JP4337182B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ルーフに配置され前席乗員の後方から前席乗員へ空調風を吹出すルーフ吹出口と、インストルメントパネルのサイド部に配置され前席乗員の前方から前席乗員へ空調風を吹出すインパネ吹出口とを備えたような車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のルーフ部にルーフ吹出口を設けて、空調を実行するように構成した車両用空調装置としては、例えば、特開平9−226360号公報、特開平6−115345号公報、特開平6−87325号公報、特開平9−30241号公報に記載のものがある。
【0003】
特開平9−226360号公報に記載のものは、ルーフ部に水噴霧器を回転可能に取付け、水噴霧器の作動により霧を全席に吹出させ、気化潜熱を利用して冷房を行なうものである。
【0004】
特開平6−115345号公報に記載のものは、インストルメントパネルの内部に設けられたフロント側の空調ユニットと、リヤトレイボードの下部に設けられたリヤ側の空調ユニットとを備え、フロント側の空調ユニットにはインパネ吹出口を接続し、リヤ側の空調ユニットにはルーフ部に沿って前方へ延びる天井ダクトを接続し、冷房時にはインパネ吹出口と天井ダクトのルーフ吹出口との双方から冷風を吐出し、暖房時にはインパネ吹出口から吹出された温風をルーフ吹出口およびリヤ側空調ユニットの後部吸込口から吸込むように構成したものである。
【0005】
特開平6−87325号公報に記載のものは、前席乗員の頭部上方にルーフ吹出口を形成し、空調風をセンタピラー内部およびルーフ側ダクト内部を介して上述のルーフ吹出口に導びいて、このルーフ吹出口からスポット空調(集中的な吹出)を行なうものである。
【0006】
特開平9−30241号公報に記載のものは、ワンボックスカーにおいてインストルメントパネルの下部にフロントエアコンユニットを設ける一方、第2席下部のフロアパネルにリヤエアコンユニットを設け、フロントエアコンユニットにはインパネ吹出口を接続する一方、リヤエアコンユニットにはピラーダクト、ルーフダクトおよびサイドルーフダクトを接続し、インパネ吹出口から吹出される風と、ルーフダクトのルーフ吹出口から前方に向けて吹出される風とを衝突させて、インパネ吹出口からの冷風が車室の後方へ逃げないように構成したものである。
【0007】
このように車両のルーフ部にルーフ吹出口を設けたものにおいて、インパネ吹出口からの空調風ON時(空調風の吐出時)に上述のルーフ吹出口から一律に空調風を吹出すと、これら空調風が相互に干渉し、空調風の流れが乱れるので、乗員の快適性が阻害される問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、空調風を、ピラーダクトを介して、前席乗員の後方から前席乗員および後席乗員の前方から後席乗員へ吹出すルーフ吹出口を設け、インストルメントパネルのサイド部に配置されたインパネ吹出口からの空調風ON時には、ルーフ吹出口からの空調風を車両側面視で前席乗員に対してインパネ吹出口とは反対側に当てる一方、インパネ吹出口からの空調風OFF時には、ルーフ吹出口からの空調風を乗員全体に当てるようにルーフ吹出口の吹出方向を変化させることで、空調風の相互干渉を可及的防止しつつ、インパネ吹出口からの空調風のON,OFFの何れであっても前席乗員の快適性を維持することができる車両用空調装置の提供を目的とする。
【0009】
この発明はまた、空調風を、ピラーダクトを介して、前席乗員の後方から前席乗員および後席乗員の前方から後席乗員へ吹出すルーフ吹出口を設け、インストルメントパネルのサイド部に設けられたインパネ吹出口を備え、インパネ吹出口からの空調風のON時には、ルーフ吐出口の空調風のうち後席乗員に対する吹出を維持したまま、該ルーフ吹出口の前席乗員への吹出量のみを規制(吹出量を低減する規制と、吹出しを禁止する規制との双方を含む)することで、空調風の衝突干渉を防止しつつ、インパネ吹出口からの空調風のON、OFFの何れであっても前席乗員および後席乗員の快適性を維持することができる車両用空調装置の提供を目的とする。
【0010】
この発明の一実施態様(請求項3)は、インパネ吹出口をスポット空調吹出口(局所空調吹出口)に設定した場合、空調風の衝突の可能性が大きくなり、気流に乱れが発生しようとするが、インパネ吹出口(スポット空調吹出口)からの空調風の吹出しに応じて、ルーフ吹出口の吹出方向を変化または前席乗員への吹出量を規制することで、上述の気流の乱れを防止することができる車両用空調装置の提供を目的とする。
【0011】
この発明の一実施態様(請求項4)は、インパネ吹出口からの空調風ONの時には上述のルーフ吹出口の吹出量を増大させることで、乗員の快適性をさらに向上させることができる車両用空調装置の提供を目的とする。
【0012】
この発明の一実施態様(請求項5)は、インパネ吹出口からの空調風のON時に、ルーフ吹出口からの前席乗員への吹出しを禁止することで、気流の乱れを確実に防止することができる車両用空調装置の提供を目的とする。
【0013】
この発明の一実施態様(請求項6)は、ルーフ吹出口には前席乗員に対する複数の吹出口を設け、これら吹出口の切換えにより、乗員のインパネ吹出口とは反対側または乗員全体に空調風を当てるように構成することで、乗員のインパネ吹出口とは反対の側から空調風が当たる態様と、乗員全体に空調風が当たる態様とを吹出口の切換えにて容易に達成することができ、吹出口の選択によりインパネ吹出口からの空調風のON、OFFに応じた空調風の吹出しができる車両用空調装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両用空調装置(請求項1)は、ルーフに配置され、温度調整手段により調和された空調風をピラーに沿って車室の上下方向に配置されたピラーダクトを介して、前席乗員の後方から前席乗員および後席乗員の前方から後席乗員へ空調風を吹出すルーフ吹出口と、インストルメントパネルのサイド部に配置され前席乗員の前方から前席乗員へ空調風を吹出すインパネ吹出口とを備え、インパネ中央部にインパネ中央吹出口を備えない車両用空調装置であって、上記インパネ吹出口からの空調風のONまたはOFFに応じて上記ルーフ吹出口の吹出方向を変化させ、上記インパネ吹出口からの空調風がONのとき、上記ルーフ吹出口からの空調風を車両側面視で前席乗員に対してインパネ吹出口とは反対側に当てる第1の制御手段と、上記インパネ吹出口からの空調風がOFFのとき、上記ルーフ吹出口からの空調風を乗員全体に当てる第2の制御手段と、を備えたものである。
【0015】
この発明による車両用空調装置(請求項2)は、また、ルーフに配置され、温度調整手段により調和された空調風をピラーに沿って車室の上下方向に配置されたピラーダクトを介して、前席乗員の後方から前席乗員および後席乗員の前方から後席乗員へ空調風を吹出すルーフ吹出口と、インストルメントパネルのサイド部に配置され前席乗員の前方から前席乗員の空調風を吹出すインパネ吹出口とを備え、インパネ中央部にインパネ中央吹出口を備えない車両用空調装置であって、
上記インパネ吹出口からの空調風のONのとき、上記ルーフ吹出口からの空調風のうち後席乗員への吹き出しは維持したまま、前席乗員への吹出量のみを規制する規制手段を備えたものである。
【0016】
この発明の一実施態様(請求項3)は、上記インパネ吹出口をスポット空調吹出口に設定した車両用空調装置であることを特徴とする。
【0017】
この発明の一実施態様(請求項4)は、上記インパネ吹出口からの空調風ONの時には上記ルーフ吹出口の吹出量を増大させる増大手段を設けた車両用空調装置であることを特徴とする。
【0018】
この発明の一実施態様(請求項5)は、上記規制手段はルーフ吹出口からの前席乗員への吹出しを禁止する車両用空調装置であることを特徴とする。
【0019】
この発明の一実施態様(請求項6)は、上記ルーフ吹出口は前席乗員に対する複数の吹出口を備え、複数の吹出口を切換えることにより、乗員のインパネ吹出口とは反対側または乗員全体に空調風を当てるように構成した車両用空調装置であることを特徴とする。
【0020】
【発明の作用及び効果】
この発明(請求項1)によれば、ルーフに配置されたルーフ吹出口は、前席乗員の後方(ルーフ部)から前席乗員および後席乗員の前方から後席乗員へ空調風を吹出し、インストルメントパネルのサイド部(車幅方向のサイド部)に配置されたインパネ吹出口は前席乗員の前方から前席乗員に対して空調風を吹出すが、第1の制御手段は、インパネ吹出口からの空調風のON時には、ルーフ吹出口からの空調風を車両側面視で前席乗員に対してインパネ吹出口とは反対側に当て、また、第2の制御手段は、インパネ吹出口からの空調風のOFF時には、ルーフ吹出口からの空調風を乗員全体に当てるようにルーフ吹出口の吹出方向を変化させる。
【0021】
この結果、空調風の相互干渉を可及的に防止しつつ、インパネ吹出口からの空調風のON、OFFの何れであっても前席乗員の快適性を維持することができる効果がある。
特に、強い空調効果(主に冷感効果)が望まれるインパネ吹出口からの空調風のON時には、ルーフ吹出口からの空調風を車両側面視で前席乗員に対してインパネ吹出口とは反対側に当てるので、前席乗員に対する充分な快適性を確保することができる効果がある。
【0022】
この発明(請求項2)によれば、また、ルーフに配置されたルーフ吹出口は、前席乗員の後方(ルーフ部)から前席乗員へ空調風を吹出すと共に、後席乗員の前方(ルーフ部)から後席乗員へ空調風を吹出し、インストルメントパネルのサイド部(車幅方向のサイド部)に配置されたインパネ吹出口は前席乗員の前方から前席乗員に対して空調風を吹出すが、上述の規制手段は、インパネ吹出口からの空調風のON時に、ルーフ吹出口からの空調風のうち後席乗員への吹き出しは維持したまま、前席乗員への吹出量のみを規制する。
【0023】
このように、インパネ吹出口からの空調風のON時には、ルーフ吹出口の後席乗員に対する吹出しを維持したまま、該ルーフ吹出口の前席乗員への吹出量のみを規制するので、インパネ吹出口からの空調風と、ルーフ吹出口からの空調風と、が衝突干渉するのを防止することができ、インパネ吹出口からの空調風のON、OFFの何れであっても前席乗員、後席乗員の快適性を維持することができる効果がある。
【0024】
この発明の一実施態様(請求項3)によれば、上述のインパネ吹出口をスポット空調吹出口に設定したので、次のような効果がある。
すなわち、インパネ吹出口をスポット空調吹出口に設定すると、空調風の衝突の可能性が大となり、気流の乱れが発生しやすくなるが、インパネ吹出口(スポット空調吹出口)からの空調風の吹出しに応じて、ルーフ吹出口の吹出方向を変化または前席乗員への吹出量を規制するので、上述の気流の乱れを防止しつつ、スポット空調を達成することができる効果がある。
【0025】
この発明の一実施態様(請求項4)によれば、上述の増大手段はインパネ吹出口からの空調風ONの時には上述のルーフ吹出口の吹出量を増大させる。
このように乗員が強い空調効果を要望しているインパネ吹出口からの空調風のON時に、増大手段にてルーフ吹出口の吹出量を増大させるので、乗員の快適性をさらに向上させることができる効果がある。
【0026】
この発明の一実施態様(請求項5)によれば、インパネ吹出口からの空調風のON時に上述の規制手段がルーフ吹出口からの前席乗員の吹出を禁止するので、気流の乱れを確実に防止することができる効果がある。
【0027】
この発明の一実施態様(請求項6)によれば、ルーフ吹出口には前席乗員に対する複数の吹出口を設け、これら吹出口の切換えにより、乗員のインパネ吹出口とは反対側または乗員全体に空調風を当てるように構成したので、乗員のインパネ吹出口とは反対の側から空調風が当たる態様と、乗員全体に空調風が当たる態様とをルーフ吹出口の複数の吹出口の切換えにて容易に達成することができ、この吹出口の選択によりインパネ吹出口からの空調風のON、OFFに応じたルーフ吹出口からの空調風の吹出しが達成できる効果がある。
【0028】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用空調装置を示し、図1、図2、図3において、1はフロアパネル、2はセンタピラー、3ルーフ、4,5はフロントシート、6はリヤシート、7はインストルメントパネルで、このインストルメントパネル7の中央部には車載電装品としてのディスプレイ装置8と、オーディオ装置9と、が配設されている。
【0029】
また、車室内を冷暖房するエアコンユニット10を、図1に示すようにインストルメントパネル7の内部に配置し、インストルメントパネル7の中央部において上下に配置されたディスプレイ装置8とオーディオ装置9との間には、車室内の空気を吸込み上述のエアコンユニット10へ導びくインパネ中央吸込口11を形成し、このインパネ中央吸込口11とエアコンユニット10との間を結ぶ吸込み経路12を図4に示すように、ディスプレイ装置8とオーディオ装置9とに沿って配置している。
【0030】
この実施例の車両用空調装置はインパネ中央部にインパネ中央吹出口を備えないものである。つまり、インパネ中央部にはナビゲーション装置、自動料金収受システム(いわゆるETC)その他の各種電子機器が配設される可能性が大で、吹出口を設けるには充分なスペースが確保できないので、インパネ中央部にはインパネ中央吹出口を設けない。
【0031】
図3、図4に示す如く、上述のインストルメントパネル7のフロントウインドガラス13の傾斜下端側と対向するようにデフロスタ吹出口14を形成すると共に、このインストルメントパネル7の車幅方向両サイド部、つまり左右両端部のスペース的に余裕がある部分には、前席乗員の斜め前方から前席乗員へ空調風を吹出すインパネ吹出口としてのスポット空調吹出口15,15を配置し、左右のスポット空調吹出口15,15の上部には、図3に示すように、スポット吹出スイッチ16,16を配置している。
【0032】
一方、図1、図2、図3に示す如く、上述のルーフ3の中央部には前席乗員の後方上部から前席乗員へ、また、後席乗員の前方上部から後席乗員へ空調風を吹出すルーフ側ユニット17(ルーフ吹出口)を配置している。
【0033】
このルーフ側ユニット17は、左右の前席乗員の後方上部からそれぞれの前席乗員へ空調風を吹出す左右一対のルーフ吹出口18,18を有すると共に、左右の後席乗員の前方上部からそれぞれの後席乗員へ空調風を吹出す左右一対のルーフ吹出口19,19を有する。
【0034】
なお、図3において、20はインパネ中央吸込口11の下方部に設けられた灰皿、21は灰皿20の側方部に設けられたシガーライタ、22はステアリングホイールである。
【0035】
図5、図6は空気調整装置の全体構造を示す系統図で、この空調装置は、空気通路23を形成する各種のダクトと、送風手段を構成するメインブロア24およびサブブロア25と、温度調整手段を構成するエバボレータ26およびヒータコア27とを備えている。
【0036】
上述のメインブロア24は、インストルメントパネル7の内部に配置されている。このメインブロア24の吸入側には、内外気切換えボックス28の下流側が接続されている。この内外気切換えボックス28の上流側は、2つに分岐されて一方が車室側に、他方が車外側に開口している。また、内外気切換えボックス28には内外気ドア29が設けられており、この内外気ドア29の操作によってメインブロア24の吸入空気を内気と外気とに切換えるように構成している。
【0037】
上述のメインブロア24の吐出側には、メインダクト30の一端が接続されている。このメインダクト30内には、エバポレータ26とヒータコア27とが設けられている。そして、メインブロア24が吐出する空気をエバボレータ26によって冷却し、またヒータコア27によって加熱して調和空気(空調風)を生成するように構成している。
【0038】
上述のエバポレータ26は、メインダクト30の全断面にわたって設けられると共に、コンプレッサ31(図10参照)と冷媒配管で接続されている。このエバポレータ26は、メインブロア24が吐出する空気と冷媒とを熱交換させ、該空気を冷却するものである。一方、上述のヒータコア27は、エバボレータ26の下流側に位置してメインダクト30の断面の一部に設けられると共に、ヒータコア27の内部にはエンジンの冷却水が流通するように構成されている。このヒータコア27は、メインブロア24が吐出する空気と冷却水とを熱交換させ、該空気を加熱するものである。また、ヒータコア27の下流には、フィルム式のエアミックスドア32が設けられている。そして、このエアミックスドア32によってヒータコア27を通過する空気の量を調整し、これによって調和空気の温度を調節すべく構成している。
【0039】
上述のメインダクト30は、ヒータコア27の下流側において、インストルメントパネル7に形成された複数の吹出口と連絡している。すなわち、インストルメントパネル7には、フロントウインドガラス13に向けて調和空気を吹き出す前述のデフロスタ吹出口14と、インストルメントパネル7前面の車幅方向左右位置に開口して前席乗員に向けて調和空気を吹出す前述のスポット空調吹出し口15と、乗員の足元に向けて調和空気を吹出すフット吹出口33とが形成されている。そして、メインダクト30は、デフロスタ吹出口14、スポット空調吹出口15およびフット吹出口33とをそれぞれ連通している。
【0040】
上述のデフロスタ吹出口14はドア34を、フット吹出口33はドア35を備え、それぞれ開閉可能に構成されている。また、上述のスポット空調吹出口15は、スポット吹出しドア36を備えている。
【0041】
上述のメインダクト30には、フロアダクト37の一端が接続されている。このフロアダクト37は、フロア部に沿って車室前方から車室中央に向かって延びると共に、メインダクト30との接続部にドア38を備えて該メインダクト30と連通および遮断可能に構成されている。また、フロアダクト37には、フロントシート4,5の側方に開口するフロア吹出口39が形成されている。このフロア吹出口39は、ドア40を備えて開閉可能に構成されている。そして、上記メインダクト30およびフロアダクト37によってメイン通路が構成されている。
【0042】
車室の左右の少なくとも何れか一方には、センターピラー2に沿って車室の上下方向に延びるピラーダクト41が設けられている。このピラーダクト41によってピラー通路が構成されている。一方、上記フロアダクト37の下流部はピラーダクト41の下端に接続されている。
【0043】
車室に設けられたセンターコンソールの後端部には、サブブロア25が設けられている。このサブブロア25の吸入側には、サブ吸入ダクト42の一端が接続されている。このサブ吸入ダクト42は、他端が上記フロアダクト37におけるフロア吹出口39とピラーダクト41への接続部との間に接続され、サブ吸入通路を構成している。また、サブ吸入ダクト42の他端には、ドア43が設けられている。このドア43は、閉状態(図5参照)でサブ吸入ダクト42とフロアダクト37とを遮断し、開状態(図6参照)でサブ吸引ダクト42がフロアダクト37の一部を介してピラーダクト41と連通するように構成されている。さらに、上述のサブ吸入ダクト42には、車室の中央部に開口するサブ吸込口44が形成されている。このサブ吸込口44は、内気ドア45を備えて開閉可能に構成されている。
【0044】
上述のサブブロア25の吐出側には、サブ吐出ダクト46の一端が接続されている。このサブ吐出ダクト46は、他端が上述のメインブロア24の吸入側に接続され、サブ吐出通路を構成している。
【0045】
ここで、図5、図6に系統図で示す空調装置のうちエアコンユニット10は、図4に示すように、インストルメントパネル7内に図示の如くレイアウトされ、前述の吸込み経路12とサブ吐出ダクト46の一部とを吸込みダクト47で接続し、この吸込みダクト47の下流部にはインパネ中央吸込みドア48を開閉可能に取付けている。
【0046】
而して、冷房時には各ドア34,35,38,40,43,45,48を図5に示す如く切換えて、エバポレータ26で熱交換された空調風(冷風)を、図5に矢印で示すように、空気通路23から各要素37,41,17を介してルーフ吹出口18,19から吐出し、サブ吸込口44から吸込んだ空気を各要素42,25,46を介してメインブロア24の吸入側にリターンさせると共に、インパネ中央吸込口11(図3、図4参照)から吸込んだ空気を各要素12,47を介してメインブロア24の吸込側にリターンさせる。
【0047】
また、スポット吹出しドア36の開時には、冷風を左右のスポット空調吹出口15,15から前席乗員に向けて吐出する。
一方、暖房時には各ドア34,35,36,38,40,43,45,48を図6に示す如く切換えて、ヒータコア27で熱交換された空調風(温風)を、図6に矢印で示すように空気通路23からデフロスタ吹出口14、フット吹出口33、フロア吹出口39に吐出し、ルーフ側ユニット17のルーフ吹出口18,19から吸込んだ空気を各要素41,42,25,46を介してメインブロア24の吸込側にリターンさせる。
【0048】
したがって、図5に示す冷房時には、同図に点線矢印xで示すように、ルーフ側のルーフ吹出口18からサブ吸込口44へ向けて上から下に流れる吹出方向が形成され、図6に示す暖房時には、同図に点線矢印yで示すように、フロア側のフロア吹出口39からルーフ吹出口18へ向けて下から上に流れる吹出方向が形成され、冷暖何れの場合にあっても頭寒足熱が達成される。
【0049】
次に図2、図7、図8、図9を参照して上述のルーフ側ユニット17の具体的構造について説明する。
このルーフ側ユニット17は内部中空のハウジング50を有し、開口部51および連通ダクト52(図2参照)を介して、前述のピラーダクト41に連通接続されている。
【0050】
上述のハウジング50のフロント側(矢印F参照)には前席乗員へ空調風を吹出すルーフ吹出口18,18が形成され、リヤ側(矢印R参照)には後席乗員へ空調風を吹出すルーフ吹出口19,19が形成されている。なお、暖房時にはこれらの各ルーフ吹出口18,19は車室内の空気を吸込む吸込口となる。
【0051】
フロント側のルーフ吹出口18は、空調風(冷風)を前席乗員の全体に当てる主吹出口18aと、空調風を前席乗員のスポット空調吹出口15とは反対側の首筋部分に局所的に当てる副吹出口18bとの上下複数の吹出口18a,18bを備えている。
【0052】
上述のハウジング50内には、主吹出口18aを開閉するルーフ吹出しドア53を設け、図7に示すようにルーフ吹出しドア53で主吹出口18aを開放した場合には、両吹出口18a,18bから前席乗員の全体に空調風aを当て、図8に示すように、ルーフ吹出しドア53で主吹出口18aを閉塞した場合には、副吹出口18bから前席乗員のスポット空調吹出口15とは反対側の首筋部分に空調風bをスポット的に当てるように構成している。
【0053】
リヤ側のルーフ吹出口19は空調風cを後席乗員の上部前方から後席乗員全体に当てるように構成している。
さらに、ハウジング50に開口された開口部51とフロント側のルーフ吹出口18との間には、別のルーフ吹出しドア54を開閉可能に設け、このルーフ吹出しドア54で、図9に示す如く、開口部51とルーフ吹出口18との間をしゃ断した時には、フロント側のルーフ吹出口18からの前席乗員に対する空調風a,bの吹出しを禁止すべく構成している。
【0054】
図10は車両用空調装置の制御回路を示し、CPU60は、日射量を検出する日射センサ55からの信号と、外気温度を検出する外気温センサ56からの信号と、車室内の温度を検出する室内温センサ57からの信号と、コンプレッサ(圧縮機)31を駆動させるコンプレッサ作動スイッチ58からの信号と、吹出しモード、吹出し温度、吹出し風量などを設定する操作スイッチ59からの信号と、スポット吹出しドア36を開操作するスポット吹出しスイッチ16からの信号とに基づいて、ROM61に格納されたプログラムに従って、コンプレッサ31、メインブロア24、サブブロア25、内外気ドア29、エアミックスドア32、各ドア34,35,38,40,43,45、インパネ中央吸込みドア48、スポット吹出しドア36、ルーフ吹出しドア53,54を駆動制御し、またRAM62は必要なデータを記憶する。
【0055】
ここで、上述のCPU60は、スポット空調吹出口15からの空調風(図1の矢印d参照)のON(吹出し)またはOFFに応じてルーフ吹出口18の吹出方向を変化させ、スポット空調吹出口15からの空調風ON時に前席乗員のスポット空調吹出口15とは反対側に空調風b(図8参照)を当て、スポット空調吹出口15からの空調風OFF時に前席乗員の全体に空調風a(図7参照)を当てるように制御する制御手段(CPU60それ自体参照)と、
スポット空調吹出口15からの空調風のONに応じて、フロント側のルーフ吹出口18の前席乗員への吹出量のみを規制する規制手段(図11に示すフローチャートの第22ステップS22参照)と、
スポット空調吹出口15からの空調風のON時には、ルーフ吹出口18の吹出量を増大させる増大手段(図11に示すフローチャートの第23ステップS23参照)と、を兼ねる。
【0056】
このように構成した車両用空調装置の作用を、図11に示すフローチャートに参照して、以下に詳述する。
第1ステップS1で、CPU60は日射センサ55からの出力により日射量を検出し、次の第2ステップS2で、CPU60は外気温センサ56からの出力により外気温を検出する。
【0057】
次に第3ステップS3で、CPU60は室内温センサ57からの出力により車室内温度を検出し、次の第4ステップS4で、CPU60はコンプレッサ作動スイッチ58からの出力により該作動スイッチ58のON、OFFを検出する。
次に第5ステップS5で、CPU60は操作スイッチ59からの出力により吹出しモード、吹出し温度、吹出し風量などの設定を検出する。
【0058】
次に第6ステップS6で、CPU60はコンプレッサ作動スイッチ58がONか否かを判定し、NO判定時には次の第7ステップS7に移行する一方、YES判定時には別の第8ステップS8に移行する。
【0059】
上述の第7ステップS7で、CPU60はコンプレッサ作動スイッチ58のOFFに対応して、コンプレッサ31をOFF(非作動)とし、上述の第8ステップS8で、CPU60はコンプレッサ作動スイッチ58のONに対応して、コンプレッサ31をON(作動)とする。
コンプレッサ31が駆動されると、図5に示すエバポレータ26は蒸発器として作用し、周囲から熱を奪う。
【0060】
次に第9ステップS9で、CPU60は上述の各種検出条件に基づいてエアミックスドア32の制御位置を演算して、このエアミックスドア32を作動させる。フィルム式のエアミックスドア32は図5、図6で示したようにフィルムを閉ループ状と成し、複数のガイドローラに案内されて移動するもので、上述のフィルムには開口部の面積がそれぞれ異なる複数の開口部が形成されており、フィルムを可逆モータ等で駆動し、このエアミックスドア32によりヒータコア27を通過する空気の量をコントロールすることで、空調風の温度を制御することができるが、フィルム式のエアミックスドア32に代えて、切換えダンパ構造のエアミックスドアを用いてもよい。
【0061】
次に第10ステップS10で、CPU60は上述の各種検出条件に基づいて、吹出しモードを演算し、演出された吹出しモードとなるように各ドアを開閉作動させる。
【0062】
次に第11ステップS11で、CPU60は上述の各種検出条件に基づいて内外気モードを演算し、演算されたモードとなるように内外気ドア29を作動させる。
【0063】
次に第12ステップS12で、CPU60は上述の各種検出条件に基づいて吹出し風量を演算し、演算された吹出し風量となるようにメインブロア24または両ブロア24,25を作動させる。
【0064】
次に第13ステップS13で、インパネ中央吸込みドア48の開度を決定するために、CPU60は吹出し方向を判別する。而して、吹出し方向が下から上(図6の矢印y参照)の主として暖房時にあっては、次の第14ステップS14に移行し、吹出し方向が上から下(図6の矢印x参照)の主として冷房時にあっては、別の第15ステップS15に移行する。
【0065】
上述の第14ステップS14で、CPU60はインパネ中央吸込ドア48を閉じ、暖房時に乗員がいない部分において空気が循環されるのを防止する。
一方、上述の第15ステップS15で、CPU60はスポット吹出しスイッチ16がONか否かを判定し、YES判定時には第16ステップS16に移行し、NO判定時には別の第17ステップS17に移行する。
【0066】
上述の第16ステップS16で、CPU60はスポット吹出しスイッチ16のON時(例えば、強い冷房が要求される場合)には、インパネ中央吸込口11からの吸込み量も大容量が望まれるので、これに対応してインパネ中央吸込みドア48を全開となす。
【0067】
また、上述の第17ステップS17で、CPU60はスポット吹出しスイッチ16のOFF時(例えば、通常の冷房で充分な場合)に対応して、インパネ中央吸込みドア48を開成する。
【0068】
次に第18ステップS18で、CPU60はスポット吹出しスイッチ16がONか否かを判定し、NO判定時には第19ステップS19に移行し、YES判定時には別の第21ステップS21に移行する。
【0069】
上述の第19ステップS19で、CPU60はスポット吹出しドア36を閉じ、次の第20ステップS20で、CPU60はルーフ吹出しドア53を開いて、図7に示すようにフロント側の両吹出口18a,18bから前席乗員の全体に向けて空調風aを当てる(第2位置)。なお、リヤ側のルーフ吹出口19からは後席乗員の全体に向けて空調風cを供給する。
【0070】
一方、上述の第21ステップS21で、CPU60はスポット吹出しドア36を開いて、スポット空調吹出口15から前席乗員に向けて空調風をスポット的に吐出する(図1の矢印d参照)。
【0071】
次に第22ステップS22で、CPU60は図9に示すように、ルーフ吹出しドア54を閉じて、フロン側のルーフ吹出口18からの空調風の吹出しを禁止(請求項2,5に相当)するか、または図8に示すようにルーフ吹出しドア53を閉じて、フロント側の吹出口18bから空調風bを吹出して、この空調風bを前席乗員のスポット空調吹出口15とは反対側に供給する(請求項1に相当)。なお、これらの何れの場合にあっても、リヤ側のルーフ吹出口19からは後席乗員の全体に向けて空調風cを供給する。
【0072】
次に第23ステップS23で、CPU60はメインブロア24からの吹出風量を増大補正して、乗員の快適性向上を図る。この第23ステップS23での処理により、図1に矢印dで示すスポット空調風と、図8に矢印bで示すルーフ側からのスポット空調風との風量が増加補正される。
【0073】
このように図1〜図11に示す実施例(請求項1〜6に相当する実施例)によれば、ルーフ3に配置されたルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)は、前席乗員の後方(ルーフ部)から前席乗員へ空調風を吹出し、インストルメントパネル7のサイド部(車幅方向のサイド部)に配置されたインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)は前席乗員の前方から前席乗員に対して空調風を吹出すが、上述の制御手段(CPU60参照)は、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風(図1の矢印d参照)のON時には図8に示すようにルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)からの空調風bを前席乗員のインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)とは反対側に当て、また、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風(図1の矢印d参照)のOFF時には図7に示すようにルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)からの空調風aを前席全員全体に当てるようにルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)の吹出方向を変化させる。
【0074】
この結果、空調風の相互干渉を可及的に防止しつつ、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風のON、OFFの何れであっても前席乗員の快適性を維持することができる効果がある。
【0075】
特に、強い空調効果(主に冷感効果)が望まれるインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風のON時にはルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)からの空調風bを前席乗員のインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)とは反対側に当てるので、前席乗員に対する充分な快適性を確保することができる効果がある。
【0076】
また、ルーフ3に配置されたルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)は、前席乗員の後方(ルーフ部)から前席乗員へ空調風aを吹出すと共に、後席乗員の前方(ルーフ部)から後席乗員へ空調風cを吹出し、インストルメントパネル7のサイド部(車幅方向のサイド部)に配置されたインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)は前席乗員の前方から前席乗員に対して空調風(図1の矢印d参照)を吹出すが、上述の規制手段(第22ステップS22参照)は、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風のON時に、図9に示す如くルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)の前席乗員への吹出量のみを規制する。
【0077】
このように、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風のON時にはルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)の後席乗員に対する空調風cの吹出しを維持したまま、該ルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)の前席乗員への吹出量のみを規制するので、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風とルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)からの空調風とが衝突干渉するのを防止することができ、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風のON、OFFの何れであっても前席乗員、後席乗員の快適性を維持することができる効果がある。なお、図9に示すようにスポット空調吹出口15からの空調風の吹出し時にルーフ側ユニット17からの空調風の前席乗員への吹出量を禁止する構成に代えて、前席乗員への吹出量を低減する構成と成してもよいことは勿論である。
【0078】
加えて、上述のインパネ吹出口をスポット空調吹出口15に設定したので、次のような効果がある。
すなわち、インパネ吹出口をスポット空調吹出口15に設定すると、空調風の衝突の可能性が大となり、気流の乱れが発生しやすくなるが、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15)からの空調風の吹出しに応じて、ルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)の吹出方向を変化または前席乗員への吹出量を規制するので、上述の気流の乱れを防止しつつ、スポット空調を達成することができる効果がある。
【0079】
さらに、上述の増大手段(第23ステップS23参照)はインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風ONの時には上述のルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)の吹出量を増大させる。
このように、乗員が強い空調効果を要望しているインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風のON時に、増大手段(第23ステップS23参照)にてルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)の吹出量を増大させるので、乗員の快適性をさらに向上させることができる効果がある。
【0080】
また、インパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風のON時に、上述の規制手段(第22ステップS22参照)が図9に示す如くルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)からの前席乗員の吹出を禁止するので、気流の乱れを確実に防止することができる効果がある。
【0081】
さらに、ルーフ吹出口(ルーフ側ユニット17参照)には前席乗員に対する複数の吹出口18a,18bを設け、これら吹出口18a,18bの切換えにより、乗員のインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)とは反対側または乗員全体に空調風bまたは空調風aを当てるように構成したので、乗員のインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)とは反対の側から空調風bが当たる態様(図8参照)と、乗員全体に空調風aが当たる態様(図7参照)とをルーフ吹出口18の複数の吹出口18a,18bの切換えにて容易に達成することができ、この吹出口18a,18bの選択によりインパネ吹出口(スポット空調吹出口15参照)からの空調風d(図1参照)のON、OFFに応じたルーフ吹出口18からの空調風a,bの吹出しが達成できる効果がある。
【0082】
また、実施例で示したように、スポット空調吹出口15をインストルメントパネル7の左右両端部に設けると共に、ルーフ側ユニット17(ルーフ吹出口)をルーフ3の中央部に設けると、スポット空調吹出口15からの空調風dとルーフ側ユニット17におけるルーフ吹出口18からの空調風とを乗員に対して正反対の部分から当てることができるので、前席乗員の快適性をさらに向上させることができる。
【0083】
さらに、実施例で示したように複数の吹出口18a,18bを備えたフロント側のルーフ吹出口18において乗員のスポット空調吹出口15とは反対側に空調風b(図8参照)を当てる図示下側の吹出口18bをスポット空調吹出口(吹出し面積が小さい吹出口)に設定すると、インストルメントパネル7側のスポット空調吹出口15からの空調風d(図1参照)と相まって、ルーフ3側の小さい吹出口18bから乗員に空調風b(図8参照)を当てることができるので、前席乗員の快適性をより一層向上させることができる。
なお、上述の各吹出口18a,18b,19を可変ルーバで構成し、乗員の体格等に応じて空調風a,b,cの吐出方向を微調整すべく構成してもよい。
【0084】
図12はルーフ側ユニット17の他の実施例を示し、図7〜図9で示した実施例のルーフ吹出しドア54に代えて、フロント側のルーフ吹出口18における副吹出口18bを開閉するルーフ吹出しドア63を設けたものである。
【0085】
このように構成すると、先のドア54に対してコンパクトなドア63により副吹出口18bを迅速に開閉することができる。また各ドア53,63の開閉制御により先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図12において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0086】
図13、図14はルーフ側ユニット17のさらに他の実施例を示し、この実施例では、左右のピラーダクト41,41から連通ダクト52,52を介してハウジング50内に空調風を導びくように構成している。またハウジング50にはその内部を前後左右に仕切る十文字の仕切部64を設け、この仕切部64の車幅方向に延びる両端部には、左右の連通ダクト52,52とフロント側の左右のルーフ吹出口18,18との間を開閉するそれぞれのルーフ吹出しドア65,65を設けている。
【0087】
而して図13に示すように、ルーフ吹出しドア65,65を開成して、左右の連通ダクト52,52と、全てのルーフ吹出口18,18,19,19と、を連通させると、これら各ルーフ吹出口18,19から空調風a,cを、左右の前席乗員および左右の後席乗員に対して吹出すことができ、図14に示すように、ルーフ吹出しドア65,65を閉成して、左右の連通ダクト52,52とリヤ側のルーフ吹出口19,19のみを連通させると、フロント側のルーフ吹出口18,18からの空調風a,aの吹出しを規制(禁止)して、リヤ側のルーフ吹出口19,19から空調風cを左右の後席乗員に対して吹出すことができる。
【0088】
このように構成(請求項2,3,5に相当)しても、図10の制御回路および図11のフローチャートを用いると、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図13、図14において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0089】
図15、図16はルーフ側ユニット17のさらに他の実施例を示し、この実施例では左側のピラーダクト41から連通ダクト52および開口部51を介してハウジング50内に空調風を導びくように構成している。
【0090】
また、この実施例では、ハウジング50内を前部左室66と前部右室67と後部室68とに区画すべく仕切板69,70,71を設けると共に、前後方向に延びる仕切板70には前部左室66と開口部51との間を開閉するルーフ吹出ドア72を設け、車幅方向に延びる仕切板71には前部右室67と開口部51との間を開閉するルーフ吹出しドア73を設けている。
【0091】
而して、図15に示すように、ルーフ吹出ドア72,73を開成して連通ダクト52と全室66,67,68とを連通させると、全てのルーフ吹出口18,18,19,19から空調風a,cを左右の前席乗員および左右の後席乗員に対して吹出すことができ、図16に示すように、各ルーフ吹出しドア72,73を閉成して、連通ダクト52と後部室68のみを連通させると、フロント側のルーフ吹出口18,18からの空調風a,aの吹出しを規制(禁止)して、リヤ側のルーフ吹出口19,19から空調風cを左右の後席乗員に対して吹出すことができる。
【0092】
このように構成(請求項2,3,5に相当)しても、図10の制御回路および図11のフローチャートを用いると、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図15、図16において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0093】
図17〜図21はルーフ側ユニット17のさらに他の実施例を示し、この実施例では、右側のピラーダクト41から連通ダクト52および開口部51を介してハウジング50内に空調風を導びくように構成されている。
【0094】
この実施例ではドア駆動装置74で駆動制御されるピラミッド形のルーフ吹出しドア75を設ける関係上、ハウジング50の中央部に形成された開口部51は、ピラミッド形状のドア75の一部と対応する弁座76(頂部、底部を有さない四角錐筒状の弁座)に設定している。
【0095】
また、上述のピラミッド形状のルーフ吹出しドア75は、ハウジング50の内底部に設けられたドア駆動装置74により、駆動アーム77を介してハウジング50の内底部に沿って前後左右に駆動制御される。
【0096】
而して、図18に示すように、ピラミッド形状のドア75が開口部51つまり弁座76のセンタに位置して、ドア75が弁座76の四辺のうちの何れにも当接していない状態下にあっては、連通ダクト52からの空調風は、開口部51を介して各ルーフ吹出口18,18,19,19に均等に流通するので、これら各ルーフ吹出口18,19から空調風a,cを左右の前席乗員および左右の後席乗員に対して吹出すことができる。
【0097】
また、図19に示すように、ピラミッド形状のドア75で弁座76の四辺のうちの前側左辺と前側右辺とを同時に閉じると、連通ダクト52からの空調風は開口部51を介してリヤ側のルーフ吹出口19,19に流通するので、フロント側のルーフ吹出口18,18からの空調風a,aの吹出しを規制(禁止)して、リヤ側のルーフ吹出口19,19から空調風c,cを左右の後席乗員に対して吹出すことができる。
【0098】
さらに、図20に示すように、ピラミッド形状のドア75で弁座76の四辺のうちの前側左辺のみを閉じると、連通ダクト52からの空調風は開口部51を介してフロント側右側のルーフ吹出口18とるリヤ側の各ルーフ吹出口19,19に流通するので、フロント側左側のルーフ吹出口18からの空調風aの吹出を規制(禁止)して、残りの各ルーフ吹出口18,19,19から空調風a,c,cを図示の三方に吹出すことができる。
【0099】
さらにまた、図21に示すように、ピラミッド形状のドア75で弁座76の四辺のうちの前側右辺のみを閉じると、連通ダクト52からの空調風は開口部51を介してフロント側左側のルーフ吹出口18とリヤ側の各ルーフ吹出口19,19に流通するので、フロント側右側のルーフ吹出口18からの空調風aの吹出しを規制(禁止)して、残りの各ルーフ吹出口18,19,19から空調風a,c,cを図示の三方に吹出すことができる。
【0100】
このように図17〜図21に示す実施例によれば、ピラミッド形状のドア75の駆動制御により、開口部51の開口位置と開口量とに対応して図18、図19、図20、図21に示す空調風の吹出態様とその他の吹出態様との多様な吹出態様を得ることができ、ドア75の駆動量も小さくてよい効果がある。
【0101】
なお、その他の点(請求項2,3,5に相当する点)については、図10の制御回路と図11のフローチャートを用いることにより、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図17〜図21において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0102】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のルーフ吹出口は、実施例のルーフ吹出口18,19を有するルーフ側ユニット17に対応し、
以下同様に、
インパネ吹出口は、スポット空調吹出口15に対応し、
制御手段は、CPU60に対応し、
規制手段は、CPU制御による第22ステップS22に対応し、
増大手段は、CPU制御による第23ステップS23に対応し、
複数の吹出口は、吹出口18a,18bに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0103】
例えば、図13〜図16に示す実施例のフロント側の各ルーフ吹出口18,18に対して図7〜図9で示したルーフ吹出しドア53,53を追加して、請求項1で示す構成と成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両用空調装置を示す概略側面図。
【図2】 本発明の車両用空調装置を車室内側方から見た状態で示す斜視図。
【図3】 同装置を車室内後方から見た状態で示す説明図。
【図4】 エアコンユニットのインストルメントパネル内部でのレイアウトを示す断面図。
【図5】 空調装置の全体構成を示す系統図。
【図6】 暖房時の空気の流れを示す系統図。
【図7】 ルーフ側ユニットの断面図。
【図8】 ルーフ側ユニットの作用説明図。
【図9】 ルーフ側ユニットの作用説明図。
【図10】 制御回路ブロック図。
【図11】 空調制御を示すフローチャート。
【図12】 ルーフ側ユニットの他の実施例を示す断面図。
【図13】 ルーフ側ユニットのさらに他の実施例を示す平面図。
【図14】 ルーフ側ユニットの作用説明図。
【図15】 ルーフ側ユニットのさらに他の実施例を示す平面図。
【図16】 ルーフ側ユニットの作用説明図。
【図17】 ルーフ側ユニットのさらに他の実施例を示す平面図。
【図18】 図17のA−A線矢視断面図。
【図19】 ルーフ側ユニットの作用説明図。
【図20】 ルーフ側ユニットの作用説明図。
【図21】 ルーフ側ユニットの作用説明図。
【符号の説明】
2…センタピラー(ピラー)
3…ルーフ
7…インストルメントパネル
15…スポット空調吹出口(インパネ吹出口)
17…ルーフ側ユニット(ルーフ吹出口)
18a,18b…吹出口
26…エバポレータ(温度調整手段)
27…ヒータコア(温度調整手段)
41…ピラーダクト
60…CPU(制御手段)
S22…規制手段
S23…増大手段
Claims (6)
- ルーフに配置され、温度調整手段により調和された空調風をピラーに沿って車室の上下方向に配置されたピラーダクトを介して、前席乗員の後方から前席乗員および後席乗員の前方から後席乗員へ空調風を吹出すルーフ吹出口と、
インストルメントパネルのサイド部に配置され前席乗員の前方から前席乗員へ空調風を吹出すインパネ吹出口とを備え、インパネ中央部にインパネ中央吹出口を備えない車両用空調装置であって、
上記インパネ吹出口からの空調風のONまたはOFFに応じて上記ルーフ吹出口の吹出方向を変化させ、
上記インパネ吹出口からの空調風がONのとき、上記ルーフ吹出口からの空調風を車両側面視で前席乗員に対してインパネ吹出口とは反対側に当てる第1の制御手段と、
上記インパネ吹出口からの空調風がOFFのとき、上記ルーフ吹出口からの空調風を乗員全体に当てる第2の制御手段と、
を備えたことを特徴とする
車両用空調装置。 - ルーフに配置され、温度調整手段により調和された空調風をピラーに沿って車室の上下方向に配置されたピラーダクトを介して、前席乗員の後方から前席乗員および後席乗員の前方から後席乗員へ空調風を吹出すルーフ吹出口と、
インストルメントパネルのサイド部に配置され前席乗員の前方から前席乗員の空調風を吹出すインパネ吹出口とを備え、インパネ中央部にインパネ中央吹出口を備えない車両用空調装置であって、
上記インパネ吹出口からの空調風がONのとき、上記ルーフ吹出口からの空調風のうち後席乗員への吹き出しは維持したまま、前席乗員への吹出量のみを規制する規制手段を備えた
車両用空調装置。 - 上記インパネ吹出口をスポット空調吹出口に設定した
請求項1または2記載の車両用空調装置。 - 上記インパネ吹出口からの空調風ONの時には上記ルーフ吹出口の吹出量を増大させる増大手段を設けた
請求項1記載の車両用空調装置。 - 上記規制手段はルーフ吹出口からの前席乗員への吹出しを禁止する
請求項2記載の車両用空調装置。 - 上記ルーフ吹出口は前席乗員に対する複数の吹出口を備え、複数の吹出口を切換えることにより、乗員のインパネ吹出口とは反対側または乗員全体に空調風を当てるように構成した
請求項1記載の車両用空調装置。
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