JP3653230B2 - ショーケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駅販売店、コンビニエンスストア等に設置されるショーケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のショーケースとして、前面及び背面を開口したショーケース本体と、ショーケース本体内を上下2室に仕切る仕切パネルと、上室内を加温する加温装置と、下室内を冷却する冷却装置とを備え、上室を加温商品を収容する温蔵室とするとともに、下室を冷却商品を収容する冷蔵室としたものが一般的である。また、仕切パネルの前方及び後方にはショーケース本体の前面開口及び背面開口を上下に仕切る仕切枠が設けられるとともに、ショーケース本体の前面及び背面には上下開口をそれぞれ開閉する複数の引戸が設けられる。各引戸はショーケース本体内を透視可能な透明板を有し、ショーケース本体背面に設けられた各引戸は商品を補充する際に開閉され、ショーケース本体前面に設けられた各引戸は商品を購入する際に開閉される。また、各引戸の上下には左右方向に延び、各引戸を案内するレール部が設けられ、販売者並びに購買者は引戸の開閉を容易に行うことができるようになっている。
【0003】
冷蔵室は温蔵室に比して上下方向に大きく形成され、温蔵室内及び冷蔵室内には複数の商品陳列棚が上下に並設される。冷蔵室内の各商品陳列棚は前下がりに傾斜して設けられ、販売者が背面側より冷却商品を商品陳列棚に補充すると、冷却商品がその自重により前面側へ移動し、順次に前面側から自動的に陳列されるようになっている。また、購買者により冷却商品が取り出されると、背面側の冷却商品が前面側に自動的に移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ショーケースでは、温蔵室内の各商品陳列棚を傾斜して配置するには、各商品陳列棚、商品等がショーケース本体、仕切パネル等と干渉しないよう、温蔵室を上下方向に大きく形成する必要がある。これにより、ショーケースが上下方向に大型となるばかりか、各商品陳列棚を略水平に配置するショーケースとショーケース本体、引戸等の各部品を共用とすることができず、製造コストが嵩むという問題点があった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上下寸法を大きくすることなく、温蔵室内の商品陳列棚を前下がりに傾斜して配置することができるショーケースを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1では、前面及び背面を開口したショーケース本体と、ショーケース本体内を上室及び下室に仕切る仕切パネルと、この仕切パネルの前方及び後方に設けられショーケース本体の前面開口及び背面開口を上下に仕切る仕切枠と、ショーケース本体の前面及び背面の上下開口をそれぞれ開閉する複数の引戸と、各引戸の上下にそれぞれ設けられ各引戸を左右方向に案内する複数のレール部とを備え、上室内及び下室内に上下に並設された複数の商品陳列棚を有するショーケースにおいて、前記仕切パネルを、前下がりに傾斜し、且つ、その前部及び後部が上レール部、仕切枠及び下レール部により隠蔽されるように配置し、前記上室内及び下室内の各商品陳列棚を前下がりに傾斜して配置している。
【0007】
これにより、販売者等が上室または下室の商品陳列棚に背面側より商品を補充すると、商品はその自重により前面側へ移動し、順次に前面側から自動的に陳列される。また、購買者等により商品が取り出されると、背面側の商品が前面側に自動的に移動する。
【0008】
また、仕切パネルが前下がりに傾斜しているので、上室内の前下がりに傾斜した各商品陳列棚及び陳列商品が、ショーケース本体、仕切パネル等と干渉することはない。また、仕切パネルの前部及び後部が各レール部及び仕切枠により隠蔽されるため、ショーケース外部から仕切パネルが各引戸を通じて購買者等に視認されることもない。
【0009】
また、請求項2では、請求項1記載のショーケースにおいて、前記仕切パネルの傾斜を調整可能な傾斜調整手段を設けている。
【0010】
これにより、請求項1の作用に加え、各商品陳列棚に陳列される販売商品等に応じて各商品陳列棚の傾斜は変更される。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3は本発明のショーケースの一実施形態を示すもので、図1はショーケースの概略外観斜視図、図2はショーケースの概略側面断面図、図3はショーケースの部分側面断面図である。
【0012】
このショーケースは、図1及び図2に示すように、前面及び背面を開口し下部に機械室を有する箱形のショーケース本体1と、ショーケース本体1内を上室及び下室に仕切る仕切パネル2とを備え、上室は商品を加温する温蔵室3、下室は商品を冷却する冷蔵室4をなしている。温蔵室3には温蔵室用の商品陳列棚5が、冷蔵室4には冷蔵室用の商品陳列棚6が上下にそれぞれ並設されている。また、仕切パネル2の前方及び後方には、ショーケース本体1の前面開口及び背面開口を上下に仕切る仕切枠7が設けられる。さらに、ショーケース本体1の前面及び背面の仕切枠7によって仕切られた上下開口にはそれぞれ引戸8が設けられ、この引戸8により各開口はそれぞれ開閉される。各引戸8の上下には左右に延びる上レール部9及び下レール部10が設けられ、各引戸8を左右方向に案内している。
【0013】
仕切パネル2は前後に延びて形成されるとともに、その前端及び後端にパッキン2aを有し、各パッキン2aと各仕切枠7とが接触することにより、温蔵室3及び冷蔵室4の気密が保たれる。また、仕切パネル2は左右両端側における前側及び後側の下部にそれぞれ固定部2bを有し、この固定部2bに設けられた固定孔2cを挿通する固定ねじ11により、ショーケース本体1側に固定される。仕切パネル2は前下がりに傾斜して配置され、その前部下端が下側の引戸8の上レール部9下端より高く、且つ、その後部上端が上側の引戸8の下レール部10より低くなっている。
【0014】
温蔵室3内の各商品陳列棚5及び冷蔵室4内の各商品陳列棚6は前下がりに傾斜して配置される。温蔵室3内の各商品陳列棚5は加温プレートを有し、この加温プレートにより商品は加温される。また、冷蔵室4内は図示しない蒸発器からの冷気が循環し、これにより各商品陳列棚6の商品は冷却される。本実施形態においては、温蔵室3に2つの商品陳列棚5が、冷蔵室4に4つの商品陳列棚6がそれぞれ備えられ、温蔵室3は冷蔵室4に比して上下方向寸法が小さく形成されている。
【0015】
各引戸8はそれぞれ左右一対で前後方向に互い違いに設けられ、各引戸8の一方で左右一方を覆うとともに他方で左右他方を覆い、ショーケース本体1内の気密を保つようになっている。また、各引戸8は略方形状で外縁部を除いて透明板により形成され、外部より各引戸8を通じてショーケース本体1内が視認可能となっている。各引戸8は左右方向に移動自在で、ショーケース本体1内の商品が販売される際には、前側の各引戸8を移動してショーケース本体1内の商品が取り出される。また、ショーケース本体1内に商品を補充する際には、後側の各引戸8を移動してショーケース本体1内へ商品が補充される。
【0016】
各上レール部9は、上方に凹んで左右方向に延びる前後に並んだ2つのレール溝を有している。即ち、各レール溝に各販売引戸8の上部が受容され、各販売引戸8は各レール溝により左右方向へ案内される、
各下レール部10は、各引戸8に設けられた車輪と、ショーケース本体1側に設けられ各車輪を案内するレールとから構成される。即ち、各下レールの上端面と各車輪の外周面とが係合し、各車輪が転がることにより、各引戸8は左右方向へ移動するようになっている。
【0017】
以上のように構成されたショーケースにおいては、販売者により背面側から各商品陳列棚5,6に商品が補充されると、補充された商品はその自重により各商品陳列棚5,6の前面側へ移動し、順次に前面側から自動的に陳列される。また、購買者等により前面側から商品が取り出されると、背面側の商品が前面側に自動的に移動する。このとき、仕切パネル2及び各商品陳列棚5,6が前下がりに傾斜して配置されているので、商品はショーケース本体1、仕切パネル2等と干渉することなく、各室3,4に収納される。
【0018】
このように、本実施形態のショーケースによれば、仕切パネル2を前下がりに傾斜して配置し、各商品陳列棚5,6及び商品がショーケース本体1、仕切パネル2等と干渉することがないようにしたので、ショーケースの上下寸法が大きくなることはない。従って、各商品陳列棚5,6を略水平に配置したショーケースとショーケース本体、引戸等を共用とすることができ、製造コストが嵩むこともない。
【0019】
また、仕切パネル2の前部及び後部が各レール部9,10及び仕切枠7により隠蔽され、ショーケース外部から仕切パネル2が各引戸8を通じて購買者に視認されることがないので、ショーケースの外観を損なうことはない。
【0020】
尚、前記実施形態においては、仕切パネル2の傾斜角度は一定であるものを示したが、図4に示すように、ショーケース本体1側に上下に延びる長孔20を設け、固定部2bに設けられたピン21をこの長孔20に挿通するとともに長孔20内の任意の位置で固定するよう構成し、仕切パネル2の傾斜角度を調整可能としてもよい。さらに、図5に示すように、長孔20に前後方向に延びる複数の係止孔22を連設し、ピン21の高さを多段階で変更するようにしてもよい。これらの場合、仕切パネル2の傾斜角度を、各室3,4の収納商品に応じた適切な角度に調整することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載のショーケースによれば、各商品陳列棚がショーケース本体、仕切パネル等と干渉することがないようにしたので、ショーケースの上下寸法が大きくなることはない。従って、各商品陳列棚を略水平に配置したショーケースとショーケース本体、引戸等を共用とすることができ、製造コストが嵩むこともない。また、ショーケース外部から仕切パネルが各引戸を通じて購買者に視認されることがないので、ショーケースの外観を損なうことはない。
【0022】
また、請求項2記載のショーケースによれば、請求項1の効果に加え、仕切パネルの傾斜角度を、各室の収納商品に応じた適切な角度に調整することができ、実用に際して極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すショーケースの概略外観斜視図
【図2】ショーケースの概略側面断面図
【図3】ショーケースの部分側面断面図
【図4】傾斜調整機構の一例を示す動作説明図
【図5】傾斜調整機構の一例を示す動作説明図
【符号の説明】
1…ショーケース本体、2…仕切パネル、3…温蔵室、4…冷蔵室、5…商品陳列棚、6…商品陳列棚、7…仕切枠、8…引戸、9…上レール部、10…下レール部、20…長孔、21…ピン、22…係止孔。

Claims (2)

  1. 前面及び背面を開口したショーケース本体と、ショーケース本体内を上室及び下室に仕切る仕切パネルと、この仕切パネルの前方及び後方に設けられショーケース本体の前面開口及び背面開口を上下に仕切る仕切枠と、ショーケース本体の前面及び背面の上下開口をそれぞれ開閉する複数の引戸と、各引戸の上下にそれぞれ設けられ各引戸を左右方向に案内する複数のレール部とを備え、上室内及び下室内に上下に並設された複数の商品陳列棚を有するショーケースにおいて、
    前記仕切パネルを、前下がりに傾斜し、且つ、その前部及び後部が上レール部、仕切枠及び下レール部により隠蔽されるように配置し、
    前記上室内及び下室内の各商品陳列棚を前下がりに傾斜して配置した
    ことを特徴とするショーケース。
  2. 前記仕切パネルの傾斜を調整可能な傾斜調整手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のショーケース。
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