JP3770417B2 - 触媒劣化検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン始動後に排出ガス浄化用の触媒の暖機を促進する触媒暖機制御を行うシステムにおいて、触媒劣化を検出する機能を備えた触媒劣化検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の排出ガス浄化システムでは、触媒が劣化して排出ガス浄化能力が低下した状態で運転が続けられるのを防ぐため、触媒の劣化を検出する触媒劣化検出装置が開発されている(例えば特開平2−136538号公報や特開平3−253714号公報参照)。従来の触媒劣化検出装置は、いずれも触媒が活性化温度(一般には300〜400℃以上)に暖機された後の排出ガス浄化能力の低下から触媒の劣化を検出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジン始動後に触媒が活性化温度に暖機されるまでは、正常な触媒でも排出ガス浄化能力が低く、まして、劣化した触媒では、排出ガス浄化能力が更に低下して排出ガス中の有害成分(エミッション)が増加することになる。しかし、従来の触媒劣化検出方法では、いずれも触媒活性化後の排出ガス浄化能力の低下から触媒の劣化を検出するため、触媒活性化前のエミッション増加度合を考慮した触媒劣化検出を行うことは困難であり、触媒活性化前のエミッション増加により本来は劣化状態であると判定されるべき触媒が劣化無しと判定されるおそれがある。
【0004】
この対策として、本出願人は、先に出願した特願平7−23161号においてエンジン始動時から触媒が活性化するまでに必要とした熱量を始動時からの積算吸気量又は積算燃料量によって算出し、その熱量に基づいて触媒劣化を検出する装置を提案している。これは、触媒暖機時には、触媒は排気熱で加熱されると同時に、触媒内でのHC,COの酸化反応による反応熱によって触媒内部からも加熱されるが、触媒が劣化するに従って、触媒内部の反応熱が減少して、触媒の活性化が遅れ、触媒が活性化するまでに必要な排気熱量が増加するという原理を利用して触媒劣化を検出するものである。
【0005】
また、触媒活性化前のエミッションを低減するには、エンジン始動後に触媒をできるだけ短時間で暖機する必要があり、そのために、例えば特開昭55−161937号公報に示すように、エンジン始動後にエンジンの点火時期を遅角制御することで、排気温度を上昇させ、触媒の温度上昇を早める触媒暖機制御を実行するようにしたものがある。
【0006】
このような触媒暖機制御を行うシステムでは、触媒暖機制御が触媒活性化まで実行され続けた時と、何等かの原因でこの触媒暖機制御が禁止又は制限された時とでは触媒に与えられる熱量が異なる。このため、本出願人が先に出願した、熱量で触媒劣化を検出する装置では、触媒暖機制御が禁止又は制限された時に正確な劣化判定を行うことができないおそれがある。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、触媒暖機制御に左右されない触媒劣化検出を可能にする触媒劣化検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の触媒劣化検出装置によれば、エンジン始動後に触媒暖機手段により触媒の暖機を促進して、触媒活性化前のエミッションを低減すると共に、エンジン始動時から触媒が活性化するまでに必要とした熱量に基づいて触媒の劣化を劣化検出手段により検出することで、触媒活性化前のエミッション増加度合を考慮した触媒劣化検出を行う。この際、触媒暖機手段による触媒暖機制御が禁止されたときに劣化検出手段による触媒劣化検出を劣化検出禁止手段により禁止する。これにより、何等かの原因で触媒暖機制御が禁止された場合には、触媒劣化検出が禁止され、触媒劣化の誤検出が未然に防止される。
【0011】
また、請求項では、触媒暖機手段は、エンジンの点火時期を遅角制御することにより触媒の暖機を促進する。遅角制御により排出ガス温度を高めて触媒を効率良く暖機することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
《実施形態(1)》
以下、本発明の実施形態(1)を図1〜図18に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側には、吸気温度Tamを検出する吸気温センサ14と、吸入空気量QAを検出するエアフローメータ10とが設けられている。このエアフローメータ10の下流側には、スロットルバルブ15とスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。更に、スロットルバルブ15の下流側には、吸気管圧力PMを検出する吸気管圧力センサ17が設けられ、この吸気管圧力センサ17の下流側にサージタンク18が設けられている。このサージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が接続され、この吸気マニホールド19の各気筒の分岐管部にそれぞれ燃料を噴射するインジェクタ20が取り付けられている。
【0013】
また、エンジン11には各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21には、点火回路22で発生した高圧電流がディストリビュータ23を介して供給される。このディストリビュータ23には、720℃A(クランク軸2回転)毎に例えば24個のパルス信号を出力するクランク角センサ24が設けられ、このクランク角センサ24の出力パルス間隔によってエンジン回転数Neを検出するようになっている。また、エンジン11には、エンジン冷却水温Thwを検出する水温センサ38が取り付けられている。
【0014】
一方、エンジン11の排気ポート(図示せず)には、排気マニホールド25を介して排気管26(排気通路)が接続され、この排気管26の途中に、排出ガス中の有害成分(CO,HC,NOx等)を低減させる三元触媒等の触媒27が設けられている。この触媒27の上流側には、排出ガスの空燃比λに応じたリニアな空燃比信号を出力する上流側空燃比センサ28が設けられている。また、触媒27の下流側には、排出ガスの空燃比λが理論空燃比(λ=1)に対してリッチかリーンかによって出力電圧VOX2が反転する下流側酸素センサ29が設けられている。この下流側酸素センサ29には、該酸素センサ29の活性化を促進するためのヒータ39が内蔵されている。
【0015】
上述した各種のセンサの出力は電子制御回路30内に入力ポート31を介して読み込まれる。電子制御回路30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、CPU32、ROM33、RAM34、バックアップRAM35を備え、各種センサ出力から得られたエンジン運転状態パラメータを用いて燃料噴射量TAUや点火時期Ig等を演算し、その演算結果に応じた信号を出力ポート36からインジェクタ20や点火回路22に出力してエンジン11の運転を制御する。
【0016】
また、この電子制御回路30は、後述する各種プログラムを実行することで、エンジン始動後に遅角制御により触媒27の暖機を促進する触媒暖機手段として機能すると共に、触媒27の劣化を検出する劣化検出手段としても機能し、劣化検出時には出力ポート36から警告ランプ37に点灯信号を出力し、警告ランプ37を点灯して運転者に異常発生を警告する。更に、この電子制御回路30は、遅角制御(触媒暖機制御)が禁止されたときに触媒劣化検出を禁止する劣化検出禁止手段としても機能する。以下、これら各手段に対応する処理を主として説明する。
【0017】
[点火時期制御]
まず、電子制御回路30が実行する点火時期制御を図2に示すフローチャートに従って説明する。この点火時期制御では、冷間始動時に遅角制御することで、触媒27の暖機を促進すると共に、遅角制御によりエンジン回転が不安定になる場合、例えば、揮発性が悪い燃料(以下「重質燃料」という)を使用している場合には、遅角制御を禁止し、通常の点火制御を行う。
【0018】
具体的には、まずステップ101で、イグニッションスイッチ(図示せず)がONされてエンジン11が始動状態であるか否かを判定し、始動状態であれば、ステップ102に進んで、水温センサ38からの出力信号によりエンジン11が所定温度以下(冷機時)であるか否かを判定する。冷機時でなければ、触媒27の温度も高く、触媒27の暖機が不要であるので、ステップ108へ進み、通常の点火進角制御を実行し、本ルーチンを終了する。
【0019】
これに対し、冷機時であれば、触媒27の温度が低く、触媒27の暖機が必要であるので、ステップ103に進み、後述する図4の燃料性状判定ルーチンで供給燃料が重質燃料と判定されたか否かを判定し、重質燃料と判定されていれば、遅角制御による触媒暖機制御を禁止し、ステップ108へ進み、通常の点火進角制御を実行し、遅角制御によりエンジン回転が不安定になるのを防ぐ。
【0020】
一方、供給燃料が重質燃料でなければ、ステップ104に進み、エンジン始動後の経過時間が遅角制御開始時間(例えば始動から8秒後)に到達するまで待機する。これは、エンジン始動が完了してから遅角制御を開始することで、始動性を低下させないようにするためである。その後、エンジン始動後の経過時間が遅角制御開始時間に到達すると、ステップ105に進み、アイドル時(スロットル全閉時)であるか否かを判定する。アイドル時でなければ、遅角制御による触媒暖機制御を禁止し、ステップ108へ進み、通常の点火進角制御を実行するが、アイドル時であれば、ステップ106へ進み、後述する図3に示す遅角制御を実行して、遅角制御により触媒27の暖機を促進する。
【0021】
この遅角制御による触媒27の暖機は、ステップ107の処理により、エンジン始動後の経過時間が遅角制御終了時間(例えば始動から18秒)に到達するまで実行され、その間に、スロットルバルブ15が開かれてエンジン回転数が上昇すれば、遅角制御を中止して、ステップ108へ進み、通常の点火進角制御を実行する。これに対し、遅角制御による触媒27の暖機が遅角制御終了時間まで続けられると、遅角制御を終了し、ステップ108へ進み、通常の点火進角制御を実行し、本ルーチンを終了する。
【0022】
[遅角制御]
次に、図3に示す遅角制御ルーチンの処理の流れを説明する。まず、ステップ111で、エンジン回転数Ne及び冷却水温Thwをパラメータとして予め設定されたマップ(図示せず)より基本進角量を算出する。そして、次のステップ112で、予め設定された目標遅角量と遅角徐変時間を用いて、次式により演算ルーチン1回毎の遅角量を算出する。
1回の遅角量=目標遅角量×演算周期/遅角徐変時間
【0023】
この後、ステップ113で、上記ステップ111で算出された基本進角量又は前回算出さた進角量から1回の演算周期毎に1回の遅角量を減算して求めた値(補正遅角量)にて、実際に点火時期を遅角する。そして、次のステップ114で、減じた遅角量の合計が目標遅角量に到達したか否かを判定し、目標遅角量に到達していなければ、ステップ113に戻り、補正遅角量にて点火時期を遅角する処理を繰り返す。
【0024】
その後、減じた遅角量の合計が目標遅角量に到達すれば、ステップ115に進み、遅角制御を実施する所定期間(例えば始動から20秒)内であるか否かを判定し、所定期間内であれば、ステップ113に戻り、補正遅角量にて点火時期を遅角する処理を繰り返し、遅角制御による触媒27の暖機を継続する。その後、所定期間が経過すると本ルーチンを終了する。
【0025】
[燃料性状判定]
まず、燃料性状の判定方法を図5及び図6に基づいて簡単に説明する。図5は燃料性状と始動後のエンジン回転数Neの経時的変化との関係を示す図、図6は燃料性状と始動後のエンジン回転数積算値NTの経時的変化との関係を示す図である。燃料性状としては、通常燃料、重質+通常燃料(混合燃料)、重質燃料の3種類が図示されている。
【0026】
図5に示すように、始動から設定回転数NOに上昇するまでのエンジン回転数Neの立ち上がりは、燃料性状による影響をほとんど受けないが、設定回転数NOに到達した後のエンジン回転数Neは、燃料性状による影響を大きく受け、通常燃料の場合と比較して、重質燃料の割合が増えるほどエンジン回転数Neが低下する。この関係で、図6に示すように、始動後のエンジン回転数積算値NTが燃料性状によって異なり、重質燃料の割合が増えるほどエンジン回転数積算値NTが低下する。この特性に着目し、本実施形態では、エンジン回転数積算値NTを設定回転数積算値NOTと比較し、その差が判定値VTHを越えた時に重質燃料と判定する。
【0027】
以下、この燃料性状判定処理を図4のフローチャートに従って説明する。本ルーチンは、所定クランク角毎(例えば180℃A毎)又は所定時間毎(例えば10ms毎)に繰り返し実行される。本ルーチンの処理が開始されると、まずステップ121で、クランク角センサ24からのパルス信号の間隔からエンジン回転数Neを算出し、続くステップ122で、水温センサ38により検出した冷却水温が例えば0℃より高いか否かを判定する。
【0028】
この判定を行う1つ目の理由は、0℃以下の低温側では始動性を確保するために予めリッチ側の空燃比となるように燃料噴射量が元々設定されており、重質燃料でも所定のドライバビリティを確保できることから、燃料性状の判定処理を行う必要がないためである。そして、2つ目の理由は、リッチ側の空燃比にて回転落ちがあった時に、この回転落ちで重質燃料と誤判定してしまうおそれがあるからである。
【0029】
上記ステップ122で、冷却水温が0℃より高いと判定されたときには、ステップ123に進み、エンジン始動後からTS時間以上経過しているか否かを判定する。このTS時間は、図5に示すようにエンジン始動から完爆回転数NSに達するまでの時間(推定値)に設定されている。TS時間以上経過している場合には、ステップ124に移行し、エンジン始動後の経過時間がエンジン11の暖機完了時間に相当するTE時間未満であるか否かを判定する。
【0030】
この判定を行う理由は、重質燃料でも、始動後TE時間が経過すれば、エンジン11が暖機されることで燃焼が安定し、エンジン回転数Neも安定するため、TE時間を越えて揮発性を判定する意味がないからである。尚、上記ステップ122〜124のいずれかで「No」と判定された場合には、ステップ134に移行し、実行中フラグを「0」にリセットして本ルーチンを終了する。
【0031】
エンジン始動後の経過時間がTE時間未満(エンジン11の暖機完了前)である場合には、ステップ125に移行し、図5に示すように、エンジン回転数Neが、一旦、予め設定されている設定回転数(目標回転数)NOを越えた後に設定回転数NO以下となっているか否かを判定し、「Yes」であれば、実行中フラグを「1」にセットし(ステップ126)、「No」であれば、ステップ127に進み、実行中フラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、実行中フラグが「1」でなければ、燃料性状を判定する条件が不成立であるので、ステップ134に移行し、実行中フラグを再リセットして本ルーチンを終了する。
【0032】
実行中フラグが「1」である場合には、ステップ128に移行し、要求点火時期と実点火時期との偏差TNESA(点火時期差)に基づきエンジン回転数補正量NESAを図7に示すマップに従って算出する。この後、ステップ129で、要求ISC開度と実ISC開度との偏差TNISC(ISC開度差)に基づきエンジン回転数補正量NlSCを図8に示すマップに従って算出する。ここで、ISC開度は、アイドル・スピード・コントロール・バルブの開度であり、このISC開度を調整することでアイドル回転数が安定化される。
【0033】
この後、ステップ130で、前回までのエンジン回転数積算値NT(i-1) に対して、今回のエンジン回転数Neと、ステップ128で算出されたエンジン回転数補正量NESAと、ステップ129で算出されたエンジン回転数補正量NISCとを加算して、その加算値を今回のエンジン回転数積算値NT(i) とする。これにより、エンジン回転数積算値NTに対して、エンジン回転数挙動に起因する点火時期補正及びISC開度補正が加えられることで、精度良く燃料性状を判定することができる。
【0034】
そして、次のステップ131で、今回の設定回転数NOを前回までの設定回転数積算値NOT(i-1) に加算して、その加算値を今回の設定回転数積算値NOT(i) とする。続くステップ132で、ステップ131で求められた設定回転数積算値NOTとステップ130で求められたエンジン回転数積算値NTとの偏差(NOT−NT)が、重質燃料判定用のオフセット値VTHを越えているか否かを判定する。
【0035】
つまり、図6に示すように、通常燃料のときには、エンジン回転数Neは常に設定回転数NOの近傍にあるため、そのエンジン回転数積算値NTは設定回転数積算値N0Tとほぼ等しくなる。一方、重質燃料や通常燃料十重質燃料では、通常燃料のときに比べてエンジン回転数積算値NTが低下するため、NOT−NTを設定回転数積算値NOTからの重質燃料判定用のオフセット値VTHと比較することにより通常燃料か否かを判定することができるのである。尚、本実施形態では、設定回転数積算値NOTをルーチン通過毎に求めているが、設定回転数NOは予め分かっているため、始動後の経過時間に関するデータテーブルを設定しても良い。
【0036】
そして、ステップ132で、N0T−NT>VTHと判定されれば、ステップ133に進み、供給燃料が重質であると判定して本ルーチンを終了する。一方、N0T−NT≦VTHと判定された場合(通常燃料の場合)には、そのまま本ルーチンを終了する。
【0037】
尚、ステップ133で重質判定されたときには、本実施形態には示されていないが、インジェクタ20の噴射燃料の増量補正を実施したり、ISCバルブの開度増大補正等を実施することで、エンジン11の燃焼を安定化させれば良い。
【0038】
[触媒劣化の検出方法]
次に、触媒27の劣化を検出する手法について図9のタイムチャートを用いて説明する。尚、図9中、「XSO2L」は下流側酸素センサ29により検出される空燃比がリーンである旨を示すリーン判定フラグ、「XSO2ACT」は下流側酸素センサ29が活性化した旨を示す酸素センサ活性フラグ、「XCATACT」は触媒27が活性化した旨を示す触媒活性フラグ、「FAF」は空燃比制御におけるフィードバック補正係数、「QASUM」は吸入空気量QAをエンジン始動時から積算した積算吸気量、「XCATDT」は触媒27が劣化している旨を示す触媒劣化フラグである。
【0039】
図9において、時間t1で、スタータ(図示せず)が始動されてエンジン11が始動される。これにより、下流側酸素センサ29のヒータ39がONされて下流側酸素センサ29の加熱が開始される。そして、時間t2で下流側酸素センサ29の出力電圧VOX2が所定電圧(0.45V)に達すると、下流側酸素センサ29が活性化したと判定される。その後、時間t3で、空燃比フィードバック制御が開始される。
【0040】
その後、時間t4で、下流側酸素センサ29の反転周期の遅れに基づき触媒27の活性化が判定される。すなわち、時間t1〜t4において、触媒27が活性化する前に下流側酸素センサ29が活性化すると、下流側酸素センサ29の検出信号は触媒27よりも上流側の空燃比挙動から遅れなく応答する。しかし、時間t4にて触媒27が活性化すると、その後は触媒27のストレージ能力により空燃比変化に対して下流側酸素センサ29の応答が遅れ、そのリッチ/リーンの反転周期が長くなる。
【0041】
また、時間t4では、触媒27の活性化に要した熱量に相当する積算吸気量QASUMを劣化判定値QACDTと比較して触媒27の劣化が判定される。すなわち、触媒27の活性時において、それまでの積算吸気量QASUMが多い場合は触媒27は劣化しており、少ない場合は劣化していないと判断される。以上説明した触媒27の劣化を検出する処理を以下に説明する。
【0042】
[燃料噴射量算出]
図10に示す燃料噴射量算出ルーチンにおいては、まずステップ141で、基本噴射量Tpを算出する。この基本噴射量Tpは例えばROM33に予め記憶されている噴射量マップを用い、その時のエンジン回転数Ne及び吸気管圧力PMに応じて算出される。そして、次のステップ142で、空燃比λのフィードバック条件が成立しているか否かを判別する。ここで、フィードバック条件とは冷却水温Thwが所定値以上で、且つ高回転・高負荷でないときに成立する。
【0043】
このフィードバック条件が成立している場合(図9の時間t3以降)、ステップ143に進み、目標空燃比λTGを設定し、続くステップ144で、空燃比λを目標空燃比λTGに合わせるようにフィードバック補正係数FAFを設定する。ここで、フィードバック補正係数FAFは下記の(1)式と(2)式を用いて算出される。尚、このフィードバック補正係数FAFの設定に関しては、特開平1一110853号公報に詳細に記載されている。
【0044】
【数1】
Figure 0003770417
【0045】
上式において、kは最初のサンプリング開始からの制御回数を示す変数、K1 〜Kn+1 は最適フィードバックゲイン、ZI(k)は積分項、Kaは積分定数である。
一方、上記ステップ142でフィードバック条件が不成立の場合、ステップ145に進み、フィードバック補正係数FAFを「1.0」に設定する。
【0046】
以上のようにしてステップ144又は145でフィードバック補正係数FAFを設定した後、ステップ146に進み、次の(3)式を用いて基本噴射量Tp、フィードバック補正係数FAF及びその他の補正係数(水温、電気負荷等の各種補正係数)FALLから燃料噴射量TAUを設定し、本ルーチンを終了する。
TAU=Tp×FAF×FALL ……(3)
【0047】
[下流側酸素センサ活性化判定]
図11に示す下流側酸素センサ29の活性化判定ルーチンにおいては、まずステップ201で、いま現在、酸素センサ活性フラグXSO2ACTが「0」にクリアされているか否か、すなわち下流側酸素センサ29が活性化した旨が未だ判定されていないか否かを判定し、XSO2ACT=1(活性化の判定後)であればそのまま本ルーチンを終了する。
【0048】
これに対し、XSO2ACT=0(活性化の判定前)であれば、ステップ202に進み、下流側酸素センサ29の出力電圧VOX2が0.45Vを越えているか否かを判定する。ここで、VOX2>0.45Vであれば、ステップ204に進み、酸素センサ活性フラグXSO2ACTに活性化を示す「1」をセットして本ルーチンを終了する(図9の時間t2のタイミング)。
【0049】
また、VOX2≦0.45Vであれば、ステップ203に進み、下流側酸素センサ29のヒータ39がONされてから所定時間TACT (本実施形態では30秒)が経過したか否かを判定し、所定時間TACT の経過前であれば、そのまま本ルーチンを終了する。所定時間TACT が経過していれば、ステップ204に進み、酸素センサ活性フラグXSO2ACTに活性化を示す「1」をセットして本ルーチンを終了する。つまり、VOX2≦0.45Vであっても、ヒータ39が所定時間TACT 以上ONされていれば、下流側酸素センサ29は活性化しているとみなされる。
【0050】
[下流側酸素センサ反転周期算出]
図12に示す下流側酸素センサ29の反転周期算出ルーチンにおいては、まずステップ301で、前述の酸素センサ活性フラグXSO2ACTに活性化を示す「1」がセットされているか否かを判定し、XSO2ACT=1であれば、ステップ302に進む(図9の時間t2以降)。そして、次のステップ302で、下流側酸素センサ29の出力電圧VOX2がリーン側許容値KVLとリッチ側許容値KVRとの範囲内に収束しているか否か(KVL<VOX2<KVRであるか否か)を判定し、KVL<VOX2<KVRであれば、ステップ303に進む(但し、KVL=0.45−α、KVR=0.45+αである)。つまり、上記ステップ301,302で共に「Yes」と判定された場合に、ステップ303に進む。
【0051】
このステップ303では、丁流側酸素センサ29の出力電圧VOX2が0.45Vを越えているか否か、すなわち下流側空燃比がリッチであるか否かを判定する。そして、VOX2>0.45V(すなわちリッチ)であれば、ステップ304に進み、前回処理時の下流側空燃比の判定結果を示すリーン判定フラグXSO2Lに基づき(XSO2L=1はリーン判定を示す)、前回処理時の空燃比と今回処理時の空燃比とがリーン→リッチで反転したか否かを判定する。つまり、ステップ303が「Yes」で、ステップ304が「No」の場合には、前回及び今回が共にリッチであることを意味し、ステップ305に進んで反転周期TVを「1」インクリメントする。ここで、反転周期TVは同一側の空燃比(リッチ或はリーン)が継続された時間を計測するものである。
【0052】
また、ステッブ303,304が共に「Yes」の場合には、前回がリーンで今回がリッチであることを意味し、ステップ306に進んでリーン判定フラグXSO2Lを「0」にクリアして、ステップ310に進み、次の(4)式を用いて反転周期TVのなまし値TVSMを算出する。
TVSM=(TV+3・TVSM(i-1) )/4 ……(4)
ここで、TVSM(i-1) はなまし値TVSMの前回値を示す。
そして、次のステップ311で、反転周期TVを「0」にクリアして本ルーチンを終了する。
【0053】
一方、前記ステップ303でVOX2≦0.45V、すなわちリーン判定された場合には、ステップ307に進み、リーン判定フラグXSO2Lに基づき前回処理時の空燃比と今回処理時の空燃比とがリッチ→リーンで反転したか否かを判定する。つまり、ステップ303,307が共に「No」の場合には、前回及び今回が共にリーンであることを意味し、ステップ308に進んで反転周期TVを「1」インクリメントする。
【0054】
また、ステップ303が「No」で、ステップ307が「Yes」の場合には、前回がリッチで今回がリーンであることを意味し、ステップ309に進んでリーン判定フラグXSO2Lに「1」をセットして、ステップ310に進み、前述した(4)式を用いてなまし値TVSMを算出し、続くステップ311で、反転周期TVを「0」にクリアして本ルーチンを終了する。
【0055】
上記ステップ301又は302が「No」の場合には、ステップ312に進み、反転周期TV及びそのなまし値TVSMを共に「0」にクリアして、本ルーチンを終了する。つまり、下流側酸素センサ29の活性化前、及び空燃比が理想空燃比に対して大きく外れた場合には、反転周期TVの検出が禁止され、誤検出が防止される。
【0056】
[触媒活性化判定]
図13に示す触媒活性化判定ルーチンにおいては、まずステップ401で、始動時における冷却水温Thwが低温側許容値TWL(本実施形態では30℃)と高温側許容値TWH(本実施形態では100℃)との範囲内に収束しているか否か(TWL<Thw<TWHであるか否か)を判定し、TWL<Thw<TWHであれば、ステップ402に進む。このステップ402では、前述の図10の燃料噴射量算出ルーチンによる空燃比フィードバック処理を実行中であるか否かを判定し、実行中であれば、ステップ403に進む。
【0057】
このステップ403では、触媒活性フラグXCATACTが「0」にクリアされているか否か、すなわち触媒27が活性化している旨が未だ判定されていないか否かを判定し、XCATACT=0(活性化の判定前)であれば、ステップ404に進む。以上のステップ401〜403のいずれかで「No」と判定された場合には、直ちに本ルーチンを終了する。
【0058】
ステップ404では、下流側酸素センサ29の出力電圧VOX2の反転周期TVが所定の判定値KTVを越えているか否かを判定し、TV≦KTVであれば、ステップ405に進み、反転周期TVのなまし値TVSMが所定の判定値KSMを越えているか否かを判定し、TVSM≦KSMであれば、そのまま本ルーチンを終了し、TVSM>KSMであればステップ406に進む。一方、ステップ404で、TV>KTVとされた場合には、ステップ405を飛び越してステップ406へ移行する。
【0059】
このステップ406では、触媒活性フラグXCATACTに活性化を示す「1」をセットして、本ルーチンを終了する。つまり、触媒27の活性化前(図9の時間t4以前)では、下流側酸素センサ29の出力電圧VOX2は上流側空燃比に遅れなく追従し、その反転周期TV及びなまし値TVSMはステップ404,405の判定値KTV,KSMを越えることはない。しかし、触媒27が活性化すると(図9の時間t4以降)、下流側酸素センサ29の出力電圧VOX2がリッチ/リーンの反転をしなくなるため、その反転周期TV及びなまし値TVSMはステップ404,405の判定値KTV,KSMを越えることになる。従って、ステップ404,405のいずれかで「Yes」と判定されることで触媒27が活性化したと判定され、触媒活性フラグXCATACTに活性化を示す「1」がセットされる。
【0060】
[積算吸気量]
図14に示す積算吸気量算出ルーチンでは、まずステップ601で、例えばイグニションスイッチがONであるか否かでエンジン始動後であるか否かを判定し、エンジン始動前であれば、以降の処理を行うことなく本ルーチンを終了する。エンジン始動後であれば、ステップ602に進み、エアフローメータ10による検出結果に基づき演算された吸入空気量QAをその時の積算吸気量QASUMに加算して積算吸気量QASUMを更新して本ルーチンを終了する。尚、積算吸気量QASUMはエンジン始動時に「0」に初期化される。
【0061】
本実施形態では、エアフローメータ28の検出結果から吸入空気量QAを求めているが、吸気管圧力センサ17による吸気管圧力PM及びクランク角センサ24によるエンジン回転数Neから吸入空気量QAを推定する方法を用いることもできる。
【0062】
[遅角制御禁止フラグセット]
図15に示す遅角制御禁止フラグセットルーチンにおいては、まずステップ701で、遅角制御禁止フラグXDLYSTPが「1」(遅角制御制御禁止)であるか否かを判定し、XDLYSTP=1の場合には、以降の処理を行うことなく本ルーチンを終了する。この場合には、XDLYSTP=1が維持される。
【0063】
これに対し、XDLYSTP=0の場合には、ステップ702に進み、遅角制御が禁止されているか否かを判定する。この判定は、図2に示す点火時期制御ルーチンの処理結果を利用して行われる。すなわち、供給燃料が重質燃料と判定された場合又は遅角制御の途中でスロットルバルブ15が開放された場合には、遅角制御が禁止され、ステップ703に進み、遅角制御禁止フラグXDLYSTPを「1」にセットして、本ルーチンを終了する。一方、遅角制御が禁止されていない場合には、ステップ703の処理を行わず、XDLYSTP=0を維持して本ルーチンを終了する。
【0064】
[触媒劣化判定]
図16に示す触媒劣化判定ルーチンにおいては、まずステップ501で触媒活性フラグXCATACTが「0」から「1」に変化したか否かを判別し、「0」→「1」の変化時であれば、ステップ502に進み、積算吸気量QASUMを「QACLO」として記憶する。ここで、積算吸気量QASUMとは、エンジン始動後における吸入空気量QAの積算値であり、図14に示す積算吸気量算出ルーチンにより算出される。この後、ステップ503で、「QACLO」が所定の劣化判定値QACDTを越えているか否かを判定し、QACLO≦QACDTであれば、そのまま本ルーチンを終了する。もし、QACLO>QACDTであれば、ステップ504に進み、触媒劣化フラグXCATDTに触媒劣化を示す「1」をセットする。
【0065】
そして、次のステップ505で、図15のルーチンでセットされる遅角制御禁止フラグXDLYSTPが「1」(遅角制御禁止)であるか否かを判定し、XDLYSTP≠1(遅角制御が禁止されていない)の場合には、ステップ506に進み、警告ランプ37を点灯して、運転者に触媒27の劣化を警告すると共に、触媒劣化の情報をバックアップRAM35に記憶する等、所定のダイアグ処理を実行する。もし、XDLYSTP=1(遅角制御禁止)の場合には、触媒劣化検出(ダイアグ処理)を禁止し、警告ランプ37を点灯することなく、本ルーチンを終了する。これにより、遅角制御による触媒27の暖機が禁止され場合に、触媒劣化検出も禁止され、触媒劣化の誤検出が未然に防止される。
【0066】
一方、前記ステップ501で「No」と判定された場合には、ステップ507に進んで、エンジン始動時(触媒27の暖機開始時)から所定時間(例えば50秒)が経過したか否かを判定する。つまり、触媒27の劣化が進むと、触媒27の活性化が遅れ、前述した図13の触媒活性化判定ルーチンによる活性化判定に要する時間が長くなる。そこで、エンジン始動時から所定時間が経過していれば触媒27が活性化されたものとみなし、ステップ502以降の劣化判定を実施する。
【0067】
ここで、積算吸気量QASUMと触媒27の劣化度合との関係は図17に示すようになっており、予め劣化判定レベルに応じて劣化判定値QACDTが設定されている。図17は、触媒27の活性化(暖機完了時)までに要する積算吸気量QASUMが多くなるほど、触媒27の劣化度合が大きくなることを示している。つまり、触媒27の劣化が進行すると、触媒27内で発生するHC,COの酸化反応の反応熱が減少して活性化(暖機)が遅れ、触媒27の活性化に必要な熱量が増大する。このとき、図18に示すように、触媒27に与える熱量は積算吸気量QASUMに対してほぼ比例関係にあるため、触媒27の活性時(図9の時間t4)における積算吸気量QASUMを用いることで、触媒劣化の判定が可能となる。
【0069】
《実施形態(2)》
上記実施形態(1)では、遅角制御による触媒27の暖機が禁止され場合に、触媒劣化検出を禁止することで、触媒劣化の誤検出を未然に防止するようにしたが、図19及び図20に示す実施形態(2)では、遅角制御による触媒27の暖機が禁止され場合に、それを考慮して、触媒27の活性化に必要な熱量を算出することで、遅角制御禁止時でも触媒27の活性化に必要な熱量(積算吸気量QASUM)を劣化判定値と比較して、触媒27の劣化を精度良く検出できるようにしている。
【0070】
ここで、積算吸気量QASUMと、触媒27に与えられる熱量との関係は、図20に示されている。遅角制御禁止時には排出ガス温度が遅角制御時よりも低下するため、図20に示すように、積算吸気量QASUMと熱量との関係を示す直線の傾きは、遅角制御禁止時の傾きが遅角制御時の傾きよりも小さくなる。この関係を利用し、遅角制御時の傾きと遅角制御禁止時の傾きとの比KSTP=QACDT/KQACDT2(ここで、QACDTは遅角制御時に触媒27を活性化させるまでに必要な積算吸気量、KQACDT2は遅角制御禁止時に触媒27を活性化させるまでに必要な積算吸気量)を用いて、遅角制御禁止時の吸入空気量QAを遅角制御時の吸入空気量に換算して積算吸気量QASUMを算出する。
【0071】
この積算吸気量QASUMの算出は、図19に示す積算吸気量算出ルーチンによって行われる(本ルーチンは特許請求の範囲でいう必要熱量算出手段として機能する)。本ルーチンでは、まずステップ801で、例えばイグニションスイッチがONであるか否かでエンジン始動後であるか否かを判定し、エンジン始動前であれば、以降の処理を行うことなく本ルーチンを終了する。エンジン始動後であれば、ステップ802に進み、遅角制御禁止フラグXDLYSTPが「1」(遅角制御禁止)であるか否かを判定し、XDLYSTP=0(遅角制御時)の場合には、ステップ803に進み、エアフローメータ10による検出結果に基づき演算された吸入空気量QAをその時の積算吸気量QASUMに加算して積算吸気量QASUMを更新し、本ルーチンを終了する。
【0072】
これに対し、XDLYSTP=1(遅角制御禁止時)の場合には、ステップ804に進み、エアフローメータ10による検出結果に基づき演算された吸入空気量QAに補正係数KSTPを乗算することで、遅角制御禁止時の吸入空気量QAを遅角制御時の吸入空気量に換算し、これをその時の積算吸気量QASUMに加算して積算吸気量QASUMを更新し、本ルーチンを終了する。これ以外の各ルーチンは、前記実施形態(1)と同じである。
【0073】
以上説明した実施形態(2)では、遅角制御禁止時には、積算吸気量QASUM(必要熱量)が遅角制御時の値に換算されて算出されるため、算出した積算吸気量QASUMが遅角制御禁止時の触媒暖機状態を反映したものとなり、遅角制御禁止時でも触媒27の劣化を精度良く検出できて、触媒暖機状態に左右されない触媒劣化検出が可能となる。
【0074】
《実施形態(3)》
上記実施形態(2)では、遅角制御禁止時に積算吸気量QASUM(必要熱量)が遅角制御時の値に換算されて算出されるが、図21及び図22に示す実施形態(3)では、遅角制御禁止時に劣化判定値QACDTが変更される。
【0075】
この劣化判定値QACDTの変更は、図21に示す劣化判定値算出ルーチンによって行われる(本ルーチンは特許請求の範囲でいう劣化判定値変更手段として機能する)。本ルーチンでは、まずステップ801で、遅角制御禁止フラグXDLYSTPが「0」から「1」に切り替えられたか否か、つまり遅角制御が禁止に切り替えられたか否かを判定し、「No」の場合には、以降の処理を行うことなく本ルーチンを終了する。この場合には、劣化判定値QACDTは変更されない(劣化判定値QACDTの初期値は遅角制御時の劣化判定値である)。
【0076】
一方、遅角制御禁止フラグXDLYSTPが「0」から「1」に切り替えられた場合(つまり遅角制御が禁止に切り替えられた場合)には、ステップ902に進み、劣化判定値QACDTに補正係数KDLYSTPを乗算して劣化判定値QACDTを変更し、本ルーチンを終了する。ここで用いる補正係数KDLYSTPは、KDLYSTP=KQACDT2/QACDT(図22参照)である。従って、ステップ902の処理は、次のようになる。
Figure 0003770417
【0077】
従って、ステップ902では、劣化判定値QACDTに補正係数KDLYSTPを乗算する処理に代えて、劣化判定値QACDTをKQACDT2に置き換える処理を行うようにしても良い。ここで、KQACDT2は、遅角制御禁止時に触媒27を活性化させるまでに必要な積算吸気量である。これ以外の各ルーチンは前記実施形態(1)と同じである。
【0078】
以上説明した実施形態(3)では、遅角制御禁止時に劣化判定値QACDTが変更されるため、前記実施形態(2)と同じく、遅角制御禁止時でも触媒27の劣化を精度良く検出できて、触媒暖機状態に左右されない触媒劣化検出が可能となる。
【0079】
以上説明した実施形態(1)〜(3)では、エンジン始動時からの積算吸気量に基づき触媒27の活性化に必要な熱量を推定するようにしたが、エンジン始動時からの燃料噴射量の積算値を算出し、この燃料噴射量の積算値に基づき触媒27の活性化に必要な熱量を推定するようにしても良い。更に、エンジン始動時からの積算吸気量と燃料噴射量積算値の双方を用いて触媒27の活性化に必要な熱量を推定するようにしても良い。
【0080】
また、上記実施形態(1)〜(3)では、遅角制御により触媒27を暖機するようにしているが、噴射ディザ制御(燃料噴射量を小刻みに増減補正する制御)等、他の触媒暖機制御を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)を示すエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】点火時期制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図3】遅角制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図4】燃料性状判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図5】燃料性状と始動後のエンジン回転数変動との関係を示す図
【図6】燃料性状と始動後のエンジン回転数の積算値との関係を示す図
【図7】(要求点火時期−実点火時期)TNESEとエンジン回転数補正量NESAとの関係を示す図
【図8】(要求ISC開度−実ISC開度)TNISCとエンジン回転数補正量NISCとの関係を示す図
【図9】エンジン始動後の挙動を示すタイムチャート
【図10】燃料噴射量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図11】下流側酸素センサの活性化判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図12】下流側酸素センサの反転周期算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図13】触媒活性化判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図14】積算吸気量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図15】遅角制御禁止フラグセットルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図16】触媒劣化判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図17】積算吸気量QASUMと触媒劣化度合との関係を示す図
【図18】積算吸気量QASUMと触媒に与える熱量との関係を示す図
【図19】本発明の実施形態(2)における積算吸気量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図20】遅角制御禁止時に用いる吸入空気量QAの補正係数KSTPの求め方を概念的に示す図
【図21】本発明の実施形態(3)における劣化判定値算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図22】遅角制御禁止時に用いる劣化判定値QACDTの補正係数KDLYSTPの求め方を概念的に示す図
【符号の説明】
10…エアフローメータ、11…エンジン、17…吸気管圧力センサ、24…クランク角センサ、26…排気管(排気通路)、27…触媒、28…上流側空燃比センサ、29…下流側酸素センサ、30…電子制御回路(触媒暖機手段,劣化検出手段,劣化検出禁止手段,必要熱量算出手段,判定値変更手段)、37…警告ランプ。

Claims (2)

  1. エンジン始動後に排出ガス浄化用の触媒の暖機を促進する触媒暖機手段と、
    エンジン始動時から前記触媒が活性化するまでに必要とした熱量に基づいて前記触媒の劣化を検出する劣化検出手段と、
    前記触媒暖機手段による触媒暖機制御が禁止されたときに前記劣化検出手段による触媒劣化検出を禁止する劣化検出禁止手段と
    を備える触媒劣化検出装置。
  2. 前記触媒暖機手段は、エンジンの点火時期を遅角制御することにより前記触媒の暖機を促進することを特徴とする請求項1に記載の触媒劣化検出装置。
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