JP2004119241A - 放電灯及びその製造方法 - Google Patents

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Tadashi Sakai
酒井 忠司
Tomio Ono
小野 富男
Hisashi Sakuma
佐久間 尚志
Mariko Suzuki
鈴木 真理子
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Abstract

【課題】ダイヤモンドを電子放出源とする放電灯について、その発光効率を向上させるとともに長寿命化を図ること。
【解決手段】水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器1と、この外囲器1の外面に配置された電極4、4´とを備え、外囲器1を介して電極4、4´と対向する外囲器1の内面にダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、外囲器1の内面にダイヤモンド膜5が被覆されてなることを特徴とする放電灯。ダイヤモンド膜5により水素ガスの漏出を防止して、水素ガスによるダイヤモンド膜5表面の電子放出効率を維持することができ、発光効率が高く長寿命な放電灯を提供できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯及びその製造方法に係わり、特にダイヤモンドを電子放出源として用いた放電灯及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷陰極放電灯は、冷陰極蛍光ランプとして一般照明用に用いられる(例えば、特許文献1参照。)他、近年液晶用バックライト光源としての需要も急拡大している。冷陰極放電灯においては、放電空間を形作る放電管としてガラスが用いられ、陰極材料として様々な金属が用いられている。また、バリヤ型と呼ばれる冷陰極放電灯も知られており、放電空間を形作る管の外部に電極が設けられ、当該電極は直接放電面に接していない構成となっている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
一方、ガラス管内部に希ガスとHgと金属ハロゲン化物を封入しアーク励起による金属特有のスペクトルを利用する金属蒸気放電灯が知られている。しかしながら、この金属蒸気放電灯では、放電管壁の変質による劣化により寿命が制限されており、このため、放電管の内面にダイヤモンド膜を形成することにより管壁の劣化を防止して長寿命化を図る放電灯等も考案されている(例えば、特許文献3、4、5参照。)。
【0004】
一方、上述した放電灯においては、陰極表面での電子放出性能が全体の発光効率を左右している。即ち、陰極表面からの電子放出効率が向上すると、多量に放出された電子によりさらに放電が促進され発光効率が向上する。したがって、冷陰極放電灯の活用領域を拡大していくためには、放電管等の劣化を低減し、同時に電子放出性能を向上させることが求められている。
【0005】
冷陰極放電灯の性能向上を図るために、発明者らは特願2001−(先願出願番号)や特願2001−(先願出願番号)に示されるように陰極の電子放出材料としてダイヤモンドを用いた冷陰極放電灯を考案した。ダイヤモンドは電子放出効率が高くスパッタ耐性も高いので、発光効率が高く寿命も長い放電灯を提供することができる。なお、ダイヤモンドを冷陰極に用い真空中で電子放出を行う技術は既に確立したものである(例えば、非特許文献1参照。)。
【0006】
ダイヤモンドを用いた冷陰極を用いた他の例としてプラズマディスプレイパネルが挙げられる(例えば、非特許文献2参照。)。プラズマディスプレイパネルに係る当該文献において、水素終端したダイヤモンドはイオン衝撃による二次電子放出効率が高い材料であることが報告されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−274156号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平8−236083号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平3−238748号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平4−296437号公報
【0011】
【特許文献5】
特開平7−21986号公報
【0012】
【非特許文献1】
K・オカノ(K.Okano)他,「ロー・スレッショルド・コールド・カソーヅ・メイド・オブ・ナイトロジェン−ドープト・ケミカル−ベーパー−デポジッテド・ダイヤモンド(Low−threshold cold cathodes made of nitrogen−doped chemical−vapour−deposited diamond)」,ネーチャー(Nature) ,(イギリス),マクミラン(Macmillan) ,1996年,第381巻,p.140
【0013】
【非特許文献2】
P・K・バッハマン(P.K.Bachmann)他,「CVD・ダイヤモンド:ア・ノベル・ハイ・γ−コーティング・フォー・プラズマ・ディスプレイ・パネルズ(CVD diamond: a novel high γ−coating for plasma display panels)」,ダイヤモンド・アンド・リレーテド・マテリアルズ(Diamond and Related Materials), (オランダ),エルセビア・サイエンス(Elsevier Science),2001年,第10巻,p.814,Fig.6
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
冷陰極放電灯の性能向上を図るために、水素終端したダイヤモンドを冷陰極に用いた放電灯を本発明者らは検討している。即ち、発明者らは、放電灯の放電管内部に水素を混入させ、冷陰極表面のダイヤモンド表面を水素終端状態としてダイヤモンド表面からの二次電子放出を促進し、放電効率ひいては発光効率の向上を図ろうと実験を重ねている。
【0015】
しかしながら、本発明者らの検討によると、放電管内部に水素を混入させて放電を行った場合、発光効率は高いものの、放電時間の経過とともに発光効率が徐々に減少していくことを見出した。
【0016】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、発光効率が高く寿命が長い放電灯及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(構成)
前述した課題を解決するために、本発明の第1の放電灯は、水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器と、この外囲器内に配置された電極とを備え、該電極はダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器の内面若しくは外面のいずれか又はその両面にダイヤモンド膜が被覆されてなることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第2の放電灯は、水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器と、この外囲器の外面に配置された電極とを備え、前記外囲器を介して前記電極と対向する当該外囲器の内面にダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器の内面若しくは外面のいずれか又はその両面にダイヤモンド膜が被覆されてなることを特徴とする。
【0019】
上記本発明の第1及び第2の放電灯において、前記外囲器は開口部を有し、該開口部に封止部材が嵌合してなることが好ましい。
【0020】
また、本発明の第3の放電灯は、水素ガスを含む放電用ガスが封入され、封止部を有するとともに該封止部の厚みがそれ以外の部分の厚みよりも厚い外囲器と、この外囲器内に配置された電極とを備え、該電極はダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器の封止部以外の部分の内面若しくは外面のいずれか又はその両面に少なくともダイヤモンド膜が被覆されてなることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第4の放電灯は、水素ガスを含む放電用ガスが封入され、封止部を有するとともに該封止部の厚みがそれ以外の部分の厚みよりも厚い外囲器と、この外囲器の外面に配置された電極とを備え、前記外囲器を介して前記電極と対向する当該外囲器の内面にダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器の封止部以外の部分の内面若しくは外面のいずれか又はその両面に少なくともダイヤモンド膜が被覆されてなることを特徴とする。
【0022】
上記本発明の第3及び第4の放電灯において、前記外囲器はガラスからなり、水素の漏出を防止する観点から、前記封止部の厚みは0.3mm以上であることが好ましい。
【0023】
また、上記本発明の第1乃至第4のいずれかの放電灯において、以下の構成を備えることが好ましい。
【0024】
(1)前記外囲器内に蛍光膜を有し、該蛍光膜は前記外囲器の内面の前記ダイヤモンド膜上に形成されていること。
【0025】
(2)前記外囲器内に蛍光膜を有し、該蛍光膜は前記外囲器の内面の前記ダイヤモンド膜と当該内面との間に形成されていること。
【0026】
また、本発明の第5の放電灯は、水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器と、この外囲器内に配置された電極とを備え、該電極はダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器はダイヤモンドからなることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の第6の放電灯は、水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器と、この外囲器の外面に配置された電極とを備え、前記外囲器はダイヤモンドからなることを特徴とする。
【0028】
上記本発明の第5及び第6の放電灯において、前記外囲器は開口部を有し、該開口部に封止部材が嵌合してなることが好ましい。
【0029】
また、上記本発明の第1乃至第6のいずれかの放電灯において、以下の構成を備えることが好ましい。
【0030】
(1)前記外囲器の壁には貫通孔が設けられ、該貫通孔にダイヤモンド層が埋め込まれてなること。
【0031】
(2)前記放電用ガスは200nm以下の主要発光ピークを有する元素を含むガスを含むこと。
【0032】
(3)前記放電用ガスは希ガスと水銀を含むこと。
【0033】
(4)前記放電用ガスはXeを含むこと。
【0034】
(5)前記電子放出部材のダイヤモンドはドナー性不純物あるいはアクセプター性不純物を含有すること。
【0035】
また、本発明 の放電灯の製造方法は、貫通孔が壁に設けられた外囲器を準備する工程と、ダイヤモンドからなる部材を電子放出部材とする電極を外囲器に取り付ける工程と、前記貫通孔を介して前記外囲器の内部に水素及び炭素を含む原料ガスを導入し、CVD法により前記外囲器の内面にダイヤモンド膜を成長し、かつ前記貫通孔をダイヤモンドで埋め込んで前記外囲器を封止する工程とを具備することを特徴とする。
【0036】
かかる本発明の放電灯の製造方法において、前記貫通孔が壁に設けられた外囲器を準備する工程は、芯部材表面の前記貫通孔に対応する領域にマスクを形成する工程と、前記マスク以外の前記芯部材表面に選択的にダイヤモンド層を成長させる工程と、前記芯部材及び前記マスクを除去する工程とを有することが好ましい。
【0037】
(作用)
本発明の放電灯によれば、放電用ガスに含まれた水素ガスがダイヤモンドからなる電子放出部材の電子放出効率を向上させるとともに、外囲器の内面若しくは外面のいずれか又はその両面に被覆されたダイヤモンド膜により、当該水素ガスが外囲器を透過して外へ散逸することを防止することが可能である。さらに上記ダイヤモンド膜は、外囲器の壁に対するダメージ防止や不要不純物の放出等の抑止等の効果もある。従って、発光効率が高く寿命が長い放電灯を提供することが可能である。
【0038】
また、封止部を有するとともに該封止部の厚みがそれ以外の部分の厚みよりも厚い外囲器の場合は、前記外囲器の封止部以外の部分の内面若しくは外面のいずれか又はその両面に少なくともダイヤモンド膜が被覆されていれば、外囲器内の水素ガスが当該外囲器の封止部以外の部分を透過して外へ散逸することを防止することができ、発光効率が高く寿命が長い放電灯を提供することが可能である。
【0039】
さらにまた、ダイヤモンドからなる外囲器を用いることによっても、外囲器内の水素ガスが当該外囲器を透過して外へ散逸することを防止することができ、発光効率が高く寿命が長い放電灯を提供することが可能である。
【0040】
なお、本発明の放電灯において、水素の漏出を防止する観点から、ダイヤモンドの厚みは1μm以上であることが好ましい。
【0041】
また、本発明の放電灯の製造方法によれば、外囲器に設けられた貫通孔を介して当該外囲器の内部に水素及び炭素を含む原料ガスを導入し、CVD法により前記外囲器の内面にダイヤモンド膜を成長し、かつ前記貫通孔をダイヤモンドで埋め込んで前記外囲器を封止することにより、前記外囲器の内面にダイヤモンド膜を成長すると同時に、ダイヤモンドからなる電子放出部材の電子放出効率を向上させる水素ガスを当該外囲器内に導入することが可能である。また、引き続いて前記貫通孔は前記CVD法によりダイヤモンドで埋め込まれることになるので、外囲器の封止を簡単な工程で行うことが可能である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0043】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯はいわゆるバリヤ型の放電灯であり、放電管の外面に電極が設けられ、この電極に対して電圧が印加されることにより、放電管内部に放電を誘起して発光させるものである。
【0044】
図1に示されるように本実施形態に係る放電灯は、ガラス管1と、その内面に形成された円筒状のダイヤモンド膜5(膜厚は3μm。以下、第6の実施形態までのダイヤモンド膜も同等の厚みを有する。)と、このダイヤモンド膜5上に形成された円筒状の蛍光体膜3を塗布したガラス管1と、ガラス管1の両端外面に取り付けられた円筒状の一対の電極4、4´とを有する。一対の電極4、4´のそれぞれはW(タングステン)等からなるものである。
【0045】
ガラス管1の内部2には放電用ガスが封入されている。例えば、ガラス管1内には放電を容易にするために水素ガス及びアルゴン又は混合希ガス(例えば、アルゴン、ネオン、キセノンから選ばれるガスの混合ガス等。)が80hPaの圧力で封止されている。水素ガスの分圧は4hPaである。また、ガラス管1の両端部には、上記放電用ガスを封止するための封止部1a及び1bが設けられており、封止部1a及び1bの厚みはそれ以外の部分の厚みよりも厚くなっている。例えば、封止部1a及び1bの厚みは0.5mmであり、それ以外の部分は0.2mmである。
【0046】
ガラス管1を介して一対の電極4、4´と対向するガラス管1内面部分にも、それぞれダイヤモンド膜5が形成されている。ダイヤモンド膜は電子放出効率が高い材料であり、放電用ガス中の水素がその表面に終端することにより多量の電子を放電空間に放出して放電を維持する役割を担う。
【0047】
次に、本実施形態のバリア型放電灯の動作について説明する。
【0048】
まず、放電を開始させるために、一対の電極4、4´間に周波数40kHz、1500Vの高周波電圧を印加する。電極4、4´の片方がエミッタ(陰極)として作用するときは他方は対極電極(陽極)として作用する。この高周波電圧の印加により、絶縁体であるガラス壁(バリア層と呼ばれる。)間の空間2において強電界が生じ、この強電界によりダイヤモンド膜5の表面から電子が放出される。このとき、放電用ガス中の水素がダイヤモンド膜5の表面に終端することにより、電子を効率よく放電空間に放出させることが可能である。放出された電子は対極電極(陽極)側に移動し、放電が開始する。
【0049】
以上の機構により断続放電が生じ、それによって生じる紫外線により蛍光体膜3が励起されて発光が生じる。このように、バリア型放電灯では、電極4、4´を放電空間に晒していないため、電極4、4´が消耗されるのを抑制するためにガラス管1内に水銀蒸気を存在させる必要がない。したがって、ガラス管1の内部に封入するガスとして水素ガスと希ガスのみを使用すればよい。
【0050】
次に、放電が始まるとガラス管1内は電離ガスによって満たされるため、このような絶縁空間では電子放出も陰極への放電ガスイオン(Ar等の希ガスイオン等)の接近や衝突による二次電子放出が主因となる。このときの電子放出のしやすさは、陰極表面材料の電子構造、特に電子親和力に大きく依存する。
【0051】
ダイヤモンド膜5等の膜は、広いバンドギャップと小さな電子親和力を有し、放電開始後には、ダイヤモンド膜5の表面に放電ガスイオンが接近したり衝突することにより、ダイヤモンド膜5の表面から二次電子を効率的に放出させることが可能である。さらに、放電用ガス中の水素がダイヤモンド膜5の表面に終端することにより多量の電子を効率よく放電空間に放出させることが可能である。したがって、放電を維持するための電圧を低減することが可能であり、冷陰極放電灯の消費電力を少なくすることができる。具体的には、従来のNi等の電極を用いた場合は、140V程度の陰極降下電圧を放電維持に必要としたのに対して、ダイヤモンド膜を用いた本実施形態では、それを10%以上下回る電圧での放電維持が可能になった。
【0052】
以上のようにダイヤモンド膜を電子放出源として用いることにより、放電の開始及び維持を低電圧で行うことができ、消費電力の少ない放電灯を提供することができるが、本実施形態の放電灯によれば、かかる効果に加えて、ダイヤモンド膜5により以下に述べる効果を奏する。
【0053】
即ち、ガラス管内部の放電用ガス中の水素はダイヤモンド表面に終端することにより電子放出効率を向上させることができる一方、ガラス管を透過して外へ散逸しやすいことが本発明者により見出された。この水素のガラス管外への散逸により、ガラス管内部の水素濃度は徐々に減少し、その結果、ダイヤモンド表面の電子放出効率の減少、ひいては発光効率の低下が生じて、放電灯の寿命が短くなっていることがわかった。
【0054】
本実施形態の放電灯によれば、ガラス管1の内面に形成されたダイヤモンド膜5が水素の拡散を抑制し、これによりガラス管1内部から外部への水素の拡散を防止することができる。このため、ガラス管1内部の水素濃度を保持することができ、長期間にわたって発光効率が高く長寿命な放電灯を提供することが可能である。具体的には、ダイヤモンドを内面に被覆しないガラス管を用いた放電灯は、寿命が10000時間程度であったのに対して、ダイヤモンドを内面に被覆したガラス管を用いた本実施形態の放電灯では、それを50%以上上回る寿命を有していた。
【0055】
本発明者は、ダイヤモンドが水素の拡散を抑制する効果を有することを確かめるため、ダイヤモンド結晶及び酸化物結晶(ニオブ酸リチウム結晶)中に水素をイオン注入し熱処理を行ったときの水素濃度分布の変化を調べた。具体的には、ピーク濃度深さ800nm、最高濃度1022/cmとなるように水素のイオン注入を行い、加速試験として400℃の熱処理を行った。図2は酸化物結晶(ニオブ酸リチウム結晶)の水素濃度分布変化、図3はダイヤモンド結晶の水素濃度分布変化をそれぞれ示す図である。横軸は表面からの深さ、縦軸は水素濃度分布を表す。各図において破線は熱処理前、実線は熱処理後の水素濃度分布を表す。
【0056】
図2に示すように、酸化物結晶(ニオブ酸リチウム結晶)では、水素濃度ピークは低くなり、ピーク位置に入った水素が表面および内部に向かって拡散してしまっていた。その他、放電灯に使われる一般的な酸化物ガラス材料(例えば、ホウケイ酸ガラス等。)でも同様の傾向が認められた。これに対してダイヤモンド結晶は、図3に示すように、イオン注入後に400℃の熱処理を行ったにもかかわらず、結晶中の水素ピーク濃度は殆ど動いていないことがわかった。以上の実験結果は、水素イオンはその大きさが小さいために、一般的な管壁材料の中では非常に動きやすい一方、ダイヤモンド結晶中では殆ど移動しないことが原因であると推測される。
【0057】
以上の実験結果からもわかるように、本実施形態の放電灯によれば、ガラス管1の内面に形成されたダイヤモンド膜5が水素の拡散を抑制し、これによりガラス管1内部から外部への水素の拡散を防止することができ、放電灯の長寿命化を図ることが可能である。
【0058】
本実施形態では、ガラス管1両端部の放電用ガス封止用の封止部1a及び1bにダイヤモンド膜5が設けられていない。封止部1a及び1bがガラス管1全体に占める割合は小さいが、この部分を介してガラス管1内部から外部へ水素が拡散して漏れ出ることを抑制することも重要である。本実施形態では、封止部1a及び1bの厚みをそれ以外の部分の厚みよりも厚くしている。特に、封止部1a及び1bの厚みをそれ以外の部分の50%増し以上としている。このように封止部1a及び1bの厚みを厚くすることにより、封止部1a及び1bを介した水素の漏出を防止することができ、放電灯の長寿命化を図れる。封止部1a及び1b以外の厚みを薄くしているが、これはバリヤ型の放電灯において放電空間2に十分な高電圧を印加するために外面電極4,4´と放電空間2までの厚みを薄くする必要もあるからである。
【0059】
なお、ダイヤモンド膜5は、ガラス管壁のダメージによる変質を低減することができ、また、ガラス管中の不純物等の放電空間内への漏出を防ぐこともでき、これらの効果も相俟って放電灯の長寿命化を図ることが可能である。
【0060】
次に、図1に示した放電灯の製造方法について述べる。まず、円筒状のガラス管1を準備し、このガラス管1の内面にダイヤモンド膜5をマイクロ波CVD法により成膜する。この時の成膜条件は、マイクロ波パワーを4kW、反応ガス圧力を40hPa、水素ガス流量を400sccm、メタンガス流量を4sccm、基板温度を600℃、成膜時間を60分とした。ガラス管1両端の封止部1a及び1bにはダイヤモンド膜を成膜しない。例えば、この封止部1a及び1bに予めマスクを形成しておき、成膜後に除去する等の工程を加えればよい。
【0061】
次に、ダイヤモンド膜5の表面に蛍光体膜3を塗布により形成する。蛍光体膜3の材料としてはハロリン酸カルシウム蛍光体等を用いることができ、スラリー状に調製した原料をダイヤモンド膜5の表面に塗布すればよい。このとき、ダイヤモンド膜5の両端部(ガラス管1外面に設けられる一対の電極4、4´がガラス管1管壁を介して対向する部分)には蛍光体膜3を形成しないことが好ましい。これによりダイヤモンド膜5表面に対する水素終端を促進することができ、当該表面からの電子放出効率を向上させることができる。
【0062】
次に、ガラス管1内部に上記放電用ガスを導入するとともに、ガラス管1両端の封止部1a及び1bにおいてガラス管1の封止を行う。例えば、800℃の温度でガラス管1両端の封止部1a及び1bを熱処理することにより当該部分を軟化、流動させて封止を行うことができる。この際、ガラス管1両端の封止部1a及び1bにダイヤモンド膜5が設けられていないことはガラス管の封止工程に有利である。即ち、封止工程において封止部1a及び1bにダイヤモンド膜5が存在すると、封止の際にガラスが流動しにくくなり封止が阻害される恐れがある。本実施形態では、封止部1a及び1bにダイヤモンド膜5が設けられていないのでガラス管封止工程を容易に行うことが可能である。
【0063】
最後に、ガラス管1の外面の両端部に一対の電極4、4´を形成して本実施形態の放電灯が完成する。
【0064】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯もいわゆるバリヤ型の放電灯である。図1と同一部分には同一の符号を記す。
【0065】
図4に示されるように本実施形態に係る放電灯は、ガラス管1の外面にもダイヤモンド膜が設けられていることを特徴とする。即ち、ガラス管1の内面にはダイヤモンド膜45aが形成され、ガラス管1の外面にはダイヤモンド膜45bが形成されている。電極4、4´はダイヤモンド膜45bの表面に設けられている。
【0066】
本実施形態の放電灯では、ガラス管1の内面のみならずガラス管1の外面にもダイヤモンド膜が形成されているので、ガラス管1の内面にのみダイヤモンド膜が形成される場合と比べ、水素の透過漏出をより一層防止することが可能であり、より長寿命な放電灯を提供することが可能となる。
【0067】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係る放電灯の構造及びその製造方法を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯もいわゆるバリヤ型の放電灯である。図1と同一部分には同一の符号を記す。
【0068】
図5(b)に示されるように本実施形態に係る放電灯は、ガラス管51の内面全面と外面全面にダイヤモンド膜が設けられていることを特徴とする。即ち、ガラス管51の内面にはダイヤモンド膜55aが、外面にはダイヤモンド膜55bが設けられている。また、ガラス管51の両端部にそれぞれ孔が設けられており、これらの孔それぞれにダイヤモンド膜55c、55dが埋め込まれている。電極4、4´はダイヤモンド膜55bの表面に設けられている。53は蛍光体膜である。本実施形態においても、第2の実施形態と同様に水素の透過漏出をより一層防止することが可能であり、より長寿命な放電灯を提供することが可能となる。
【0069】
次に、図5(b)に示した放電灯の製造方法について述べる。まず、円筒状のガラス管51を準備し、ガラス管51の内面に蛍光体膜53を第1の実施形態と同様に塗布により形成する。このとき、ガラス管51の両端部(ガラス管51外面に設けられる一対の電極4、4´がガラス管51管壁を介して対向する部分)には蛍光体膜53を形成しないことが好ましい。これにより後に形成するダイヤモンド膜55a表面からの電子放出効率を向上させることができる。
【0070】
次に、ガラス管51両端の封止部においてガラス管51の封止を行う。封止工程は第1の実施形態と同様である。その後、ガラス管51両端の封止部にそれぞれ孔を開口する(図5(a))。
【0071】
次に、ガラス管51の内面全面と外面全面にダイヤモンド膜をマイクロ波CVD法により成膜する。この時の成膜条件は、マイクロ波パワーを4 kW、反応ガス圧力を40hPa、水素ガス流量を800sccm、メタンガス流量を4sccm、基板温度を600℃、成膜時間を60分とした。
【0072】
この成膜工程により、ガラス管51の内面にはダイヤモンド膜55aが、外面にはダイヤモンド膜55bが形成され、さらにガラス管51の両端部の孔それぞれにダイヤモンド膜55c、55dが埋め込まれる。これらのダイヤモンド膜55c、55dの埋め込みによってガラス管51の封止が完了する(図5(b))。なお、ガラス管51の両端に設けられた孔51a及び51bの直径は0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。0.05mm未満の場合はガラス管51内におけるダイヤモンド膜の成膜が困難となり、0.5mmより大きい場合はダイヤモンド膜による封止が困難になる。
【0073】
なお、この成膜工程において成膜のためのガスとして水素を用いるが、この水素を過剰に原料ガスに含ませておくことにより、放電に有効な所定量の水素ガスをガラス管1内に封入することができる。また、当該成膜工程において放電用ガスとしての希ガス等も同時にガラス管1内に封入しておく。
【0074】
最後に、ガラス管1外面のダイヤモンド膜55bの両端部に一対の電極4、4´を形成して本実施形態の放電灯が完成する。
【0075】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について説明する。図6は、本発明の第4の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯
はいわゆる内部電極型の放電灯である。図1と同一部分には同一の符号を記す。
【0076】
図6に示すように、ガラス管61の両端には内部に一対のダイヤモンド電極64a、64´a(冷陰極)が設けられている。これらのダイヤモンド電極64a、64´aはそれぞれW(タングステン)等からなる引き出し電極64、64´を介して外部電源と接続される構造となっている。
【0077】
ガラス管61の内部2には放電用ガスが封入されている。例えば、ガラス管61内には放電を容易にするために封止ガスとして、第1の実施形態で述べたアルゴン又は混合希ガスと水素ガスの他、微量の水銀が4〜80hPaの圧力で封止されている。
【0078】
また、ガラス管61の両端部には、上記放電用ガスを封止するための封止部61a及び61bが設けられており、封止部61a及び61bの厚みはそれ以外の部分の厚みよりも厚くなっている。例えば、封止部61a及び61b以外の部分の厚みは0.2mmであり、封止部61a及び61bの厚みはその2倍である。かかる構成により、封止部61a及び61bを介した水素の透過漏出をより一層防止することが可能である。
【0079】
以上述べた構造を作製するには、ガラス管61の両端からガラス管61内にダイヤモンド電極64a、64´及び引き出し電極64、64´を挿入した状態でガラス管61の封止工程を行って厚い封止部61a及び61bを形成すれば良い。封止工程において放電用ガスがガラス管61内に封入される。
【0080】
本実施形態の放電灯では、一対のダイヤモンド電極64a、64´aに対して、外部電源より高電圧、例えば500Vが印加される。ここで、一般的には放電を生じさせるために交流電圧をダイヤモンド電極64a、64´a間に印加する構成となっており、ダイヤモンド電極64a、64´aの片方がエミッタ(陰極)として作用するときは他方は対極電極(陽極)として作用する。電圧を印加し始める時は、ガラス管61内は絶縁状態であり、ダイヤモンド電極64a、64´aに印加された電圧は、当該電極の先端において電界集中を生じて局所的に強電界を生じる。この強電界によりダイヤモンド電極64a、64´から放出された電子は対極電極(陽極)側に移動し、放電が開始する。このとき、放電用ガス中の水素がダイヤモンド電極64a、64´aの表面に終端することにより、電子を効率よく放電空間に放出させることが可能である。
【0081】
この放電により電子はガラス管61内に封止した水銀原子と衝突する。水銀原子は衝突によりエネルギーを受け紫外線を放出する。この紫外線により蛍光体3が励起され可視光線を発生する。発光色は蛍光体の種類によって異なり、白色、昼光色、青色など数々の色種の光がランプから放射される。
【0082】
その後、第1の実施形態と同様に放電が維持される。本実施形態では、ダイヤモンド電極64a、64´やダイヤモンド膜5の表面に放電用ガス中の水素が終端することにより多量の電子を効率よく放電空間に放出させることが可能であり、放電維持電圧を低くすることが可能である。
【0083】
本実施形態の放電灯においても、ガラス管61の内面に形成されたダイヤモンド膜5が水素の拡散を抑制し、これによりガラス管61内部から外部への水素の拡散を防止することができ、放電灯の長寿命化を図ることが可能である。
【0084】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について説明する。図7は、本発明の第5の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯
もいわゆる内部電極型の放電灯である。図6と同一部分には同一の符号を記す。
【0085】
図7に示されるように本実施形態に係る放電灯は、ガラス管61の内面に蛍光体膜73が形成され、この蛍光体膜73の表面を含むガラス管61内全面にダイヤモンド膜75が設けられていることを特徴とする。本実施形態によれば、ガラス管61両端の封止部61a及び61bの表面にもダイヤモンド膜75が形成されているので、水素の透過漏出をより一層防止することが可能であり、より長寿命な放電灯を提供することが可能となる。
【0086】
なお、図7の放電灯を製造するには、ガラス管61の両端部にそれぞれ孔を開口し、これらの孔を介してガラス管61内にダイヤモンド電極64a、64´及び引き出し電極64、64´を挿入する。その後、上記孔の部分においてガラス管61と引き出し電極64、64´間に隙間が存在することを利用して、第3の実施形態と同様にダイヤモンド膜75の成膜、放電用ガスの封入、及びガラス管61の封止を行うことが可能である。
【0087】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について説明する。図8は、本発明の第6の実施形態に係る放電灯の構造及びその製造方法を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯もいわゆる内部電極型の放電灯である。図6と同一部分には同一の符号を記す。
【0088】
図8(b)に示されるように本実施形態に係る内部電極型の放電灯は、ガラス管81の内面全面と外面全面にダイヤモンド膜が設けられていることを特徴とする。即ち、ガラス管81の内面にはダイヤモンド膜85b、85cが、外面にはダイヤモンド膜85dが設けられている。ダイヤモンド膜85bは蛍光体膜83の表面に、ダイヤモンド膜85cはそれ以外のガラス管81内面にそれぞれ形成されている。また、ガラス管81の円筒胴体部及び蛍光体膜83には複数の孔が設けられており、これらの孔それぞれにダイヤモンド膜85eが埋め込まれている。本実施形態においても、第3の実施形態と同様に水素の透過漏出をより一層防止することが可能であり、より長寿命な放電灯を提供することが可能となる。
【0089】
次に、図8(b)に示した放電灯の製造方法について述べる。まず、円筒状のガラス管81を準備し、第1の実施形態と同様にガラス管81の内面にダイヤモンド膜85aを成膜し、さらに蛍光体膜83を塗布形成する。
【0090】
次に、ガラス管81の両端からガラス管81内にダイヤモンド電極64a、64´及び引き出し電極64、64´を挿入した状態でガラス管61の封止工程を行う。さらに、図8(a)に示すように、かかる封止工程を行ったガラス管81の円筒胴体部から蛍光体膜83にかけて複数の貫通孔を形成する。その後、第3の実施形態と同様にガラス管81の内面及び外面にダイヤモンド膜の成膜を行うことにより、図8(b)に示す放電灯が完成する。本実施形態では、ガラス管81の円筒胴体部に貫通孔を設けるので、ガラス管81内面におけるダイヤモンド膜の成膜を均一に行うことができ、寿命の長い放電灯を歩留まり良く得ることが可能である。
【0091】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態について説明する。図9は、本発明の第7の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯はいわゆるバリヤ型の放電灯である。図1と同一部分には同一の符号を記す。
【0092】
図9に示されるように本実施形態に係る放電灯は、ダイヤモンドからなる放電管91(厚み0.1mm。)と、この放電管91の内面に塗布形成された蛍光体膜3と、放電管91の両端外面に取り付けられた円筒状の一対の電極4、4´とを有する。放電管91の両端部(放電管91外面に設けられる一対の電極4、4´が放電管91管壁を介して対向する部分)には蛍光体膜3は形成されていない。これにより放電管91表面に対する水素終端を促進することができ、当該表面からの電子放出効率を向上させることができる。一対の電極4、4´のそれぞれはW(タングステン)等からなるものである。放電管91の内部2には第1の実施形態と同様に放電用ガスが封入されている。かかる構造の放電灯は超小型の管に適したものである。
【0093】
91a及び91bは封止部であり、放電管91を封止する部分である。この封止部91a及び91bは、例えば円筒状のダイヤモンド管と円盤状のダイヤモンド板を接合することによって作製することができる。接合工程において上述したダイヤモンドのCVD法を用いることが可能であり、ダイヤモンド管及び円盤状のダイヤモンドそれぞれの表面及び両者の隙間にダイヤモンドを成膜してこれにより接合を行う。その他、後述するロッド等の型を用いる方法もある。
【0094】
本実施形態の放電灯によれば、放電管自体がダイヤモンドで構成されているので、放電管の内部から外部へ水素が漏出することをさらに有効に防止することが可能であり、長寿命の放電灯を提供することができる。
【0095】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態について説明する。図10は、本発明の第8の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯もいわゆるバリヤ型の放電灯である。図1と同一部分には同一の符号を記す。
【0096】
図10に示されるように本実施形態に係る放電灯は、ダイヤモンドからなる放電管101(厚み0.1mm。)と、この放電管101の内面に塗布形成された蛍光体膜3と、放電管101の両端外面に取り付けられた円筒状の一対の電極4、4´と、放電管101を封止する封止部材106a、106bとを有する。放電管101の両端部(放電管101外面に設けられる一対の電極4、4´が放電管101管壁を介して対向する部分)には蛍光体膜3は形成されていない。これにより放電管101表面に対する水素終端を促進することができ、当該表面からの電子放出効率を向上させることができる。放電管101の内部2には第7の実施形態と同様に放電用ガスが封入されている。かかる構造の放電灯は超小型の管に適したものである。
【0097】
封止部材106a及び106bは、例えばガラス等の材料からなり、円筒状の放電管101の両端部にはめ込まれることにより封止が行われている。
【0098】
本実施形態の放電灯によれば、放電管のほとんどがダイヤモンドで構成されているので、放電管の内部から外部へ水素が漏出することを有効に防止することが可能であり、長寿命の放電灯を提供することができる。また、封止部材を用いた封止を行っているので、封止工程が容易である。
【0099】
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態について説明する。図11は、本発明の第9の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯もいわゆるバリヤ型の放電灯である。
【0100】
図11に示されるように本実施形態に係る放電灯は、ダイヤモンドからなる放電管111(厚み0.1mm。)と、放電管111の内面に塗布形成された蛍光体膜3と、放電管111を補強するために放電管111の外部に密着して設けられた補強管117と、補強管内に埋め込まれ放電管111の両端外面に接して取り付けられた円筒状の一対の電極114、114´と、封止部材116a、116bを有する。
【0101】
放電管111の両端部(放電管111外面に設けられる一対の電極114、114´が放電管111管壁を介して対向する部分)には蛍光体膜3は形成されていない。これにより放電管111表面に対する水素終端を促進することができ、当該表面からの電子放出効率を向上させることができる。放電管111の内部2には第7の実施形態と同様に放電用ガスが封入されている。かかる構造の放電灯は超小型の管に適したものである。
【0102】
封止部材116a及び116bは、第8の実施形態と同様の材料からなり、円筒状の放電管111の両端部にはめ込まれることにより封止が行われている。
【0103】
本実施形態の放電灯によれば、第8の実施形態と同様の効果を得ることができる他、補強管117により放電灯の強度を向上させることができ、中型、大型放電管への適用も可能となる。また、ダイヤモンドからなる放電管111の厚みを薄くすることができ、ダイヤモンド成膜時間を短くして製造時間を短縮することが可能である。
【0104】
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態について説明する。図12は、本発明の第10の実施形態に係る放電灯の構造及びその製造方法を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯はいわゆる内部電極型の放電灯であり、蛍光体を用いないものである。
【0105】
本実施形態の放電灯の製造方法について説明する。まず、図12(a)に示すようにタングステン(W)やモリブデン(Mo)等からなる円柱状の金属ロッド120を準備し、この金属ロッド120の円柱側面部にシリカ(SiO)からなる粒子120aを分散して設ける。例えば、当該粒子をアルコール等に分散させた溶液を塗布し乾固させる等の方法を用いることができる。
【0106】
次に、シリカ粒子120aが表面に形成された金属ロッド120の表面に、厚みが0.1mmのダイヤモンド層121aをマイクロ波CVD法により成膜する。この時の成膜条件は、マイクロ波パワーを4kW、反応ガス圧力を40hPa、水素ガス流量を400sccm、メタンガス流量を4sccm、基板温度を850℃、成膜時間を600分とした。シリカ粒子120aはダイヤモンドの成長を抑制する働きをするので、金属ロッド120表面のうちシリカ粒子120aが形成された表面以外の表面にダイヤモンド層121aが形成される。なお、この際に、メタン、水素などのガスに加えて、ボロン或いはリン等のドーピングガスを加えることによって、導電性を付与した膜を形成することが望ましい。また、窒素ガスを高濃度に加えることなどによって、ダイヤモンド膜に加えて、グラファイトライクな導電性介在物相を意図的に生成させ、膜としての導電性を向上させることも有効である。
【0107】
次に、図12(b)に示すようにフッ酸等を用いたエッチングによりシリカ粒子120aを落としこの部分に孔121bを形成する。引き続いて、孔121bを介して王水等を導入することにより、金属ロッド120のエッチングを行う。この際、孔121bの分布に基づき、エッチングが金属ロッド120の長手方向中央部分からその両側に向かって進み、ダイヤモンド層121aの両端部に金属部材124、124´が残置され、中空部2が形成される(図12(c))。
【0108】
次に、以上の工程により形成されたダイヤモンド筒(ダイヤモンド層121a)に対して孔121bを介してダイヤモンドの成膜を施す。即ち、図12(d)に示すように第6の実施形態と同様にCVD法により、ダイヤモンド筒121aの内面にはダイヤモンド膜121cを、外面にはダイヤモンド膜121dを形成する。また、孔121bそれぞれにはダイヤモンド膜121eが埋め込まれる。ここで、シリカ粒子120aは粒径が0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。0.05mm未満の場合はダイヤモンド筒121a内におけるダイヤモンド膜の成膜が困難となり、0.5mmより大きい場合はダイヤモンド膜によるダイヤモンド筒121aの封止が困難になる。
【0109】
本実施形態においても、上記各実施形態と同様に水素の透過漏出をより一層防止することが可能であり、より長寿命な放電灯を提供することが可能となる。また、製造工程の簡略化を図ることもできる。
【0110】
(第11の実施形態)
本発明の第11の実施形態について説明する。図13は、本発明の第11の実施形態に係る放電灯の構造及びその製造方法を示す断面図である。本実施形態に係る放電灯はいわゆるバリヤ型の放電灯である。
【0111】
本実施形態の放電灯の製造方法について説明する。まず、図13(a)に示すようにタングステン(W)やモリブデン(Mo)等からなる円柱状の金属ロッド120を準備し、この金属ロッド120の円柱側面部に選択的に厚みが5μm程度のダイヤモンド層131aをマイクロ波CVD法により成膜する。この時の成膜条件は、マイクロ波パワーを4kW、反応ガス圧力を40hPa、水素ガス流量を400sccm、メタンガス流量を4sccm、基板温度を850℃、成膜時間を30分とした。ここで、金属ロッド120の両端側面にはダイヤモンド層131aを形成しない。例えば、両端側面にマスクを形成し、ダイヤモンド成膜後に当該マスクを除去する方法等を採用すればよい。
【0112】
次に、図13(b)に示すようにダイヤモンド層131aの表面に蛍光体膜133を第1の実施形態と同様に形成する。ダイヤモンド層131aの水素終端効果による電子放出効果の向上を図るために、蛍光体膜133は金属ロッド120の両端部には形成されない。さらに、金属ロッド120の両端部にそれぞれ円筒状の一対の電極114、114´を形成する。
【0113】
次に、図13(c)に示すように、一対の電極114、114´及び金属蛍光体膜133が形成された金属ロッド120の表面に、例えばガラス粉を塗布し熱処理により溶融、硬化させることにより、補強管137を形成する。
【0114】
次に、図13(d)に示すように、金属ロッド120の両端側面を介して王水等を導入することにより、金属ロッド120のエッチング除去を行う。金属ロッド120はすべて除去し、これによりダイヤモンド層131aはダイヤモンド筒として残される。最後に、上記各実施形態と同様の放電用ガスを封入し、ダイヤモンド筒131aを封止部材136a、136bにより封止することにより本実施形態の放電灯が完成する。
【0115】
本実施形態においても、上記各実施形態と同様に水素の透過漏出をより一層防止することが可能であり、より長寿命な放電灯を提供することが可能となる。また、補強管の作製を含めた製造工程の簡略化を図ることもできる。
【0116】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では放電管に電極を近接させた構造を採用しているが、マイクロ波等を用い電極を設けない無電極型放電灯に対しても本発明は適用可能である。また、蛍光体を設けない構造を採用することも可能である。
【0117】
また、直管型だけでなく、環型型等の放電灯に対しても適用が可能である。また、高圧のHID(High Intensity Discharge)型の放電灯、例えばメタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、水銀ランプ等の高輝度放電灯等に対しても適用が可能である。さらにまた、放電管の断面形状も、円形に限らず、楕円形、矩形その他様々な形を採用することができる。
【0118】
さらにまた、上記実施形態では、電子放出部材とダイヤモンド膜とを同じダイヤモンド膜で一体的に構成する例等を示したが、これらを別々に分けて形成することも可能である。この場合、電子放出部材部分にはメタン、水素などのガスに加えて、ボロン或いはリン等のドーピングガスを加えることによって、導電性を付与した膜を形成することが望ましい。また、窒素ガスを高濃度に加えることなどによって、ダイヤモンド膜に加えて、グラファイトライクな導電性介在物相を意図的に生成させ、膜としての導電性を向上させることも有効である。一方、電子放出部材部分以外の管内壁と管外面のダイヤモンド膜は、電子放出部材間に電圧が印加されるように絶縁性とするか、または前記電子放出部材と絶縁した上で、上記のごとく導電性を付与してもよい。この場合、前記電子放出部材の近傍にはダイヤモンド膜を形成しないようにするか、当該周辺部分のみドーピングを施さない絶縁性ダイヤモンド膜とするなどの方法が可能である。
【0119】
また、上記各実施形態において、高い放電効率を得る観点から水素ガスの分圧は外囲器中の全ガス圧の0.1%以上10%以下の範囲が好ましい。
【0120】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、発光効率が高く寿命が長い放電灯及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図。
【図2】酸化物結晶(ニオブ酸リチウム結晶)中の水素イオンの拡散を示す特性図。
【図3】ダイヤモンド中の水素イオンの拡散を示す特性図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る放電灯の構造及びその製造方法を示す断面図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る放電灯の構造及びその製造方法を示す断面図。
【図9】本発明の第7の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図。
【図10】本発明の第8の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図。
【図11】本発明の第9の実施形態に係る放電灯の構造を示す断面図。
【図12】本発明の第10の実施形態に係る放電灯の構造及びその製造方法を示す断面図。
【図13】本発明の第11の実施形態に係る放電灯の構造及びその製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
1 ガラス管
1a、1b 封止部
2 ガラス管1の内部
3 蛍光体膜
4、4´ 一対の電極
5 ダイヤモンド膜

Claims (14)

  1. 水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器と、この外囲器内に配置された電極とを備え、該電極はダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器の内面若しくは外面のいずれか又はその両面にダイヤモンド膜が被覆されてなることを特徴とする放電灯。
  2. 水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器と、この外囲器の外面に配置された電極とを備え、前記外囲器を介して前記電極と対向する当該外囲器の内面にダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器の内面若しくは外面のいずれか又はその両面にダイヤモンド膜が被覆されてなることを特徴とする放電灯。
  3. 前記外囲器は開口部を有し、該開口部に封止部材が嵌合してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電灯。
  4. 水素ガスを含む放電用ガスが封入され、封止部を有するとともに該封止部の厚みがそれ以外の部分の厚みよりも厚い外囲器と、この外囲器内に配置された電極とを備え、該電極はダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器の封止部以外の部分の内面若しくは外面のいずれか又はその両面に少なくともダイヤモンド膜が被覆されてなることを特徴とする放電灯。
  5. 水素ガスを含む放電用ガスが封入され、封止部を有するとともに該封止部の厚みがそれ以外の部分の厚みよりも厚い外囲器と、この外囲器の外面に配置された電極とを備え、前記外囲器を介して前記電極と対向する当該外囲器の内面にダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器の封止部以外の部分の内面若しくは外面のいずれか又はその両面に少なくともダイヤモンド膜が被覆されてなることを特徴とする放電灯。
  6. 前記外囲器はガラスからなり、前記封止部の厚みは0.3mm以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の放電灯。
  7. 前記外囲器内に蛍光膜を有し、該蛍光膜は前記外囲器の内面の前記ダイヤモンド膜上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の放電灯。
  8. 前記外囲器内に蛍光膜を有し、該蛍光膜は前記外囲器の内面の前記ダイヤモンド膜と当該内面との間に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の放電灯。
  9. 水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器と、この外囲器内に配置された電極とを備え、該電極はダイヤモンドからなる電子放出部材を有し、前記外囲器はダイヤモンドからなることを特徴とする放電灯。
  10. 水素ガスを含む放電用ガスが封入された外囲器と、この外囲器の外面に配置された電極とを備え、前記外囲器はダイヤモンドからなることを特徴とする放電灯。
  11. 前記外囲器は開口部を有し、該開口部に封止部材が嵌合してなることを特徴とする請求項9又は10に記載の放電灯。
  12. 前記外囲器の壁には貫通孔が設けられ、該貫通孔にダイヤモンド層が埋め込まれてなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の放電灯。
  13. 貫通孔が壁に設けられた外囲器を準備する工程と、ダイヤモンドからなる部材を電子放出部材とする電極を外囲器に取り付ける工程と、前記貫通孔を介して前記外囲器の内部に水素及び炭素を含む原料ガスを導入し、CVD法により前記外囲器の内面にダイヤモンド膜を成長し、かつ前記貫通孔をダイヤモンドで埋め込んで前記外囲器を封止する工程とを具備することを特徴とする放電灯の製造方法。
  14. 前記貫通孔が壁に設けられた外囲器を準備する工程は、 芯部材表面の前記貫通孔に対応する領域にマスクを形成する工程と、前記マスク以外の前記芯部材表面に選択的にダイヤモンド層を成長させる工程と、前記芯部材及び前記マスクを除去する工程とを有することを特徴とする放電灯の製造方法。
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