JP3881121B2 - うどんの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はうどんの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、肌荒れがなくて良好な外観を有し、滑らかさ及び粘弾性に優れていて良好な食感を有し、しかも茹でのび耐性に優れる、高品質のうどんを、従来よりも生産性が良く、経済的に製造する方法、及び該方法により得られるうどんに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械製麺によるうどんの製法としては、中力小麦粉から主としてなる穀粉類に対して食塩を3〜5重量%の割合で添加した原料を用い、横型ミキサーまたは縦型ミキサーを用いて混練して生地を調製し、その生地を複合、圧延して所定の厚さの麺帯にし、それを麺線に切り出す方法が一般に汎用されている。しかしながら、前記した従来の機械製麺法により得られるうどんは、滑らかさ、弾力性、茹でのび耐性などの点で充分に良好であるとは言えず、高品質のうどんに対する消費者の強い要望を充分に満たすことができなくなっている。しかも、前記した従来の機械製麺法では、肌荒れなどのない麺帯及び麺線(うどん)を得るために、ミキサーで混練して得た生地を、多段の複合ロール(通常3対以上の複合ロール)の間を通して複合した後、多段の圧延ロール(通常3対以上の圧延ロール)の間を順次通して圧延して最終的な厚さにしてから麺線への切り出しを行う必要があり、そのために、複合、圧延の工程及び装置が繁雑で大規模になり、生産性が低く、コストの高いものとなっている。
【0003】
そこで、滑らかさ、粘弾性に優れ、良好な食感を有する麺類を得ることを目的として、前記した従来の機械製麺法において、その横型ミキサーまたは縦型ミキサーによる混練操作を減圧下に行うことが提案されている。その場合には、常圧下で混練を行う場合に比べて、滑らかさや粘弾性の点で改良がみられるものの、未だ充分ではなく、消費者の要求を未だ充分に満足することができない場合が多い。しかも、ミキサーで混練して得た生地の複合、圧延に際しては、従来と同様に多段での複合及び圧延を行う必要があるため、複合・圧延の工程及び装置が繁雑で大規模になり、生産性が低い。
【0004】
また、上記した従来の機械製麺法とは別に、粉体に50%前後の水を混入した製麺原料を押出機に供給して混練し麺帯に押し出した後に麺線に切り出して多加水麺を製造する方法が提案されており(特開昭54−122749号公報)、この方法では、押し出した麺帯を案内ローラーを経た後にそのまま直接麺線に切り出すとしている。しかしながら、この方法では、加水率の点のみが考慮されているだけであり、添加成分などの配合面には何ら注意が払われておらず、この方法を用いてうどんを製造しても、滑らかさ、粘弾性、茹でのび耐性などの点で優れるうどんを得ることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来の製麺法により得られるうどんに比べて、滑らかさ、粘弾性に優れていて、良好な食感を有し、しかも茹であげ後に時間が経っても前記した良好な食感が保たれていて、茹でのび耐性に優れ、さらに肌荒れがなく外観にも優れる高品質のうどんを、従来よりも簡単な工程及び装置を用いて、生産性良く且つ経済的に製造し得る方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者は、原料の配合組成と、製麺原料調整後の製造工程との関係について検討を重ねてきた。その結果、粗蛋白質含量が8〜10重量%の小麦粉を配合し、その小麦粉等への食塩の添加量を上記した従来の添加量3〜5重量%よりも大幅に低減して1重量%以下にするか、または食塩を添加しないようにして調製した製麺原料を用い、この製麺原料を混練して、減圧下にて麺帯に押し出した後、圧延し、麺線への切り出しや方形シートなどへの切断を行うと、滑らさ、弾力性に優れており、しかも前記した品質が茹であげ後に時間が経っても良好に保たれていて、茹でのび耐性に優れる高品質のうどんが得られることを見出した。
【0007】
さらに、本発明者は、前記した方法による場合は、押し出した麺帯が圧延耐性に優れていて、押し出した麺帯を最初の圧延工程で強く圧延しても肌荒れが生じず、むしろ強圧延によってうどんの腰が一層強くなって粘弾性に一層優れるうどんが得られることを見出した。
【0008】
また、本発明者は、前記強圧延による場合は2段程度の少い圧延処理で最終的な厚さにまで圧延することができ、多段の複合及び圧延処理を行う上記した従来の機械製麺法よりも工程及び装置面での簡略化が可能であることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、粗蛋白質含量が8〜10重量%の小麦粉から主としてなる穀粉に対して食塩を添加しないかまたは1重量%以下の割合で添加して調製した製麺原料を、混練して減圧下にて麺帯に押し出し、押し出した麺帯を2段で強圧延処理するにあたり、最初の圧延処理で、押し出した麺帯の厚さの10〜35%になるように強圧延し、次いで後段の圧延処理を行った後、麺線への切り出しまたはその他の切断を行うことを特徴とするうどんの製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明は上記方法により製造されたうどんを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明におけるうどん用の製麺原料は、粗蛋白質含量が8〜10重量%の小麦粉から主としてなる穀粉に対して食塩を添加しないかまたは1重量%以下の割合で添加して調製される。粗蛋白質含量が8〜10重量%である小麦粉としては、中力小麦粉、粗蛋白質含量が8重量%未満である小麦粉(例えば薄力小麦粉)と粗蛋白質含量が10重量%よりも多い小麦粉(例えば準強力小麦粉や強力小麦粉)をブレンドして粗蛋白質含量を8〜10重量%に調製した小麦粉などを用いることができる。
【0012】
本発明における製麺原料においては、穀粉として、穀粉の全重量の70重量%以上が中力小麦粉からなる穀粉を用いることが好ましく、80重量%以上が中力小麦粉からなる穀粉を用いることがより好ましい。中力小麦粉と共に他の穀粉を併用する場合は、強力小麦粉、準強力小麦粉、薄力小麦粉、澱粉類(タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、コーン澱粉など)、米粉、豆粉、大麦粉などの他の穀粉の1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、本発明で用いる穀粉は、中力小麦粉のみからなるか、または中力小麦粉70〜95重量%と澱粉5〜30重量%からなっていることが好ましい。
【0013】
上記した穀粉に対して、食塩を添加しないかまたは穀粉の重量に基づいて1重量%以下の割合で添加することが必要である。食塩の添加量が1重量%よりも多いと、混練して、減圧下にて麺帯に押し出した後に圧延及び麺線への切り出しを行う工程を採用しても、滑らかさ、粘弾性及び茹でのび耐性に優れるうどんを製造することができない。しかも、食塩の添加量が1重量%を超えると、押し出した麺帯を最初の圧延処理で強圧延して、押し出した麺帯の厚さの45%以下にしたときに、肌荒れを生じて、滑らかさ及び外観に劣ったうどんになる。
【0014】
食塩を1重量%以下の割合で添加してうどんを製造する場合は、生地の調製に用いる水に予め溶解しておいて食塩水の形態にして穀粉に添加することが均一混合などの点から好ましい。
また、穀粉に加える水の量は、穀粉の重量に対して30〜40重量%であることが好ましい。
【0015】
また、穀粉、水及び場合により添加される食塩と共に、うどんの製造時に従来から用いられている各種添加物の1種または2種以上を用いることができる。しかしながら、本発明の方法による場合は、他の添加物を何ら用いずに、粗蛋白質含量が8〜10重量%である小麦粉から主としてなる穀粉に対して水及び場合により1重量%以下の食塩を添加して本発明の工程に従ってうどんを製造するだけで、滑らかさ、粘弾性、茹でのび耐性、肌荒れ耐性に優れる高品質のうどんを極めて簡単に且つ生産性良く製造することができるので、他の添加物を用いない方がむしろ手間が少くなり、コストが低下でき有利である。
【0016】
次に、上記製麺原料を用いるうどんの製造工程について説明する。
本発明では、穀粉、水及び添加剤をミキサーなどを用いて予め短時間混合して生地を調製しておき、その生地を混練して、減圧下にて麺帯に押し出すことが好ましい。
その場合の混練、減圧下での麺帯への押し出しは、例えば真空押出機などを用いて行うことができ、真空押出機としては麺生地を均一に混練した後に、減圧下にて麺帯に押し出しできるものであればいずれでもよく特に制限されず、例えば、真空吸引装置を備える単軸押出機、二軸押出機などを用いることができる。何ら限定されるものではないが、真空押出機の具体例としては、株式会社貴信製の真空押出機「TM12型」、ジャホマ社製の真空押出機「JM15」などを挙げることができる。
【0017】
減圧下での押し出しは、通常、650Torr以下の減圧下(真空下)に行うことが、滑らかさ、粘弾性及び茹でのび耐性に優れるうどんを簡単な工程で生産性良く製造し得る点から好ましく、600Torr以下の減圧下(真空下)に行うことがより好ましい。
また、混練は、生地の変性や劣化の防止などの点から、混練時の生地の品温が60℃以下であるようにして行うことが好ましく、20〜55℃であるようにして行うことがより好ましい。
【0018】
真空押出機を用いて混練、押し出しを行う場合は、スクリューの回転速度、真空押出機に製麺原料を供給してから麺帯に押し出すまでの時間などは、真空押出機の規模や混練能力、真空押出機に供給する製麺原料の量、真空度などに応じて調節することができる。何ら限定されないが、例えば、株式会社貴信製の真空押出機「TM12型」を用いる場合、スクリューの回転速度を15〜42回/分、真空押出機出口での生地の品温20〜55℃、押出速度100〜300kg/時の条件下に行うことができる。
【0019】
押し出す麺帯の厚さは、うどん製品の種類、厚さなどに応じて調整できるが、一般に、麺線に切り出す直前の最終的な麺帯厚さの5〜20倍の厚さになるようにして押し出すことが、次に圧延工程で麺帯を円滑に強圧延することができ、それによって粘弾性及び茹でのび耐性に優れるうどんが得られる点から好ましく、8〜12倍の厚さのものを押し出すことがより好ましい。
【0020】
押し出した麺帯を次に圧延する。圧延は、押し出した麺帯を最初の圧延処理で急激に薄くする強圧延によって行うことが、粘弾性及び茹でのび耐性に一層優れるうどんが得られる点から好ましい。強圧延による場合は、最初の圧延処理において、最初の圧延処理後の麺帯の厚さが、押し出した麺帯の厚さの45%以下になるようにして強圧延することが好ましく、10〜35%になるように強圧延することがより好ましい。前記した強圧延を行う場合に、圧延処理を2段で行って、最初の圧延処理で強圧延した麺帯を第2の圧延処理で最終的な麺帯厚さ(麺線に切り出す直前の厚さ)にすると、圧延工程及び圧延装置が簡略化されて、生産性の向上及びコストの低減をはかることができる。そして、それにより得られるうどんは、肌荒れがなくて、外観に優れ、しかもミキサー混練−複合−圧延−麺線への切り出しを経る上記した従来の機械製麺法で得られるうどんに比べて、粘弾性、食感及び茹でのび耐性の点でも優れている。
【0021】
押し出した麺帯を圧延する圧延装置の種類や構造などは特に制限されず、うどんの製造に従来から用いられている圧延装置のいずれもが使用でき、一般には圧延ローラーが好ましく用いられる。
圧延した麺帯を麺線に切り出すことによって、うどんが得られる。
【0022】
麺線への切り出し方法及び切り出し装置の種類、構造や形状などは何ら制限されず、うどんの製造に従来から用いられている麺線切り出し装置のいずれを使用してもよい。また、麺線への切り出しによるうどんの断面形状は特に制限されず、例えば、方形、円形、楕円形、偏平形、三角形、多角形などのいずれの形状であってもよい。また、切り出された麺線のサイズ(厚さや幅、直径など)も特に制限されず、従来の麺類に準じて決めることができる。
【0023】
上記により得られるうどんは、そのまま生うどんの形態で、或いは乾燥うどん、半乾燥うどん、即席ノンフライうどん、茹でうどん、冷凍うどん、LLうどん(ロングライフうどん)などの形態にして流通、販売することができる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例等により本発明について具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。
以下の例において、うどんの茹で歩留りは、下記の数式により求めた。
【0025】
【数1】
うどんの茹で歩留り(%)=(W1/W0)×100
【0026】
〔式中、W1 =茹であげて水切りした後の茹でうどんの重量(g)、W0 =茹でる前の生うどん中の穀粉の重量(g)を表す。但し、生うどんの製造に用いた小麦粉中の水分含量が14.5重量%及び澱粉の水分含量が16重量%であるものとして前記W0 の値を求めた。〕
【0027】
実施例1
(1)ミキサー中に、中力小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」;粗蛋白質含量9.2重量%)9kg及びタピオカ澱粉(ホウネン社製「A−700」)1kgを投入して予め混合しておき、これに食塩50gを水3.7kgに溶解した食塩水3.75kgを投入して2分間混合した(250回転/分)。
【0028】
(2)上記(1)で得られた混合物(生地)を真空押出機(株式会社貴信製「TM12型」に供給して、圧力60Torr(真空度−700mmHg)、スクリュー回転数15回転/分の条件下に混練し、厚さ25mmの麺帯に押し出した。
【0029】
(3)上記(2)の押し出し工程に続いて、押し出した麺帯を1対の圧延ロール間を通して厚さ7mmの麺帯に強圧延した後、第2の圧延ロールを通して厚さ2.5mmに圧延し、次いで切刃♯10角を用いて、厚さ2.5mm及び幅3mmの断面方形の麺線に切り出して生うどんを製造した。
【0030】
(4)上記(3)で得られた生うどんの半量を、充分量の沸騰水中で、茹で歩留り310%に茹であげた後、速やかに水洗した。水洗後の茹でうどんを沸騰水中で、1分間加熱して、予め用意しておいて温かいつゆに入れて、下記の比較例1(従来法)の(3)で得られた茹であげ直後のうどん(冷蔵保存をしていない茹でうどん)の食感を、“標準(普通)”として、下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0031】
(5)また、上記(3)で得られた生うどんの残りの半量を、充分量の沸騰水中で茹で歩留り290%に茹であげた後、速やかに水洗し、200gずつに分けて包装し、温度5℃の冷蔵庫で1日保存した。次いで、冷蔵庫より取り出して、沸騰水中で2分間加熱し、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、下記の比較例1(従来法)の(3)で得られた茹であげ直後のうどん(冷蔵保存していない茹でうどん)の食感を“標準(普通)”として、下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0032】
比較例1
(1)横型真空ミキサー(東京麺機社製)中に、実施例1で使用したのと同じ中力小麦粉9kg及びタピオカ澱粉1kgを投入して予め混合しておき、これに食塩300gを水3.7kgに溶解した食塩水4kgを投入して、圧力360Torr(真空度−400mmHg)の減圧下に10分間混合した(100回転/分)。
【0033】
(2)上記(1)で得られた混合物(生地)を、上記した従来の製麺工程に従って、麺帯の厚さが順次15mm→10mm→6.5mm→4mm→2.5mmとなるように多段処理により複合・圧延して、厚さ2.5mmの麺帯にした後、切刃♯10角を用いて、厚さ2.5mm及び幅3mmの麺線に切り出して生うどんを製造した。
【0034】
(3)上記(2)で得られた生うどんの半量を、充分量の沸騰水中で、茹で歩留り310%に茹であげた後、速やかに水洗した。水洗後の茹でうどんを沸騰水中で1分間加熱して、予め用意しておいた温かいつゆにいれて、下記の表1に示す評価基準にしたがって食感の評価を行って、ここで得られた茹であげ直後のうどんの食感を普通(標準)とした。
【0035】
(4)また、上記(2)で得られた生うどんの残りの半量を、充分量の沸騰水中で茹で歩留り290%に茹であげた後、速やかに水洗し、200gずつに分けて包装し、温度5℃の冷蔵庫で1日保存した。次いで、冷蔵庫より取り出して、沸騰水中で2分間加熱し、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、上記(3)で得られた茹であげ直後のうどんの食感を標準(普通)として、下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0036】
【表1】
Figure 0003881121
【0037】
【表2】
Figure 0003881121
【0038】
上記の表2の結果から、中力小麦粉(粗蛋白質含量が8〜10重量%である小麦粉)から主としてなる穀粉に対して食塩を1重量%以下の割合で添加して製麺原料を調製し、前記製麺原料を用いて減圧下に混練して、麺帯に押し出し、押し出した麺帯を圧延した後、麺線に切り出してうどんを製造している実施例1の場合は、中力小麦粉から主としてなる穀粉に対して食塩を3重量%の割合で添加してミキサーを用いて混練して生地を調製した後、複合・圧延してから麺線に切り出している比較例1(従来法)により得られたうどんに比べて、滑らかさ及び粘弾性の点で優れていることがわかる。
【0039】
さらに、上記の表2の結果から、実施例1のうどんは茹でのび耐性に優れていて、茹であげてから1日経っても、滑らかさ及び粘弾性が良好に保たれているのに対して、比較例1のうどんは茹であげてから1日経った後では、滑らかさ及び粘弾性が大幅に低下していて、茹でのび耐性が劣っていることがわかる。
【0040】
実施例2
(1)食塩を下記の表3に示す量で穀粉に添加した以外は、実施例1の(1)〜(3)と同様にして生うどんを製造した。
【0041】
(2)上記(1)で得られた生うどんの半量を、充分量の沸騰水中で、茹で歩留りが310%に茹であげた後、速やかに水洗した。これにより得られた茹でうどんの外観を目視により観察したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0042】
(3)また、前記水洗後の茹でうどんを沸騰水中で1分間加熱して、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、上記の比較例1(従来法)の(3)で得られた茹であげ直後のうどん(冷蔵保存をしていない茹でうどん)の食感を、“標準(普通)”として、上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0043】
(4)また、上記(1)で得られた生うどんの残りの半量を、充分量の沸騰水中で茹で歩留り290%に茹であげた後、速やかに水洗し、200gずつに分けて包装し、温度5℃の冷蔵庫で1日保存した。冷蔵保存しておいた茹でうどんを1日後に冷蔵庫より取り出して、沸騰水中で2分間加熱して、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、上記の比較例1(従来法)の(3)で得られた茹であげ直後のうどん(冷蔵保存をしていない茹でうどん)の食感を“標準(普通)”として、上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0044】
【表3】
Figure 0003881121
【0045】
上記の表3の結果から、粗蛋白質含量が8〜10重量%である小麦粉から主としてなる穀粉に対して食塩を添加しないかまたは1重量%以下の割合で添加して製麺原料を調製し、前記製麺原料を減圧下に混練して、麺帯に押し出し、押し出した麺帯を圧延後に麺線に切り出してうどんを製造している実験番号▲1▼〜▲3▼による場合は、得られるうどんは、肌荒れがなくて外観に優れていること、そして茹であげ直後は勿論のこと、茹であげて時間が経過しても茹でのびがなく、滑らかさ及び粘弾性に優れていて、良好な食感を有することがわかる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の方法による場合は、滑らかさ及び弾力性に優れていて、良好な食感を有し、茹であげ後に時間が経ってものびがなく良好な食感を保っていて、茹でのび耐性に優れる、高品質のうどんを、従来よりも簡単な工程及び装置で、生産性良く且つ経済的に製造することができる。
【0047】
そして、本発明による場合は、押し出した麺帯が圧延耐性に優れており、押し出した麺帯を最初の圧延処理で急激に強く圧延しても、肌荒れが生じず、強圧延によってむしろうどんの腰が一層強くなって弾力性に一層優れるうどんを得ることができる。
【0048】
さらに、本発明の方法において、押し出した麺帯の圧延を強圧延により行う場合は、最初の強圧延処理及び次の圧延処理の2段の工程で所定の厚さの麺帯を調製することができ、多段の複合及び圧延処理を行う必要がないので、多段の複合、圧延処理が必要な従来の製麺法に比べて、工程及び装置が簡略化されて、生産性の向上及びコストの低下をはかることができる。

Claims (3)

  1. 粗蛋白質含量が8〜10重量%の小麦粉から主としてなる穀粉に対して食塩を添加しないかまたは1重量%以下の割合で添加して調製した製麺原料を、混練して減圧下にて麺帯に押し出し、押し出した麺帯を2段で強圧延処理するにあたり、最初の圧延処理で、押し出した麺帯の厚さの10〜35%になるように強圧延し、次いで後段の圧延処理を行った後、麺線への切り出しまたはその他の切断を行うことを特徴とするうどんの製造方法。
  2. 製麺原料の押し出しを650Torr以下の減圧下に行う請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法により製造されたうどん。
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