JP3149693B2 - 空燃比センサの異常検出装置 - Google Patents

空燃比センサの異常検出装置

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JP3149693B2 JP15394394A JP15394394A JP3149693B2 JP 3149693 B2 JP3149693 B2 JP 3149693B2 JP 15394394 A JP15394394 A JP 15394394A JP 15394394 A JP15394394 A JP 15394394A JP 3149693 B2 JP3149693 B2 JP 3149693B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混合気中の空気と燃料
との比である空燃比を検出するための空燃比センサの異
常を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な内燃機関では、空気及び燃料か
らなる混合気が吸気通路を通じて燃焼室に導かれ、燃焼
される。燃焼により生じた排気ガスは、排気通路を通じ
て内燃機関の外部へ排出される。排気通路には、混合気
中の空気と燃料との比である空燃比を検出する空燃比セ
ンサが設けられている。そして、空燃比センサによる空
燃比が予め定めた所定空燃比(通常、理論空燃比)とな
るように燃料量がフィードバック制御される。理論空燃
比は、燃料を完全燃焼させるのに必要な酸素量を過不足
なく含んだ混合気の空燃比である。
【0003】空燃比センサは、排気通路内へ突出し、か
つ内部に空気が充填された管状の検出部を有している。
検出部は、ジルコニア素子の内外両面に白金電極をコー
ティングすることにより構成されたものである。ジルコ
ニア素子は、その内外での酸素濃度の差に応じた起電力
を発生し、空燃比センサはその起電力に応じた電圧を出
力する。
【0004】前記内燃機関では、空燃比センサによる空
燃比に基づき燃料量が制御されることから、その空燃比
センサの出力電圧が信頼性の高い値であることが望まし
い。そして、空燃比センサの異常を早く、正確に検出す
ることが要求される。そこで、空燃比センサの異常を検
出するための技術が種々提案されている。その一つとし
て、空燃比センサによる空燃比を所定空燃比とするため
の燃料量のフィードバック制御中に、空燃比が所定空燃
比よりもリーンになってからリッチになるまでのリーン
時間を測定し、その測定値が予め定めた値よりも大きく
なると空燃比センサが異常であると判定する技術があ
る。また、これに関連する技術として、例えば特開昭6
0−173332号公報の「空燃比センサの異常検出方
法」がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空燃比セン
サの異常の一つとして、検出部が欠損してその内外が連
通される現象がある。この現象が起こった場合、燃焼に
ともなう排気ガスが常に排気通路を流れていれば、検出
部の内外の気体がともに排気ガスとなり、酸素濃度差が
零(「0」)となり、起電力が発生しない。このため、
空燃比センサによる空燃比がリーンとなり、リーン時間
が予め定めた値よりも大きくなって異常と判定される。
【0006】しかし、リーン時間の測定中に、例えば燃
料噴射が一旦停止された後に再開される等して、排気通
路を流れる気体が空気のみから燃焼にともなう排気ガス
に切り換わると、検出部の内外が一時的に正常時と同じ
状態になる。
【0007】すなわち、燃料噴射の停止により排気通路
に空気のみが流れると、検出部内外の気体がともに空気
となる。この状態から、燃料噴射の再開により、燃焼に
ともなう排気ガスが排気通路を流れると、検出部内の気
体は空気のままで、検出部周囲の気体が排気ガスとなる
状態が一時的に起こる。すると、検出部内外で酸素濃度
の差が生じ、空燃比センサによる空燃比が一時的にリッ
チになる。
【0008】上記した従来技術では、この検出結果に従
ってリーン時間の測定を停止し、誤った測定値を用いて
判定を行ってしまう。その結果、空燃比センサが異常で
あるにもかかわらず、正常であると誤判定するおそれが
ある。
【0009】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、空燃比センサの検出部が欠損し
てその内外が連通した場合、排気通路を流れる気体が空
気のみから燃焼にともなう排気ガスに切り換わって、検
出部の内外が一時的に正常時と同じ状態になっても、正
常と判定されるのを防止できる空燃比センサの異常検出
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、空気及び燃料からなる混合
気を燃焼室に導く吸気通路と、前記燃焼室での混合気の
燃焼により生じた排気ガスを流通可能にした排気通路
と、前記排気通路内へ突出し、かつ内部に空気が充填さ
れた管状の検出部を有し、同検出部内外での酸素濃度の
差に基づき、混合気中の空気と燃料との比である空燃比
を検出する空燃比センサとを備え、空燃比センサによ
て検出される空燃比を理論空燃比にすべく燃料噴射量を
制御するようにした内燃機関に用いられるものであっ
、前記空燃比センサによって検出される空燃比が理論
空燃比よりもリーンになると、その空燃比が理論空燃比
よりもリッチになるまでのリーン時間を測定し、その測
定値が予め定めた値よりも大きくなることをもって前記
空燃比センサに異常ありと判定し、同空燃比センサによ
って検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチになる
ことをもって前記異常ありの判定をクリアする判定手段
と、前記内燃機関において一旦停止された燃料噴射が再
開された時点から、前記検出部の内外が連通した状態に
おいて同検出部に到達した排気ガスが同検出部の内部に
入り込むまでの時間、前記空燃比センサによって検出さ
れる空燃比が理論空燃比よりもリッチとなることに基づ
いた前記判定手段による前記異常ありの判定のクリア
禁止する禁止手段とを備えている。
【0011】請求項2に記載の発明は、空気及び燃料か
らなる混合気を燃焼室に導く吸気通路と、前記燃焼室で
の混合気の燃焼により生じた排気ガスを流通可能にした
排気通路と、前記排気通路内へ突出し、かつ内部に空気
が充填された管状の検出部を有し、同検出部内外での酸
素濃度の差に基づき、混合気中の空気と燃料との比であ
る空燃比を検出する空燃比センサとを備え、空燃比セン
サによって検出される空燃比を理論空燃比にすべく燃料
噴射量を制御するようにした内燃機関に用いられるもの
であって、前記空燃比センサによって検出される空燃比
が理論空燃比よりもリーンになると、その空燃比が理論
空燃比よりもリッチになるまでのリーン時間を測定し、
その測定値が予め定めた値よりも大きくなることをもっ
て前記空燃比センサが異常であると判定する手段と、前
記内燃機関において一旦停止された燃料噴射が再開され
た時点から、前記検出部の内外が連通した状態において
同検出部に到達した排気ガスが同検出部の内部に入り込
むまでの時間、前記空燃比センサによって検出される空
燃比が理論空燃比よりもリッチとなっても前記リーン時
間の測定を強制的に続行させる手段とを備えている
【0012】
【作用】内燃機関では、空燃比センサによる空燃比が予
め定めた所定空燃比となるように燃料量が制御される。
この際、空燃比センサが正常に作動し、その出力が実際
の空燃比の変化に対応していれば、空燃比センサによる
空燃比はリッチとリーンを繰り返すはずである。請求項
1に記載した発明では、前記空燃比センサによって検出
される空燃比が理論空燃比よりもリーンになると、その
空燃比が理論空燃比よりもリッチになるまでのリーン時
間を測定し、その測定値が予め定めた値よりも大きくな
ることをもって空燃比センサが異常であると判定する
方、空燃比が理論空燃比よりもリッチになることをもっ
て前記異常ありの判定をクリアする。
【0013】ところで、空燃比センサの異常の一つとし
て、検出部が欠損してその内外が連通される現象があ
る。この現象が起こり、判定手段による判定中に、排気
通路を流れる気体が空気のみから燃焼にともなう排気ガ
スに切り換わると、検出部の内外が一時的に正常時と同
じ状態になる。
【0014】より詳述すると、排気通路に空気のみが流
れると、その空気は検出部の外面に接触するとともに検
出部内に入り込む。この状態から、燃焼にともなう排気
ガスが排気通路を流れると、一時的には検出部内に空気
が入り込んだままでその検出部の外面に排気ガスが接触
する。すると、検出部内外で酸素濃度の差が生じ、空燃
比センサによる空燃比が一時的にリッチになる。仮に、
この検出結果に従って異常判定を行えば、判定手段は空
燃比センサが異常であるにもかかわらず、正常であると
誤判定するおそれがある。
【0015】これに対し請求項1に記載した発明では、
内燃機関において一旦停止された燃料噴射が再開された
場合、異常判定の処理内容が変更される。この変更に際
しては、検出部が欠損した場合に空燃比センサが誤って
リッチを検出するのは、検出部の周囲の排出ガスが同検
出部内に入り込むまでの短い時間であることを利用して
いる
【0016】すなわち、請求項1に記載した発明では、
一旦停止された燃料噴射が再開されることで、排気通路
を流れる気体が空気から燃焼にともなう排気ガスに切り
換わった時点から、前記検出部の内外が連通した状態に
おいて同検出部に到達した排気ガスが同検出部の内部に
入り込むまでの時間、本来ならばリーンを検出すべき空
燃比センサが、検出部の欠損により一時的にリッチを検
出したとしても、その検出結果に基づいた異常ありの判
定のクリアを禁止している
【0017】一方、請求項2に記載した発明において
、空燃比センサによる空燃比が所定空燃比よりもリー
ンになると、その空燃比が所定空燃比よりもリッチにな
るまでのリーン時間を測定する。そして、判定手段は、
その測定値が予め定めた値よりも大きくなると、空燃比
センサの出力が実際の空燃比の変化に対応していないも
のとして、空燃比センサが異常であると判定する。
【0018】そして、リーン時間の測定中に、排気通路
を流れる気体が空気から燃焼にともなう排気ガスに切り
換わると、異常判定の処理内容が変更される。すなわ
ち、内燃機関において一旦停止された燃料噴射が再開さ
れた時点から、前記検出部の内外が連通した状態におい
て同検出部に到達した排気ガスが同検出部の内部に入り
込むまでの時間、空燃比センサによって検出される空燃
比が理論空燃比よりもリッチへ移行してもリーン時間の
測定を強制的に続行させる。
【0019】従って、本来ならばリーンを検出すべき空
燃比センサが、検出部の欠損により一時的にリッチを検
出したとしても、リーン時間の測定が停止されない。そ
の測定停止により誤って得られる測定値に基づき、空燃
比センサが正常であると判定されることがない。
【0020】
【実施例】以下、発明を具体化した一実施例を図面に
従って説明する。図1は、車両に搭載された内燃機関と
してのガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)
1の概略構成を示している。エンジン1のシリンダブロ
ック1aには、複数の気筒(シリンダ、図では1つのみ
図示)2が並設されている。各シリンダ2内にはピスト
ン3が上下方向への往復動可能に収容されている。各ピ
ストン3は、コネクティングロッド4によってクランク
シャフト5に連結されている。
【0021】各ピストン3の上方には燃焼室6が形成さ
れ、ここに吸気通路7及び排気通路8が連通されてい
る。各燃焼室6及び吸気通路7間は、シリンダヘッド1
bに取付けられた吸気弁9によって選択的に連通及び遮
断される。また、燃焼室6及び排気通路8間は、シリン
ダヘッド1bに取付けられた排気弁10によって選択的
に連通及び遮断される。
【0022】吸気通路7には、上流側から燃焼室6へ向
けて順にエアクリーナ11、サージタンク12、吸気マ
ニホルド13が配設されており、これらを介してエンジ
ン1の外部の空気が燃焼室6に取り込まれる。吸気通路
7内にはスロットル弁14が回動可能に取付けられてい
る。スロットル弁14の回動角度に応じて吸気通路7の
流路面積が変化し、同通路7を流れる空気(吸入空気)
の量が調節される。
【0023】吸気マニホルド13には、各燃焼室6に燃
料を供給するための電磁式の燃料噴射弁15が取付けら
れている。同噴射弁15はニードルバルブ、ソレノイド
コイル等を備え、そのソレノイドコイルが通電されるこ
とによりニードルバルブが移動して、噴射口が開かれ
る。噴射口の開放にともない高圧の燃料が噴射される。
そして、噴射された燃料と空気とからなる混合気が燃焼
室6内へ導入される。
【0024】混合気に着火するために、エンジン1には
イグナイタ16、イグニションコイル17、ディストリ
ビュータ18及び気筒毎の点火プラグ19が設けられて
いる。イグナイタ16は外部(後記する電子制御装置)
からの点火信号に基づき、イグニションコイル17の一
次側コイルへの通電を選択的に許容及び遮断する。一次
側コイルへの通電が遮断されると、イグニションコイル
17の二次側コイルに高圧の二次電圧が発生する。この
二次電圧は、ディストリビュータ18によって各点火プ
ラグ19に分配される。すると、点火プラグ19の電極
間に電流が流れ(放電が起こり)、火花が発生する。
【0025】この火花によって燃焼室6内の混合気が燃
焼され、ピストン3が往復運動する。この往復運動がコ
ネクティングロッド4によって回転運動に変換され、ク
ランクシャフト5が回転駆動される。燃焼によって生じ
た燃焼室6内のガス(排気ガス)は排気通路8へ導出さ
れる。
【0026】排気通路8には、燃焼室6から下流側へ向
けて順に排気マニホルド20及び触媒コンバータ21が
配設されており、これらを通じて排気ガスがエンジン1
の外部へ排出される。触媒コンバータ21は排気ガス中
の有害な三成分(一酸化炭素、炭化水素、酸化窒素)を
触媒22の作用で浄化させる装置である。触媒コンバー
タ21が上記三成分を最も効率良く浄化するのは、混合
気の空燃比(空気と燃料の比)が理論空燃比になったと
きである。理論空燃比は、燃料を完全燃焼させるのに必
要な酸素量を過不足なく含んだ混合気の空燃比(約1
4.7)である。
【0027】エンジン1の各部には、その運転状態を検
出するために、エアフロメータ23、吸気温センサ2
4、スロットルセンサ25、水温センサ26、回転速度
センサ27、基準位置センサ28、空燃比センサとして
の酸素センサ29及び車速センサ30が設けられてい
る。
【0028】エアフロメータ23は吸気通路7を流れる
空気の量(吸入空気量)を検出し、吸気温センサ24は
その空気の温度変化(吸気温)を検出する。スロットル
センサ25は、スロットル弁14の回動角度(スロット
ル開度)を検出し、水温センサ26はエンジン1の冷却
水の温度(冷却水温)を検出する。回転速度センサ27
及び基準位置センサ28はともに、クランクシャフト5
と同期して回転するロータを内蔵したディストリビュー
タ18に設けられている。回転速度センサ27はロータ
の回転からクランクシャフト5の回転速度(エンジン回
転速度)を検出し、基準位置センサ28はロータの回転
から、特定気筒におけるクランクシャフト5の回転角度
(クランク角)の基準位置を検出する。車速センサ30
はトランスミッション(図示しない)に設けられて、車
両の走行速度(車速)を検出する。
【0029】酸素センサ29は混合気の空燃比を検出す
るためのものであり、排気通路8に取付けられている。
図2(a)に示すように、酸素センサ29は、先端(図
の下端)を閉塞した略円管状の検出部31を備えてい
る。検出部31の大部分はジルコニア素子(ZrO2
によって構成され、その内面及び外面にはそれぞれ白金
がコーティングされている。検出部31は、外周に多数
個の孔32a,33aを有する一対の保護カバー32,
33によって覆われている。
【0030】検出部31及び両保護カバー32,33は
排気通路8内へ突出しており、同通路8を流れる気体
(燃焼により生じた排気ガス、空気等)がその検出部3
1の外面に接触するようになっている。また、検出部3
1内には空気が充填されている。ジルコニア素子は、高
温で内外両面の酸素濃度の差が大きいときに起電力を発
生する性質を有している。酸素センサ29はこの起電力
に応じた大きさの電圧を出力する。なお、検出部31が
欠損する等してその内外が連通され、内部に排気ガスが
入り込み、検出部31外面に空気が接触した場合には、
マイナスの起電力が発生する。この場合、酸素センサ2
9は電圧を出力しない(出力電圧が「0」ボルトにな
る)ようになっている。
【0031】空燃比に対する酸素センサ29の出力電圧
の関係は図3で表される。すなわち、出力電圧は、空燃
比が理論空燃比よりも小さい(リッチ)場合に約「1」
ボルトとなり、空燃比が理論空燃比よりも大きい(リー
ン)場合に約「0」ボルトとなる。また、出力電圧は、
空燃比が理論空燃比の近傍のときに大きく変化する。
【0032】上記酸素センサ29の特性は比較的高温条
件下でのものであり、低温時には大きく変化する。そこ
で、セラミックス等により円管状に形成されたヒータ3
4が検出部31内に配置されている。このヒータ34に
よって検出部31が高温状態に保たれ、常に図3に近い
特性の電圧が出力されるようになっている。
【0033】車両には、上記エアフロメータ23及び各
センサ24〜30の検出信号に基づき、燃料噴射弁15
及びイグナイタ16の各作動を制御するとともに酸素セ
ンサ29の異常検出を行うために、電子制御装置(以下
ECUという)35が設けられている。
【0034】図4に示すようにECU35は、中央処理
装置(以下CPUという)36、読み出し専用メモリ
(以下ROMという) 37、ランダムアクセスメモリ
(以下RAMという)38、バックアップRAM39、
外部入力回路40及び外部出力回路41を備え、これら
は互いにバス42によって接続されている。ROM37
は、後記する「異常検出ルーチン」等の制御プログラ
ム、基本噴射時間や基本点火時期を規定したマップ、初
期データ等を予め記憶している。CPU36はこれらの
制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。R
AM38はCPU36による演算結果を一時的に記憶す
る。バックアップRAM39は、ECU35に対する電
源供給が停止された後にも、RAM38内の各種データ
を保持するためにバッテリ(図示しない)によってバッ
クアップされている。
【0035】エアフロメータ23からの吸入空気量信
号、吸気温センサ24からの吸気温度信号、スロットル
センサ25からのスロットル開度信号、水温センサ26
からの冷却水温信号、回転速度センサ27からの回転速
度信号、基準位置センサ28からの基準位置信号、酸素
センサ29からの酸素濃度信号及び車速センサ30から
の車速信号は外部入力回路40に入力される。CPU3
6はこれらの信号に基づき、吸入空気量Q、吸気温TH
A、スロットル開度TA、冷却水温THW、エンジン回
転速度NE、クランク角の基準位置、酸素濃度及び車速
SPDを検出する。
【0036】一方、CPU36は次式(1)に従って、
燃料噴射弁15から噴射される燃料の量(噴射量)を算
出する。ここで、噴射量は、燃料噴射弁15のニードル
バルブが開いている時間(噴射時間)、すなわち、ソレ
ノイドコイルへの通電時間によって決定される。そのた
め、式(1)では、噴射量として噴射時間TAUが算出
されるようになっている。
【0037】TAU=TP×f …(1) 式(1)中、TPは空燃比を理論空燃比にするための基
本噴射時間であり、ROM37に格納されたマップを参
照して求められる。マップには、エンジン回転速度NE
及び吸入空気量Qをパラメータとして基本噴射時間TP
が規定されている。
【0038】また、fは吸気温、暖機増量、始動後増
量、空燃比のフィードバック制御等に関する補正係数で
ある。吸気温に関する係数は、吸気温による吸入空気の
密度の差に起因して生ずる空燃比のずれを補正するため
のものである。暖機増量に関する係数は、冷間時の運転
性能向上を目的として基本噴射時間TPを長くするため
のものである。始動後増量に関する係数は、エンジン1
の始動直後のエンジン回転速度NEを安定させるための
ものである。
【0039】空燃比のフィードバック制御に関する係数
としてはフィードバック補正係数FAFが用いられる。
この補正係数FAFは、混合気の空燃比が理論空燃比に
収束するように基本噴射時間TPを補正するためのもの
であり、以下のようにして求められる。
【0040】図5で示すように、CPU36は酸素セン
サ29の出力電圧と理論空燃比に対応する基準値Vrと
を比較し、出力電圧が基準値Vrよりも高ければリッチ
と判断し、基準値Vrよりも低ければリーンと判断す
る。リッチの場合、前回の検出結果と比較し、リーンか
らリッチに反転したか否かを判断する。反転があると、
FAF−RS(RSはスキップ量)を新たな補正係数F
AFとするとともに、反転がないとFAF−KI(KI
は積分量,RS≧KI)を新たな補正係数FAFとす
る。
【0041】また、空燃比がリーンの場合、CPU36
は前回の検出結果と比較し、リッチからリーンに反転し
たか否かを判断する。反転があると、FAF+RSを新
たな補正係数FAFとするとともに、反転がないとFA
F+KIを新たな補正係数FAFとする。従って、空燃
比がリッチとリーンとの間で反転すると、補正係数FA
Fが階段状に変化(スキップ)し、空燃比がリッチ又は
リーンのときには補正係数FAFが徐々に増減する。こ
のようにCPU36は、酸素センサ29の検出値に基づ
きフィードバック補正係数FAFを求め噴射時間TAU
の算出に用いる。
【0042】なお、補正係数FAFを用いた空燃比のフ
ィードバック制御は、次の停止条件が成立しない場合に
行われる。停止条件としては、例えば、エンジン1の始
動時であること、噴射燃料の始動後増量中であること、
冷却水温THWが所定値よりも低いこと、車両が高負荷
で走行されていること、燃料カット時であること等が挙
げられる。
【0043】CPU36は上記のようにして噴射時間T
AUを算出すると、その算出値に応じた駆動信号を外部
出力回路41を介して燃料噴射弁15に出力する。ま
た、CPU36は、そのときのエンジン回転速度NE及
び吸入空気量Qに応じた基本点火時期をマップから求
め、これに各センサからの信号によって補正を加えて点
火時期を決定する。この点火時期に従いCPU36はイ
グナイタ16へ点火信号を出力する。
【0044】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果について説明する。図6のフローチャート
はCPU36によって実行される各処理のうち、酸素セ
ンサ29の異常検出を行うためのルーチンを示してお
り、所定時間毎に実行される。この異常検出ルーチンの
各処理はリーン時間測定用のカウンタCに基づいて実行
される。
【0045】図7のタイミングチャートは、酸素センサ
29の出力電圧とカウンタCの値との対応関係を示して
いる。この図は、タイミングt1以降に燃料噴射が実行
され、タイミングt5になると燃料噴射が停止され、タ
イミングt6になると再び燃料噴射が実行された場合を
示している。また、同図は、タイミングt3に酸素セン
サ29の検出部31の先端が欠損し、その検出部31の
内外が連通された場合を示している。
【0046】まず、タイミングt1で、異常検出ルーチ
ンが開始された場合について説明する。このタイミング
では、検出部31が欠損しておらず、酸素センサ29が
正常に作動している。また、最後の燃料噴射停止(燃料
カット)が終了してから十分な時間が経過しているもの
とする。さらに、燃料噴射弁15から燃料が噴射され、
酸素センサ29の出力電圧が基準値Vrよりも低くな
り、空燃比がリッチからリーンに切り換わった直後であ
る。そして、カウンタCの値は「0」である。
【0047】CPU36は図6のステップ101〜10
5において、酸素センサ29の異常を検出するための前
提条件が整っているか否かを判定する。ステップ101
では、空燃比のフィードバック制御を行うための条件が
成立しているか否か、換言すると前述した停止条件が成
立していないか否か、を判定する。ステップ102で
は、回転速度センサ27によるエンジン回転速度NEが
所定値α(例えば1500rpm)以上であるか否かを
判定する。
【0048】ステップ103では、車速センサ30によ
る車速SPDが所定値β(例えば100km/h)未満
であるか否かを判定する。ステップ104では、車速セ
ンサ30及び水温センサ26の異常を過去に一度も検出
していないか否かを判定する。ステップ105では、冷
却水温THWが所定値γ(例えば70℃)以上であるか
否かを判定する。
【0049】これらのステップ101〜105の判定条
件が全て成立していると、CPU36は前記前提条件が
整ったと判断し、ステップ106において酸素センサ2
9による空燃比がリッチであるか否かを判定する。前述
したようにタイミングt1は、酸素センサ29による空
燃比がリッチからリーンに切り換わった直後であるの
で、CPU36はステップ106で否定判定し、ステッ
プ109においてカウンタCの値を「1」インクリメン
トする。この場合、カウンタCの値は「0」から「1」
になる。
【0050】CPU36はステップ110において、カ
ウンタCの値が所定値ε(例えば90秒に相当する値)
以上であるか否かを判定する。タイミングt1ではこの
値が「1」であるので、CPU36はステップ110で
否定判定し、そのままこのルーチンを一旦終了する。
【0051】次回以降の制御周期においては、酸素セン
サ29による空燃比がリーンであれば、前記と同様にス
テップ101〜106、109、110の各処理を繰り
返す。ステップ109の処理を行う毎にカウンタCの値
が「1」ずつ増加してゆく。
【0052】タイミングt2において、酸素センサ29
の出力電圧が基準値Vrよりも高くなり、空燃比がリッ
チになると、CPU36はステップ101〜105の各
処理を実行する。CPU36はステップ106で肯定判
定し、ステップ107において燃料カット終了後に所定
時間δ以上経過したか否かを判定する。この所定時間δ
は、検出部31が欠損した状態で、燃料カットが行われ
た後に燃料噴射が再開されたときに酸素センサ29が空
燃比リッチを検出する時間よりも若干長い時間(値)に
設定されている。ここでは、過去に燃料カットが行われ
ていて、最後の燃料カットが終了してから十分な時間が
経過しているので、CPU36はステップ107で肯定
判定した後にステップ108へ移行し、カウンタCの値
を「0」にリセットする。この値「0」は所定値εより
も小さい。このため、CPU36はステップ110で否
定判定し、そのままこのルーチンを一旦終了する。
【0053】タイミングt2以降、酸素センサ29によ
る空燃比がリッチであると、カウンタCの値は「0」に
保持され続ける。従って、CPU36はステップ101
〜108、110の各処理を繰り返し、酸素センサ29
が異常であるとは判定しない。
【0054】タイミングt3で酸素センサ29の検出部
31の先端が欠損し、その内外が連通されると、燃料噴
射弁15から燃料が噴射されていることから、燃焼室6
での燃焼によって生じた排気ガスが排気通路8を流れ
る。この排気ガスは検出部31の外面に接触するととも
に、図2(b)において矢印で示すように、欠損部分A
からヒータ34内を通った後、同ヒータ34外面と検出
部31内面との間の空間Sに入り込む。従って、検出部
31の内外の気体はいずれも排気ガスであり、酸素濃度
差が「0」となり、起電力が発生しない。酸素センサ2
9の出力電圧は約「0」ボルトであり、同センサ29に
より空燃比がリーンであることが検出される。
【0055】CPU36はステップ101〜105の各
処理を実行した後、ステップ106で否定判定し、ステ
ップ109においてリーン時間を測定するためのカウン
タCの値を「1」インクリメントする。この場合、カウ
ンタCの値が「1」になるので、CPU36はステップ
110において否定判定し、そのままこのルーチンを一
旦終了する。
【0056】次回以降の制御周期においては、前記と同
様にステップ101〜106、109、110の各処理
を繰り返す。ステップ109の処理を行う毎にカウンタ
Cの値が「1」ずつ増加してゆく。
【0057】この加算により、タイミングt4でカウン
タCの値が所定値εになると、CPU36はステップ1
10の判定条件が成立したと判断し、ステップ111に
おいて酸素センサ29が異常であると判定する。そし
て、異常判定フラグを例えば「1」に設定しバックアッ
プRAM39に記憶させ、このルーチンを一旦終了す
る。
【0058】タイミングt5で燃料カットが開始される
と、燃焼室6での燃焼が行われず、排気通路8には空気
のみが流れる。この空気は酸素センサ29の検出部31
の外面に接触するとともに、欠損部分Aからヒータ34
内を通った後、検出部31内の空間Sに入り込む。この
際、検出部31の内外の気体が同時に空気に切り換わる
のではなく、厳密には、検出部31の周囲が空気になっ
てから、若干遅れて検出部31内が排気ガスから空気に
切り換わる。従って、瞬間的には、検出部31内が排気
ガスによって満たされ、外部が空気によって囲まれる。
すると、検出部31の外部での酸素濃度の方が内部での
それよりも高くなり、マイナスの起電力が発生する。酸
素センサ29の出力電圧は「0」ボルトとなる。
【0059】その後、検出部31の内外の気体はいずれ
も空気となり、酸素濃度差が「0」となり、起電力が発
生しなくなる。酸素センサ29の出力電圧は約「0」ボ
ルトである。このため、燃料カットが行われている間
は、酸素センサ29により空燃比がリーンであることが
検出される。
【0060】このように燃料カットが開始されてから終
了されるまでは空燃比のリーンが検出されるので、タイ
ミングt5以降は、CPU36はステップ101〜10
6、109〜111の各処理を繰り返す。
【0061】タイミングt6で燃料カットが終了される
と、再び燃料噴射弁15から燃料が噴射され、その燃料
と空気とからなる混合気が燃焼室6で燃焼され、燃焼に
よって生じた排気ガスが排気通路8を流れる。この排気
ガスは酸素センサ29の検出部31の外面に接触すると
ともに、欠損部分Aからヒータ34内を通った後、検出
部31内の空間Sに入り込む。この際、検出部31の内
外の気体が同時に排気ガスに切り換わるのではなく、厳
密には、検出部31の周囲が排気ガスになってから、若
干遅れて検出部31内が空気ガスから排気ガスに切り換
わる。
【0062】従って、瞬間的には、検出部31内が空気
であり、検出部31の周囲が排気ガスである状態が起こ
る。この状態は、検出部31が欠損していないときの状
態と同じである。検出部31の外部での酸素濃度の方が
内部でのそれよりも小さくなり、プラスの起電力が発生
する。それまで「0」ボルトであった酸素センサ29の
出力電圧が約「1」ボルトになり、同センサ29による
空燃比がリーンからリッチに切り換わる。
【0063】しかし、酸素センサ29が空燃比のリッチ
を検出するのはわずかな期間である。燃料噴射の再開
後、酸素センサ29の周囲の燃焼後の排気ガスが検出部
31内の空間Sに入り込むと、検出部31の内外の気体
がともに排気ガスとなり、酸素濃度差が「0」となり、
起電力が発生しなくなる。酸素センサ29の出力電圧は
約「0」ボルトであり、同センサ29により空燃比のリ
ーンが検出される。
【0064】このように、燃料カットが停止されて燃料
噴射が再開された場合の酸素センサ29による空燃比
は、その燃料噴射再開直後の一瞬だけリッチになり、そ
の後はリーンになる。
【0065】従って、タイミングt6においては、CP
U36はステップ101〜105の各処理を実行した
後、ステップ106の判定条件が成立していると判断
し、ステップ107において燃料カットが終了してから
所定時間δ以上経過したか否かを判定する。
【0066】CPU36は、ステップ107の判定条件
が成立していないと判断し、ステップ109でカウンタ
Cの値を「1」インクリメントする。すなわち、酸素セ
ンサ29によって空燃比リッチが検出されても、リーン
時間の測定を継続する。このため、カウンタCの値が所
定値ε以上である状態が続くことになり、CPU36は
ステップ110の判定条件が成立していると判断し、ス
テップ111で酸素センサ29の異常判定を行い、この
ルーチンを一旦終了する。
【0067】上述したように、酸素センサ29が空燃比
のリッチを検出するのはわずかな期間である。酸素セン
サ29は、燃料カット終了後に所定時間δが経過するよ
りも前のタイミングで、空燃比のリーンを検出する。こ
のため、前記期間が経過したタイミングt7において、
酸素センサ29による空燃比がリッチからリーンに切り
換わると、CPU36はステップ101〜106、10
9、110の各処理を実行した後、このルーチンを一旦
終了する。
【0068】なお、図7のタイミングチャートには表さ
れていないが、図6のステップ101〜105の判定条
件が一つでも成立していないと、CPU36は酸素セン
サ29の異常判定を行うための前提条件が整っていない
と判断し、ステップ108でカウンタCの値をクリヤす
る。すると、ステップ110の条件が成立しないので、
CPU36は酸素センサ29を異常と判定せずにそのま
まこのルーチンを一旦終了する。
【0069】
【0070】以上詳述したように、酸素センサ29の検
出部31が欠損してその内外が連通された状態で、リー
ン時間の測定中に、排気通路8を流れる気体が空気のみ
から燃焼にともなう排気ガスに切り換わると、検出部3
1の内外が一時的に正常時と同じ状態になる。検出部3
1内外で酸素濃度の差が生じ、酸素センサ29による空
燃比が一時的にリッチになる。この際、図6におけるス
テップ107の処理を省略して、図7の二点鎖線で示す
ようにリーン時間の測定を停止し、カウンタCの値をク
リヤすると(従来技術に相当する)、酸素センサ29が
異常であるにもかかわらず、正常であると誤判定するお
それがある。
【0071】これに対し本実施例では、リーン時間の測
定中に、排気通路8を流れる気体が空気から燃焼にとも
なう排気ガスに切り換わると、その切り換わった時点か
ら所定時間δが経過するまでは、酸素センサ29による
空燃比がリーンからリッチへ移行しても、リーン時間の
測定を強制的に続行させるようにしている。換言する
と、検出部31が欠損した場合に酸素センサ29が誤っ
てリッチを検出するのは、検出部31の周囲の排出ガス
が同検出部31内の空気内に入り込むまでの短い時間で
ある。この観点から、燃料噴射が再開されてから短時間
だけリッチが検出された場合には、その信号に基づく異
常判定を行わない(禁止する)ようにしている。
【0072】従って、本来ならばリーンを検出すべき酸
素センサ29が、検出部31の欠損により一時的にリッ
チを検出したとしても、リーン時間の測定が停止されな
い。従来技術とは異なり、その測定停止により誤って得
られる測定値に基づき、空燃比センサが正常であると誤
判定されるのを防止できる。
【0073】特に、本実施例では、燃料噴射弁15から
の燃料噴射が一旦停止され、その燃料噴射が再開される
と、排気通路8内の気体が空気から燃焼にともなう排気
ガスに切り換わったとして時間測定を強制的に続行させ
るようにしている。このため、空気から排気ガスへの切
換えを、燃料噴射の停止・再開によって間接的に検知す
ることができ、排気通路8を流れる気体の種類を直接検
出するためのセンサを特別に設けなくてもすむ。
【0074】さらに、仮に、ステップ107の処理が省
略された異常検出ルーチンに従って酸素センサ29の異
常診断が行われ、その診断結果に基づいて燃料噴射制御
が行わた場合、フィードバック補正係数FAFは図8に
おいて二点鎖線で示すように変化する。タイミングt6
よりも前には酸素センサ29が異常であると判定されて
いることから、補正係数FAFは「0」であり、空燃比
のフィードバック制御が行われない。
【0075】タイミングt6で酸素センサ29の出力電
圧が約「1」ボルトとなり、空燃比がリッチであること
が検出される。すると、CPU36は異常診断を取消し
て、通常のフィードバック制御を行おうとする。酸素セ
ンサ29の検出結果に応じて補正係数FAFが一旦マイ
ナスの値となり、「0」に復帰する(タイミングt
7)。その後は、酸素センサ29による空燃比がリーン
である状態が続くので、CPU36は空燃比を理論空燃
比にするために補正係数FAFを増加させてゆく。この
増加により補正係数FAFが上限ガードに達すると(タ
イミングt8)、その値に保持される。
【0076】そして、この補正係数FAFが噴射時間T
AUに反映されると、空燃比が過剰にリッチとなり、エ
ンジンストール、ラフアイドル等の不具合を引き起こす
おそれがある。エンジンストールはエンジン回転速度N
Eが低下し、エンジン1の作動が停止する現象である。
ラフアイドルは、アイドリング時にエンジン回転速度N
Eが大きく変動したり、エンジン1が大きく振動したり
する現象である。
【0077】これに対し本実施例では、上記したように
酸素センサ29が、検出部31の欠損により一時的にリ
ッチを検出したとしても、正常と判定しない。このた
め、フィードバック補正係数FAFは、タイミングt6
以降においても図8において実線で示すように「0」に
保持される。従って、補正係数FAFを用いた空燃比の
フィードバック制御が行われず、空燃比の過剰なリッチ
を回避し、エンジンストール、ラフアイドル等の不具合
の発生を防止できる。
【0078】なお、本発明は次に示す別の実施例に具体
化することができる。 (1)発明の異常検出装置は、ヒータを有しない空燃
比センサの異常を検出する場合にも適用できる。
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載し
発明では、空燃比センサによって検出される空燃比が
理論空燃比よりもリーンになると、その空燃比が理論空
燃比よりもリッチになるまでのリーン時間を測定し、そ
の測定値が予め定めた値よりも大きくなることをもって
空燃比センサに異常ありと判定し、同空燃比センサによ
って検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチになる
ことをもって異常ありの判定をクリアしている。そし
て、内燃機関において一旦停止された燃料噴射が再開さ
れた時点から、空燃比センサの検出部の内外が連通した
状態において同検出部に到達した排気ガスが同検出部の
内部に入り込むまでの時間、前記空燃比センサによって
検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチとなること
に基づいた異常ありの判定のクリアを禁止するようにし
ている。一方、請求項2に記載した発明では、リーン時
間の測定中に、一旦停止された燃料噴射が再開され
と、その時点から空燃比センサの検出部の内外が連通し
た状態において同検出部に到達した排気ガスが同検出部
の内部に入り込むまでの時間、空燃比センサによって検
出される空燃比が理論空燃比よりもリッチへ移行しても
リーン時間の測定を強制的に続行させるようにしてい
る。このため、空燃比センサの検出部が欠損してその内
外が連通した場合に、排気通路を流れる気体が空気のみ
から燃焼にともなう排気ガスに切り換わって、検出部の
内外が一時的に正常時と同じ状態になっても、正常と誤
判定されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明を具体化した一実施例において、空燃比
センサの異常検出装置が搭載されたエンジン及びその周
辺個所を示す概略構成図である。
【図2】(a)は図1における酸素センサの部分拡大断
面図であり、(b)は(a)の酸素センサの検出部先端
が欠損した状態を示す部分拡大断面図である。
【図3】図1における酸素センサの出力特性を示す特性
図である。
【図4】図1におけるECU(電子制御装置)の内部構
成等を示すブロック図である。
【図5】酸素センサの出力電圧とフィードバック補正係
数との対応関係を示すタイミングチャートである。
【図6】図4におけるCPUによって実行される異常検
出ルーチンを説明するフローチャートである。
【図7】酸素センサの出力電圧と、カウンタの値と、燃
料噴射の有無との対応関係を示すタイミングチャートで
ある。
【図8】酸素センサの出力電圧と、フィードバック補正
係数と、燃料噴射の有無との対応関係を示すタイミング
チャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのガソリンエンジン、6…燃焼室、
7…吸気通路、8…排気通路、15…燃料噴射弁、29
…空燃比センサとしての酸素センサ、31…検出部、3
…CPU、δ…所定時間、ε…所定値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 368 F02D 35/00 368 F02D 41/14,41/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気及び燃料からなる混合気を燃焼室に
    導く吸気通路と、前記燃焼室での混合気の燃焼により生
    じた排気ガスを流通可能にした排気通路と、前記排気通
    路内へ突出し、かつ内部に空気が充填された管状の検出
    部を有し、同検出部内外での酸素濃度の差に基づき、混
    合気中の空気と燃料との比である空燃比を検出する空燃
    比センサとを備え、空燃比センサによって検出される
    燃比を理論空燃比にすべく燃料噴射量を制御するように
    した内燃機関に用いられるものであって、 前記空燃比センサによって検出される空燃比が理論空燃
    比よりもリーンになると、その空燃比が理論空燃比より
    もリッチになるまでのリーン時間を測定し、その測定値
    が予め定めた値よりも大きくなることをもって前記空燃
    比センサに異常ありと判定し、同空燃比センサによって
    検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチになること
    をもって前記異常ありの判定をクリアする判定手段と、 前記内燃機関において一旦停止された燃料噴射が再開さ
    れた時点から、前記検出部の内外が連通した状態におい
    て同検出部に到達した排気ガスが同検出部の内部に入り
    込むまでの時間、前記空燃比センサによって検出される
    空燃比が理論空燃比よりもリッチとなることに基づいた
    前記判定手段による前記異常ありの判定のクリアを禁止
    る禁止手段と を備えた空燃比センサの異常検出装置。
  2. 【請求項2】 空気及び燃料からなる混合気を燃焼室に
    導く吸気通路と、前記燃焼室での混合気の燃焼により生
    じた排気ガスを流通可能にした排気通路と、前記排気通
    路内へ突出し、かつ内部に空気が充填された管状の検出
    部を有し、同検出部内外での酸素濃度の差に基づき、混
    合気中の空気と燃料との比である空燃比を検出する空燃
    比センサとを備え、空燃比センサによって検出される空
    燃比を理論空燃比にすべく燃料噴射量を制御するように
    した内燃機関に用いられるものであって、 前記空燃比センサによって検出される空燃比が理論空燃
    比よりもリーンになると、その空燃比が理論空燃比より
    もリッチになるまでのリーン時間を測定し、その測定値
    が予め定めた値よりも大きくなることをもって前記空燃
    比センサに異常 ありと判定する手段と、 前記内燃機関において一旦停止された燃料噴射が再開さ
    れた時点から、前記検出部の内外が連通した状態におい
    て同検出部に到達した排気ガスが同検出部の内部に入り
    込むまでの時間、前記空燃比センサによって検出される
    空燃比が理論空燃比よりもリッチとなっても前記リーン
    時間の測定を強制的に続行させる手段とを備えた 空燃比
    センサの異常検出装置。
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