JP4514596B2 - 内燃機関のイオン電流検出装置異常判定方法 - Google Patents

内燃機関のイオン電流検出装置異常判定方法 Download PDF

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本発明は、イオン電流に基づいて燃焼状態を検出し得る内燃機関におけるイオン電流検出装置異常判定方法に関するものである。
従来、車両などに搭載される内燃機関すなわちエンジンにおいて、点火の直後に燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、検出したイオン電流の特性に基づいて燃焼状態を判定するものが知られている。イオン電流は、点火の後に点火プラグに対して電圧を印加し、印加した電圧により点火プラグの電極間に流れるものである。このようなイオン電流を活用して、点火プラグのくすぶり度合いすなわち点火プラグに付着しているカーボンの度合いを検出することが試みられている。
例えば特許文献1に記載のものでは、イオン電流を検出し、検出したイオン電流(くすぶりが発生している場合は漏洩電流が重畳している)の流れている時間に基づいて点火プラグのくすぶり度合い判定し、その判定結果に基づいて点火プラグの異常の有無を判定している。また、特許文献1においては、冷却水温、エンジン回転数、負荷変化量の少なくとも1つに基づいてくすぶり度合いが過渡的に急変する特定の運転条件を判定し、判定した特定の運転条件の時にくすぶり度合いの判定を禁止する構成を開示している。
特開平11−13620号公報
ところが、上記の構成のものであると、くすぶりによる漏洩電流が重畳するイオン電流を検出する場合に、くすぶりが発生していて正常な燃焼であればイオン電流が消滅した後に漏洩電流が流れ続けるためにくすぶりは判定できるものの、燃焼状態が不安定でイオン電流が正常な燃焼の場合より長い期間流続けてもくすぶりと誤って判定してしまう可能性がある。このことは、イオン電流を検出するためのイオン電流検出装置(回路)において、点火プラグ側の回路、言い換えればイオン電流の入力端側の回路において短絡が生じている場合においても当てはまるものである。つまり、イオン電流検出装置において何らかの理由で上記短絡が生じていると、イオン電流の検出時に、短絡により入力される電流をくすぶりによる漏洩電流が重畳したイオン電流として検出することになる。そして、短絡による電流は消滅することなく流れ続けるものであるので、くすぶりによる漏洩電流と判定することとなり、くすぶりの発生と短絡とを区別することができず、よってくすぶりが生じていると誤って判定することになる。
本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
すなわち、本発明の内燃機関のイオン電流検出装置異常判定方法は、点火プラグを備え点火プラグを介して燃焼室内に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出装置を備えてなる火花点火式の内燃機関において、点火プラグにおけるくすぶりが内燃機関の運転状態によって自然消滅するに十分な、機関回転数又は負荷が高いほど短くなる自己清浄期間の経過したことを機関回転数と負荷とに基づく基準により判定し、少なくとも自己清浄期間の経過判定の後にイオン電流の検出を実行し、イオン電流を検出するための検出期間の間継続して電流が発生していることを検出した場合にイオン電流検出装置の短絡を判定することを特徴とする。
このような構成であれば、イオン電流検出装置の故障特には短絡の検出は、内燃機関の運転状態に応じて点火プラグの温度が上昇し、点火プラグにおけるくすぶりが自然消滅するに十分な自己清浄期間の経過を判定した後に実行するものである。自己清浄期間の経過後は、自己清浄により点火プラグがくすぶっていない正常な状態で、点火プラグを介してイオン電流が検出し得る状態であることを示している。このため、点火プラグがくすぶっているために生じる漏洩電流が重畳したイオン電流を検出することがない。
そして、自己清浄が消滅している状態、つまりくすぶりによる漏洩電流が発生しない状態において、イオン電流を検出するための検出期間の間継続している電流は、くすぶりによる漏洩電流もなければイオン電流でもないので、イオン電流検出装置が短絡することにより発生する電流となる。したがって、イオン電流検出装置の短絡を検出することが可能になり、このような短絡と点火プラグがくすぶっている状態とを明確に区別することが可能になる。
なお、自己清浄期間は、点火プラグのくすぶりが内燃機関の運転中に自然に消滅するあるいは解消されるに要する期間(時間)により定義されるもので、くすぶりの消滅が点火プラグの温度と、点火プラグがある温度状態を継続している時間とに依存していることに基づいて設定される。
自己清浄期間の測定方法としては、くすぶりが自己清浄している度合いを示すくすぶり清浄数値を機関回転数と負荷とに基づいて機関回転数と負荷との少なくとも一方が高いほど高く設定しておき、所定期間毎にその所定期間内における運転状態に応じて得られるくすぶり清浄数値を積算し、積算したくすぶり清浄数値が基準以上となった時に自己清浄期間の経過判定が完了したとするものが好ましい。このようにして自己清浄期間を測定すると、時々刻々と変化する内燃機関の運転状態をくすぶり清浄数値に反映させることができるため、自己清浄期間が終わった時点を精度よく検知することが可能になる。
以上の構成において、自己清浄期間の測定精度をより正確にするためには、内燃機関の温度と吸気温度との少なくとも一方が高いほどくすぶり清浄数値を大きくするものが望ましい。
本発明は、以上説明したように、イオン電流検出装置の故障特には短絡の検出を、点火プラグにおけるくすぶりが内燃機関の運転状態によって自然消滅するに十分な自己清浄期間の経過判定の後に実行するものであるので、自己清浄により点火プラグがくすぶっていない正常な状態で、点火プラグを介してイオン電流の検出を実行することにより、点火プラグがくすぶっているために生じるイオン電流に重畳した漏洩電流を検出することを回避することができる。この結果、漏洩電流が重畳していないイオン電流を検出できる状態においてイオン電流の検出期間の間継続している電流を、くすぶりによる漏洩電流でもイオン電流でもないと判定でき、イオン電流検出装置の短絡を検出することができる。それゆえ、このような短絡と点火プラグがくすぶっている状態とを明確に区別することができる。
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。図1に概略的に示したエンジン100は車両特には自動車に搭載される多気筒のもので、その吸気系1には図示しないアクセルペダルに応動して開閉するスロットルバルブ2が配設され、その下流側にはサージタンク3が設けられている。サージタンク3に連通する一方の端部近傍には、さらに燃料噴射弁5が設けてあり、この燃料噴射弁5を、電子制御装置6により後述する基本噴射量に基づいて開成制御するようにしている。そして、燃焼室10の天井部分に対応する位置には、点火プラグ18が取り付けてある。また排気系20には、排気ガス中の酸素濃度を測定するためのO2センサ21が、図示しないマフラに至るまでの管路に配設された三元触媒22の上流の位置に取り付けられている。なお、図1にあって、シリンダ部分の構成にあっては1気筒の構成を代表的に示すものである。
電子制御装置6は、中央演算処理装置7と、記憶装置8と、入力インターフェース9と、出力インターフェース11とを具備してなるマイクロコンピュータシステムを主体に構成されており、その入力インターフェース9には、吸気管圧力としてサージタンク3内の圧力を検出するための吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号a、エンジン100の回転状態を検出するためのカムポジションセンサ14から出力される気筒判別信号G1とクランク角度基準位置信号G2とエンジン回転数信号b、車速を検出するための車速センサ15から出力される車速信号c、スロットルバルブ2の開閉状態を検出するためのアイドルスイッチ16からのLL信号d、エンジンの冷却水温を検出するための水温センサ17からの水温信号e、上記したO2センサ21からの電流信号hなどが入力される。一方、出力インターフェース11からは、燃料噴射弁5に対して燃料噴射信号fが、また点火プラグ18に対してイグニッションパルスgが出力されるようになっている。
また点火プラグ18には、イオン電流検出装置30を構成するイオン電流を測定するためのバイアス用電源24及びイオン電流測定用回路25が接続されている。このバイアス用電源24を含むイオン電流測定用回路25それ自体は、当該分野で知られている種々のものが使用できる。バイアス用電源24は、点火後イオン電流を燃焼室10内に流すべく電圧を点火プラグ18に印加する。また、イオン電流測定用回路25は、電気的に電子制御装置6の入力インターフェース9に接続され、電圧の印加により発生したイオン電流をアナログ的に計測し、発生したイオン電流に対応するアナログ信号を電子制御装置6に入力する。
電子制御装置6には、吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号aとカムポジションセンサ14から出力される回転数信号bとをおもな情報とし、エンジン状態に応じて決まる各種の補正係数で基本噴射時間を補正して有効噴射時間を求め、その有効噴射時間に基づいて燃料噴射弁開成時間すなわちインジェクタ最終通電時間を決定し、その決定された通電時間により燃料噴射弁5を制御して、エンジン負荷に応じた燃料を該燃料噴射弁5から燃焼室10に向けて噴射させるためのプログラムが格納してある。
また、電子制御装置6には、エンジン100において、点火プラグ18におけるくすぶりがエンジン100の運転状態によって自然消滅するに十分な、エンジン回転数又は負荷が高いほど短くなる自己清浄期間の経過したことをエンジン回転数と負荷とに基づく基準により判定し、少なくとも自己清浄期間の経過判定の後にイオン電流の検出を実行し、イオン電流を検出するための検出期間の間継続して電流が発生していることを検出した場合にイオン電流検出装置30の短絡を判定する短絡判定プログラムが格納してある。
図2に制御手順の概略を示すこの実施形態の短絡判定プログラムにおいては、くすぶりは自己清浄している度合いを示すくすぶり清浄数値をエンジン回転数と負荷とに基づいてエンジン回転数と負荷とが高いほど高く設定しておき、所定期間毎にその所定期間内における運転状態に応じて得られるくすぶり清浄数値を積算し、積算したくすぶり清浄数値が基準以上となった時に自己清浄期間の経過判定が完了したとする構成にしてある。
加えて、この実施形態にあっては、点火から排気行程が終了するまでをイオン電流を検出するための検出期間として設定してある。この検出期間は、正常な燃焼状態におけるイオン電流が確実に消滅する期間より長く、また不安定な燃焼状態におけるイオン電流にあってもそのほとんどが消滅するに十分な期間に設定してある。
この短絡判定プログラムは、エンジン100を始動してから一度もしくは二度、短絡を判定するまで所定期間毎に繰り返し実行され、短絡を判定した場合には、例えば警告灯を点灯するなどして運転者にその判定結果を報知する。そして、例えば判定フラグなどセットすることにより判定が終了したことを記憶しておき、その後はその記憶に基づいて短絡判定プログラムを実行しない構成である。
短絡判定プログラムによる短絡判定方法を説明する前に、イオン電流の検出動作について説明する。イオン電流の検出は、自己清浄期間の経過後のみならず、点火の毎に行うものである。まず、イオン電流を検出するために、点火直後にバイアス用電源24から点火プラグ18にバイアス電圧が印加される。点火プラグ18がくすぶっておらず、燃焼が正常である場合には、燃焼室10内において、イオン電流は点火直後に瞬時に発生して、膨張行程における上死点近傍で減少した後再び増加し、燃焼圧が最大となるクランク角度近傍でその電流値が最大となるピーク値になるように燃焼室10内に流れる。そして、イオン電流の検出期間が終了するまでに消滅する。
一方、点火プラグ18がくすぶっている場合には、そのくすぶりの程度にもよるが、点火プラグ18の電極間の絶縁抵抗が正常な場合に比べて低下しているので、上述のバイアス電圧を点火プラグ18に印加すると、低下した絶縁抵抗を介して漏洩電流が流れることになる。この漏洩電流は、イオン電流が発生している場合にはイオン電流に重畳した状態で検出され、失火のためにイオン電流が発生していない場合には単独でイオン電流測定用回路25に入力されてイオン電流とみなされて測定される。
さらに、点火プラグ18とイオン電流測定用回路25とを接続しているケーブルやイオン電流測定用回路25内部において短絡が発生していると、イオン電流測定用回路25はその短絡により電流が発生する。この短絡による電流は、バイアス用電源24からバイアス電圧が点火プラグ18に印加されている間継続して発生するため、イオン電流の検出開始からイオン電流の検出期間が終了するまでの間、検出されるものである。
この実施形態では、エンジン回転数と負荷を現す吸気管圧力とに基づいて、運転状態に応じて点火プラグ18のくすぶりを解消するに要する時間に対応するくすぶり清浄数値が、二次元マップにより設定してある。すなわち、くすぶり清浄数値は、図3に示すように、エンジン回転数と吸気管圧力とにより全運転領域を複数の運転領域に区画し、エンジン回転数が高くなるほど、また吸気管圧力が高くなるほど大きな値に設定してある。これは、エンジン100の運転状態により点火プラグ18の温度を変化させる度合いが異なり、エンジン回転数及び吸気管圧力が低い場合、燃焼温度が低く点火プラグ18への熱の供給量が少ないことにより点火プラグ18が自己清浄しにくいことから、自己清浄に要する時間が長くなり、逆の運転状態においては自己清浄に要する時間は短くてよいことに基づいている。なお、図3において負の値が設定してあるのは、その運転領域においては、点火プラグ18をくすぶらせる要因のほうが自己清浄よりも大きいためである。
また、この実施形態では、自己清浄期間の測定精度を高くするために、エンジン100の温度(冷却水温、潤滑油温度などを含む)、具体的には冷却水温に基づいてくすぶり清浄数値を補正係数により補正するようにしている。これは、エンジン100の温度が低い場合には、点火プラグ18の熱が奪われることになり、したがって点火プラグ18の温度上昇が鈍くなり、自己清浄するのに要する時間を長くするためである。
具体的には、自己清浄期間の経過判定の精度を上げるために、冷却水温が高いほどくすぶり清浄数値を大きくするように補正係数を例えばマップにより設定している。すなわち、点火プラグ18の温度は、負荷が大きくなって燃焼温度が高くなる場合及び単位時間当たりの点火回数が多くなるエンジン回転数が高い場合に高くなるが、これに加えて冷却水温が高くなると点火プラグ18が冷えにくくなるため、補正係数は上述のように設定してあるものである。したがって、このような冷却水温によりくすぶり清浄数値を補正することにより、より点火プラグ18の温度上昇の変化を実際に近づけるものである。この実施形態における補正係数は、くすぶり清浄数値に乗じるもので、例えば暖機後のアイドリング運転状態における数値を基準値例えば1として、それよりも冷却水温が高くなると大きくし、逆に冷間始動の場合などの冷却水温が低い場合に対応するものは小さくするものである。このような補正係数は、くすぶり清浄数値に加算して補正するものであってもよい。この加算する補正係数の例にあっても、冷却水温が高くなるに応じて補正係数の数値を大きくし、冷却水温が低くなるに応じて負の数値を大きくするように設定する。
なお、この実施の形態においては、エンジン100の温度に基づく補正係数を採用したが、吸入空気の温度(吸気温)に基づいてくすぶり清浄数値の補正係数を設定する、点火回数あるいは点火時間に基づいて補正係数を設定するものであってもよい。これは、吸気温が低い場合に、混合気がシリンダ内に吸入されると、点火プラグ18やシリンダ内の熱が奪われることにより、点火プラグ18の温度が変化するためである。補正係数の設定は、吸気温が高いほどくすぶり清浄数値を大きくするものである。
また、点火回数が少ないあるいは点火時間については、点火回数が少ない、また点火時間が短い場合には、点火プラグ18に供給される熱量が少なくなる。したがって、点火プラグ18の温度上昇が鈍くなり、自己清浄するのに要する時間を長くなることに対応して、補正係数は小さくする設定するものである。
以上に加えて、自己清浄期間の測定の完了を判定するための判定基準を設定しておく。この判定基準は、この実施形態においてはくすぶり清浄数値に換算して、くすぶりが自然消滅するに十分な時間にあわせて設定してある。
以上の構成において、まずステップS1では、始動時であるか否かを判定する。始動時であると判定した場合は、ステップS2において、くすぶり清浄数値を計数するカウンタを初期化する。すなわち、この短絡判定プログラムは、エンジン100を始動した場合は、前回のエンジン100の運転において計数したくすぶり清浄数値をクリアして、カウンタを初期化するものである。カウンタは、電子制御装置6における中央演算装置7により実行されるソフトウェアによるものであってよく、また、中央演算装置7に接続されるカウンタとなる回路(集積回路を含む)からなるハードウェアによるものであってよい。
ステップS3では、この時点のエンジン100の運転状態によりくすぶり清浄数値を計算する。すなわち、くすぶり清浄数値は、前述のように、エンジン回転数と吸気管圧力とにより設定してあるので、運転状態をエンジン回転数と吸気管圧力とにより検出して、検出したエンジン回転数と吸気管圧力とにより二次元マップを検索して計算する。この場合に、二次元マップは、エンジン回転数と吸気管圧力との代表的な値が設定してあるので、それ以外のものについては補間計算を行ってその時点の運転状態に対応したくすぶり清浄数値を計算するものである。
エンジン100の運転状態に対応したくすぶり清浄数値を計算した後、ステップS4において冷却水温によりくすぶり清浄数値を補正するべく、この時点の冷却水温に対応する補正係数を、マップを用いて計算する。
ステップS5では、得られた補正係数によりこの時点のくすぶり清浄数値を補正し、その補正されたくすぶり清浄数値によりカウンタを更新する。すなわち、カウンタは、初期化された後、くすぶり清浄数値が計算される毎に、補正係数により補正されたくすぶり清浄数値を積算することにより更新されるものである。そして、このカウンタにおけるくすぶり清浄数値の積算値は、前述のように、ステップS2を実行しない限り、つまりエンジン100の運転中はクリアされない。
次に、ステップS6では、カウンタにより計数された積算値が判定基準を上回っているか否かを判定する。すなわち、積算値が判定基準を上回ると判定することにより、点火プラグ18におけるくすぶりが自然消滅するに十分な自己清浄期間が経過したと判定するものである。したがって、判定の結果、積算値が判定基準を上回っている場合は、ステップS7において、故障診断許可フラグをセットする。この故障診断許可フラグをセットすることにより、点火プラグ18のくすぶりがエンジン100を実際に運転している間に消滅したことを示すもので、この故障診断許可フラグの状態を確認してそれまで停止していたイオン電流検出装置30の故障を診断できるようになるものである。
そして、故障診断許可フラグがセットされた後のイオン電流を検出するタイミングつまりある気筒の点火後の所定タイミングにおいて、イオン電流検出装置30の故障診断のためにイオン電流を検出する。上述したように、イオン電流の検出期間内において、検出したイオン電流が消滅する場合は、イオン電流検出装置30は故障していないと判定する。これに対して、イオン電流の検出を開始して、イオン電流と同様の電流を検出した場合で、かつその検出した電流がイオン電流の検出期間の間、継続して発生していることを検出した場合には、その検出した電流はイオン電流ではなくイオン電流検出装置30の故障、つまりイオン電流検出装置30が短絡することにより発生した電流であるので、イオン電流の故障である短絡を判定する。
以上の構成において、エンジン100を始動した場合を説明する。まず、エンジン100を始動するとカウンタを初期化し(ステップS1及びステップS2)、この時のエンジン100の運転状態に基づいてくすぶり清浄数値を計算する(ステップS3)。始動後、アイドリング運転状態では、負荷が低く、しかもエンジン回転数も低いため、くすぶり清浄数値は、この実施形態では負の値あるいはエアコンディショナなどの負荷によりエンジン回転数が若干上昇しているアイドルアップ状態では低い値となる。そして得られたくすぶり清浄数値を冷却水温により補正し(ステップS4)、補正したくすぶり清浄数値によりカウンタを更新する(ステップS5)。この場合に、暖機が完了している場合の再始動時では、冷却水温が上昇しているので、補正したくすぶり清浄数値は補正により大きくなる。この後、ステップS5及びステップS6を実行するが、補正されたくすぶり清浄数値の積算値(カウンタの積算値)は判定基準以下であるので、このプログラムを終わる。
この後、車両が走行を開始して、吸気管圧力が高くなる側に変化するとともにアイドリング運転状態よりはエンジン回転数が高くなる運転状態において、ステップS1、ステップS3、ステップS4、ステップS5及びステップS6をこの順に実行する。この場合、走行状態に応じて吸気管圧力及びエンジン回転数が高くなることがあるとともに、冷却水温も高くなるので、積算値はアイドリング運転状態に比較して迅速に大きくなる。そして、このプログラムを所定の間隔で繰り返し実行することにより、始動後において、補正されたくすぶり清浄数値の積算値が判定基準を上回ると(ステップS6において「Yes」の判定)、故障診断許可フラグをセットして、イオン電流検出装置30の故障診断が可能な状態であるとする。
このように、点火プラグ18の自己清浄期間が経過したこと、つまり点火プラグ18のくすぶりが確実に自己清浄された状態を、吸気管圧力とエンジン回転数とにより設定するくすぶり清浄数値を積算することにより、運転状態に応じて確実にしかも迅速に判定することができる。つまり、エンジン100の運転状態が時々刻々と変化する中で、それぞれの運転状態に応じてくすぶり清浄数値を計算し、得られたくすぶり清浄数値を補正係数により補正して積算するので、高負荷高回転の運転状態が継続すると値の大きなくすぶり清浄数値が計算される。この結果、カウンタにおける積算値は急速に大きくなり、くすぶりを自己清浄するまでの自己清浄期間が短くなる。そして、積算値が判定基準を上回った時点で、くすぶりの自己清浄期間が経過して、点火プラグ18のくすぶりが解消したことを検出するものである。そして、このような点火プラグ18にくすぶりのない状態でイオン電流の検出期間における電流の状態によりイオン電流検出装置30の故障を判定するので、くすぶりによる漏洩電流を確実に区別して正確に短絡を検出することができる。
また、この実施形態においては、冷却水温に応じて設定した補正係数によりくすぶり清浄数値を補正するので、時々刻々と変化するエンジン100の運転状態をより反映したくすぶり清浄数値とすることができるので、自己清浄期間が経過した時点をより精度よく判定できるものである。
なお、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態においては、くすぶり清浄数値を積算して判定基準と比較するものを説明したが、計算され補正されたくすぶり清浄数値をその都度判定基準から減算するものであってもよい。
また、上述の実施形態にあっては、くすぶり清浄数値を吸気管圧力とエンジン回転数とに基づいて設定したが、吸気管圧力のみ、もしくはエンジン回転数のみで設定するものであってもよい。この場合にあっても、実施形態と同様に、吸気管圧力が高くなるほど、またエンジン回転数が高くなるほど、くすぶり清浄数値を大きく設定するものである。
さらに、くすぶり清浄数値は、吸気管圧力とエンジン回転数と、燃料噴射量を補正するためのパワー増量補正係数とをパラメータとする三次元マップにより設定するものであってもよい。パワー増量補正係数は、スロットルバルブ2をほぼ全開にする高負荷運転において、燃料噴射量を増量するための補正係数である。このような構成において、スロットルバルブ2の開度を検出し、その開度がほぼ全開でパワー増量補正係数により燃料噴射量が補正される場合は、くすぶり清浄数値を吸気管圧力とエンジン回転数とで設定する場合より小さくするものである。これは、パワー増量補正係数により燃料噴射量が増量され、空燃比がリッチ側に変わるとくすぶりが発生しやすい、言い換えれば燃焼により点火プラグ18にカーボンが付着しやすい運転状態になるためである。
このような、くすぶりが発生しやすい、言い換えれば燃焼により点火プラグ18にカーボンが付着しやすい運転状態である空燃比がリッチである場合を加味する補正係数を、上述の実施形態において採用するものであってもよい。すなわち、例えばスロットルバルブ2がほぼ全開となるような加速時において、空燃比が大きくリッチになるような場合にカーボンが点火プラグ18に付着することを想定して、くすぶり清浄数値を小さくする負の値の補正係数あるいは1未満の補正係数を設定するものである。
このようなくすぶり清浄数値を小さくする要件としては、点火プラグ18の形状(電極間のギャップ、絶縁距離など)や熱価、燃料の性状(霧化の容易性)あるいは点火エネルギ(点火コイルにおける二次電圧の立ち上がり性能に依存する)などであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態を示す全体模式図。 同実施形態における制御プログラムの概略手順を示すフローチャート。 同実施形態のくすぶり清浄数値を設定する二次元マップの概略構成説明図。
符号の説明
6…電子制御装置
7…中央演算処理装置
8…記憶装置
9…入力インターフェース
11…出力インターフェース
13…吸気圧センサ
14…カムポジションセンサ
18…点火プラグ
30…イオン電流検出装置

Claims (3)

  1. 点火プラグを備え点火プラグを介して燃焼室内に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出装置を備えてなる火花点火式の内燃機関において、点火プラグにおけるくすぶりが内燃機関の運転状態によって自然消滅するに十分な、機関回転数又は負荷が高いほど短くなる自己清浄期間の経過したことを機関回転数と負荷とに基づく基準により判定し、
    少なくとも自己清浄期間の経過判定の後にイオン電流の検出を実行し、
    イオン電流を検出するための検出期間の間継続して電流が発生していることを検出した場合にイオン電流検出装置の短絡を判定する内燃機関のイオン電流検出装置異常判定方法。
  2. くすぶりが自己清浄している度合いを示すくすぶり清浄数値を機関回転数と負荷とに基づいて機関回転数と負荷との少なくとも一方が高いほど高く設定しておき、所定期間毎にその所定期間内における運転状態に応じて得られるくすぶり清浄数値を積算し、
    積算したくすぶり清浄数値が基準以上となった時に自己清浄期間の経過判定が完了したとする請求項1記載の内燃機関のイオン電流検出装置異常判定方法。
  3. 内燃機関の温度と吸気温度との少なくとも一方が高いほどくすぶり清浄数値を大きくする請求項2記載の内燃機関のイオン電流検出装置異常判定方法。
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