JP3991410B2 - 車両用空調装置の内外気ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置において、空調ケース内を2つの通路に仕切り、一方の通路に比較的高温な内気を導入し、この内気を乗員の足元に送風するとともに、他方の通路に比較的低湿な外気を導入してこの外気を車両窓ガラスの内面に向かって送風することで、暖房能力の向上と防曇性の確保とを両立する2層モードが設定可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に上述のような車両用空調装置として、特願平9−288942号を出願した。この先願装置の内外気ユニット100の模式図を図4に示す。101は、内外気ユニット100を構成する空調ケースであり、空調ケース101内は、仕切り板103によって2つの通路104、105に仕切られている。
【0003】
102は空調ケース101内に配置され、回転軸線方向が水平方向を向く遠心式ファンである。遠心式ファン102は、樹脂製にて一体形成されたファン102a、102bと、これらファン102a、102bを一体的に駆動する電動モータ102cとからなる。ファン102aは内気用の通路104内に配置されており、ファン102bは外気用の通路105内に配置されており、これらファン102a、102bは、回転軸線方向の両側から空気を吸い込む両吸込式のものとなっている。
【0004】
空調ケース101には、空調ケース101(通路104、105)に外気を導入するための2つの第1、第2外気導入口106a、106bと、通路104に内気を導入するための第1内気導入口107、第2内気導入口108、通路105に内気を導入するための第3内気導入口109が形成されている。
第1外気導入口106aと第3内気導入口109とは、第1内外気切換ドア110にて選択的に開閉される。第2外気導入口106bと第1内気導入口107とは、第2内外気切換ドア111にて選択的に開閉される。また、第2内気導入口108は、専用の第3内外気切換ドア112にて開閉される。
【0005】
このような構成により、以下の内外気モードが切換設定可能である。
(全外気モード)
全外気モードでは、第1内外気切換ドア110にて第1外気導入口106aを開口するとともに、第3内気導入口109を閉塞する。また、このモードでは第2内外気切換ドア111にて第2外気導入口106bを開口するとともに、第1内気導入口107を閉塞する。さらに第3内外気切換ドア112にて第2内気導入口108を閉塞する。これにより、空調ケース101内には外気のみが導入される。
【0006】
(2層モード、図4の状態)
2層モードでは、第1内外気切換ドア110にて第1外気導入口106aを開口するとともに、第3内気導入口109を閉塞する。また、このモードでは第2内外気切換ドア111にて第1内気導入口107を開口するとともに、第2外気導入口106bを閉塞する。さらに第3内外気切換ドア112にて第2内気導入口108を開口する。
【0007】
これにより、図4中矢印Aで示すように第1外気導入口106aからの外気は、ファン102bに吸い込まれて、通路105に送風されるとともに、図4中矢印Bで示すように第1内気導入口107からの内気、および図4中矢印Cで示すように第2内気導入口108からの内気がファン102aに吸い込まれて、通路に104に送風される。
【0008】
(全内気モード)
全内気モードでは、第1内外気切換ドア110にて第3内気導入口109を開口するとともに、第1外気導入口106aを閉塞する。また、このモードでは第2内外気切換ドア111にて第1内気導入口107を開口するとともに、第2外気導入口106bを閉塞する。さらに第3内外気切換ドア112にて第2内気導入口108を開口する。これにより、空調ケース101内には内気のみが導入される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記全内気モードは、夏場等において車室内が異常高温となったときに冷房能力を高めるために使用されるモードである。このため、全内気モードでは、出来るかぎり大きな送風量を得たい。そこで、上記第2内気導入口108は、上記全内気モードにおいて送風量を高めるために設けられたものであり、この第2内気導入口108が無くとも、機能だけ見れば上記3つのモードが設定可能となっている。
【0010】
そして、上記先願装置では、この第2内気導入口108を利用して上記2層モードにおいても、第1、第2内気導入口107、108を開口するようにしている。しかし、このように2つの内気導入口107、108は車室内に開口しているため、ここでの吸込騒音や、遠心式ファン102での騒音が車室内に伝わり、乗員に不快感を与える。特に上記外気モードから上記2層モードに切り換わると、急激な騒音変化が発生して、特に乗員に不快感を与えてしまう。
【0011】
そこで、本発明は、上記点に鑑みて、上記2層モードが設定可能で、内気の通路において、全内気モードでは2つの内気導入口を開口する車両用空調装置において、2層モード時の騒音を低減することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1ないし3記載の発明では、内外気モードとして、第1通路(20)に第1内気導入口(4)から内気を導入するとともに、第2通路(21)に第2内気導入口(5)および第3内気導入口(6)から内気を導入する全内気モードと、
第1通路(20)に第1外気導入口(3a)から外気を導入するとともに、第2通路(21)に第2外気導入口(3b)から外気を導入する全外気モードと、
第1通路(20)に第1外気導入口(3a)から外気を導入するとともに、第3内気導入口(6)を閉塞して第2通路(21)に第2内気導入口(5)からのみ内気を導入する2層モードとが設定可能となっており、
全内気モードでは、第1内外気切換ドア(8)にて第1外気導入口(3a)を閉塞するとともに第1内気導入口(4)を開口し、第2内外気切換ドア(10)にて第2外気導入口(3b)を閉塞するとともに第2内気導入口(5)を開口し、第3内外気切換ドア(11)にて第3内気導入口(6)を開口し、
全外気モードでは、第1内外気切換ドア(8)にて第1外気導入口(3a)を開口するとともに第1内気導入口(4)を閉塞し、第2内外気切換ドア(10)にて第2外気導入口(3b)を開口するとともに第2内気導入口(5)を閉塞し、第3内外気切換ドア(11)にて第3内気導入口(6)を閉塞し、
2層モードでは、第1内外気切換ドア(8)にて第1外気導入口(3a)を開口するとともに第1内気導入口(4)を閉塞し、第2内外気切換ドア(10)にて第2外気導入口(3b)を閉塞するとともに第2内気導入口(5)を開口し、第3内外気切換ドア(11)にて第3内気導入口(6)を閉塞することを特徴としている。
【0013】
これにより、全内気モードでは、第2通路に2つの内気導入口から内気が導入されるようになっているが、2層モードではこれら2つの内気導入口の双方を開口せずに、第3内気導入口を閉塞し第2内気導入口のみを開口される。このため、第3内気導入口の吸込騒音が無くなり、さらにファンの駆動騒音が遮断されて、乗員に聞こえにくくなるため、2層モード時の騒音を低減することができる。
【0014】
また、請求項2記載の発明では、第2内気導入口(5)は、車両のインストルメントパネル(P)内で、車室内とエンジンルームを仕切る仕切り壁(200)の近傍に配置され、第3内気導入口(6)は、空調ケース(2)のうち第2内気導入口(5)より下方部位に配置されていることを特徴としている。
ところで、本例では、第2内気導入口は、第3内気導入口よりもインストルメントパネルP内の上方部位に配置されているため、インストルメントパネル(P)自体が遮音壁の機能を果たす。このため、第2内気導入口での騒音は、車室内にいる乗員に聞こえにくい。
【0015】
しかし、第3内気導入口は、空調ケースのうち下方部位に配置され、乗員の足元に露出した形態となるため、ここでの騒音は車室内の乗員に聞こえやすい。従って、本発明のような上記第3内気導入口の配置位置が、特に乗員に上記騒音が聞こえやすい位置となっている。
そこで、本発明は、このようなレイアウトである内外気ユニットに有用である。
【0016】
また、請求項3記載の発明では、第1通路(20)に配置され、この第1通路(20)に車室内に向かう空気流を発生する遠心式の第1ファン(15)と、第2通路(21)に配置され、この第2通路(21)に車室内に向かう空気流を発生する遠心式の第2ファン(16)とを有し、
第1、第2ファン(15、16)は、同軸上に配置されて、1つの電動モータ(13)にて一体的に駆動されるように構成され、かつ電動モータ(13)の回転軸線方向の両側から空気を吸い込む両吸込式のものであり、
前記電動モータ(13)は、前記回転軸線方向が略水平方向で車両前後方向を向くように配置されており、前記第1通路(20)と前記第2通路(21)とは、車両前後方向に並ぶように設けられていることを特徴としている。
【0017】
ところで、請求項2記載のような内外気ユニットのレイアウトでは、このように第1ファン、第2ファンが一体成形されていると、以下のような問題が派生する。車両が高速走行中に上記2層モードを使用すると、走行風が第1通路内に押し込まれ、第1遠心ファンで吸い込みきれなかった外気が、図1中矢印Tで示すように第3内気導入口から車室内に逆流して流れ出し、乗員の足元の近傍に吹き出される。
【0018】
そして、このように車室内に流れだした外気は、未空調、つまり加熱されていないため、乗員によって冷たいと感じるものであるため、乗員の温度フィーリングを悪化させるといった問題を引き起こす。
そこで、本発明によれば、上記2層モードにおいて、第3内気導入口を閉塞するため、乗員の温度フィーリングを向上させることができる。
【0019】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1には、本例の車両用空調装置の内外気ユニット1を車両に搭載した搭載図が示されている。
内外気ユニット1は、車室内のインストルメントパネルPの中央部から車両幅方向(図1中紙面表裏方向)にオフセット(右ハンドル車では車両幅方向の左側にオフセット)して、助手席前方の部位に図1の形態で配置されている。
【0021】
内外気ユニット1は、車室内AとエンジンルームB(電気自動車である場合もエンジンルームといい、請求項でいうエンジンルームとは、このようなものを含む)とを仕切る鉄製の仕切り壁200に対向配置され、仕切り壁200の車両後方側に配置されている。
また、内外気ユニット1は、図1に示すように車室内前面部をなし、車室内の意匠面となる上記インストルメントパネルP内で、インストルメントパネルPと上記仕切り壁200との間に配置されている。
図1中31は、助手席側の前方部に位置し、物品を収納する収納部材(グローボックス)であり、インストルメントパネルPに回転自在に支持された回転軸32により、矢印C方向に開閉が行えるようになっている。
【0022】
内外気ユニット1は、内気と外気とを切替導入するためのものであり、内部の空気通路は、内気と外気を仕切って送風できるように後述の2つの通路(20、21)に区画されている。
内外気ユニット1のユニットケース2(空調ケース)は、ポリプロピレン等の樹脂材にて成形されており、ユニットケース2の上面部には、外気取入流路30を車両前後方向の中央に配置している。
この外気取入流路30は、下方側で2つに分岐して、車両前後方向に並んだ2つの第1、第2外気導入口3a、3bを構成している。そして、ユニットケース2の上方部位で第1外気導入口3aの車両後方側には第1内気導入口4が開口形成されており、第2外気導入口3bの車両前方側に第2内気導入口5が開口形成されている。第2内気導入口5は、インストルメントパネルP内で、車室内AとエンジンルームBと仕切る仕切り壁200の近傍に配置されている。
【0023】
一方、ユニットケース2の車両前方側における下方部位で、仕切り壁200の近傍には、ほぼ下向きに開口した第3内気導入口6が開口形成されている。第3内気導入口6は、第2内気導入口5より下方部位に配置されている。
そして、第1外気導入口3aと第1内気導入口4は、平板状に成形された第1内外気切替ドア8により選択的に開閉され、また、第2外気導入口3bと第2内気導入口5とは、平板状の第2内外気切替ドア10により選択的に開閉される。さらに、第3内気導入口6は平板状の第3内外気切替ドア11により開閉される。
【0024】
ユニットケース2内中央部の下方側の部位には、送風機12が配置されており、この送風機12は送風ファン駆動用モータ13を有し、このモータ13のロータ(回転子、図示しない)と一体に回転する回転軸(図示しない)に第1、第2遠心ファン15、16からなる遠心ファン17を連結している。この第1、第2遠心ファン15、16はともに遠心式多翼ファン(シロッコファン)と称される樹脂製ファンである。
【0025】
上記遠心ファン17を収容するスクロールケーシング19が、仕切り板33により、第1、第2遠心ファン15、16に対応する第1、第2ケーシング19a、19bに区画されている。これにより、スクロールケーシング19内は、2つの第1第2空気通路20、21(第1、第2通路)に区画される。これら第1空気通路20と第2空気通路21とは、車両前後方向に並ぶように設けられている。
【0026】
第1遠心ファン15は、第1空気通路20内に配置され、この第1空気通路20に車室内に向かう空気流を発生し、第2遠心ファン16は第2空気通路21に配置され、この第2空気通路21に車室内に向かう空気流を発生する。
ここで、第1ケーシング19aは軸方向の一端面に、外気導入口3aまたは第1内気導入口4と連通する吸入口19cを有し、この吸入口19cからの空気が送風される第1空気通路20を形成する。
また、第2ケーシング19bは軸方向の一側面に、外気導入口3bまたは第2内気導入口5または第3内気導入口6と連通する吸入口19dを有し、この吸入口19dからの空気が送風される第2空気通路21を形成する。
【0027】
そして、図1から明らかなように上記第1空気通路20には第1内気導入口4および第1外気導入口3aが設けられており、これら第1内気導入口4および第1外気導入口3aは、ユニットケース2の車両後方側に配置されている。
一方、図1にて明らかなように上記第2空気通路21には第2内気導入口5、第3内気導入口6、および第2外気導入口3bが設けられている。つまり、第2内気導入口5、第3内気導入口6、および第2外気導入口3bは、ユニットケース2の車両前方側に配置されている。
【0028】
モータ13(電動モータ)は、その一端側の駆動シャフト側が第1遠心ファン15の内周側に配置され、かつ、第1遠心ファン15の吸入口19cを貫通した状態で配置されることで、第1空気通路20内に配置されている。
モータ13は、その図示しない回転軸が略水平方向で、車両前後方向を向くように配置される。つまり、上記第1、第2遠心ファン15、16は、一体成形されて、1つのモータ13にて一体的に駆動されるように構成されている。さらには上記第1、第2遠心ファン15、16は、図1中矢印S1、S2で示すようにモータ13の回転軸線方向の両側から空気を吸い込む両吸込式のものである。
【0029】
ここで、第1遠心ファン15は、図1中矢印S1で示すように車両後方側から前方側に向かって空気を吸い込むが、これによる空気流はモータ13の外周側を流れる。つまり、上記モータ13は、取付ステー22によりスクロールケーシング19の第1ケーシング19aに取付けられる。
この取付ステー22の形状は公知であるので、具体的に図示してないが、取付ステー22は、モータ13の樹脂製本体ケース(図示しない)と一体成形されるものであって、この本体ケースの外周面から放射状に延びる複数(例えば、3本)のアーム部を有し、このアーム部の外周端を外周リング部(図示しない)で連結している。
【0030】
取付ステー22の外周リング部はネジ止め等の締結手段にて第1ケーシング19aに取付けられる。そして、この複数の放射状アーム部の間に第1遠心ファン15の吸入口19cが形成されている。これにより、第1遠心ファン15は、図1中矢印S1で示すように車両後方側から前方側に向かって空気を吸い込むようになっている。
【0031】
なお、内外気ユニット1のスクロールケーシング19の空気出口側、すなわち、スクロールケーシング19内の第1空気通路20および第2空気通路21の空気出口側には、図示しない空調ユニットが接続される。この空調ユニットは、周知のものであり、冷房用熱交換器(蒸発器)および暖房用熱交換器(温水式ヒータコア)を内蔵し、車室内への吹出空気温度を調整する。また、空調ユニットにはフット、フェイス、デフロスタの各種吹出開口部およびこれらの吹出開口部を開閉するモードドアが備えられており、車室内への吹出モードが切替可能になっている。
【0032】
さらに、空調ユニット内の空気通路も、上記第1空気通路20に通じる外気側の第1空気通路と、上記第2空気通路21に通じる内気側の第2空気通路とに区画されている。そして、冬期の暖房時には、外気側の第1空気通路がデフロスタ吹出開口部に連通し、内気側の第2空気通路はフット吹出開口部に連通することにより、低湿度の外気温風がデフロスタ吹出開口部より窓ガラス内面に吹出して、窓ガラスの防曇性を確保するとともに、フット吹出開口部から乗員足元部に高温の内気温風を吹き出して暖房能力を向上するようにしてある。
【0033】
次に、上記構成において第1実施形態の作動を説明する。本例では、内外気モドとして、全内気モード、2層モード、全外気モードが切換設定可能となっている。
▲1▼全内気モード(図2参照)
全内気モードでは、第1内外気切換ドア8にて第1外気導入口3aを閉塞するとともに第1内気導入口4を開口し、第2内外気切換ドア10にて第2外気導入口3bを閉塞するとともに第2内気導入口5を開口し、第3内外気切換ドア11にて第3内気導入口6を開口する。
【0034】
これにより、第1内気導入口4からの内気が図2の矢印S1で示すように第1遠心ファン15の吸入口19cに吸い込まれるとともに、第2内気導入口5および第3内気導入口6からの内気が図2の矢印S2で示すように第2遠心ファン16の吸入口19dに吸い込まれる。
このため、第1空気通路20には第1内気導入口4から内気が導入されるとともに、第2空気通路21には、第2内気導入口5および第3内気導入口6から内気が導入され、全内気モードが設定される。
この全内気モードでは、上下の合計3つの内気導入口4、5、6から内気を吸入できるので、吸入抵抗の減少により内気送風量を増大できる。
【0035】
▲2▼2層モード(図1参照)
2層モードでは、第1内外気切換ドア8にて第1外気導入口3aを開口するとともに第1内気導入口4を閉塞し、第2内外気切換ドア10にて第2外気導入口3bを閉塞するとともに第2内気導入口5を開口し、第3内外気切換ドア11にて第3内気導入口6を閉塞する。
【0036】
これにより、第1外気導入口3aより取り入れられた外気は図1の矢印S1で示すように吸入口19cから第1遠心ファン15により吸入され、スクロールケーシング19の第1ケーシング19aにより形成される第1空気通路20内に送風される。
一方、第2内気導入口5のみから取り入れられた内気は図1の矢印S2で示すように吸入口19dから第2遠心ファン16により吸入され、スクロールケーシング19の第2ケーシング19bにより形成される第2空気通路21内を送風される。
この結果、第1空気通路20に第1外気導入口3aから外気を導入するとともに、第2空気通路21に第2内気導入口5からのみ内気を導入する2層モードが設定される。
【0037】
▲3▼全外気モード(図3参照)
全外気モードでは、第1内外気切換ドア8にて第1外気導入口3aを開口するとともに第1内気導入口4を閉塞し、第2内外気切換ドア10にて第2外気導入口3bを開口するとともに第2内気導入口5を閉塞し、第3内外気切換ドア11にて第3内気導入口6を閉塞する。
【0038】
これにより、第1外気導入口3aからの外気は、ほぼ第1遠心ファン15の吸入口19cに吸い込まれるとともに、第2外気導入口3bからの外気は、ほぼ第2遠心ファン16の吸入口19dに吸い込まれる。この結果、内外気モードとして、第1空気通路20に第1外気導入口3aから外気を導入するとともに、第2空気通路21に第2外気導入口3bから外気を導入する全外気モードが設定可能となる。
【0039】
ところで、本例では、上記第3内気導入口6の配置位置が、特に乗員に上記騒音が聞こえやすい位置となっている。つまり、本例では、第2内気導入口5は、第3内気導入口6よりもインストルメントパネルP内の上方部位に配置されているため、インストルメントパネルP自体が遮音壁の機能を果たす。このため、第2内気導入口5での騒音は、車室内にいる乗員に聞こえにくい。
また、第2内気導入口5は、車両前方側で仕切り壁200に向かって開口しているため、ここでの騒音は、車室内乗員と反対側の仕切り壁200に向かって放射される。これにより、さらに第2内気導入口5での騒音は、車室内にいる乗員に聞こえにくい。
【0040】
しかし、第3内気導入口6は、図1に示すようにユニットケース2の下方部位に配置され、ほとんど助手席乗員の足元に露出した形態となるため、ここでの騒音は車室内の乗員に聞こえやすい。さらには第3内気導入口6は、仕切り壁200に沿って乗員足元部に開口しているため、ここでの騒音は車室内に伝わりやすい。
従って、本発明は、本例のようなレイアウトの内外気ユニット1において、特に有効であって、本例では、全内気モードでは、第2空気通路21に2つの内気導入口5、6から内気が導入されるようになっているが、2層モードではこれら2つの内気導入口5、6の双方を開口せずに、第3内気導入口6を閉塞し第2内気導入口5のみを開口する。
このため、第3内気導入口6の吸込騒音が無くなり、さらに遠心ファン17の駆動騒音が遮断されて、聞こえにくくなるので、2層モード時の騒音を低減することができる。
【0041】
また、本例では、上記第1遠心ファン15および第2遠心ファン16が一体成形されているため、以下のような問題が派生する。車両が高速走行中に上記2層モードを使用すると、走行風が第1空気通路20内に押し込まれ、第1遠心ファン15で吸い込みきれなかった外気が、図1中矢印Tで示すようにスクロールケーシング19内で、遠心ファン17と仕切り板33との隙間から流れだす。そして、仮に上記先願装置のように2層モードにおいて、第3内気導入口6を開口すると、最終的には吸込口19dを通過した近接配置された第3内気導入口6から車室内に逆流して流れ出し、乗員の足元の近傍に吹き出される。
【0042】
そして、このように車室内に流れだした外気は、何ら未空調、つまり加熱されていないため、乗員によって冷たいと感じるものであるため、乗員の温度フィーリングを悪化させるといった問題を引き起こす。
そこで、本例では上記2層モードにおいて、第3内気導入口6を閉塞するため、乗員の温度フィーリングを向上させることができる。なお、本例では、このような逆流した外気は、第2内気導入口5から車室内に吹き出されるが、第3内気導入口6よりも乗員の足元から遠い位置にあるため、乗員の温度フィーリングを悪化させる問題は生じない。
【0043】
また、上述のように全内気モードしか開口しない第3内気導入口6は、ユニットケース2のうち第1空気通路20中で、図1中モータ13の下方部位かつ車両後方側に形成することも可能である。しかし、上記モータ13は、その一端側の駆動シャフト側が第1遠心ファン15の吸込口15c内に配置されているため、第3内気導入口6を開閉する第3内外気切換ドア11の開閉スペースを確保することが困難である。さらには第3内気導入口6を第1空気通路20中に設けると、本例に比べて乗員の足の近傍に位置するため、乗員の足の配置によっては、ここでの吸込騒音が変化する。このため、第3内気導入口6は、第2空気通路21に設けた方が有用である。
【0044】
(変形例)
上記実施形態では、第1〜第3内外気切換ドア8、10、11を板状のドアとしたが、ロータリー式のドアであっても良いし、フィルム状のドアであっても良い。
また、上記各実施形態では、遠心ファン17は回転軸線方向が車両前後方向を向くように配置されていたが、上下方向を向くように配置しても良い。
【0045】
また、上記各実施形態における内外気ユニット1の構成部のレイアウトは、限定されるものでは無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における内外気ユニット1の車両搭載図である。
【図2】上記実施形態における全内気モードを表す作動図である。
【図3】上記実施形態における全外気モードを表す作動図である。
【図4】先願装置における2層モードを表す作動図である。
【符号の説明】
2…ユニットケース、3a…第1外気導入口、3b…第2外気導入口、
4…第1内気導入口、5…第2内気導入口、6…第3内気導入口、
8…第1内外気切換ドア、10…第2内外気切換ドア、
11…第3内外気切換ドア、20…第1空気通路、21…第2空気通路。
Claims (3)
- 空調ケース(2)内に設けられた第1、第2通路(20、21)と、
前記第1通路(20)に設けられた第1内気導入口(4)および第1外気導入口(3a)と、
前記第2通路(21)に設けられた第2内気導入口(5)および第3内気導入口(6)と、
前記第2通路(21)に設けられ、前記第1外気導入口(3a)と連通する第2外気導入口(3b)と、
前記第1外気導入口(3a)と前記第1内気導入口(4)とを選択的に開閉する第1内外気切換ドア(8)と、
前記第2内気導入口(5)と前記第2外気導入口(3b)とを選択的に開閉する第2内外気切換ドア(10)と、
前記第3内気導入口(6)を開閉する第3内外気切換ドア(11)とを有し、
内外気モードとして、前記第1通路(20)に前記第1内気導入口(4)から内気を導入するとともに、前記第2通路(21)に前記第2内気導入口(5)および前記第3内気導入口(6)から内気を導入する全内気モードと、
前記第1通路(20)に前記第1外気導入口(3a)から外気を導入するとともに、前記第2通路(21)に前記第2外気導入口(3b)から外気を導入する全外気モードと、
前記第1通路(20)に前記第1外気導入口(3a)から外気を導入するとともに、前記第3内気導入口(6)を閉塞して前記第2通路(21)に前記第2内気導入口(5)からのみ内気を導入する2層モードとが設定可能となっており、
前記全内気モードでは、前記第1内外気切換ドア(8)にて前記第1外気導入口(3a)を閉塞するとともに前記第1内気導入口(4)を開口し、前記第2内外気切換ドア(10)にて前記第2外気導入口(3b)を閉塞するとともに前記第2内気導入口(5)を開口し、前記第3内外気切換ドア(11)にて前記第3内気導入口(6)を開口し、
前記全外気モードでは、前記第1内外気切換ドア(8)にて前記第1外気導入口(3a)を開口するとともに前記第1内気導入口(4)を閉塞し、前記第2内外気切換ドア(10)にて前記第2外気導入口(3b)を開口するとともに前記第2内気導入口(5)を閉塞し、前記第3内外気切換ドア(11)にて前記第3内気導入口(6)を閉塞し、
前記2層モードでは、前記第1内外気切換ドア(8)にて前記第1外気導入口(3a)を開口するとともに前記第1内気導入口(4)を閉塞し、前記第2内外気切換ドア(10)にて前記第2外気導入口(3b)を閉塞するとともに前記第2内気導入口(5)を開口し、前記第3内外気切換ドア(11)にて前記第3内気導入口(6)を閉塞することを特徴とする車両用空調装置の内外気ユニット。 - 前記第2内気導入口(5)は、車両のインストルメントパネル(P)内で、前記車室内とエンジンルームを仕切る仕切り壁(200)の近傍に配置され、前記第3内気導入口(6)は、前記空調ケース(2)のうち前記第2内気導入口(5)より下方部位に配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置の内外気ユニット。
- 前記第1通路(20)に配置され、この第1通路(20)に車室内に向かう空気流を発生する遠心式の第1ファン(15)と、
前記第2通路(21)に配置され、この第2通路(21)に車室内に向かう空気流を発生する遠心式の第2ファン(16)とを有し、
前記第1、第2ファン(15、16)は、一体成形されて、1つの電動モータ(13)にて一体的に駆動されるように構成され、かつ前記電動モータ(13)の回転軸線方向の両側から空気を吸い込む両吸込式のものであり、
前記電動モータ(13)は、前記回転軸線方向が略水平方向で車両前後方向を向くように配置されており、前記第1通路(20)と前記第2通路(21)とは、車両前後方向に並ぶように設けられていることを特徴とする請求項2記載の車両用空調装置の内外気ユニット。
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JP35822697A JP3991410B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 車両用空調装置の内外気ユニット |
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