JP3887871B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧の印加に伴い内燃機関の空燃比に対応する電流を出力する空燃比センサを備え、空燃比センサの電流出力と目標とする空燃比相当の電流値との偏差に基づき、目標空燃比に対して空燃比をフィードバック(F/B)制御する内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空燃比が理論空燃比(ストイキ)に対してリッチ寄りかリーン寄りかに応じて異なる電圧信号を出力する酸素センサ(O2 センサ)を用い、そのセンサ出力に基づいて空燃比をフィードバック制御するようにした空燃比制御装置が具体化されている。この酸素センサを用いた空燃比制御装置の場合、センサ出力の開始と共に空燃比フィードバック制御が開始される。これに対し、近年の排気ガス規制の強化に伴い、前記酸素センサに代えて空燃比信号をリニアに出力可能な空燃比センサ(例えば限界電流式のA/Fセンサ)が空燃比フィードバック制御に適用されつつある。この空燃比センサは、電圧の印加に伴い内燃機関の空燃比に対応する電流を出力するものであり、同センサを用いた空燃比制御装置の場合、空燃比がリニアに検出可能であるという利点を生かすことで、フィードバック制御時のフィードバックゲインが高レベルに設定できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうしたリニア式空燃比センサは、活性温度に達する途中からでも電流出力を開始するが、同センサが活性温度に達するまでは実際の空燃比に対する出力が活性後の出力より小さくなったり、応答性が遅くなったりする。この場合、センサの活性途中で空燃比フィードバック制御を開始すると、実際の空燃比に対する出力の相関がずれたまま制御が実施されるため、ドライバビリティに悪影響が及ぶおそれがある。また、空燃比センサが冷間状態(不活性状態)にあり、空燃比フィードバック開始が遅れると、触媒のウィンドウに制御するのが遅れるためためにエミッションが悪化する。そのため、少しでも早くフィードバック制御を開始することが要望されている。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、空燃比センサの冷間状態からの機関始動時において、空燃比フィードバック制御の開始時期を早め、ドライバビリティを向上させることができる内燃機関の空燃比制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の内燃機関の空燃比制御装置ではその前提として、電圧の印加に伴い内燃機関の空燃比に対応する電流を出力する空燃比センサと、空燃比センサの電流出力と目標とする空燃比相当の電流値との偏差に基づき、目標空燃比に対して空燃比をフィードバック制御する空燃比制御手段とを備える。
【0006】
そして、請求項1に記載の発明ではその特徴として、前記空燃比センサが活性前であって且つ空燃比センサの活性前の出力電流に基づき算出された空燃比と実際の空燃比とが異なる場合に、同センサの電流出力が初期状態の値から所定値以上変化したか否かを判定する出力判定手段と、前記出力判定手段によりセンサの電流出力が初期状態の値から所定値以上変化した旨が判定された際に空燃比センサが半活性状態にあると判定して、空燃比フィードバック制御を開始させるフィードバック開始手段とを備える。
【0007】
要するに、本発明の空燃比センサの場合、電圧を印加してもセンサ活性前(素子冷間時)にはセンサ電流が出力されず(センサ電流=0アンペア)、勿論空燃比フィードバック制御も実施できない。このとき、例えば内燃機関の低温始動時における燃料増量等により、センサ活性前に実際の空燃比がセンサ活性前の出力相当値と異なっていれば(空燃比=リッチの場合)、空燃比センサの活性化に伴ってセンサ電流が変化し始めることになる。従って、センサ電流の変化を一パラメータとして空燃比フィードバック制御を開始するようにすれば、空燃比センサの完全なる活性化を待たずに当該フィードバック制御が適正時期に開始できるようになる。つまり、空燃比センサの冷間状態からの機関始動時において、空燃比フィードバック制御の開始時期を早め、ドライバビリティを向上させることができる。また、エミッションへの悪影響も早期に解消できる。また本発明では、空燃比センサの素子インピーダンスが所定の活性判定値よりも低い場合に、前記空燃比のフィードバック制御を実施させるようにしている。つまり、本構成では、空燃比センサの素子インピーダンスを活性判定のための一パラメータとする。この場合、例えば同センサに付設されるヒータへの供給電力情報や機関排気ガスの熱量等を求め、それらから活性状態を推測していた従来装置とは異なり、直接的に活性状態が判定できるようになる。またこの素子インピーダンスによる活性判定によれば、半活性状態から空燃比センサを使用する場合にも正確な活性判定が可能となる。さらに、センサ不活性時の電流出力が目標空燃比相当の電流値と一致する場合にも(例えば目標空燃比=ストイキで、不活性時出力が0ミリアンペアの場合)、そのセンサ出力が活性・不活性のいずれによるものかが判定できる。
【0008】
より具体的な構成として、請求項2に記載の発明では、空燃比センサの活性前にそのセンサ出力と目標空燃比相当のセンサ出力とが略一致する場合において、出力判定手段は、空燃比センサの電流出力が目標空燃比相当の電流値より所定値以上変化したか否かを判定する。つまり、目標空燃比を理論空燃比(λ=1.0)とし、それに相当するセンサ電流を「0ミリアンペア」とした場合、センサ電流の「0ミリアンペア」からの変化量が所定値以上となれば、空燃比フィードバック制御が開始されることになる。
【0009】
上記請求項1又は請求項2に記載の発明では、請求項3に記載したように、出力判定手段によるセンサ出力の判定値が、空燃比制御を実施するコントローラの演算能力や空燃比センサの電流検出用回路の公差に基づくフィードバック開始許可域内の最小値にて設定されるとよい。すなわち、前記フィードバック開始許可域とは、例えば図9の斜線領域にて設定されるものであり、同図の縦軸が空燃比制御を実施するコントローラの演算能力や空燃比センサの電流検出用回路の公差に基づく精度パラメータである。この場合、センサ出力の判定値(不活性からの電流変化の判定値)をフィードバック開始許可域の最小値(すなわち、図9中の特性線La上)にて設定すれば、適用対象の制御装置毎にフィードバック制御の早期開始のための最適なる判定値が設定できるようになる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、フィードバック開始手段による空燃比フィードバック制御の開始後において、空燃比制御手段による制御要素を空燃比センサの活性又は半活性に応じて各個に設定するようにしている。具体的には、演算アルゴリズムにおけるF/BゲインやF/B定数等をセンサの活性・半活性に応じて個々に設定する。
この場合、空燃比センサの活性完了前の半活性状態において空燃比検出範囲が狭いことや、応答性が遅いことを認識しながらセンサ出力を使うことができ、空燃比フィードバックの制御性が向上する。
【0012】
一方、空燃比センサの電流出力は、同センサの電流検出用回路の公差によりばらつき、同じ空燃比でも回路の個体差によりばらつく。センサ出力がばらつくと所望の空燃比に制御できなくなり、エミッションの悪化を招くおそれがある。そこで、請求項5に記載の発明では、空燃比センサが不活性状態であるか否かを判定するセンサ不活性判定手段と、空燃比センサの不活性状態下において、同センサの電流検出用回路の公差を吸収するよう空燃比センサの電流出力を学習する回路公差学習手段と、前記学習された回路公差分だけ前記空燃比センサの電流出力を補正するセンサ出力補正手段とを備える。
【0013】
つまり、上記のような回路公差は、センサ不活性時のセンサ出力として現れる。この場合、センサ不活性時のセンサ出力が既知であるとすれば、回路公差分に相当する学習値が容易に求められ、その学習値をセンサ出力に反映させることで回路公差分の無い正確なセンサ出力が得られる。その結果、フィードバック制御の開始当初における制御精度が向上する。また、回路公差の影響によりフィードバック開始が遅れるといった不都合も解消される。なお因みに、こうした回路公差対策として、燃料カット時の出力を学習して補正するものが知られているが、燃料カット時の出力は制御しようとする空燃比から大きく離れており公差学習の精度が低い。これに対して上記構成では、公差学習の精度を高めることができる。
【0014】
請求項6に記載したように、回路公差学習手段による公差学習値を、その都度バックアップメモリに記憶保持するようにすれば、例えば個体差による回路公差がある場合には公差学習を一度だけ実施すればよいことになる。従って、公差学習にかかる演算負荷が軽減される。
【0015】
請求項7に記載の発明では、センサ不活性判定手段は、空燃比センサの素子インピーダンスが所定値以上であること、若しくは空燃比センサに付設されたヒータの抵抗値が所定値以下であることから、センサ不活性状態を判定するものとしている。この場合、回路公差学習の実施条件が制限されることにより、誤学習が防止される。
【0016】
請求項8に記載の発明では、空燃比センサの電流出力のレベルに応じて回路公差の学習を禁止する学習禁止手段を備える。すなわち、回路公差の学習が適正時にのみ実施されるようになり、かかる場合にも誤学習が防止されるようになる。
このとき、請求項8の学習禁止手段は、
・請求項9に記載したように、空燃比センサの電流出力の変動が所定幅を越える場合に、前記回路公差の学習を禁止したり、
・請求項10に記載したように、空燃比センサの電流出力が回路公差を越える電流レベルである場合に、前記回路公差の学習を禁止したりするものであればよい。
【0017】
請求項11に記載の発明では、空燃比センサの電流出力が回路公差の電流レベルを越える状態が所定時間以上継続する場合に、同センサ或いは回路系の異常が発生している旨を判定する異常判定手段を備える。つまり、センサ異常や回路系異常が発生している場合には、設計上、許容される回路公差を越える電流値が出力されることがある。そのため、かかる場合には異常発生の旨を判定し、公差学習も停止する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内燃機関の空燃比制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。本実施の形態における空燃比制御装置ではその主たる構成として、内燃機関の排気系通路の途中に三元触媒を有し、その三元触媒の上流側には限界電流式の空燃比センサ(A/Fセンサ)が配設されている。そして、マイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(以下、ECUという)は前記空燃比センサによる検出結果を取り込み、当該ECUは前記センサの検出結果に基づいて空燃比フィードバック制御を実施する。以下、図面を用いてその詳細な構成を説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態における空燃比制御装置が設けられた内燃機関とその周辺機器の概略構成図である。図1に示すように、内燃機関は4気筒4サイクルの火花点火式エンジン(以下、単にエンジン1という)として構成されている。その吸入空気は上流よりエアクリーナ2、吸気管3、スロットルバルブ4、サージタンク5及びインテークマニホールド6を通過して、インテークマニホールド6内で各気筒毎の燃料噴射弁7から噴射された燃料と混合される。そして、所定空燃比の混合気として各気筒に供給される。
【0020】
また、エンジン1の各気筒に設けられた点火プラグ8には、点火回路9から供給される高電圧がディストリビュータ10を介して分配供給され、点火プラグ8は前記各気筒の混合気を所定タイミングで点火する。燃焼後に各気筒から排出される排気ガスは、エキゾーストマニホールド11及び排気管12を通過し、排気管12に設けられた三元触媒13にて有害成分(CO、HC、NOX 等) が浄化された後、大気に排出される。
【0021】
前記吸気管3には吸気温センサ21及び吸気圧センサ22が設けられ、吸気温センサ21は吸入空気の温度(吸気温Tam)を、吸気圧センサ22はスロットルバルブ4の下流側の吸入管内負圧(吸気圧PM)をそれぞれ検出する。また、前記スロットルバルブ4には同バルブ4の開度(スロットル開度TH)を検出するためのスロットルセンサ23が設けられ、このスロットルセンサ23はスロットル開度THに応じたアナログ信号を出力する。またこのスロットルセンサ23はアイドルスイッチをも内蔵しており、スロットルバルブ4が略全閉である旨の検出信号を出力する。
【0022】
また、エンジン1のシリンダブロックには水温センサ24が設けられ、この水温センサ24はエンジン1内を循環する冷却水の温度(冷却水温Thw)を検出する。前記ディストリビュータ10にはエンジン1の回転数(エンジン回転数Ne)を検出するための回転数センサ25が設けられ、この回転数センサ25はエンジン1の2回転、すなわち720°CA毎に等間隔で24個のパルス信号を出力する。
【0023】
さらに、前記排気管12の三元触媒13の上流側には、エンジン1から排出される排気ガスの酸素濃度(或いは二酸化炭素濃度)に比例して広域で且つリニアな空燃比信号λを出力する、限界電流式空燃比センサからなるA/Fセンサ26が設けられている。また、三元触媒13の下流側には、空燃比が理論空燃比(λ=1)に対してリッチかリーンかに応じた電圧VOX2を出力する下流側O2 センサ27が設けられている。
【0024】
なお、A/Fセンサ26の構成は周知であるため、ここでは図示を省略するが、それを略述すれば、酸素濃度検出素子としての固体電解質層が断面カップ状に形成され、その外表面には排気ガス側電極層が、内表面には大気側電極層が固着されている。また、排気ガス側電極層の外側には拡散抵抗層が形成されている。ヒータ33は断面カップ状の大気側電極層内に収容されており、その発熱エネルギーによりセンサ本体をなす大気側電極層、固体電極質層、排気ガス側電極層及び拡散抵抗層を加熱する。ヒータ33は、センサ本体を活性化するのに十分な発熱容量を有する。また、A/Fセンサ26は酸素濃度を直線的特性にて検出し得るものであるが、このセンサ26を活性化するには約600℃以上の高温が必要とされると共に、その活性温度範囲が狭いため、エンジン1の排気ガスのみによる加熱では同センサ26を活性領域に制御できない。そのため、本実施の形態では、後述するECU40によりヒータ33が加熱制御され、A/Fセンサ26が所定の活性温度に保持されるようになっている。
【0025】
A/Fセンサ26の電圧−電流特性について図2を用いて説明する。図2に示すように、A/Fセンサ26が温度T=T1にて活性状態にあるとき、同図の実線のように特性線L1が安定した出力を示す。かかる場合、特性線L1の電圧軸Vに平行な直線部分がセンサ26の限界電流を特定する。この限界電流の増減は空燃比の増減(すなわち、リーン・リッチ)に対応しており、空燃比がリーン側になるほど限界電流は増大し、空燃比がリッチ側になるほど限界電流は減少する。
【0026】
また、この電圧−電流特性において電圧軸Vに平行な直線部分よりも小さい電圧域は抵抗支配域となっており、その抵抗支配域における特性線L1の傾きは、A/Fセンサ26における固体電解質層の内部抵抗(以下、素子インピーダンスZdcという)により特定される。素子インピーダンスZdcは温度変化に伴い変化するため、素子温が低下するとZdc値の増大により上記傾きが小さくなる。つまり、素子温TがT1よりも低いT2にあるとき、電流−電圧特性は図2の破線で示すように特性線L2でもって特定される。かかる場合、特性線L2の電圧軸Vに平行な直線部分がT=T2におけるA/Fセンサ26の限界電流を特定するもので、この限界電流は特性線L1による限界電流とほぼ一致している。
【0027】
そして、空燃比がリーンである場合において、特性線L1では、A/Fセンサ26に正の電圧Vposを印加することにより、同センサ26に流れる電流が電流値Iposとなる(図2の点Pa参照)。また、A/Fセンサ26に負の電圧Vnegを印加することにより、同センサ26に流れる電流が酸素濃度に依存せず、温度のみに比例する負の電流値Inegとなる(図2の点Pb参照)。
【0028】
一方、図1のエンジン1の運転を制御するECU40は、主に燃料噴射制御や点火制御を司るマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)50と、前記A/Fセンサ26の駆動を制御するセンサ駆動部60とに大別できる。マイコン50は、CPU(中央処理装置)51、ROM(リードオンリメモリ)52、RAM(ランダムアクセスメモリ)53、バックアップRAM54等を中心に論理演算回路として構成され、前記した各種センサの検出信号(吸気温Tam、吸気圧PM、スロットル開度TH、冷却水温Thw、エンジン回転数Ne、空燃比信号等)を入力する。そして、それらの各値に基づいて燃料噴射量TAU、点火時期Ig等の制御信号を算出し、さらに、それら制御信号を燃料噴射弁7及び点火回路9等にそれぞれ出力する。上記ECU40には、主電源たるバッテリ41が接続されている。
【0029】
次に、センサ駆動部60の構成を図3を用いて説明する。
図3において、センサ駆動部60は、前記マイコン50により制御されるバイアス制御回路62を有し、これら両者の間にはA/D変換器63及びD/A変換器64が配設されている。かかる場合、マイコン50(CPU51)は、A/Fセンサ26の半活性状態若しくは活性状態下において所望の空燃比を検出するためのバイアス指令信号VrをD/A変換器64に対して出力し、D/A変換器64は、このバイアス指令信号Vrを電圧信号Vcにアナログ変換してそれをバイアス制御回路62に出力する。バイアス制御回路62はその主たる構成として、基準電圧回路65と、第1の電圧供給回路66と、第2の電圧供給回路67と、電流検出回路68とを備える。
【0030】
以下には、バイアス制御回路62の各部の構成を詳細に説明する。先ず、基準電圧回路65は一対の分圧抵抗65a,65bを有し、これら分圧抵抗65a,65bにより一定の基準電圧Vaを生成する。
【0031】
第1の電圧供給回路66は電圧フォロア回路にて構成され、基準電圧回路65の基準電圧Vaと同じ電圧VaをA/Fセンサ26の一方の端子(大気側電極層に接続される端子)69に供給する。より具体的には、第1の電圧供給回路66は、正側入力端子が前記各分圧抵抗65a,65bの分圧点に接続されると共に負側入力端子が前記の端子69に接続された演算増幅器66aと、演算増幅器66aの出力端子に一端が接続された抵抗66bと、この抵抗66bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトランジスタ66c及びPNPトランジスタ66dとを有する。NPNトランジスタ66cのコレクタは定電圧電源Vccに接続され、エミッタは電流検出回路68を構成する電流検出抵抗68aを介して前記端子69に接続されている。また、PNPトランジスタ66dのエミッタはNPNトランジスタ66cのエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
【0032】
第2の電圧供給回路67も同様に電圧フォロア回路にて構成され、前記D/A変換器64の電圧信号Vcと同じ電圧VcをA/Fセンサ26の他方の端子(排気ガス側電極層に接続される端子)70に供給する。より具体的には、第2の電圧供給回路67は、正側入力端子が前記D/A変換器64の出力に接続されると共に負側入力端子が前記の端子70に接続された演算増幅器67aと、演算増幅器67aの出力端子に一端が接続された抵抗67bと、この抵抗67bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトランジスタ67c及びPNPトランジスタ67dとを有する。NPNトランジスタ67cのコレクタは定電圧電源Vccに接続され、エミッタは抵抗67eを介して前記端子70に接続されている。また、PNPトランジスタ67dのエミッタはNPNトランジスタ67cのエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
【0033】
上記構成により、A/Fセンサ26の一方の端子69には常時、基準電圧Vaが供給される。そして、D/A変換器64を経由してA/Fセンサ26の他方の端子70に供給される電圧Vcが前記基準電圧Vaよりも低ければ(Vc<Va)、当該A/Fセンサ26が正バイアスされる。また、端子70に供給される電圧Vcが前記基準電圧Vaよりも高ければ(Vc>Va)、A/Fセンサ26が負バイアスされることになる。かかる場合、電圧の印加に伴い流れる限界電流(素子電流)は電流検出抵抗68aの両端電圧差として検出され、A/D変換器63を介してマイコン50に入力される。
【0034】
次に、上記の如く構成される空燃比制御装置の作用を説明する。
図4は、センサ活性判定ルーチンを示すフローチャートであり、同ルーチンは、所定周期(本実施の形態では、128msec)のタイマ割り込みにてマイコン50内のCPU51により実行される。なお、本ルーチンでは、A/Fセンサ26の活性状態を示すフラグとして、半活性フラグXF1と活性フラグXF2とを用いる。詳細には、XF1=0はA/Fセンサ26が「不活性状態」であることを表し、XF1=1は同センサ26が「半活性状態」であることを表す。また、XF2=0はA/Fセンサ26が「不活性又は半活性状態」であることを表し、XF2=1は同センサ26が「活性状態」であることを表す。因みに、これら各フラグXF1,XF2は、IGキーのオン操作に伴い「0」に初期化されるようになっている。
【0035】
さて、図4のルーチンにおいて、CPU51は、先ずステップ101でセンサ系異常が発生していないか否かを判別する。この判別に際し、断線やショート等の故障が発生していないか、或いは後述のセンサ異常フラグXFAILに「1」がセットされていないか等がセンサフェイルコードにより確認される。センサ系異常のない場合、CPU51はステップ102に進む。
【0036】
CPU51は、ステップ102で素子インピーダンスZdcがA/Fセンサ26の半活性状態を判定するための所定の判定値(本実施の形態では、250Ω〔オーム〕程度)以下であるか否かを判別する。ここで、素子インピーダンスZdcは、下記のように検出されるようになっている。つまり、素子インピーダンスZdcの検出時には、図8に示すように、A/Fセンサ26の印加電圧を一時的に正方向及び負方向に変化させる。そして、この電圧変化時における正負いずれか一方の電圧変化量ΔVと電流変化量ΔIとから素子インピーダンスZdcを算出する(Zdc=ΔV/ΔI)。但し、この算出法は一例であって、正負両側の電圧及び電流の変化量に基づき素子インピーダンスZdcを検出したり、負の電圧Vnegを印加した時の素子電流Inegから素子インピーダンスZdcを検出したりしてもよい(Zdc=Vneg/Ineg)。
【0037】
Zdc>250Ωであり前記ステップ102が否定判別された場合、CPU51はステップ103に進んで活性フラグXF2が「0」であるか否かを判別する。この場合、例えばエンジン1の低温始動時等、素子温が低い場合には、XF2=0である旨が判別され、CPU51は、ステップ105で半活性フラグXF1を「0」に、続くステップ106で活性フラグXF2を「0」にした後、本ルーチンを一旦終了する。
【0038】
また、前記ステップ103が否定判別される場合、すなわちZdc>250Ωで且つXF2=1の場合には、センサ活性後に何らかの異常により素子温が低下して素子インピーダンスZdcが上昇したと考えられ、CPU51はステップ104でセンサ異常フラグXFAILに「1」をセットした後、ステップ105,106で半活性及び活性フラグXF1,XF2を共に「0」にクリアする。すなわち、CPU51は、センサ故障であるとみなす。
【0039】
一方、Zdc≦250Ωとなり、ステップ102が肯定判別されると、CPU51はステップ107に進み、素子インピーダンスZdcがA/Fセンサ26の活性状態を判定するための所定の判定値(本実施の形態では、90Ω程度)以下であるか否かを判別する。この場合、Zdc≦90Ωであれば、センサ活性化が完了したとみなされ、CPU51はステップ108に進んで活性フラグXF2に「1」を設定し、その後本ルーチンを終了する。
【0040】
また、Zdc>90Ωであれば、CPU51はステップ109に進み、活性フラグXF2が「0」であるか否かを判別する。このとき、センサ活性前であればステップ109が肯定判別されるが、一旦活性化した後に、何らかの異常により素子温が低下して素子インピーダンスZdcが上昇したような場合には、ステップ109が否定判別され、CPU51は、ステップ104でセンサ異常フラグXFAILに「1」をセットする。また、続くステップ105,106で半活性及び活性フラグXF1,XF2を共に「0」にクリアする。
【0041】
素子インピーダンスZdcが90〜250Ωの範囲内にあり(ステップ102がYES、ステップ107がNO)、且つ前記ステップ109が肯定判別されると、CPU51は、ステップ110でその時の目標空燃比λTG(目標とする空燃比相当の空気過剰率)が所定範囲内にあるか否かを判別する。この処理は、目標空燃比λTGがセンサ不活性時の素子電流のλ相当値に略一致するものであるか否かを判別するものであり、本実施の形態では目標空燃比λTGを「1.0」としていることから、上記所定範囲を「0.98〜1.02」に設定している。この処理は後述のステップ112での判別に反映されることになる。すなわち、ステップ110は、センサ活性前に素子電流と目標空燃比相当のセンサ出力とが略一致するか否かを判別する処理である。
【0042】
そして、CPU51は、ステップ110を否定判別すると、ステップ105,106で半活性及び活性フラグXF1,XF2を共に「0」にクリアする。また、CPU51は、ステップ110を肯定判別すると、ステップ111で半活性フラグXF1が「0」であるか否かを判別する。この場合、XF1=1であればそのまま本ルーチンを終了し、XF1=0であればステップ112に進む。CPU51は、ステップ112で目標空燃比λTGとA/Fセンサ26による素子電流のλ変換値との差の絶対値について、
|λTG−素子電流のλ変換値|≧0.02
の不等式が成立するか否かを判別する。素子電流のλ変換値とは、例えば図11のマップにて変換されたλ値である。
【0043】
そして、ステップ112が否定判別されれば、CPU51は前記ステップ105,106に進み、ステップ112が肯定判別されれば、ステップ113に進んで半活性フラグXF1に「1」をセットし、その後本ルーチンを終了する。ここで、ステップ112の処理は、A/Fセンサ26の素子電流が空燃比F/B制御に使用できるか否かを判別するものであり、|λTG−素子電流のλ変換値|の判定値である「0.02」とは、例えば図9に示す特性に従い設定されるようになっている。
【0044】
図9では、縦軸がCPU51の桁落ち、A/D変換のLSB、回路公差といった各種の精度パラメータを表し、縦軸のパラメータが大きくなるほど制御装置が高精度・高性能であることを示す。横軸は|λTG−素子電流のλ変換値|の判定値を表す。このとき、同図中の斜線領域は、後述する空燃比F/B制御が実施可能であると判断できる「F/B開始許可域」を表しており、当該領域を区画する特性線Laは、F/B開始を判定するための|λTG−素子電流のλ変換値|の最小値を特定する。つまり、本実施の形態では、図9の精度パラメータを「A」とすることから、前記ステップ112の判定値として「0.02」が与えられている。なお、図中の特性線LbはA/Fセンサ26の活性完了時のF/B制御可能域を表している。
【0045】
従って、図9の特性線Laに基づく判定値に従って半活性フラグXF1がセットされることで、A/Fセンサ26の完全なる活性化を待たずに、空燃比F/B制御がいち早く開始できるようになる(後述する図5の燃料噴射制御ルーチンによる)。一方、より高精度な制御装置を使うことで、精度パラメータが例えば図9の「B」にまで高められれば、前記ステップ112の判定値が例えば「0.015」となり、F/B制御の開始がより一層早められることになる。
【0046】
次に、本実施の形態における燃料噴射制御ルーチンを図5のフローチャートを用いて説明する。本ルーチンは、各気筒の燃料噴射に同期して(本実施形態では180°CA毎に)、CPU51により実行される。
【0047】
さて、上記ルーチンがスタートすると、CPU51は、先ずステップ201でエンジン運転状態を表す各種センサによる検出結果(エンジン回転数Ne、吸気圧PM、冷却水温Thw等)を読み込み、続くステップ202でROM52内に予め格納されている基本噴射マップを用い、その時のエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに応じた基本噴射量Tpを算出する。また、CPU51は、ステップ203で周知の空燃比F/B条件が成立しているか否かを判別する。ここで、空燃比F/B条件とは、冷却水温Thwが所定温度以上であることや、高回転・高負荷状態でないことを含む。
【0048】
また、CPU51は、ステップ204で前記図4のルーチンにて操作された半活性フラグXF1が「1」であるか否か、或いは活性フラグXF2が「1」であるか否かを判別する。このステップ204では、XF1=1又はXF2=1のいずれかであれば、同ステップが肯定判別される。
【0049】
この場合、ステップ203,204のいずれかが否定判別されれば、CPU51はステップ205に進んで、フィードバック補正係数FAFを「1.0」とする。つまり、FAF=1.0となることは、空燃比がオープン制御されることと同意である。また、ステップ203,204が共に肯定判別されれば、CPU51はステップ210に進んで、後述のFAF設定ルーチンに従いフィードバック補正係数FAFを設定する。
【0050】
FAF値の設定後、CPU51は、ステップ206で次の(1)式を用い、基本噴射量Tp、フィードバック補正係数FAF及びその他の補正係数FALL(水温、エアコン負荷等の各種補正係数)から最終の燃料噴射量TAUを算出する。
【0051】
TAU=Tp・FAF・FALL …(1)
燃料噴射量TAUの算出後、CPU51は、本ルーチンを一旦終了する。
次に、上記ステップ210の処理に相当するFAF設定ルーチンについて、図6及び図7を用いて説明する。ここで、本実施の形態では、現代制御理論に基づく空燃比F/B制御を実施するようにしている。つまり、現代制御理論を用いて空燃比フィードバック制御を実施する際には、A/Fセンサ26の検出結果を目標空燃比に一致させるためのフィードバック補正係数FAFを次の式(2),(3)を用いて算出する。なお、このフィードバック補正係数FAFの設定手順については特開平1−110853号公報に開示されている。
【0052】
FAF=K1 ・λ+K2 ・FAF1 +・・・+Kn+1 ・FAFn +ZI …(2)
ZI=ZI1 +Ka・(λTG−λ) …(3)
上記式(2),(3)において、λはA/Fセンサ26による素子電流の空燃比変換値を、K1 〜Kn+1 はF/B定数を、ZIは積分項を、Kaは積分定数をそれぞれに表す。また、添字iはサンプリング開始からの制御回数を示す変数である。但し、F/B定数について以下の記載では、センサ活性時に用いるのであれば「活性F/B定数K1 〜Kn+1 」と記し、センサ半活性時に用いるのであれば「半活性F/B定数K1 ’〜Kn+1 ’」と記すこととする。
【0053】
さて図6において、CPU51は、先ずステップ211〜213で活性フラグXF2及び半活性フラグXF1の操作状態を順を追って判別する(因みに、図6のルーチンが実行される際には、前記図5のステップ204がYESであり、XF1,XF2のいずれかが「1」となっている)。具体的には、
・ステップ211では、活性フラグXF2が「0」から「1」に操作されたタイミングであるか否かを、
・ステップ212では、半活性フラグXF1が「0」から「1」に操作されたタイミングであるか否かを、
・ステップ213では、活性フラグXF2が「1」であるか否かを、
それぞれに判別する。
【0054】
そして、ステップ211が肯定判別されれば、CPU51は、ステップ214で活性F/B定数K1 〜Kn を設定した後、ステップ218に進む。また、ステップ212が肯定判別されれば、CPU51は、ステップ215で半活性F/B定数K1 ’〜Kn ’を設定した後、ステップ218に進む。この場合、活性F/B定数K1 〜Kn と、半活性F/B定数K1 ’〜Kn ’とを比較すれば、後者の方が燃料噴射量の補正度合が小さくなるよう各定数がそれぞれに設定される。これは、センサ活性の完了前の応答性を考慮しているためである(但し設計思想によっては、逆に設定することも可能である)。
【0055】
ステップ214,215でのF/B定数の設定後において、CPU51は、ステップ218で次の式(4)を用いて積分項ZIを逆演算する。
一方、ステップ213が肯定判別された場合(すなわち、XF2=1の場合)、CPU51は、ステップ216で活性F/B定数K1 〜Kn を設定し、ステップ213が否定判別された場合(すなわち、XF1=1の場合)、CPU51は、ステップ215で半活性F/B定数K1 ’〜Kn ’を設定する。
【0056】
その後、CPU51は、ステップ219で前記式(2)に基づきFAF値を演算する。このとき、半活性又は活性フラグXF1,XF2の「0」から「1」への操作時(ステップ211,212がYESの時)には、前記(4)式を用いて積分項ZIが算出されるのに対し、それ以外の時には、前記(3)式を用いて積分項ZIが算出され、こうして算出された積分項ZIが式(2)によるFAF値の演算の適用される。
【0057】
FAF値の算出後、CPU51は図7のステップ220に進み、素子インピーダンスZdcに応じたFAFガード値を設定する。このFAFガード値は、例えば図10のように設定されるものであって、FAF値の基準値(=1.0)に対して所定幅を有する上限ガード値及び下限ガード値が設定される。上限及び下限ガード値の間がフィードバック範囲となる。
【0058】
その後、CPU51は、ステップ221で前記演算したFAF値が上限ガード値を越える値であるか否かを判別し、FAF値>上限ガード値であればステップ222でFAF値を上限ガード値にて制限する(FAF値=上限ガード値)。また、CPU51は、続くステップ223で上限ガード値に対応する積分項ZIを次の式(5)により算出する。
【0059】
積分項ZIの算出後、CPU51は、前記図5のルーチンに戻る。なおステップ223で算出した積分項ZIは、次回のFAF値の演算に反映されることになる。
【0060】
また、ステップ221が否定判別された場合、CPU51は、ステップ224で前記演算したFAF値が下限ガード値未満の値であるか否かを判別し、FAF値<上限ガード値であればステップ225でFAF値を下限ガード値にて制限する(FAF値=下限ガード値)。また、CPU51は、続くステップ226で下限ガード値に対応する積分項ZIを次の式(6)により算出する。
【0061】
積分項ZIの算出後、CPU51は、前記図5のルーチンに戻る。なおステップ226で算出した積分項ZIは、次回のFAF値の演算に反映されることになる。ステップ221,224が共に否定判別された場合には、そのまま本ルーチンを終了する。
【0062】
なお本実施の形態では、前記図4のルーチンのステップ112により請求項記載の出力判定手段が構成され、同ステップ113及び前記図5のルーチンによりフィードバック開始手段が構成されている。また、図5のルーチンにより空燃比制御手段が構成されている。
【0063】
図12は、上記作用をより具体的に説明するためのタイムチャートであり、本チャートではA/Fセンサ26が不活性状態(冷間状態)から活性状態に移行する期間について、空燃比F/B制御に関する各種パラメータの挙動を示す。
【0064】
さて、図12において、時間t0はエンジン1の低温始動開始のタイミングであり、かかるタイミングではA/Fセンサ26が不活性状態であるため、素子インピーダンスが250Ωを越える値になっている。また、このエンジン始動時には、燃料噴射量の暖機増量のためにλ(実空燃比)がリッチ側に大きく振られているのに対し、A/Fセンサ26の素子電流がλ=1に相当する「0mA」となっている。
【0065】
そして、時間t1では、センサ素子部の温暖化により素子インピーダンスが250Ωに達する。このセンサ素子部の温暖化に伴い、時間t1付近から素子電流が次第に流れ始める。なおこのとき、目標空燃比λTGは「1.0」であり、前記図4のステップ110では、「0.98<λTG<1.02」の旨が判別される(同ステップがYES)。
【0066】
その後、時間t2では、|λTG−素子電流のλ変換値|で求められる偏差が所定の判定値「0.02」を越え(図4のステップ112がYES)、それに伴い半活性フラグXF1に「1」がセットされる(図4のステップ113)。この半活性フラグXF1のセット時には、前記図5の燃料噴射制御ルーチンにおいてステップ204がYESとなり、現代制御理論に基づく空燃比F/B制御が開始されることになる(但し、空燃比F/B条件は成立しているものとする)。空燃比F/B制御の開始に伴い、λ(実空燃比)がλTG(目標空燃比)に一致するようFAF値が設定される。
【0067】
そして、時間t3では、素子インピーダンスが90Ω以下となり(図4のステップ107がYES)、活性フラグXF2に「1」がセットされる(図4のステップ108)。この活性フラグXF2のセットに伴い、空燃比F/B制御でのF/B定数が「K1 ’〜Kn ’」から「K1 〜Kn 」に切り換えられる(前記図6のルーチン)。それ以降、CPU51は、活性F/B定数K1 〜Kn を用いた空燃比F/B制御を実施する。
【0068】
一方、ECU40で検出するセンサ出力(素子電流)は、ECU40のセンサ出力受回路の公差(センサ駆動部60の電流検出回路68等の公差)によりばらつき、同じA/FでもECU40の個体差によりばらつく。A/Fセンサの出力がばらつくと所望の空燃比に制御できなくなり、エミッションの悪化を招くおそれがある。そこで本実施の形態では、以下の手順に従い回路公差を学習し、出力ばらつきを解消する。
【0069】
図13及び図14は、CPU51が実行する素子電流回路の公差学習ルーチンを示すフローチャートであり、同ルーチンは所定周期(本実施の形態では、4msec毎)のタイマ割り込みにより起動される。この回路公差学習の処理では、回路公差を吸収するための回路公差学習項が求められ、当該学習項によりA/Fセンサ26により検出される素子電流値がその都度補正されるようになる。
【0070】
公差学習ルーチンにおいて、CPU51は、先ず図13のステップ301でセンサ系異常が発生していないか否かを判別する。この処理は、前記図4のルーチンでのセンサ異常フラグXFAILや後述の異常判定フラグやその他の異常情報が無いか否かを判別するものであって、異常有りの場合、ステップ301が否定判別される。そして、CPU51は、ステップ302で回路公差学習項を「0」とすると共に、続くステップ303で学習カウンタを「0」にクリアし、その後本ルーチンを終了する。つまり、センサ系異常時には回路公差の学習を実施しない。
【0071】
センサ系異常の無い場合、CPU51は、ステップ304で学習済フラグが「0」であるか否かを判別し、学習済フラグ=0であれば続くステップ305に進む。CPU51は、ステップ305及び306でA/Fセンサ26が冷間状態であって不活性であることの判別を行う。つまり、ステップ305では、素子インピーダンスが400Ω以上であるか否かを判別し、ステップ306では、初期ヒータ抵抗が1.2Ω以下であるか否かを判別する。ここで、初期ヒータ抵抗は、エンジン始動時におけるヒータ電圧とヒータ電流とから算出される(初期ヒータ抵抗=ヒータ電圧/ヒータ電流)。ステップ305,306のいずれかが否定判別された場合、本ルーチンがそのまま終了される。
【0072】
また、ステップ305,306が共に肯定判別された場合、CPU51はステップ307に進み、現在の素子電流の絶対値が所定値(本実施の形態では、0.5mA)以下であるか否かを判別する。この処理は、センサ出力である素子電流のばらつきが所定の許容範囲(回路公差等のばらつきの許容最大値〜許容最小値)内にあるかどうかを判別するものであり、センサ不活性時の素子電流が±0.5mAの範囲外となる場合には、何らかの異常発生であるみなされる。このとき、|素子電流|≦0.5mAであれば、CPU51は図14のステップ308に進み、|素子電流|>0.5mAであれば、図14のステップ314に進む。
【0073】
ステップ308では、CPU51は前回の素子電流と今回の素子電流との差の絶対値について、
|前回の素子電流−今回の素子電流|≦0.02mA
の不等式が成立するか否かを判別する。
【0074】
ステップ308が否定判別されれば、CPU51は素子電流の変動が微小であるとしてステップ309に進み、学習カウンタを「0」にクリアした後、本ルーチンを終了する。また、ステップ308が肯定判別されれば、CPU51はステップ310で学習カウンタを「1」インクリメントする。その後、CPU51は、学習カウンタの値が所定値(本実施の形態では、125)以上であることを条件に(ステップ311がYES)、ステップ312でその時の素子電流なまし値を回路公差学習項としてバックアップRAM54に記憶させる。素子電流なまし値の算出手順については後述する。さらに、CPU51は、ステップ313で学習済フラグに「1」をセットした後、本ルーチンを終了する。
【0075】
一方、前記図13のステップ307が否定判別されて図14のステップ314に進んだ場合、何らかの異常が発生していると考えられる。そこで、CPU51は、ステップ314で学習カウンタを「0」にクリアすると共に、続くステップ315で異常カウンタを「1」インクリメントする。また、CPU51は、異常カウンタの値が所定値(本実施の形態では、20)以上であることを条件に(ステップ316がYES)、ステップ317で異常判定フラグに「1」をセットする。異常判定フラグの操作後、CPU51は本ルーチンを終了する。
【0076】
図15は、素子電流なまし処理ルーチンを示すフローチャートであり、同ルーチンは所定周期(例えば、4mec毎)のタイマ割り込みにより起動される。
図15において、CPU51は、ステップ401でA/Fセンサ26により検出された素子電流を取り込み、続くステップ402で今回が素子電流の初回取り込み時であるか否かを判別する。素子電流の初回取り込み時であれば、CPU51は、ステップ403でその時取り込んだ素子電流を素子電流なまし値としてRAM53に一時記憶させる。
【0077】
また、素子電流の初回取り込み時でなければ、CPU51は、ステップ404で次の式(7)に基づき素子電流なまし値を算出する。
素子電流なまし値の算出後、CPU51は、当該算出値をRAM53に一時記憶させる。
【0078】
図16は、A/Dルーチンを示すフローチャートであり、同ルーチンは所定周期(例えば、4mec毎)のタイマ割り込みにより起動される。このA/Dルーチンでは、前記図13,14のルーチンで算出した回路公差学習項が素子電流の検出値に反映されることで、より正確なλ値(空燃比)が求められるようになる。
【0079】
つまり、図16において、CPU51は、ステップ501でA/Fセンサ26により検出された素子電流を取り込む。続くステップ502では、CPU51はその時の素子電流から回路公差学習項を減算し、減算後の値を新規な素子電流とする(素子電流=素子電流−回路公差学習項)。また、CPU51は、ステップ503で例えば図11のマップを参照して素子電流に対応するλ値(空燃比)を算出する。
【0080】
なお本実施の形態では、前記図13のステップ305,306により請求項記載のセンサ不活性判定手段が構成され、同ステップ307及び前記図14のステップ308により学習禁止手段が構成されている。また、図14のステップ308〜312により回路公差学習手段が構成され、前記図16のステップ502によりセンサ出力補正手段が構成されている。
【0081】
図17は、回路公差学習に関するタイムチャートである。同図では、A/Fセンサ26の不活性状態(冷間状態)からの挙動を示しており、通電開始当初は素子インピーダンスが400Ω以上で、且つヒータ抵抗が1.2Ω以下になっている(図13のステップ305,306が共にYES)。
【0082】
また、通電開始当初にはセンサ不活性にもかかわらず、回路公差に相当する電流値が計測される。このとき、素子電流の前回値と今回値と差分が微小であるため、その時のセンサ出力値が回路ばらつき(センサばらつき)によるものであると判断される(図14のステップ308がYES)。この状態が所定期間継続すると、回路公差学習項が算出される(図14のステップ312)。因みに、素子電流は異常判定するためのしきい値(±0.5mA)を越えることはないため(図13のステップ307がYES)、異常判定フラグは「0」のまま保持される。
【0083】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(a)本実施の形態では、A/Fセンサ26が活性前であって且つ実際の空燃比がセンサ活性前の出力相当値と異なる場合、すなわち例えばエンジン低温始動時における燃料増量等により空燃比=リッチの場合に、素子電流(センサ出力)のλ変換値と目標空燃比λTGとの差が所定の判定値以上となったか否かを判定し(図4のステップ112)、その判定が肯定されれば空燃比F/B制御を開始させるようにした。この場合、A/Fセンサ26の完全なる活性化を待たずに空燃比F/B制御が適正時期に開始でき、A/Fセンサ26の冷間状態(不活性状態)からのエンジン始動時において、空燃比F/B制御の開始時期を早めてドライバビリティを向上させることができる。また、エミッションへの悪影響も早期に解消できる。
【0084】
(b)F/B開始を許可するための判定値を、CPU51の演算能力や電流検出用回路68の公差に基づく精度パラメータに対応するF/B開始許可域の最小値にて設定した(図9参照)。この場合、適用対象のECU毎にF/B制御の早期開始のための最適なる判定値が設定できるようになる。
【0085】
(c)また本実施の形態では、上記(a)によるF/B開始の適否判定に加え、A/Fセンサ26の素子インピーダンスに基づきF/B開始の適否を判定するようにした(図4のステップ102,107)。つまり、素子インピーダンスに応じてセンサ活性状態を判定するようにした。この場合、センサ活性状態が直接的に判定でき、半活性状態から同センサ26を使用する場合にも正確な活性判定が可能となる。さらに、センサ不活性時の電流出力が目標空燃比相当の電流値と一致する場合(例えば目標空燃比=ストイキで、不活性時出力が0ミリアンペアの場合)にも、そのセンサ出力が活性・不活性のいずれによるものかが判定できる。
【0086】
(d)さらに、空燃比F/B制御の開始後において、空燃比制御の演算アルゴリズムにおけるF/B定数等をセンサ26の活性・半活性に応じて個々に設定するようにした(図6のステップ214〜217)。そのため、センサ活性前の半活性状態において空燃比検出範囲が狭いことや、応答性が遅いことを認識しながらセンサ出力を使うことができ、空燃比F/Bの制御性が向上する。
【0087】
(e)A/Fセンサ26の不活性状態下において、同センサ26の電流検出用回路の公差を吸収するよう素子電流を学習し、その学習結果によりセンサ出力を補正するようにした(図13〜図16のルーチン)。かかる場合、回路公差によるセンサ出力のばらつきが解消され、F/B制御の開始当初における制御精度が向上する。また、回路公差の影響によりF/B開始が遅れるといった不都合も解消される。
【0088】
(f)回路公差の学習時において、回路公差学習項をその都度バックアップRAM54に記憶保持するようにしたため、例えば個体差による回路公差がある場合には公差学習を一度だけ実施すればよいことになる。従って、公差学習にかかる演算負荷が軽減される。
【0089】
(g)さらに本実施の形態では、以下の構成により回路公差の誤学習が防止できる。つまり、
・A/Fセンサ26の素子インピーダンスが所定値以上である時、若しくはヒータ抵抗が所定値以下である時にのみ(図13のステップ305,306がYESの場合)、回路公差の学習を行うようにしたこと、
・素子電流が回路公差を越える所定の電流レベルである場合(図13のステップ307がNOの場合)や、素子電流の変動が所定幅を越える場合(図14のステップ308がNOの場合)には、回路公差の学習を禁止するようにしたこと、
・素子電流が回路公差の電流レベルを越える状態が所定時間以上継続する場合には、同センサ或いは回路系の異常が発生している旨を判定し(図14のステップ315〜317)、公差学習を停止するようにしたこと、
といった各々の構成により回路公差の誤学習が防止できるようになる。
【0090】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて実現できる。
上記実施の形態の図4のルーチンでは、ステップ112において空燃比の偏差に基づきF/B開始の適否を判定していたが、素子電流の偏差に基づきF/B開始の適否を判定するように変更してもよい。つまり、同図のステップ112において、その時の素子電流と目標空燃比相当の電流値との差の絶対値が所定の判定値を越えた際に、空燃比F/Bを開始させるようにしてもよい。このことは既述の実施の形態と実質上同意である。
【0091】
また、図4のルーチンでは、素子電流のλ変換値と目標空燃比λTGとの差に基づきF/B開始の適否を判定する際に、その判定値を図9のF/B開始許可域の最小値としたが、この構成を変更してもよい。上記判定値は例えば図9のF/B開始許可域内であればよく、図9の特性線Lbよりも左側領域であれば従来装置よりも早いF/B開始が可能となる。
【0092】
上記実施の形態の装置では、センサ不活性時においてA/Fセンサ26の素子電流が目標空燃比であるストイキでの相当値(0アンペア)に一致していたが、これとは異なる構成の装置を具体化してもよい。例えばセンサ不活性時の素子電流(0アンペア)が所定のリーン空燃比に相当するものであってもよい。
【0093】
上記実施の形態では、FAF値の設定に際し、図6及び図7のフローチャートに示す設定手順に従ったが、これを変更してもよい。例えば活性と半活性との識別をなくし、いずれの場合にも同様のF/B定数を設定するようにしてもよい。また、FAF値を上限又は下限ガード値にて制限する処理を削除し、演算負荷の簡素化を図るようにしてもよい。
【0094】
上記実施の形態における図13及び図14の回路公差学習ルーチンにおいて、ステップ307,314〜317の処理を削除し、演算処理の簡素化を図るようにしてもよい。また公差学習に関する一連の処理(図の13〜図16の処理)を省略して具体化することも可能である。
【0095】
また、上記実施の形態では、空燃比F/B制御に際し現代制御理論に基づく制御手法を用いたが、これを変更してもよい。例えば、上記現代制御理論に基づく制御手法とPI制御又はPID制御手法とを組み合わせて選択的に実施するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における内燃機関の空燃比制御装置の概要を示す構成図。
【図2】A/Fセンサの出力特性を説明するためのV−I特性図。
【図3】センサ駆動部の詳細な構成を示す回路図。
【図4】センサ活性判定ルーチンを示すフローチャート。
【図5】燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図6】FAF設定ルーチンを示すフローチャート。
【図7】図6に続き、FAF設定ルーチンを示すフローチャート。
【図8】素子インピーダンスの検出法の一例を説明するための波形図。
【図9】目標空燃比と素子電流のλ変換値との差の絶対値、及び精度パラメータに対応するF/B開始許可域を示すマップ。
【図10】素子インピーダンスに応じたFAFガード値を設定するためのマップ。
【図11】素子電流をλ変換するためのマップ。
【図12】A/Fセンサが不活性状態から活性状態へ移行する期間において、空燃比F/B制御に関する各種パラメータの挙動を示すタイムチャート。
【図13】素子電流回路の公差学習ルーチンを示すフローチャート。
【図14】図13に続き、素子電流回路の公差学習ルーチンを示すフローチャート。
【図15】素子電流なまし処理ルーチンを示すフローチャート。
【図16】A/Dルーチンを示すフローチャート。
【図17】回路公差学習に関するタイムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、26…A/Fセンサ(限界電流式空燃比センサ)、40…コントローラとしてのECU(電子制御装置)、50…マイコン(マイクロコンピュータ)、51…空燃比制御手段,出力判定手段,フィードバック開始手段,センサ不活性判定手段,回路公差学習手段,センサ出力補正手段,学習禁止手段を構成するCPU、54…バックアップメモリとしてのバックアップRAM、60…電流検出用回路を構成するセンサ駆動部、68…電流検出用回路を構成する電流検出回路。
Claims (11)
- 電圧の印加に伴い内燃機関の空燃比に対応する電流を出力する空燃比センサと、
空燃比センサの電流出力と目標とする空燃比相当の電流値との偏差に基づき、目標空燃比に対して空燃比をフィードバック制御する空燃比制御手段とを備えた内燃機関の空燃比制御装置において、
前記空燃比センサが活性前であって且つ前記空燃比センサの活性前の出力電流に基づき算出された空燃比と実際の空燃比とが異なる場合に、同センサの電流出力が初期状態の値から所定値以上変化したか否かを判定する出力判定手段と、
前記出力判定手段によりセンサの電流出力が初期状態の値から所定値以上変化した旨が判定された際に前記空燃比センサが半活性状態にあると判定して、空燃比フィードバック制御を開始させるフィードバック開始手段と、
前記空燃比センサの素子インピーダンスを検出する手段と、
を備え、前記素子インピーダンスが所定の活性判定値よりも低い場合に、前記空燃比のフィードバック制御を実施させるようにしたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記空燃比センサの活性前にそのセンサ出力と目標空燃比相当のセンサ出力とが略一致する場合において、前記出力判定手段は、空燃比センサの電流出力が目標空燃比相当の電流値より所定の偏差以上変化したか否かを判定する請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記出力判定手段によるセンサ出力の判定値は、空燃比制御を実施するコントローラの演算能力や前記空燃比センサの電流検出用回路の公差に基づくフィードバック開始許可域内の最小値にて設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記フィードバック開始手段による空燃比フィードバック制御の開始後において、前記空燃比制御手段による制御要素を空燃比センサの活性又は半活性に応じて各個に設定する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記空燃比センサが不活性状態であるか否かを判定するセンサ不活性判定手段と、
前記空燃比センサの不活性状態下において、同センサの電流検出用回路の公差を吸収するよう空燃比センサの電流出力を学習する回路公差学習手段と、
前記学習された回路公差分だけ前記空燃比センサの電流出力を補正するセンサ出力補正手段と
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記回路公差学習手段による公差学習値を、その都度バックアップメモリに記憶保持するようにした請求項5に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記センサ不活性判定手段は、前記空燃比センサの素子インピーダンスが所定値以上であること、若しくは空燃比センサに付設されたヒータの抵抗値が所定値以下であることから、センサ不活性状態を判定するものである請求項5又は請求項6に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記空燃比センサの電流出力のレベルに応じて前記回路公差学習手段による回路公差の学習を禁止する学習禁止手段を備える請求項5〜請求項7のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 請求項8に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記学習禁止手段は、前記空燃比センサの電流出力が回路公差を越える電流レベルである場合に、内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項8に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記学習禁止手段は、前記空燃比センサの電流出力の変動が所定幅を越える場合に、前記回路公差の学習を禁止する内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記空燃比センサの電流出力が回路公差の電流レベルを越える状態が 所定時間以上継続する場合に、同センサ或いは回路系の異常が発生している旨を判定する異常判定手段を備える請求項5〜請求項10のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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