JP3880959B2 - シリンダブロック鋳造用金型装置及びシリンダブロック鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は鋳造用金型装置及び鋳造方法に関し、特に、エンジンのシリンダブロック鋳造用金型装置及び当該装置を用いて行うシリンダブロック鋳造方法に関する。
一般にシリンダブロック鋳造用金型装置では、シリンダボアを形成する円柱状突出部とウォータジャケットを形成するウォータジャケット形成部とが可動中子として一体に設けられ、可動中子は、シリンダブロック鋳造用金型装置に設けられたシリンダに接続され、シリンダの駆動により可動中子は移動可能に構成されている。
特許第3040059号公報には、この構成のシリンダブロック鋳造用金型装置が記載されている。シリンダボアを形成する円柱状突出部とウォータジャケットを形成するウォータジャケット形成部とが一体に設けられてなる可動中子は、シリンダブロック鋳造用金型装置に設けられたシリンダに接続されており、シリンダの駆動により可動中子は、前進端位置と後退端位置との間で移動可能に構成されている。また、鋳造時に可動中子が前進端位置にあるときに、射出圧力により可動中子が後退することを防止する後退防止手段が設けられている。
鋳造成形後には、可動中子をシリンダで後退端位置に至るまで後退移動させることにより、円柱形突出部及びウォータジャケット形成部が、鋳造品たるシリンダブロックのシリンダボア及びウォータジャケットから同時に引抜かれる。
しかし、鋳造成形後におけるシリンダボア及びウォータジャケットからの円柱形突出部及びウォータジャケット形成部の引抜きは、同時に行われるために引抜き抵抗が大きく、実際には引抜きが困難な場合がある。
そこで、引抜き抵抗を低減するために、例えば実開平2−81738号公報に記載されているように、可動中子の円柱形突出部を有する部分とウォータジャケット形成部を有する部分とを別体で構成し、鋳造成形後に円柱状突出部とウォータジャケット形成部とを、所定の時間差をもって引抜くことが行われている。同公報記載の装置では、ウォータジャケット形成部が引抜かれた後に円柱状突出部が引抜かれる。
特許第3040059号公報(2頁〜4頁、図2、図4) 実開平2−81738号公報(10頁〜17頁、第1図)
しかし、実開平2−81738号公報には、ウォータジャケット形成部が引抜かれた後に円柱状突出部が引抜かれるシリンダブロック鋳造用金型装置の構成が詳細に記載されているが、円柱状突出部が引抜かれた後にウォータジャケット形成部が引抜かれるシリンダブロック鋳造用金型装置の具体的な構成は記載されていない。また、同公報記載のシリンダブロック鋳造用金型装置では、鋳造時に射出圧力により可動中子が後退することを防止できないという問題がある。
そこで、本発明は、射出圧力により可動中子が後退することを防止し、且つ円柱状突出部が引抜かれた後にウォータジャケット形成部を引抜くことができるシリンダブロック鋳造用金型装置、及び、当該装置を用いて行うシリンダブロック鋳造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ホルダ11を備える金型と、シリンダボアを形成するための円柱状突出部31とウォータジャケットを形成するためのウォータジャケット形成部40Aとを備え、該ホルダ11内に形成された移動空間11a内において該ホルダ11に対して前進端位置と後退端位置との間で移動可能に該ホルダ11に支持される可動中子20と、該可動中子20を移動させるためのシリンダとを備えるシリンダブロック鋳造用金型装置1において、該可動中子20は、該円柱状突出部31を有する第1中子部30と、該ウォータジャケット形成部40Aを有する第2中子部40とを備え、該第1中子部30は該第2中子部40内部において該可動中子20の移動方向へ移動可能に収納され、該円柱状突出部31は該第2中子部40に形成された第1貫通孔40aを通して該第2中子部40の外部へ突出し、該シリンダは第2中子部40に形成された第2貫通孔40cを通して該第1中子部30に接続され、該シリンダの駆動により該第1中子部30が該第2中子部40内で移動し該第1中子部30が該第2中子部40に当接して該第2中子部40を内部から押圧することにより該第2中子部40が該第1中子部30とともに該可動中子20の移動方向へ移動し、該第1中子部30は、該可動中子20の移動方向に略垂直の方向に延出する突出部33A、33Aを備え、該突出部33A、33Aは該第2中子部40に形成された第3貫通孔40d、40dを通して該第2中子部40の外部へ突出し、該ホルダ11、11には、該移動空間11a内に突出可能な後退止め中子14、14が設けられ、該後退止め中子14、14は、鋳造が行われる該前進端位置に該可動中子20があるときに、該突出部33A、33Aの後端33D、33Dに当接して射出圧力による該可動中子20の後退を防止し、該可動中子20が該後退端位置にあるときに、該突出部33A、33Aの前端33E、33Eに当接して該可動中子20を該後退端位置に保持するシリンダブロック鋳造用金型装置1を提供している。
また、本発明は、ホルダ11を備える金型と、シリンダボアを形成するための円柱状突出部31とウォータジャケットを形成するためのウォータジャケット形成部40Aとを備え、該ホルダ11内に形成された移動空間11a内において該ホルダ11に対して前進端位置と後退端位置との間で移動可能に該ホルダ11に支持される可動中子20と、該可動中子20を移動させるためのシリンダとを備えるシリンダブロック鋳造用金型装置1において、該可動中子20は、その移動方向に略垂直の方向に延出する突出部33A、33Aを備え、該ホルダ11には、該移動空間内に突出可能な後退止め中子14、14が設けられ、該後退止め中子14、14は、鋳造が行われる該前進端位置に該可動中子20があるときには、該突出部33A、33Aの後端33D、33Dに当接して射出圧力による該可動中子20の後退を防止し、可動中子20が該後退端位置にあるときには、該突出部33A、33Aの前端33E、33Eに当接して該可動中子20を該後退端位置に保持するシリンダブロック鋳造用金型装置1を提供している。
また、本発明は、上記シリンダブロック鋳造用金型装置1により鋳造を行うシリンダブロック鋳造方法を提供している。
本発明の請求項1記載のシリンダブロック鋳造用金型装置及び請求項3記載のシリンダブロック鋳造方法によれば、可動中子は、円柱状突出部を有する第1中子部と、ウォータジャケット形成部を有する第2中子部とを備え、第1中子部は第2中子部内部において可動中子の移動方向へ移動可能に収納され、円柱状突出部は第2中子部に形成された第1貫通孔を通して第2中子部の外部へ突出し、シリンダは第2中子部に形成された第2貫通孔を通して第1中子部に接続され、シリンダの駆動により第1中子部が第2中子部内で移動し第1中子部が第2中子部に当接して第2中子部を内部から押圧することにより第2中子部が第1中子部とともに可動中子の移動方向へ移動するようにしたため、鋳造成形後に、円柱状突出部が引抜かれた後に所定の時間差をもってウォータジャケット形成部を引抜くことができる。このため、鋳造品たるシリンダブロックからの可動中子の引抜きを容易にすることができる。
また、第1中子部は、可動中子の移動方向に略垂直の方向に延出する突出部を備え、突出部は第2中子部に形成された第3貫通孔を通して第2中子部の外部へ突出し、ホルダには、移動空間内に突出可能な後退止め中子が設けられ、後退止め中子は、鋳造が行われる前進端位置に可動中子があるときに、突出部の後端に当接するようにしたため、射出圧力による可動中子の後退を防止することができる。このため、精度の高いシリンダブロックを鋳造可能である。
また、後退止め中子は、可動中子が後退端位置にあるときに、突出部の前端に当接して可動中子を後退端位置に保持するため、高い精度で後退端位置に可動中子を保持することができる。このため、クローズドデッキタイプのシリンダブロックを鋳造する際に、ウォータジャケット形成部への置中子の挿入を、ロボットによって容易に行うことができる。
本発明の請求項2記載のシリンダブロック鋳造用金型装置及び請求項3記載のシリンダブロック鋳造方法によれば、可動中子は、その移動方向に略垂直の方向に延出する突出部を備え、ホルダには、移動空間内に突出可能な後退止め中子が設けられ、後退止め中子は、鋳造が行われる前進端位置に可動中子があるときには、突出部の後端に当接して射出圧力による可動中子の後退を防止するため、射出圧力による可動中子の後退を防止することができる。このため、精度の高いシリンダブロックを鋳造可能である。
また、可動中子が後退端位置にあるときには、突出部の前端に当接して可動中子を後退端位置に保持するため、高い精度で後退端位置に可動中子を保持することができる。このため、クローズドデッキタイプのシリンダブロックを鋳造する際に、ウォータジャケット形成部への置中子の挿入を、ロボットによって容易に行うことができる。
本発明の実施の形態によるシリンダブロック鋳造用金型装置について図1乃至図3を参照しながら説明する。図1に示されるように、シリンダブロック鋳造用金型装置1は、アルミニウム合金製のクローズドデッキタイプのシリンダブロックを鋳造するための装置であり、可動型10と、図示せぬ固定型と、可動中子20と、図示せぬ油圧シリンダとを備え、これらにより金型を構成する。可動型10は可動ホルダ11と図示せぬ可動ダイスとを備え、図示せぬ固定型は図示せぬ固定ホルダと図示せぬ固定ダイスとを備えており、図示せぬ可動ダイスと図示せぬ固定ダイスと可動中子20とによって、後述のキャビティ2aが画成される。
図1〜図3に示されるように、可動ホルダ11内には移動空間11aが形成されており、可動中子20は、可動ホルダ11内に形成された移動空間11a内において可動ホルダ11に支持され、移動空間11a内を図1〜図3の上下方向、即ち、後述のキャビティ2aに向かって接近する方向又は後退する方向に移動可能である。図3に示されるように、可動中子20が図の最も上方に移動した位置が、鋳造を行うときの位置である前進端位置をなし、図1に示されるように、可動中子20が図の最も下方に移動した位置が、後述のアルミニウム合金製の置中子3をセットする際の位置である後退端位置をなす。従って可動中子20は、可動ホルダ11に対して前進端位置と後退端位置との間で移動可能となっている。可動中子20の移動は、後述のように図示せぬ油圧シリンダの駆動により行われる。
可動ホルダ11の移動空間11aを画成する内周面には、可動ホルダ11を可動中子20から保護するための保護部材12、13が設けられている。図1〜図3における可動中子20の上方には、アルミニウム合金溶湯が充填されるキャビティ2aが形成されている。なお、図1〜図3では、説明の便宜上図の上方にキャビティ2aが位置するように図示したが、必ずしも可動中子20の鉛直上方にキャビティ2aが位置するとは限らない。
可動中子20は、図1〜図3に示されるように、第1中子部30と第2中子部40とを有しており、第1中子部30は第2中子部40内部に形成された収納空間20aに収納されている。収納空間20aは、図1〜図3の上下方向において第1中子部30が第2中子部40内部で移動可能な程度に広く、第1中子部30は、収納空間20a内において可動中子20の移動方向、即ち、図1〜図3の上下方向へ移動可能である。
第1中子部30は、円柱状突出部31と第1板状部材32と第2板状部材33とにより構成されている。円柱状突出部31は、一端にフランジ部を有し、他端寄りの部分がキャビティ2a内に位置して、図3に示されるようにシリンダライナー4が環装され、鋳造品たるシリンダブロックのシリンダボアを形成する。第1板状部材32には、その厚さ方向に貫通する貫通孔32aが形成されており、貫通孔32aの形状は、円柱状突出部31の一端の部分の外形に一致する。
円柱状突出部31は、図1に示されるように、他端側から第1板状部材32の貫通孔32aに挿入されてゆき、円柱状突出部31の一端側のフランジ部が貫通孔32aに嵌合した状態で、第1板状部材32と第2板状部材33とが積層され接合される。円柱状突出部31と第1板状部材32と第2板状部材33とは、一体で第2中子部40内の収納空間20a内を移動するように構成されている。
また、第2板状部材33の面であって第1板状部材32と接合されている面とは反対側の面には、可動ホルダ11に固定された図示せぬ油圧シリンダが、図示せぬ油圧シリンダに設けられたピストンロッド51を介して接続されている。また、第2板状部材33の図1〜図3における左右端部は、可動中子20の移動方向に略垂直の方向へ第1中子部30から延出する側方突出部33Aをなしている。側方突出部33Aは突出部に相当する。
第2中子部40には、円柱状突出部31が貫通する第1貫通孔40aが形成されている。第1貫通孔40aは、一端がキャビティ2aを画成する第2中子部40の外周面に開口し、他端が第2中子部40内部に形成された収納空間20aに開口する。円柱状突出部31は第1貫通孔40aを貫通し、第2中子部40の外部へ突出し、キャビティ2a内に突出する。円柱状突出部31は第1貫通孔40a内を摺動可能である。
第2中子部40の外周面上であって、キャビティ2aを画成し第1中子部30の円柱状突出部31が突出している面には、ウォータジャケット形成部40Aが設けられている。ウォータジャケット形成部40Aは、鋳造されるシリンダブロックのウォータジャケットを成形するためのものであり、第2中子部40の外周面から突出している。円柱状突出部31の周囲を取り囲むようにして設けられているウォータジャケット形成部40Aには、置中子3を挿入するための切欠部40bが、キャビティ2aから離間する方向へ向けて形成されている。
また、置中子3と第2中子部40の外周面40Bとの間は、所定の距離をもって離間しており、鋳造時にこの位置に金属溶湯が流入して凝固することにより、ウォータジャケットの開口端面の一部を覆うブリッジ部が設けられるように構成されている。鋳造時には、キャビティ2aを画成する可動中子20の外周面40Bにはダイカスト用水溶性離型剤が塗布され、更に、ウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bの表面には、後述のように二硫化モリブデンを主成分とする水溶液が、スプレー装置により微量塗布される。
なお、図1〜図3では、説明の便宜上ウォータジャケット形成部40Aを1つ図示しており、第2中子部40の外部に突出する1つの円柱状突出部31から離間した位置に図示されているが、鋳造されるシリンダブロックは4気筒エンジン用のものであり、実際には、第2中子部40の第1貫通孔40aは4つ平行に形成され、第1中子部30の円柱状突出部31は、実際には4本平行に設けられ、4つの円柱状突出部31は第1貫通孔40aをそれぞれ貫通し第2中子部40から突出し、4つの円柱状突出部31の周囲全体を取り囲むようにしてウォータジャケット形成部40Aが設けられている。また、切欠部40bは、ウォータジャケット形成部40Aに計8つ形成されており、この8つの切欠部40bにそれぞれ1つずつ置中子3が挿入される。
第2中子部40の収納空間20aを画成する内周面であって、第1中子部30の第2板状部材33に接合されている第1板状部材32の面とは反対の面に対向する位置には、第2中子部受板41が設けられている。第2中子部受板41は、第1中子部30が収納空間20a内を移動するときに、第1中子部30の第1板状部材32が第2中子部40の内周面に直接衝突することを防止する。
また、第2中子部40には第2貫通孔40cが形成されている。第2貫通孔40cは、一端がキャビティ2aから離間する方向へ第2中子部40の外部に向けて開口し、他端が第2中子部40内部に形成された収納空間20aに開口する。図示せぬ油圧シリンダのピストンロッド51は、第2貫通孔40cを貫通している。ピストンロッド51は第2貫通孔40c内を摺動可能であり、図示せぬ油圧シリンダの駆動によりピストンロッド51が駆動されて、第1中子部30が第2中子部40内部の収納空間20a内で移動するように構成されている。なお、図1〜図3の断面図では、第2中子部40は図の上側の部分40Cと下側の部分40Dとの2つの部分が表れているが、これらの部分は別個に製造され、第2中子部40の収納空間20aに第1中子部30が収納された後に一体に接続されて構成される。
第2中子部40の図1における左右側面位置には、第3貫通孔40d、40dが形成されている。第3貫通孔40d、40dは、一端が可動ホルダ11内に形成された移動空間11aへ開口し、他端が第2中子部40内部に形成された収納空間20aに開口する。第3貫通孔40d、40dは、その貫通方向とは垂直の方向であって可動中子20の移動方向、即ち、図1〜図3の上下方向に向かって細長く形成されており、第1中子部30の側方突出部33A、33Aが第3貫通孔40d、40dを貫通し、第2中子部40の外部に突出している。従って側方突出部33A、33Aは、第1中子部30が第2中子部40の収納空間20a内を移動するときには、第3貫通孔40d、40d内を中子の移動方向、即ち、図1〜図3の上下方向に案内されて、第3貫通孔40d、40d内を摺動可能に構成されている。
油圧シリンダの駆動により第1中子部30が第2中子部40の移動空間11a内で移動してゆき、第1中子部30が第2中子部40に当接して、更に第2中子部40を内部から図1〜図3の上方向又は下方向、即ち、可動中子20の移動方向に押圧することにより、第2中子部40が第1中子部30とともに上方向又は下方向へ移動して、可動中子20が移動するように構成されている。従って、第1中子部30が図示せぬ油圧シリンダによって移動させられ始めてから、所定時間経過した後に、第2中子部40が移動をし始めるように構成されている。
第3貫通孔40d、40dが開口する第2中子部40の外周面に対向する可動ホルダ11、11の位置には、後退止め中子14、14がそれぞれ設けられている。後退止め中子14、14は、他端側が可動ホルダ11、11及び保護部材13、13を貫通する可動ホルダ貫通孔11b、11bを貫通し、可動ホルダ貫通孔11b、11b内を摺動することにより、第2中子部40の移動空間11a内へ突出可能である。後退止め中子14、14には図示せぬ油圧シリンダが接続されており、図示せぬ油圧シリンダの駆動により、後退止め中子14、14が第2中子部40の移動空間11a内へ突出したり後退したりすることができるように構成されている。
後退止め中子14、14は、前進端位置に可動中子20があるときには、図3に示されるように、側方突出部33A、33Aの一部であってキャビティ2aから最も離間した位置にある後端33D、33Dに当接し、鋳造時の射出圧力による可動中子20の後退を防止する。また、後退止め中子14、14は、後退端位置に可動中子20があるときには、図1に示されるように、側方突出部33A、33Aの一部であってキャビティ2aから最も近い位置にある前端33E、33Eに当接して、可動ホルダ11の保護部材12と後退止め中子14、14との間で、第2中子部40の一部及び第1中子部30の第2板状部材33を挟むようにして、可動中子20を後退端位置に保持する。
ウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bへの置中子3の挿入は、後退端位置に可動中子20があるときに図示せぬロボットが行う。従って、後退端位置に高い精度で正確に可動中子20が保持されていなければ、図示せぬロボットによる挿入がうまくいかない。可動中子20は図示せぬ油圧シリンダの駆動により移動するが、油圧シリンダの精度によっては後退端位置の精度が落ちる。しかし、本実施の形態では、後退止め中子14、14によって可動中子20を高い精度で後退端位置に保持することができる。このため、ウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bに、図示せぬロボットを用いて置中子3を挿入することを容易に行うことができる。
特に、可動中子20の移動方向が鉛直方向に対して斜めに指向している場合には、可動中子20の後退端位置により高い精度が要求されるが、このような場合であっても、可動中子20を高い精度で後退端位置に保持することができ、図示せぬロボットを用いて置中子3を容易に挿入することができる。
シリンダブロック鋳造方法では、先ず、後退止め中子14、14を後退させて可動ホルダ11内の移動空間11aに突出していない状態とし、図示せぬ油圧シリンダを駆動させて第1中子部30を第2中子部40の収納空間20a内でキャビティ2aから離間する方向、即ち、図1の下方向に移動させて、第1中子部30を第2中子部40に当接させ、更に第1中子部30によって第2中子部40を内部から図1の下方向に押圧することにより、第2中子部40を第1中子部30とともに図1の下方向へ移動させる。
次に、第2中子部40と第1中子部30とが後退端位置に至ったとき、即ち、可動中子20が後退端位置に至ったときに、後退止め中子14、14を移動空間11a内に突出させ、図1に示されるように、側方突出部33A、33Aの一部であってキャビティ2aから最も近い位置にある前端33E、33Eに当接させ、後退端位置に高い精度で可動中子20を保持する。
次に、可動中子20のキャビティ2aを画成する面にダイカスト用水溶性離型剤を塗布する。そして、ダイカスト用水溶性離型剤が塗布されたウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bの表面にのみ二硫化モリブデンを主成分とする水溶液をスプレー装置により微量塗布する。使用される二硫化モリブデンを主成分とする水溶液は、化学物質管理促進法(PRTR法)における表示が「Moとして20% 第1種指定化学物質」であり、外観が黒色液状をなし、密度(g/cm,15℃)は1.3である。
次に図示せぬロボットによって、図1に示されるように、アルミニウム合金製の置中子3を、後退端位置にある可動中子20のウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bに挿入し、また、シリンダライナ4を円柱状突出部31に環装する。
置中子にはアルミニウム合金製のものと鉄製のものとがあり、アルミニウム合金製の置中子は一回の鋳造で廃棄されるが、鉄製の置中子は繰り返して使用される。アルミニウム合金製の置中子は溶湯と同等の材料であるため、一般には、例えば特許第3349115号公報に記載されているように、バリがはってもバリが置中子に容易に付着し、置中子の取り出し時にはバリは置中子とともに除去され、金型に残らないとされている。
しかし、アルミニウム合金製の置中子3と切欠部40bを画成するウォータジャケット形成部40Aの部分との摩擦が鋳造のショットごとに繰り返されると、切欠部40bを画成するウォータジャケット形成部40Aの部分の表面には微量のアルミニウム合金の付着が起こり、ウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bにアルミニウム合金の堆積物が残ってしまうことがある。上述のように、ウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bには、置中子3をロボットにより挿入するが、アルミニウム合金の堆積物が残っていると、置中子3をスムーズに切欠部40bに挿入できないという問題が生ずる。
しかし、ダイカスト用水溶性離型剤が塗布されたウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bの表面に、二硫化モリブデンを主成分とする水溶液をスプレー装置により微量塗布するようにしたため、ウォータジャケット形成部40Aの表面に二硫化モリブデンの膜が生じ、アルミニウム合金製の置中子3が直接ウォータジャケット形成部40Aに触れなくなることによって、また、二硫化モリブデンが良好な固体潤滑剤であることによって、ウォータジャケット形成部40Aの切欠部40bにアルミニウムの堆積物が残ることを防止することができる。このため、アルミニウム合金製の置中子3をロボットで切欠部40bに挿入する作業がスムーズとなり、生産性を向上させることができる。
次に、図2に示されるように、後退止め中子14、14を後退させて可動ホルダ11内の移動空間11aに突出していない状態とし、図示せぬ油圧シリンダを駆動させて、第1中子部30を第2中子部40の収納空間20a内で図2の上方向へ移動させ、図2に示されるように、第1中子部30を第2中子部40に当接させる。そして、更に第1中子部30によって第2中子部40を内部から図2の上方向、即ち、可動中子20の移動方向に押圧することにより、第2中子部40を第1中子部30とともに図2の上方向へ移動させる。
次に、第2中子部40と第1中子部30とが前進端位置に至ったとき、即ち、可動中子20が前進端位置に至ったときに、後退止め中子14、14を移動空間11a内に突出させ、図3に示されるように、側方突出部33A、33Aの一部であってキャビティ2aから最も離間した位置にある後端33D、33Dに当接させ、鋳造時の射出圧力による可動中子20の後退を防止する。そして、キャビティ2a内へアルミニウム合金溶湯を充填して鋳造を行う。
本発明によるシリンダブロック鋳造用金型装置及びシリンダブロック鋳造方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態によるシリンダブロック鋳造用金型装置1は、4気筒エンジン用のシリンダブロックを鋳造するためのものであったが、これに限定されない。
また、後退止め中子14、14が前進端位置に可動中子20があるときに、側方突出部33A、33Aの一部であってキャビティ2aから最も離間した位置にある後端33D、33Dに当接して、鋳造時の射出圧力による可動中子20の後退を防止する構成は、本実施の形態のようなクローズドデッキタイプのシリンダブロックを鋳造するシリンダブロック鋳造用金型装置に限定されて設けられるのではなく、オープンデッキタイプのシリンダブロックを鋳造するシリンダブロック鋳造用金型装置に設けられてもよい。
また、可動中子20は可動型10に設けられ、可動ホルダ11に支持されたが、固定型に設けられて、固定ホルダに支持されてもよい。
また、本実施の形態では後退止め中子14、14は2つ設けるようにしたが、これに限定されず1以上設ければよい。
また、可動中子20は第1中子部30と第2中子部40との2つの部分を有していたが、このように2つの部分から構成されず、一体に構成される可動中子であってもよい。このような中子であっても、可動中子の移動方向に略垂直の方向に延出する突出部が当該可動中子に設けられていれば、鋳造が行われる前進端位置に可動中子があるときには、後退止め中子は、突出部の後端に当接して射出圧力による可動中子の後退を防止することができ、また、可動中子が後退端位置にあるときには、突出部の前端に当接して可動中子を後退端位置に保持することができる。
本発明の鋳造用金型装置及び鋳造方法は、シリンダブロックを鋳造する分野において極めて有用である。
本発明の実施の形態による鋳造用金型装置の可動中子が、後退端位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態による鋳造用金型装置の可動中子が、後退端位置から前進端位置へと移動している状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態による鋳造用金型装置の可動中子が、前進端位置にある状態を示す要部断面図。
符号の説明
1 シリンダブロック鋳造用金型装置
11 可動ホルダ
11a 移動空間
14 後退止め中子
20 可動中子
30 第1中子部
31 円柱状突出部
33A 側方突出部
33D 後端
33E 前端
40 第2中子部
40A ウォータジャケット形成部
40a 第1貫通孔
40c 第2貫通孔
40d 第3貫通孔

Claims (3)

  1. ホルダを備える金型と、
    シリンダボアを形成するための円柱状突出部とウォータジャケットを形成するためのウォータジャケット形成部とを備え、該ホルダ内に形成された移動空間内において該ホルダに対して前進端位置と後退端位置との間で移動可能に該ホルダに支持される可動中子と、
    該可動中子を移動させるためのシリンダとを備えるシリンダブロック鋳造用金型装置において、
    該可動中子は、該円柱状突出部を有する第1中子部と、該ウォータジャケット形成部を有する第2中子部とを備え、該第1中子部は該第2中子部内部において該可動中子の移動方向へ移動可能に収納され、該円柱状突出部は該第2中子部に形成された第1貫通孔を通して該第2中子部の外部へ突出し、該シリンダは第2中子部に形成された第2貫通孔を通して該第1中子部に接続され、該シリンダの駆動により該第1中子部が該第2中子部内で移動し該第1中子部が該第2中子部に当接して該第2中子部を内部から押圧することにより該第2中子部が該第1中子部とともに該可動中子の移動方向へ移動し、該第1中子部は、該可動中子の移動方向に略垂直の方向に延出する突出部を備え、該突出部は該第2中子部に形成された第3貫通孔を通して該第2中子部の外部へ突出し、
    該ホルダには、該移動空間内に突出可能な後退止め中子が設けられ、該後退止め中子は、鋳造が行われる該前進端位置に該可動中子があるときに、該突出部の後端に当接して射出圧力による該可動中子の後退を防止し、該可動中子が該後退端位置にあるときに、該突出部の前端に当接して該可動中子を該後退端位置に保持することを特徴とするシリンダブロック鋳造用金型装置。
  2. ホルダを備える金型と、
    シリンダボアを形成するための円柱状突出部とウォータジャケットを形成するためのウォータジャケット形成部とを備え、該ホルダ内に形成された移動空間内において該ホルダに対して前進端位置と後退端位置との間で移動可能に該ホルダに支持される可動中子と、
    該可動中子を移動させるためのシリンダとを備えるシリンダブロック鋳造用金型装置において、
    該可動中子は、その移動方向に略垂直の方向に延出する突出部を備え、該ホルダには、該移動空間内に突出可能な後退止め中子が設けられ、該後退止め中子は、鋳造が行われる該前進端位置に該可動中子があるときには、該突出部の後端に当接して射出圧力による該可動中子の後退を防止し、可動中子が該後退端位置にあるときには、該突出部の前端に当接して該可動中子を該後退端位置に保持することを特徴とするシリンダブロック鋳造用金型装置
  3. 請求項1又は請求項2記載のシリンダブロック鋳造用金型装置により鋳造を行うことを特徴とするシリンダブロック鋳造方法
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