JP3887940B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、アイスクリームなどの冷凍商品を販売する自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動販売機として、例えば図8に示すものが知られている。この自動販売機51では、商品収納庫52内に、いわゆるスパイラル型の複数の商品コラム53が左右方向に並設されており、各商品コラム53にアイスクリームなどの商品が収納され、商品は、商品収納庫52内に設けられた冷凍装置(図示せず)によって冷凍される。商品収納庫52には、その前面の商品投入口54を開閉する1枚の断熱扉55が設けられている。商品を補充する場合には、自動販売機51のメインドア(図示せず)および断熱扉55を開放し、さらに商品コラム53のコラムドア56を開放して、商品コラム53内に商品をローディングする。
【0003】
また、この自動販売機51には、冷気漏れ防止用の複数のカーテン57が左右方向に並設されている。これらのカーテン57は、フィルム状の透明な材料で構成され、商品投入口54を覆うように商品収納庫52の上部から垂れ下げられている。そして、このカーテン57により、商品補充の際における商品投入口54からの冷気漏れを極力、防止することで、冷却漏れに起因する商品収納庫52内の温度上昇、それによる商品の融解や冷凍装置の熱負荷の増大などを抑制するようにしている。なお、このような自動販売機51の冷気漏れの問題は、市場の要請による近年の自動販売機の大型化傾向に伴って、商品投入口54が大きくなるとともにローディング時間が長くなるため、補充時の冷気漏れ量が増大する傾向にあることから、最近、特に顕著になっているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の自動販売機51では、商品の補充時、商品コラム53にアクセスするためには、カーテン57をまくり上げたり、またはカーテン57、57間の切れ目に手を差し入れたりしなければならないため、ローディング作業が煩雑になり、その作業効率が低下するという問題がある。また、カーテン57がフィルム状で柔らかいため、風が少しでも強くなると、カーテン57が吹き上げられてしまい、冷気漏れを確実に防止することは不可能である。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、商品の補充作業に支障を生じることなく、補充作業の際の冷気漏れを極力少なくすることができる自動販売機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の自動販売機は、前面に商品投入口を有する冷却庫と、この冷却庫内に左右方向に並設され、商品を収納する複数の商品コラムと、冷却庫の天井に左右方向に延びるように取り付けられ、商品コラムを左右方向にスライド自在に案内するコラムレールと、冷却庫の商品投入口を開閉する断熱扉と、枠体およびこの枠体に支持された透明なシートを有し、断熱扉と商品コラムの間に配置され、商品投入口のほぼ1/2の幅を有し、当該商品投入口のほぼ半部を覆うスライドパネルと、このスライドパネルの上端部に設けられたローラと、コラムレールと背合わせに設けられ、このローラが転動する転動面を有し、このローラを介してスライドパネルを左右方向にスライド自在に案内するレールと、を備えていることを特徴としている。
【0007】
この自動販売機では、商品を補充する際、断熱扉を開放した後、商品投入口の約半分の幅のスライドパネルを、ローディングすべき商品コラムに応じて、左右方向に適宜、スライドさせ、その商品コラムの前側を開放した状態で、商品コラムに商品がローディングされる。したがって、商品投入口の半部がスライドパネルで常に閉鎖されるので、冷却庫からの冷気漏れを確実に抑制することができる。
【0008】
また、スライドパネルのシートが透明であるので、この透明なシートを介して、ローディングすべき商品コラムを容易に識別できる。さらに、このシートが枠体に支持されていて、スライドパネル全体として剛性が確保されているので、スライド操作力がスライドパネルに円滑に伝わる。また、スライドパネルがローラおよびレールによりスライド自在になっているので、レールが氷結したとしても、スライドパネルを小さな操作力で容易にスライドできる。したがって、商品の補充作業を、支障を何ら生じることなく、円滑に行うことができる。
【0009】
この場合、レールの転動面に、水抜き用の孔が形成されていることが好ましい。また、このレールは、転動面から上方に若干延びてローラを抜け止め状態で係合する抜止め部を有し、この抜止め部にはローラに対応して切欠部が形成され、この切欠部を介してスライドパネルを着脱できることが好ましい。
【0010】
この構成では、レールに氷が付着しても、それが商品の補充時に溶けて、水抜き用の孔を介して逃げるので、レールに氷が蓄積することはなく、それにより、ローラの作動を確保することができる。また、レールの抜止め部に設けた切欠部を介してスライドパネルを容易に着脱することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の自動販売機の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1および図2に示すように、この自動販売機1は、ボックス状の販売機本体2と、その前面を開閉するメインドア3を備えている。メインドア3は、販売機本体2の左前端部に、ヒンジ4で回動自在に取り付けられている。
【0012】
販売機本体2内には、周壁部に設けられた断熱材5により商品収納庫6(冷却庫)が画成されており、この商品収納庫6内に、アイスクリームなどの冷凍商品を収納するための複数の商品コラム7が収容されている。商品収納庫6は、商品コラム7の前側の部分で開口し、商品投入口8になっており、この商品投入口8は断熱扉9によって開閉される。この断熱扉9は、メインドア3の内側に位置して、販売機本体2にヒンジ10で回動自在に取り付けられている。
【0013】
商品コラム7は、前後2列で収容され、前列では6個、後列では8個、左右方向に並設されている。図3および図6に示すように、前列の各商品コラム7は、その上端部に設けたローラ11と、商品収納庫6の天井に左右方向に延びるように取り付けられ、ローラ11が走行するレール12とによって、左右方向にスライド自在に構成されており、後列の商品コラム7に商品をローディングする際に適宜、スライドされる。
【0014】
各商品コラム7内には、商品Aを収納するスパイラル13が設けられている。このスパイラル13は、商品コラム7の天井に設けた駆動モータ14により回転駆動されるシャフト15に固定されており、商品Aの販売時、駆動モータ14を介してシャフト15を180度回転させることにより、最下位にある商品Aを1個、落下させ、商品コラム7から払い出すようになっている。また、各商品コラム7の前面には、商品Aをスパイラル13にローディングする際に開閉されるコラムドア16が設けられている。また、商品収納庫6の底部には、商品コラム7に収納された商品Aを冷凍するための、図示しない冷凍装置が設けられている。
【0015】
商品収納庫6の商品コラム7と断熱扉9の間、すなわち商品投入口8には、本発明に係る冷気漏れ防止用のスライドパネル17が設けられている。このスライドパネル17は、図4および図5に示すように、縦長長方形の枠体18と、これに張られた透明シート19で構成されている。枠体18は、プラスチックや金属から成る上下左右の枠材18a〜18dを枠組みすることにより形成され、透明シート19はプラスチックなどで構成されている。スライドパネル17は、商品収納庫6の商品投入口8とほぼ同じ高さで約半分の幅を有し、商品投入口8のほぼ半分の面積を覆うようになっている。
【0016】
図5〜図7に示すように、スライドパネル17は、上枠材18aに取り付けた左右一対のローラ20、20と、これらのローラ20、20が走行するレール21とによって、左右方向にスライド自在に構成されている。レール21は、前述した前列の商品コラム7用のレール12と背合わせに設けられ、前面が開放したコ字状の断面を有している。また、レール21は、下前端から上方に若干延びる抜止め部21aを有しており、この抜止め部21aによって、ローラ20は抜止め状態でレール21に係合している。また、抜止め部21aには、2つの切欠21b、21bが、左右のローラ20、20と同じ間隔で形成されており(図5参照)、これらの切欠21b、21bを介して、スライドパネル17を容易に着脱できるようになっている。さらに、図7に示すように、レール21の底部すなわちローラ2の転動面には、所定の複数の個所に、水抜き用の角孔22が形成されている。
【0017】
次に、商品コラム7に商品Aを補充する際の手順について説明する。まず、図2に示すように、メインドア3および断熱扉9を開放し、商品コラム7を、直接、およびスライドパネル17の透明シート19を介して、見ることにより、確認する。ローディングすべき商品コラム7が、スライドパネル17の後方にある場合には、スライドパネル17を左右方向にスライドさせて、その商品コラム7を開放し、コラムドア16を開いて、スパイラル13に商品Aをローディングする。スライドパネル17が邪魔にならず、商品コラム7に直接、アクセスできる場合にはもちろん、スライドパネル17をスライドさせることなく、商品Aをローディングする。
【0018】
また、後列の商品コラム7に商品Aを補充する場合には、前列の商品コラム7とスライドパネル17を適宜、左右方向にスライドさせながら、ローディング作業を同様に行う。そして、すべての商品コラム7へのローディング作業が終了したら、断熱扉9およびメインドア3を閉じて、補充作業を終了する。
【0019】
以上のように、本実施形態によれば、商品投入口8の約半分の幅のスライドパネル17を、ローディングすべき商品コラム7に応じて、左右方向に適宜、スライドさせながら、商品Aをローディングするので、商品投入口8の半部をスライドパネル17で常に閉鎖することができ、したがって、商品収納庫6からの冷気漏れを確実に抑制することができる。
【0020】
また、スライドパネル17の透明シート19を介して、ローディングすべき商品コラム7を容易に識別できる。さらに、この透明シート19が枠体18に支持されていて、スライドパネル17全体として剛性が確保されているので、スライド操作力がスライドパネル17に円滑に伝わる。また、スライドパネル17がローラ20およびレール21によりスライド自在になっているので、レール21が氷結したとしても、スライドパネル17を小さな操作力で容易にスライドできる。なお、レール21に付着した氷は、商品の補充時に溶けて、水抜き用の角孔22を介して逃げるので、レール21に氷が蓄積することはなく、それにより、ローラ20の作動を確保することができる。したがって、商品Aの補充作業を、支障を何ら生じることなく、円滑に行うことができる。
【0021】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態は、本発明をアイスクリームなどの冷凍商品を販売する自動販売機に適用した例であるが、ローディング時の冷気漏れによる熱負荷の上昇を抑制するという観点から、缶飲料などの商品を冷却して販売する自動販売機に本発明を適用することも、もちろん可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明の自動販売機は、商品の補充作業に支障を生じることなく、補充作業の際の冷気漏れを極力少なくすることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動販売機の、メインドアおよび断熱扉を閉じた状態の水平断面図である。
【図2】図1の自動販売機の、メインドアおよび断熱扉を開いた状態の水平断面図である。
【図3】図1の自動販売機の内部構成を示す側面図である。
【図4】図に対応する正面図である。
【図5】スライドパネルおよびこれを支持するレールの斜視図である。
【図6】スライドパネルおよび商品コラムとそれらの取付状況を示す部分側面図である。
【図7】図6の要部を示す部分拡大側面図である。
【図8】従来の自動販売機の、断熱扉を開いた状態の水平断面図である。
【符号の説明】
1 自動販売機
6 商品収納庫
7 商品コラム
8 商品収納庫の商品投入口
9 断熱扉
17 スライドパネル
18 枠体
19 透明シート
20 ローラ
21 レール
22 水抜き用の角孔
A 商品
Claims (2)
- 前面に商品投入口を有する冷却庫と、
この冷却庫内に左右方向に並設され、商品を収納する複数の商品コラムと、
前記冷却庫の天井に左右方向に延びるように取り付けられ、前記商品コラムを左右方向にスライド自在に案内するコラムレールと、
前記冷却庫の前記商品投入口を開閉する断熱扉と、
枠体およびこの枠体に支持された透明なシートを有し、前記断熱扉と前記商品コラムの間に配置され、前記商品投入口のほぼ1/2の幅を有し、当該商品投入口のほぼ半部を覆うスライドパネルと、
このスライドパネルの上端部に設けられたローラと、
前記コラムレールと背合わせに設けられ、前記ローラが転動する転動面を有し、前記ローラを介して前記スライドパネルを左右方向にスライド自在に案内するレールと、
を備えていることを特徴とする自動販売機。 - 前記レールは、前記転動面に形成された水抜き用の孔と、前記転動面から上方に若干延びて前記ローラを抜け止め状態で係合する抜止め部とを有し、前記抜止め部には前記ローラに対応して切欠部が形成され、前記切欠部を介して前記スライドパネルを着脱できることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09780598A JP3887940B2 (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 自動販売機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09780598A JP3887940B2 (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 自動販売機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11296729A JPH11296729A (ja) | 1999-10-29 |
JP3887940B2 true JP3887940B2 (ja) | 2007-02-28 |
Family
ID=14201999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09780598A Expired - Fee Related JP3887940B2 (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 自動販売機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3887940B2 (ja) |
-
1998
- 1998-04-09 JP JP09780598A patent/JP3887940B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11296729A (ja) | 1999-10-29 |
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