JP3882357B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置内を2つの通路に仕切り、一方の空気通路に外気を取り入れ、他方の空気通路に内気を取り入れて、暖房能力の向上と防曇性の向上を両立する車両用空調装置(以下、2層ユニット)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、2層ユニットとして、特開平8−318727号公報に記載されているものがある。
この車両用空調装置の最空気上流部をなす内外気ユニットは、図5に示すように外気用の第1通路101と内気用の第2通路100とを有する。そして、内外気送風ユニットには、図5に示すようにこれら通路100、101に対応して、1つの送風用モータ103にて駆動される第1のファン111および第2のファン110が設けられている。
【0003】
内外気ユニットには、図中上方で送風用モータ103の回転軸線方向の一端側に、第1内気導入口102および外気導入口104が形成されている。これら第1内気導入口102と外気導入口104は、第1内外気切換ドア106にて開閉される。
また、内外気ユニットには、図中下方で送風用モータ103の回転軸線方向の他端側に、第2内気導入口105が形成されている。この第2内気導入口105は、第2内外気切換ドア107にて開閉される。
【0004】
内外気ユニットには、第1のファン111と第2のファン110との各吸込口を連通させるように連通路108が形成されており、この連通路108は、上記第2内外気切換ドア107にて開閉される。
そして、内外気モードを上記2層モードに切り換えるには、第1内外気切換ドア106にて第1内気導入口104を閉塞するとともに、上記外気導入口102を開口する。一方、第1内外気切換ドア107にて連通路108を閉塞するとともに、第2内気導入口105を開口する。
【0005】
これにより、第2通路100には、第2内気導入口105より内気が取り入れられ、第1通路101には外気導入口105より外気が取り入れられる。
例えば、第2通路100および第1通路101の両方に外気を取り入れる場合は、第1内外気切換ドア106にて第1内気導入口104を閉塞するとともに、外気導入口104を開口する。さらに第2内外気切換ドア107にて連通路108を開口するとともに、第2内気導入口105を閉じる。これにより、外気導入口104からの外気は、図中矢印Aで示すように第1のファン111に吸い込まれるとともに、図中矢印Bで示すように連通路108を通じて第2のファン110に吸い込まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常の車両用空調装置(空調ケース内を2つの空気通路に仕切らないもの)では、送風用モータの回転速度の切換、すなわち空調風の送風量の変更は、例えばパワートランジスタ等の速度制御用電気素子にて通電量が制御されることで、行われる。
【0007】
そして、上記速度制御用電気素子は、通電によって発熱が生じて耐久性が劣化するために、空調風が流れる空調ケース内に設置されて冷却されるようになっている。
そこで、本発明者らは、上記2層ユニットにおいて、上記速度制御用電気素子の空調ケース内の配置を検討した結果、2つの通路のうち、外気側の通路に配置すると、この通路には外気とともに雨等も侵入するため、速度制御用電気素子に水がかかりやすく、速度制御用電気素子が故障しやすいという問題が発生することが分かった。
【0008】
そこで、本発明は、上記2層ユニットが切換可能な車両用空調装置において、速度制御用電気素子に水が掛かることを低減することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、電動モータ(7)の回転速度を制御する速度制御用電気素子(50)を有し、速度制御用電気素子(50)は、前記第2通路(5b)内に配置されていることを特徴としている。これにより、2層モードにおいて、第2通路内には内気が導入され、水が入り込みにくいので、速度制御用電気素子に水がかかることを低減できる。このため、制御用電気素子50の安全性を保ち故障を回避できる。
また、請求項2に記載の発明では、第1、第2通路(5a、5b)は、仕切り部材(4)により上下方向に並ぶように配置されて、第2通路(5b)の方が第1通路(5a)より下方部位に配置されており、送風用ファン(6a、6b)は、第1通路(5a)に配置された第1ファン(6a)と、第2通路(5b)に配置された第2ファン(6b)とを有し、これら第1、第2ファン(6a、6b)は、共に回転軸線方向が上下方向を向くように配置されるとともに、電動モータ(7)にて一体的に回転するようになっており、第1ファン(6a)は、上方から下方に向けて空気を吸い込む遠心式ファンであり、第2ファン(6b)は、下方から上方に向けて空気を吸い込む遠心式ファンであることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施形態】
(第1実施形態)
図1に本実施形態における車両用空調装置の内外気ユニット1の搭載図を示す。図2に図1中上方から下方に向けてみた内外気ユニット1の上面図を示す。
なお、本例の車両用空調装置は、右ハンドル車用のものである。
【0011】
内外気ユニット1は、図1に示すように車両用空調装置の最空気上流部を構成するものである。内外気ユニット1は、車室内のうち車両前方側の意匠面をなすインストルメントパネルPの車両前方側に配置されている。また、内外気ユニット1は、エンジンルーム(E/G)と車室内とを区画する鉄板製の仕切り壁2の車両後方側に配置されている。
【0012】
つまり、内外気ユニット1は、仕切り板2とインストルメントパネルPとの間に配置されている。また、インストルメントパネルPのうち助手席側、かつ前記内外気ユニット1の車両後方側には、内外気ユニット1と対向配置されて、物品を収納する容器状の収納部材(以下、グローボックス20)が設けられている。グローボックス20は、インストルメントパネルPに回動可能に支持された回動軸20bにて、図1中矢印C方向に回動するようになっている。これにより、グローボックス20の開閉が行える。
【0013】
内外気ユニット1は、車室内への空気流路をなす空調ケース3を有する。そして、空調ケース3内は、水平方向に延びる仕切り板4(仕切り部材)にて2つの通路に仕切られている。具体的には、空調ケース3は、流路がスクロール状となるスクロールケース部3aを有し、このスクロールケース部3a内が、仕切り板4にて上下(天地)方向に仕切られて、上下方向に並ぶように第1、第2通路5a、5bが形成されている。
【0014】
そして、第1、第2通路5a、5bの下流側には、空調風の温度を調整する温調ユニット10が配置されている(図3参照)。温調ユニット10は、実際には上記内外気ユニット1と車両幅方向に並び、車両幅方向の中央部位に配置されており、図3に模式的に示した。
温調ユニット10について図3に基づき説明する。温調ユニット10内は、仕切り板11にて2つの通路(第1通路5a、第2通路5bとする)に仕切られている。温調ユニット10内には、冷却用熱交換器である周知のエバポレータ12が配置されている。また、温調ユニット10内で、エバポレータ12の空気下流側(車両後方側)には、周知のヒータコア等にて構成される温度調整部13が設けられている。温度調整部13は、エバポレータ12を通過した空気の加熱量を調整することで、空調風の温度を調整する。
【0015】
この温度調整部13は、例えば車両のエンジン冷却水を熱源とするヒータコアや、エバポレータ12を通過した冷風のうち、ヒータコアを通過する風量を調整する周知のエアミックスドア等からなる。
そして、内外気ユニット1から吹き出される空気は、図3中紙面表側から裏側に向かって流れ、空気取入口50a、50bから取り入れられ、図3中矢印Aで示すように車両幅方向に流れて、温調ユニット10内に導入される。温調ユニット10内に導入された空気は、車両前方側から車両後方側に流れるように向きを変えて、エバポレータ12やヒータコアを通過する。
【0016】
温度調整部13の空気下流側には、乗員の上半身に向けて空調風を送風する上半身用送風路をなすフェイス用送風路14、車両のフロントガラス15(図1参照)に向けて空調風を送風するデフロスタ用送風路16、および乗員の下半身に向けて空調風を送風する下半身用送風路をなすフット用送風路17が形成されている。
【0017】
これら送風路14、16、17は、開閉部材である吹出口切換ドア18、19にて開閉される。これにより、以下の吹出口モードが切換可能となる。
(デフロスタモード)
吹出口切換ドア18にて、デフロスタ用送風路16を開口するとともに、フェイス用送風路14を閉塞し、さらに吹出口切換ドア19にてフット用送風路17を閉塞する。これにより、空調風は、デフロスタ用送風路16のみに送風される。
【0018】
(フェイスモード)
吹出口切換ドア18にて、デフロスタ用送風路16を閉塞するとともに、フェイス用送風路14を開口し、さらに吹出口切換ドア19にてフット用送風路17を閉塞する。これにより、空調風は、フェイス用送風路14のみに送風される。
(バイレベルモード)
吹出口切換ドア18にて、デフロスタ用送風路16を閉塞するとともに、フェイス用送風路14を開口し、さらに吹出口切換ドア19にてフット用送風路17を開口する。これにより、空調風は、フェイス用送風路14とフット用送風路17の双方に送風される。
【0019】
(フットモード)
吹出口切換ドア18にて、デフロスタ用送風路16を開口するとともに、フェイス用送風路14を閉塞し、さらに吹出口切換ドア19にてフット用送風路17を開口する。これにより、空調風は、デフロスタ用送風路16とフット用送風路17の双方に送風される。
【0020】
上述の内外気ユニット1の説明を続けると、第1通路5aおよび第2通路5b内には、図1、2に示すようにそれぞれ車室内への空気流を発生するファン6a、6bが配置されている。ファン6a、6bは、本例では遠心式多翼ファン(シロッコファン)であり、樹脂にて一体形成されている。これらファン6a、6bは、回転軸線方向が上下方向を向くように配置されている。つまり、ファン6a、6bは、この軸線方向(上下方向)の両側から吸い込む両吸込式のファンとなっている。そして、ファン6aは、上方から下方に向けて空気を吸い込み、ファン6bは、下方から上方に向けて空気を吸い込む。
【0021】
そして、本例では、上述の温調ユニット10では、車両前方側から空気を導入する必要があるため、スクロールケース部3aの空気吹出部3cが車両前方に配置されている(図1、2参照)。つまり、ファン6a、6bは、内外気ユニット1のうち車両前方部位で、車両幅方向に空気を上記温調ユニット10に吹き出すように配置されており、温調ユニット10は、内外気ユニット1から吹き出される空気が、車両前方側から車両後方側に向かって流れるようになっている。
【0022】
ファン6a、6bは、図1に示すように1つの電動モータ7にて駆動され、この電動モータ7は、下方から上方に向かってファン6bの吸込口28から挿入配置されている。従って、ファン6bの吸込抵抗は、電動モータ7により大きくなり、空調風の風量がでにくくなる。そこで、本例では電動モータ7の吸込抵抗の増加分を見込んで、ファン6bの送風能力を高めるために、ファン6aよりファン径を大きくしている。電動モータ7は、取り付けステー8にてスクロールケース部3aの外壁面に取り付けられている。
【0023】
電動モータ7は、速度制御用電気素子である制御用電気素子50にて回転速度が制御され、これにより、ファン6a、6bの送風量が可変制御される。具体的には、上記制御用電気素子50は、図示しないMOSトランジタを有し、このトランジスタにて電動モータ7の通電量が制御されることで、ファン6a、6bの送風量が制御されるようになっている。
【0024】
また、このような電動モータ7の通電量は、図示しない制御装置により、空調環境情報である内気温や外気温度、車室内の設定温度等から目標値が算出され、この目標値となるように制御される。
また、上記制御電気素子50は、樹脂等にて形成された取付基板(図示しない)上に配置されており、さらには、この取付基板には、上記MOSトランジスタへのゲート電圧を可変するための電気配線部が設けられている。
【0025】
内外気ユニット1の上方部位には、第2通路5bに内気を導入するための第1内気導入口26と、第1通路5aおよび第2通路5bに外気を導入するための外気導入口22が形成されている。
外気導入口22は、図1に示すように仕切り壁2の上方部位に開口した外気取入口23と、ダクト24にて連通している。第1内気導入口26は、インストルメントパネルP内の上方部位に開口している。
【0026】
そして、これら外気導入口22および第1内気導入口26は、ファン6aの上方部位に形成されており、開閉部材である第1内外気切換ドア25にて選択的に切り換えられるようになっている。
内外気ユニット1内で、第1内気導入口26とファン6aとの間には、塵埃を除去するフィルター部材40が設けられている。このフィルター部材40は、容易に脱着可能となっており、フィルター部材40の内外気ユニット1から取り外し方は、以下のように行う。
【0027】
先ず、グローボックス20をインストルメントパネルPから取り外す。すると、フィルター部材40を取り出すための蓋部41が車室内に露出する。さらにこの蓋部41を取り外すと、フィルター部材40の端部が車室内に露出して、この露出した部分を取っ手として、フィルター部材40を車両後方側に引き抜く。これにより、フィルター部材40を内外気ユニット1から取り外すことができる。なお、フィルター部材40を内外気ユニット1内に装着する場合は、上述の手順を逆に行う。
【0028】
内外気ユニット1の下方部位で、ファン6bの下方部位には、第2通路5bに内気を導入するための第2内気導入口21が形成されている。この第2内気導入口21は、開閉部材である第2内外気切換ドア27にて開閉される。
さらに内外気ユニット1内には、車両後方側に、上下方向へ延びるようにして外気導入口22とファン6bの吸込口28とを連通する連通路29が設けられている。この連通路29は、上記第2内外気切換ドア27にて開閉される。つまり、第2内外気切換ドア27は、前記第2内気導入口21と連通路29を選択的に開閉するようになっている。
【0029】
連通路29は、第1通路5aおよび第2通路5bに共に外気を導入する全外気モードを達成するためにある。全外気モードでは、第1内外気切換ドア25が、第1内気導入口26を閉塞するとともに、外気導入口22を開口し、第2内外気切換ドア27が第2内気導入口21を閉塞して、連通路29を開口する。これにより、第1通路5aには、外気導入口22から外気が導入され、第2通路5bには、外気導入口22から図1中矢印Eで示すように連通路29を通じて外気が導入される。
【0030】
また、本例では、上記全外気モードの他に、内外気モードとして全内気モードと2層モードとが切換可能となっている。
全内気モードでは、第1内外気切換ドア25が、第1内気導入口26を開口するとともに外気導入口22を閉塞し、第2内外気切換ドア27が第2内気導入口21を開口するとともに、連通路29を閉塞する。これにより、第1通路5aには、第1内気導入口26から内気が導入され、第2通路5bには、第2内気導入口21から内気が導入される。
【0031】
2層モードでは、第1内外気切換ドア25が、第1内気導入口26を閉塞するとともに外気導入口22を開口し、第2内外気切換ドア27が第2内気導入口21を開口するとともに、連通路29を閉塞する。これにより、第1通路5aには、外気導入口22から内気が導入され、第2通路5bには、第2内気導入口21から内気が導入される。
【0032】
この結果、上記フットモードにおいては、第1通路5aに比較的低湿な外気が導入されるので、フロントガラス15の防曇性を向上でき、さらに第2通路5bには、比較的高温な内気が導入されることで、暖房能力を向上できる。
次に、上記内外気ユニット1のケース分割構造について、図4に基づき説明する。本例における内外気ユニット1は、ポリプロピレン等の樹脂材にて形成された5つのケース部材1a〜1eが組み付けられて構成されている。ケース部材1aは、図4に示すように三角屋根状に形成されており、上記外気導入口22および第1内気導入口26が形成されている。
【0033】
ケース部材1b〜1dは、上記スクロールケース部3aを構成するものであって、ケース部材1bおよび1dは、渦巻き状(蝸牛状)の椀形状に形成されている。
ケース部材1bには、ファン6aの吸込口の上方に位置し、第1通路5aへの空気取入口81が開口形成されている。ケース部材1bには、上記連通路29の一部が一体形成されている。
【0034】
ケース部材1cは、上記仕切り板4を構成するものであって、スクロール形状に合わせた形状に形成されている。また、ケース部材1cには、上記ファン6aを挿入するための挿入孔88が形成されている。
ケース部材1dには、ファン6bの吸込口の下方に位置し、第2通路5bへの空気取入口82(円形状)が開口形成されている。ケース部材1dには、上記連通路29の一部が一体形成されている。
【0035】
ケース部材1eは、椀状に形成されており、上記第2内気導入口21が形成されている。
そして、これらケース部材1a〜1eは、例えば締結部材として、爪嵌合やタッピングスクリュウ、もしくはビス等にて締結されて、図4中紙面上下方向に重ねるようにして、組み付けられる。
【0036】
ここで、上記ケース部材1dのうち、スクロール上の流路の空気出口側で、丁度図1中最も下方部位の底面53には、上記制御用電気素子50を取り付けるための取り付け孔51が形成されている。そして、図1に示すように取り付け孔51を介して、上記制御用電気素子51は第2通路5b内に配置されるように取り付けられている。具体的には制御用電気素子50は、図4中下方から上方に向けて第2通路5b内に挿入した後、上記取付基板をケース部材1dの外壁にビス等の締結手段にて取り付けられる。
【0037】
これにより、制御用電気素子50は、第1通路5aより下方に位置する第2通路5b内で最も下方部位に配置される。従って、本例では、2層モードにおいて、第2通路5b内には入り込みにくく、制御用電気素子50に水がかかりにくい。このため、制御用電気素子50に水がかかることが低減でき、制御用電気素子50の安全性を保ち故障を回避できる。また、上記全外気モードにおいて、外気導入口22から侵入する水は、ファン6aに吸い込まれて、図1中矢印aで示すように第1通路5aに吹き出されるため、全外気モードにおいても同様な効果が得られる。
【0038】
また、本例では、制御用電気素子51は、第2通路5bの最も下方部位に設置されており、上記取付基板から上記ビスを外せば、図1中矢印b方向に車室内から容易に脱着可能となっている。このため、例えば制御用電気素子50の保守交換を容易に行うことができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態の車両用空調装置では、インストルメントパネルP内の上方部位に開口する第1内気導入口26と、乗員の足元近くに開口する第2内気導入口21の2つの内気導入口を備え、第1内気導入口26により全内気モード時に第1通路5aに内気を導入し、第2内気導入口21により全内気モード時および2層モード時に第2通路5bに内気を導入する。
【0039】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、第2内気導入口21から導入された内気は、塵埃を除去するためのフィルター部材40を通過しないで第2通路5bに到達する。また、2層モード時に電動モータ7および送風用ファン6a、6bが停止している場合には、車両走行中にラム圧(車両走行動圧)により外気導入口22から空調ケース3内に外気が侵入し、この外気が送風用ファン6a、6bを通過した後、第2内気導入口21から車室内に侵入することがあり、この場合には、乗員の足元に冷風が当たって乗員の快適感が損なわれることが確認された。
【0040】
そこで、第2実施形態では第2内気導入口21および第2内外気切替ドア27を廃止して、内気導入口を送風ファン6a、6bの上部に位置する第1内気導入口26(以下、第2実施形態では単に内気導入口という。)のみにし、内気導入口26から導入された内気を、第1通路5aのみならず第2通路5bにも導入できる構造とすることで上記不具合を解決している。
【0041】
以下、図6に基づいて第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけてその説明を省略する。
全外気モードでは、第1内外気切替ドア25(以下、第2実施形態では単に内外気切替ドアという。)は、全外気モード位置Lにて内気導入口26を閉塞するとともに、外気導入口22を開口する。これにより、第1通路5aには、外気導入口22から図6中矢印Hで示すように外気が導入され、第2通路5bには、外気導入口22から図6中矢印Eで示すように連通路29を通じて外気が導入される。
【0042】
全内気モードでは、内外気切替ドア25は、全内気モード位置Nにて内気導入口26を開口するとともに、外気導入口22を閉塞する。これにより、第1通路5aには、内気導入口26から矢印Hで示すように内気が導入され、第2通路5bには、内気導入口26から矢印Eで示すように連通路29を通じて内気が導入される。
【0043】
2層モードでは、内外気切替ドア25は、2層モード位置Mにて内気導入口26および外気導入口22の双方を開口する。このとき内外気切替ドア25は、フィルター部材40の略中央部の上方に位置する。そして、内外気切替ドア25とフィルター部材40との間を空気が通過しないシール構造とするため、内外気切替ドア25の2層モード位置M下方に仕切り部60を設けている。これにより、第1通路5aには、外気導入口22から矢印Hで示すように外気が導入され、第2通路5bには、内気導入口26から矢印Eで示すように連通路29を通じて内気が導入される。
【0044】
本第2実施形態の車両用空調装置の構成によれば、上記各モードにおいて、外気導入口22から導入された外気および内気導入口26から導入された内気は、必ずフィルター部材40を通過してから、第1通路5a、第2通路5bに導入され、すべてのモードにおいて、フィルター部材40が有効となる。
また、2層モード時で電動モータ7および送風用ファン6a、6bが停止している場合において、車両走行中にラム圧により外気導入口22から空調ケース3内に外気が侵入し、この外気が送風用ファン6a、6bを通過した後、内気導入口26から車室内に侵入したとしても、内気導入口26はインストルメントパネルP内の上方部位に開口しているので、乗員の足元に直接冷風が当たることがなく、乗員の快適感悪化を防止することができる。
【0045】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、ファン6a、6bは、その回転軸線方向が上下方向を向くように配置されていたが、水平方向に配置しても良く、配置方向はどのような方向であっても良い。
また、上記各実施形態において、上方に位置する第1通路5aに内気を導入し、第2通路5bに外気を導入して上記2層モードを達成するようにし、上記制御電気素子50を上方の第1通路5aに配置しても良い。
【0046】
また、上記各実施形態において、第1通路5aと第2通路5bとを車両前後方向に並ぶように配置しても良い。
また、本発明は、上記各実施形態で述べた各空調機器のレイアウトに限定されるものでは無い。例えば、ファン6a、6b、エバポレータ12、ヒータコア13が車両幅方向に並ぶように配置しても良い。
【0047】
また、上記各実施形態では、制御電気素子50をMOSトランジスタにて構成したが、所謂パワートランジスタであればどの様なものを使用しても良いし、例えば、複数の抵抗素子の使用数を切り換えて電動モータ7の回転数を段階的に切換制御するようなものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における内外気ユニットの車両搭載図である。
【図2】上記実施形態における内外気ユニットの上面図である。
【図3】上記実施形態における温調ユニットの構成図である。
【図4】上記実施形態における内外気ユニットの分解図である。
【図5】従来の内外気ユニットの構成図である。
【図6】第2実施形態における内外気ユニットの車両搭載図である。
【符号の説明】
3…空調ケース、4…仕切り部材、5a…第1通路、5b…第2通路、
6a、6b…ファン、7…電動モータ、50…制御用電気素子。
Claims (2)
- 車室内への空気通路をなす空調ケース(3)と、前記空調ケース(3)内を2つの第1、第2通路(5a、5b)に仕切る仕切り部材(4)と、前記空調ケース(3)内に設けられ、前記第1、第2通路(5a、5b)に車室内へ向かう空気流を発生する送風用ファン(6a、6b)と、このファンを駆動する電動モータ(7)とを有し、前記第1通路(5a)に外気を導入し、この外気を車両のフロントガラス(15)に向かって送風するとともに、前記第2通路(5b)に内気を導入し、この内気を乗員の下半身に向かって送風する2層モードが切換可能となっている車両用空調装置であって、
前記電動モータ(7)の回転速度を制御する速度制御用電気素子(50)を有し、
前記速度制御用電気素子(50)は、前記第2通路(5b)内に配置されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記第1、第2通路(5a、5b)は、前記仕切り部材(4)により上下方向に並ぶように配置されて、前記第2通路(5b)の方が前記第1通路(5a)より下方部位に配置されており、
前記送風用ファン(6a、6b)は、前記第1通路(5a)に配置された第1ファン(6a)と、前記第2通路(5b)に配置された第2ファン(6b)とを有し、
これら第1、第2ファン(6a、6b)は、共に回転軸線方向が上下方向を向くように配置されるとともに、前記電動モータ(7)にて一体的に回転するようになっており、
前記第1ファン(6a)は、上方から下方に向けて空気を吸い込む遠心式ファンであり、前記第2ファン(6b)は、下方から上方に向けて空気を吸い込む遠心式ファンであることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25562998A JP3882357B2 (ja) | 1997-09-16 | 1998-09-09 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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