JP3680443B2 - 車両後席用空調装置 - Google Patents
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- B60H1/00007—Combined heating, ventilating, or cooling devices
- B60H1/00207—Combined heating, ventilating, or cooling devices characterised by the position of the HVAC devices with respect to the passenger compartment
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワンボックス車などのような大きな車両の後席側の空調を独立して行う車両後席用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワンボックス車のようにリア空間の大きな車両においては、後席を独立して空調することにより後席乗員の快適性を向上させる目的により、フロント用の空調装置に加えてリア空調装置が設置されている場合がある。
そこで、例えば実開平4−7910号公報に記載されている従来の後席用空調装置を図5に基づいて説明する。図5に示す如く、後席用空調ユニットは車両後席の側壁側に設置され、内部にブロワファン、ヒータコア、エバポレータ、吹出モード交換用ドア、及びエアミックスダンパーを具備して構成されている。
【0003】
そして、この後席用空調ユニットは、車室内に配置された吸込口51、ルーフ吹出口52及びフット吹出口53とダクトを介して連結され、天井付近に配置されたルーフ吹出口52及びリアフロア面付近に配置したフット吹出口53から空調空気を各々吹出すように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す如く従来の車両後席用空調装置においては、ユニットケース内においてヒータコア56が車室外側に、エアミックスドア57が車室内側に配置されている。ボディー外板59とユニットケースとの間に挟まれる空間60に滞留する空気は車室外の空気の温度の影響を受けやすく、冬期の外気温が低いような場合にはこの空間60内に滞留する空気の温度も極めて低いものとなる。したがって、ヒータコア56が車室外側に設置されているとこのヒータコア56にて加熱された空気は空間60内の冷たい空気の影響を受け熱のロスが大きいものとなってしまうという不具合がある。また、図6に示す如く一般にルーフ吹出口52に向かう空気ダクトは車室外側に設置され、またフット吹出口53に向かう空調ダクトは車室内側に設置されるため、ヒータコア56をバイパスしてきた冷風がルーフ吹出口に導入される際の冷風通路の抵抗も大きくなり、風量が少なくなってしまうという問題も生じる。
【0005】
本案発明はこのような問題点に鑑み、ヒータコアにて加熱された温風をその外気温の影響を受けることなくスムーズにフット吹出口に導くと共に、ヒーターコアをバイパスしてきた冷風を速やかにルーフ吹出口に導くことのできる車両後席用空調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、ユニットケース内においてヒータコアを車室外側に、エアミックスドアを車室内側に配置するという構成を採用する。この構成をとることにより、ヒータコアにて加熱された温風は車両の外板(アウタパネル)から離れた位置を通過するために外気温の影響を受けることなく外気温が極めて低いような場合であっても、それによる熱のロスを受けることがなくなる。
【0007】
また本発明の請求項2記載の発明によれば、ルーフ吹出口に向かう空調ダクトが車室外側に設置され、フット吹出口に向かう空調ダクトが車室内側に設置されているために、ヒーターコアにて加熱された温風は速やかにフット吹出口に向かい、またヒータコアをバイパスしてきた冷風は空気抵抗を受けることなく速やかにルーフ吹出口に導入される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による車両後席用空調装置の一実施例を図に基づいて説明する。図1はワンボックス車の後席に設置した後席用空調装置の構成を示す系統図で、1はブロワファン、2はエバポレータ、3はエアミックスドア、4はヒータコア、5はモードドア、6はルーフ吹出口、7はフット吹出口、8は吸込口を各々示している。
【0009】
ブロワファン1は、スクロール形状のブロワケース9内に配置され、車載バッテリーからの駆動電源を受け回転駆動するブロワモータ10からの回転力を受けて回転し、車室内の空気を吸込口8から吸引して下流側のクーラケース14内に配置したエバポレータ2の方向へ圧送するものである。エバポレータ2にはブロワケース9の空気下流側に接続されたクーラケース14内に配置され、内部を通過する冷媒とブロワファン1にて圧送されてきた空気との熱交換を行うことによりこの空気を冷却する。クーラケース14の空気下流側にはヒータケース15が接続され、このヒータケース15内にはヒータコア4が車室内側に、エアミックスドア3が車室外側に配置されている。ヒータコア4はエンジン冷却水とエバポレータ4を通過してきた冷風との間で熱交換を行い、この冷風を加熱するためのものである。エアミックスドア3は、全空気量をヒータコア4へ導く位置(MAX HOT)から全空気量をバイパス流路へ導く位置(MAX COOL)の間の任意の位置(エアミックスモード)に設定することができる。そしてヒータコア4及びバイパス流路を通過した温風及び冷風が合流する位置はエアミックスチャンバー11となっており冷風と温風が混合される。更にエアミックスチャンバー11の空気下流側にはエアミックスチャンバー11にて混合された空調空気を、天井付近に配置されたルーフ側吹出口へ導くルーフ吹出口6とリアフロワー付近に配置されたフット側吹出口へ導くフット吹出口7が配置されており、この分岐点にはモードドア5が設置されている。このモードドア5は、全空気量をルーフ吹出口6へ導くルーフ吹出しモードと、全空気量をフット吹出口7へ導くフット吹出しモードと、これら両モードの中間の任意の位置で全空気量を所望の割合に分割するバイレベルモードとの3つの吹出しモードから選択して設定することができる。なおブロワユニット9、クーラケース14、ヒータケース15はサイドトリム12とボディー外壁を形成するアウターパネル13との間に設けられ、特に、リヤフロアーから天井へ立ち上がるルーフ吹出口へのダクトはサイドウィンドウを避けてピラー部分を通すようにしている。
【0010】
次に上述した構成の後席用空調装置の作動を説明する。乗員が後席用空調装置のスイッチをオンにすると、車載バッテリーから供給電源を受けたブロワモーター10が回転しブロワーファン1が回転する。ここで、ブロワファン1は両吸い込み型のファンとなっており、ブロワファン1の車室内側からは、サイドトリム12の一部に形成された吸入口8を介して車室内側の空気が吸引されると共に、サイドトリム12と各ユニットケースとの間に対流する空気も吸引される。一方、ブロワファン1の車室外側からは、各ユニットケースとボディー外壁を形成するアウターパネル13との間に対流する空気が吸引される。このようにしてブロワーファン1の回転により吸引された空気の全空気量はエバポレータ2を通過する。このためエバポレータ2が作動することにより全空気量が冷却及び除湿されることになる。そして、エアミックスドア3が冷房モードに設定されているときは、冷却及び除湿された空気の全量がバイパス流路を通過してルーフ吹き出し口用のダクトに導かれる。この時、モードドア5はルーフ吹出しモードに設定するのが一般的であり、バイパス流路を通過した冷風はほとんど抵抗を受けることなくルーフ吹出口6に導かれ車室内に吹き出す。次に、エアミックスドア3が暖房モードに設定されている時は、冷却及び除湿された空気の全量がヒータコア4を通ることによって加熱され、除湿された温風となってエアミックスチャンバー11へと導かれる。この時のモードドア5は通常フット吹出しモードに設定されているのが一般的であり、除湿された温風はフット吹出口7を介して車室内へ吹き出し乗員の足元を温めることになる。最後に、エアミックスドア3がエアミックスモードに設定されている時は、エバポレータ2で除湿及び冷却された空気がエアミックスドア3の開度に応じてヒータコア4とバイパス流路とに向けて分流し、ヒータコア4の空気下流側に配置されているエアミックスチャンバー11でヒータコア4を通った温風とバイパス流路を通った冷風とが再度合流して混合される。従って、エアミックスドア3の開度を調整することによって温風と冷風との混合割合が変化し、所望の温度に調整した除湿温調空気をルーフ吹出口6及びフット吹出口7へ供給することができる。この時、モードドア5をバイレベルモードに設定すれば、ルーフ吹出口6及びフット吹出口7の両吹き出し口からこのみの割合で温調空気を吹き出すことができる。
【0011】
このように本実施例の後席用空調装置によれば、ヒータコア4を車室内側に設置しているためヒータコア4にて加熱された温風が、従来に比べて外気温の影響を受けることが小さくなり、外気温が低いような場合でもこの温風が再び冷やされるといったような熱のロスを生じることが無くなる。またヒーターコア4が車室内側に設置されると共にエアミックスドア3が車室外側に設置されているために、ヒーターコア4をバイパスする流路が室外側に位置することになり、このバイパス流路を通過する冷風が空気の抵抗を受けることなく速やかにルーフ吹出口へ導かれることになる。従って、冷房モード時において充分な冷風の風量を得ることができる。
【0012】
なお、上述の実施例では、ヒータコア4及びエアミックスドア3のレイアウトを水平方向に配置して、エアミックスドア3を室外側、ヒータコア4を室内側に配置する構成としたが、ヒータコア4とエアミックスドア3のレイアウトを上下方向に配置して、エアミックスドアを室外側(下側)、ヒータコア4を室内側(上側)に配置するようにしてもよい。また、後席用空調ユニットは車両後席の側壁部側に設置されているが、他の実施例では、車種や他の装置の配置に応じて最適の位置を選定すればよい。また、本実施例では、ブロワファン1は内気のみを吸引するものとして説明したが、内気及び外気の切り替えダンパーを設けて外気導入をすることも可能である。また、本実施例においてはブロワファン1は両吸い込みタイプのものとしていたが片吸い込みタイプのものでももちろんよい。さらに、各種センサ、ダンパー用アクチュエータ及び制御ユニット等を設ければ、オートエアコンとして使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における車両後席用空調装置の構成図である。
【図2】本発明の実施形態における車両後席用空調ユニットを上面から見た図である。
【図3】本発明の実施形態における車両後席用空調ユニットを側面から見た図である。
【図4】本発明の他の実施形態を説明するための図である。
【図5】従来からの車両後席用空調装置の吹き出し口配置例を示す図である。
【図6】従来の車両後席用空調装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ブロワーファン
2 エバポレーター
3 エアミックスドア
4 ヒータコア
5 モードドア
6 ルーフ吹出口
7 フット吹出口
8 吸込口
9 ブロワケース
10 ブロワモータ
11 エアミックスチャンバー
12 サイドトリム
13 アウタパネル
14 クーラケース
15 ヒータケース
Claims (2)
- 車両後席空間の空調を行うべく、車両の後席空間の側壁側に設置される車両後席用空調装置であって、
スクロール形状のブロワケース内に配置され、供給電源からの電力を受け、吸込み口から空気を吸引して圧送するブロワファンと、
前記ブロワケースの空気下流側に接続されるユニットケース内に設置され前記ブロワファンにより圧送された空気を冷却するエバポレータと、
前記ユニットケース内の車室内側に配置され前記エバポレータにて冷却された空気を加熱するヒータコアと、
前記ユニットケースの車室外側に配置され前記ヒータコアを通る空気の量を調整するエアミックスドアと、
前記ヒータコアにて加熱された温風と前記ヒータコアをバイパスした冷風とを混合させるエアミックスチャンバーと、
前記エアミックスチャンバーの空気下流側に配置され、ルーフ吹出口、フット吹出口、及びバイレベルの3つの吐出モードを切り替えるモードドアと、
前記ブロワケース及びユニットケースと前記車室内空間とを遮閉するサイドトリムとを備えることを特徴とする車両後席用空調装置。 - 前記ルーフ吹出口は室内側に、前記フット吹出口は室内側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両後席用空調装置。
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1996
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