JPH05152604A - ダイヤモンド半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド半導体装置及びその製造方法

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JPH05152604A
JPH05152604A JP33937191A JP33937191A JPH05152604A JP H05152604 A JPH05152604 A JP H05152604A JP 33937191 A JP33937191 A JP 33937191A JP 33937191 A JP33937191 A JP 33937191A JP H05152604 A JPH05152604 A JP H05152604A
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diamond
semiconductor
junction
semiconductor device
crystal
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JP33937191A
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English (en)
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Keiji Hirabayashi
敬二 平林
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Canon Inc
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/02Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/12Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by the materials of which they are formed
    • H01L29/16Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by the materials of which they are formed including, apart from doping materials or other impurities, only elements of Group IV of the Periodic System
    • H01L29/1602Diamond

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大電流で動作可能で、絶縁性が高く、十分な
輝度が得られ、耐久性の高いダイヤモンド半導体による
発光素子を得る。 【構成】 絶縁性基板1上の所定の位置に、単一核よ
り、ダイヤモンド半導体2を形成し、このダイヤモンド
結晶上に、独立にショットキー接合電極3とオーミック
接合電極4とを形成し、この電極間に直流電源5により
順方向に電圧を印加して、前記ダイヤモンド結晶に電界
発光を生じさせることを特徴とするダイヤモンド半導体
装置。また、pn接合を含むダイヤモンド半導体装置に
おいて、p型半導体部分がホウ素を不純物として含み、
n型半導体部分がリチウムを不純物として含むことによ
り、大電流で動作可能かつ耐久性の高いダイヤモンド半
導体装置を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド半導体装
置及びその製造方法に関するものであり、特に、ダイヤ
モンド結晶を発光層とする電界発光素子を具備したダイ
ヤモンド半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、シリコンよりも、バン
ドギャップが極めて大きく(5.4eV程度)、正孔移
動度が大きく、電子移動度もシリコン並みであり、比誘
電率が小さく、熱伝導率が大きい等の点において半導体
として極めて有用である。
【0003】このため、近年、気相合成ダイヤモンドを
用いた半導体の研究が進んでおり、特開昭59−208
821、59−213126、60−246627号公
報にはダイヤモンド膜を用いた半導体素子の形成方法が
開示されている。又、金属とp型半導体ダイヤモンドと
の間の整流作用を利用したショットキー・バリヤ・ダイ
オードの研究も報告されている(例えば、 '89年秋季
応用物理学会学術講演会.講演番号28a−E−7,2
8a−E−8,28a−E−9,予稿集383〜384
ページ)。
【0004】また、気相合成ダイヤモンド結晶を発光層
とする電界発光素子(以下EL素子という)は、例え
ば、本発明者らのジャパニーズ−ジャーナル−オブ−ア
プライド−フィジクス誌28巻10号L1848〜L1
850ページ(1989年)の2重絶縁層構造のEL素
子やショットキー型の発光ダイオード(西林等,第36
回応用物理学関連連合講演会予稿集2a−N−8,48
1ページ,1989年)などが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、従
来のダイヤモンド半導体においては、半導体素子におけ
る基本的な構成であるpn接合については、大きな動作
電流がとれない等、良好な特性は得られていなかった。
これは、主として低抵抗値のn型半導体がダイヤモンド
では得にくいことによる。
【0006】特開昭59−208821,59−213
126,60−246627号公報においては、n型半
導体作成のためリン、ヒ素、アンチモンをダイヤモンド
中にイオン注入したり、又は、これらの水素化化合物を
原料ガス中に添加してダイヤモンド中にドーピングを行
なうなどの方法が行なわれているが、一般にこれらの元
素のドーピングでは、抵抗値が102 Ω・cm以上と、
数十Ω・cm以下の抵抗値が得られなかった。このた
め、リン、ヒ素、アンチモンがドープされたn型半導体
を用いては、大電流値で動作可能なpn接合ダイヤモン
ド半導体を作成することはできないという問題点があっ
た。
【0007】又、pn接合と同様な、整流作用を持つ、
ショットキー・バリヤ・ダイオードでは、逆方向耐圧が
悪い、又逆方向の漏れ電流が大きい、さらに、整流特性
が金属−ダイヤモンド半導体界面の状態に非常に敏感な
ため、再現性にとぼしいなどの問題があった。
【0008】また、上記従来例のうち、ショットキー型
発光ダイオードの製造方法は、ダイヤモンド単結晶基板
(高圧合成品)上へのホモエピタキシャルを用いてお
り、コストが高く実用的ではない。
【0009】又、本発明者らの報告したEL素子は、通
常のシリコンウエハー上へ形成した多結晶ダイヤモンド
を用いており、量産化によるコスト低下が可能な構成と
なっているが、実用化のためには、以下のような問題点
があった。
【0010】図3に示すように、本発明者らの報告した
2重絶縁層構造のEL素子は、発光層であるダイヤモン
ド層14を絶縁層12,13,15で上下にはさみ込む
構造となっている。この絶縁層のうち下側の12,13
は、ダイヤモンド発光層14形成のため、高温(通常8
00℃以上)下で、水素、酸素、炭素を含むイオンやラ
ジカル種にさらされる。このため絶縁層は、損傷をう
け、絶縁性の悪化、絶縁耐圧の劣化が生じ、素子の耐久
性の悪化の原因となる。
【0011】又、多結晶ダイヤモンドを発光層として用
いると、粒界で、電子の移動が阻害され、さらに、粒界
に存在するアモルファス・カーボン又は、グラファイト
相により、電流の漏れ(リーク)が生じる、等により、
十分な輝度が得られず、又、耐久性の悪化の原因とな
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
を解決するための手段として、気相合成法によって半導
体ダイヤモンドを形成するダイヤモンドの製造方法にお
いて、p型半導体部分がホウ素をアクセプターとして含
み、n型半導体部分がリチウムをドナーとして含むpn
接合を構成することを特徴とする。
【0013】また本発明のダイヤモンド半導体による電
界発光素子は、絶縁性基板上に所定の位置に単一核より
形成されたダイヤモンド結晶を作成し、これを発光層と
することを特徴とする。
【0014】さらに本発明は、前記、所定の位置に単一
核より形成されたダイヤモンド結晶上に、独立にショッ
トキー接合電極とオーミック接合電極とを形成し、順方
向に電圧を印加することを特徴とする。
【0015】又、さらに本発明は、前記、所定の位置に
単一核よりなるダイヤモンド結晶上に、絶縁層を形成
し、その後、独立に2つの電極を形成し、この2つの電
極間に、電圧を印加することを特徴とする。
【0016】
【作用】以下、本発明の作用を、本発明を成すに際して
得た知見と共に説明する。
【0017】本発明によれば、気相合成法による半導体
ダイヤモンドの製造方法において、p型半導体部分がホ
ウ素をアクセプターとして含み、n型半導体部分がリチ
ウムをドナーとして含む、pn接合を作成することによ
り、大きな動作電流で、逆方向耐圧が高く、さらに、逆
方向漏れ電流も小さい等のダイオード特性を持つ、ダイ
ヤモンドpn接合半導体の製造を可能としたものであ
る。
【0018】また本発明は、窒素やリンをドナーとして
含むn型半導体に比べ、リチウムをドナーとして含むn
型半導体が低抵抗値であることを見い出し、さらにリチ
ウムをドナーとして含むn型半導体を用いたpn接合半
導体が良好なダイオード特性を持つことを見い出した。
【0019】(実施態様例1)以下、本発明のpn接合
を含むダイヤモンド半導体の製造方法の実施態様例を詳
細に説明する。
【0020】本発明のダイヤモンド製造方法としては、
公知のマイクロ波プラズマCVD(化学的気相蒸着)法
や、高周波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD
法、直流プラズマCVD法をあげることができるが、こ
れらに改良を加えたものを含めこれらの方法のみに限る
ものではない。
【0021】p型半導体の製造方法としては、原料ガス
中に、ジボラン(B2 6 ),(三フッ化ホウ素(BF
3 ),三臭化ホウ素(BBr3 )等を添加する。又は、
炭素源として液状有機化合物を用いる場合(アセトン、
アルコール、等)、この液体有機化合物中にホウ酸(H
3 BO3 )を添加する等の方法により原料ガス中にホウ
素を導入し、ダイヤモンド中へ添加する。
【0022】n型半導体の製造方法としては、固体又は
液体のリチウム又はリチウム化合物を適当な温度で加熱
・蒸発させる、又は、炭素源として液状有機化合物を用
いる場合には、この液状有機化合物中にリチウム又はリ
チウム化合物を添加する、等の方法により、原料ガス中
にリチウムを導入し、ダイヤモンド中へ添加する。
【0023】原料中のホウ素・リチウムの含有量はダイ
ヤモンドの抵抗値をどの程度にするかにより変わるが、
一般的には、原料中のホウ素又はリチウムと炭素の比
(B/C,Li/C)で10-2〜10-8程度にすること
が望ましい。
【0024】特に低抵抗(数Ωcmから数十Ωcm)の
n型ダイヤモンド層を形成するには、Li/C比を10
-5以上、望ましくは10-4以上にする。
【0025】本発明により得られるpn接合半導体は、
ダイオードに限らず、pnp接合及びnpn接合トラン
ジスタや発光ダイオード、電子放出素子など半導体の幅
広い分野に応用可能である。
【0026】また次に、図3で前述した従来型の2重絶
縁層構造のEL素子には、作成サンプル又は、作成条件
により、素子耐久性が著しく低いもの(寿命が数十分
間)がみられた。この耐久性の低いサンプルについて、
素子破壊の原因を詳細に調査した結果、1)下部絶縁層
として、十分な厚さが存在せず、その部分から絶縁破壊
を生じている、2)その絶縁破壊は、ダイヤモンド結晶
発光層の粒界部分を通して発生しているものが多い、こ
とが分かった。
【0027】このうち、1)は下部絶縁層12,13が
ダイヤモンド発光層14形成時に損傷をうけたためと考
えられる。つまり、ダイヤモンド発光層14は、マイク
ロ波プラズマCVD法により形成しているが、800〜
900℃という高温及び、水素、メタン、酸素等の含有
ガスのプラズマにより、絶縁層の一部が損傷又はエッチ
ングされ、十分な絶縁性が得られず、電圧印加時に絶縁
破壊を起こしたと考えられる。このとき絶縁層の膜厚を
厚くすることは、下地基板11との密着力低下の原因と
なり好ましくない。
【0028】又、2)はダイヤモンド発光層の粒界中に
存在するアモルファス・カーボン相又はグラファイト相
によると考えられる。ダイヤモンド結晶は、非常に高い
絶縁耐圧(>数メガV/cm)を有しているが、アモル
ファス・カーボンは、それより2〜3ケタ低く、又、グ
ラファイト相は伝導体である。これらの非ダイヤモンド
相は、ダイヤモンド結晶粒界に存在することが多く、こ
れらが、電圧印加時に絶縁破壊を起こしたと考えられ
る。
【0029】本発明者は、上記問題点を改善し、絶縁耐
圧を向上させるために鋭意検討した結果、絶縁性基板上
に所定の位置に単一核より形成されたダイヤモンド結晶
を発光層として用いることで、絶縁耐圧が向上すること
を見い出し、本発明に到達したものである。
【0030】なお、本発明のEL素子は、電極の形態に
より、ショットキー接合を用いた発光ダイオード型と、
ダイヤモンド発光層上に絶縁層を形成した電界発光素子
型がある。
【0031】又、本発明で言う、単一核より形成された
ダイヤモンド結晶とは、単結晶ダイヤモンド粒子、又は
{111}面を双晶面とするスピネル式双晶粒子、およ
び同じく{111}面を双晶面として5個体および20
個体の単結晶よりなる多重双晶粒子を指す。この単一核
より形成されたダイヤモンド結晶は、複数核より形成さ
れた多結晶ダイヤモンド粒子と異なり、粒界を持たない
ため、絶縁耐圧にすぐれている。
【0032】(実施態様例2)次に好ましい実施態様例
により本発明のダイアモンド半導体を用いた発光素子
(EL素子)を更に詳しく説明する。
【0033】図1及び図2は、本発明のEL素子の一実
施態様例の断面図を示す。図中、1及び6は絶縁性基板
で、石英,ガラス,Al2 3 ,MgO,ZrO2 ,S
rTiO3 ,CaF2 などを用いることができる。この
基板はダイヤモンド結晶を形成する温度、例えば500
℃から900℃の温度で安定に存在できるものでなくて
はならない。
【0034】図中、2及び8は、ダイヤモンド結晶より
なる発光層で、マイクロ波プラズマCVD法、熱フィラ
メントCVD法、直流プラズマCVD法、ECRプラズ
マCVD法、燃焼炎法等により形成される。
【0035】このとき使用するガスは、含炭素ガスであ
るメタン、エタン、プロパン、エチレン、ベンゼン、ア
セチレン等の炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素、ク
ロルフォルム、トリクロルエタン等のハロゲン化炭素、
メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール
類、CO2 ,CO等のガスとN2 ,H2 ,O2 ,H
2 O,Ar(アルゴン)等の添加ガス又は希釈ガスであ
る。
【0036】上記ダイヤモンド発光層2、8は、基板の
所定の位置に、単一核より形成させることが必要であ
る。このような、単一核よりなるダイヤモンドの選択堆
積法としては、例えば、本発明者らの特開平2−306
97号公報に開示した方法をあげることができるが、特
にかかる方法に限定されるものではない。
【0037】特開平2−30697号公報に開示した方
法は、基板表面の傷付け処理を施した後、基板にパター
ン状にマスクを形成し、エッチング処理を行ない、マス
クを除去することにより傷付け処理した部位をパターン
状に形成する方法である。なお、基体にパターン状にマ
スク部材を設け、基体表面に傷付け処理を施しエッチン
グ処理によりパターン状に形成した該マスク部材を除去
することにより、傷付け処理した部位をパターン状に形
成する方法でもよい。また基体表面に傷付け処理を施し
た後、耐熱性を有するマスク部材をパターン状に形成す
ることにより傷付け処理した部位をパターン状に形成す
る方法でもよい。
【0038】ダイヤモンド砥粒を用いた傷付け処理の方
法は、特定の方法に限定されるものではなく、例えばダ
イヤモンド砥粒を用いて研磨を行なう、超音波処理を行
なう、又はサンドプラスト等の方法がある。例えば1μ
m以下のダイヤモンド砥粒と横ずり研磨器によりSi単
結晶基板の傷付け処理を行なうと、107 個/cm2
上の核発生密度が得られる。又、超音波処理の方法は、
0.1〜1g/10mlの割合で、粒径1μm〜50μ
mの砥粒を分散させた液体中に基体を入れ、5分間〜4
時間、望ましくは10分間から2時間程度、超音波洗浄
器等で超音波をかけることにより行なう。この超音波処
理法により、やはり107 個/cm2 以上の核発生密度
を得ることができる。
【0039】基体上にダイヤモンド砥粒を用いて傷付け
処理した部位をパターン状に形成することでダイヤモン
ドの選択堆積を行なう方法の一例について、図4(a)
〜(e)の模式図に従って説明する。
【0040】まず、基体21表面をダイヤモンド砥粒を
用いて均一に傷付け処理を施す(図4(a))。
【0041】この基体21表面にマスク22を形成する
(図4(b))。このマスクの材料としてはどのような
ものでもかまわないが、例えば、フォトリソグラフィー
法(光描画法)を用いてパターン状に形成されたレジス
トなどがあげられる。
【0042】単一核よりなるダイヤモンド結晶を形成す
るためには、このマスクの面積を10μm2 以下にする
必要がある。10μm2 以上の場合、このマスクパター
ン上に複数以上の核が発生し、多結晶化したダイヤモン
ドが形成される。
【0043】次に、マスク22を介して基体21をエッ
チングすることにより傷付け処理を施した部位をパター
ン状に形成する(図4(c))。上記エッチングはドラ
イエッチングでもウェットエッチングでも、どちらでも
良い。ウェットエッチングの場合は、例えばフッ酸、硝
酸混液によるエッチングなどを挙げることができる。ま
たドライエッチングの場合は、プラズマエッチング、イ
オンビームエッチングなどを挙げることができる。プラ
ズマエッチングのエッチングガスとしては、CF4 ガス
及びCF4 ガスに酸素、アルゴンなどのガスを加えたも
のを用いることができる。イオンビームエッチングのエ
ッチングガスとしてはAr,He,Ne等の希ガスや酸
素、フッ素、水素、CF4等のガスも可能である。エッ
チング深さは100Å以上、望ましくは500〜100
00Å、最適には800〜2000Å程度が好ましい。
【0044】次に、マスク22を除去し(図4
(d))、気相合成法を用いてダイヤモンドを形成する
と、傷付け処理を施した部位に選択的にダイヤモンド2
3が形成される(図4(e))。
【0045】なお、ダイヤモンド層中に発光中心となる
微量の元素を混入することにより、発光中心固有の発光
色を得ることが出来る。この発光中心材料としては、短
波長(青色から紫色、又は紫外線領域)側では、B,T
e,As,Au,Mg,P,Sb,Si,Ta,Cu,
N、長波長(赤色から赤外線領域)側では、Tl,B
a,Li,Cd,Cs,In,Ra,S,Sr,Ti,
Zn,Ca,Ce,Co,Cr,Fe,Ga,K,M
n,Nb,Os,Pb,Rb,Rh,Sc,Th,V,
W,Y、又、これら2つの中間波長領域としては、A
g,Be,Bi,Cu,Ge,Hg,Pt,Re,Z
r,Al,Ir,Ni,Ru,Sn,Tb,Oが挙げら
れる。又、これら元素のハロゲン化物、硫化物、酸化物
であってもよい。これらの微量元素の添加方法として
は、原料ガス中にこれらの微量元素含有ガスを添加する
方法及びイオン注入法等を用いることができる。
【0046】又、特に微量元素を添加しなくても、結晶
中のごく微量の転位・欠陥等により例えば430nm付
近に発光が認められる。
【0047】次にこの単一核より形成されたダイヤモン
ド結晶上に、電極を形成する。この電極構造の違いによ
り、2通りのEL素子を作ることができる。図1は、シ
ョットキー接合を用いた発光ダイオードであり、図2
は、ダイヤモンド結晶上に絶縁層を形成した絶縁層構造
の電界発光素子である。
【0048】図1中、3はショットキー接合電極で、4
はオーミック接合電極である。これらに用いられる電極
材料は、ダイヤモンド結晶の表面状態(表面の清浄度や
吸着種)により異なるが、一般的に、p型ダイヤモンド
の場合、仕事関数の大きな材料はオーミック接合、小さ
い場合は、ショットキー接合となり、又、n型ダイヤモ
ンドの場合、仕事関数の大きな材料は、ショットキー接
合、小さい場合はオーミック接合となる。
【0049】このショットキー電極3とオーミック電極
4はダイヤモンド結晶2上に重ならないように形成す
る。
【0050】このショットキー電極3とオーミック電極
4の間に、5の直流電源により、順方向に電圧を印加す
ることにより、ショットキー電極3付近で発光が生じ
る。ここで言う順方向の電圧印加とは、ダイヤモンド結
晶層2がp型半導体の場合、ショットキー接合電極が負
電圧、オーミック電極が正電圧で、又、n型半導体では
ショットキー接合電極が正電圧、オーミック電極が負電
圧を印加することを言う。
【0051】また、図2において、7は絶縁層で、可視
領域で透明で絶縁耐圧が高く且つ誘電率の大きい材料が
適している。この様な材料としてSiO2 ,Y2 3
HfO2 ,Si3 4 ,Al2 3 ,Ta2 5,Pb
TiO3 ,BaTa2 6 ,SrTiO3 等の誘電体が
挙げられる。これらの材料は、真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタ法、スプレイ法、CVD法等に
より500Åから5000Å程度の厚さで形成される。
【0052】図2中、9は電極であり、金属或いは半導
体さらには透明導電膜などを用いることができる。これ
らの電極9も前述の絶縁層の形成方法のいずれかにより
500Åから2000Å程度の厚さで形成される。
【0053】この電極9は、ダイヤモンド結晶8上に2
ヶ所、重ならないように別々に形成される。この電極9
間に直流、又は交流、又は直流と交流を重ねた電圧を印
加することにより、ダイヤモンド発光層8内部で発光が
生じる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0055】(実施例1)図1を参照して実施例1を説
明する。
【0056】図中、1は、石英基板(25mmφ×0.
5mmt )で、この基板を、平均粒径15μmのダイヤ
モンド粒子を分散させたアルコール中に入れ、超音波洗
浄器を用いて傷付け処理を行なった。
【0057】次いでこの基板上にマスクアライナ(キャ
ノン(株)製;PLA500)を用いて直径2μmのP
MMA系レジストパターンを20μmピッチで形成し
た。
【0058】この基板を、Arイオンビームエッチング
装置を用いて約1200Åの深さにエッチングを行なっ
た。なお、その際のエッチング条件は、加速電圧:1k
V、エッチング時間:10分間であった。
【0059】次いで有機溶媒を用いてレジストを除去
し、図5に示すマイクロ波プラズマCVD装置に基板を
入れて、ダイヤモンド形成を行なった。
【0060】図5の装置において、まず排気系31によ
り、反応室33を1×10-7Torrまで排気する。ガ
ス供給系32より、CH4 ;1.5SCCM,H2 ;2
00SCCM,O2 ;0.5SCCM,B2 6 (濃度
100ppm、水素希釈);1SCCMの流量で反応室
へ導入し、装置内圧力を60Torrとし、2.45G
Hzのマイクロ波発振器36によりマイクロ波放電を発
生させ、合成時間8時間でダイヤモンド形成を行なっ
た。
【0061】このダイヤモンド形成により、約10μm
の単一核よりなるダイヤモンド結晶2が、傷付け処理が
残存している部分(レジストパターン形成部)のみに選
択的に形成された。
【0062】次に、真空蒸着法によりショットキー電極
3としてAlを、又オーミック電極4としてAuを、お
互いに重ならないように約1000Åの厚さ形成した。
【0063】このAl電極(ショットキー電極)3とA
u電極(オーミック電極)4の間に順方向(Al;マイ
ナス,Au;プラス)に電圧を印加すると、440nm
付近の青色発光が観測された。
【0064】この素子100個に対して100時間の耐
久試験を行なったが、いづれの素子も、輝度の低下や素
子の破壊などの劣化は認められず、良好な耐久性を有し
ていることが分かった。
【0065】(実施例2〜5,比較例1)選択成長用マ
スクのパターン径を変化させて、単一核から成長したダ
イヤモンド単結晶粒子(又は双晶粒子)と、複数核から
成長した多結晶粒子との耐久性に及ぼす影響を見た。
【0066】選択成長用マスクのパターン径を変化させ
る以外は、実施例1と同様にしてEL素子を形成し、そ
のダイヤモンド結晶の単結晶化率と耐久性の関係をまと
めたものを表1に示す。
【0067】単結晶化率の高い実施例2〜5に於いて、
良好な耐久性を有することが分かる。
【0068】
【表1】 ◎;非常に良好 ○;良好 △;実用上可 ×;不可 (比較例2)比較例として、表面にSiO2 膜を200
0Å形成したSi半導体基板(n型,0.1Ω・cm)
を用いる以外は、実施例1と同様にしてEL素子を形成
した。
【0069】ダイヤモンド結晶形成時の高温とプラズマ
ダメージにより、SiO2 膜が損傷を受け、Si基板
と、Al又はAu電極との絶縁性が不十分な素子が存在
し、100個の素子に100時間耐久試験を施したとこ
ろ、32個の素子で絶縁不良により使用不可能となっ
た。
【0070】(実施例6)本発明の他の実施態様である
図2を参照して実施例6を説明する。
【0071】同図中、6は、石英基板(25mmφ×
0.5mmt )であり、実施例1と同様な基板の傷付け
処理、及びレジストパターン形成、さらにエッチング処
理を施した。
【0072】この基板6を、熱フィラメントCVD装置
へ入れ、ダイヤモンド形成を行なう。合成条件は、CH
4 :2SCCM,H2 :200SCCM,O2 :0.7
5SCCM,圧力100Torr,基板温度850℃,
フィラメント温度2000℃,合成時間8時間である。
このダイヤモンド合成により約8μmの単一核よりなる
ダイヤモンド結晶8が、傷付け処理が残存している部分
(マスクパターン形成部)のみに選択的に形成された。
【0073】次に、絶縁層7として、イオンプレーティ
ング法により、酸化ハフニウム(HfO2 )を2000
Åの厚さで、基板及びダイヤモンド結晶8表面全面に形
成した。
【0074】次に、ダイヤモンド結晶上に、Al電極9
を2ケ所、お互いに重ならないように、約1000Åの
厚さ形成した。このAl電極9間に1kHzの交流電圧
を印加すると430nm付近の青色発光が確認された。
【0075】この素子100個に対して100時間の耐
久試験を行なったが、いづれの素子も輝度の低下、素子
の破壊などの劣化は認められず、良好な耐久性を有して
いることが分かった。
【0076】(実施例7〜10,比較例3)選択成長用
マスクのパターン径を変化させて、単一核から成長した
ダイヤモンド単結晶粒子(又は双晶粒子)と、複数核か
ら成長した多結晶粒子との耐久性に及ぼす影響をみた。
【0077】選択成長用マスクのパターン径を変化させ
る以外は実施例6と同様にして、EL素子を形成し、そ
のダイヤモンド結晶の単結晶化率と、耐久性の関係をま
とめたものを表2に示す。
【0078】単結晶化率の高い実施例7〜10に於い
て、良好な耐久性を有することが分かる。
【0079】
【表2】 ◎;非常に良好 ○;良好 △;実用上可 ×;不可 (比較例4)比較例として、表面にSiO2 膜を200
0Å形成したSi半導体基板(n型,0.1Ω・cm)
を用いる以外は、実施例6と同様にしてEL素子を形成
した。
【0080】ダイヤモンド結晶形成時の高温と水素ラジ
カル等のダメージにより、SiO2 膜は損傷を受け、絶
縁性が劣化する。本素子の構造では、ダイヤモンド結晶
上に絶縁層としてHfO2 膜を形成するため、ショット
キー接合発光ダイオード型素子に比べ絶縁性は向上して
いるが、100個の素子に100時間の耐久試験を施し
たところ、Al電極と、Si基板間で絶縁不良を起こし
て使用不能となったものが20個認められた。
【0081】(実施例11)図6は、本発明の他の実施
例を実施するための装置の模式図の一例を示すものであ
る。この装置は熱フィラメントCVD装置であり、図に
おいて、61は石英反応管、62は電気炉、63はタン
グステン製フィラメント、64は基体、65はガス導入
口、66はガス流量を調整する流量計、67aはリチウ
ムを含有する液体有機化合物を加熱・ガス化する液体気
化装置、67bはホウ素を含有する液体有機化合物を加
熱・ガス化する液体気化装置、68はバルブ、69は水
素ガスボンベ、70は排気口で不図示の圧力調整用バル
ブと排気装置に接続されている。
【0082】まず、金属リチウムをリチウムと炭素の比
が、Li/C=50ppm(=5×10-5)となるよう
にエタノールに溶解し、液体気化装置67aへ入れた。
又、ホウ酸(H3 BO3 )をホウ素と炭素の比がB/C
=50ppm(=5×10-5)となるようにエタノール
に溶解し、液体気化装置67bへ入れた。
【0083】単結晶シリコン基板(p型比抵抗0.1Ω
cm、15mm角、厚さ0.4mm)を基体64とし
て、石英反応管61の中に置いた。不図示の排気装置を
用いて石英反応管内を10-3Torrまで真空引きした
後、電気炉62によりシリコン基板を800℃まで加熱
した。
【0084】次に67aの液体気化装置及び66のガス
流量計を用いてリチウムを含有するエタノールと水素ガ
スをそれぞれ0.5ml/min,200ml/min
づつ石英反応管61中に導入した。
【0085】その後、不図示の圧力調整用バルブを用い
て、反応管内の圧力を、50Torrにした後、フィラ
メント63を不図示の電源により通電を行ない、約21
00℃まで赤熱させた。この赤熱させたフィラメントに
より、エタノール及び水素が分解され、基体64上にリ
チウムを含むn型ダイヤモンドが形成された。
【0086】1時間の反応の後、67aからのリチウム
含有のエタノールの導入を止め、67bからホウ素含有
エタノールを0.5ml/min導入した(他の条件は
一定)。1時間の反応によりn型ダイヤモンド上にホウ
素を含むp型ダイヤモンドが形成された。
【0087】以上のように形成されたpn接合ダイヤモ
ンド半導体のp型ダイヤモンド側に、オーミック電極と
して金を真空蒸着法により蒸着し(φ2mm、厚さ約2
000Å)、さらにSi基板裏面側にアルミ電極を真空
蒸着法により蒸着し、pn接合ダイヤモンドのダイオー
ド特性の測定を行なった。
【0088】このときのダイオード特性を図7に示す。
順方向電流と逆方向電流の比は8ケタ以上で、逆方向の
漏れ電流は10-10 A以下、降伏電圧は250V以上
と、非常に良好なダイオード特性が得られた。
【0089】(実施例12)図8は本発明を実施するた
めの装置の別の実施例を示すものである。この装置はマ
イクロ波プラズマCVD装置であり、同図において、8
1は石英反応管、82はマイクロ波発振器(周波数2.
45GHz)、83はマイクロ波導波管、84は基体、
85はリチウムを含有する液体有機化合物を加熱ガス化
する液体気化装置、88aは水素ガスボンベ、88bは
メタンガスボンベ、88cはジボラン(濃度10pp
m、水素希釈)、86a,86b,86cはそれぞれガ
ス流量計、87a,87b,87cはバルブ、89は排
気口で不図示の圧力調整用バルブと排気装置に接続され
ている。
【0090】まず、アセトンに塩化リチウムをリチウム
と炭素の比がLi/C=100ppmになるようにアセ
トン溶液を作成し、液体気化装置85へ入れた。
【0091】実施例1と同様な単結晶シリコン基板を、
基体84とし石英反応管81の中に置いた。不図示の排
気装置を用いて石英反応管81内を2×10-3Torr
まで真空引きした後、88a,88b,88cのガスボ
ンベ及び86a,86b,86cの流量計を用いて水
素、メタン、ジボランをそれぞれ200ml/min,
0.75ml/min,40ml/minづつ石英反応
管81中に導入した。
【0092】その後、不図示の圧力調整用バルブを用い
て、反応管内圧力を60Torrにした後、マイクロ波
発振器82を用いて石英反応管81にマイクロ波を印加
し(出力0.8kW)、プラズマを発生させ、基体84
へ、ホウ素を含むp型ダイヤモンド半導体を形成した。
【0093】3時間の反応の後、一旦マイクロ波印加を
停止し、メタン及びジボランガス導入を停止した。
【0094】その後、液体気化装置85より、リチウム
含有アセトンを0.5ml/min導入し、再びマイク
ロ波を印加しプラズマを発生させた(圧力60Tor
r、マイクロ波出力0.8kW、水素流量200ml/
min)。
【0095】1時間の反応により、リチウムを含むn型
ダイヤモンドがp型ダイヤモンド上に形成された。
【0096】以上のように形成されたpn接合ダイヤモ
ンドのダイオード特性を実施例11と同様に測定したと
ころ、図7のような良好な特性が得られた。
【0097】(比較例5)比較例として、実施例12と
同様の条件で形成したp型ダイヤモンド薄膜上にショッ
トキー電極としてAlを用いて、ショットキー接合ダイ
オードを形成しダイオード特性の評価を行なった。
【0098】その結果は、図7に示すように、逆方向漏
れ電流が大きく、また、降伏電圧も25V程度と低かっ
た。
【0099】(実施例13)次に、本発明のpn接合を
用いた発光ダイオード(LED)の形成方法について述
べる(図9参照)。
【0100】基板としては、厚さ0.5mm、20mm
角のSi単結晶基板(ノンドープ、比抵抗1000Ωc
m)を用いた。この基板上に、実施例12と同様なマイ
クロ波プラズマCVD法によりダイヤモンド層を形成す
る。
【0101】まず、基板90を、図8の装置内へ設置
し、石英反応管81内を排気する。
【0102】次に、原料ガスである水素、メタン、ジボ
ランをそれぞれ200ml/min,1ml/min,
20ml/minづつ導入し、圧力を50Torrに調
整する。
【0103】その後、マイクロ波発振器82を用いてマ
イクロ波を印加(出力0.75kW)し、プラズマを発
生させ、ホウ素を含むp型ダイヤモンド層91を形成し
た。
【0104】2時間の反応の後、基板をとり出し、ダイ
ヤ膜の一部に公知のフォトリソグラフィー(光描画法)
によりレジストパターンを形成し、さらに、公知の真空
蒸着法によりSiO2 膜を1000Å形成し、その後レ
ジストを除去することで、ダイヤ膜の一部にSiO2
被覆した。
【0105】この基板を、再び図8の装置内へ入れ、排
気した後、水素ガスを200ml/minおよび液体気
化装置85よりリチウム含有アセトンを0.5ml/m
in導入し、圧力を50Torrに調整した。
【0106】その後、マイクロ波を印加(出力0.75
kW)し、プラズマを発生させ、2時間の反応によりp
型ダイヤモンド層上の一部にリチウムを含むn型ダイヤ
モンド層92を形成した。このとき、SiO2 を被覆し
た部分の上にはダイヤモンドは、ほとんど形成されなか
った。
【0107】装置より基板を取り出し、フッ酸溶液でS
iO2 層を除去した。
【0108】次に、公知の真空蒸着法を用いて、ダイヤ
モンド膜の一部に、電極用にAgの蒸着を行なった。
【0109】この後、電源95を用いて、p型ダイヤモ
ンド層上の電極94を陽極、n型ダイヤモンド層上の電
極93を陰極として直流電圧を印加した。数V〜数十V
の電圧印加で、pn接合部より発光が確認され、その発
光ピークは約440nmであることが分かった。
【0110】(実施例14)図10を参照して、単一核
よりなるダイヤモンド結晶のpn接合を用いた発光ダイ
オード(LED)の形成方法について述べる。
【0111】まず、図10中、96の石英基板(25m
mφ×0.5mmt )に実施例1と同様な方法で、ホウ
素がドーピングされた約10μmの単一核よりなるp型
ダイヤモンド半導体結晶97を形成した。
【0112】この後、ダイヤモンド結晶の一部に公知の
フォトリソグラフィー法(光描画法)によりレジストパ
ターンを形成し、さらに公知の真空蒸着法によりSiO
2 膜を1000Å形成し、その後レジストを除去するこ
とでダイヤモンド結晶の一部にSiO2 を被覆した。
【0113】その後、実施例13のn型ダイヤモンド層
形成と同様な方法でn型ダイヤモンド層98を形成し
た。さらに実施例13と同様な方法でp型ダイヤモンド
層上に陽極電極100を、n型ダイヤモンド層上に陰極
電極99を形成し、直流電源101を用いて直流電圧を
印加した。数V〜数10Vの電圧印加でpn接合部より
発光が確認され、その発光ピークは約440nmであっ
た。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、アクセプター(p
型)としてホウ素を、ドナー(n型)としてリチウムを
添加したpn接合ダイヤモンド半導体を作成することに
より、大電流値で動作可能で、耐久性が高く、良好なp
n接合特性を得ることができた。このようなpn接合ダ
イヤモンド半導体は、青色発光素子、高出力集積回路
や、高温化で使用可能な半導体として利用できる効果が
ある。
【0115】また、上述したように本発明のダイヤモン
ド半導体による電界発光素子は、絶縁性基板を用いてい
るため、電極と基板間で絶縁不良を起こすことがなく、
又、単一核から形成されるため、ダイヤモンド結晶中に
粒界の存在がないため、絶縁耐圧が非常に高い、等の特
徴があり、素子の耐久性を大幅に向上させることができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した電界発光素子の断面図であ
る。
【図2】本発明を実施した別の電界発光素子の断面図で
ある。
【図3】従来の電界発光素子の断面図である。
【図4】単一核より形成されるダイヤモンド結晶の形成
方法の模式図である。
【図5】本発明のダイヤモンド結晶発光層を形成する合
成装置の模式図である。
【図6】本発明のpn接合ダイヤモンド半導体を作成す
るための装置の模式図。
【図7】本発明の実施例及び比較例のダイオード特性を
示す図。
【図8】本発明のpn接合ダイヤモンド半導体を作成す
るための他の装置の模式図。
【図9】本発明のpn接合ダイヤモンド半導体により形
成した発光ダイオードの模式図。
【図10】本発明の単一核よりなるpn接合ダイヤモン
ド半導体により形成した発光ダイオードの模式図。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 ダイヤモンド結晶 3 ショットキー接合電極 4 オーミック電極 5 直流電源 6 絶縁性基板 7 絶縁層 8 ダイヤモンド結晶 9 電極 10 電源 11 下部電極 12,13 絶縁層 14 ダイヤモンド結晶 15 絶縁層 16 透明導電膜 17 電源 21 絶縁性基板 22 レジストパターン 23 ダイヤモンド結晶 31 排気装置 32 ガス供給系 33 石英反応管 34 マイクロ波導波管 35 基板 61 石英反応管 62 電気炉 63 フィラメント 64 基体 65 ガス導入口 66 ガス流量計 67a,7b 液体気化装置 68 バルブ 69 水素ガスボンベ 70 排気口 81 石英反応管 82 マイクロ波発振器 83 マイクロ波導波管 84 基体 85 液体気化装置 86a,16b,16c ガス流量計 87a,17b,17c バルブ 88a 水素ガスボンベ 88b メタンガスボンベ 88c ジボランガスボンベ 89 排気口 90 基体 91 p型ダイヤモンド層 92 n型ダイヤモンド層 93 陰極電極 94 陽極電極 95 直流電源 96 基体 97 p型ダイヤモンド結晶 98 n型ダイヤモンド層 99 陰極電極 100 陽極電極 101 直流電源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相合成法により形成されるpn接合を
    含むダイヤモンド半導体において、p型半導体部分がホ
    ウ素を不純物として含み、n型半導体部分がリチウムを
    不純物として含むことを特徴とするpn接合を含むダイ
    ヤモンド半導体装置。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板上の所定の位置に、単一核よ
    り形成されたダイヤモンド結晶を作成し、これを発光層
    とすることを特徴とするダイヤモンド半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記、所定の位置に単一核より形成され
    たダイヤモンド結晶上に、独立にショットキー接合電極
    とオーミック接合電極とを形成し、この電極間に順方向
    に電圧を印加して、前記ダイヤモンド結晶に電界発光を
    生じさせることを特徴とする、請求項2に記載のダイヤ
    モンド半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記、所定の位置に単一核より形成され
    たダイヤモンド結晶上に絶縁層を形成し、さらに、前記
    ダイヤモンド結晶上に独立に2つの電極を形成し、この
    2つの電極間に、電圧を印加することを特徴とする請求
    項2に記載のダイヤモンド半導体装置。
  5. 【請求項5】 気相合成法により形成されるpn接合を
    含むダイヤモンド半導体の製造方法において、p型半導
    体部分にホウ素を不純物として導入する工程と、n型半
    導体部分にリチウムを不純物として導入する工程とを有
    することを特徴とするpn接合を含むダイヤモンド半導
    体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 絶縁性基板上の所定の位置に、半導体素
    子部を形成するダイヤモンド結晶を単一核より形成する
    ことを特徴とするダイヤモンド半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 気相合成法によって半導体ダイヤモンド
    を形成する半導体ダイヤモンドの製造方法において、 該半導体ダイヤモンドのp型半導体部分に、ホウ素をア
    クセプターとして導入する工程と、該半導体ダイヤモン
    ドのn型半導体部分に、リチウムをドナーとして導入す
    る工程を含むことを特徴とするダイヤモンド半導体装置
    の製造方法。
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