利である。
【0014】前記種類としては、P型でも、あるいはN
型でもよい。
【0015】前記基板の好適例としては、p+ シリコン
ウエハー(p型シリコンウエハーとも称される。)、石
英(SiO2 )などを挙げることができる。
【0016】前記基板を電極として用いる場合、前記比
抵抗としては、通常103 Ω・cm以下であり、好まし
くは10-2Ω・cm以下である。また、ダイヤモンドそ
のものを電極として用いる場合は、前記基板は絶縁物が
好ましく、その比抵抗としては、通常103 Ω・cm以
上であり、好ましくは105 Ω・cm以上である。
【0017】−導電性を付与したダイヤモンドの形成− 前記導電性を付与したダイヤモンドとしては、たとえば
電気的特性として比抵抗が通常103 Ω・cm以下であ
り、好ましくは102 Ω・cmであるダイヤモンドを挙
げることができ、また概括的に形容すると、導電性を有
するダイヤモンドである限り特に制限がないと言える。
この導電性を付与したダイヤモンドとして、たとえば特
定のドーパントに依存しないで導電性を示すダイヤモン
ド、あるいはダイヤモンド結晶中にドーパント等の不純
物を含有する半導体ダイヤモンドを挙げることができ
る。また。前記比抵抗が10-6Ω・cm以下の金属的な
ダイヤモンドでもよい。
【0018】前記導電性を示すダイヤモンドとしては、
意図的にドーパントを添加しないで合成したダイヤモン
ドであって格子欠陥に基づく導電性を示すダイヤモンド
を挙げることができる。この場合、前記導電性を示すダ
イヤモンドの比抵抗としては、104 Ω・cm以下が好
ましい。前記比抵抗が104 Ω・cmを越えるとエミッ
タとしての放出電流値が十分でないことがある。
【0019】前記半導体ダイヤモンドとしては、p型半
導体ダイヤモンドおよびn型半導体ダイヤモンド等を挙
げることができる。
【0020】前記p型半導体ダイヤモンドは、結晶中に
p型ドーパントを含有するダイヤモンドである。前記p
型ドーパントとしては、たとえばホウ素などを挙げるこ
とができる。ダイヤモンド中にホウ素をドーピングする
には、ホウ素源としてB23 、ホウ酸およびB26
などのホウ素化合物などを使用することができる。これ
らホウ素源の中でも、ホウ素、ならびにB23 、およ
びB26 などのホウ素化合物が好ましい。これらはド
ーピングする際に、その一種を単独で使用することもで
きるし、またその二種以上を併用することもできる。
【0021】前記p型ドーパントのダイヤモンド中の含
有量としては、通常5〜10,000ppmであり、好
ましくは10〜5,000ppmである。前記含有量
が、前記範囲外であると、ダイヤモンドが半導体的性質
を示さないことがある。一方、前記範囲内であればその
ようなことはなく、10〜5,000ppmであると、
ダイヤモンドの結晶性の点で有利である。
【0022】前記p型半導体ダイヤモンドの比抵抗とし
ては、通常103 Ω・cm以下であり、場合により10
-6〜102 Ω・cmが好ましいこともあり、特に、絶縁
性基板を用い、ダイヤモンドを電極として用いる場合に
は、10-6〜10-2Ω・cmが好ましいこともある。
【0023】前記n型半導体ダイヤモンドは、結晶中に
n型ドーパントを含有するダイヤモンドである。前記n
型ドーパントとしては、たとえばリン、ナトリウムなど
を挙げることができる。これらの中でも、リンが好まし
い。ダイヤモンド中にリンをドーピングするには、リン
酸、P25 、PH3 などのリン化合物、好ましくはP
25 、PH3 などのリン化合物を使用することができ
る。これらリン化合物は一種単独で使用することもでき
るし、またその二種以上を併用することもできる。また
n型半導体ダイヤモンド中に含まれるn型ドーパントは
一種例えばリンのみであってもよいし、異なる種類のド
ーパンであってもよい。
【0024】前記n型ドーパントのダイヤモンド中の含
有量としては、通常5〜10,000ppmであり、好
ましくは10〜5,000ppmである。前記含有量
が、前記範囲外であると、ダイヤモンドが半導体的性質
を示さないことがある。一方、前記範囲内であればその
ようなことはなく、10〜5,000ppmであると、
ダイヤモンドの結晶性の点で有利である。
【0025】前記n型半導体ダイヤモンドの比抵抗とし
ては、通常103 Ω・cm以下であり、場合により10
-6〜102 Ω・cmが好ましいこともあり、特に、絶縁
性基板を用い、ダイヤモンドを電極として用いる場合に
は、10-6〜10-2Ω・cmが好ましい。
【0026】この発明においては、前記基板上に、前記
p型もしくはn型半導体ダイヤモンドの単層を形成して
もよく、または、前記p型半導体ダイヤモンドの層と前
記n型半導体ダイヤモンドの層との複数層を形成しても
よい。
【0027】p型もしくはn型半導体ダイヤモンドの単
層であれ、p型半導体ダイヤモンドの層と前記n型半導
体ダイヤモンドの層との複数層であれ、前記基板に最初
に形成する前記p型もしくはn型半導体ダイヤモンドの
厚みは、通常0.1〜10μmであり、好ましくは0.
5〜5μmである。前記厚みが、前記範囲外であるとフ
ィールドエミッタアレイの電子放出特性が十分でないこ
とがある。一方、0.1〜10μmであるとそのような
ことはなく、0.5〜5μmであると、良好な電子放出
特性を有するフィールドエミッタアレイを製造すること
ができる点で有利である。
【0028】前記複数層の場合、n型半導体ダイヤモン
ドの層とp型半導体ダイヤモンドの層との組み合わせは
特に制限はなく、前記基板上に前記p型半導体ダイヤモ
ンドとn型半導体ダイヤモンドとを交互に形成してなる
複数層とすることができる。たとえば、前記基板上にp
型半導体ダイヤモンドとn型半導体ダイヤモンドとをこ
の順もしくはその逆の順に1層づつ形成してなる2層と
してもよく、または、さらにその上にp型半導体ダイヤ
モンドもしくはn型半導体ダイヤモンドを形成してなる
3層としてもよい。さらに4層以上であってもよい。前
記層数としては、通常2〜6層であり、2〜4層が好ま
しい。第2層目以降のダイヤモンドの厚みとしては、通
常10Å〜10μmであり、好ましくは100Å〜1μ
mである。前記厚みが10μmを越えてもそれに見合う
効果がなく、一方、10Å未満であると、多層化するメ
リットがないことがある。また、前記層数が前記範囲外
であると、フィールドエミッタアレイの電子放出特性が
十分でないことがある。一方、前記範囲内であるとその
ようなことはなく、特に2〜4層であると良好な電子放
出特性を有するフィールドエミッタアレイを製造するこ
とができる点で有利である。
【0029】また、この発明においては、前記基板上に
形成される導電性の付与されたダイヤモンド、たとえば
p型半導体ダイヤモンドは、膜状ではなくて粒子状であ
ってもよい。このp型半導体ダイヤモンドの粒子を形成
する場合には、前記基板の材質としては、Siが好まし
く、好適な具体例としてはp+ 型シリコンウエハ、n+
型シリコンウエハを挙げることができる。この場合、基
板とダイヤモンドとの密着性、電子放出特性等に優れる
フィールドエミッタアレイを製造することができるなど
の点で有利である。
【0030】前記導電性の付与されたダイヤモンドの粒
子の平均粒径としては、たとえば通常0.1〜10μm
であり、好ましくは0.5〜5μmである。前記平均粒
径が前記範囲外であると、フィールドエミッタアレイの
電子放出特性が十分でないことがある。一方、前記範囲
内であればそのようなことはなく、0.1〜10μmで
あると十分な電子放出特性を有するフィールドエミッタ
アレイを製造することができる。
【0031】前記導電性の付与されたダイヤモンドは、
通常、前記基板上の全表面に形成するが、目的に応じて
前記基板上の一部にのみ形成してもよい。
【0032】前記導電性の付与されたダイヤモンドの形
成は、たとえばそれ自体公知の半導体ダイヤモンドの形
成方法により行うことができる。具体的には、それ自体
公知の気相合成法により、ドーパントガスと炭素源ガス
とを用いて行うことができる。
【0033】前記気相合成法としては、たとえばCVD
法、PVD法、PCVD法またはこれらを組み合わせた
方法などを挙げることができる。これらの中でも、通
常、EACVD法を含めた各種の熱フィラメント法、熱
プラズマ法を含めた各種の直流プラズマCVD法、熱プ
ラズマ法を含めたマイクロ波プラズマCVD法等が好ま
しく、特にマイクロ波プラズマCVD法が好ましい。マ
イクロ波プラズマCVD法の場合、経済的かつ簡便に導
電性を付与したダイヤモンドの形成を行うことができる
点で有利である。前記ドーパントガスは、たとえば固体
ドーパントを加熱し、水素プラズマガスと反応させるこ
とにより得ることができる。
【0034】前記固体ドーパントとしては、n型ドーパ
ントとp型ドーパントとを挙げることができる。
【0035】前記n型ドーパントおよびp型ドーパント
については前述した通りである。
【0036】前記固体ドーパントの加熱は、前記固体ド
ーパントの種類に応じて適宜にその温度が決定される。
前記温度は、通常、室内から固体ドーパントの沸点ま
で、好ましくは室温から固体ドーパントの融点までの範
囲から適宜に決定される。
【0037】前記温度環境下に水素ガスを供給すると、
前記水素ガスは、プラズマ化し、水素プラスマガスとな
り、前記固体ドーパントと反応する。その結果、ドーパ
ントガスが生成される。
【0038】前記水素ガスの供給量は、反応器の大きさ
により異なるので一概に規定することはできないが、通
常1〜1,000sccmである。
【0039】こうして得られたドーパントガスを炭素プ
ラズマと混合し、所定の条件下で反応させることによ
り、基板上に導電性の付与されたダイヤモンドを形成す
ることができる。
【0040】前記炭素プラズマは、それ自体公知の方法
により炭素源ガスを励起することにより得ることができ
る。
【0041】前記炭素源ガスとしては、たとえばメタ
ン、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィン系炭化水
素;エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系
炭化水素;アセチレン、アリレン等のアセチレン系炭化
水素;ブタジエン、アレン等のジオレフィン系炭化水
素;シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;シクロブタジエ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳
香族炭化水素;アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェ
ノン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコ
ール類;この外の含酸素炭化水素;トリメチルアミン、
トリエチルアミン等のアミン類;この外の含窒素炭化水
素;炭酸ガス、一酸化炭素、過酸化炭素などを挙げるこ
とができる。
【0042】これらの中でも、メタン、エタン、プロパ
ン等のパラフィン系炭化水素、エタノール、メタノール
等のアルコール類、アセトン、ベンゾフェノン等のケト
ン類、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン
類、炭酸ガス、一酸化炭素などが好ましく、特に一酸化
炭素、メタンが好ましい。なお、これらは一種単独で用
いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0043】前記炭素源ガスは、水素等の活性ガスや、
ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、窒素等の不活
性ガスのキャリヤーガスと混合して用いてもよい。
【0044】キャリヤーガスと炭素源ガスとの混合ガス
とを使用する場合、前記炭素源ガスがメタンガス(CH
4 )であるときには、メタンガスの含有量は、5モル%
未満であるのが好ましい。
【0045】また、前記炭素源ガスとして一酸化炭素を
用いる場合、前記キャリヤーガスとしては水素ガスを用
いるのが好ましい。この一酸化炭素と水素ガスとを組み
合わせた混合ガスを用いると、導電性の付与されたダイ
ヤモンドの成長速度を高めることができる点で有利であ
る。たとえば、同一条件では、メタンと水素ガスとを組
み合わせた原料ガスの場合の2〜10倍の導電性の付与
されたダイヤモンドの成長速度が得られることがある。
【0046】なお、前記一酸化炭素としては、特に制限
がなく、たとえば石炭、コークス等と空気または水蒸気
を熱時反応させて得られる発生炉ガスや水性ガスを十分
に精製したものを用いることができる。また、前記水素
ガスとしては、特に制限がなく、たとえば石油類のガス
化、天然ガス、水性ガス等の変成、水の電解、鉄と水蒸
気との反応、石炭の完全ガス化等により得られるものを
十分に精製したものを用いることができる。
【0047】前記水素ガスと一酸化炭素とを組み合わせ
て使用する場合、前記一酸化炭素ガスの含有量は、通常
1〜80モル%であり、好ましくは5〜60モル%であ
り、特に10〜60モル%が好ましい。前記一酸化炭素
ガスの含有量が、1モル%よりも少ないと、薄膜状の導
電性の付与されたダイヤモンドの成長速度が十分に得ら
れないことがある。また、80モル%を越えると堆積す
る導電性の付与されたダイヤモンド中のダイヤモンド成
分の純度が低下することがある。一方、前記範囲内であ
ればそのようなことはなく、5〜60モル%であれば、
合成速度や結晶性が良好である点で有利である。
【0048】前記所定の条件としては、圧力、温度、時
間等を挙げることができる。
【0049】前記圧力としては、通常10-6〜103
orrであり、好ましくは1〜760Torrであり、
特に1〜500Torrが好ましい。前記圧力が前記範
囲外であると、導電性の付与されたダイヤモンドの形成
速度が十分でないことがある。一方、前記範囲内であれ
ば、そのようなことはなく、1〜760Torrである
と、導電性の付与されたダイヤモンドの形成速度が大き
くて好ましく、1〜500Torrの場合、各種プラズ
マCVD法において放電の安定性の点で有利である。
【0050】前記温度としては、通常、基板の表面温度
を基準にし、通常、室温〜1,200℃、好ましくは室
温〜1,100℃である。前記温度が前記範囲外である
と、導電性の付与されたダイヤモンドの形成を十分行う
ことができないことがある。一方、前記温度が前記範囲
内にあると、そのようなことはなく、室温〜1,100
℃であると、結晶性であり導電性の付与されたダイヤモ
ンドを、エッチングを生じることなく高速で形成するこ
とができる点で有利である。
【0051】前記反応時間としては、特に限定はなく、
所望の膜厚の導電性の付与されたダイヤモンドが得られ
るように、適宜に選択することができる。通常は、10
分〜200時間である。
【0052】2)積層操作 この積層操作においては、前記ダイヤモンド形成操作を
行った基板上に、絶縁膜とレジストによるパターンとゲ
ート電極層とをこの順に形成する。
【0053】−絶縁膜の形成− 前記絶縁膜は、絶縁性材料により構成される膜である。
前記絶縁性材料としては、たとえばSiO2 、Hf O
2 、ZrO2 、Si34 、ポリイミド、アルミナ、Y
23 などを挙げることができる。これらの中でも、S
iO2 、Hf O2が好ましい。これらの場合、耐電圧の
点で有利である。これらは、一種単独で用いて前記絶縁
膜を形成してもよく、二種以上併用して前記絶縁膜を形
成してもよい。なお、この発明においては、市販されて
いるこれらの塗料を用いることもできる。
【0054】前記絶縁膜は、ピンホール等の存在しない
膜であることが好ましい。ピンホール等が存在すると、
エミッタとして動作しないことがある。
【0055】前記絶縁膜の比抵抗としては、通常103
Ω・cmよりも大きく、好ましくは104 Ω・cm以上
である。前記比抵抗が前記範囲外であるとエミッタ素子
の寿命が短くなったり、高電圧を印加した際に、エミッ
タ素子がショートして絶縁破壊し易くなることがある。
一方、前記範囲内であればそのようなことはなく、10
4 Ω・cm以上であると薄くても耐電性があるので製造
上有利である。
【0056】前記絶縁膜の厚みとしては、基板を平坦化
するのに十分な厚みであれば特に制限はないが、通常
1,000Å以上であり、好ましくは0.1〜10μm
であり、特に0.2〜5μmが好ましい。前記厚みが
1,000Å未満であると、絶縁破壊を起こしやすくな
ることがある。一方、前記範囲内であるとそのようなこ
とはなく、10μm以下であると、エミッタへ印加する
ことができる電界が大きくとることができ、0.2〜5
μmであると、さらに耐絶縁破壊や印加電界の大きさの
点で有利である。
【0057】前記絶縁膜の耐電圧性としては、通常10
5 V/m以上であり、好ましくは106 V/m以上であ
り、特に107 V/m以上が好ましい。前記耐電圧性が
前記範囲未満であると、絶縁破壊を起こし易くなる。一
方、前記範囲内であるとそのようなことはなく、107
V/m以上であるとエミッタに高電圧を印加することが
できるので電流値を大きくとることができる点で有利で
ある。
【0058】前記絶縁膜は、それ自体公知の方法により
形成することができる。たとえば、前記絶縁性材料を、
塗布法により前記基板上に塗布し、乾燥することによ
り、あるいは蒸着法により前記基板上に蒸着することに
より、形成することができる。以上により、図7に示す
ように、基板2の表面に形成されたダイヤモンド3上に
絶縁膜4を形成することができる。
【0059】−レジストによるパターンの形成− 前記レジストによるパターンの形成を行うには、それ自
体公知のリソグラフィー技術を用いることができる。具
体的には、前記ダイヤモンド形成操作を行った基板上に
レジストを塗布し、乾燥する。次に、所望の形状のパタ
ーンあるいはその逆パターンの遮光部を有するフォトプ
レートを介して、紫外線等の光を前記塗布したレジスト
に露光する。そして、露光部分あるいは未露光部分を現
像液、リンス液、溶剤等を用いて除去することにより、
レジストによる所望のパターンを前記基板上に選択的に
形成することができる。
【0060】前記レジストとしては、たとえばフォトレ
ジストの他、電子線やX線用のレジストを挙げることが
できる。
【0061】前記フォトレジストとしては、ポジ型フォ
トレジストまたはネガ型フォトレジストを挙げることが
できる。これらのレジストは一般に用いられているもの
の外、各種公知の樹脂系やゴム系のフォトレジストを用
いることができる。
【0062】前記ポジ型フォトレジストの市販品として
は、東京応化工業(株)製のOFPR−2やOFPR−
800等を挙げることができる。また、前記ネガ型フォ
トレジストの市販品としては、例えば、富士薬品工業
(株)製のLMR−33や東京応化工業(株)製のOM
R−83、OMR−85等を挙げることができる。
【0063】前記レジストの塗布は、たとえばスプレ
ー、スピンナー、デイッピング、刷毛塗り等の方法を用
いて行うことができる。これらの中でも、スピンナーを
用いて行うのが好ましい。この場合、操作が簡便で、均
一な塗布を行うことができる点で有利である。
【0064】塗布する前記レジストの厚みとしては、特
に制限はないが、通常0.1〜10μmであり、好まし
くは0.5〜5μmであり、特に0.5〜3μmが好ま
しい。前記厚みが前記範囲外であると所望のパターンが
得られにくいことがある。一方、前記範囲内にあるとそ
のようなことはなく、0.5〜5μmであると、リフト
オフの際、容易にその表面に形成されたゲート電極層を
剥離除去することができ、特に0.5〜3μmである
と、露光時間の短縮や解像度の点で有利である。
【0065】前記露光の方式としては、たとえばコンタ
クト露光方式、プロキシミティー露光方式、プロジェク
ション露光方式等を挙げることができる。これらは、そ
の目的に応じて適宜に選択することができる。
【0066】前記現像液、リンス液、溶剤等について
は、特に制限はなく、それ自体公知のものを用いること
ができ、市販品を用いてもよい。
【0067】前記パターンとしては、その形状、大き
さ、数、間隔等につき特に制限はなく、目的に応じて適
宜に選択することができる。
【0068】前記形状としては、たとえば真円、楕円等
の円形、正三角形、正方形、帯状等の長方形、六角形等
の多角形などを挙げることができる。これらの中でも、
円形や正方形、帯状などが好ましい。これらの場合、前
記パターンの形状と同じ形状にゲート電極を容易に剥離
除去することができる点で有利である。
【0069】前記大きさとしては、その径が通常0.5
μm〜10mmであり、好ましくは1μm〜1mmであ
る。前記径とは、円形のパターンについては、直径また
は長径を意味し、多角形のパターンについては、その中
心を通る径の内、最大の径を意味する。また、帯状の場
合は線幅を意味する。前記大きさが前記範囲外である
と、フィールドエミッタアレイの形成が困難になること
がある。一方、前記範囲内であればそのようなことはな
く、1μm〜1mmであると、リフトオフを容易に行う
ことができ、フィールドエミッタアレイの形成の点で有
利である。
【0070】前記数としては、前記基板の大きさ等に応
じて適宜に選択することができるが、通常2個以上であ
り、好ましくは4個以上である。前記数が1個である
と、その1個が不良であるとエミッタとして動作しなく
なることがある。一方、前記範囲内であればそのような
ことはなく、4個以上であると、その中の幾つかが不良
であっても、残りのエミッタが動作するので、全体とし
てエミッタとしての機能を喪失する可能性を少なくする
ことができる点で有利である。
【0071】前記間隔は、隣接する前記パターン同士の
間隔を意味し、前記基板の大きさ等に応じて適宜に選択
することができるが、通常0.5μm〜10mmであ
り、好ましくは1μm〜1mmである。前記間隔が1μ
m未満であると、エミッタ間の分離ができなくなり、1
0mmを越えてもそれに見合う効果が得られず、しかも
パッケージングの際に大きすぎて不都合となることがあ
る。一方、前記範囲内であればそのようなことはなく、
1μm〜1mmであると、プロセス上フィールドエミッ
タアレイの製造が容易であるという点で有利である。
【0072】以上により、図6に示す通り、ダイヤモン
ド3と絶縁膜4とがこの順に形成された基板2における
前記絶縁膜4上に、さらにレジストによるパターン6を
形成することができる。
【0073】−ゲート電極層の形成− 前記ゲート電極層は、通常ゲート電極を構成する材料を
用い、それ自体公知の成膜法により形成することができ
る。
【0074】前記ゲート電極を構成する材料としては、
たとえばAl、Au、Pt、Ti、Cr、Mo、Wなど
を挙げることができる。これらの中でもW、Mo、Al
が好ましい。これらを用いると、電子放出特性の良好な
フィールドエミッタアレイを得ることができるので有利
である。
【0075】前記成膜法としては、たとえばスパッタリ
ング成膜法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プ
ラズマCVD法などを挙げることができる。これらの中
でも、スパッタリング成膜法が好ましい。これらによる
と、簡便な操作で、容易にゲート電極層を形成すること
ができる点で好ましい。
【0076】前記ゲート電極層の厚みとしては、通常5
00Å〜100μmであり、好ましくは1,000Å〜
10μmであり、特に3,000Å〜5μmが好まし
い。前記厚みが、前記範囲外であると、ゲート電極層を
形成した効果が充分でないことがある。一方、前記範囲
内であるとそのようなことはなく、1,000Å以上で
あると、均一でピンホールのない膜を合成することがで
きる点で、5μm以下であると簡単にかつ完全にリフト
オフを行うことができる点で有利である。
【0077】以上により、図5に示す通り、ダイヤモン
ド3と絶縁膜4とレジストによるパターン6とがこの順
に形成された基板2における前記絶縁膜4およびレジス
トによるパターン6上にゲート電極層5を形成すること
ができる。
【0078】3)ゲート電極層剥離操作 このゲート電極層剥離操作においては、前記積層操作に
おいて形成したパターンを溶解除去することにより前記
パターン上に形成された前記ゲート電極層を剥離除去す
る。
【0079】前記パターンの剥離除去は、適宜に選択し
たパターン溶解液を用いて行うことができる。前記パタ
ーン溶解液としては、たとえば前記レジストの溶解液を
好適に挙げることができる。前記レジストの溶解液とし
ては市販品を用いてもよい。
【0080】前記パターン溶解液は、前記ゲート電極層
における、その下に形成されている前記パターンの周側
面部上の部分にのみ存在する微細な孔から内部に浸入
し、前記パターンを溶解する。前記パターンを溶解する
と、その表面に形成された前記ゲート電極層が容易に基
板から剥離する。
【0081】以上により、図4に示す通り、図5におけ
るレジストによるパターン6およびその表面に形成され
たゲート電極層5を除去することができ、前記レジスト
によるパターン6と同じ形状、大きさの絶縁膜4を露出
させることができる。
【0082】4)絶縁膜溶解操作 この絶縁膜溶解操作においては、前記ゲート電極層剥離
操作を行った基板上に露出する前記絶縁膜を溶解除去す
る。
【0083】前記溶解除去は、たとえばSiO2 の場
合、バッファーフッ酸、HF水溶液を用いることができ
る。これらの中でも、バッファーフッ酸が好ましい。こ
れらの場合、短時間で前記絶縁膜を溶解することがで
き、取り扱いが容易である点で有利である。
【0084】前記溶解除去の時間としては、前記絶縁膜
の厚み、前記パターンの大きさ等に応じて適宜に選択す
ることができる。なお、ダイヤモンドが露出した時点で
溶解除去操作を終了するように時間を設定するのがよ
い。
【0085】以上により、図1に示す通り、図4におい
て、表面に露出した絶縁膜4を溶解し、その下に形成さ
れているダイヤモンド2を表面に露出させ、二極構造の
フィールドエミッタアレイ1を製造することができる。
このフィールドエミッタアレイ1を上から見ると、図2
に示すように、ゲート電極層3における所定の箇所に形
成された前記レジストによるパターン6と同じ形状の開
口部からダイヤモンド3が露出した状態になっている。
【0086】この発明においては、前記積層操作を2回
以上行って、多層構造のフィールドエミッタアレイを形
成することができる。この場合、2回目以後はレジスト
による前記パターンの形成の工程を省略することができ
る。その後、レジストを溶解することにより、前記パタ
ーン上に積層した全ての絶縁膜及びゲート電極層を除去
することができる。
【0087】前記積層操作または前記工程が1回である
場合には、図1に示すような二極構造のフィールドエミ
ッタアレイを製造することができ、2回である場合に
は、図3に示すような三極構造のフィールドエミッタア
レイを製造することができる。したがって、前記積層操
作または前記工程をn回行えば、(n+1)極構造のフ
ィールドエミッタアレイを製造することができる。
【0088】前記積層操作または前記工程の回数として
は、通常1〜10であり、好ましくは1〜5であり、特
に1〜3が好ましい。前記回数が前記範囲外であると、
効率よくフィールドエミッタアレイを製造することがで
きないことがある。前記回数が3回以内で最大四極構造
までのフィールドエミッタアレイは実用上便利である。
前記回数は、目的とするフィールドエミッタアレイのタ
イプにより適宜決定することができる。
【0089】以上により、高性能なフィールドエミッタ
アレイを穿孔やエッチング等の制御が困難な操作を行う
ことなく、容易にかつ簡便に、しかも効率よく製造する
ことができる。得られるフィールドエミッタアレイは、
高い電子放出特性を有し、耐酸化性、耐スパッタリング
性、安定性が充分であり、長期間安定的に電子を放出す
ることができる。したがって、ディスプレイ、エレクト
ロンビーム描画装置、マイクロ真空管、電子線プリンタ
ー等の電子デバイス分野をはじめとする広い分野で好適
に用いることができる。
【0090】
【実施例】以下に、この発明に係るフィールドエミッタ
アレイの製造方法の実施例および比較例について説明す
る。この発明は、これらにより何ら制限されるものでは
ない。
【0091】(実施例1) 1)ダイヤモンド形成操作 基板として、12mm角のp型シリコンウエハーを用い
た。マイクロ波プラズマCVD法(2.45GHz)に
より、原料ガスとしてCO/H2 を各々10/90sc
cmの流量で使用し、ドーパントとしてp型ドーパント
であるB26を用い、原料ガスにおける炭素に対する
ホウ素の割合が1000ppmとなるようにし、反応圧
力が40Torr、基板温度が900℃の条件下で2時
間反応させることによりp型ダイヤモンドの層を前記基
板上に形成した。
【0092】2)積層操作 前記ダイヤモンド形成操作を行った基板におけるp型半
導体ダイヤモンドの層上に、SiO2 の塗料(東京応化
工業(株)製、OCD type−7)を塗布し乾燥す
ることにより、厚み0.6μmのSiO2 による絶縁膜
を形成した。
【0093】次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化工
業(株)製、OFPR−800)を前記絶縁膜上に、ス
ピンコーターを用いて厚みが約1μmになるように塗布
し、この塗布面を85℃で30分間かけてプリベークし
た。その後、前記塗布面の上に、直径5μmの円形の遮
光部を15μm間隔で100×100個有するフォトマ
スクを配置し、レジストアライナー(キャノン販売
(株)製:PLA−501FA)を用いて前記塗布面を
3秒間露光(13mW/cm2 )した。露光後、東京応
化工業(株)製の現像液NMD−3で60秒間現像し、
純水によりリンスし、露光した部分の前記ポジ型フォト
レジストを除去し、135℃で30分間前記基板を加熱
し、レジストによるパターンを形成した。
【0094】その後、前記レジストによるパターンおよ
び露出する前記絶縁膜上に、スパッタリング成膜法によ
り、厚みが5,000Åのタングステンによるゲート電
極層を形成した。
【0095】3)ゲート電極層剥離操作 前記レジストによるパターンを専用の剥離液を用いて、
溶解し、これに伴い、前記パターン上に形成された前記
ゲート電極層を剥離除去した。
【0096】4)絶縁膜溶解操作 前記ゲート電極層剥離操作を経た基板上に、バッファー
フッ酸を接触させ、露出する前記絶縁膜を溶解し、除去
した。
【0097】以上のようにして、フィールドエミッタア
レイを製造し、得られたフィールドエミッタアレイにつ
き、その特性を以下のようにして評価した。フィールド
エミッタアレイにおける基板とゲート電極層との間に、
ゲート電極層側が正となるようにして+300Vを印加
した。その結果、5mAの電流が得られた。
【0098】(実施例2)前記実施例1において、ドー
パントとしてp型ドーパントであるB26 を用い、原
料ガスにおける炭素に対するホウ素の割合が1,000
ppmとなるようにしたのに代えて、ドーパントとして
n型ドーパントであるPH3 を用い、原料ガスにおける
炭素に対するリンの割合が100ppmとなるようにし
てダイヤモンド形成を2時間行った後に、続けて、ドー
パントとしてp型ドーパントであるB26 を用い、原
料ガスにおける炭素に対するホウ素の割合が1,000
ppmとなるようにしてダイヤモンド形成を15分間行
った外は実施例1と同様にしてフィールドエミッタアレ
イを製造し、得られたフィールドエミッタアレイにつき
同様の評価を行った。その結果、15mAの電流が得ら
れた。
【0099】(比較例1)実施例1において、ダイヤモ
ンド形成操作を行わなかった外は、実施例1と同様にし
てフィールドエミッタアレイを製造し、得られたフィー
ルドエミッタアレイにつき同様の評価を行った。その結
果、わずかに10-9Å以下の電流が得られただけであっ
た。
【0100】(比較例2)アレイ化を行わずにエミッタ
を1個ずつ製造した外は、実施例1と同様にして行っ
た。得られたエミッタのぶどまりは50%程度であっ
た。また、約半分については、エミッションがノイズレ
ベル以下であった。エミッションの観察されたものの電
流値は、約0.6mAであった。
【0101】
【発明の効果】この発明は、良好な電子放出特性および
安定性を有し、マイクロ真空管、ディスプレイ、エレク
トロンビーム描画装置、電子線プリンターなどの電子デ
バイスに好適である高性能なフィールドエミッタアレイ
を、穿孔やエッチングなどの制御が困難で煩雑な操作を
行うことなく、簡便に製造することができるフィールド
エミッタアレイの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係るフィールドエミッタア
レイの製造方法により製造した二極構造のフィールドエ
ミッタアレイの一例を示す断面概略説明図である。
【図2】図2は、図1に示す二極構造のフィールドエミ
ッタアレイを上から見た概略説明図である。
【図3】図3は、この発明に係るフィールドエミッタア
レイの製造方法により製造した三極構造のフィールドエ
ミッタアレイの一例を示す断面概略説明図である。
【図4】図4は、フォトレジストによるパターンを溶解
除去することにより前記パターン上に形成された前記ゲ
ート電極層を剥離除去した状態の一例を示す断面概略説
明図である。
【図5】図5は、基板上に、ダイヤモンドと絶縁膜とフ
ォトレジストによるパターンとゲート電極層とをこの順
に形成した状態の一例を示す断面概略説明図である。
【図6】図6は、基板上に、ダイヤモンドと絶縁膜とフ
ォトレジストによるパターンとをこの順に形成した状態
の一例を示す断面概略説明図である。
【図7】図7は、基板上に、ダイヤモンドと絶縁膜とを
この順に形成した状態の一例を示す断面概略説明図であ
る。
【符合の説明】
1・・・フィールドエミッタアレイ、2・・・基板、3
・・・ダイヤモンド、4・・・絶縁膜、5・・・ゲート
電極層、6・・・フォトレジストによるパターン、

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、導電性を付与したダイヤモン
    ドを形成した後、絶縁膜とレジストによるパターンとゲ
    ート電極層とをこの順に形成する工程を少なくとも1回
    行い、前記パターンを溶解除去することにより前記パタ
    ーン上に形成された前記ゲート電極層を剥離除去し、露
    出する前記絶縁膜を溶解除去することを特徴とするフィ
    ールドエミッタアレイの製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上に、導電性を付与したダイヤモン
    ドを形成した後、絶縁膜とレジストによるパターンとゲ
    ート電極層とをこの順に形成し、かつ、前記パターンを
    溶解除去することにより前記パターン上に形成された前
    記ゲート電極層を剥離除去する工程を少なくとも1回行
    い、露出する前記絶縁膜を溶解除去することを特徴とす
    るフィールドエミッタアレイの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤモンドが、p型もしくはn型
    ダイヤモンドの単層またはp型ダイヤモンド層とn型ダ
    イヤモンド層とを有する複数層である前記請求項1また
    は2に記載のフィールドエミッタアレイの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤモンドが、平均粒径が0.1
    〜10μmのp型ダイヤモンドの粒子である前記請求項
    1または2に記載のフィールドエミッタアレイの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記フィールドエミッタアレイが、2個
    以上のエミッタを有する前記請求項1〜4のいずれかに
    記載のフィールドエミッタアレイの製造方法。
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