JP3592055B2 - 有機発光素子 - Google Patents

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    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表示用発光素子、液晶ディスプレイ用バックライト、平面照明光源及び平面パネルディスプレイ等に適用される有機発光素子及びその製造方法に関し、特に、安定して優れた発光効率を得ることができる有機発光素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤモンドは耐熱性が優れ、バンドギャップが5.5eVと大きいことが特徴である。また、ダイヤモンドは絶縁破壊電圧及び飽和ドリフト速度が大きいと共に、誘電率が小さいという優れた電気的特性を有する。更に、ダイヤモンドは熱伝導率が室温において種々の物質中で最高値を示し、比熱が小さいことも公知である。
【0003】
ダイヤモンド膜の気相合成法としては、例えば、マイクロ波気相化学蒸着(マイクロ波CVD)法がある(特公昭59−27754、特公昭61−3320等)。また、他にも、高周波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、直流プラズマCVD法、プラズマジェット法、燃焼法及び熱CVD法等によりダイヤモンド膜を合成することができる。これらの気相合成法によると、非ダイヤモンド材料からなる基板上に、膜状のダイヤモンドを低コスト及び大面積で得ることができる。
【0004】
気相合成によりダイヤモンド膜を合成する場合には、原料ガスとして、メタン等の炭化水素ガスを水素で希釈したガスが使用され、これにより、電気的に絶縁性のダイヤモンド膜を合成することができる。また、原料ガス中に、ジボラン(B)ガス等のボロン元素(B)を含有するガスを微量添加することにより、p型半導体のダイヤモンド膜を合成することができることは公知である。
【0005】
ところで、ダイヤモンド膜を使用した発光素子として、近時、真空中でダイヤモンド膜に対向した位置に蛍光剤が塗布された電極を配置した発光素子が提案されている。これは、ダイヤモンド膜と電極との間に強い電圧を印加して、ダイヤモンド膜から真空中に電子を放出させ(電界放出)、真空中で電子を加速して蛍光剤を励起させることにより蛍光剤を発光させるものである。
【0006】
しかしながら、電界放出による発光素子においては、真空条件が必要であるので、素子構造及び素子の製造工程が複雑になるという問題点がある。更に、この発光素子を使用する場合には、電子を加速するためにダイヤモンド膜と蛍光剤との間に5乃至10kVの高電圧を印加する必要がある。従って、この発光素子を使用する装置全体を高電圧に対応できるものとする必要があり、装置のコストが高くなるという問題点もある。
【0007】
そこで、低電圧で発光を得ることができる有機発光素子が提案されている。これを第1の従来例という。図4は従来の有機発光素子の構造を示す断面図である。図4に示すように、ガラス基板11上にホール注入用電極12が形成されており、その上には、ホール輸送層13及びホール注入層18が順次形成されている。また、ホール注入層18の上には、有機発光層14、電子輸送層15が順次積層されており、更に、その上には電子注入用電極16が形成されている。なお、ホール注入層18及び電子輸送層15は、必ずしも形成する必要はなく、必要に応じて省略することができる。
【0008】
なお、有機発光層14を構成する有機化合物としては、ジスチルアリーレン系、オキサジアゾール系、ピラゾロキノリン系、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体系及びアルミキレート系があり、その他に、ポリアルキルチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリナフタレンビニレン、ポリアルキルフルオレン、ポリフェニレン及びポリメチルフェニルシラン等の高分子系がある。
【0009】
また、ホール注入用電極12としては、ITO(Indium−Tin−Oxide)等のような酸化物透明電極膜又はAu及びNi等のような仕事関数が大きい金属膜が使用される。電子注入用電極16としては、仕事関数が小さいMg、Li若しくはCa系の材料膜、又はこれらとAg若しくはAlとの合金膜が使用される。更に、ホール輸送層13としては、アミン系材料膜が使用され、ホール注入層18としては、アミン系又はフタロシアニン系の有機化合物膜が使用され、電子輸送層15としては、アルミニウム・キレート系の材料膜が使用される。
【0010】
このように構成された有機発光素子においては、ホール注入用電極12からホールが注入されると共に、電子注入用電極16から電子が注入されると、このホールと電子とが有機発光層14内において再結合して、ガラス基板11側から光17が放射される。このように、第1の従来例に係る有機発光素子は、低電圧で発光を得ることができるという特徴を有しており、有機発光層14を構成する有機化合物を選択することにより、所望の発光色を得ることができる。
【0011】
しかし、第1の従来例に係る有機発光素子は、半導体、プラズマ及び電界放出等を利用した他の方式の発光素子と比較して、発光輝度が低いという問題点がある。これは、ホール輸送層13及び電子輸送層15の材料として、有機化合物が使用されているからであり、特に、ホール輸送層に有機化合物が使用されていると、輸送効率が低下して、発光輝度が低下する。一方、発光輝度を向上させるために、電流量を増加させると、有機発光層14の温度が100℃以上になり、有機発光素子を構成する有機化合物からなる層が劣化するという問題点が発生する。
【0012】
そこで、電流量を増加させることなく良好な発光輝度を得ることができる発光素子が提案されている(特開平6−111938号公報)。以下、これを第2の従来例という。この発光素子の構造は、図4に示す有機発光素子の構造と同様であるので、図4を参照して第2の従来例に係る発光素子の構造を説明する。即ち、図4に示すように、ガラス基板11上にホール注入用電極12が形成されており、その上にはホール輸送層13が形成されている。また、ホール輸送層13の上には、有機発光層14、電子輸送層15が順次積層されており、更に、その上には電子注入用電極16が形成されている。なお、第2の従来例においては、ホール輸送層13は、ボロンをドープしたダイヤモンド層により形成されている。
【0013】
このように構成された発光素子においても、ホール注入用電極12から注入されたホールと、電子注入用電極16から注入された電子とが有機発光層14内において再結合して、ガラス基板1側から光17が放射されるが、ホール輸送層13が高い耐熱性を有するダイヤモンド層により形成されているので、ホール輸送層13の熱劣化を防止することができる。また、ダイヤモンド膜中においては、電子及びホール等のキャリアの移動度が大きく、例えば、ホールの場合には、移動度が500乃至1870(cm/V・s)である。従って、ダイヤモンド膜からなるホール輸送層13により有機発光層14に多数のホールを到達させることができ、これにより、発光効率を向上させることができる。更に、ダイヤモンドはバンドギャップが大きいので、電子とホールとの再結合により励起された励起子(電子・ホール対)のエネルギーよりも、ダイヤモンドの励起状態のエネルギーの方が高くなる。従って、励起子がダイヤモンド膜側に移動して消滅することがないので、発光効率を向上させることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第2の従来例に示すように、ダイヤモンド膜からなるホール輸送層が形成されていても、そのダイヤモンド膜の形成条件等により、発光効率を十分に向上させることができないことがある。また、第2の従来例においては、熱フィラメント法によりホール輸送層となるダイヤモンド薄膜が合成されているが、熱フィラメント法を使用すると、合成されたダイヤモンド膜中にフィラメント材(W及びTa等)が混入することがある。そして、混入したフィラメント材により結晶欠陥が発生して、発光効率が低下する。
【0015】
更に、第2の従来例においては、ガラス基板上にホール注入電極としてのITO膜を蒸着し、このITO膜の上にホール輸送層としてのダイヤモンド膜が合成されている。しかし、気相合成によりダイヤモンド膜を形成する場合には、活性な水素ガス雰囲気下において、基板温度を750℃以上の高温として合成されるので、ITO膜が劣化するか、又はガラス基板からITO膜が剥離する。従って、ガラス基板上のITO膜の上にダイヤモンド膜を気相合成することは、極めて困難である。また、ITO膜上にダイヤモンド膜を合成することができた場合であっても、そのダイヤモンド膜は多結晶膜となり、これにより、キャリア移動度が小さくなるので、発光効率を向上させる効果を十分に得ることができない。
【0016】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ホール輸送層の熱劣化を発生させることなく、安定して優れた発光効率を得ることができる有機発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る有機発光素子は、基板と、前記基板上に形成されたホール注入用電極と、前記ホール注入用電極上に形成されたホール輸送層と、前記ホール輸送層上に形成された有機発光層と、前記有機発光層上に形成された電子注入用電極と、を有する有機発光素子において、前記ホール輸送層は、1.0×1019乃至1.0×1021(/cm)の濃度でボロンを含有するダイヤモンド膜からなり、前記ダイヤモンド膜を構成するダイヤモンド結晶の(111)面が、前記ダイヤモンド膜の表面に平行な方向に配向されていることを特徴とする。
【0018】
前記ダイヤモンド膜の膜厚は、0.5乃至5μmであることが好ましい。
【0019】
更に、前記ダイヤモンド膜の表面に、このダイヤモンド膜のボロン濃度よりも低いボロン濃度の低ボロンドーピング層が1μm以下の膜厚で形成されていることが好ましい。更にまた、前記ダイヤモンド膜は、前記有機発光層に接する表面が化学的に表面修飾されたものであることが望ましく、例えば、その表面に、水素、酸素、ハロゲン、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基、ニトロ基、アゾ基、ジアゾ基及び高分子量化合物からなる群から選択された少なくとも1種の原子又は原子団が結合されたものとすることができる。
【0020】
前記基板は、シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、アルミナ、窒化アルミニウム及び耐熱性金属からなる群から選択されたいずれか1種の材料、又は耐熱性基体上に、シリコン膜、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、アルミナ膜、窒化アルミニウム膜及び耐熱性金属膜からなる群から選択されたいずれか1種の膜が形成されたものとすることができる。
【0023】
本発明においては、ホール注入用電極から注入されたホールはホール輸送層を介して有機発光層に輸送されると共に、電子注入用電極から注入された電子も有機発光層に輸送され、これらのホールと電子とが有機発光層内において再結合して、光が放射される。このとき、本発明においては、ホール輸送層を構成するダイヤモンド膜中のボロン濃度が適切に規定されているので、膜中の結晶欠陥等が低減されて、ホールの輸送効率を向上させることができ、これにより、有機発光層からの発光効率を高めることができる。また、ホール輸送層を構成するダイヤモンド層の膜厚又は結晶の配向性が適切に規定されていると、更に一層優れた発光効率を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例に係る有機発光素子を示す断面図である。図1に示すように、基板9上にホール注入用電極2が形成されており、その上に、ボロン濃度が1.0×1019乃至1.0×1021(/cm)であるダイヤモンド膜からなるホール輸送層3が形成されている。また、ホール輸送層3の上には、有機発光層4、電子輸送層5及び電子注入用電極6が順次積層されており、更にその上には透明板8が形成されている。
【0025】
このように構成された有機発光素子においては、ホール注入用電極2からホールが注入されると、このホールはホール輸送層3を介して有機発光層4に輸送される。また、電子注入用電極6から電子が注入されると、この電子は電子輸送層5を介して有機発光層4に輸送される。そして、これらのホールと電子とが有機発光層4内において再結合して、透明板8側から光7が放射される。本実施例においては、ホール輸送層3を構成するダイヤモンド膜中のボロン濃度が適切に規定されているので、膜中の結晶欠陥等が低減されて、ホールの輸送効率が向上している。従って、有機発光層4からの発光効率を高めることができる。
【0026】
本発明において規定するダイヤモンド膜中のボロン濃度と発光素子の発光効率との関係について、以下に詳細に説明する。ダイヤモンド膜中のボロン濃度が、1.0×1019(/cm)未満であると、ダイヤモンド層の電気抵抗値が著しく高くなるので、有機発光層4から発光させるために高電圧を印加することが必要となって、電力損失が増加する。一方、ダイヤモンド膜中のボロン濃度が高くなると、ダイヤモンド膜(ホール輸送層3)の電気抵抗が低下するが、このボロン濃度が著しく高くなると、ダイヤモンド膜中にグラファイト及び非晶質カーボン等の非ダイヤモンド成分が増加して、結晶欠陥密度が増大する。特に、ボロン濃度が1.0×1021(/cm)を超えると、ダイヤモンドの粒径が小さくなって結晶粒界が増加し、ダイヤモンド粒子中の結晶欠陥が増加する。従って、ダイヤモンドの結晶性が低下して、ダイヤモンド膜の耐熱性が低下すると共に、キャリア移動度が小さくなり、発光効率が低下する。従って、ホール輸送層3を構成するダイヤモンド膜中のボロン濃度は、1.0×1019乃至1.0×1021(/cm)とする。
【0027】
このように、本実施例においては、ホール輸送層3となるダイヤモンド膜中のボロン濃度を規定しているので、優れた発光効率を有する有機発光素子を得ることができる。なお、このダイヤモンド膜の最適な膜厚は、ボロンのドーピング濃度に影響されるが、本願発明者等は、ダイヤモンド膜中のボロン濃度が上述の如く規定されている場合のダイヤモンド膜の膜厚を適切に規定することにより、更に一層優れた発光効率を得ることができることを見い出した。ダイヤモンド膜の膜厚と有機発光素子の発光効率との関係について、以下に具体的に説明する。
【0028】
ダイヤモンド膜の膜厚が5μmを超えると、電気抵抗が大きくなって、発熱による電力損失が生じる。一方、ダイヤモンド膜を気相合成した場合には、一般的に、ダイヤモンド粒子の核は基板上に10(/cm)以上の密度で発生して、粒子間において競合的な成長が進み、ダイヤモンド膜の表面では粒子が大きくなる。即ち、基板の近傍においては、ダイヤモンド膜の表面と比較して粒界密度が高く、これが結晶欠陥となる。従って、ダイヤモンド膜の膜厚が0.5μm未満であると、粒界密度が高くなり、キャリアがトラップされたり、消滅する原因となるので、発光効率を向上させる効果を十分に得ることができない。従って、ボロン濃度を適切に規定した本発明において、ダイヤモンド膜の膜厚は、0.5乃至5μmであることが好ましく、これにより、ダイヤモンド膜の抵抗値を所定の値以下の低抵抗に維持することができる。
【0029】
なお、ドーピングガスとしてジボラン(B)ガスを使用して、マイクロ波化学気相蒸着法(マイクロ波CVD法)によりダイヤモンド膜を合成すると、ダイヤモンド膜中への不純物の混入を防止することができ、低抵抗のダイヤモンド膜を得ることができる。
【0030】
更に、本実施例において、欠陥密度が低いと共に、キャリア移動度が大きい高品質で低抵抗のダイヤモンド膜からなるホール輸送層を得るためには、ダイヤモンド膜を構成する結晶の結晶方位を適切に規定することが好ましい。即ち、ホール輸送層が、結晶がランダムに配列された多結晶ダイヤモンド膜からなるものではなく、ダイヤモンド膜を構成する結晶の(111)、(100)又は(110)面が、ダイヤモンド膜の表面に平行な方向に配向されていると、高品質で低抵抗のダイヤモンド膜を得ることができる。また、ダイヤモンド膜を構成する結晶の(111)、(100)又は(110)面のうち、いずれか1種の面がその膜厚方向に平行な方向に配向されており、これを除く他の1種の面がダイヤモンド膜の表面に平行な方向に配向されていることが好ましい。更に、このダイヤモンド膜が単結晶膜であり、この膜を構成する結晶の(111)、(100)又は(110)面がダイヤモンド膜の表面に平行な方向に配向されていることがより一層望ましく、これにより、キャリア移動度を向上させることができる。特に、(111)結晶面はボロン原子を取り込みやすいので、ダイヤモンド膜を構成する結晶の(111)面がその膜の表面に平行な方向に配向されていると、更に一層低抵抗のダイヤモンド膜を得ることができる。
【0031】
更にまた、本願発明者等は、有機発光素子の発光効率を向上させるためには、電子注入用電極から注入される電子の数及びホール注入用電極から注入されるホールの数を適切に制御する必要があることを見い出した。この電子数及びホール数を制御する方法としては、ホール輸送層3を構成するダイヤモンド膜の表面に、このダイヤモンド膜のボロン濃度よりも低いボロン濃度を有する低ボロンドーピング層を形成して、ホール輸送層3と有機発光層4との間に所定の抵抗を与える方法がある。但し、低ボロンドーピング層の膜厚が1μmを超えると、抵抗が大きくなりすぎて、電子数及びホール数を適切に制御することができない。従って、ダイヤモンド膜の表面に低ボロンドーピング層を形成する場合は、その膜厚を1μm以下とする。
【0032】
更にまた、本願発明者等は、ホールが有機発光層4に注入される効率をより一層向上させるためには、ホール輸送層3となるダイヤモンド膜の表面を化学的に表面修飾することが効果的であることを見い出した。このダイヤモンド膜の表面の化学修飾は、発光素子の用途に応じて最適な方法を選択することが好ましい。ダイヤモンド膜の表面を化学修飾する方法としては、例えば、ダイヤモンド膜の表面を水素化、酸化又はハロゲン化する方法がある。また、他の方法として、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基、ニトロ基、アゾ基、ジアゾ基又は高分子量の化合物をダイヤモンド膜の表面に結合させる方法がある。
【0033】
更にまた、上述の如く高品質で低抵抗のダイヤモンド膜を合成するための基板9としては、シリコン基板、窒化シリコン基板、炭化シリコン基板、アルミナ基板、酸化シリコン基板、窒化アルミニウム基板及び耐熱性金属基板のうち、いずれか1種の基板を使用することができる。また、耐熱性を有する種々の基体上に、シリコン膜、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、酸化シリコン膜、アルミナ膜、窒化アルミニウム膜及び耐熱性金属膜のうち、少なくとも1種の膜を形成したものを基板9をして使用すると、基体上には直接ダイヤモンド膜を形成することができない場合であっても、高品質で低抵抗のダイヤモンド膜を形成することができる。
【0034】
このように、本実施例においては、ダイヤモンド膜中のボロン濃度及びダイヤモンド膜の膜厚等を最適化することにより、優れた特性を有するホール輸送層3を形成することができ、これにより、有機発光素子の発光効率を向上させることができる。
【0035】
なお、図1に示す本実施例においては、有機発光層4と電子注入用電極6との間に、電子輸送層5が形成されているが、本発明においては、必ずしも電子輸送層5を形成する必要はなく、必要に応じてこれを省略することができる。また、ホール輸送層3と有機発光層4との間に、ホール注入層が形成されていてもよい。また、本発明においては、ホール注入用電極2として、例えばPtを使用することができ、Mo等の耐熱性金属を使用することもできる。更に、有機発光層4を構成する有機化合物としては、ジスチルアリーレン系、オキサジアゾール系、ピラゾロキノリン系、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体系及びアルミキレート系があり、その他に、ポリアルキルチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリナフタレンビニレン、ポリアルキルフルオレン、ポリフェニレン及びポリメチルフェニルシラン等の高分子系がある。更にまた、電子輸送層5としては、アルミニウム・キレート系の材料膜を使用することができ、電子注入用電極6としては、ITO等のような酸化物透明電極膜を使用することができる。
【0036】
また、本発明においては、ダイヤモンド膜からなるホール輸送層3は、基板9上に形成されるので、透明板8は耐熱性を有するものである必要はない。例えば、透明板8としては、プラスティック板又はガラス板等を使用することができる。また、プラスティック板又はガラス板等を電子注入用電極6の上に接着する代わりに、コーティングにより、電子注入用電極6の表面にガラス膜又はプラスティック膜等を形成してもよい。
【0037】
なお、本発明に係る有機発光素子は、表示用等の個別発光素子、液晶ディスプレイ用のバックライト又は平面照明光源等に適用される。また、この有機発光素子を集積化することにより、平面パネルディスプレイを構成することができる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の実施例に係る有機発光素子を形成した結果について説明する。
【0039】
実施例1
先ず、図1に示す基板9として、酸化シリコン膜がコーティングされたシリコン基板、又は窒化シリコン基板を使用し、この基板上にホール注入用電極2として、白金(Pt)膜を蒸着した。そして、ダイヤモンド粉末を懸濁させたアルコール溶液中において、これに3分間の超音波処理を施すことにより、ダイヤモンドの核発生密度を10乃至1010(/cm)に増大させた。次いで、マイクロ波CVD装置により、ホール注入用電極2上にホール輸送層3としてのp型ダイヤモンド膜を約1μmの厚さで形成した。このとき、原料ガスとして0.3乃至5体積%のメタンガス、0.1乃至2体積%の酸素ガス及び1乃至20体積ppmのジボラン(B)ガスを含有する原料ガスを使用し、基板温度を800乃至850℃、ガス圧を30乃至60Torrとした。
【0040】
その後、得られたダイヤモンド膜をSIMS(二次イオン形質量分析法)により測定した結果、ダイヤモンド膜中のボロン原子の濃度は、1.0×1019乃至1.0×1021(/cm)であった。その後、ホール輸送層3としてのダイヤモンド膜上に、有機発光層4として、MDDO−PPV(poly(2−methoxy−5−dodecyloxy−1,4−phenylene vinylene))膜をスピンコートした。その後、有機発光層4上に電子注入用電極6として、アルミニウム薄膜を真空蒸着した後、この上に透明板8を形成した。なお、本実施例においては、電子輸送層5の形成を省略した。
【0041】
その後、得られた有機発光素子において、白金膜からなるホール注入用電極2と、アルミニウム薄膜からなる電子注入用電極6との間に電圧を印加し、発光強度を測定した。図2は縦軸に発光強度をとり、横軸に波長をとって、本実施例に係る有機発光素子の発光強度を示すグラフ図である。図2に示すように、ホール注入用電極2と電子注入用電極6との間に20V以上の電圧を印加したときに、強い発光を得ることができた。
【0042】
実施例2
上記実施例1と同様の製造方法で、原料ガス中のジボランガス濃度を種々に変化させて有機発光素子を作製し、ホール輸送層3としてのダイヤモンド膜中のボロン濃度を測定すると共に、ホール注入用電極2と電子注入用電極6との間に20V以上の電圧を印加したときの発光強度を測定した。図3は縦軸に発光強度をとり、横軸に波長をとって、ダイヤモンド膜中のボロン濃度と有機発光素子の発光強度との関係を示すグラフ図である。図3に示すように、ダイヤモンド膜中のボロン濃度が1.0×1019乃至1.0×1021(/cm)であるときに、発光が観測された。
【0043】
実施例3
先ず、(111)結晶面を有する単結晶チタン酸ストロンチウムからなる基板上に、スパッタ法により、ホール注入用電極2として単結晶(111)白金膜を形成を作製した。その後、白金膜の上にダイヤモンド膜を合成することにより、表面が(111)結晶面で構成され、結晶面が融合した単結晶状のダイヤモンド膜を得た。その後、実施例1と同様の方法で、有機発光素子を作製し、ホール注入用電極2と電子注入用電極6との間に電圧を印加して、発光強度を測定した。その結果、ホール注入用電極2と電子注入用電極6との間に5V以上の電圧を印加したときに、図2に示す強度と同様の強い発光を得ることができた。このように、実施例3においては、ホール輸送層3を構成するダイヤモンド結晶の(111)結晶面がダイヤモンド膜の表面に平行な方向に配向された単結晶であるので、実施例1と比較して発光効率を向上させることができた。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ホール輸送層を構成するダイヤモンド膜中のボロン濃度が適切に規定されているので、発光効率が安定して向上した有機発光素子を得ることができる。また、ホール輸送層を構成するダイヤモンド層の膜厚又は結晶の配向性が適切に規定されていると、更に一層優れた発光効率を得ることができる。更に、ダイヤモンド層の表面に、適切な膜厚で低ボロンドーピング層が形成されているか、又はその表面が化学的に表面修飾されたものであると、ホール輸送層がホールを有機発光層に輸送する輸送効率をより一層向上させることができ、これにより、発光効率を向上させることができる。また、本発明方法によれば、ホール輸送層の合成時における原料ガスを適切に規定しているので、ダイヤモンド膜中への不純物の混入を防止することができ、低抵抗のダイヤモンド膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る有機発光素子を示す断面図である。
【図2】縦軸に発光強度をとり、横軸に波長をとって、本実施例に係る有機発光素子の発光強度を示すグラフ図である。
【図3】縦軸に発光強度をとり、横軸に波長をとって、ダイヤモンド膜中のボロン濃度と有機発光素子の発光強度との関係を示すグラフ図である。
【図4】従来の有機発光素子の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2,12;ホール注入用電極
3,13;ホール輸送層
4,14;有機発光層
5,15;電子輸送層
6,16;電子注入用電極
7,17;光
8;透明板
9;基板
11;ガラス基板

Claims (7)

  1. 基板と、前記基板上に形成されたホール注入用電極と、前記ホール注入用電極上に形成されたホール輸送層と、前記ホール輸送層上に形成された有機発光層と、前記有機発光層上に形成された電子注入用電極と、を有する有機発光素子において、前記ホール輸送層は、1.0×1019乃至1.0×1021(/cm)の濃度でボロンを含有するダイヤモンド膜からなり、前記ダイヤモンド膜を構成するダイヤモンド結晶の(111)面が、前記ダイヤモンド膜の表面に平行な方向に配向されていることを特徴とする有機発光素子。
  2. 前記ダイヤモンド膜の膜厚は、0.5乃至5μmであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記ダイヤモンド膜の表面に、このダイヤモンド膜のボロン濃度よりも低いボロン濃度の低ボロンドーピング層が1μm以下の膜厚で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機発光素子。
  4. 前記ダイヤモンド膜は、前記有機発光層に接する表面が化学的に表面修飾されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  5. 前記ダイヤモンド膜は、前記有機発光層に接する表面に、水素、酸素、ハロゲン、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基、ニトロ基、アゾ基、ジアゾ基及び高分子量化合物からなる群から選択された少なくとも1種の原子又は原子団が結合されたものであることを特徴とする請求項4に記載の有機発光素子。
  6. 前記基板は、シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、アルミナ、窒化アルミニウム及び耐熱性金属からなる群から選択されたいずれか1種の材料からなるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  7. 前記基板は、耐熱性基体上に、シリコン膜、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、アルミナ膜、窒化アルミニウム膜及び耐熱性金属膜からなる群から選択されたいずれか1種の膜が形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機発光素子。
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