JP3029088B2 - 麺類の製造方法 - Google Patents

麺類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は麺類の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】小麦粉中に含まれているグルテンは製麺
性や麺質に密接に関与していることが知られており、従
来より、製麺時の麺帯の切れを防止する製麺改良剤や、
喫食時の麺の腰を向上させたり、茹で伸びを抑制する等
を目的とする麺質改良剤として小麦グルテン粉末が使用
されている。
【0003】しかし、これらの使用される小麦グルテン
粉末は、小麦粉に水を加え、グルテンドウを形成させた
後、澱粉及び水溶性蛋白質を分離したグルテンドウをア
ンモニアや酢酸などの溶液中で剪断力の強い攪拌機(例
えばホモミキサー等の装置)で分散液とした後、気流乾
燥や噴霧乾燥等の方法で粉体としたものであるため、小
麦粉に本来含まれている状態とは異なったものとなって
いる。そのため、これらグルテン粉末を小麦粉に添加し
ても、小麦粉に含まれているグルテンと同じ特質を発揮
することはできない。即ち、小麦粉のみで製造された麺
は、茹で直後は麺の腰の要因である硬さ、粘弾性、滑ら
かさ等のバランスがとれたものであり、茹で伸びは早い
がそれらのバランスを保ちながら伸びていくのに対し、
前記グルテンを添加した麺は茹で直後の麺質はただ硬
く、粘弾性に劣るものであり、茹で伸びは抑制される
が、伸びてゆく過程では硬さだけが残るため、違和感を
生じさせる。かといって、小麦粉のみで生産性の高く、
バランスの優れた麺質のものを製造することは困難であ
る。
【0004】かかる状況において、麺質の改良のため、
本発明者等は、先に、小麦グルテンより分画されたグリ
アジンを主成分とする分画物を麺類製造に利用すること
を提案した(特開平6−105662号公報参照)。こ
の製造法によると従来出せなかった麺類の粘弾性を増強
することができるが、まだ十分なバランスのとれた麺質
改良は困難である。
【0005】従来早茹で麺と称するものや汁乗りのよい
多層麺の製造方法が知られており、特開昭60−217
868号公報には、膨潤係数が小さいか又は収縮係数が
大きい麺帯を麺帯の中に多層設けることにより、麺を茹
でた時にできる溝に汁がつきやすく、麺線とスープが一
体化された味となるという理由で、麺帯を3層構造又は
それ以上の多層構造にする発明が開示されている。又、
特開平4−252149号公報には、麺線の水分が均一
化された場合の麺質改良方法として質の異なる麺帯を内
層とする3層構造麺が開示されている。これらの発明に
おいては、内層に加熱凝固性の蛋白質である大豆蛋白、
全卵、ラクトアルブミン等を含有させており、3層構造
麺において、グルテンを分画した成分を使用する例は知
られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法で
は、まだ麺質の改良は不十分であり、麺質の腰の要因で
ある粘弾性、硬さ、滑らかさのバランスのとれた麺質に
改良する方法は知られていない。本発明は、小麦粉のみ
で最良の条件で製造された麺質のように、粘弾性、硬
さ、滑らかさのバランスのとれた食感に麺質を向上させ
ることのできる麺類の製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、小麦グルテンか
ら酸性エタノール水溶液で抽出される分画物である、グ
リアジンを主成分とする分画物と抽出されない方の分画
物であるグルテニンを主成分とする分画物を特定の割合
で生地中に含有させて麺類を製造することにより、麺の
腰の要因である硬さ、粘弾性、滑らかさのバランスのと
れた麺質に向上させることができることを見いだし、本
発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、小麦グルテンから酸性エ
タノール水溶液で抽出される、グリアジンを主成分とす
る分画物と抽出されない、グルテニンを主成分とする分
画物を乾燥重量基準で1:9〜9:1の割合で生地に含
有させることを特徴とする麺類の製造方法である。
【0009】本発明において、小麦グルテンの分画に用
いる酸性エタノール水溶液は、1〜20容量%のエタノ
ール水溶液に、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ア
ジピン酸及び酢酸よりなる有機酸又はその塩類の一種ま
たは二種以上を0.01〜5.0重量/容量%溶解し、
小麦グルテンの入った抽出液のpHを3〜5に調整して
調製することができる。小麦グルテンの分画は、この酸
性エタノール水溶液に小麦グルテンを添加分散させて、
10〜50℃で0.5〜5時間程度攪拌した後、遠心分
離等の方法で、抽出分画物である上澄と非抽出分画物で
ある沈殿物を分取して行うことができる。両分画物は必
要により濃縮又は希釈し、それぞれ噴霧乾燥、気流乾
燥、凍結乾燥等の方法で乾燥させて粉末とする。上澄の
乾燥粉末はグリアジンを主成分とし、沈殿物の粉末は蛋
白質中グルテニンを第一成分とする分画物であり(特開
平5−309261号公報参照)、抽出される分画物と
非抽出分画物との割合は、一般に、乾燥粉末の重量比で
3:7〜5:5程度である。
【0010】酸性エタノール水溶液により抽出される、
グリアジンを主成分とする分画物は、ゲル濾過分析法に
よる各サブユニットの分子量が20,000〜35,0
00のものから主としてなっており、70容量%エタノ
ール可溶分が60〜95重量%のものである。一方、非
抽出分画物である、蛋白質中グルテニンを最多量の成分
(本発明において、「主成分」という)とする分画物
は、同じ分析法によるとサブユニットの分子量は10,
000〜80,000と幅広く分布しており、通常、7
0容量%エタノール可溶分は40〜5重量%のものであ
る。
【0011】高濃度(50〜70容量%)エタノール水
溶液で抽出分離されたグリアジン、グルテニンは水和速
度が遅いため、本発明においては、上記酸性エタノール
水溶液で抽出分画したものを用いる。即ち、水和性に劣
るグリアジン及びグルテニンはドウ形成が遅く、通常の
ロール製麺法のように短時間でドウ形成が必要とされる
製法では時間内にドウ形成がされず、バランスのとれた
麺質の麺を製造することはできない。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、グリアジンを主
成分とする分画物及び/又はグルテニンを主成分とする
分画物を生地に含有させる方法としては、麺帯の製造時
に、その原料である小麦粉に予め混合する方法、混捏機
に小麦粉を投入した後それらの分画物を添加し混合する
方法などがあるが、その混合添加方法に限定されない。
好ましくは小麦粉に予め混合する方法である。
【0013】また、それらの分画物は同時又は前後して
小麦粉中に混合又は混捏して麺帯を形成することがで
き、また、分画物毎に別々に小麦粉中に混合又は混捏し
て2種の麺帯を形成し、それらの麺帯を麺帯複合工程で
一つの麺帯とすることにより、生地中に含有させること
もできる。
【0014】それら各分画物の添加量は限定しないが、
好ましくは小麦粉、又は穀粉類及び/又は澱粉類を含む
小麦粉に対し、合計量として、0.1〜5重量%であ
る。両分画物の比率は、重量で1:9〜9:1であり、
好ましくは3:7〜7:3である。
【0015】製麺方法は、常法によればよく、混捏、麺
帯成形、麺帯複合、麺帯熟成、麺帯圧延、切断(麺線と
する)の工程で生麺を作ることができる。さらに、その
後、ボイル又は蒸し、乾燥、フライ、加熱殺菌などの工
程を加えることにより、調理麺、即席麺などを作ること
ができる。
【0016】3層構造の麺においては、前記のように、
混捏、麺帯成形までを別々に行い、麺帯複合の工程で3
層構造の一つの麺帯とし、その後は上記と同様の工程で
各種麺類を作ることができる。この場合、グルテニンを
主成分とする分画物を含有する生地を内層とし、グリア
ジンを主成分とする分画物を含有する2層の生地を外層
とする3層構造にすることにより、加工度の高い冷凍麺
や即席麺等においてその食感を生麺に近ずけることがで
きる。
【0017】本発明の製造方法においては、通常、麺類
に混合される原料又は添加物を混合することができる。
これらの例としては、例えば米粉、そば粉、コーン粉等
の穀粉類;卵白、乳蛋白質、大豆蛋白質、グルテン等の
動植物性蛋白質;グアガム、キサンタンガム、ローカス
トビーンガム、寒天、カラギーナン、ペクチン、アルギ
ン酸又はその塩類等のガム類;動植物性油脂;レシチン
又はその酵素処理物、グリセリン脂肪酸エステル、砂糖
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化
剤;乳酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アジピ
ン酸、リン酸等の酸類又はそれらのナトリウム、カリウ
ム、カルシウム等の塩類;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、
コーン澱粉、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉等の澱粉類又
はそれらの有機酸エステル、酸化、エーテル化、リン酸
架橋などを施した化工澱粉類などがある。これらはその
一種又は二種以上を併用してもよい。
【0018】本発明においては、これらの小麦粉以外の
混合物の添加方法及び添加量には限定されないが、添加
方法としては、小麦粉に混合する方法と水に溶解させる
方法があるが、好ましくは、酸類又はその塩類を添加す
る場合には捏ね水に溶解添加する方法であり、その他の
ものは小麦粉に混合する方法である。
【0019】また、これらの混合物の添加量は、穀粉
類、澱粉類又は化工澱粉類においては小麦粉との置換量
が5〜50重量%であり、それ以外のものにあっては小
麦粉に対し0.01〜5重量%である。
【0020】本発明に用いるグリアジンを主成分とする
分画物及びグルテニンを主成分とする分画物は、そのp
Hにより、ドウ又はそのドウの加熱ゲルの硬さや粘性が
変化するので、これらの分画物に上記の酸類又はその塩
類を添加し、pH調整を行うことにより、それら性質の
異なるドウを得ることができる。そのpH調整域には特
に限定されないが、好ましくはpH5〜8であり、特に
好ましくはその影響が顕著に麺質に現れるグリアジンを
主成分とする分画物ではpH6〜7である。
【0021】pH調整方法は、抽出に用いたエタノール
水溶液で行ってもよく、乾燥した各分画物に酸類又はそ
の塩類の粉を混合してもよく、そのpH調整方法には限
定されない。好ましくは、エタノール水溶液でpH調整
を行う方法である。
【0022】本発明における麺類としては、中華麺、う
どん、日本そば、焼きそば、パスタ類、およびこれらの
麺類の乾燥品、油揚げ即席麺類、α化後乾燥即席麺類、
α化後包装殺菌処理を行った長期間保存の可能な即席麺
類(LL麺類)、ギョウザ、シュウマイ、ワンタンなど
の皮物類などを挙げることができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0024】参考例1(分画物の調製) 活性グルテン粉末にその10倍量(重量)の、5容量%
エタノールにクエン酸0.2重量/容量%を加えたクエ
ン酸酸性エタノール水溶液を加えた後、2時間攪拌抽出
を行い、遠心分離(4,000rpm、30分)して得
られた抽出液を噴霧乾燥機で乾燥させて、グリアジンを
主成分とする分画物の粉末を得た。抽出液中の固形分濃
度は約8重量%であり、乾燥粉末中のグリアジン量は約
60重量%であった。一方、遠心分離された非抽出分画
物はその固形分濃度は約30重量%であり、噴霧乾燥粉
末のグリアジン含量は25重量%、グルテニン含量は5
0重量%であり、抽出された分画物の粉末と非抽出分画
物の粉末の比は重量比で約4:6であった。下記実施例
において、これらの粉末をグリアジンを主成分とする分
画物、グルテニンを主成分とする分画物として用いた。
【0025】実施例1、比較例1〜4 準強力粉1,000gにグリアジンを主成分とする分画
物5gとグルテニンを主成分とする分画物5gを混合し
たものを加え、混捏機で攪拌混合した後、かん粉12
g、食塩10gを320gの水に溶解させたものを加
え、15分間の混捏を行った後、常法で中華麺を試作し
た。同時に、分画物の混合物の代わりに、グリアジンを
主成分とする分画物10g(比較例1)、グルテニンを
主成分とする分画物10g(比較例2)または参考例1
で用いた活性グルテン粉末10g(比較例3)を加えた
もの、それらのいずれも添加しないもの(比較例4)を
用いて同様にして中華麺を得た。
【0026】得られた各中華麺を5分画された籠の中に
30gずつ入れ、沸騰した湯で3分間茹で、籠を湯から
取り出しよく水切りした後、熱くした中華麺用スープの
中に入れ、官能試験を行った。官能試験の評価は何も添
加していない比較例4を基準とし、中華麺の腰の変化を
茹で直後と茹で6分後に評価した。
【0027】評価は中華麺の腰を粘弾性、硬さ、滑らか
さの3要素に分け、それぞれを粘弾性40点、硬さ35
点、滑らかさ25点と配点し、無添加品(比較例4)の
粘弾性を30点、硬さを25点、滑らかさを20点と
し、無添加品との比較試験により採点を行った。
【0028】その結果を表1に示す。表1からわかるよ
うに、実施例1の中華麺は腰の3要素のバランスを保ち
つつ、腰を向上させるものであった。
【0029】
【表1】 表中、数値は、茹で直後の評価点/茹で6分後の評価点を示す。
【0030】実施例2、比較例4 グリアジンを主成分とする分画物5gに代えて、グリア
ジンを主成分とする分画物にトリポリリン酸ナトリウム
を乾燥重量で4重量%添加し、pH6に調整したもの5
gを用いるほかは実施例1と同様にして中華麺を試作し
た。同時に上記比較例4と同様非添加の中華麺を得、同
様の方法で評価を行った。その結果を表2に示す。表2
からわかるように、実施例2の中華麺は本発明の目的に
合致するものであった。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3、比較例5,6 強力粉300gとそば粉700gを混合した粉に、グリ
アジンを主成分とする分画物8gとグルテニンを主成分
とする分画物12gを混合し、水320gを加え、20
分間の混捏を行った後、常法により、日本そばを試作し
た。同時に、上記分画物のいずれも添加しないもの(比
較例5)と分画物に代えて参考例1で用いた活性グルテ
ン粉末を20g添加した日本そば(比較例6)を試作し
た。
【0033】これらの日本そばを実施例1と同様の方法
で4分間茹でた後、各麺をよく水洗いし、試食評価し
た。評価方法は、腰については実施例1と同様にし、さ
らにそばの場合、重要である風味(特にそばの香り)に
ついても要素として入れた。その配点を粘弾性30、硬
さ20、滑らかさ20、風味30とし、無添加品(比較
例5)を粘弾性20、硬さ15、滑らかさ15、風味2
8とした。その結果を表3に示す。表3からわかるよう
に、実施例3の日本そばは、腰、風味共優れたものであ
った。また、そばの試作工程において、つなぎ効果はグ
ルテンより優れたものであった。
【0034】
【表3】
【0035】実施例4、比較例7〜9 準強力粉1,000gにグリアジンを主成分とする分画
物7gとグルテニンを主成分とする分画物3gを混合し
たものを添加し、エタノール40mlを水280gに溶
解した溶液を加え、15分間の混捏を行った後、常法に
より厚さ0.9mm〜1.0mmのギョウザの皮を試作
した。同様に、両分画物を添加しない皮(比較例7)、
分画物の代わりに参考例1で使用した活性グルテン粉末
10gを添加した皮(比較例8)及び分画物粉末を添加
せず、エタノールの代わりに水を使用した皮(比較例
9)を得た。
【0036】これらの皮を10℃の恒温槽に保管し、経
時的に皮の伸展性と強さをレオメーター(サン科学製)
を用いて下記の条件で測定し、破断荷重を皮の強さ(抗
張力)とし、破断されるまでに皮がのびた長さを伸展性
(伸長力)とした。 皮の保持台:直径2cmの穴の開いているドウナッツ状
の保持台 台の昇降速度:2cm/分 プランジャー:直径5mmの球形プランジャー
【0037】その結果を表4に示す。表4からわかるよ
うに、皮の保存性向上の目的に使用したエタノールは皮
の伸展性と強さを弱くするものであるが、本発明品はそ
の影響を低減するとともに、保存性においても優れたも
のであった。
【0038】
【表4】 表中、数値は、抗張力(g)/伸長力(mm)を示す。
【0039】実施例5、比較例10、11 準強力粉500gと中力粉500gを混合した粉に、グ
リアジンを主成分とする分画物5gとグルテニンを主成
分とする分画物5gを添加混合した後、かん粉3gと食
塩10gを水320gに溶解したものを加え、15分間
の混捏を行い、常法により中華麺を得た。得られた麺線
を2分間蒸した後、麺線が100g入る四角い籠に詰
め、140℃で2分間の油揚げを行い、即席フライ麺を
得た。同様に、両分画物を添加混合しないもの(比較例
10)及び両分画物の代わりに参考例1で使用した活性
グルテン粉末10gを添加混合したもの(比較例11)
をそれぞれ試作した。
【0040】300gの水の入った鍋を3ケ用意し、そ
れらを火に掛け、沸騰状態が同じようになった時点で、
これらの即席フライ麺を各鍋に入れ、3分間ボイルした
後、粉末スープを加え、実施例1と同様にして官能試験
を行い、茹で直後/6分後の腰を評価した。
【0041】その結果を表5に示す。表5からわかるよ
うに、本発明品は腰が出ると共に、時間経過による伸び
も違和感のないものであった。
【0042】
【表5】
【0043】実施例6、比較例12、13 乾燥する前に炭酸ナトリウムで溶液のpHが6になるよ
うに調整したグリアジンを主成分とする分画物の粉末1
5gと、グルテニンを主成分とする分画物20gをそれ
ぞれ、中力粉800gにタピオカ酢酸エステル化澱粉2
00gを混合した粉に各別に添加し、この2種類の粉
に、それぞれ食塩30gを水340gに溶解した溶液を
加え、15分間混捏を行い、成形麺帯を試作した。グリ
アジンを主成分とする分画物を添加した成形麺帯を外側
とし、グルテニンを主成分とする分画物を添加した成形
麺帯を挟み、複合ロールで複合を行った後、常法によ
り、うどんを得た。このうどんを13分間茹でた後、水
洗いを行い、1重量%の乳酸水溶液に60秒間浸漬し、
よく水切りを行い、表面に油をコートした後、耐熱性の
樹脂製袋に200g入れ、シール後、中心温度が85
℃、30分間の加熱条件で殺菌を行い、LLうどんを試
作した。
【0044】同時に、中力粉1,000gに食塩30g
を水340gに溶解した食塩水を加え、15分間の混捏
を行った後、常法によりうどんを得た(比較例12)。
また市販のLLうどん(日清食品製:ごんぶと)を用意
した(比較例13)。
【0045】評価は、生うどん(比較例12)を25分
間茹でたものを、粘弾性40、硬さ30、滑らかさ30
とし、各LLうどんを官能評価した。LLうどんは発泡
スチロールの容器に入れ、沸騰水を加え、2分間の復元
時間で復元したものを官能試験用試料とした。
【0046】評価結果を表6に示す。表6からわかるよ
うに、本発明品の食感は生うどんに近いものであった。
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、小麦グルテンから酸性
エタノール水溶液で分画された2つの分画物を特定の割
合で再混合したものを、麺類の生地中に混合することに
より、違和感のないバランスのよい食感の麺類を提供す
ることができる。また、グルテニンを主成分とする分画
物を含有する生地を内層とする3層構造の麺とすること
により、生麺の食感に近い加工麺類を得ることができ
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦グルテンから酸性エタノール水溶液
    で抽出されるグリアジンを主成分とする分画物と抽出さ
    れないグルテニンを主成分とする分画物を乾燥重量基準
    で1:9〜9:1の割合で生地に含有させることを特徴
    とする麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 グルテニンを主成分とする分画物を含有
    する生地を内層とし、グリアジンを主成分とする分画物
    を含有する2層の生地を外層とする3層構造にして、そ
    れらの分画物を生地に含有させる請求項1記載の麺類の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 グリアジンを主成分とする分画物とグル
    テニンを主成分とする分画物が、合計量として、生地中
    に0.1〜5重量%(乾燥基準)含有されている請求項
    1または2記載の麺類の製造方法。
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