JPH10288075A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH10288075A
JPH10288075A JP9095730A JP9573097A JPH10288075A JP H10288075 A JPH10288075 A JP H10288075A JP 9095730 A JP9095730 A JP 9095730A JP 9573097 A JP9573097 A JP 9573097A JP H10288075 A JPH10288075 A JP H10288075A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空燃比センサの冷間状態からの機関始動時にお
いて、空燃比フィードバック制御の開始時期を早め、ド
ライバビリティを向上させる。 【解決手段】エンジン1の排気管12には、電圧の印加
に伴い空燃比に対応する電流を出力するA/Fセンサ2
6が配設されている。エンジン始動時において、ECU
40内のCPU51は、A/Fセンサ26が活性前であ
って且つ実際の空燃比がセンサ活性前の出力相当値と異
なる場合、すなわち例えばエンジン低温始動時における
燃料増量等により空燃比=リッチの場合に、素子電流
(センサ出力)のλ変換値と目標空燃比との差が所定値
以上となったか否かを判定し、その判定が肯定されれば
空燃比のF/B開始を許可する。このとき、CPU51
は、A/Fセンサ26の電流出力と目標とする空燃比相
当の電流値との偏差に基づき、目標空燃比に対して空燃
比をF/B制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧の印加に伴い
内燃機関の空燃比に対応する電流を出力する空燃比セン
サを備え、空燃比センサの電流出力と目標とする空燃比
相当の電流値との偏差に基づき、目標空燃比に対して空
燃比をフィードバック(F/B)制御する内燃機関の空
燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、空燃比が理論空燃比(ストイ
キ)に対してリッチ寄りかリーン寄りかに応じて異なる
電圧信号を出力する酸素センサ(O2 センサ)を用い、
そのセンサ出力に基づいて空燃比をフィードバック制御
するようにした空燃比制御装置が具体化されている。こ
の酸素センサを用いた空燃比制御装置の場合、センサ出
力の開始と共に空燃比フィードバック制御が開始され
る。これに対し、近年の排気ガス規制の強化に伴い、前
記酸素センサに代えて空燃比信号をリニアに出力可能な
空燃比センサ(例えば限界電流式のA/Fセンサ)が空
燃比フィードバック制御に適用されつつある。この空燃
比センサは、電圧の印加に伴い内燃機関の空燃比に対応
する電流を出力するものであり、同センサを用いた空燃
比制御装置の場合、空燃比がリニアに検出可能であると
いう利点を生かすことで、フィードバック制御時のフィ
ードバックゲインが高レベルに設定できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうしたリ
ニア式空燃比センサは、活性温度に達する途中からでも
電流出力を開始するが、同センサが活性温度に達するま
では実際の空燃比に対する出力が活性後の出力より小さ
くなったり、応答性が遅くなったりする。この場合、セ
ンサの活性途中で空燃比フィードバック制御を開始する
と、実際の空燃比に対する出力の相関がずれたまま制御
が実施されるため、ドライバビリティに悪影響が及ぶお
それがある。また、空燃比センサが冷間状態(不活性状
態)にあり、空燃比フィードバック開始が遅れると、触
媒のウィンドウに制御するのが遅れるためためにエミッ
ションが悪化する。そのため、少しでも早くフィードバ
ック制御を開始することが要望されている。
【0004】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、空燃比センサの
冷間状態からの機関始動時において、空燃比フィードバ
ック制御の開始時期を早め、ドライバビリティを向上さ
せることができる内燃機関の空燃比制御装置を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の内燃機関の空燃比制御装置ではその前提と
して、電圧の印加に伴い内燃機関の空燃比に対応する電
流を出力する空燃比センサと、空燃比センサの電流出力
と目標とする空燃比相当の電流値との偏差に基づき、目
標空燃比に対して空燃比をフィードバック制御する空燃
比制御手段とを備える。
【0006】そして、請求項1に記載の発明ではその特
徴として、前記空燃比センサが活性前であって且つ実際
の空燃比がセンサ活性前の出力相当値と異なる場合に、
同センサの電流出力が初期状態の値から所定値以上変化
したか否かを判定する出力判定手段と、前記出力判定手
段によりセンサの電流出力が初期状態の値から所定値以
上変化した旨が判定された際に、空燃比フィードバック
制御を開始させるフィードバック開始手段とを備える。
【0007】要するに、本発明の空燃比センサの場合、
電圧を印加してもセンサ活性前(素子冷間時)にはセン
サ電流が出力されず(センサ電流=0アンペア)、勿論
空燃比フィードバック制御も実施できない。このとき、
例えば内燃機関の低温始動時における燃料増量等によ
り、センサ活性前に実際の空燃比がセンサ活性前の出力
相当値と異なっていれば(空燃比=リッチの場合)、空
燃比センサの活性化に伴ってセンサ電流が変化し始める
ことになる。従って、センサ電流の変化を一パラメータ
として空燃比フィードバック制御を開始するようにすれ
ば、空燃比センサの完全なる活性化を待たずに当該フィ
ードバック制御が適正時期に開始できるようになる。つ
まり、空燃比センサの冷間状態からの機関始動時におい
て、空燃比フィードバック制御の開始時期を早め、ドラ
イバビリティを向上させることができる。また、エミッ
ションへの悪影響も早期に解消できる。
【0008】より具体的な構成として、請求項2に記載
の発明では、空燃比センサの活性前にそのセンサ出力と
目標空燃比相当のセンサ出力とが略一致する場合におい
て、出力判定手段は、空燃比センサの電流出力が目標空
燃比相当の電流値より所定値以上変化したか否かを判定
する。つまり、目標空燃比を理論空燃比(λ=1.0)
とし、それに相当するセンサ電流を「0ミリアンペア」
とした場合、センサ電流の「0ミリアンペア」からの変
化量が所定値以上となれば、空燃比フィードバック制御
が開始されることになる。
【0009】上記請求項1又は請求項2に記載の発明で
は、請求項3に記載したように、出力判定手段によるセ
ンサ出力の判定値が、空燃比制御を実施するコントロー
ラの演算能力や空燃比センサの電流検出用回路の公差に
基づくフィードバック開始許可域内の最小値にて設定さ
れるとよい。すなわち、前記フィードバック開始許可域
とは、例えば図9の斜線領域にて設定されるものであ
り、同図の縦軸が空燃比制御を実施するコントローラの
演算能力や空燃比センサの電流検出用回路の公差に基づ
く精度パラメータである。この場合、センサ出力の判定
値(不活性からの電流変化の判定値)をフィードバック
開始許可域の最小値(すなわち、図9中の特性線La
上)にて設定すれば、適用対象の制御装置毎にフィード
バック制御の早期開始のための最適なる判定値が設定で
きるようになる。
【0010】請求項4に記載の発明では、空燃比センサ
の素子インピーダンスが所定の活性判定値よりも低い場
合に、空燃比フィードバック制御を実施させるようにし
ている。つまり、本構成では、空燃比センサの素子イン
ピーダンスを活性判定のための一パラメータとする。こ
の場合、例えば同センサに付設されるヒータへの供給電
力情報や機関排気ガスの熱量等を求め、それらから活性
状態を推測していた従来装置とは異なり、直接的に活性
状態が判定できるようになる。またこの素子インピーダ
ンスによる活性判定によれば、半活性状態から空燃比セ
ンサを使用する場合にも正確な活性判定が可能となる。
さらに、センサ不活性時の電流出力が目標空燃比相当の
電流値と一致する場合にも(例えば目標空燃比=ストイ
キで、不活性時出力が0ミリアンペアの場合)、そのセ
ンサ出力が活性・不活性のいずれによるものかが判定で
きる。
【0011】請求項5に記載の発明では、空燃比センサ
の活性状態及び半活性状態を識別する手段を備え、フィ
ードバック開始手段による空燃比フィードバック制御の
開始後において、空燃比制御手段による制御要素を空燃
比センサの活性又は半活性に応じて各個に設定するよう
にしている。具体的には、演算アルゴリズムにおけるF
/BゲインやF/B定数等をセンサの活性・半活性に応
じて個々に設定する。この場合、空燃比センサの活性完
了前の半活性状態において空燃比検出範囲が狭いこと
や、応答性が遅いことを認識しながらセンサ出力を使う
ことができ、空燃比フィードバックの制御性が向上す
る。
【0012】一方、空燃比センサの電流出力は、同セン
サの電流検出用回路の公差によりばらつき、同じ空燃比
でも回路の個体差によりばらつく。センサ出力がばらつ
くと所望の空燃比に制御できなくなり、エミッションの
悪化を招くおそれがある。そこで、請求項6に記載の発
明では、空燃比センサが不活性状態であるか否かを判定
するセンサ不活性判定手段と、空燃比センサの不活性状
態下において、同センサの電流検出用回路の公差を吸収
するよう空燃比センサの電流出力を学習する回路公差学
習手段と、前記学習された回路公差分だけ前記空燃比セ
ンサの電流出力を補正するセンサ出力補正手段とを備え
る。
【0013】つまり、上記のような回路公差は、センサ
不活性時のセンサ出力として現れる。この場合、センサ
不活性時のセンサ出力が既知であるとすれば、回路公差
分に相当する学習値が容易に求められ、その学習値をセ
ンサ出力に反映させることで回路公差分の無い正確なセ
ンサ出力が得られる。その結果、フィードバック制御の
開始当初における制御精度が向上する。また、回路公差
の影響によりフィードバック開始が遅れるといった不都
合も解消される。なお因みに、こうした回路公差対策と
して、燃料カット時の出力を学習して補正するものが知
られているが、燃料カット時の出力は制御しようとする
空燃比から大きく離れており公差学習の精度が低い。こ
れに対して上記構成では、公差学習の精度を高めること
ができる。
【0014】請求項7に記載したように、回路公差学習
手段による公差学習値を、その都度バックアップメモリ
に記憶保持するようにすれば、例えば個体差による回路
公差がある場合には公差学習を一度だけ実施すればよい
ことになる。従って、公差学習にかかる演算負荷が軽減
される。
【0015】請求項8に記載の発明では、センサ不活性
判定手段は、空燃比センサの素子インピーダンスが所定
値以上であること、若しくは空燃比センサに付設された
ヒータの抵抗値が所定値以下であることから、センサ不
活性状態を判定するものとしている。この場合、回路公
差学習の実施条件が制限されることにより、誤学習が防
止される。
【0016】請求項9に記載の発明では、空燃比センサ
の電流出力のレベルに応じて回路公差の学習を禁止する
学習禁止手段を備える。すなわち、回路公差の学習が適
正時にのみ実施されるようになり、かかる場合にも誤学
習が防止されるようになる。このとき、請求項9の学習
禁止手段は、 ・請求項10に記載したように、空燃比センサの電流出
力の変動が所定幅を越える場合に、前記回路公差の学習
を禁止したり、 ・請求項11に記載したように、空燃比センサの電流出
力が回路公差を越える電流レベルである場合に、前記回
路公差の学習を禁止したりするものであればよい。
【0017】請求項12に記載の発明では、空燃比セン
サの電流出力が回路公差の電流レベルを越える状態が所
定時間以上継続する場合に、同センサ或いは回路系の異
常が発生している旨を判定する異常判定手段を備える。
つまり、センサ異常や回路系異常が発生している場合に
は、設計上、許容される回路公差を越える電流値が出力
されることがある。そのため、かかる場合には異常発生
の旨を判定し、公差学習も停止する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内燃機関の空燃比
制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。
本実施の形態における空燃比制御装置ではその主たる構
成として、内燃機関の排気系通路の途中に三元触媒を有
し、その三元触媒の上流側には限界電流式の空燃比セン
サ(A/Fセンサ)が配設されている。そして、マイク
ロコンピュータを主体とする電子制御装置(以下、EC
Uという)は前記空燃比センサによる検出結果を取り込
み、当該ECUは前記センサの検出結果に基づいて空燃
比フィードバック制御を実施する。以下、図面を用いて
その詳細な構成を説明する。
【0019】図1は、本実施の形態における空燃比制御
装置が設けられた内燃機関とその周辺機器の概略構成図
である。図1に示すように、内燃機関は4気筒4サイク
ルの火花点火式エンジン(以下、単にエンジン1とい
う)として構成されている。その吸入空気は上流よりエ
アクリーナ2、吸気管3、スロットルバルブ4、サージ
タンク5及びインテークマニホールド6を通過して、イ
ンテークマニホールド6内で各気筒毎の燃料噴射弁7か
ら噴射された燃料と混合される。そして、所定空燃比の
混合気として各気筒に供給される。
【0020】また、エンジン1の各気筒に設けられた点
火プラグ8には、点火回路9から供給される高電圧がデ
ィストリビュータ10を介して分配供給され、点火プラ
グ8は前記各気筒の混合気を所定タイミングで点火す
る。燃焼後に各気筒から排出される排気ガスは、エキゾ
ーストマニホールド11及び排気管12を通過し、排気
管12に設けられた三元触媒13にて有害成分(CO、
HC、NOX 等) が浄化された後、大気に排出される。
【0021】前記吸気管3には吸気温センサ21及び吸
気圧センサ22が設けられ、吸気温センサ21は吸入空
気の温度(吸気温Tam)を、吸気圧センサ22はスロ
ットルバルブ4の下流側の吸入管内負圧(吸気圧PM)
をそれぞれ検出する。また、前記スロットルバルブ4に
は同バルブ4の開度(スロットル開度TH)を検出する
ためのスロットルセンサ23が設けられ、このスロット
ルセンサ23はスロットル開度THに応じたアナログ信
号を出力する。またこのスロットルセンサ23はアイド
ルスイッチをも内蔵しており、スロットルバルブ4が略
全閉である旨の検出信号を出力する。
【0022】また、エンジン1のシリンダブロックには
水温センサ24が設けられ、この水温センサ24はエン
ジン1内を循環する冷却水の温度(冷却水温Thw)を
検出する。前記ディストリビュータ10にはエンジン1
の回転数(エンジン回転数Ne)を検出するための回転
数センサ25が設けられ、この回転数センサ25はエン
ジン1の2回転、すなわち720°CA毎に等間隔で2
4個のパルス信号を出力する。
【0023】さらに、前記排気管12の三元触媒13の
上流側には、エンジン1から排出される排気ガスの酸素
濃度(或いは二酸化炭素濃度)に比例して広域で且つリ
ニアな空燃比信号λを出力する、限界電流式空燃比セン
サからなるA/Fセンサ26が設けられている。また、
三元触媒13の下流側には、空燃比が理論空燃比(λ=
1)に対してリッチかリーンかに応じた電圧VOX2を
出力する下流側O2 センサ27が設けられている。
【0024】なお、A/Fセンサ26の構成は周知であ
るため、ここでは図示を省略するが、それを略述すれ
ば、酸素濃度検出素子としての固体電解質層が断面カッ
プ状に形成され、その外表面には排気ガス側電極層が、
内表面には大気側電極層が固着されている。また、排気
ガス側電極層の外側には拡散抵抗層が形成されている。
ヒータ33は断面カップ状の大気側電極層内に収容され
ており、その発熱エネルギーによりセンサ本体をなす大
気側電極層、固体電極質層、排気ガス側電極層及び拡散
抵抗層を加熱する。ヒータ33は、センサ本体を活性化
するのに十分な発熱容量を有する。また、A/Fセンサ
26は酸素濃度を直線的特性にて検出し得るものである
が、このセンサ26を活性化するには約600℃以上の
高温が必要とされると共に、その活性温度範囲が狭いた
め、エンジン1の排気ガスのみによる加熱では同センサ
26を活性領域に制御できない。そのため、本実施の形
態では、後述するECU40によりヒータ33が加熱制
御され、A/Fセンサ26が所定の活性温度に保持され
るようになっている。
【0025】A/Fセンサ26の電圧−電流特性につい
て図2を用いて説明する。図2に示すように、A/Fセ
ンサ26が温度T=T1にて活性状態にあるとき、同図
の実線のように特性線L1が安定した出力を示す。かか
る場合、特性線L1の電圧軸Vに平行な直線部分がセン
サ26の限界電流を特定する。この限界電流の増減は空
燃比の増減(すなわち、リーン・リッチ)に対応してお
り、空燃比がリーン側になるほど限界電流は増大し、空
燃比がリッチ側になるほど限界電流は減少する。
【0026】また、この電圧−電流特性において電圧軸
Vに平行な直線部分よりも小さい電圧域は抵抗支配域と
なっており、その抵抗支配域における特性線L1の傾き
は、A/Fセンサ26における固体電解質層の内部抵抗
(以下、素子インピーダンスZdcという)により特定
される。素子インピーダンスZdcは温度変化に伴い変
化するため、素子温が低下するとZdc値の増大により
上記傾きが小さくなる。つまり、素子温TがT1よりも
低いT2にあるとき、電流−電圧特性は図2の破線で示
すように特性線L2でもって特定される。かかる場合、
特性線L2の電圧軸Vに平行な直線部分がT=T2にお
けるA/Fセンサ26の限界電流を特定するもので、こ
の限界電流は特性線L1による限界電流とほぼ一致して
いる。
【0027】そして、空燃比がリーンである場合におい
て、特性線L1では、A/Fセンサ26に正の電圧Vp
osを印加することにより、同センサ26に流れる電流
が電流値Iposとなる(図2の点Pa参照)。また、
A/Fセンサ26に負の電圧Vnegを印加することに
より、同センサ26に流れる電流が酸素濃度に依存せ
ず、温度のみに比例する負の電流値Inegとなる(図
2の点Pb参照)。
【0028】一方、図1のエンジン1の運転を制御する
ECU40は、主に燃料噴射制御や点火制御を司るマイ
クロコンピュータ(以下、マイコンと略す)50と、前
記A/Fセンサ26の駆動を制御するセンサ駆動部60
とに大別できる。マイコン50は、CPU(中央処理装
置)51、ROM(リードオンリメモリ)52、RAM
(ランダムアクセスメモリ)53、バックアップRAM
54等を中心に論理演算回路として構成され、前記した
各種センサの検出信号(吸気温Tam、吸気圧PM、ス
ロットル開度TH、冷却水温Thw、エンジン回転数N
e、空燃比信号等)を入力する。そして、それらの各値
に基づいて燃料噴射量TAU、点火時期Ig等の制御信
号を算出し、さらに、それら制御信号を燃料噴射弁7及
び点火回路9等にそれぞれ出力する。上記ECU40に
は、主電源たるバッテリ41が接続されている。
【0029】次に、センサ駆動部60の構成を図3を用
いて説明する。図3において、センサ駆動部60は、前
記マイコン50により制御されるバイアス制御回路62
を有し、これら両者の間にはA/D変換器63及びD/
A変換器64が配設されている。かかる場合、マイコン
50(CPU51)は、A/Fセンサ26の半活性状態
若しくは活性状態下において所望の空燃比を検出するた
めのバイアス指令信号VrをD/A変換器64に対して
出力し、D/A変換器64は、このバイアス指令信号V
rを電圧信号Vcにアナログ変換してそれをバイアス制
御回路62に出力する。バイアス制御回路62はその主
たる構成として、基準電圧回路65と、第1の電圧供給
回路66と、第2の電圧供給回路67と、電流検出回路
68とを備える。
【0030】以下には、バイアス制御回路62の各部の
構成を詳細に説明する。先ず、基準電圧回路65は一対
の分圧抵抗65a,65bを有し、これら分圧抵抗65
a,65bにより一定の基準電圧Vaを生成する。
【0031】第1の電圧供給回路66は電圧フォロア回
路にて構成され、基準電圧回路65の基準電圧Vaと同
じ電圧VaをA/Fセンサ26の一方の端子(大気側電
極層に接続される端子)69に供給する。より具体的に
は、第1の電圧供給回路66は、正側入力端子が前記各
分圧抵抗65a,65bの分圧点に接続されると共に負
側入力端子が前記の端子69に接続された演算増幅器6
6aと、演算増幅器66aの出力端子に一端が接続され
た抵抗66bと、この抵抗66bの他端にそれぞれベー
スが接続されたNPNトランジスタ66c及びPNPト
ランジスタ66dとを有する。NPNトランジスタ66
cのコレクタは定電圧電源Vccに接続され、エミッタ
は電流検出回路68を構成する電流検出抵抗68aを介
して前記端子69に接続されている。また、PNPトラ
ンジスタ66dのエミッタはNPNトランジスタ66c
のエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
【0032】第2の電圧供給回路67も同様に電圧フォ
ロア回路にて構成され、前記D/A変換器64の電圧信
号Vcと同じ電圧VcをA/Fセンサ26の他方の端子
(排気ガス側電極層に接続される端子)70に供給す
る。より具体的には、第2の電圧供給回路67は、正側
入力端子が前記D/A変換器64の出力に接続されると
共に負側入力端子が前記の端子70に接続された演算増
幅器67aと、演算増幅器67aの出力端子に一端が接
続された抵抗67bと、この抵抗67bの他端にそれぞ
れベースが接続されたNPNトランジスタ67c及びP
NPトランジスタ67dとを有する。NPNトランジス
タ67cのコレクタは定電圧電源Vccに接続され、エ
ミッタは抵抗67eを介して前記端子70に接続されて
いる。また、PNPトランジスタ67dのエミッタはN
PNトランジスタ67cのエミッタに接続され、コレク
タはアースされている。
【0033】上記構成により、A/Fセンサ26の一方
の端子69には常時、基準電圧Vaが供給される。そし
て、D/A変換器64を経由してA/Fセンサ26の他
方の端子70に供給される電圧Vcが前記基準電圧Va
よりも低ければ(Vc<Va)、当該A/Fセンサ26
が正バイアスされる。また、端子70に供給される電圧
Vcが前記基準電圧Vaよりも高ければ(Vc>V
a)、A/Fセンサ26が負バイアスされることにな
る。かかる場合、電圧の印加に伴い流れる限界電流(素
子電流)は電流検出抵抗68aの両端電圧差として検出
され、A/D変換器63を介してマイコン50に入力さ
れる。
【0034】次に、上記の如く構成される空燃比制御装
置の作用を説明する。図4は、センサ活性判定ルーチン
を示すフローチャートであり、同ルーチンは、所定周期
(本実施の形態では、128msec)のタイマ割り込
みにてマイコン50内のCPU51により実行される。
なお、本ルーチンでは、A/Fセンサ26の活性状態を
示すフラグとして、半活性フラグXF1と活性フラグX
F2とを用いる。詳細には、XF1=0はA/Fセンサ
26が「不活性状態」であることを表し、XF1=1は
同センサ26が「半活性状態」であることを表す。ま
た、XF2=0はA/Fセンサ26が「不活性又は半活
性状態」であることを表し、XF2=1は同センサ26
が「活性状態」であることを表す。因みに、これら各フ
ラグXF1,XF2は、IGキーのオン操作に伴い
「0」に初期化されるようになっている。
【0035】さて、図4のルーチンにおいて、CPU5
1は、先ずステップ101でセンサ系異常が発生してい
ないか否かを判別する。この判別に際し、断線やショー
ト等の故障が発生していないか、或いは後述のセンサ異
常フラグXFAILに「1」がセットされていないか等
がセンサフェイルコードにより確認される。センサ系異
常のない場合、CPU51はステップ102に進む。
【0036】CPU51は、ステップ102で素子イン
ピーダンスZdcがA/Fセンサ26の半活性状態を判
定するための所定の判定値(本実施の形態では、250
Ω〔オーム〕程度)以下であるか否かを判別する。ここ
で、素子インピーダンスZdcは、下記のように検出さ
れるようになっている。つまり、素子インピーダンスZ
dcの検出時には、図8に示すように、A/Fセンサ2
6の印加電圧を一時的に正方向及び負方向に変化させ
る。そして、この電圧変化時における正負いずれか一方
の電圧変化量ΔVと電流変化量ΔIとから素子インピー
ダンスZdcを算出する(Zdc=ΔV/ΔI)。但
し、この算出法は一例であって、正負両側の電圧及び電
流の変化量に基づき素子インピーダンスZdcを検出し
たり、負の電圧Vnegを印加した時の素子電流Ine
gから素子インピーダンスZdcを検出したりしてもよ
い(Zdc=Vneg/Ineg)。
【0037】Zdc>250Ωであり前記ステップ10
2が否定判別された場合、CPU51はステップ103
に進んで活性フラグXF2が「0」であるか否かを判別
する。この場合、例えばエンジン1の低温始動時等、素
子温が低い場合には、XF2=0である旨が判別され、
CPU51は、ステップ105で半活性フラグXF1を
「0」に、続くステップ106で活性フラグXF2を
「0」にした後、本ルーチンを一旦終了する。
【0038】また、前記ステップ103が否定判別され
る場合、すなわちZdc>250Ωで且つXF2=1の
場合には、センサ活性後に何らかの異常により素子温が
低下して素子インピーダンスZdcが上昇したと考えら
れ、CPU51はステップ104でセンサ異常フラグX
FAILに「1」をセットした後、ステップ105,1
06で半活性及び活性フラグXF1,XF2を共に
「0」にクリアする。すなわち、CPU51は、センサ
故障であるとみなす。
【0039】一方、Zdc≦250Ωとなり、ステップ
102が肯定判別されると、CPU51はステップ10
7に進み、素子インピーダンスZdcがA/Fセンサ2
6の活性状態を判定するための所定の判定値(本実施の
形態では、90Ω程度)以下であるか否かを判別する。
この場合、Zdc≦90Ωであれば、センサ活性化が完
了したとみなされ、CPU51はステップ108に進ん
で活性フラグXF2に「1」を設定し、その後本ルーチ
ンを終了する。
【0040】また、Zdc>90Ωであれば、CPU5
1はステップ109に進み、活性フラグXF2が「0」
であるか否かを判別する。このとき、センサ活性前であ
ればステップ109が肯定判別されるが、一旦活性化し
た後に、何らかの異常により素子温が低下して素子イン
ピーダンスZdcが上昇したような場合には、ステップ
109が否定判別され、CPU51は、ステップ104
でセンサ異常フラグXFAILに「1」をセットする。
また、続くステップ105,106で半活性及び活性フ
ラグXF1,XF2を共に「0」にクリアする。
【0041】素子インピーダンスZdcが90〜250
Ωの範囲内にあり(ステップ102がYES、ステップ
107がNO)、且つ前記ステップ109が肯定判別さ
れると、CPU51は、ステップ110でその時の目標
空燃比λTG(目標とする空燃比相当の空気過剰率)が
所定範囲内にあるか否かを判別する。この処理は、目標
空燃比λTGがセンサ不活性時の素子電流のλ相当値に
略一致するものであるか否かを判別するものであり、本
実施の形態では目標空燃比λTGを「1.0」としてい
ることから、上記所定範囲を「0.98〜1.02」に
設定している。この処理は後述のステップ112での判
別に反映されることになる。すなわち、ステップ110
は、センサ活性前に素子電流と目標空燃比相当のセンサ
出力とが略一致するか否かを判別する処理である。
【0042】そして、CPU51は、ステップ110を
否定判別すると、ステップ105,106で半活性及び
活性フラグXF1,XF2を共に「0」にクリアする。
また、CPU51は、ステップ110を肯定判別する
と、ステップ111で半活性フラグXF1が「0」であ
るか否かを判別する。この場合、XF1=1であればそ
のまま本ルーチンを終了し、XF1=0であればステッ
プ112に進む。CPU51は、ステップ112で目標
空燃比λTGとA/Fセンサ26による素子電流のλ変
換値との差の絶対値について、 |λTG−素子電流のλ変換値|≧0.02 の不等式が成立するか否かを判別する。素子電流のλ変
換値とは、例えば図11のマップにて変換されたλ値で
ある。
【0043】そして、ステップ112が否定判別されれ
ば、CPU51は前記ステップ105,106に進み、
ステップ112が肯定判別されれば、ステップ113に
進んで半活性フラグXF1に「1」をセットし、その後
本ルーチンを終了する。ここで、ステップ112の処理
は、A/Fセンサ26の素子電流が空燃比F/B制御に
使用できるか否かを判別するものであり、|λTG−素
子電流のλ変換値|の判定値である「0.02」とは、
例えば図9に示す特性に従い設定されるようになってい
る。
【0044】図9では、縦軸がCPU51の桁落ち、A
/D変換のLSB、回路公差といった各種の精度パラメ
ータを表し、縦軸のパラメータが大きくなるほど制御装
置が高精度・高性能であることを示す。横軸は|λTG
−素子電流のλ変換値|の判定値を表す。このとき、同
図中の斜線領域は、後述する空燃比F/B制御が実施可
能であると判断できる「F/B開始許可域」を表してお
り、当該領域を区画する特性線Laは、F/B開始を判
定するための|λTG−素子電流のλ変換値|の最小値
を特定する。つまり、本実施の形態では、図9の精度パ
ラメータを「A」とすることから、前記ステップ112
の判定値として「0.02」が与えられている。なお、
図中の特性線LbはA/Fセンサ26の活性完了時のF
/B制御可能域を表している。
【0045】従って、図9の特性線Laに基づく判定値
に従って半活性フラグXF1がセットされることで、A
/Fセンサ26の完全なる活性化を待たずに、空燃比F
/B制御がいち早く開始できるようになる(後述する図
5の燃料噴射制御ルーチンによる)。一方、より高精度
な制御装置を使うことで、精度パラメータが例えば図9
の「B」にまで高められれば、前記ステップ112の判
定値が例えば「0.015」となり、F/B制御の開始
がより一層早められることになる。
【0046】次に、本実施の形態における燃料噴射制御
ルーチンを図5のフローチャートを用いて説明する。本
ルーチンは、各気筒の燃料噴射に同期して(本実施形態
では180°CA毎に)、CPU51により実行され
る。
【0047】さて、上記ルーチンがスタートすると、C
PU51は、先ずステップ201でエンジン運転状態を
表す各種センサによる検出結果(エンジン回転数Ne、
吸気圧PM、冷却水温Thw等)を読み込み、続くステ
ップ202でROM52内に予め格納されている基本噴
射マップを用い、その時のエンジン回転数Ne及び吸気
圧PMに応じた基本噴射量Tpを算出する。また、CP
U51は、ステップ203で周知の空燃比F/B条件が
成立しているか否かを判別する。ここで、空燃比F/B
条件とは、冷却水温Thwが所定温度以上であること
や、高回転・高負荷状態でないことを含む。
【0048】また、CPU51は、ステップ204で前
記図4のルーチンにて操作された半活性フラグXF1が
「1」であるか否か、或いは活性フラグXF2が「1」
であるか否かを判別する。このステップ204では、X
F1=1又はXF2=1のいずれかであれば、同ステッ
プが肯定判別される。
【0049】この場合、ステップ203,204のいず
れかが否定判別されれば、CPU51はステップ205
に進んで、フィードバック補正係数FAFを「1.0」
とする。つまり、FAF=1.0となることは、空燃比
がオープン制御されることと同意である。また、ステッ
プ203,204が共に肯定判別されれば、CPU51
はステップ210に進んで、後述のFAF設定ルーチン
に従いフィードバック補正係数FAFを設定する。
【0050】FAF値の設定後、CPU51は、ステッ
プ206で次の(1)式を用い、基本噴射量Tp、フィ
ードバック補正係数FAF及びその他の補正係数FAL
L(水温、エアコン負荷等の各種補正係数)から最終の
燃料噴射量TAUを算出する。
【0051】 TAU=Tp・FAF・FALL …(1) 燃料噴射量TAUの算出後、CPU51は、本ルーチン
を一旦終了する。次に、上記ステップ210の処理に相
当するFAF設定ルーチンについて、図6及び図7を用
いて説明する。ここで、本実施の形態では、現代制御理
論に基づく空燃比F/B制御を実施するようにしてい
る。つまり、現代制御理論を用いて空燃比フィードバッ
ク制御を実施する際には、A/Fセンサ26の検出結果
を目標空燃比に一致させるためのフィードバック補正係
数FAFを次の式(2),(3)を用いて算出する。な
お、このフィードバック補正係数FAFの設定手順につ
いては特開平1−110853号公報に開示されてい
る。
【0052】 FAF=K1 ・λ+K2 ・FAF1 + ・・・+Kn+1 ・FAFn +ZI …(2) ZI=ZI1 +Ka・(λTG−λ) …(3) 上記式(2),(3)において、λはA/Fセンサ26
による素子電流の空燃比変換値を、K1 〜Kn+1 はF/
B定数を、ZIは積分項を、Kaは積分定数をそれぞれ
に表す。また、添字iはサンプリング開始からの制御回
数を示す変数である。但し、F/B定数について以下の
記載では、センサ活性時に用いるのであれば「活性F/
B定数K1 〜Kn+1 」と記し、センサ半活性時に用いる
のであれば「半活性F/B定数K1 ’〜Kn+1 ’」と記
すこととする。
【0053】さて図6において、CPU51は、先ずス
テップ211〜213で活性フラグXF2及び半活性フ
ラグXF1の操作状態を順を追って判別する(因みに、
図6のルーチンが実行される際には、前記図5のステッ
プ204がYESであり、XF1,XF2のいずれかが
「1」となっている)。具体的には、 ・ステップ211では、活性フラグXF2が「0」から
「1」に操作されたタイミングであるか否かを、 ・ステップ212では、半活性フラグXF1が「0」か
ら「1」に操作されたタイミングであるか否かを、 ・ステップ213では、活性フラグXF2が「1」であ
るか否かを、 それぞれに判別する。
【0054】そして、ステップ211が肯定判別されれ
ば、CPU51は、ステップ214で活性F/B定数K
1 〜Kn を設定した後、ステップ218に進む。また、
ステップ212が肯定判別されれば、CPU51は、ス
テップ215で半活性F/B定数K1 ’〜Kn ’を設定
した後、ステップ218に進む。この場合、活性F/B
定数K1 〜Kn と、半活性F/B定数K1 ’〜Kn ’と
を比較すれば、後者の方が燃料噴射量の補正度合が小さ
くなるよう各定数がそれぞれに設定される。これは、セ
ンサ活性の完了前の応答性を考慮しているためである
(但し設計思想によっては、逆に設定することも可能で
ある)。
【0055】ステップ214,215でのF/B定数の
設定後において、CPU51は、ステップ218で次の
式(4)を用いて積分項ZIを逆演算する。 ZI=1.0−(K1 ・λ+K2 ・FAF1 + ・・・+Kn+1 ・FAFn ) …(4) 一方、ステップ213が肯定判別された場合(すなわ
ち、XF2=1の場合)、CPU51は、ステップ21
6で活性F/B定数K1 〜Kn を設定し、ステップ21
3が否定判別された場合(すなわち、XF1=1の場
合)、CPU51は、ステップ215で半活性F/B定
数K1 ’〜Kn ’を設定する。
【0056】その後、CPU51は、ステップ219で
前記式(2)に基づきFAF値を演算する。このとき、
半活性又は活性フラグXF1,XF2の「0」から
「1」への操作時(ステップ211,212がYESの
時)には、前記(4)式を用いて積分項ZIが算出され
るのに対し、それ以外の時には、前記(3)式を用いて
積分項ZIが算出され、こうして算出された積分項ZI
が式(2)によるFAF値の演算の適用される。
【0057】FAF値の算出後、CPU51は図7のス
テップ220に進み、素子インピーダンスZdcに応じ
たFAFガード値を設定する。このFAFガード値は、
例えば図10のように設定されるものであって、FAF
値の基準値(=1.0)に対して所定幅を有する上限ガ
ード値及び下限ガード値が設定される。上限及び下限ガ
ード値の間がフィードバック範囲となる。
【0058】その後、CPU51は、ステップ221で
前記演算したFAF値が上限ガード値を越える値である
か否かを判別し、FAF値>上限ガード値であればステ
ップ222でFAF値を上限ガード値にて制限する(F
AF値=上限ガード値)。また、CPU51は、続くス
テップ223で上限ガード値に対応する積分項ZIを次
の式(5)により算出する。
【0059】 ZI=上限ガード値−(K1 ・λ+K2 ・FAF1 + ・・・+Kn+1 ・FAFn ) …(5) 積分項ZIの算出後、CPU51は、前記図5のルーチ
ンに戻る。なおステップ223で算出した積分項ZI
は、次回のFAF値の演算に反映されることになる。
【0060】また、ステップ221が否定判別された場
合、CPU51は、ステップ224で前記演算したFA
F値が下限ガード値未満の値であるか否かを判別し、F
AF値<上限ガード値であればステップ225でFAF
値を下限ガード値にて制限する(FAF値=下限ガード
値)。また、CPU51は、続くステップ226で下限
ガード値に対応する積分項ZIを次の式(6)により算
出する。
【0061】 ZI=下限ガード値−(K1 ・λ+K2 ・FAF1 + ・・・+Kn+1 ・FAFn ) …(6) 積分項ZIの算出後、CPU51は、前記図5のルーチ
ンに戻る。なおステップ226で算出した積分項ZI
は、次回のFAF値の演算に反映されることになる。ス
テップ221,224が共に否定判別された場合には、
そのまま本ルーチンを終了する。
【0062】なお本実施の形態では、前記図4のルーチ
ンのステップ112により請求項記載の出力判定手段が
構成され、同ステップ113及び前記図5のルーチンに
よりフィードバック開始手段が構成されている。また、
図5のルーチンにより空燃比制御手段が構成されてい
る。
【0063】図12は、上記作用をより具体的に説明す
るためのタイムチャートであり、本チャートではA/F
センサ26が不活性状態(冷間状態)から活性状態に移
行する期間について、空燃比F/B制御に関する各種パ
ラメータの挙動を示す。
【0064】さて、図12において、時間t0はエンジ
ン1の低温始動開始のタイミングであり、かかるタイミ
ングではA/Fセンサ26が不活性状態であるため、素
子インピーダンスが250Ωを越える値になっている。
また、このエンジン始動時には、燃料噴射量の暖機増量
のためにλ(実空燃比)がリッチ側に大きく振られてい
るのに対し、A/Fセンサ26の素子電流がλ=1に相
当する「0mA」となっている。
【0065】そして、時間t1では、センサ素子部の温
暖化により素子インピーダンスが250Ωに達する。こ
のセンサ素子部の温暖化に伴い、時間t1付近から素子
電流が次第に流れ始める。なおこのとき、目標空燃比λ
TGは「1.0」であり、前記図4のステップ110で
は、「0.98<λTG<1.02」の旨が判別される
(同ステップがYES)。
【0066】その後、時間t2では、|λTG−素子電
流のλ変換値|で求められる偏差が所定の判定値「0.
02」を越え(図4のステップ112がYES)、それ
に伴い半活性フラグXF1に「1」がセットされる(図
4のステップ113)。この半活性フラグXF1のセッ
ト時には、前記図5の燃料噴射制御ルーチンにおいてス
テップ204がYESとなり、現代制御理論に基づく空
燃比F/B制御が開始されることになる(但し、空燃比
F/B条件は成立しているものとする)。空燃比F/B
制御の開始に伴い、λ(実空燃比)がλTG(目標空燃
比)に一致するようFAF値が設定される。
【0067】そして、時間t3では、素子インピーダン
スが90Ω以下となり(図4のステップ107がYE
S)、活性フラグXF2に「1」がセットされる(図4
のステップ108)。この活性フラグXF2のセットに
伴い、空燃比F/B制御でのF/B定数が「K1 ’〜K
n ’」から「K1 〜Kn 」に切り換えられる(前記図6
のルーチン)。それ以降、CPU51は、活性F/B定
数K1 〜Kn を用いた空燃比F/B制御を実施する。
【0068】一方、ECU40で検出するセンサ出力
(素子電流)は、ECU40のセンサ出力受回路の公差
(センサ駆動部60の電流検出回路68等の公差)によ
りばらつき、同じA/FでもECU40の個体差により
ばらつく。A/Fセンサの出力がばらつくと所望の空燃
比に制御できなくなり、エミッションの悪化を招くおそ
れがある。そこで本実施の形態では、以下の手順に従い
回路公差を学習し、出力ばらつきを解消する。
【0069】図13及び図14は、CPU51が実行す
る素子電流回路の公差学習ルーチンを示すフローチャー
トであり、同ルーチンは所定周期(本実施の形態では、
4msec毎)のタイマ割り込みにより起動される。こ
の回路公差学習の処理では、回路公差を吸収するための
回路公差学習項が求められ、当該学習項によりA/Fセ
ンサ26により検出される素子電流値がその都度補正さ
れるようになる。
【0070】公差学習ルーチンにおいて、CPU51
は、先ず図13のステップ301でセンサ系異常が発生
していないか否かを判別する。この処理は、前記図4の
ルーチンでのセンサ異常フラグXFAILや後述の異常
判定フラグやその他の異常情報が無いか否かを判別する
ものであって、異常有りの場合、ステップ301が否定
判別される。そして、CPU51は、ステップ302で
回路公差学習項を「0」とすると共に、続くステップ3
03で学習カウンタを「0」にクリアし、その後本ルー
チンを終了する。つまり、センサ系異常時には回路公差
の学習を実施しない。
【0071】センサ系異常の無い場合、CPU51は、
ステップ304で学習済フラグが「0」であるか否かを
判別し、学習済フラグ=0であれば続くステップ305
に進む。CPU51は、ステップ305及び306でA
/Fセンサ26が冷間状態であって不活性であることの
判別を行う。つまり、ステップ305では、素子インピ
ーダンスが400Ω以上であるか否かを判別し、ステッ
プ306では、初期ヒータ抵抗が1.2Ω以下であるか
否かを判別する。ここで、初期ヒータ抵抗は、エンジン
始動時におけるヒータ電圧とヒータ電流とから算出され
る(初期ヒータ抵抗=ヒータ電圧/ヒータ電流)。ステ
ップ305,306のいずれかが否定判別された場合、
本ルーチンがそのまま終了される。
【0072】また、ステップ305,306が共に肯定
判別された場合、CPU51はステップ307に進み、
現在の素子電流の絶対値が所定値(本実施の形態では、
0.5mA)以下であるか否かを判別する。この処理
は、センサ出力である素子電流のばらつきが所定の許容
範囲(回路公差等のばらつきの許容最大値〜許容最小
値)内にあるかどうかを判別するものであり、センサ不
活性時の素子電流が±0.5mAの範囲外となる場合に
は、何らかの異常発生であるみなされる。このとき、|
素子電流|≦0.5mAであれば、CPU51は図14
のステップ308に進み、|素子電流|>0.5mAで
あれば、図14のステップ314に進む。
【0073】ステップ308では、CPU51は前回の
素子電流と今回の素子電流との差の絶対値について、 |前回の素子電流−今回の素子電流|≦0.02mA の不等式が成立するか否かを判別する。
【0074】ステップ308が否定判別されれば、CP
U51は素子電流の変動が微小であるとしてステップ3
09に進み、学習カウンタを「0」にクリアした後、本
ルーチンを終了する。また、ステップ308が肯定判別
されれば、CPU51はステップ310で学習カウンタ
を「1」インクリメントする。その後、CPU51は、
学習カウンタの値が所定値(本実施の形態では、12
5)以上であることを条件に(ステップ311がYE
S)、ステップ312でその時の素子電流なまし値を回
路公差学習項としてバックアップRAM54に記憶させ
る。素子電流なまし値の算出手順については後述する。
さらに、CPU51は、ステップ313で学習済フラグ
に「1」をセットした後、本ルーチンを終了する。
【0075】一方、前記図13のステップ307が否定
判別されて図14のステップ314に進んだ場合、何ら
かの異常が発生していると考えられる。そこで、CPU
51は、ステップ314で学習カウンタを「0」にクリ
アすると共に、続くステップ315で異常カウンタを
「1」インクリメントする。また、CPU51は、異常
カウンタの値が所定値(本実施の形態では、20)以上
であることを条件に(ステップ316がYES)、ステ
ップ317で異常判定フラグに「1」をセットする。異
常判定フラグの操作後、CPU51は本ルーチンを終了
する。
【0076】図15は、素子電流なまし処理ルーチンを
示すフローチャートであり、同ルーチンは所定周期(例
えば、4mec毎)のタイマ割り込みにより起動され
る。図15において、CPU51は、ステップ401で
A/Fセンサ26により検出された素子電流を取り込
み、続くステップ402で今回が素子電流の初回取り込
み時であるか否かを判別する。素子電流の初回取り込み
時であれば、CPU51は、ステップ403でその時取
り込んだ素子電流を素子電流なまし値としてRAM53
に一時記憶させる。
【0077】また、素子電流の初回取り込み時でなけれ
ば、CPU51は、ステップ404で次の式(7)に基
づき素子電流なまし値を算出する。 素子電流なまし値=(1/n)・素子電流 +{(n−1)/n}・前回のなまし値 …(7) 素子電流なまし値の算出後、CPU51は、当該算出値
をRAM53に一時記憶させる。
【0078】図16は、A/Dルーチンを示すフローチ
ャートであり、同ルーチンは所定周期(例えば、4me
c毎)のタイマ割り込みにより起動される。このA/D
ルーチンでは、前記図13,14のルーチンで算出した
回路公差学習項が素子電流の検出値に反映されること
で、より正確なλ値(空燃比)が求められるようにな
る。
【0079】つまり、図16において、CPU51は、
ステップ501でA/Fセンサ26により検出された素
子電流を取り込む。続くステップ502では、CPU5
1はその時の素子電流から回路公差学習項を減算し、減
算後の値を新規な素子電流とする(素子電流=素子電流
−回路公差学習項)。また、CPU51は、ステップ5
03で例えば図11のマップを参照して素子電流に対応
するλ値(空燃比)を算出する。
【0080】なお本実施の形態では、前記図13のステ
ップ305,306により請求項記載のセンサ不活性判
定手段が構成され、同ステップ307及び前記図14の
ステップ308により学習禁止手段が構成されている。
また、図14のステップ308〜312により回路公差
学習手段が構成され、前記図16のステップ502によ
りセンサ出力補正手段が構成されている。
【0081】図17は、回路公差学習に関するタイムチ
ャートである。同図では、A/Fセンサ26の不活性状
態(冷間状態)からの挙動を示しており、通電開始当初
は素子インピーダンスが400Ω以上で、且つヒータ抵
抗が1.2Ω以下になっている(図13のステップ30
5,306が共にYES)。
【0082】また、通電開始当初にはセンサ不活性にも
かかわらず、回路公差に相当する電流値が計測される。
このとき、素子電流の前回値と今回値と差分が微小であ
るため、その時のセンサ出力値が回路ばらつき(センサ
ばらつき)によるものであると判断される(図14のス
テップ308がYES)。この状態が所定期間継続する
と、回路公差学習項が算出される(図14のステップ3
12)。因みに、素子電流は異常判定するためのしきい
値(±0.5mA)を越えることはないため(図13の
ステップ307がYES)、異常判定フラグは「0」の
まま保持される。
【0083】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
の効果が得られる。 (a)本実施の形態では、A/Fセンサ26が活性前で
あって且つ実際の空燃比がセンサ活性前の出力相当値と
異なる場合、すなわち例えばエンジン低温始動時におけ
る燃料増量等により空燃比=リッチの場合に、素子電流
(センサ出力)のλ変換値と目標空燃比λTGとの差が
所定の判定値以上となったか否かを判定し(図4のステ
ップ112)、その判定が肯定されれば空燃比F/B制
御を開始させるようにした。この場合、A/Fセンサ2
6の完全なる活性化を待たずに空燃比F/B制御が適正
時期に開始でき、A/Fセンサ26の冷間状態(不活性
状態)からのエンジン始動時において、空燃比F/B制
御の開始時期を早めてドライバビリティを向上させるこ
とができる。また、エミッションへの悪影響も早期に解
消できる。
【0084】(b)F/B開始を許可するための判定値
を、CPU51の演算能力や電流検出用回路68の公差
に基づく精度パラメータに対応するF/B開始許可域の
最小値にて設定した(図9参照)。この場合、適用対象
のECU毎にF/B制御の早期開始のための最適なる判
定値が設定できるようになる。
【0085】(c)また本実施の形態では、上記(a)
によるF/B開始の適否判定に加え、A/Fセンサ26
の素子インピーダンスに基づきF/B開始の適否を判定
するようにした(図4のステップ102,107)。つ
まり、素子インピーダンスに応じてセンサ活性状態を判
定するようにした。この場合、センサ活性状態が直接的
に判定でき、半活性状態から同センサ26を使用する場
合にも正確な活性判定が可能となる。さらに、センサ不
活性時の電流出力が目標空燃比相当の電流値と一致する
場合(例えば目標空燃比=ストイキで、不活性時出力が
0ミリアンペアの場合)にも、そのセンサ出力が活性・
不活性のいずれによるものかが判定できる。
【0086】(d)さらに、空燃比F/B制御の開始後
において、空燃比制御の演算アルゴリズムにおけるF/
B定数等をセンサ26の活性・半活性に応じて個々に設
定するようにした(図6のステップ214〜217)。
そのため、センサ活性前の半活性状態において空燃比検
出範囲が狭いことや、応答性が遅いことを認識しながら
センサ出力を使うことができ、空燃比F/Bの制御性が
向上する。
【0087】(e)A/Fセンサ26の不活性状態下に
おいて、同センサ26の電流検出用回路の公差を吸収す
るよう素子電流を学習し、その学習結果によりセンサ出
力を補正するようにした(図13〜図16のルーチ
ン)。かかる場合、回路公差によるセンサ出力のばらつ
きが解消され、F/B制御の開始当初における制御精度
が向上する。また、回路公差の影響によりF/B開始が
遅れるといった不都合も解消される。
【0088】(f)回路公差の学習時において、回路公
差学習項をその都度バックアップRAM54に記憶保持
するようにしたため、例えば個体差による回路公差があ
る場合には公差学習を一度だけ実施すればよいことにな
る。従って、公差学習にかかる演算負荷が軽減される。
【0089】(g)さらに本実施の形態では、以下の構
成により回路公差の誤学習が防止できる。つまり、 ・A/Fセンサ26の素子インピーダンスが所定値以上
である時、若しくはヒータ抵抗が所定値以下である時に
のみ(図13のステップ305,306がYESの場
合)、回路公差の学習を行うようにしたこと、 ・素子電流が回路公差を越える所定の電流レベルである
場合(図13のステップ307がNOの場合)や、素子
電流の変動が所定幅を越える場合(図14のステップ3
08がNOの場合)には、回路公差の学習を禁止するよ
うにしたこと、 ・素子電流が回路公差の電流レベルを越える状態が所定
時間以上継続する場合には、同センサ或いは回路系の異
常が発生している旨を判定し(図14のステップ315
〜317)、公差学習を停止するようにしたこと、 といった各々の構成により回路公差の誤学習が防止でき
るようになる。
【0090】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて実現できる。上記実施の形態の図4のルー
チンでは、ステップ112において空燃比の偏差に基づ
きF/B開始の適否を判定していたが、素子電流の偏差
に基づきF/B開始の適否を判定するように変更しても
よい。つまり、同図のステップ112において、その時
の素子電流と目標空燃比相当の電流値との差の絶対値が
所定の判定値を越えた際に、空燃比F/Bを開始させる
ようにしてもよい。このことは既述の実施の形態と実質
上同意である。
【0091】また、図4のルーチンでは、素子電流のλ
変換値と目標空燃比λTGとの差に基づきF/B開始の
適否を判定する際に、その判定値を図9のF/B開始許
可域の最小値としたが、この構成を変更してもよい。上
記判定値は例えば図9のF/B開始許可域内であればよ
く、図9の特性線Lbよりも左側領域であれば従来装置
よりも早いF/B開始が可能となる。
【0092】上記実施の形態の装置では、センサ不活性
時においてA/Fセンサ26の素子電流が目標空燃比で
あるストイキでの相当値(0アンペア)に一致していた
が、これとは異なる構成の装置を具体化してもよい。例
えばセンサ不活性時の素子電流(0アンペア)が所定の
リーン空燃比に相当するものであってもよい。
【0093】上記実施の形態では、FAF値の設定に際
し、図6及び図7のフローチャートに示す設定手順に従
ったが、これを変更してもよい。例えば活性と半活性と
の識別をなくし、いずれの場合にも同様のF/B定数を
設定するようにしてもよい。また、FAF値を上限又は
下限ガード値にて制限する処理を削除し、演算負荷の簡
素化を図るようにしてもよい。
【0094】上記実施の形態における図13及び図14
の回路公差学習ルーチンにおいて、ステップ307,3
14〜317の処理を削除し、演算処理の簡素化を図る
ようにしてもよい。また公差学習に関する一連の処理
(図の13〜図16の処理)を省略して具体化すること
も可能である。
【0095】また、上記実施の形態では、空燃比F/B
制御に際し現代制御理論に基づく制御手法を用いたが、
これを変更してもよい。例えば、上記現代制御理論に基
づく制御手法とPI制御又はPID制御手法とを組み合
わせて選択的に実施するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における内燃機関の空燃比制
御装置の概要を示す構成図。
【図2】A/Fセンサの出力特性を説明するためのV−
I特性図。
【図3】センサ駆動部の詳細な構成を示す回路図。
【図4】センサ活性判定ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図5】燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図6】FAF設定ルーチンを示すフローチャート。
【図7】図6に続き、FAF設定ルーチンを示すフロー
チャート。
【図8】素子インピーダンスの検出法の一例を説明する
ための波形図。
【図9】目標空燃比と素子電流のλ変換値との差の絶対
値、及び精度パラメータに対応するF/B開始許可域を
示すマップ。
【図10】素子インピーダンスに応じたFAFガード値
を設定するためのマップ。
【図11】素子電流をλ変換するためのマップ。
【図12】A/Fセンサが不活性状態から活性状態へ移
行する期間において、空燃比F/B制御に関する各種パ
ラメータの挙動を示すタイムチャート。
【図13】素子電流回路の公差学習ルーチンを示すフロ
ーチャート。
【図14】図13に続き、素子電流回路の公差学習ルー
チンを示すフローチャート。
【図15】素子電流なまし処理ルーチンを示すフローチ
ャート。
【図16】A/Dルーチンを示すフローチャート。
【図17】回路公差学習に関するタイムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、26…A/Fセンサ(限界
電流式空燃比センサ)、40…コントローラとしてのE
CU(電子制御装置)、50…マイコン(マイクロコン
ピュータ)、51…空燃比制御手段,出力判定手段,フ
ィードバック開始手段,センサ不活性判定手段,回路公
差学習手段,センサ出力補正手段,学習禁止手段を構成
するCPU、54…バックアップメモリとしてのバック
アップRAM、60…電流検出用回路を構成するセンサ
駆動部、68…電流検出用回路を構成する電流検出回
路。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧の印加に伴い内燃機関の空燃比に対応
    する電流を出力する空燃比センサと、 空燃比センサの電流出力と目標とする空燃比相当の電流
    値との偏差に基づき、目標空燃比に対して空燃比をフィ
    ードバック制御する空燃比制御手段とを備えた内燃機関
    の空燃比制御装置において、 前記空燃比センサが活性前であって且つ実際の空燃比が
    センサ活性前の出力相当値と異なる場合に、同センサの
    電流出力が初期状態の値から所定値以上変化したか否か
    を判定する出力判定手段と、 前記出力判定手段によりセンサの電流出力が初期状態の
    値から所定値以上変化した旨が判定された際に、空燃比
    フィードバック制御を開始させるフィードバック開始手
    段とを備えることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記空燃比センサの活性前にそのセンサ出
    力と目標空燃比相当のセンサ出力とが略一致する場合に
    おいて、前記出力判定手段は、空燃比センサの電流出力
    が目標空燃比相当の電流値より所定の偏差以上変化した
    か否かを判定する請求項1に記載の内燃機関の空燃比制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記出力判定手段によるセンサ出力の判定
    値は、空燃比制御を実施するコントローラの演算能力や
    前記空燃比センサの電流検出用回路の公差に基づくフィ
    ードバック開始許可域内の最小値にて設定されることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の空
    燃比制御装置。
  4. 【請求項4】前記空燃比センサの素子インピーダンスを
    検出する手段を備え、 前記検出される素子インピーダンスが所定の活性判定値
    よりも低い場合に、前記空燃比フィードバック制御を実
    施させるようにした請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】前記空燃比センサの活性状態及び半活性状
    態を識別する手段を備え、 前記フィードバック開始手段による空燃比フィードバッ
    ク制御の開始後において、前記空燃比制御手段による制
    御要素を空燃比センサの活性又は半活性に応じて各個に
    設定する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の内燃機
    関の空燃比制御装置。
  6. 【請求項6】前記空燃比センサが不活性状態であるか否
    かを判定するセンサ不活性判定手段と、 前記空燃比センサの不活性状態下において、同センサの
    電流検出用回路の公差を吸収するよう空燃比センサの電
    流出力を学習する回路公差学習手段と、 前記学習された回路公差分だけ前記空燃比センサの電流
    出力を補正するセンサ出力補正手段とを備えることを特
    徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の内燃機
    関の空燃比制御装置。
  7. 【請求項7】前記回路公差学習手段による公差学習値
    を、その都度バックアップメモリに記憶保持するように
    した請求項6に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  8. 【請求項8】前記センサ不活性判定手段は、前記空燃比
    センサの素子インピーダンスが所定値以上であること、
    若しくは空燃比センサに付設されたヒータの抵抗値が所
    定値以下であることから、センサ不活性状態を判定する
    ものである請求項6又は請求項7に記載の内燃機関の空
    燃比制御装置。
  9. 【請求項9】前記空燃比センサの電流出力のレベルに応
    じて前記回路公差学習手段による回路公差の学習を禁止
    する学習禁止手段を備える請求項6〜請求項8のいずれ
    かに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の内燃機関の空燃比制御
    装置において、 前記学習禁止手段は、前記空燃比センサの電流出力の変
    動が所定幅を越える場合に、前記回路公差の学習を禁止
    する内燃機関の空燃比制御装置。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の内燃機関の空燃比制御
    装置において、 前記学習禁止手段は、前記空燃比センサの電流出力が回
    路公差を越える電流レベルである場合に、前記回路公差
    の学習を禁止する内燃機関の空燃比制御装置。
  12. 【請求項12】前記空燃比センサの電流出力が回路公差
    の電流レベルを越える状態が所定時間以上継続する場合
    に、同センサ或いは回路系の異常が発生している旨を判
    定する異常判定手段を備える請求項6〜請求項11のい
    ずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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