JP3881122B2 - 日本そばの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は日本そばの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、肌荒れがなくて良好な外観を有し、滑らかさ及び粘弾性に優れていて良好な食感を有し、しかも茹でのび耐性に優れる、高品質の日本そばを、従来よりも生産性が良く、経済的に製造する方法、及び該方法により得られる日本そばに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械製麺による日本そばの製法としては、そば粉につなぎ粉として強力小麦粉を配合し、必要に応じてさらに澱粉やその他の添加剤を加えた原料を用い、横型ミキサーまたは縦型ミキサーを用いて混練して生地を調製し、その生地を複合、圧延して所定の厚さの麺帯にし、それを麺線に切り出す方法が一般に汎用されている。しかしながら、前記した従来の機械製麺法により得られる日本そばは、滑らかさ、弾力性、茹でのび耐性などの点で充分に良好であるとは言えず、高品質の日本そばに対する消費者の強い要望を充分に満たすことができなくなっている。しかも、前記した従来の機械製麺法では、肌荒れなどのない麺帯及び日本そばを得るために、ミキサーで混練して得た生地を、多段の複合ロール(通常3対以上の複合ロール)の間を通して複合した後、多段の圧延ロール(通常3対以上の圧延ロール)の間を順次通して圧延して最終的な厚さにしてから麺線への切り出しを行う必要があり、そのために、複合、圧延の工程及び装置が繁雑で大規模になり、生産性が低く、コストの高いものとなっている。
【0003】
そこで、滑らかさ、粘弾性に優れ、良好な食感を有する日本そばを得ることを目的として、前記した従来の機械製麺法において、その横型ミキサーまたは縦型ミキサーによる混練操作を減圧下に行うことが提案されている。その場合には、常圧下で混練を行う場合に比べて、滑らかさや粘弾性の点で改良がみられるものの、未だ充分ではなく、消費者の要求を未だ充分に満足することができない場合が多い。しかも、ミキサーで混練して得た生地の複合、圧延に際しては、従来と同様に多段での複合及び圧延を行う必要があるため、複合・圧延の工程及び装置が繁雑で大規模になり、生産性が低い。
【0004】
また、上記した従来の機械製麺法とは別に、粉体に50%前後の水を混入した製麺原料を押出機に供給して混練し麺帯に押し出した後に麺線に切り出して多加水麺を製造する方法が提案されており(特開昭54−122749号公報)、この方法では、押し出した麺帯を案内ローラーを経た後にそのまま直接麺線に切り出すとしている。しかしながら、この方法では、加水率の点のみが考慮されているだけであり、添加成分などの配合面には何ら注意が払われておらず、この方法を用いて日本そばを製造しても、滑らかさ、粘弾性、茹でのび耐性などの点で優れる日本そばを得ることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来の製麺法により得られる日本そばに比べて、滑らかさ、粘弾性に優れていて、良好な食感を有し、しかも茹であげ後に時間が経っても前記した良好な食感が保たれていて、茹でのび耐性に優れ、さらに肌荒れがなく外観にも優れる高品質の日本そばを、従来よりも簡単な工程及び装置を用いて、生産性良く且つ経済的に製造し得る方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者は、原料の配合組成と、製麺原料調整後の製造工程との関係について検討を重ねてきた。その結果、そば粉に配合するつなぎ粉として、従来汎用されてきた強力小麦粉(粗蛋白質含量が通常約12重量%以上)の代わりに、粗蛋白質含量が8〜10重量%である小麦粉を用いて調製した製麺原料を用い、この製麺原料を混練して、減圧下にて麺帯に押し出した後、圧延し、麺線への切り出しや方形シートなどへの切断を行うと、滑らさ、弾力性に優れており、しかも前記した品質が茹であげ後に時間が経っても良好に保たれていて、茹でのび耐性に優れる高品質の日本そばが得られることを見出した。
【0007】
さらに、本発明者は、前記した方法による場合は、押し出した麺帯が圧延耐性に優れていて、押し出した麺帯を最初の圧延工程で強く圧延しても肌荒れが生じず、むしろ強圧延によって日本そばの腰が一層強くなって粘弾性に一層優れる日本そばが得られることを見出した。
【0008】
また、本発明者は、前記強圧延による場合は2段程度の少い圧延処理で最終的な厚さにまで圧延することができ、多段の複合及び圧延処理を行う上記した従来の機械製麺法よりも工程及び装置面での簡略化が可能であることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、そば粉及び粗蛋白質含量が8〜10重量%の小麦粉から主としてなる穀粉類を用いて調製した製麺原料を、混練して減圧下にて麺帯に押し出し、押し出した麺帯を2段で強圧延処理するにあたり、最初の圧延処理で、押し出した麺帯の厚さの10〜35%になるように強圧延し、次いで後段の圧延処理を行った後、麺線への切り出しまたはその他の切断を行うことを特徴とする日本そばの製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明は上記方法により製造された日本そばを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における日本そば用の製麺原料は、そば粉及び粗蛋白質含量が8〜10重量%の小麦粉から主としてなる穀粉類を用いて調製される。
そば粉としては、従来から日本そばの製造に用いられてきたそば粉であればいずれもが使用でき、特に制限されず、例えば御前粉、更級粉、上物粉、中物粉、下物粉、それらの2種以上のブレンド粉などを用いることができる。
そして、粗蛋白質含量8〜10重量%の小麦粉としては、前記の如くブレンドにより蛋白質含量を調整したものでもよいが、中力小麦粉が好ましく用いられる。
【0012】
滑らかさ、粘弾性に優れていて良好な食感を有し、しかも茹でのび耐性に優れる日本そばを得るために、そば粉及び粗蛋白質含量8〜10重量%の小麦粉を、そば粉:前記小麦粉の重量比で、30:70〜70:30の割合で用いることが好ましく、30:70〜50:50の割合で用いることがより好ましい。
そして、本発明では、風味及び食味に優れ、且つ茹でのび耐性に優れる日本そばが得られる点から、日本そばの製造に用いる穀粉類の全重量に基づいて、そば粉と粗蛋白質含量8〜10重量%の小麦粉の合計量が、80重量%以上であることが好ましく、85重量%以上であることがより好ましい。
【0013】
そば粉及び粗蛋白質含量8〜10重量%の小麦粉と共に他の穀粉を併用する場合は、強力小麦粉、準強力小麦粉、薄力小麦粉、小麦麩、澱粉類(タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、コーン澱粉など)、米粉、豆粉、大麦粉などの他の穀粉の1種または2種以上を用いてもよい。特に、そば粉及び粗蛋白質含量8〜10重量%の小麦粉と共に、澱粉を20重量%以下、より好ましくは15重量%以下の割合で用いると、滑らかさに優れる日本そばを得ることができる。
【0014】
上記した穀粉類と共に、必要に応じて、日本そばの製造に際して従来から用いられている添加物の1種または2種以上を使用することができ、かかる添加物の例としては、植物蛋白質、アミノ酸、山芋粉、卵白、海苔粉末、抹茶粉、野菜粉末などを挙げることができる。
穀粉類に加える水の量は特に制限されず、日本そばの製造において従来から用いられている加水量であればよく、一般に、穀粉類の重量に対して水を27〜35重量%の割合で添加して生地を製造することが好ましい。
【0015】
次に、上記製麺原料を用いる日本そばの製造工程について説明する。
本発明では、穀粉、水及び添加剤をミキサーなどを用いて予め短時間混合して生地を調製しておき、その生地を混練して、減圧下にて麺帯に押し出すことが好ましい。
その場合の混練、減圧下での麺帯への押し出しは、例えば真空押出機などを用いて行うことができ、真空押出機としては麺生地を均一に混練した後に、減圧下にて麺帯に押し出しできるものであればいずれでもよく特に制限されず、例えば、真空吸引装置を備える単軸押出機、二軸押出機などを用いることができる。何ら限定されるものではないが、真空押出機の具体例としては、株式会社貴信製の真空押出機「TM12型」、ジャホマ社製の真空押出機「JM15」などを挙げることができる。
【0016】
減圧下での押し出しは、通常、650Torr以下の減圧下(真空下)に行うことが、滑らかさ、粘弾性及び茹でのび耐性に優れる日本そばを簡単な工程で生産性良く製造し得る点から好ましく、600Torr以下の減圧下(真空下)に行うことがより好ましい。
また、混練は、生地の変性や劣化の防止などの点から、混練時の生地の品温が60℃以下であるようにして行うことが好ましく、20〜55℃であるようにして行うことがより好ましい。
【0017】
真空押出機を用いて混練、押し出しを行う場合は、スクリューの回転速度、真空押出機に製麺原料を供給してから麺帯に押し出すまでの時間などは、真空押出機の規模や混練能力、真空押出機に供給する製麺原料の量、真空度などに応じて調節することができる。何ら限定されないが、例えば、株式会社貴信製の真空押出機「TM12型」を用いる場合、スクリューの回転速度を15〜42回/分、真空押出機出口での生地の品温20〜55℃、押出速度100〜300kg/時の条件下に行うことができる。
【0018】
押し出す麺帯の厚さは、日本そば製品の種類、厚さなどに応じて調整できるが、一般に、麺線に切り出す直前の最終的な麺帯厚さの5〜20倍の厚さになるようにして押し出すことが、次に圧延工程で麺帯を円滑に強圧延することができ、それによって粘弾性及び茹でのび耐性に優れる日本そばが得られる点から好ましく、8〜12倍の厚さのものを押し出すことがより好ましい。
【0019】
押し出した麺帯を次に圧延する。圧延は、押し出した麺帯を最初の圧延処理で急激に薄くする強圧延によって行うことが、粘弾性及び茹でのび耐性に一層優れる日本そばが得られる点から好ましい。強圧延による場合は、最初の圧延処理において、最初の圧延処理後の麺帯の厚さが、押し出した麺帯の厚さの45%以下になるようにして強圧延することが好ましく、10〜35%になるように強圧延することがより好ましい。前記した強圧延を行う場合に、圧延処理を2段で行って、最初の圧延処理で強圧延した麺帯を第2の圧延処理で最終的な麺帯厚さ(麺線に切り出す直前の厚さ)にすると、圧延工程及び圧延装置が簡略化されて、生産性の向上及びコストの低減をはかることができる。そして、それにより得られる日本そばは、肌荒れがなくて、外観に優れ、しかもミキサー混練−複合−圧延−麺線への切り出しを経る上記した従来の機械製麺法で得られる日本そばに比べて、粘弾性、食感及び茹でのび耐性の点でも優れている。
【0020】
押し出した麺帯を圧延する圧延装置の種類や構造などは特に制限されず、日本そばの製造に従来から用いられている圧延装置のいずれもが使用でき、一般には圧延ローラーが好ましく用いられる。
圧延した麺帯を麺線に切り出すことによって、日本そばが得られる。
【0021】
麺線への切り出し方法及び切り出し装置の種類、構造や形状などは何ら制限されず、日本そばの製造に従来から用いられている麺線切り出し装置のいずれを使用してもよい。また、麺線への切り出しによる日本そばの断面形状は特に制限されず、例えば、方形、円形、楕円形、偏平形、三角形、多角形などのいずれの形状であってもよい。また、切り出された麺線のサイズ(厚さや幅、直径など)も特に制限されず、従来の日本そばに準じて決めることができる。
【0022】
上記により得られる日本そばは、そのまま生に日本そばの状態で、或いは乾燥日本そば、半乾燥日本そば、即席ノンフライ日本そば、茹で日本そば、冷凍日本そばなどの形態にして流通、販売することができる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例等により本発明について具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。
以下の例において、日本そばの茹で歩留りは、下記の数式により求めた。
【0024】
【数1】
日本そばの茹で歩留り(%)=(W1/W0)×100
【0025】
〔式中、W1 =茹であげて水切りした後の茹で日本そばの重量(g)、W0 =茹でる前の生日本そば中の穀粉の重量(g)を表す。但し、生日本そばの製造に用いた小麦粉中の水分含量が14.5重量%及び澱粉の水分含量が16重量%であるものとして前記W0 の値を求めた。〕
【0026】
実施例1
(1)そば粉(宮本製粉社製「青玉印」)6kg、中力小麦粉(日清製粉株式会社製「鶴」;粗蛋白質含量9.5重量%)12kg、馬鈴薯澱粉(斜里町農業共同組合中斜里澱粉工場社製「あかしゃり」)2kg、植物蛋白質400g及びアルギン酸80gを予め混合した後、それにより得られる混合物及び水6.2kgをミキサーに投入して2分間混合した(200回転/分)。
【0027】
(2)上記(1)で得られた混合物(生地)を真空押出機(株式会社貴信製「TM12型」)に供給して、圧力10Torr(真空度−750mmHg)、スクリュー回転数25回転/分の条件下に混練し、厚さ25mmの麺帯に押し出した。
【0028】
(3)上記(2)の押し出し工程に続いて、押し出した麺帯を1対の圧延ロール間を通して厚さ5mmの麺帯に強圧延した後、第2の圧延ロールを通して厚さ1.3mmに圧延し、次いで切刃♯18角を用いて、厚さ1.3mm及び幅1.66mmの断面方形の麺線に切り出して生日本そばを製造した。
【0029】
(4)上記(3)で得られた生日本そばを、充分量の沸騰水中で、茹で歩留り260%に茹であげた後、速やかに水洗し、次いで1.5重量%乳酸水溶液中に50秒間浸漬した。
【0030】
(5)上記(4)の浸漬処理後に日本そばを取り出して、160gずつレトルト用袋に充填して密封し、90〜93℃で30分間加熱蒸気により殺菌処理して、ロングライフの日本そばを製造した。
【0031】
(6)上記(5)で得られたロングライフの日本そばを直ぐに、またこれとは別に常温で3週間放置した後、袋から取り出して、沸騰水中に入れて1分30秒間加熱し、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、下記の比較例1(従来法)の(3)で得られたロングライフ日本そばの食感を標準(普通)として、下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感(滑らかさおよび粘弾性)と茹でのび耐性を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0032】
比較例1
(1)そば粉(宮本製粉社製「青玉印」)3kg、強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーション」;粗蛋白質含量13.0重量%)6.5kg、馬鈴薯澱粉(斜里町農業共同組合中斜里澱粉工場社製「あかしゃり」)500g及び植物蛋白質200gを予め混合した後、それにより得られる混合物及び水3kgを横型真空ミキサー(東京麺機社製)に投入し、圧力100Torr(真空度−650mmHg)の減圧下に10分間混合した(100回転/分)。
【0033】
(2)上記(1)で得られた混合物(生地)を、上記した従来の製麺工程に従って、麺帯の厚さが順次13mm→7mm→4mm→2mm→1.3mmとなるように多段処理により複合・圧延して、厚さ1.3mmの麺帯にした後、切刃♯18角を用いて、厚さ1.3mm及び幅1.66mmの麺線に切り出して生日本そばを製造した。
【0034】
(3)上記(2)で得られた生日本そばを、実施例1の(3)及び(4)と同様にして、茹で処理、乳酸水溶液中への浸漬処理、包装及び加熱殺菌処理して、ロングライフの日本そばを製造した。
【0035】
(4)上記(3)で得られたロングライフの日本そばを常温で3週間放置した後、袋から取り出して、沸騰水中に入れて1分30秒間加熱し、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、この比較例1のロングライフの日本そばを標準として食感の評価を行った。
【0036】
【表1】
Figure 0003881122
【0037】
【表2】
Figure 0003881122
【0038】
上記の表2の結果から、そば粉及び粗蛋白質含量8〜10重量%の小麦粉から主としてなる穀粉類を用いて製麺原料を調製し、前記製麺原料を用いて減圧下に混練して、麺帯に押し出し、押し出した麺帯を圧延した後、麺線に切り出して得られた実施例1の日本そばは、そば粉に強力小麦粉を配合してミキサーを用いて混練して生地を調製した後、複合・圧延してから麺線に切り出している比較例1(従来法)により得られた日本そばに比べて、滑らかさ、粘弾性の点及び茹でのび耐性で優れていることがわかる。
【0039】
実施例2
(1)そば粉(宮本製粉社製「青玉印」)6kg及び中力小麦粉(日清製粉株式会社製「金すずらん」;粗蛋白質含量8.8重量%)14kgを予め混合した後、それにより得られる穀粉混合物及び水6kgをミキサーに投入して2分間混合した(200回転/分)。
【0040】
(2)上記(1)で得られた混合物(生地)を真空押出機(株式会社貴信製「TM12型」)に供給して、圧力10Torr(真空度−750mmHg)、スクリュー回転数28回転/分の条件下に混練し、厚さ25mmの麺帯に押し出した。
【0041】
(3)上記(2)の押し出し工程に続いて、押し出した麺帯を1対の圧延ロール間を通して厚さ5mmの麺帯に強圧延した後、第2の圧延ロールを通して厚さ1.3mmに圧延し、次いで切刃♯18角を用いて、厚さ1.3mm及び幅1.66mmの断面方形の麺線に切り出して生日本そばを製造した。
【0042】
(4)上記(3)で得られた生日本そばの半量を、充分量の沸騰水中で、茹で歩留り250%に茹であげた後、速やかに水洗した。この際に、生日本そばの茹であげ時の茹で溶け状態を、下記の比較例2(従来法)の(3)で得られた冷蔵保存していない日本そばの茹で溶け状態を標準(普通)として表3に示す評価基準に従って評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0043】
(5)さらに、上記(4)で得られた茹であげて水洗した直後の日本そばの外観を目視により観察したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0044】
(6)上記(4)で得られた、茹であげて水洗した直後の日本そばを沸騰水中で1分間加熱して、予め用意しておいて温かいつゆに入れて、下記の比較例2(従来法)の(3)で得られた茹であげ直後の日本そば(冷蔵保存をしていない茹で日本そば)の食感(滑らかさおよび粘弾性)を“標準(普通)”として、上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0045】
(7)また、上記(3)で得られた生日本そばの残りの半量を、充分量の沸騰水中で茹で歩留り230%に茹であげた後、速やかに水洗し、160gずつに分けて包装し、温度5℃の冷蔵庫で1日保存した。次いで、冷蔵保存しておいた茹で日本そばを1日後に冷蔵庫より取り出して、沸騰水中で2分間加熱し、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、下記の比較例2(従来法)の(3)で得られた茹であげ直後の日本そば(冷蔵保存をしていない茹で日本そば)の食感を“標準(普通)”として、上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0046】
比較例2
(1)そば粉(宮本製粉社製「青玉印」)3kg及び強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーション」;粗蛋白質含量13.0重量%)7kgを予め混合した後、それにより得られた穀粉混合物及び水3kgを横型真空ミキサー(東京麺機社製)に投入し、圧力100Torr(真空度−650mmHg)の減圧下に10分間混合した(100回転/分)。
【0047】
(2)上記(1)で得られた混合物(生地)を、上記した従来の製麺工程に従って、麺帯の厚さが順次13mm→7mm→4mm→2mm→1.3mmとなるように多段処理により複合・圧延して、厚さ1.3mmの麺帯にした後、切刃♯18角を用いて、厚さ1.3mm及び幅1.66mmの麺線に切り出して生日本そばを製造した。
【0048】
(3)上記(2)で得られた生日本そばの半量を、充分量の沸騰水で、茹で歩留り250%に茹であげた後、速やかに水洗した。この際に、生日本そばの茹であげ時の茹で溶け状態を標準(普通)として、表に示す評価基準で評価したところ、表4に示すとおりであった。
【0049】
(4)さらに、上記(3)で得られた茹であげて水洗した直後の日本そばの外観を目視により観察したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0050】
(5)上記(3)で得られた茹であげて水洗した直後の茹で日本そばを沸騰水中で1分間加熱して、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、ここで得られた茹であげ直後の日本そば(冷蔵保存をしていない茹で日本そば)の食感(滑らかさ及び粘弾性)を“標準(普通)”として、食感の評価を行った。
【0051】
(6)また、上記(2)で得られた生日本そばの残りの半量を、充分量の沸騰水中で茹で歩留り230%に茹であげた後、速やかに水洗し、160gずつに分けて包装し、温度5℃の冷蔵庫で1日保存した。次いで、冷蔵保存しておいた茹で日本そばを1日後に冷蔵庫より取り出して、沸騰水中で2分間加熱し、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、上記(3)で得られた茹であげ直後の日本そば(冷蔵保存をしていない茹で日本そば)の食感を“標準(普通)”として、上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0052】
比較例3
(1)小麦粉として、中力小麦粉の代わりに強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーション」;粗蛋白質含量13.0重量%)を用いた以外は、実施例2の(1)〜(3)と同様にして生日本そばを製造した。
【0053】
(2)上記(1)で得られた生日本そばの半量を、充分量の沸騰水中で、茹で歩留り250%に茹であげた後、速やかに水洗した。この際に、生日本そばの茹であげ時の茹で溶け状態を、上記の比較例2(従来法)の(3)で得られた冷蔵保存していない日本そばの茹で溶け状態を標準(普通)として表3に示す評価基準に従って評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0054】
(3)さらに、上記(2)で得られた茹であげて水洗した直後の日本そばの外観を目視により観察したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0055】
(4)また、上記(2)で得られた茹であげて水洗した直後の水洗後の茹で日本そばを沸騰水中で1分間加熱して、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、上記の比較例2(従来法)の(3)で得られた茹であげ直後の日本そば(冷蔵保存していない茹で日本そば)の食感(滑らかさ及び粘弾性)を“標準(普通)”として、上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0056】
(5)また、上記(1)で得られた生日本そばの残りの半量を、充分量の沸騰水中で茹で歩留り230%に茹であげた後、速やかに水洗し、160gずつに分けて包装し、温度5℃の冷蔵庫で1日保存した。次いで、冷蔵保存しておいた茹で日本そばを1日後に冷蔵庫より取り出して、沸騰水中で2分間加熱し、予め用意しておいた温かいつゆに入れて、上記の比較例2(従来法)の(3)で得られた茹であげ直後の日本そば(冷蔵保存していない茹で日本そば)の食感を“標準(普通)”として、上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0057】
【表3】
Figure 0003881122
【0058】
【表4】
Figure 0003881122
【0059】
上記の表4の結果から、そば粉及び粗蛋白質含量が8〜10重量%である小麦粉から主としてなる穀粉類を用いて製麺原料を調製し、前記製麺原料を用いて混練して、減圧下にて麺帯に押し出し、押し出した麺帯を圧延後に麺線に切り出して得られた実施例2の日本そばは、茹であげた時に茹で溶けがなく、しかも肌荒れが生じず良好な外観を有すること、さらに実施例2で得られた日本そばは、茹であげ直後は勿論のこと、茹であげて時間が経過しても茹でのびがなく、滑らかさ及び粘弾性に優れていて、良好な食感を有することがわかる。
【0060】
これに対して、そば粉に強力小麦粉を配合してミキサーを用いて混練して生地を調製した後、複合・圧延してから麺線に切り出して得られた比較例2(従来法)の日本そば、及び混練、麺帯への押し出しを行っているが小麦粉として強力小麦粉を用いて得られた比較例3の日本そばは、いずれも、実施例2の日本そばに比べて、茹であげた時に茹で溶けが多く、しかも肌荒れがあり外観が不良であること、さらに茹であげた麺は滑らかさ及び粘弾性に劣っており、茹であげ後に時間が経過するとそばの食感が低下し、茹でのび耐性が充分ではないことがわかる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の方法による場合は、滑らかさ及び弾力性に優れていて、良好な食感を有し、茹であげ後に時間が経ってものびがなく良好な食感を保っていて、茹でのび耐性に優れる、高品質の日本そばを、従来よりも簡単な工程及び装置で、生産性良く且つ経済的に製造することができる。
【0062】
そして、本発明による場合は、押し出した麺帯が圧延耐性に優れており、押し出した麺帯を最初の圧延処理で急激に強く圧延しても、肌荒れが生じず、強圧延によってむしろ日本そばの腰が一層強くなって弾力性に一層優れる日本そばを得ることができる。
【0063】
さらに、本発明の方法において、押し出した麺帯の圧延を強圧延により行う場合は、最初の強圧延処理及び次の圧延処理の2段の工程で所定の厚さの麺帯を調製することができ、多段の複合及び圧延処理を行う必要がないので、多段の複合、圧延処理が必要な従来の製麺法に比べて、工程及び装置が簡略化されて、生産性の向上及びコストの低下をはかることができる。

Claims (4)

  1. そば粉及び粗蛋白質含量が8〜10重量%の小麦粉から主としてなる穀粉類を用いて調製した製麺原料を、混練して減圧下にて麺帯に押し出し、押し出した麺帯を2段で強圧延処理するにあたり、最初の圧延処理で、押し出した麺帯の厚さの10〜35%になるように強圧延し、次いで後段の圧延処理を行った後、麺線への切り出しまたはその他の切断を行うことを特徴とする日本そばの製造方法。
  2. 製麺原料が、そば粉と粗蛋白質含量が8〜10重量%の小麦粉とを合計で80重量%含む穀粉類を用いて調製したものである請求項1記載の製造方法。
  3. 製麺原料の押し出しを650Torr以下の減圧下に行う請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法により製造された日本そば。
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